ウルトラマンレジェンド Episode.CROSSOVER   作:ハジケハムスター・ポッポ

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お待たせしました。
木場裕斗ならぬ木場ガッ斗とオサレ朱乃の回。
ちょっとだけカナエも活躍。
一誠と小猫の活躍は次回へ持ち越しです。


それでは本編をどうぞ。


戦慄するライザー眷属、圧倒する騎士と女王

 遂に開戦したオカルト研究部VSライザー眷属。初戦は一誠が兵士三名、小猫が戦車一名を圧倒的な実力差を見せつけて撃破。その様子は各観戦者も見ており、特にグレモリー家とフェニックス家の者は驚きを隠せない。

では別の場所から観戦してるレジェンド一家や修行組、待機組の反応を見てみよう。

 

 

 

 

―修行組&ハンターズギルド―

 

 

「おぉぉぉし!見たかあの一誠の動き!最初の頃だったらビビってるだろうチェーンソーにも落ち着いて対処、相手の武器を奪ってからの三連撃破!!」

 

「そうだ、神器でなくとも武器は探せばいくらでもある。何をどう使うかという発想こそが大事だ」

 

 

 テンション高めなレイトと満足げに頷いているゲン。早速己らの指導した一誠が大活躍したのもあり二人も嬉しそうだ。

 

 

「確か彼は転生して間も無かったんでしたね。しかも神滅具持ちとはいえ元はごく普通の一般人……そんな彼が先手を取って複数撃破とは、あの問題児の面目を潰すにはとても良い展開ですよ」

 

 

ジェントも顎に手を当ててうんうんと頷いている。確かに勝ち星の多さを誇っていた上級悪魔たるライザーが、ほんの少し前までさして特別でもなかった下級悪魔になりたての一誠に眷属を瞬く間に三名も薙ぎ倒されるなど本来ならあり得ないだろう。ましてや遭遇した時はぶっちぎりで最弱だったはず。

 

 

「白音は控えめに動いておったの。慣らし優先にしたようだし、それが妥当じゃな。最後の一撃はド派手に叩き込んだが」

 

「にしても相変わらず別の意味で攻めまくりですよねーあの服。雛森があれ着て隊長に迫ったらどういう反応するのかしら」

 

「あの格好で『えい』とか可愛らしい声出したらその時点でもう最高。ノックアウトにゃ。抱き枕決定。レジェンド帰ってきたら一緒に住ませて貰うよう頼むにゃ」

 

「そこなのか黒歌殿。いや待て確かにうたがあの格好でそんな事言ったら私も冷静でいられる余裕が……」

 

 

対して小猫は慣らしだったのもあって派手に動いたのは最後の一撃だけだったが、夜一以外は小猫の衣装のマッチ具合に目が行っていた。黒歌はシスコン、縁壱は嫁バカを発動していたが。

ともあれ、他のハンターの面々もつい先日顔を合わせた人物が活躍したのを目にしてチームへのスカウトも考え出している。カナエとアーシア以外のオカルト研究部がギルド入りするのも近いかもしれない。

 

 

―京都にいるレジェンド一家―

 

 

「今の!きりもみキック!!レオ大師匠の技ナンデナンデ!?」

 

「落ち着けゼット。伝授されただけだろ」

 

「ウルトラ羨ましいぃぃぃ!!」

 

「二回目だなソレ」

 

 

 こちらではゼットが一誠のきりもみキックを見て羨ましがっていた。なにせ自身が師と慕うゼロの、さらに師であるレオの技を伝授されているのだ。つまり彼はゼロの弟弟子。ポジション的にもゼットの羨むポイントである。

 

 

「私個人としてはあの少女推しですね。優秀な獄卒になりそうです」

 

「容赦なかったもんね、最後」

 

鬼灯は小猫が気に入ったらしい。主に冷静かつ容赦なく叩き潰せるあたりを。リクも納得していた。

 

 

「股間にどかーん」

 

「「「ダジャレ狙いなのか本気なのか分かんないけどやめてソレ!!」」」

 

「亡者には有りですね。今度やってみましょう」

 

 

オーフィスの一言にレジェンド、リク、そしてゼットは声を揃えてツッコんだ。彼女の力でそこへ叩き込まれたら男として終了確定だろう。たぶんレジェンドは無傷だろうけど。

鬼灯は鬼灯でその案を採用しようとしていた。地獄の亡者達、哀れである。

 

 

―そしてダイブハンガー待機組―

 

 

 何故か機嫌が良かったC.C.が作ったピザを食べながら四人は観戦している。ただしグレイフィア、涼子、そしてミライは一つのピザを分け合っているがC.C.は自分用に三枚焼いていた。

 

 

「ほぉ……存外良い動きをするじゃないか」

 

「ええ。判断力もあるし、思い切りもいい」

 

「確か兵藤君がゲンさんとレイト君、塔城さんが黒歌さんと夜一さんだったかしら?指導したの」

 

「はい、そう伺っております」

 

 

こちらは割とあっさりしたものである。人数の比率が多い修行組や、アクの強い面々が揃っている京都組に比べ、人数も少なくまともな人物が集まっているからだろう。好物が絡むとおかしくなるのが二名程いるが。

 

 

 

 

 さて、再度レーティングゲームの真っ只中のオカルト研究部の方はというと、ライザーの眷属を倒した体育館で一誠と小猫が何やらやっている。

 

 

「こんなもんか?」

 

「そうですね。カナエ先輩に連絡します」

 

 

何かの準備が終わったらしく、カナエへと通信を繋げた。

 

 

 

 

 

 一方、ライザーの女王『ユーベルーナ』は一誠と小猫のいる体育館を上空より見下ろしていた。

 

 

「フフ……悪いけど会話が筒抜けよ。配置していたのは何も眷属だけじゃないの」

 

 

どうやら体育館には盗聴用の小型の魔方陣を仕掛けていたらしく、二人の会話はユーベルーナによって聞かれていた。

 

 

「カナエとは確かあの時の人間の事ね。大方その人間と合流するか、あそこで挟み撃ちにしようと考えているんでしょうけど、建物自体を吹き飛ばしたらどうなるのかしら?」

 

 

意地悪げな笑みを浮かべて体育館ごと一誠と小猫を爆破しようと魔方陣を展開するユーベルーナ。

むしろそう思わせる事が二人の作戦だと分からずに。

 

 

「さあ、まずは二人……!?」

 

 

ユーベルーナは体育館を爆破しようとするが違和感と悪寒を感じ、そちらに目を向けると体育館を挟んで反対側の木々を中心に巨大な桜が何十本も立っている。

 

 

「なっ……!?」

 

 

いきなり現れた不可思議な桜に絶句するユーベルーナ。さらに聞いた事のある声が聞こえてきた。あの日、自分達の主ライザーに喧嘩をふっかけたあの人間の。

 

 

「花の呼吸・第二幕、壱ノ型第二節……景桜―」

 

「!!」

 

「桜刃螺旋!!」

 

 

ズオオオォォォォォ!!!

 

 

その言葉と同時に桜全てが花弁へと変わり、ある一点を中心にドリル状へなっていく。勿論、中心になっているのはカナエ、花弁の支点になっているのは日輪刀・陽炎の切っ先。かつてゲンに放った時より格段に巨大かつ凄まじい回転速度のその技で、カナエは体育館とユーベルーナへ突撃する。

 

 

「うっ……ぐうぅぅぅ!!」

 

 

ユーベルーナはカナエの技の外周部だった為、爆破を中断して防御する事でどうにかダメージを抑えたが、体育館の方は木っ端微塵になった。

 

 

「あらら?やっぱりこっちに仕掛けて来たのね。リアスの読み通り」

 

「何ですって……!?」

 

「リアスが言ってたわよ。『おそらくライザーの女王は単独行動している裕斗より重要拠点である体育館の方へ来るだろう』って」

 

 

この言葉にユーベルーナは驚く。よもや戦闘前からそこまで読まれているとは思わなかったのだろう。しかし、彼女は余裕を崩さなかった。何故なら―

 

 

「そこまで分かっていて何故あの二人を囮……いえ犠牲にしたのかしら?結局私はこうして無事に―「ついでに、このお喋りも作戦の一つよ、ほら」……え?」

 

 

笑顔でカナエが指差した先には新校舎へと駆け出していた一誠と小猫の姿があった。二人が軽く振り向きながらサムズアップしたのに対し、カナエもにこにことサムズアップで返す。

 

 

「なっ……なんで!?今体育館ごと……!」

 

「だって私は貴女に当てたのと同じく、外周部が体育館の床スレスレになるように技を放ったのよ?床下に避難していたあの子達に当たるわけないじゃない」

 

 

つまり、あの会話はカナエの技から避難する為のスペースを作り終えたという意味であり、罠でも何でもなく寧ろ回避するという意味ではその逆だったのだ。

 

 

「……!まさか、あの会話は……!」

 

「そう、筒抜けだったのは承知の上。会話をダシに貴女を誘き寄せ、尚且つ戦法を確定させる為よ。あとは知っての通り目くらましとして体育館を破壊、ついでにお喋りして時間稼ぎ。あの子達にこの場を無事突破させる為の作戦だったの。むしろ、貴女が痛手を受けた方がおまけ♪」

 

「こっ……この小娘が……!」

 

 

またも笑顔で言い放つカナエにユーベルーナは沸騰寸前。今から一誠と小猫を狙い撃ちする事も可能だがそんな事をすれば背後からカナエに討たれるだろう。……が、カナエの行動はユーベルーナのさらに斜め上を行った。

 

 

「一先ずお仕事終わったので失礼しまーす♪」

 

タッタッタッ……

 

「はあ!?」

 

 

なんとにこにこ笑顔のまま刀を抱えてユーベルーナに背後を晒しながら本陣たる旧校舎へと駆け出した……つまり逃げた。あまりに拍子抜けな行動にさすがのユーベルーナも素っ頓狂な声が出てしまったが、これ幸いにと後ろ姿のカナエへと攻撃しようとする。しかし、それは叶わない。

 

 

「破道の四、白雷」

 

「ぐっ!?」

 

 

文字通り白い雷が一閃、ユーベルーナに直撃した。威力は然程でもなかったが、何故か魔力防御が働かない。

 

 

「あらあら……さすがカナエ、体育館が見事に木っ端微塵になってますわね。さて、貴女の相手は私がしますわ。ライザーの女王『爆弾女王(ボム・クイーン)』ユーベルーナさん?」

 

「その呼び方はセンスがなくて好きではないわ。『雷の巫女』……さっきのは何かしら?少なからず反応するはずの魔力障壁がまるで機能しなかったわ」

 

「説明するよりご自分でもう一度受けた方が早いですわ。もしくはこれを教えてくれた先生に直接伺うか……後者は叶うか分かりませんが」

 

「上等じゃない……!!」

 

 

カナエ同様にっこり笑う朱乃にユーベルーナは怒りを覚えた。随分と余裕があるようだが、彼女には切り札がある。それを使えば逆転など造作もない……そう思っていた。

 

後にそれは甘い考えだったと後悔することになる。

 

 

 

 

 一誠と小猫は新校舎へ向けて走っていた。カナエが作ってくれた隙と、朱乃がユーベルーナを引き受けてくれた事で障害物は存在しない。

 

 

「よし、このまま一気に……!っと、何だ!?」

 

「……どうやらライザー眷属が集合してるみたいです。何かに焦っているというか、怯えている感じがします」

 

 

何やら兵士(ポーン)の一人が何かから命からがら逃げて来たらしく、その報告をしているようだ。それを観察していると一誠と小猫に気付いた彼女らは臨戦態勢を取る。

 

 

「あれはグレモリー眷属の……!」

 

「なんで!?ユーベルーナさんは……」

 

「カナエさんからダメージ貰って朱乃さんとやりあってるぜ!」

 

「そこ、通ります。邪魔するなら吹っ飛ばしますよ」

 

 

これだけの戦力差だというのに二人はまるで怖気づく様子は無い。むしろ全滅させる気だ。

 

 

「さっきの奴といい……グレモリー眷属は一体何なの……!?」

 

「さっきの奴……?」

 

 

一誠が怪訝に思う。小猫は一緒だしカナエは部室まで退却。さらにリアスやアーシアもそこにいるし朱乃はユーベルーナと交戦中だ。となると残るは一人しかいない。

 

 

 

 

 

「ああ、イッセー君と小猫ちゃんも来てたんだね。大活躍だったみたいだし、僕も負けてられないな」

 

 

 

 

 

『!!』

 

「おう、木場!そっちも無事……へ?」

 

「裕斗先輩……何ですか、それ……」

 

 

ライザー眷属は驚き(一人は顔を青くし)、一誠と小猫は木場が持っている剣を見て唖然とする。

 

 

 

それは剣と言うにはあまりに大き過ぎた。

大きく分厚く重く大雑把過ぎた。

正にそれは鉄塊だった。

 

 

 

「いやぁ逃げた先に全員集合してくれてて助かったよ。これで……」

 

 

やはりと言うかにこにこと普段と変わりない笑顔を浮かべていた裕斗は次の瞬間、鬼気迫る表情へと変わる。

 

 

「手間なく一網打尽に出来る」

 

 

ドオォォォォォン!!!

 

 

一言口にしたと思えば一瞬でライザー眷属達の集まっていた場所へ踏み込んで手にした鉄塊を恐ろしい速度で振り下ろした。咄嗟に避けられたとはいえ、地面を思い切り吹き飛ばされて散り散りになり、裕斗の所には騎士二人と僧侶一人、小猫の所に僧侶と戦車一人ずつと兵士二人、そして一誠の所には兵士が三人に分断された。

とは言っても小猫の所にいる僧侶からは戦意を感じない。おそらくただ数合わせなのか、それともやる気がないのか。

 

 

「うーん……また分かれちゃったか。イッセー君、小猫ちゃん、そっちは任せてもいいかい?」

 

「ああ、こっちは問題ないけどさ……」

 

「裕斗先輩、凄い顔になってます」

 

 

なんかもう裕斗の顔が騎士(ナイト)じゃなくて狂戦士(ベルセルク)だった。ジェントが言ってた通りマジで大化けしている。何があったのホントに。

 

 

「くっ……だがいかに戦車相手であろうと素早い剣技があれば……!」

 

「あの、そこの……たぶん騎士の人」

 

「なんだ?この状況で敵と会話など……」

 

「裕斗先輩は『戦車』じゃなくて『騎士』です」

 

『……は?』

 

 

間の抜けた声をその場にいたライザー眷属達は揃って上げてしまう。そして裕斗を見ると鬼の形相で再び鉄塊を両手で振り下ろそうとしていた。

 

 

『う……嘘だあああああ!?』

 

 

信じられない、コイツの武器とかこの表情とか絶対戦車だろ!?と思い絶叫するライザー眷属全員。

思い切り振り下ろされたその鉄塊のような大剣を受け止めようとライザーの『騎士』の一人が同じく大剣を構えるが、いとも簡単にその剣諸共斬り伏せられた。

 

 

「が……はっ……」

 

「シーリスッ!!」

 

 

シーリスと呼ばれた騎士の持つ剣も大剣の部類であったが、裕斗の剣は彼女のそれの倍の刀身の太さや重さ、そして並外れた強度を誇る。そんな剣に速度と両手持ちの腕力が組み合わされば彼女の持つ剣が一方的に叩き折られるのは明らかだった。

そのまま気絶し、シーリスは光の粒子になって消える。

 

 

『ライザー様の騎士一名、再起不能!』

 

「あと二人。さっさと終わらせようか」

 

 

左半身の黒い外套(マント)を翻し右手に鉄塊の如き大剣を携えて再び残った眷属…『騎士』カーラマインと『僧侶』美南風に向き直る。

 

 

「くっ……」

 

「ああそうだ。まだ名乗ってなかったね。リアス・グレモリー様の眷属『騎士』木場裕斗。それから……これは新しい僕の魔剣『騎士殺し(ナイトスレイヤー)』。本当は『剣破壊の大剣(ソードブレイカー)』って名前にしようか迷ったんだけどね」

 

 

騎士殺し―自身も騎士なのに如何なものかとも思ったが、先程のシーリスのように相手を剣ごと斬り伏せるのを見せられたら納得してしまう。

 

 

(悔しいが分かる……圧倒的な力の差が……!)

 

「ちゃんと名乗った事だし……遠慮なく行くよ」

 

「……ああ。例え勝てずとも、こちらにも意地が……!?」

 

 

その瞬間、カーラマインと美南風は宙を待っていた。

 

 

「「……え?」」

 

「先生ならこのまま新校舎……いや、この空間ごと真っ二つにするんだろうけどね。僕にはまだ無理だから」

 

 

ゴシャアッ!!!

 

 

『ライザー様の騎士一名、僧侶一名、再起不能』

 

 

一瞬で宙へと吹き飛ばし、さらに無防備な二人を追撃し容赦無く叩き落として意識を刈り取った裕斗。あまりの実力差と無慈悲に他のライザー眷属は恐怖するしかなかった。

 

 

 

 

 朱乃とユーベルーナの戦いは例の如く朱乃が優勢だ。カナエの景桜・桜刃螺旋でダメージを負い、さらに朱乃が先制した白雷も受けている。加えて卯ノ花から教わった瞬歩によってユーベルーナの爆破攻撃を回避し続けているのだ。

 

 

「このっ……!ちょこまかと!」

 

「あらあら……攻撃に精細さがなくなってきてますわ」

 

 

一見余裕そうな朱乃だが、内心ではやはりある事が気になっている。一気に決める事が出来ないのはそれが原因だ。

 

 

(ほぼ確実に彼女は『持っている』。それを使われていないままこちらが大技を放てば先に力尽きるのは確実。その為に私は最初以外は魔力()()使っていない)

 

「……こうなったら仕方ないわね」

 

 

何かを使うのを待っている朱乃。……と、その時ユーベルーナが自分に液体を浴びるように掛けた。すると見る見るカナエから受けた傷を始め負傷した部分が治っていき、体力や魔力も全快になる。

 

 

「ふう……それじゃ、仕切り直しといきましょうか?」

 

「……やはり持っていましたわね、『フェニックスの涙』」

 

「その様子だと分かっていたみたいね。でも残念、分かっていたとしても対処出来なければ無意味よ」

 

 

フェニックスの涙とは、如何なる傷も治し体力なども全て全回復させるアイテムだ。レーティングゲームでは強力過ぎる為、一戦につき二つまでという制約があるのだが、非公式戦である今回でそれが適用されるのかは分からない。

 

 

「対処出来ない?いいえ、対処はこれからですわ」

 

「今さら負け惜しみを……」

 

「縛道の六十一、六杖光牢(りくじょうこうろう)

 

 

ガシィッ!!

 

 

「!?」

 

 

朱乃が一言発すると、六つの光の帯がユーベルーナに突き刺さり動きを封じた。

 

 

「結局、四十番台以降の縛道で詠唱破棄が出来たのはこれだけでした」

 

「な……まだ余力があったというの!?」

 

「ええ。とは言ってもこれを撃つなら精々一発分、それもギリギリですが」

 

 

朱乃が狙っていたのはユーベルーナがフェニックスの涙を使った瞬間だ。使()()()()ではなく使()()()()。使う瞬間に放った場合、下手すれば鬼道の発動に気付かれて使用を中断される場合もある。そうなれば万が一耐えられた場合、逆転される可能性が高い。

付け加えておくと、六杖光牢の詠唱破棄にしてもまだ完璧ではない。実際は余分に霊力を使って無理矢理短縮しているだけ。それでも即座に発動出来るのは大したものだが。

 

 

「もしフェニックスの涙を持たせるなら一つは女王で確定。もう一つは王自らが持つか、もしくは保険として別の眷属に持たすか」

 

「それで私がフェニックスの涙を使うのを待っていたわけね……!けどこれを解除出来れば!」

 

「その前に仕留めます。たとえ私が戦えなくなろうとも」

 

「!?」

 

 

朱乃は本気だった。自分の役目は『女王を討ち取る事』。王であるリアスと決戦の切り札たるカナエを守り、このレーティングゲームに勝利する為に。その為にこの破道を撃てるようにしてきたのだ。そして今こそがそれを放つ時。

 

 

「滲み出す混濁の紋章

 

 不遜なる狂気の器

 

 湧き上がり・否定し・痺れ・瞬き・眠りを妨げる

 

 爬行する鉄の王女 絶えず自壊する泥の人形

 

 結合せよ 反発せよ

 

 地に満ち己の無力を知れ

 

 破道の九十『黒棺(くろひつぎ)』!!!

 

 

ギゴオォッ!!!

 

 

旧校舎のリアス達や、新校舎にいるライザー、さらに戦闘中の一誠達にも見える程、巨大な漆黒の『箱』にユーベルーナが周囲ごと呑み込まれる。

 

 

「何なのこれは……!!あ……あああ゛あ゛あ゛ぁぁぁ!!!」

 

 

狂った重力場がユーベルーナを圧し潰す。フェニックスの涙によって全快した体は、一瞬にして使う前よりも悲惨な状態となる。全身から出血し、骨が砕け、肉が潰れ切る寸前、ユーベルーナは光となって消えた。

 

 

『ライザー様の女王、再起不能』

 

 

遂にライザーにとって無情とも言えるアナウンスが流れる。フェニックスの涙を使ったにも関わらず、ユーベルーナは朱乃が放った『黒棺』によって敗北した。

多大な霊力消費によって満身創痍だった朱乃は倒れ込むが、いつの間にやら再び駆け付けたカナエに抱き留められる。

 

 

「お疲れ様、朱乃」

 

「ええ……後は任せるわ、カナエ」

 

「任されました」

 

 

あらあらうふふと笑い合う二人は、支え合いながら本陣である部室へと退却する。

ただライザーにとっての凶事はまだ終わらない。

 

 一誠と小猫が修行の成果を見せる時が来た。

 

 

 

〈続く〉




ぶっちゃけこの裕斗そのままでもエクスカリバー砕けんじゃね?とかコカビエル仕留めそうな朱乃さんの主役回でした。

今回のアンケートは本話で終了予定です。
まあやっぱりレジェンドハーレムとサーガヒロインズだけでいいのかも。一誠にもヒロインはいる事だし。


それではまた次回。

二択決定戦! シン一人乗りする最終ゲッターはどちらだ!?

  • 真ゲッタードラゴン(大決戦版)
  • 真・ゲッター1(スパロボα仕様)
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