日常編、はっじまーるよー。
はい、二度目の小ネタ動画集となっております。
前回の小ネタ集同様、おまけなので(編集に統一性が)ないです。
小ネタ集とかいいつつ2パートしかないので、このタイトルも間違ってるとか指摘されそうですが鋼の精神で突き進みます。
今回はリカ姉に棘の玉璽が届いた後のイベントとなってます。年齢的にはだいたいスシ君(15)、リカ姉(14)、ミカン(9)、イッキ&リンゴ(6)、ウメ(2)くらいですね。
それでは、どーぞ。
○賢い子
「だからここの問題はさっき解いたのの応用で、この公式に当てはめて……」
「あぁ、なるほどね。この値がわかってこっちの式に代入する、と」
休日の昼下がり。
ミカンはクラスメイトと遊びに、イッキとリンゴも二人で公園に行ったため、現在野山野家にいるのはシイナとリカとシラウメの三人だけであった。
シイナが野山野家に住むようになってから行われている二人の勉強会。
最初の頃は確かにリカがシイナに教えていたが、いつの間にか立場が逆転していた。
決してリカが勉強が出来ないわけではない。彼女よりもシイナの方が飲み込みが良かった結果である。
数日後に迫ったリカの期末テストに向けて、何時もよりも時間をとって行われる勉強会。イッキ達が居ないことも相まって、二人は数学の世界に没入していた。
「にー、にー」
「「えっ……」」
集中があっさり切れる。比較的近くから聞こえた舌っ足らずな声に思わずシイナとリカは目を合わせる。
君か?
そんなわけないでしょ。
アイコンタクトでそんな会話をする。残る選択肢はただひとつ。二人はシラウメに目を向ける。シラウメもじっとこちらを見つめていた。
とてとてと歩み寄ってくる。
「「…………」」
その光景を見て口が塞がらない。現在シラウメは一歳と半年が過ぎた頃。子供の年齢としては決して歩くことが珍しい時期ではない。
ではなぜそれほどまでに驚くのか。単純にシラウメがそのようなそぶりを殆ど見せなかったためである。彼女は基本的に自分で移動しようとしない。ハイハイでシイナ、いなければリカに近づいて両腕を上げて抱っこを要求し、抱えて歩いてもらうのがほとんどなのである。
甘やかし過ぎているのでは?と思われるかもしれないが、要求に応じないとシラウメは梃子でも動こうとしない。育児初心者のシイナはお姫様に従うしかないのである。
因みにイッキは目を離していなくてもあっちこっちに動き回り、リンゴもそれについて行くといった赤ん坊だったため、リカにとってもシラウメは初めてのタイプ。よって対応はシイナに似たり寄ったりだったりするのだ。
そういうわけで二人はシラウメが捕まり立ちする姿すらまともに見たことないのである。
「にーに!」
椅子に座るシイナの足にシラウメが抱きつく。それを見たシイナは───
「リカっ!今日は焼き肉パーティーだっ!!松阪牛だっ!!」
「わかったからちょっと落ち着きなさい」
わりと動揺していた。
「ふーん、それで今日はえらく豪勢なんだな」
「うまし!うまし!」
「イッキ!それまだ生焼けだよ!こっち食べていいからおちつきなって!」
シイナの宣言通り焼き肉パーティーが行われている……流石に予算的に松阪牛ではないが、奮発してそれなりの量の肉が並んでいる。
「まー何て言うか、ウメは兄貴にベッタリだからな。『にーに』が最初なのは割りと妥当なところなんじゃねーの?」
「そうか?」
「飯食べるときの位置だって絶対兄貴の横を譲んないんだぜ?見りゃわかんだろ」
実際、シイナの左隣はシラウメが常に陣取っていた。因みにシラウメの左にはリカ、シイナの正面にミカン、その隣にリンゴ、イッキと並んでいる。
「にーに!」
「どうしたシラウメ?」
「にーに、にーに!」
「あぁ、上手に言えてシラウメは賢いな」
「えへへ」
「むー……」
褒める兄、撫でられて喜ぶ妹。大変微笑ましいこの光景をリカは少し不満げに眺めていた。
「シイナばかりずるい。私もウメに『ねーね』と呼ばれたいです」
「言えば呼んでくれるんじゃないか?ほらシラウメ『ねーね』だ」
シイナはリカを指差して教える。シラウメは指の先にいるリカを見て、シイナを振り返る。そしてもう一度リカを見る。
「ねーね」
「ウメっ!」
リカは感極まってシラウメに抱きつく。抱きつく力が強いのか「ねーね、むぅ……やー」とシラウメが身じろぎしている。
「ご、ごめんなさいねウメ」
「へー面白そうじゃん。おーいウメ、俺も『ねーね』だぞ」
「うぅ?」
シラウメはリカとミカンを交互に見て首をかしげる。最終的には助けを求めるようにシイナ見上げた。
「『リカねーね』と『ミカンねーね』だ。わかるか?」
「りかねーね……みかん、ねーね?」
「あっ!ミカン姉ずるい!ウメちゃんウメちゃん。『リンゴねーね』だよ」
「りん、ご、ねーね」
「おっ!じゃー次は俺だな。おいウメ『イッキにーに』だ」
「……」
「ん?どうしたウメ『イッキにーに』だ。言いにくいなら『にーに』だけでもいいぞ」
「やっ!!」
さっきまでとはうってかわって強く拒否する。そんなウメの態度にシイナ達は驚いていた。いや、ミカンだけが腹を抱えて笑っている。
「テメェ!ミカン!なに笑ってんだよ!」
「いやー、ウメは賢いなって思ってよ。『にーに』は兄貴だけで充分だよな」
「あい!」
当然と言わんばかりの返事を聞いて、普通にショックを受けるイッキ。
「この家ではトップが兄貴とリカ姉、次に俺、リンゴときてウメ、そんで一番下はバカだもんな。よく分かってるじゃねーか、ウメ」
「あい!」
「なん、だと?」
この日から暫くイッキによるウメの好感度上げが行われた。
根負けしたウメがイッキのことを『いーき』と呼ぶのはもう少し先の話。
○初めての調律
暗い室内。月明かりがシイナの姿を照らす。彼を視界に入れないように真下を向き、上から羽織ったタオルケットをギュッと握りしめる。
弟妹達はとっくに寝てしまった。この部屋、シイナの部屋にいるのは私とシイナだけ。静かすぎて自分の呼吸がやたらと大きく聞こえる。もしかしたらこの激しく脈打つ心臓の音も彼に聞こえているかも。
「えっと、本当にしなきゃダメなの?」
「嫌なのか?」
「い、嫌とかじゃなくて」
音を紛らせるために彼に話しかけるが、むしろこれからすることを考えてしまい一気に緊張してしまう。失敗した。
「その、何て言うか心の準備がまだって言うか……」
「安心しろ。痛くないから」
「は、初めてなんだから分かるわけないじゃないっ」
「大丈夫、リカは動かなくていい。全部俺にまかせておけ」
羽織ったタオルケットが剥がされる。月明かりに水着姿の私と上半身裸の彼が照らし出される。
今から私は、調律というのをされるらしい。
「えっと、あれだけ言っておいて何だが本当に嫌ならやめるぞ?」
「だ、だから嫌とかじゃないのよっ。ただちょっと、その……」
「リカが使うそのA.Tは普通のものとは違う。そいつを君が使う上での最適な状態に調整するために調律は欠かせない。ちゃんとした道具もない、調律者の腕も未熟な状態で申し訳ないが許してほしい」
不安とかよりも羞恥心の方が勝っているのだけれど……まあいい。
前を向くと、床に片膝をついてしゃがみ私を見上げる彼と目が合う。彼が着ているのは紺色の水着のみ。
かくいう私も白のビキニを着てベッドの端に座っている。
調律の説明を受けたときに、道具がない状態では肌の接触が多い方が正確に調律ができると言われた。流石に裸は無理。下着も恥ずかしくて却下した結果、水着に落ち着いた。
一応これなら先週海に行ったときにお互い見ているから大丈夫……だと思っていたけど、部屋の中で着ているという状況の違いがあるせいかやっぱり恥ずかしい。
あぁもう無理!女は度胸!どうにでもなりなさい!
いつまでもこうしていたって仕方がない。私はベッドの中央に移動して座り込む。
少し間をおいてシイナもベッドに上がってくる。彼は私の前に移動し、目線を合わせるようにして座る。
「始めよう」
そういった瞬間、彼の目が無機質なものに変わった気がした。
まず彼がとったのは私の右手。肩から肘、指先までゆっくりと撫で上げる。指の一本一本まで確認するように触れてくる。少しくすぐったい。
「─────」
歌……だろうか?弟妹達を起こさないようにと小声だし、英語の歌詞みたいだから何と言っているかはわからない。
あぁ、そういえば調律の説明のときにいってた気がする。たしか調律中に得た情報を凝縮して歌にするとか。なぜ歌にするのかはよくわからなかったけど、わかる人が聞けばちゃんと情報が伝わるらしい。
本来、一人で調律から調整までを行う場合は別に歌う必要はないらしい。今回は歌を録音して後で聞き直しながら調整するために歌うのだとか。シイナ曰く「俺はまだ未熟だから調律中は情報を得るだけで手一杯なんだ」ということでこの方法をとっているらしい。
「───、─────」
そうこう考えているうちに右手と同様左手も終わった。
なんだ、楽勝じゃない。
そう思っているとシイナの手が私の顔を包み込む。彼の顔が近づいてきてお互いの額が触れる。
普段では無い距離感に、一気に緊張が高まる。なにが楽勝か。馬鹿。
「────」
呟くように歌う彼の吐息がくすぐったい。手は頬だけでなく耳や後頭部、首を撫でてくる。
暫くしてシイナの顔が離れる。一息つこうとした瞬間に彼から抱き締められた。
「っ!」
抱き締められたことで彼の方に顔を埋める形になり、意図せずそこで大きく息を吸い込むことになった。
当然自分とは違う香りがした。その香りにくらくらしそうになる。
自分とは違う体温を感じた。その温もりにいつまでも包まれていたいと思った。
背中をすっと撫で上げられるとゾクゾクした。声を押さえるために目の前にあった彼の肩に口を押し付ける。少し汗をかいていた。私は大丈夫だろうかと心配になる。
後ろに回されていた手がほどかれ、シイナとの距離が少し開く。間を流れる風が冷たく感じた。
私はぺたんと座っていたが、足を彼が触りやすいように動かされる。
両ひざをたてて、足の間を少し開けられる。その間に割り込むように、距離を詰めるようにシイナが体を入れてくる。
あ、これ……普通に恥ずかしい。
そんな私の羞恥をよそに、足先からゆっくりと触れられていく。
くすぐったい。そのくすぐったさと同時によくわからない別のものも感じていた。ただ悪いものでは無いと思った。
そのままふくらはぎ、膝へと上がってくる。
あれ?どこまで?
思考に靄がかかっているのか、はっきりしない。
太ももに手が触れる。あぁ、ダメだ。触れられているところを意識しちゃダメだ。おかしくなる。
別のなにかに集中しなきゃ……
目の前にある彼の顔をみる。これもダメ。彼から触れられていることを意識してしまう。
においもだめ。さっきよりももっとクラクラする。
歌……このよくわからない歌のことを考えれば。
太ももの付け根に指がかかる。違う。歌の歌詞を。
私より大きい手のひらがどんどん中央によっていく。体が熱い。心臓がばくばくして弾けそう。待ってそばに、もっと近くにいて。
無意識に手を伸ばす。シイナの首の後ろに手を回し、力がうまく入らないながらも精一杯彼を引き寄せる。
中央の筋の部分に軽く指が触れて────
「あっ……」
あとのことはほとんど覚えていない。意識が朦朧としている間に終わっていた。
シイナの部屋でそのまま寝た気がしたが、朝起きたら自分の部屋にいた。机の上に調整の終わったA.Tが置いてあった。
「───っ!」
声にならない声をあげ、頭をかきむしる。
いったいどんな顔をしてシイナに会えば良いのか。
朝御飯のために呼びにきた、いつもと変わらないシイナをみて無言で一発ビンタするまで悶々とすることになる。
ちょいエロ方面書いてみたけど無理。難しいわ。
そうはならんやろう、と言われそうですがリカ姉は思春期+感度3000倍の呪いがかけられてたとかそんな感じで許してクレメンス。
ちなみにスシ君は情報読み取るのにいっぱいいっぱいでそれどころじゃない模様。