ウルトラマンレジェンド Episode.CROSSOVER   作:ハジケハムスター・ポッポ

120 / 301
お待たせしました。
レオとゼロの活躍回です。
今日仕上げたいと思いモチベ上げる為に本日購入した『炎』聴きつつ書いて、何とか完成させる事が出来ました。


それでは本編をどうぞ。


弟子達を救え、レオとゼロ変身の時!

 ライザーとの戦いはリアスらオカルト研究部の勝利……それも圧勝という形で決着した。

カナエは日輪刀を鞘に納め、ふぅ……と息を吐く。落ち着いてはいるが、体力は限界に近い。

 

 

「カナエ!」

 

 

リアスが一誠に肩を貸しながら歩いてくる。他の者達も一緒だ。

 

 

「リア「身体は!?何ともない!?息苦しかったり目眩がしたり!!」……落ち着いて、別に何処もおかしくないから」

 

「……本当に?」

 

「本当に。五体満足……ではないわね、体力的に。傷とかは問題無いわ。そもそも当たってさえいないし」

 

「でも、寿命が……」

 

「あ、それなんだけどね。ほら私一度死んでるでしょ?それからどうしてかこうやって生き返ってた場所で色々あって寿命自体がすっごく延びてるの。だから大丈夫」

 

「「「「「「え?」」」」」」

 

 

目が点になるカナエ以外のオカ研一同。

 

 

「えへ♪」

 

「も……も〜!!私の涙を返してよ!!本当に心配したのよ!?」

 

「カナエ先輩の今の笑顔にちょっとだけイラッとしました」

 

「うん、小猫ちゃんと同じような台詞を妹にも言われた事あるわ」

 

 

詳しく聞くのは後にして、とりあえず今はゲームに勝利し、全員が無事だった事を喜ぼう。

そう思ったのも束の間、カナエはある事に気付く。

 

 

「……ねえ、私達……勝ったのよね」

 

「……?そうよ、貴方がライザーを倒して私達が勝ったの。ちゃんとアナウンス流れたでしょ?」

 

「ええ……それは聞いたわ。間違いなく」

 

 

そこでカナエは言い淀んだが、意を決して口にする。

 

 

「なんで……私達まだここにいるの?」

 

『……え?』

 

「決着がついたのに、どうして私達は戻れないの?」

 

 

全員がハッとした。何故自分達はライザー達と違い転送されないのか。まだ敵がいるというのか?

 

 

「ルミナシア!どういう事!?」

 

 

リアスが宙に……見ているであろう、審判役のルミナシアに問い掛ける。そうすると予期せぬ答えが返ってきた。

 

 

『お嬢様!!その空間が何者かによってこちらの制御下を離れました!!』

 

「なんですって!?転送は!?」

 

『何度か試していますがまるで反応しません!幸いそちらの様子は確認出来ますが……!』

 

 

切羽詰まっているのがこちらにも伝わる程、向こうも焦っているようだ。確かに異常事態だが、カナエはレーティングゲームの前に感じた悪寒を思い出す。そう、アーシア救出の時と同じ感じの……

 

 

「まさか……ゴーデス?」

 

「ゴーデスって……あのレイナーレが変異した時の?」

 

「正確にはゴーデス細胞ね。でも、怪獣化させる事は出来ても空間掌握が出来るなんて聞いてないし……何か、他の……」

 

 

 

 

 

その時、そこへ『何か』が多数送り込まれて来た。

点状の目を複数持った鋼色の巨大な人型のロボット。

 

ゴブニュ・ギガ。

 

本来ならば小型のゴブニュが集合して誕生するはずのそれが、多数現れたのだ。動きこそ遅いが力が強く、そして硬い。消耗したオカルト研究部では一体だけだとしても厳しい相手である。

何より、現段階でまともに相手に出来るとしたらプラズマ怪獣とやり合えるカナエぐらいだろう。そのカナエも今は万全ではなく、逃げるので精一杯だ。不幸中の幸いは相手の動きが遅い事だが、この閉鎖された空間内ではじきに追い詰められる。

 

 

「……あの方が作ったデータベースとかいうのに登録されてたわ。ゴブニュ・ギガという巨大な自律兵器みたい」

 

「少なくとも味方じゃないって事ですよね……くそ、俺の身体が動けばちょっとは戦力になるのに……!」

 

「戦力になるとしても数が多過ぎますわ。とにかく今は姿を晦ましましょう。機械である以上、相手がセンサーの類を使ってきたらお手上げですが」

 

 

朱乃の言葉に全員が頷き、お互いに手を貸しながらその場から離れる。

だが、敵はゴブニュだけではない。

 

 

空に、その様子を伺うような緑の光が蠢いていた。

 

 

 

 

 その様子はハンターズギルド内やダイブハンガー、そして京都で観戦していたレジェンド達も確認していた。

ハンターズギルド内では突然の事に混乱が巻き起こるが、修行組師匠達やジェント、シックルは落ち着いている。

 

 

「オイオイ何だありゃ!?新手のプラズマ怪獣か!?いや、プラズマソウル付いてねえし……」

 

「明確な理由は分かりませんが、一つだけハッキリしているのは彼らが危機に瀕しているという事です」

 

 

卯ノ花の言葉に縁壱も頷く。

 

 

「あの空間への突破口さえ開ければ私達も突入して奴らを一掃出来るが……」

 

「……いよいよ俺達の出番だな、ゼロ」

 

「おう!一誠(あいつ)が頑張ったんだ。兄弟子と師匠の俺達がここは一肌脱いでやるとしようぜ、レオ!!」

 

 

ウルトラマンとしての名で呼び合い、立ち上がるゲンとレイト。遂に彼らに自分達の正体を告げる時が来たのだ。

 

 

「ああいう閉鎖空間への突入は何度も経験がある。俺達に任せてくれ」

 

「あんた達は俺達が無事帰って来たら、『おかえり』の一言でも掛けてくれよな!」

 

「分かりました。ゲン殿、レイト殿……どうかお気をつけて」

 

「レオ兄さん、ゼロ。僕は何かあった時の為にいつでも出られるように外部で待機しておきます。生徒達を、お願いします」

 

 

卯ノ花と矢的の言葉に二人は頷くと、ダイブハンガーへやって来た時のように光となってレーティングゲームの舞台となった空間へと転移していく。

 

 

 

 

 京都組の方はゼットが騒いでいた。

 

 

「ああーっ!アレゴブニュ!ギガ!ティガ大先輩が戦ったヤツ!」

 

「分かってるからそんなバシバシ叩くな。というか俺もやり合ったから言わんでもいい。観戦中からどれだけ興奮してるんだお前は」

 

「アイエエ!?」

 

 

ゼットに対してあくまでも冷静なレジェンド。この手のアクシデントなど数えるのが馬鹿らしくなるくらい経験してきた。ここでジタバタしても仕方が無い。

 

 

「空間に突入出来るとしても場所が駒王だ。距離があり過ぎる。俺だけならともかく今はお前も一緒となると長距離転移突入は些か不安が残る。ダイブハンガーにいるメビウスが何らかの事情で仮住居もしくは駒王の何処かにいるならメビウスも短時間で突入出来るだろうが、ここは修行を見たレオとゼロに任せた方が無難だ。多少駒王から離れていてもこっちやダイブハンガーよりは遥かに近い」

 

「それは分かりますけど!!レジェンド超師匠、このままじゃ俺……本編放送中にこの小説内で一回でも活躍出来るか不安なんですよ!!

 

「そっちかよォォォ!!真面目に応えた俺が馬鹿みたいだろーが!!」

 

「大丈夫。本編放送後が本番。ネタの引き出しが増える」

 

「なるほど!」

 

「何がなるほどだ!オーフィスも変な事言わない!さっきからメタ発言ばっかだな!?」

 

「今更ですね」

 

「鬼灯の言う通りだよチクショー!!」

 

 

こんな非常事態でも彼らはいつも通りだった。

 

 

 

 

 一方ダイブハンガー待機組も割と冷静だった。というのもレオとゼロが突入してすぐに卯ノ花が連絡した為で、ミライが空間が閉鎖された原因究明に取り掛かっているからだ。

 

 

「空間閉鎖というのはウルトラマンにとってそう珍しい事ではないんです。僕ら自身も被害が広まらないようにフィールド展開する時もあるくらいですから。問題は誰がどうやって、何の理由で空間を閉鎖したかです」

 

「狙いがどうも分からんな。あいつが作ったデータベースにはあの木偶人形はマキシマオーバードライブとやらの破壊を目的とした物だとあったがな、そんなものあそこに隠されでもしてるのか?」

 

 

C.C.の疑問はもっともだ。ゴブニュは元々マキシマオーバードライブという機関を破壊する為に機械島から送り込まれたロボット。その発展系であるネオマキシマドライブを使っているコンパチブルガリバーがあるこのダイブハンガーを狙うなら分かるが、何故ここではなくオカルト研究部のいるあの空間を狙ったのか。

 

 

「中身が変わっているのか、別の何かに操られているとか……有力なのはそのどちらかね。それか、一番考えたくないのは関係者というだけで狙われている場合。その理由だとすれば狙われているのはカナエちゃんとアーシアちゃん。他の子はとばっちりを食った形になるわ。そうなったら二人の性格上気に病むだろうし、最悪溝が出来てしまうもの」

 

「……大丈夫です。いや、大丈夫というのは間違ってるかもしれませんけど……たぶん、二番目の理由です」

 

 

涼子が出したいくつかの意見の内、最悪な展開は免れそうであるが、だとしたら誰が。……もしかしたら空間を操る中で最も有名で狡猾な存在かもしれない。ミライは新たなる脅威の可能性を感じる。自身も相対した事のある存在の。

 

 

(……ヤプール)

 

 

 

 

 空間を閉鎖され閉じ込められているオカルト研究部は、なんとか今の今まで逃げられているものの体力的に限界が近い。おまけに相手が巨大かつ複数であるというプレッシャーも相まって精神的にもキツくなってきた。

 

 

「このままじゃジリ貧です。対抗策が無いまま逃げ回っても相手の方が数が多いし何より巨大。こっちの攻撃がまともに通じるとも思えません」

 

「小猫ちゃんの言う通りだね……こんな切羽詰まった状況じゃとてもじゃないけど打開策を練ってる時間もないし」

 

 

小猫と裕斗の言っている事は事実だ。正直このままでは全滅も時間の問題だろう。だが、この状況でも諦めない者がいた。

 

 

「でもよ、こっちの状況が外にも伝わってる……っていうか見えてるんだろ?だったら向こうだって黙って見てないはずだぜ。ここで諦めてやられるのを待ってたらあっちが何か考えてても無駄になっちまう。黙ってやられるくらいなら足掻こうぜ、往生際悪くさ!」

 

「そうね。あの方も言ってたの。『どんな状況であっても諦めず、勝利を信じ戦う事。信じる心、その心の強さが不可能を可能にする』ってね」

 

「きっとここで諦めたら未来なんて掴めません。私、あの方に助けられて、皆さんと出会えて……やっと前に進めたんです。だから、ここでそれを終わらせたくありません!」

 

 

一誠、カナエ、アーシアだ。

まだ一誠はあの二人の正体を知らないが、直接ウルトラマンと関わって彼らが歩んだ過酷な戦いを知った。カナエに至っては無惨ら鬼と戦っていた経験もある。この間見たジードやメビウスもまた、最後まで諦めなかったからこそ起死回生の手段を手に出来たのだ。そして、自分達を信じて送り出してくれた矢的こと80や師匠達にも誓った。勝って帰ると。その誓いを違えるわけにはいかない。

 

その時、突如二つの光がオカルト研究部の前に姿を現した。ゲンとレイトだ。

 

 

「よう!よくここまで保たせたなお前ら!特に一誠!そんな身体でも諦めなかったのは大したもんだ!」

 

「先輩!?師匠!?なんで……もう突破口開けたんですか!?」

 

「いや、突入したのは俺達だけだ。後は有事の際に備えて残ってもらっている。……よく、頑張ったな」

 

 

何故ここに来られたのか、そんな事はどうでもいい。どうしてか二人が来た時、言葉に出来ない安心感があった。その答えをカナエとアーシアは知っている。

 

 

「おおとり師範、レイト君……行くのね、戦いに」

 

「ああ。連中は俺達の方が専門だ。キツいだろうがもう少しだけ頑張れるか、カナエちゃん」

 

「勿論!皆で力を合わせれば逃げ回るくらいどうにでもなるわ」

 

「よぅし!それが聞けて安心したぜ!」

 

 

カナエの言葉に全員が頷く。そしてゲンとレイトは一誠を見る。

 

 

「一誠、そして皆……後は俺と『ゼロ』が引き受ける」

 

「俺と『レオ』に掛かりゃあんな連中ひと捻りだ!って言っても油断せず全力でぶっ潰すけどな!」

 

「!!」

 

 

やはり、リアスだけがハッとした。レオとゼロ……あのセブン縁の者だと。もしや彼らがと思ったそれは今、現実のものとなる。

ゲンは両手をクロスさせるように構え、レイトは懐から鋼のアイマスクのような『ウルトラゼロアイ』を取り出す。

そしてゲンは正拳突きのように拳を突き出して、ウルトラマンとしての……真の名を叫び、レイトは気合いの入った掛け声と共に目元にウルトラゼロアイを当てて起動させる。

 

 

 

 

 

「レオォォォ!!」

 

「シュアッ!!」

 

 

 

 

 

レオリング―獅子の瞳とも呼ばれるそれが輝いた時、ゲンは炎の中で本来の姿となって巨大化する。

同様にレイトも目元のウルトラゼロアイを中心に光り輝き徐々に本来の姿に戻りながら巨大化した。

 

片や銀色のウルトラマントを羽織り、片や青色のウルトラゼロマントを羽織った、雰囲気からして他のウルトラマンとは一線を画したウルトラ戦士達。

 

ウルトラマンレオとウルトラマンゼロ、最強師弟の一角としてその名を宇宙に轟かす二人が、オカルト研究部絶体絶命の危機に駆けつけた。

 

 

 

 

 グレモリー家とフェニックス家は騒然とした。冥界のテレビ番組で放送されているのはセブンとタロウのみであり、作中では他のウルトラ六兄弟やウルトラの父、母が登場していた程度だ。

だが、リアスの生家であるグレモリー家や、それと繋がりがあったフェニックス家など一部の家系は違う。セブンの弟子であるレオや、その弟子でありセブンの息子であるゼロの事は少なからず知っていた。

特にゼロは人間に換算してリアスらとほぼ同年代ながら銀河遊撃隊隊長という光の国でも重要なポジションにつく程の手練。当然その師匠たるレオも相当なものだろう。

 

 

「サーゼクスよ、彼らは……!」

 

「ええ、父上……間違いなく彼らはタロウが贈ってくれた映像記録に映っていた二人です。あのマント姿を見間違えるはずがありません」

 

 

タロウ達の纏うブラザーズマントと違うとすればウルトラの父のファザーズマントや、レジェンドが纏うレジェンドマントなど専用の物になる。

レオとゼロはその数少ない専用マント持ちだ。レオのウルトラマントは元々レジェンドを介してキングから授けられた物だが、この【エリア】にキングはいない為、実質専用と言っていい。

 

 

「我らでも手出しが出来ない以上、ここは彼らに頼る他ありません。下手に動いて彼らの足を引っ張らぬよう、信じて待ちましょう」

 

「うむ……そうだな。信じよう、光の戦士達を」

 

 

大切な愛娘にして妹と、共に戦ってくれた仲間達の無事を託し、リアスの兄サーゼクスと父ジオティクスは決して目を離すまいとモニターに目を向け直した。

 

 

 

 

 本来の姿に戻ったレオとゼロはそれぞれマントをブレスレットに変化、或いは収納し、互いに顔を見合わせて頷くとゴブニュ達へと突撃していく。

 

 

「ダアァァァ!!」

 

 

レオはゴブニュの一体へ勢いをつけたパンチを打ち込む。すると、吹っ飛ぶどころかゴブニュの鋼の身体を軽々と貫通し、そのまま機能を停止させた。続けざまに手を引き抜き動かなくなったゴブニュを迫りくるゴブニュ達へと投げつける。

その鈍重な動きでは回避する事など出来ず、投げつけられた仲間に激突しゴブニュ達は倒れてしまう。その隙を見逃さず、レオはエネルギー光球を作り出して投げつけ、なす術なくそれに直撃したゴブニュ達は纏めて木っ端微塵になった。

 

 

「……!ダァッ!」

 

 

背後から仕掛けてきたゴブニュの攻撃をバク宙で回避し、逆に背後を取ったレオが腕を素早く動かすと、なんとゴブニュの両腕がすっ飛んだ。それだけでなく素手で斬り落とした両腕の、さらに二の腕部分と手首を斬り落としコンパクトな腕部分だけにすると、念力で鎖を出現させて繋ぎ武器とする。

レオヌンチャク。かつてケットル星人と戦った時には煙突を繋げて作ったが、今度は大きさも強度も格段に上なゴブニュの腕で作ったヌンチャクだ。武器としては申し分ない。そのヌンチャクを凄まじい速度、かつ器用に操りながらゴブニュを吹き飛ばして行くレオ。

まさか鋼の相手の両腕を素手で斬り落として、おまけに武器にしてしまうという規格外な戦法をいとも簡単にやれてしまうレオに、リアス達は開いた口が塞がらない。

 

 

「……ゲン師範、ウルトラマンになったらもっと反則じみてます」

 

「最初の一撃なんて文字通り一撃だったからね……」

 

 

小猫と裕斗の言葉に全員が同意した。

特に武器に頼れば隙が出来るとは言っていたが、まさか武器を現地調達して即座に組み上げるなど予想できるわけがなかった。無ければ作ればいいとかそういう問題ではない。

そうこう言っている間にレオはヌンチャクをゴブニュ達に向かって放り投げ、空高く飛び上がり飛行するポーズのまま超高速で回転すると、群がったゴブニュ達へそのまま突撃し、貫通しながら瞬く間に残さず撃破した。

ボディブーメラン。別名必殺・風車とも呼ばれるその技は、かつてケンドロスとの戦いの際に新体操をヒントに編み出した大技だ。

武器を即席で作るどころか己自身が武器のように突撃する技まで使うレオにもはやリアス達は脱帽するしかなかった。

 

 

「イヤァ!!」

 

 

爆発するゴブニュの大群を背にポーズを決めるレオ。彼の受け持ったゴブニュはものの数分も保たず全滅した。

 

「……あの人が武器らしきものを何一つ持たない理由が分かったわ。あの人は身体を動かせれば、それだけでも武器なのよ」

 

「「「納得です」」」

 

 

リアスの言葉に朱乃と小猫、裕斗が賛同する。カナエとアーシアは初日からその規格外っぷりを目にしてたので「あんな事も出来るんだ」と感心してたぐらいなのだが。ちなみに一誠はただただそれを見ていた。

 

師匠のレオの活躍に目が行きがちだがゼロも負けてはいない。敵陣真っ只中へ飛び込み、素早くヒットアンドアウェイを繰り返しゴブニュ達を一箇所に集めていく。

 

 

「シュワッ!」

 

 

それなりの数が集まったところで得意技の一つ、エメリウムスラッシュを放ちゴブニュ達のバランスを崩して倒れさせる。そして片手を引き、片手を横へビシッと伸ばし、そこから一気にL字型に組んで光線を発射した。

 

 

「デヤッ!!」

 

 

ワイドゼロショット。父親であるセブン譲りの必殺技だ。その圧倒的な熱量を受けたゴブニュ達は耐え切れず爆散していく。

さらにゼロは片膝を着く形で頭部の突起に手を添える。そしてそのまま手を横へ勢いよく開くように振るうと、ゼロの頭部の突起が分離してブーメランのように不規則な軌道を描きながらゴブニュ達を斬り裂いていく。

 

 

「あれはセブンのものと同じ……!」

 

「やっぱり親子なのね〜」

 

 

リアスやカナエの言う通り、セブンのアイスラッガーと同種の宇宙ブーメラン、ゼロスラッガーだ。ゼロはセブンほどウルトラ念力を使いこなせるわけではないが、代わりに二本である事、さらに万能性を持っている事でその差を埋めている。

ゼロは戻って来たゼロスラッガーを両手に構え、残っているゴブニュ達へ突撃する。

 

 

「オラァァァ!!」

 

 

その姿がブレるほどの高速移動を行いながら手にしたゼロスラッガーでゴブニュを次々と薙ぎ倒していく。

最後のゴブニュを倒し、ゼロスラッガーを構えながらポーズを決めるゼロの背後には、先程のレオと同じ爆炎が上がっていた。

 

そう、たった二人のウルトラ戦士によってゴブニュの大軍勢は瞬く間に壊滅したのだ。

 

 

「すげえ……!師匠も、先輩も……!」

 

 

先程まで一言も発さずただ戦いを見ていた一誠は感嘆の声を上げた。あれが、自分を鍛えてくれた師と兄弟子の実力。ゴブニュ・ギガは当時のティガも苦戦した相手であり、ウルトラマンだからという理由で簡単に倒せる程甘い相手ではない。それにも関わらず、いとも容易く打ち倒す二人がどれだけの猛者なのかは言われずとも理解出来る。

 

 

(そうだ……思い出した。俺は昔、光の巨人に……ウルトラマンになりたかったんだ)

 

 

レオとゼロの勇姿を見た一誠は、幼い頃の記憶を思い出す。それはテレビに映ったレジェンドが巨大な津波を片手で押し戻す光景。絶体絶命の危機を難なく退ける光り輝く存在。突然現れては天変地異さえ物ともせず人々を救うレジェンドに一誠は憧れていた。

だが、いつからだったか。自分はそんな風にはなれないと思い始めたのは。そしていつの間にか諦めてしまった。

しかしかつての夢が、師と兄弟子(レオとゼロ)によって呼び覚まされた。憧れていた存在の眷属とも呼べる者達に師事し、認められた事も引き金となっているかもしれない。

 

 

(悪魔になった俺が……ウルトラマンになる事は出来ないかもしれない。けど……)

 

 

一誠にはかつての夢に繋がる新たな夢が出来た。

 

 

(けど、せめて……師匠や先輩、矢的先生のように……あのウルトラマンのように誰かを護れるヒーローになりたい)

 

 

そんな時だった。すぐ近くに何かが落ちる音がしたのは。

 

 

「何の音……?」

 

「……?何かの動物……の死骸みたいです」

 

「これは……タスマニアデビル?絶滅危惧種のはずですわ」

 

「なんでこんなところにそんなものが……?」

 

「待って!おかしいわ……だって何もないところから私達の近くへ()()()()()()()()()()()()()のよ?」

 

「カナエさん、狙ったかのようにって……まるで見ていたような「ええ、見ていたわ」……え?」

 

「いきなり空に小さな穴がぽっかり空いたかと思ったら、それが落ちて来たの」

 

 

カナエの言葉を聞いて全員が青ざめながらそれを再び見ると、その死骸に緑色の光が蠢いているのが見えた。

その光景に見覚えがあるリアス達や、レジェンドから話を聞いているカナエとアーシアも一瞬で事態を理解する。

 

 

「皆離れて!ゴーデス細胞に感染してる!!」

 

 

このカナエの一声でタスマニアデビルの死骸から全員が距離を取った直後、それを中心に巨大な竜巻が発生する。

その異様な光景にレオとゼロも反応するが、同時に彼らの元へも刺客が現れる。空間を()()()()()

 

 

「なっ……コイツは!」

 

「エース兄さんが戦った超獣……バキシムだ!」

 

 

まるで一誠達の元へ行かせまいとするように一角超獣バキシムが出現したのだ。そして、向こうの竜巻も収束するとそこに居たのは『頭でっかちの怪物』と表現するしかない異様な怪物……この怪物こそ新たなるゴーデスの尖兵、風魔神デガンジャだった。

デガンジャは足元のオカルト研究部を一瞥すると、再び竜巻へと姿を変え彼らに迫る。

 

 

「イッセー!皆!……くっ!」

 

 

レオがいち早く救援に向かおうとするが、バキシムの攻撃によって妨害される。

 

 

「こんの野郎……!邪魔すんじゃねえ!」

 

 

今度はゼロがバキシムへ攻撃を仕掛けようとするが、ゼロが近づく前にバキシムは両手から火炎放射を行い二人を攻撃する。レオもゼロもバキシム単体ならば対処は容易、デガンジャと挟み撃ちであっても何とかなるだろう。

しかし今回は別だ。ライザー戦を終えたばかりの上、ゴブニュに追い回された為に、体力的に限界なオカルト研究部がデガンジャのすぐ近くにいる。こういう時こそ冷静でいなければならないが、人数が多く戦闘に不向きなアーシアやもはや満足に動く事さえ出来ない一誠もいるのだ。そんな彼らを守らなければという思いが焦りを生んでしまい、判断力が鈍ってしまう。

 

そこへ、さらなる凶事が襲い掛かる。バキシムに続き、新たなる超獣……ミサイル超獣ベロクロンまで現れたのだ。

 

 

「ベロクロン……!よりにもよってこのミサイル野郎かよ!」

 

「こいつを放置すれば下手すると一誠達にも被害が……!ゼロ!こいつは俺が片付ける!お前は一刻も早くバキシムを倒して一誠達の元へ向かえ!」

 

「分かった!頼む……もう少しだけ踏ん張ってくれ、一誠!オラァァァ!!」

 

 

ゼロはバキシムの攻撃を受けながらもお構い無しに突撃する。弟弟子が仲間と共に耐えてくれる事を願いながら。

 

しかし、その希望は打ち砕かれる。

 

 

 

 

 

竜巻と化したデガンジャから逃げるリアス達だったが、殆どの者が限界を迎えており、辛うじてカナエが刀を振るえるくらいだ。そしてそこへ絶望的な事態が起こる。

逃げる最中に瓦礫だらけの場所を通過したのだが、デガンジャが通った事で竜巻によって打ち上げられた瓦礫が落下して来たのだ。それによって不規則に道が塞がれてしまった。

 

 

「そんな……!これじゃルートを探している間に追いつかれる!」

 

「下がって、裕斗君……私が、道を作る……!」

 

 

痣を発現させるが、限界に来ていたカナエはフラついてしまう。リアス達は声を掛けようとするがその前にカナエは動く。

 

 

日の呼吸

 

陸ノ型 日暈の龍(にちうんのりゅう) 頭舞い(かぶりまい)

 

 

龍を描くように駆け巡りながらカナエが刀を振るい、瓦礫は除去されたものの今度は一誠同様、カナエが倒れ込んでしまう。

 

 

「う……」

 

「カナエさん!」「カナエ先輩!」

 

 

裕斗と小猫が何とか二人がかりでカナエを起こし、支えながら逃げようとするが、一誠と彼を支えながら逃げていたリアスの頭上へと瓦礫が迫って来ていた。

 

 

「このままじゃ……せめて、イッセーだけでも……「部長」イッセー?」

 

「もし俺が生きてたら、膝枕お願いします」

 

「え……何を「皆ァァァ!!!」!?」

 

 

一誠が自分とリアスの先にいた他のオカルト研究部のメンバーに力の限り叫ぶ。そして今日、何度目か分からない限界を超えて大地を踏みしめ、リアスの両腕を掴み思いきり彼らへと投げ飛ばす。

 

 

「部長を!頼んだぜぇぇぇ!!」

 

 

その言葉が発せられた直後、投げられたリアスは朱乃とアーシアに受け止められ、一誠はいくつもの瓦礫の下敷きになってしまう。

 

 

「イッセェェェェェ!!!」

 

 

リアスの悲痛な叫びにレオとゼロも目の前の相手を無視して彼らの方を向く。

 

 

「まさか、あいつ……自分を犠牲にして……!」

 

「……許さんぞ貴様ら!!」

 

 

自分達の教え子が、自らの命を犠牲にリアスを助けた事を知ったレオとゼロは、二体の超獣とデガンジャへ怒りを爆発させる。

先程の攻防が嘘のように一方的にベロクロンとバキシムを追い詰めていく二人だったが、デガンジャの方はさらにリアス達を追撃しようとする。

 

 

「イッセー……そんな、イッセー……」

 

「リアス!立って!ここで立ち止まったら彼の想いが無駄になるのよ!」

 

 

朱乃がリアスを引っ張りながら叱咤するものの、リアスはへたり込んで大粒の涙を流し続けている。

アーシアも泣き、小猫と裕斗も涙を堪えていた。

 

そんな中、過度の疲労で視界がぼやけ気味だったカナエだけはそれを目撃していた。

 

 

 

 

 

瓦礫が一誠へと降り注ぐ直前、三つの光が一誠の中に入り込んで薄い膜を作るのを。

 

 

 

 

 

そして、一誠が下敷きになった瓦礫の上を竜巻状態のデガンジャが通過しようとした瞬間、それは起こった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「バディィィ!ゴォォォッ!!」

 

『ウルトラマンタイガ!』

 

 

 

 

 

光が、爆ぜた。

 

 

 

〈続く〉




というわけで次回、いよいよイッセーが本当の意味でヒーローとしてのスタートを切ります。

ちなみにアンケートのその他用のリクエスト欄は活動報告に上げてあるので、よろしければ御意見下さい。


それではまた次回。

二択決定戦! シン一人乗りする最終ゲッターはどちらだ!?

  • 真ゲッタードラゴン(大決戦版)
  • 真・ゲッター1(スパロボα仕様)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。