ウルトラマンレジェンド Episode.CROSSOVER 作:ハジケハムスター・ポッポ
ライザー編、あと数話で完結します。
今回はタイガ主役回ですが、中盤までグダグダになっちゃいました……。
それでは本編をどうぞ。
竜巻と化したデガンジャによって打ち上げられた瓦礫が一誠へと降り注ぐ直前、超スピードで飛来した三つの光が一誠へと入り込み、その身体を光の膜で覆った。現実世界で意識を失った一誠は不思議な空間で目を覚ます。
「ここは……部長や、皆もいない……そっか、今度こそ俺は死んだのか……でも、部長を護れたなら」
いいや、と納得し再び目を閉じようとした時、どこからともなく声が聞こえてくる。
―おい、しっかりしろよ!まだ死んでないって!―
―女性を泣かせたままなのは感心しないな―
―ここは地獄じゃないっての!ほら、起きろ!―
「……え?」
もう一度目を開け直し上半身を起こすと三人のウルトラマンが立っていた。いずれも見た事のない者だ。
「ウルトラマン?何で三人?」
「やっぱりウルトラマンってのには驚かないんだな。もしかして俺ら三人って俺らが考えてるより有名とか?」
「いや、ウルトラマン三人という点に疑問がある事からそれは考え難い。仮に有名になっているのだとしたら、それぞれ特徴のある私達三人を誰一人分からないという事は無い筈だ。例としては私のこの筋肉!」
青いウルトラマンが軽めの口調で言い、鍛え抜かれた体躯の赤いウルトラマンは冷静に分析したかと思えばマッスルポーズを決めている。確かに一度見たら忘れられないインパクトのあるウルトラマンだ。色んな意味で。
その二人の間に立っていた銀色の、角を持ったウルトラマンが一歩前に出る。
「お前、本当に危なかったんだぞ。俺達が間に合って良かったよ」
「へ?あ、ありがとう……って本当に俺生きてんの?確かに一度死んでるけどさ」
「「ウソォ!?」」
「なるほど、『悪魔の駒』とやらの効力か。悪魔に転生する代わりに死者の蘇生にも使えるらしいな。色々制限や条件もあると聞いているが」
銀と青のウルトラマンは驚いていたが、赤いウルトラマンは冷静かつ中々に博識なようだ。見た目で判断してはいけないという事か。
「ま……まあ、とにかく!まだお前は死んでないんだ。体力の方もある程度は回復してるだろ?」
「え?あ……そういえばさっきに比べて全然楽だ」
「だが、状況は依然として悪いままだ。たとえ君がそのまま戻っても好転しないだろう。ある程度回復したとして戦えるのは君だけであり、他の六人まで守り抜けるとは到底思えない」
「でもここでこのままじゃもっと駄目だろ!あんた達は戦わない気なのか!?」
一誠が冷静な赤いウルトラマンに食って掛かるが、青いウルトラマンがやれやれといった仕草で肩をすくめながら一誠に告げる。
「はー……あのなぁ、戦いたくても戦えないんだよ。俺もこいつも旦那も、お前を瓦礫から守って、おまけに体力まで回復させたんだぜ?しかもエネルギー大量に使って空間ブチ抜いて、しかもお前の中にいるドラゴンのパワーがデカいせいで余計にエネルギー使って回復させる事になったんだからな」
『悪かったなパワーのデカい二天龍で』
ドライグがぶすくれた声で返事をした。どうやら一誠が意識を取り戻したタイミングで彼も目覚めたようだ。
「もしかして俺とドライグのせい……っていうかドライグの事知ってるのか!?」
「知ってるも何も、そいつをボコボコにしたっていうタイラントをタイマンで圧勝したのコイツの親父さんだぞ」
青いウルトラマンが横にいた銀色のウルトラマンを「コイツのコイツの」と指差す。
『何だとぉぉぉぉぉ!?どうやってだ!?あの炎は吐くし両手は鎌と鉄球、しかも鎖を発射してくるし足や尻尾を含めて馬鹿力!かと思えばこっちの炎は吸収するし、ついでに耳まで良かったあの化け物をどうやって倒したんだ!!』
「うわっ!?ちょっと落ち着けよ!倒したのは俺じゃなくて父さんだって言っただろ!このインナースペースはやたら響くんだから大声で怒鳴るなって!」
「『インナースペース?』」
「ああ、インナースペースって言うのはな……」
銀色のウルトラマンが説明すると、インナースペースというのは手っ取り早く言えば『謎空間』らしい。何だそりゃ。ただ時間とか次元が歪んでいるからか、現実世界での1秒がインナースペース内の1分になるという。
ちなみに実際の意味では精神世界や大気圏の内側を指す。
―俺の説明セリフ取られたぁぁぁ!!―
「……何だ?今の……」
「さあ?」
銀色のウルトラマンと青いウルトラマンが顔を見合わせて首を傾げる。アホしでかして本作の主人公に一体化するハメになったアンタらの同族です。
「そのタイラント云々は後にして……少しでも保たせれば師匠や先輩が駆けつけてくれるだろうし、そのくらいなら……」
「その師匠と先輩って?」
「ええっと……聞こえた名前は、確か師匠がウルトラマンレオで先輩がウルトラマンゼロ……で間違いないよな、ドライグ」
『ああ、それで間違いない』
一誠がそれを言うと何故か三人は変なポーズで仰け反っていた。
「え……え……あのレオさんに……」
「ゼロ隊長……?」
「……どうやら私達は説教されるのが確定したようだ」
忘れがちだが、彼らはこの【エリア】において宇宙警備隊ではなく銀河遊撃隊所属である。即ちゼロの部下に当たるのだが、ゼットのフォロー役として派遣されているのはジード。隊長であるゼロは今回、地球に常駐赴任している為、誰かを派遣する場合はガーディアンベースにいるベリアルと連絡を取り合ってからレジェンド一家を始めとした面々へと報告し、受け入れてもらう手筈になっているのだが……ゼロはそういった連絡はベリアルから受けていない。
無論、レジェンドにもそういう連絡は無いし、ジードことリクが京都にてレジェンドらに普通に合流したのは誰がフォロー役として来るか分からずとも事前にそういう打ち合わせをしており、誰が来ても確認出来るようにしていたからである。
事実、ベリアルはゼットが独断専行して挙句にレジェンドと一体化していたのは知らなかったが、リクが先に合流していたのは知っていた。だからこそリク用のゼットライザーもゼットに持たせようとしたのだが、後はご覧の有り様である。
つまり、ゼットだけでなく彼ら三人まで勝手に地球へ来た事になる。レジェンドに続きゼロまで胃薬が必要になりそうな案件だ。というかあの空間に突入した時に二人がいる事には気付けそうなものであるが……それはこの際さておき今は成すべき事がある。
「……ゴホン!あの二人がいるとしても、彼らが駆けつけるまで君が他の者を守り抜ける確率は絶望的だろう。普通なら『やってみなければ分からない』でいいだろうが今回は駄目だ。回復したとはいえ君もまだ万全ではないし、彼女らも限界だ。私達もエネルギーを大量に消耗し単独で実体化する事が出来ない」
赤いウルトラマンが言う事はもっともだ。自分だけが戦っても相手が相手である為、おそらくすぐに体力切れを起こして今度こそお陀仏だろう。しかも、なんとか助けたリアスや、カナエらも道連れにする形で……
「……このまま黙ってここで待てってのかよ」
「そうではない。このままでは現状を打破する事は出来ないが、それはあくまで君や私達
「え?それって……」
三人のウルトラマンが右腕を見せるように構えると、彼らの腕に装着されている手甲のようなものからそれぞれ光の球が出て来て、一誠の右手に集まると彼らと同じものが一誠の右手に装着された。
「な……何だこれ!?」
「タイガスパークっていうんだ」
「俺はフーマスパークが良かったんだけどな」
「私はマッスルスパー「「それは色々アウトォ!!」」既に色々混ざってるこの世界観では別にいいだろう!?」
ぶっちゃけ彼の言う通りなのだがここでギャーギャー言っても進まないので割愛するとしよう。結局「混乱するから」という理由でタイガスパークで通す事にした。
「それでだな、そのタイガスパークにこれをリードするんだ」
「私達のも渡しておくが、今回はタイガに花を持たせるとしよう。次回からは是非私達のも使ってくれ」
「ま、しょうがないか。年上らしくこの場は譲ってやるよ。ほら、これ俺のやつ」
「これ……キーホルダーか?」
いつの間にか腰に専用のホルダーが装着されており、銀色のウルトラマンに手渡されたもの以外はそこにストックされる。
「地球ではそう呼ぶんだってな。それはともかく……それをリードする事で、俺はお前の身体を借りて実体化し、戦う事が出来るんだ。光の勇者、ウルトラマンタイガとして」
「ウルトラマンタイガ……」
「そう、それが俺の名前だ。自己紹介が遅れて悪かったな」
銀色のウルトラマン―タイガは改めて自身の名を一誠へ告げる。それに続くように赤いウルトラマンと青いウルトラマンも自己紹介する。
「申し遅れて済まない。私はウルトラマンタイタス。出身はU−40だ」
「俺はウルトラマンフーマ。O−50の生まれだ。よろしくな」
「え……えーと兵藤一誠、駒王学園二年生の……元人間で現在は悪魔だ」
『もう知ってるだろうがドライグ、ドラゴンだ。今は神器だけどな』
お互いに自己紹介を終え、今度こそ今の状況を覆す方法を伝える。
「俺達はこのままじゃ戦えない。でも、お前が力を貸してくれればこの状況を変えられる」
「って事は俺の意識はどうなるんだ?」
「心配は要らない。分かりやすく言うなら、普段はお前の中にある俺の心と身体がそのまま入れ替わる、そんな感じだ」
「やってみないと分かんないよな、実際……」
不安はあったが、ここで悩んでいても状況が好転する事は無い。一誠はカナエが教わったと言っていた言葉を思い出す。『信じる心。その心の強さが不可能を可能にする』それは正しくウルトラマンの事だ。
一誠は覚悟を決める。自分が守りたいと思ったものの為に、なりたいと願ったものの為に。
「なあ三人とも、これからは俺の事『イッセー』って呼んでくれよ」
「「「!」」」
「もう弱気になんかならねえ。勝ちに行こうぜ!」
「……ああ!これからは俺はお前で、お前は俺だ!」
「おいおい、二人で盛り上がんなよ」
「『達』という大切な言葉が抜けているぞ。特にタイガ。我らトライスクワッドの一員として、そこは軽んじてはいけない」
「わ、悪かったよ」
『やれやれ、まさか相棒の中に追加で三人もいっぺんに入ってくるとはな。待てよ?普段はキーホルダーの方にいるのか?まあ、いずれにせよ長い付き合いになるだろうし、そんな事はどうでもいいか』
一誠もドライグも彼らとは何故か仲良く出来そうな気がしてきた。あの特訓をくぐり抜け、同じ屋根の下様々な種族の人物と生活したから分かる。彼らウルトラマンもまた一つの命なのだ。
「気を取り直して、まずはどうすればいいんだ?」
「レバー……ここの部分な。ここをスライドさせるんだ」
タイガが自分のタイガスパークを左手で「こんな感じに」と説明してくれたので、一誠もそれに倣ってスライドさせる。
『カモン!』
「うおっ!?何だ何だ!?」
「それが待機状態だ。この状態で、この部分にタイガキーホルダーを当てる。それで変身出来るぞ」
「よし、じゃあカッコよく……光の勇者!タイガ!」
「あ、いいなソレ。俺に変身する時もやってくれよ、イッセー。風の覇者、フーマって」
「私の場合は力の賢者で頼む。もしくは迸るウルトラマッスル!でもいいぞ」
「「「『前者でお願いします』」」」
「むう……」
ドライグまで含めて他のメンバー全員に名乗り方の発案を却下されタイタスは残念そうにしていた。何というか、マッスルに並々ならぬ情熱があるようだ。
「改めて行くぜ!光の勇者!タイガ!」
「叫べイッセー!バディゴー!!」
「バディィィ!ゴォォォッ!!」
『ウルトラマンタイガ!』
☆
それは、突然の事だった。
一誠が下敷きになったはずの瓦礫がある場所から一誠の声が聞こえたかと思えば光が溢れ出し竜巻と化していたデガンジャを吹き飛ばして元の怪獣の姿へと戻す。
そしてその光の中から現れたのは……
「シュワッ!!」
巨大化したウルトラマンタイガだった。
オカルト研究部はさらなるウルトラマンの登場に驚くが、中でも一際驚いていたのはリアス、そしてグレモリー家の者達だ。何せサーゼクスが親友と誇るタロウの息子タイガが、娘、そして妹であるリアスと仲間の窮地に駆けつけたのだから。
「あれって……タイガ!?どうして……もしかしてイッセーが……!?」
「いえ、だとしたら最初にあのロボットが出て来た時に変身出来たはず。彼がウルトラマンだったとは思えませんわ」
「……一つだけ、可能性があるわ……」
この声に全員はその方向を見ると、息も絶え絶えなカナエがタイガを見ている。
「カナエ……!大丈夫なの!?あと、可能性って……」
「今はちょっと動けそうにないけどね……可能性って言うのは、一体化の事よ」
「一体化……?」
「ウルトラマン達は人間の姿になる事が可能だけれど、生きている人間のみならず瀕死の、或いは命を落とした人間とも一体化して、命を共有出来るらしいの。ウルトラ六兄弟の何人かもそういう方法を取った事があるって言ってたわ」
この方法を取ったのはマン、ジャック、エースだ。経緯が特殊なのでタロウに関しては判断が難しいところだが、基本的にこちらに含まれるだろう。
タイガもおそらくは瀕死ないし命を落とした一誠と一体化する形を取ったと考えれば辻褄が合う。
どちらにしても一誠がタイガと関係あるのは確実だろうが、今はただ彼の戦いを見守るしかなかった。
「ゼロ!あれを!」
「なっ……タイガ!?何でここに!俺は何も聞いてないぜ!?」
「だが、理由はどうあれ絶好のタイミングだったのは確かだ。俺達の成すべき事は変わらん!」
「おう!コイツらをさっさと片付けないとな!」
オカルト研究部はタイガに任せて、当初の予定通りレオとゼロはベロクロンとバキシムを相手取る。しかし、先程に比べて心配事が減った事で余裕が出来てきたのか、動きのキレが良くなっていく。
二人と二匹の決着も近い。
一誠はタイタスやフーマと共にタイガの中から、タイガの目線で世界を見ていた。
『これが……ウルトラマンから……タイガから見たこの世界……!』
「分かるだろ、イッセー。今からお前は俺と一緒に戦うんだ。他の誰かじゃない、俺達とお前だけが出来る事なんだ!」
自身の中にいる一誠へと向けたタイガの言葉が聞こえたのか、リアスらオカルト研究部やレオ、そしてゼロも彼の方を向く。
一誠は死んでいない。彼の意思は明確に存在し、今タイガと共に迫り来るデガンジャと戦おうとしている。
それを確信したのも束の間、デガンジャが唸り声を上げながらゆっくり起き上がる。
そして、タイガはデガンジャへ向けて走り出した。
「うおおおおっ!!」
デガンジャの特徴的で巨大な頭部を掴み、膝蹴りを叩き込むと腹部にパンチを打ち込む。
その衝撃に後ずさるデガンジャだったが、タイガはすかさず回し蹴りを放ち追撃する。
「ハァッ!!」
「グルォッ!?」
さらに吹き飛ばしたデガンジャへと駆け寄り、その巨体を両手で持ち上げ叩きつけるように投げ飛ばすタイガ。
「デヤアッ!!」
「グオオォォ!!」
連撃の後に投げ飛ばされ、さしものデガンジャも苦痛の声を上げた。その光景に、漸く本当の意味でリアスらに笑顔が戻る。そう……タイガ、そして彼の中にいて共に戦っている一誠は正しく彼女らにとって『ヒーロー』だ。
☆
グレモリー家でもサーゼクスが立ち上がり拳を握り締めて観戦している。親友の息子が妹とその仲間を助けるべく、奮戦しているのだ。これに感動を覚えない筈が無い。
(タロウ……妹の危機に、君の息子が駆けつけてくれた。あの時私達の危機に君達が駆けつけてくれたように)
タイガの戦い方はまだ粗があり未熟と言えるだろう。しかし、己を上回る巨体を持ったデガンジャへ臆す事なく果敢に立ち向かう勇気はかつて見たタロウの姿そのものだ。
ちなみにタイガが現れた瞬間から、サーゼクスはこの映像を録画している。いずれまた訪れる親友に、その息子の勇姿を伝える為に。
「頑張れ、タイガ!」
遂にサーゼクスは声を出して、タイガの応援を始めた。
☆
一誠がタイガの中で共に戦っているのを知ったレオとゼロはさらなる奮起を見せる。弟子、そして後輩の前で先達として情けない姿は見せられない。
まずそれを実践したのはレオだ。ベロクロンはレオへと無数のミサイルを撃ち出すものの、なんとレオはそのミサイルを破壊したり受け止めたりせず凄まじい速度で弾き返し、別のミサイルに当てて全てを相互爆発させたのだ。
これを見たオカルト研究部は驚愕する。高速で迫り来る無数のミサイルを、ピンポイントで別のミサイルへ向けて爆発させる事なく弾き返すなど正に神業。
「ダアアッ!!」
然る後にレオは高く跳躍する。レオの最も得意とし、数多の強敵を撃ち破ってきたあの技を放つ為に。
「イヤァッ!!」
ベロクロンの頭部へ必殺の『レオキック』が炸裂した。
「グゲェェェェッ!!」
その頭部からは大量の火花が噴き出し、ゆっくり仰向けに倒れながら地面に触れた瞬間、ベロクロンは大爆発する。
シンプルな、しかし比類なき一撃の前にベロクロンは敗れ去った。
レオの完全勝利である。
ゼロもまた、バキシムを圧倒していた。レオがベロクロンを、タイガがデガンジャを相手にしてくれた為バキシムに専念する事が出来るようになったからである。
そうなった以上、スペックで勝り、しかも闘志が燃える今のゼロをバキシムが倒せるわけがない。
「ドリャアァァァ!!」
レオのように高く跳躍すると、師より伝授された『ウルトラゼロキック』を放つ。バキシムは宇宙怪獣とイモムシの合成超獣だったのもあってダメージは軽減されたものの、凄まじい衝撃にバキシムは倒れ込む。苦し紛れにその角をミサイルとして発射するものの、ゼロには撃ち落とされる。
「トドメだ!!」
ゼロはゼロスラッガーを再び射出すると両手に掴み、それをカラータイマーの両脇へと装着し、ビシッと手を添える。そして拳を握った状態で両手をクロスさせ、一気に左右へと開く。
「ジュワッ!!」
カラータイマーに装着されたゼロスラッガーから、ワイドゼロショットをも上回る凄まじい光線が発射された。離れていても分かる程の光にオカルト研究部の目は釘付けになる。
これこそゼロの代名詞たる必殺技の一つ『ゼロツインシュート』だ。
それはなんとか起き上がったバキシムへと容赦無く直撃する。
「オラァァァァァ!!」
「グギャアァァァ!!」
ゼロの気合一閃、ゼロツインシュートはそのままバキシムを飲み込み、大爆発させた。その爆発をバックに勇ましく佇むゼロは、正に銀河遊撃隊隊長としての威厳に満ちていた。
ゼロが怪獣を上回る超獣をも圧倒する者だと証明した瞬間である。
残るは、タイガが相対してるデガンジャのみ。
☆
タイガとデガンジャの戦いも佳境を迎えていた。タイガに先制を奪われたデガンジャだったが、持ち前の怪力でタイガに対抗したのだ。
「グウゥゥゥ!!」
「うっ……ぐ……」
腕同士の組み合いになれば、単純な力で勝るデガンジャに軍配が上がる。デガンジャはさっきのお返しとばかりにタイガをそのまま投げた。
「ぐあっ!!」
投げられ、地面にうつ伏せに叩きつけられるタイガ。倒れて追撃されるわけにはいかないとすぐさま立ち上がるが、タイガをさらなる攻撃が襲った。
「うあっ!?」
デガンジャが両手から『雷電光』を放ちタイガを狙い撃ちにしたのだ。
まさか竜巻になるだけでなく遠距離攻撃まで出来るとは予想外だったのか、タイガは光弾で反撃するがデガンジャの方が初速も連射速度も早い。
「くそっ……!」
『なんか手は……!ドライグ!タイガが俺と一体化してんなら、俺の神器をそのままタイガに使わせる事は出来ないのか!?』
『こんな前例は無かったが……出来なくもないな。むしろサイズ的にはかつての俺に近くて丁度良い。だが体力消費や神器の進化段階は使う方に基準する。つまり、禁手化はおろか
『タイガのパワーなら単純な倍化だけでも十分だ!聞いたな、タイガ!』
「あ……ああ!でもどうやって神器っていうのを出すんだ!?」
『簡単だ!お前は俺、俺はお前だろ!ただ強く念じれば良いんだ!』
一誠の言葉を聞いたタイガは、言われるまま神器の出現を強く念じると、タイガスパークのある右手とは逆に左手に巨大化した
「これが……イッセーの力……!!」
『今は
『分かった!』
タイガは拳を握り締め、デガンジャの雷電光をくぐり抜けながら懐へと飛び込む。
『Boost!』
「シュワッ!!」
「ゴアァッ!?」
いきなり威力を増した一撃を喰らい、大きく吹き飛ばされるデガンジャ。タイガはその威力に驚きつつも、今しかないとある技を放つべく態勢を整え、再度神器へ力を溜める。
「ハァァァッ……」
『Boost!Boost!Boost!』
しっかりと自身と神器に力を溜めつつ、父であるタロウと似た構えを取る。その体格からバランスが取り難い為、デガンジャが漸く立ち上がるがその時にはタイガは既に準備を終えていた。
そして父譲りの必殺光線が今、タイガから放たれる。
「ストリウム!ブラスタァァァ!!」
タイガスパークを向けるようにして右手を軸に左手を乗せ発射する直前に溜めた力を解放。
言うなれば『ブーステッド・ストリウムブラスター』と言うべき光線が凄まじい勢いで発射された。
デガンジャは雷電光で応戦するが赤龍帝の籠手で増幅されたストリウムブラスターの前にはまるで通用せず、そのまま直撃する。
「ガアアァァァ!!」
しばらく放射された後、デガンジャはベロクロンやバキシム同様に大爆発する。その爆発が収まった時にはデガンジャはおろか竜巻も無かった。
そう、タイガの地球での初陣は、タイガの勝利に終わったのである。
「タイガが……イッセーが勝ったわ!!」
「「「「「や……やったあああ!!」」」」」
リアスの言葉に、普段は静かな小猫や穏やかな朱乃も喜びの声を上げた。満身創痍のカナエも声を上げられなくとも笑顔だ。
「……ふぅ」
「良くやったな、タイガ」
「ヒヤヒヤさせやがって。ま、お前は立派に初陣を勝利で飾ったんだし、良しとするか」
「あっ!レオさん……ゼロ隊長……あの……」
褒められはしたものの、自分達のした事に負い目があるのか縮こまるタイガだったが、ゼロはポンポンと肩を叩きながら笑いつつ言う。
「後で理由は聞くけどよ、お前らは遊撃隊訓練を一通り終えてるし何より俺の弟弟子を助けてくれたんだし、やる事は間違ってないからな。別に頭ごなしに怒ったりペナルティつけたりしないから安心しろって」
「あ……はい」
この言葉に少し肩の荷が下りたタイガ。中にいるタイタスやフーマも一安心しており、一誠も苦笑していた。
そこにレオが声を掛ける。
「後は、この空間から脱出するだけだ。あそこを見ろ」
レオが指差す場所を見ると、空に僅かな綻びが見える。
「タイガ、お前は彼女らを手に乗せるんだ。どうやら彼女らと我々しか残っていないみたいだからな。絶対に落とすなよ」
「はい!」
タイガはリアス達に近づき、片膝を着いて手を差し出す。
「今からここを脱出する。後で俺達の事も話すから、俺の手に乗ってくれ」
「分かったわ。六人いるけど、大丈夫?」
「大丈夫。スピードは落ちるけど、両手が塞がっても空は飛べるからな」
その言葉にリアスは頷き、動けないカナエを支えながらタイガの手に乗るリアス達。それを確認して立ち上がりレオとゼロの方を向くと、今度はレオとゼロが頷いた。
「よし、全員揃ったな。あの綻びを広げ、一気に脱出する!ゼロ!ダブルフラッシャーだ!!」
「おう!!」
「「ハァァァ……デヤッ!!」」
ゼロが片膝を着きながら前に、レオはそのすぐ後ろに立ち両手にエネルギーを貯めながら頭上から外側へ下ろすように左右に開く。
そしてゼロが頭上に垂直に掌を合わせ、それに重ねるようにレオが水平に掌を合わせると、レオとゼロ、二人分のエネルギーが集束された光線が発射される。
『レオゼロダブルフラッシャー』。
レオが弟のアストラと放つウルトラダブルフラッシャーと同種の技だ。
光線の見た目自体はそう飛び抜けて巨大なものではないが、威力はまるで違う。
二人が放った合体光線が空にある空間の綻びへと直撃すると、そこから光が差し込んで来た。
「今だ!ゼロ、タイガ!行くぞ!!」
「おう!」「はい!」
三人は勢い良く空を飛び、その光差す場所へと飛び込む。三人が飛び込んで少しすると再び空間の空は元の様相へと戻った。
ライザーとのレーティングゲームは、たった今本当の終わりを迎えたのだった。
〈続く〉
誰もいなくなった……いなかった筈の先程の空間に一人の男がいた。
「あらら……せっかく面白いモノを拾ったのに全部壊されちゃったよ。こりゃファーさん怒るだろうな……いや、案外興味無いって不問にされるかな?」
その男はゴブニュの破片を眺めながら溜息をついた。
「けどま、それ以上に面白いものを見れたし、収穫もあったから結果としては上々かな。ギアさんにも良い情報持って帰れそうだし」
タイガを思い出しながら男は笑う。
「この世界の『特異点』。それに神を遥かに超える『光神』……この世界も退屈とは無縁な面白い場所だ。さて、物語はまだまだ始まったばかり。愉しんでいこうじゃないか」
怪しげな笑みを崩さぬまま、男は姿を消す。
というわけで、レーティングゲーム自体はこれにて漸く終了と言った感じです。
最後に出て来た人物、分かる人にはわかると思いますがグラブルのあの人です。ウルトラマンにも同じ名前の人いるし、ハイD原作にも家名でありますから。
それではまた次回。
二択決定戦! シン一人乗りする最終ゲッターはどちらだ!?
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真ゲッタードラゴン(大決戦版)
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真・ゲッター1(スパロボα仕様)