ウルトラマンレジェンド Episode.CROSSOVER   作:ハジケハムスター・ポッポ

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お待たせしました、タイトルに前編ついてるし次回後編ですがウルトラシリーズっぽくしたかっただけです。

まだまだ月末ゆえ仕事との兼ね合いもあって更新が遅れますが、長い目で見ていただけたらと思います。


それでは本編をどうぞ。


現れる地獄の門、目指すぜ!天辺!!(前編)

 レジェンドに告げられた注意すべき事……それは自身とリク、オーフィスが狙われているという内容だった。

しかし、レジェンドとリクことジードはウルトラマンという共通点が、レジェンドとオーフィスは共に暮らす家族という共通点があるが、リクとオーフィスの間には共通する部分が無い。

一応カップ麺好きというのはあるが、オーフィスは単に美味しい物が好きなだけだし、そもそもそれだけで狙われる筈が無い。

 

 

「あの……レジェンドさん、なんで僕達やオーフィスちゃんが狙われているの?とりあえず僕とレジェンドさんはともかく、オーフィスちゃんが狙われる理由が解らないんだけど」

 

「俺はさっき『ティガがよく知っている』と言ったのは覚えているな?」

 

「レジェンド、そのティガもウルトラマン?」

 

「ああ。正直あいつの方が奴らとの確執は大きいだろう。なにかと奴らはダイゴ……ティガに執着していたからな」

 

「解らぬ……そもそもそのティガとやらに執着している連中が何故にお主らやオーフィスを狙う?それ以前にティガというウルトラマンがこの世界に現れた事例はあるまいに」

 

 

確かにスカーサハの言葉は最もだ。ティガがこの世界に来たのは銀河遊撃隊の一員として来ている今回が初めてだ。ティガに恨みがあるというのもまず初対面どころかこの世界の歴史にさえ残った事が無いような状態ではまず有り得ない。

一瞬レジェンドはゴーデス同様、かつての記憶がある、又は連中の能力や特性から直接この世界へやって来た以前と同じ奴らそのものかとも思ったのだが……ゴーデスや根源的破滅招来体が存在・侵攻しているこの世界の地球を狙うような性格でもないと思い直した。

そして導き出した答えがかつてティガと共にキリエル人と相対した時の言葉や行動動機だ。

 

 

「連中が行動を起こす気になったのは、レイブラッド事変の時……ではなく、俺が幼少期のアーシアを助けるべくこの世界で再び変身したからだろう。この世界の地球に何時頃から侵入していたかは知らんが、きっかけはそれに間違いない筈だ」

 

「レジェンド様、レイブラッド事変って、三大勢力が激しくぶつかり合っていたところに今世界中で話題になってる怪獣っていうのを沢山引き連れた、レイブラッド星人とかいう宇宙人が現れて見境なく襲いかかったっていう、あの?」

 

「それで合ってるぞロスヴァイセ」

 

「それを解決したのが、レジェンド率いるウルトラ六兄弟。その六兄弟は光の国の最強戦力って聞いた」

 

「なんか色々とんでもない事を聞いたような……でも、なんでそのアーシアさんって方を助ける為に変身した時なんですか?レイブラッド事変の時の方がよっぽど有名そうなのに」

 

「単純にその事変が下敷きとなって俺達の戦いが御伽話になり世界中へ広まっていたからだな。そもそもその戦争は人間界で表沙汰になっていない。それに何より、御伽話の中でしか存在しないと思われてた者がいきなり派手に現れれば忽ち世界中が大騒ぎだ」

 

 

バリケーンの一件以来、レジェンドは時折起こる謎の天変地異や怪事件の際に変身して姿を現し、解決していった為、ウルトラマンの事自体は既に広まっていた。無論好意的にだ。さらにこの間のレイナーレの事件の際に変身して戦った80の事も相まって、ウルトラマンが複数存在する事も世間では話題となっている。

 

 

「それで結局のところ、お主らが狙われている理由は何なのだ?」

 

「……簡単に言えば奴らは気に食わないのさ。俺達ウルトラマンがな」

 

「え……」

 

「奴らは自己顕示欲が強い。『自分達こそが愚かな人類を導く存在だ』とかほざく連中だからな。そんな連中からしてみれば自分たちより後にいきなり現れて凄まじい力を見せつけ、人々の関心を奪った俺達を心良く思わんのは当然だろう。ティガに対してもそうだった。当時GUTSの隊長で俺の同僚だったイルマには『ウルトラマンではなく自分達を人類の守護者と認めろ』とか脅迫までしてたんだぞ、あいつら」

 

 

ぶっちゃけて言えば、嫉妬からくる逆恨みのようなものだ。近年怪獣などの被害が出始めてからそれを対処する為に動いていたのはレジェンドなので、そもそも守護者と評するにはまず同じ土俵にすら立てていない。怪獣出現以前にも様々な被害は出ていただろうにそれを未然に防ぐなりしていれば別だがそれもしていないのだ。

 

 

「つまり僕達がウルトラマンである事自体が狙われる理由ってわけか。あれ?じゃあオーフィスちゃんは?」

 

「オーフィスの場合は確証が無い為、はっきりそうだとは言えんが……連中がこの世界の出身だと仮定して『無限の龍神(ウロボロス・ドラゴン)』を知っていれば予想はつく。こっちもこっちで有名なのが連中にとって目障りと考えているだろう。加えてそれだけ名の知れた存在を倒したとなれば、三大勢力や各神話勢力にキリエルの存在を強くアピール出来るしな」

 

 

姿形はともかく、オーフィス自身の名前は有名だ。何かと自身らの存在を強調したいキリエル人にとっては格好の的だろう。ただ、レジェンドと特訓したりして今やグレートレッドを超えてしまっている彼女をキリエル人がそのまま戦って勝てるかは別問題だが。レジェンド相手でも同じく……というかこっちのがヤバイ。

 

 

「奴らが街中で仕掛けてくる事はまず無いだろうが警戒はしておいた方がいい。以前ティガは変身前に誘い込まれて痛めつけられた経験があるからな」

 

「……レジェンドは?」

 

「返り討ち。泣くまで殴るのをやめなかった」

 

「「「うっわぁ悲惨……」」」

 

 

かつてレジェンドは何処ぞの波紋使いよろしくキリエル人を生身で叩きのめしたらしい、主に殴って。これにはリク、スカーサハ、ロスヴァイセはキリエル人に同情を禁じえなかった。挑んだ相手が悪過ぎる。

 

 

「さ、このままだといつまでも話が延びるからな。明日に備えて早く寝るぞ」

 

「はーい」

 

「そうだな」

 

「ですね」

 

「……ん……」

 

 

そろそろ寝落ちしそうなオーフィスを抱えつつ、全員が布団に入ったのを確認してからレジェンドは電気を消す。レジェンドがいないと寝れない、というオーフィスが引っ付いてきたのをその身に感じつつ彼も眠った。

 

しかし、レジェンドだけは気付いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

部屋の窓の外に、青白い人型の『キリエル人』がレジェンド達を見定める様に浮遊していたのを。

 

 

 

 

 一夜が明けた駒王町。修行組にとっては本格的に各々の修行が始まる合宿二日目である。朝食を取り終え、それぞれ動き易い服装に着替えて『勉強部屋』へ向かう。

いよいよゲンと縁壱もレジェンドやオーフィス同様飛び降りる時ポーズしだした。ちなみにレイトもやろうとしたがカナエに止められた。確かに真似するような事でもないのだが。

 

 まずは各々がどういう指導・修行を行うかを説明する事になった。指導役やオカルト研究部側がどれだけのレベルかを全員が把握する事から始める、そういう意図があるらしい。

 

 一番手は縁壱とカナエ。……なのだが。

 

 

『大きな……瓢箪?』

 

「そうだ。『日の呼吸』それを体得したい者が現れた時にと作っておいた物だ。まずはこれを破壊してもらう。それが出来れば後は一直線だ」

 

 

カナエは決意を込めた表情で頷いたのだが、他のオカルト研究部にとっては疑問しか浮かばない。

 

 

「でも、瓢箪を破壊するなんて簡単じゃないかしら」

 

「特別硬そうな訳でもなさそうですし」

 

「胡蝶先輩なら楽勝だと思うけど……」

 

「……何か勘違いしていないか?」

 

 

オカルト研究部の声に縁壱は静かに迫力を出し、その威圧感にリアス達は息を飲みながら押し黙る。実はこの修行、既にカナエが昨日から行っていたものであり、瓢箪は今朝縁壱が惑星レジェンドより持って来た特別な品物だ。

 

 

「これを壊すのは()()だ。文字通り瓢箪の中に吹き込んで、な」

 

「「「「「!?」」」」」

 

 

カナエがまず体得しなければならないのは『呼吸法』であり、型は二の次。呼吸が出来てこその型であり、それが出来なければ全く先には進めないのだ。最初にして最大の難関。まさにハナっから全力で挑まなければ本当の意味でスタートを切れない。カナエは昨日とは違う感じで思いきり瓢箪を吹くが……

 

 

「―――ッ!!」

 

 

瓢箪にはヒビ一つ入らない。続けざまに様々な吹き方をしてみるがビクともせず、カナエの方が限界に達してしまった。

 

 

「ッげほっ!げほっ!はぁ……はぁ……」

 

「まだまだ先は長そうだな」

 

 

そういうと縁壱は自分用の瓢箪を取り出した。元のサイズがデカイそれをどこに持っていたんだ。ともあれ、カナエのものよりさらに大きく、しかも硬そうだ。そんな瓢箪を縁壱は……

 

 

「―――」

 

バゴォォォォォン!!!

 

『!!』

 

 

いとも簡単に、文字通り木っ端微塵に『吹き』飛ばした。カナエが幾らやってもビクともしなかった物より明らかに強固な瓢箪を、朝飯前とも言わんばかりにあっさり成し遂げたのだ。

 

 

「日の呼吸・第三幕まで極めればこの程度の芸当は造作もない」

 

 

……今この御仁は『第三幕』とか言わなかった?

カナエは得意とする花の呼吸でさえ第二幕まで。日の呼吸はスタートラインにさえ立てていないのに、目の前の規格外は第三幕を極めている。もはや脱帽しか出来ない。

 

 

「縁壱さん、予備はあるか?俺も試してみたい」

 

『!?』

 

 

興味津々なゲンを驚きの目で見る面々。縁壱はよし来たとばかりに取り出した。だからどこから取り出したんだソレ。お互い笑顔で手渡し手渡され、早速試そうとする。

 

 

「いちいち悩むからいけない。為せば成る!ともかくやってみろ!―――!!」

 

ビシィッ!

 

『なっ!?』

 

「やるな。さすがゲン殿」

 

 

一発でヒビが入った。もうヤダこの超人。

さすがにカナエも乾いた笑いしか出てこない。呼吸法には一日の長があると思っていたのだが、自分が出来なかった事を目の前の男はあっさり初見で成し遂げた。もし鬼殺隊にいたら間違いなく『柱』だろう、それも最強の。

 

 

「俺でもこれっぽっちか。確かに厳しいな」

 

「あ……あはは……私の努力って一体……」

 

「胡蝶先輩しっかり!!」

 

「おい何であんたがカナエの自信粉砕してんだよ!?そこは師匠の縁壱の役目だろ!!いや味方の自信を木っ端微塵に粉砕して良いわけじゃねえけどな!?」

 

 

がっくり項垂れるカナエを心配する小猫と、ゲンに抗議するレイト。原因を作った本人達は平然としているが。

一先ずカナエを休息させる意味でも、次の小猫や黒歌、夜一の番となる。

 

 

「知っての通り、白音の修行は仙術の完全なコントロールと……」

 

「最終目標は『瞬閧(しゅんこう)』の修得じゃ」

 

「「「「しゅんこう?」」」」

 

「高濃度に圧縮した鬼道を両肩と背に纏い、それを炸裂させることで鬼道を己の手足へと纏う白打の最高峰戦闘技術じゃ」

 

 

ちょっぴりドヤ顔な夜一だが、オカルト研究部には慣れない単語がまた出てきた。

 

 

「ええと夜一……さん?鬼道とか、白打とか……また分からない単語が出てきたのだけれど……」

 

「む、そうか。そこから説明するのはちと面倒じゃな。手っ取り早く説明すると……そうじゃな。鬼道が魔法や術で、白打が格闘技みたいなもんじゃ」

 

「分かりやすいですがざっくばらんですね。大まかな説明はそれで合ってるのですが、鬼道は私達『死神』が使う魔法の類、というのが正しいでしょうか」

 

「「「「死神!?」」」」

 

「ああ、この世界の死神とは定義や役割が全く異なるのであしからず。その説明は追々させていただきます」

 

 

にっこり、そう笑う卯ノ花の笑顔には「これ以上今は話す気はない」という威圧も含まれていた。リアス達が黙ったのを確認してから続けて説明する。

 

 

「私達死神は戦闘技術を『斬拳走鬼(ざんけんそうき)』と称します。斬は剣術、拳は白打つまり格闘術、走は歩法、そして鬼が鬼道……夜一殿のいう『瞬閧』はその内二つを組み合わせた奥義とも呼べるもの。少なくとも私の知る限りそれを使えたのは夜一殿と、かつてその部下で現在二番隊と隠密機動の長を継いだ砕蜂隊長の二名しか存在しません」

 

『二名!?』

 

 

最高峰の名に相応しく、今だ使用出来たのはたった二人だけ。卯ノ花が向こうで逝った後に増えたかもしれないが、それでもいきなり爆発的に増えたりはしないだろう。まさしくカナエの体得しようとしている『日の呼吸』同様、最高難度の大技だ。もし修得出来たなら小猫で漸く三人目という事になる。

 

 

「とはいえ最優先は仙術の方じゃ。瞬閧の会得には多少なりとも鬼道を学ばねばならんからの。その焼き鳥との決戦に間に合うかは微妙じゃな」

 

「……でも、やります」

 

 

皆が見ている前で小猫は凛と言い切った。黒歌なんか「あの白音がこんな立派に……!」と滝のような涙を流している。そして夜一はニッと笑いこう言った。

 

 

「そこまではっきり意志があるなら儂からはただ一つ……『エンディングまで、泣くんじゃない』じゃぞ」

 

「それ夜一が好きなゲームのシリーズのキャッチコピーにゃー!!なーんーでーにゃー!何でここでそれ言うにゃ!?」

 

「かっかっか!まさにここぞという雰囲気とタイミング!言ってみたい台詞だったんじゃ!内容的にもピッタリじゃろ?」

 

「ここは『守るべきもののため、我らは再び阿修羅の道をゆく!』とかの方が格好良いにゃ!」

 

 

顎に手を当てキラーンと目を光らせる夜一とそれに反論する黒歌。まあ、確かに修行は辛いが決戦が終わるまで泣くなという意味なら分からなくもないが。というかどっちも推しゲーのキャッチコピー使ってるだけである。

これから殺伐するであろう修行の前に見れる、一時の和みな言い争いだ。

 

 

「では次はアーシアさんと姫島さんですね。ちなみに私はどせいさん派でトロンべ派です

 

『!!??』

 

 

修行内容を話す前に爆弾を落とした卯ノ花だった。やはり彼女もレジェンド一家である。

 

 

「お二人にはそれぞれ回道、破道と縛道を修得していただきます」

 

「かい……?それ、鬼道ってのと関係あるんですか?」

 

「はい。回道は回復用の、破道は攻撃用の、そして縛道は補助用の鬼道と思っていただければ結構です。ここまで説明すれば理解出来ると思いますが、アーシアさんに回道を、そして姫島さんに破道と縛道を修得していただきます。神器や魔法以外の手段を持ってもらうのが一番の理由ですね」

 

 

ここまでは大方予想通りだ。先に夜一による鬼道の説明が入った時点でこの二人には鬼道の修得が主となる事は予想がついていた。……その修得レベルがおかしい高さなのは気付かなかったが。

 

 

「アーシアさんには持続力の強化の為に、この勉強部屋で修行する全員の治療をして回ってもらいます。神器と回道を交互に使いながら、ですよ?」

 

「はっ……はいぃっ!!」

 

「そして姫島さん。貴女には破道と縛道、どちらも詠唱破棄で六十番台まで出来るようになってもらいます。威力は落ちますが即座に発動出来るメリットの方が大きいですし」

 

「ろくっ……!?……分かりましたわ」

 

 

やはり鬼畜レベルだった。特に朱乃の方。

たった今知ったばかりの鬼道をこの数日間で合計120種類以上、それも詠唱破棄で撃てるようにしろというほぼ無理ゲーな課題である。アーシアの方は幾分マシだが、彼女はまず体力を付けなければ話にならない。

 

 

「んで、木場だっけ。アンタの修行なんだけど」

 

「とりあえず私と打ち合っていただきましょう。そこから課題や問題点などを割り出し、修正していきます」

 

「はい、分かりました」

 

 

ジェントの説明がわかり易かったのか、木場の特訓内容の説明はあっさりしたものだった。しかし後にわかった事なのだが……ジェントと乱菊のダメ出しが凄まじ過ぎた。後悔は忘れた頃にやってくる、とはよく言ったものである。

そして残る二人、リアスと一誠。

 

 

「リアス・グレモリー。お前に覚えてもらうのは『滅びの魔力』とやらの本質の理解、及び応用だ」

 

「滅びの魔力の本質……?」

 

「そうだ。他の部員に話を聞く限りお前はその力を断片的にしか使えていない。つまり『純粋に攻撃力の高い魔法』そういう形でしか発動出来ていないという事だ。まずはその認識を改め、力の本質を理解する事でお前の持つ魔力本来の力を発揮させる。実質、応用の方はオマケと思ってもらって構わない。本質の理解だけで十分過ぎる成果となるからな、お前の力は」

 

 

ハリベルの告げた修行内容、それはリアスの持つ滅びの魔力を本来の形で発揮出来るようにする事。少々馬鹿にされた気がするが、リアス自身は興味もあり問題なく了承したのだが……彼女が生まれてから今まで変えていなかったものを変えるのは並大抵の事では無く、要求される努力も半端ではなかった。

 

 そして、最後に一誠の修行内容だが、あまりにシンプルかつ最近まで一般人だった彼には難題過ぎるものだった。

 

 

「一誠。お前に出す課題はこれだ。この岩を砕いてもらう」

 

 

ゲンが指さしたのはかなり大きめの岩だ。レイトが軽く拳で叩いて確かめると、そこそこの固さがあるらしい。こんなの簡単だと昨夜の心配が稀有になった一誠は胸をなでおろし神器を出現させるが、そこでゲンが一誠の左腕を掴んだ。そして衝撃の一言を言い放つ。

 

 

「誰がそれを使って良いと言った」

 

『え……?』

 

 

これには師匠勢以外、一誠やリアスは意味が分からず、カナエや小猫はまさかと青い顔をしている。

 

 

「お前だけの力で砕くんだ。神器や道具の使用は許さん」

 

「「「「なっ!?」」」」

 

 

まさに青天の霹靂。先程説明した通り、ついこの間まで一般人であり、また戦車(ルーク)の駒の特性を持っているわけでもない一誠には無理だろう。少なくともこの短期間では。……今のままなら。

 

 

「そんな、無理ですよ!こんな岩を神器無しでなんて……」

 

「最初から無理だと思うから先入観が邪魔をして力が出せなくなるんだ。レイト、こっちの岩を砕いてみろ。方法はさっき言った通り己の力だけなら何をしても構わん」

 

「おう!」

 

 

ゲンの指示に漸く出番が来たとばかりに指を鳴らしながら、レイトが岩の前に立つ。一誠の課題の物より明らかに巨大だ。だが、やる気全開のレイトにそんな事は関係ない。

 

 

「俺のビッグバンは、もう止められないぜ!!」

 

ドゴォォォォォン!!!

 

 

突然レイトの拳が燃えたかと思えば、よくわからない台詞と共に鋭いチョップを一閃。巨大岩が粉々に吹き飛んだ。

ゲンの弟子だからある程度は砕けるだろうと予想はしていたのだが、まさか木っ端微塵になるとは思っていなかった一誠やリアス達は唖然とする。

 

 

「ま、こんなモンだな」

 

「上出来だ。分かったか?出来る出来ないじゃない、それ以前の問題だと理解しろ。やりもせず決めつけるな」

 

 

さすがに実践されてはぐうの音も出ない。一誠はすぐに取り掛かるものの、やはりほんの少しさえ砕ける様子がない。ゲンは一誠が修行を開始したのを確認し、その場をレイトに任せると先程から呼び出し音が鳴っていた通信機を取り出してオンにする。

 

 

「こちらおおとりゲン。何かあったのか?」

 

『兄さん、お疲れ様です。そちらのメンバーにも見てもらいたい映像がテレビ中継されてるんですが、そこって映りますか?』

 

「ちょっと待っていろ。卯ノ花さん、どうやら何かあったらしい。ここにテレビの映像か、ダイブハンガー(向こう)の映像をこちらに受信したり出来るか?」

 

「はい、少し待って下さいね。確かあの方はこうして、と……」

 

 

卯ノ花が何も無い空間に電子ディスプレイを出現させた事に全員が驚くが、どうやらミライ達もそれを感知したらしくC.C.やグレイフィアと何やら作業しているようだ。

 

 

『向こうは用意出来そうみたいです。ここからはどうやるんですか?』

 

『任せろ。こんなものピザのトッピングを考えるより簡単だ。あの勉強部屋のディスプレイ波長と連動させてこちら側の映像を出力すればいい。ここをこうしてだな』

 

『例えが微妙ですが、さすがですC.C.様』

 

 

向こうではやはりC.C.が機器の事に関しては一番優れているようだ。コンパチブルガリバーの正規パイロットは伊達ではない。そうこうしているうちにディスプレイにある映像が映る。そこに映っていたものに全員驚愕するが、『それ』について聞いていたアーシアだけは比較的落ち着いていた。それでも多少なりとも驚きはあるのだが。

 

 

「嘘……!あれは……」

 

「て……天使?でけぇ……何だよあれ!?」

 

「……黒歌よ」

 

「分かってるにゃ夜一。何か違和感があるわね」

 

(あれが……レジェンド様やリクさんが言っていた……やっぱり、あれは……)

 

 

映像に映っていたもの……それはアーシアにレジェンドやリクが言っていた、半透明の『天使』と呼ばれる『何か』であった。

 

 

 京都での激闘の幕開けは、刻一刻と迫っていた。

 

 

 

〈続く〉




次回はいよいよジード変身&バトルの予定。

フュージョンファイトを知ってる方ならピンと来てると思いますが、あのフュージョンライズ形態が登場します。

レジェンドは変身させようかと思ったけど登場と同時にケリつけてドラマもへったくれも無くなるので今回も見送りです。

「オイィィィ!!」


それではまた次回。

二択決定戦! シン一人乗りする最終ゲッターはどちらだ!?

  • 真ゲッタードラゴン(大決戦版)
  • 真・ゲッター1(スパロボα仕様)
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