ウルトラマンレジェンド Episode.CROSSOVER 作:ハジケハムスター・ポッポ
サクッといくはずが何故か数話前と同じく長くなってしまった……グダグダな部分もありますが勘弁して下さい。
とりあえずアンケート結果は活動報告に書いておきますので、よろしければご一読頂ければと。
それでは本編をどうぞ。
帰路につき他のメンバーと別れ、仮住居からダイブハンガーへと帰って来たアーシアとカナエを出迎えたのは、先遣隊としてやって来た巌勝だった。
「寺子屋から帰宅して来たのか。日々の勉学、ご苦労……いや、ここはお帰りと言うべきだったな」
「「寺子屋!?あ、初めましてとただいま(です)」」
よもや学園を寺子屋呼びする人物に遭遇するとは思わなかった為、さすがに驚くもののすぐに挨拶を返す二人だったが、やはり外見に目が行く。
「縁壱先生と似てる……」
「双子の兄弟だからな。痣が違うだろう?」
自身の痣模様を指しながら巌勝が言うとカナエはハッとした。彼が縁壱の兄にして、かつて上弦の壱という立場にいた鬼であったと。
「あの……」
「分かっている。お前が鬼殺隊の『柱』であった事は。私を恨むのも当然だろう。私はその憎しみや恨みつらみから逃げる気は無い」
「いえ、別に恨んでませんけど」
「……は?」
間の抜けた声を出す巌勝だが、そもそもカナエは自身を殺した上弦の弐と鬼舞辻無惨以外は別に恨んでいないし、縁壱からも『今の彼らを見てほしい』とも頼まれている。
何より鬼とも仲良く出来るを心情としていた彼女としてはちゃんと歩み寄って来る相手を突き放す気は毛頭ないのだ。
「縁壱先生から聞いてますから。私は胡蝶カナエ、こちらはアーシア・アルジェントちゃんです。どうぞこれからよろしくお願いしますね」
「カナエさんからご紹介頂きました、アーシア・アルジェントです!」
「継国
「「あはは……」」
いつの間にか、という部分に乾いた笑いしか出なかった。隊長とかではない為、功績を上げているうちに自然と……ではなくおそらく文字通り勝手に決められていたのだろう。本人は然程気にしていないみたいなので、まあいいか。
「夕食まで時間がある。着替えるなり風呂に入るなりしてくると良い。私以外にもサーガ様を含めて四人来ているから、良かったら見かけた時声をかけてやってくれ」
「わかりました。巌勝さん、また後で」
「失礼します」
「ああ」
二人は巌勝に軽く頭を下げながらその場を後にする。
「縁壱先生の言った通り、鬼『だった』なのね。仲良くなれそうな気がしてきたわ」
「はい!優しい感じがしました!」
カナエは心配が杞憂になり、アーシアも良い印象を持った。そして着替えたりする前に帰って来た挨拶を、とリフレッシュルームへと向かった二人が見たのは……
「なーんーでーにゃー!!」
もはや本作では恒例となった黒歌の抗議の叫びであった。ちなみに側ではレイトが満足げな表情でドリンクを飲んでおり、レジェンドとサーガは何やら打ち合わせをしている。ヨーコも帰って来ており、黒歌の様子に溜息をついていた。
「えーっと黒歌、だったかしら?そんなに癇癪起こさないの。たかがシミュレーターの新規設定機体を一番最初に使っただけでしょ?」
「だってだって!レジェンドから新機体が使えるようになったって聞いて飛んでったのに、今までよりスコアが伸びたレイトの名前がランキングにどーん!って載ってたにゃ!!」
ランキングは一番最初に載りたかったのに!と涙目でプンスカしている黒歌だが、どうやら仕様上仕方ないとはいえ自分が使いたい機体が登録されてなかったのも原因の一つらしい。
「ただいま帰りましたー」
「ん?おーアーシアとカナエ、お帰り。久々の学園はどうだった?」
「少しの間行ってなかっただけで凄く新鮮な気がしました」
「オカルト研究部はいつもと変わらなかったかな?賑やかでしたよー、タイガ君達もいて」
二人の話を聞いているレジェンドに対して、一緒に打ち合わせしてたサーガは二人が着ている制服を見ている。それに気付いたレジェンドが軽く声をかけた。
「サーガ、あまり女性の制服をガン見するなよ?」
「す、すまない。別に変な気持ちで見ていたわけではなくて、ただ……俺が初めてこの世界に来た時、仮住居の場所が分からないところを親切に教えてくれた娘が同じ制服だったと思い出していたんだ」
これを聞いてカナエとアーシアも思い出した。仮住居の場所を聞いてきた、変わった制服を着た人物がいた事を。その時は確かソランと名乗っていたと聞いたが。
「すいません、もしかして……ソランさん、ですか?」
「……?ああ、偽名ではそう名乗ったな」
「偽名って事は……今レジェンド様が『サーガ』って」
「ウルトラマンサーガ。レジェンド先輩にとっては後輩だ。これからよろしく頼む」
まさか小猫が出会っていたのがレジェンドが良く『出来た後輩』と褒めていた光神だったとは思わず、カナエとアーシアは驚いた。この事実を知ったら彼女も驚くだろう。
最も驚くのは彼らがあまりに日常生活を謳歌しまくってる事だろうが。
「おう、二人共お帰り。早く風呂入って着替えてきな。んで、飯の後にシミュレーター行ってみ。充実してるから、うん」
「いやホント何があったのレイト君」
「満足そうなだけじゃなくて、幸せそうです」
黒歌と違い思いっきり笑顔で、なんかもうマジでキラメク未来を手にしちゃった的なオーラを出しまくっている。先刻シミュレーターにてダブルオーライザーでライザーソードを放った時の感動が今だに続いているのだろうか。
「全くもう……あ!貴女達が学園に通ってるって娘達ね。私は神衛隊第二分隊『羅巌』の参謀長をやってるヨーコ・リットナーよ。長い付き合いになりそうだし、仲良くしましょ」
「あ……はい!私はアーシア・アルジェントです」
「胡蝶カナエです。巌勝さんにはさっき会いましたけど、後のお二人は……」
「巌勝には会ったんだ。それならその二人はオルガと三日月ね。三日月はゲンって人にトレーニングルームまで連れて行かれてたわ。オルガはミライって人にここの機器の使い方教わってるハズだけど……二人共どうしたの?あれ?レジェンド様も固まってるし……え?」
ヨーコの話を聞いてサーガとヨーコ以外は固まっていた。レイトや黒歌さえだ。もうお分かりだろう。
「ここにいる総員!今すぐトレーニングルームへ向かえ!もしゲンが三日月と模擬戦やってたらすぐに止めろ!!」
「ど……どうしたんだ、先輩?」
「サーガ!あんたが聞いてるかは知らねぇが割とマジでヤバい!ゲンの相手が巌勝だったならまだしも三日月の奴じゃ鍛えてるとはいえ無事でいられる可能性が極端に低い!!」
「え!?ちょっとどういう事!?説明し……」
バゴシャアァァァァァン!!!
「うあああああ!!」
『!!』
「「三日月ィィィィィ!?」」
明らかに普通じゃない音と三日月の悲鳴を聞いてレジェンドとレイトを筆頭にトレーニングルームへ爆走する一同。そこには案の定、『人間体が人間やめてます体になっている』と言われているゲンにやられた三日月がうつ伏せでぐったりしており、その頭には超が付くほどドデカいたんこぶを拵えていた。しかしまあ、よくそれで済んだな。さすが神衛隊。
「えええええ!?」
「なっ……!?」
「やっぱりこうなったか……アーシア、頼めるか?」
「は……はいぃっ!」
即座に三日月に駆け寄り、神器と回道を併用して治療するアーシア。元々鍛えていたからか、それともゲンが加減したのかは知らないが三日月はすぐに目を覚ました。
「う……ん?俺、どうしてたんだっけ」
「三日月、どこか身体に不調は感じないか?」
「あれ、サーガ様……ああ、そういえばゲンさんの一撃を頭に食らったんだった」
「すまない三日月君。中々タフだったからな、つい本気になってしまった」
「あのなあ……素手でダイヤを真っ二つにするあんたの一撃食らって無事に済むわけねえだろ」
ヨーコは顔色が真っ青になった。素手でダイヤモンドを真っ二つって何?しかし、ゲンもそれに反論する。
「そうは言うがな、チーフは防御せずに平然としてたし、俺はダイヤ程度かもしれんがチーフに至っては人の姿でも本気を出せば恒星の一つや二つ、離れていようがパンチの衝撃波一発で消し飛ばせるんだぞ!」
「だから毎回言うけど比べる対象が間違ってんだよ!そもそも何その超威力!?恒星ってそれ太陽とかそういうもんだろ!?」
「その程度ならサーガも出せるぞ」
「「ウソォ!?っていうか『その程度』!?」」
レジェンドの一言にレイトとヨーコは声を揃えてツッコんだ。やっぱり先輩が先輩なら後輩も後輩だった。
「でも、やっぱり凄かったな。バルバトスが阿頼耶識のリミッター解除して襲い掛かってきたみたいだった」
『具体的過ぎて恐ろしいんですが!!』
ゲンに対して物凄く物騒な例えを言う三日月。それはつまり、今のゲンは人間体でありながら少なくともハシュマルを倒した時のバルバトスルプス並の戦闘力があるらしい。何そのガンダム・フレーム人間。あんたウルトラマンだろ。
「俺、レンチメイスくらいの一撃だったら倒れない自信あったのに」
続けて三日月の爆弾発言。レンチメイスと言えばバルバトス(第六形態)の主兵装のアレである。あんなもん生身で受けるだけでも即死だろうにそれくらいなら大丈夫、と言っている三日月も割とおかしかった。
騒ぎを聞き駆けつけたオルガとミライも合流し、涼子を除いた全員に自己紹介を終えたサーガと神衛隊の先遣隊四名。アーシアとカナエが入浴を済ませた頃には涼子も帰宅しており、レジェンド側とサーガ側全員揃っての夕食となる。
ダイブハンガーでの食事は食堂かリフレッシュルームで行われ、基本的には普通の食卓だが人数が多くなるとバイキング形式になる。今回もそうだ。
「なるほどな、イメージキャラクターか。うちには実態知られたらイメージが爆散するような奴が多いからな。レジェンド然りオーフィス然り」
「我とレジェンドは別に困らない。困るとしたらティアマットの方。威厳が別次元に消える」
「それって喋り方の事ですか!?」
「やっぱり来たのね、ティアマット……」
学園で決まったオカ研のイメージキャラクターの話を聞いたC.C.の発言にオーフィスが返答するが、相変わらずティアマットはいじられており、カナエは彼女がレジェンドとの約束通り人間化まで修得してやって来た事に頭を抱えている。常識の方は怪しいが。ついでにティアマットがアーシアとカナエ、涼子に自己紹介したのはこの時だ。おまけにカナエはレジェンドとグレイフィアに同行したので一応知っていた。
「なんていうか……やっぱすげぇな、ここの飯」
「ふぉるはもふぉははりしなふぉ」
「三日月、せめて口の中の物を飲み込んでから喋れ」
「いや、巌勝……貴方は納豆にネギ入れすぎじゃない?」
「納豆丼継国スペシャルだ」
一方、神衛隊側は食事に夢中らしい。
オルガは昼食に続き夕食も豪勢な事に驚きつつも喜び、三日月はハムスターよろしく口の中にパンパンに頬張っている。そんな三日月を軽く窘める巌勝だが、その手にはヨーコが指摘したように山盛り……というか丼の大盛りご飯とほぼ同量のネギがかけられた納豆丼を持っていた。継国スペシャルというように、縁壱一家もよくやる食べ方だ……うたとかなでもやるのか、ソレ。
「……それで、シノはニールに狙撃について相当扱かれた様だ。機体での構え方から間合いの取り方など色々……もっともビット兵器を使ったビームの跳弾技術までは無理だったそうだが」
「あれは着弾時のビットの角度調整、及び強度を考慮しての出力を始め各種誤差修正、さらに大気圏内ではビーム減衰率なんかも関わってくるからな。宇宙地上問わず完璧に使用出来るのはあいつくらいだろ」
レジェンドとサーガは少し輪を離れて二人で話をしている。ニールというのはアムロと同じく神衛隊第四分隊に所属する超一流のスナイパー、ニール・ディランディの事だ。かつてソレスタルビーイングという組織にいた為、サーガが人間体をとった時、その姿に大層驚いたのは記憶に新しい。
元の世界にて戦死した彼の魂は惑星レジェンドへと招かれ、そこで再び生を受け第四分隊へと所属する事になった。アムロ同様、普段は射撃競技の訓練所で講師をしているが、MS操縦の教官を務める事もあり、鉄華団でのMS操縦の教導官であるノルバ・シノも彼の教え子にあたる。
「それからゼロに渡すダブルオーザンライザーだがな、てっきりサーガが乗るもんだと思ってたらしくて束が完成させたぞ。無論基礎スペックは……あれクアンタとかは第五世代だっけ?まあいいか。それ準拠になってるから、後は細かい調整だけですぐに使えると。代わりにサーガの機体がまだ手付かずみたいだが……」
「俺のは後でも構わない。いざとなれば変身出来る。今ゼットと一体化している事で本来の姿に変身出来ない先輩の方が必要だろう」
「……そういえばゼットライザーの使い方、まだ教えてもらってなかったな。あいつの事だし、取説とか持ってきてないだろうし」
その通りである。一応ちゃんと頭には入っているようだが、おそらく変身する時レクチャーされるハメになるんだろうとレジェンドは考えていた。
……てか生身で戦った方が早くね?
☆
翌日の放課後。偶然にも同じ日に日直だったアーシアとカナエはいつもより遅れて部室へと向かっていた。それぞれ一誠やリアスのクラスメイトなので説明はしてあるしそこは問題なかったのだが、部室の扉を開けてみればリアス達以外にも部員ではないだろう男女がいる。男は一人だけだが。
「アーシアちゃん、そろそろお姉さん頭痛くなってきたわ」
「はわっ!?だ、大丈夫ですかカナエさん!」
カナエは周りが人外ばかりだったので即座に気付いた。彼女らは悪魔だと。ぶっちゃけここは文字通り悪魔の巣窟じゃないのかと思い始めている。人間の方が実は少ないんじゃないのか?
「あれ?人間がここにいるって聞いてませんよ、会長」
「彼女らは最近入部したばかりで、私が知ったのもつい最近です。人間だからと失礼な真似はいけませんよ、サジ」
「……ソーナ、諌めてくれて助かったわ。カナエは人間を侮辱されると本気で斬り掛かってくるから。痣まで発現されたら私達が壁代わりになっても止められないわよ」
「リアス、私を条件付きの辻斬りみたく言わないでほしいんだけど……」
忘れがちだが、ライザーの発言に反論し、さらに火に油を注ぐ発言をした上、ライザーに先制攻撃を叩き込んだのはカナエである。しかもその後シックルによってカード化されるという制裁(すぐに解かれたが)を受けたライザーは、レーティングゲームにおいても万全でないカナエの斬撃を数発受けてリタイアした。
そんなカナエに喧嘩を吹っ掛けようものなら、どれくらいの実力があるか知らないが男子側の悪魔には万に一つも勝ち目は無い。それどころか下手に手を出せば
おまけに
「ところでリアス、彼女らは?会長って聞いたけど何処の?PTA?」
「保護者会じゃないわよ!?生徒会よ生徒会!」
「あ、なるほど」
普通なら学園生として知ってそうなものだが。
リアスの話を聞くと、つまり今日はお互いの眷属のお披露目を兼ねた顔合わせらしい。
「矢的先生が来てないけど、時間も押してるし始めましょうか。私の新しい下僕、兵藤一誠よ。駒は『兵士』。イッセー、挨拶なさい」
「二年の兵藤一誠、部長の『兵士』やってます!どうぞよろしくお願いします!」
元気な一誠の挨拶に満足げなリアスと、ちょっと前は問題児だった彼の成長を実感するカナエ。なにせ問題を起こした一誠を含む三人をよく保健室送りにしたのも彼女だ。
「元気が良くていいですね。では、こちらも。私の新しい眷属の匙元士郎です。兵藤君とは同じ学年ですから、仲良くしてあげて下さい」
「おー!同じ学年で同じ『兵士』か!よろしくな!」
「こっちは、最近こそ問題を起こしてないけど変態三人組の一人と一緒なんてひどくプライドが傷ついてるんだけどな!」
「何だと!?」
「サジ!」
生徒会側の兵士である匙のついた悪態に一誠も怒り、生徒会長―支取蒼那ことソーナ・シトリーも諌めるが、それよりもさらに怒りの声を上げた者達がいた。
「お前!挨拶もしないでいきなり喧嘩腰とはどういうつもりだ!!」
「紳士としてのマナーが欠けている!まず挨拶には挨拶で返すのが当然だろう!!」
「お前だってさっきからこっちの女子ばっかみて人の事言えないだろうが!!」
「「「「「!!??」」」」」
生徒会メンバー全員が突如声のした方向を見ると、アストラル体で人形サイズなタイガ達トライスクワッドがテーブルの上に立っていた。
「な……何だよお前ら!?」
「「「お前に名乗る名は無い!!」」」
「息ピッタリね〜トライスクワッドのみんな」
匙の問いかけをバッサリ切り落とすトライスクワッド。どこの天空宙心拳の使い手だお前ら。
カナエは相変わらずのほほんと朱乃が出してくれたお茶を飲んでいるが、唯一ソーナだけは別の意味で驚愕している。
「ウルトラマン……タイガ!?」
「ウルトラマン!?タイガって……会長知ってるんですか?」
「はい。私達悪魔にとって英雄と呼ばれるウルトラ六兄弟の一人、ウルトラマンタロウの息子さんです」
匙を始め生徒会メンバーは驚いた。なんでそんな人物がこの場に、それも珍妙な格好でいるのか。
「そ、そんな重要な人物がなんでこんな所に……」
「……ソーナ、貴女達は私とライザーのレーティングゲームが終わった後、何があったか聞いてる?」
「いえ……ただ、レーティングゲームはリアス達の完勝だったとは聞いてますが」
「ええ、それは間違いないわ。問題なのはその後よ」
リアスは意を決してその後の出来事を話した。空間が閉鎖された後、ゴブニュの大群に襲われ、デガンジャやバキシム、ベロクロンまで出現した事。その中で一誠が自分を助ける為に瓦礫の下敷きになってしまった事。そして、ここにいるタイガ達トライスクワッドが一体化する事で一誠のみならず自分達が助かった事も。
「そんな事が……」
「それだけじゃないわ。タイガ達の直前にもね、一誠の修行をつけてくれた師匠と先輩も駆けつけてくれたの」
「兵藤君の師匠と先輩?」
「正確には兄弟子ね。彼らはそれぞれ、ウルトラマンレオとウルトラマンゼロだった」
ソーナはさすがに腰を抜かした。まさかリアスの新しい眷属はあの二人に鍛えられ、三人ものウルトラマンと共にある存在だという事に。無論、赤龍帝である事も承知の上でだ。
「だ、大丈夫ですか会長!?なんかまた別の名前が出てきましたけど……」
「その彼らもウルトラ六兄弟縁の者です。ゼロは私達シトリー家とも縁のあるウルトラセブンの息子さん、そしてレオはその師匠であり、セブンの弟子でもあります」
開いた口が塞がらないとはこの事か。匙は驚きの表情のまま、一誠やタイガ達を見るが……
「あの、一ついいですか」
ソーナをしっかりと見つめ、今度は一誠が口を開く。
「なんでしょうか?」
「タイガや先輩を『英雄の息子』って見るのだけはやめてください」
『!!』
「俺もあの後、先輩やタイガの話を聞いたけど……先輩は最初セブンさんが父親だって知らなかったって言うし、タイガも親父さんや爺さんが立派過ぎてプレッシャーばかり受けてたんです。そんな中、必死に努力して、戦ってきたのに英雄の息子としか思われてないのは俺も我慢出来ません。先輩は師匠と同じ恩人だし、タイガやタイタス、フーマは俺にとって相棒ですから」
一誠の偽りざる本心だった。一誠の場合は両親は普通で、今の自分が普通じゃない。ゼロやタイガはどちらも親が大物過ぎる。タイガの祖父であるウルトラの父に至っては宇宙警備隊大隊長という、例えで言うなら大統領のような役職に着いているのだ。
同時に一誠はジードの事も思い出していた。銀河遊撃隊総司令官ベリアルの息子だが、その特異な外見故の苦労など様々な困難があった事を。
だからこそ、彼らの努力から目を背けてはならない。英雄の息子ではなく、一人のウルトラマンとして戦っているのだ。
「ソーナ、改めて紹介するわね」
「リアス?」
「ほら、三人共ここに並んで」
リアスが笑顔で自分のテーブルの前を指差しながらタイガ達に言い、タイガ達は頷きながらそこに移動し、生徒会に向き直る。
「まず、知っての通り彼がウルトラマンタイガ」
「俺はウルトラマンタイガ!よろしく!」
「こっちの立派な体躯がウルトラマンタイタス」
「ウルトラマンタイタスだ。挨拶が遅れて申し訳無い」
「最後に青いスマートなウルトラマンフーマ」
「ウルトラマンフーマってんだ。素早さには自信あるぜ」
「彼ら三人でトライスクワッド。私達オカルト研究部の新しい部員で、大切な仲間よ」
このリアスの言葉に応えるように、タイガらはポーズを決める。現在作成中のオカ研ポスターのビジュアルにも使う事にしているポーズだ。
「これ、ポジションによってポーズ変えた方がいいよな。例えば旦那がセンターだったら大胸筋見えるようなポーズとかさ」
「なるほど、一理あるな。右側に立つなら敢えて体の左側を突き出すようにしたりか」
「じゃあ少なくとも三パターンくらいポスター作れるんじゃないか?」
「良いわね、それ。ターゲット層ごとに変えてアプローチ出来るわ。割と子供に人気出そうなのがタイガで、男性はタイタス、女性にはフーマが人気出そうなのよね」
「あ、部長。男女人気は分かんないですよ。ほら、フーマは性格的に男性の友人が多く出来そうなタイプだし、タイタスは紳士的だから割と女性に人気とか出るかも。タイガが子供に人気出そうなのは同意です」
もはや一誠がバカにされた事などさっさと忘れようと言わんばかりの盛り上がりだ。この短期間ですっかり仲良くなり、本当にオカルト研究部の一員としてここにいる。
「……そうですね。英雄の息子だとかは関係ない。彼らは彼らです」
自分の姉も四大魔王の一人だが、自分は自分だ。そう、彼らも自分と同じなのだ。
「盛り上がっているところ申し訳ないのですが、こちらの話を聞いて頂いてもよろしいですか?」
「「「あ、スイマセン」」」
「ごめんなさい、ソーナ。ちょっとインスピレーションが湧き出してて」
「いいえ、大丈夫です。こちらも改めてちゃんと挨拶しなければなりませんから。いいですね、サジ?」
「あ、はい会長」
今度ばかりはちゃんとしなければ主の名誉に傷がつくし迷惑もかかると考えた匙はしっかりと挨拶する。
「生徒会所属、二年の匙元士郎だ。駒は『兵士』、それも四本分だ!」
「あれ?なあリアス、イッセーって駒八本分使ったって言ってたよな」
「……へ?」
「ええ、そうよ。まさか一度に全ての『兵士』を消費するとは思わなかったけれど……期待より遥かに凄い『兵士』になってくれたわ」
哀れ匙。先程バカにしていた一誠が二大ウルトラ戦士を師と兄弟子に持つだけでなく自分の倍も駒を消費する程の相手と分かってガックリ項垂れた。生徒会メンバーは彼を慰めているが、この後彼どころか生徒会全員が驚愕する事実と直面する事になる。少し先の事なので今回は割愛するとしよう。
「それから匙、重ね重ね言いますが胡蝶さんには失礼な真似をしないように。彼女はフェニックス家の三男を数撃叩き込むだけで瀕死の重症に追い込んだ、それも自身は無傷でという凄まじいまでの実力者です。悪魔になって日の浅い貴方どころか私達全員でかかっても勝てるかどうかという相手なのですから、それを肝に銘じておきなさい」
「ええっ!?あれってリアス先輩か姫島先輩がやったんじゃないんですか!?」
「そういえば、作戦ですぐに撤退してましたけど相手の『女王』にもダメージ与えてました」
「あの時はカナエも万全じゃなかったし。もし万全だったら、たぶん単独突撃して全滅させてたわ」
否定出来ない。おそらく襲い掛かってくる眷属を叩きのめしつつライザーへ突撃して討ち取ってきただろう。こういうタイプはキレるとヤバいのだ。卯ノ花然り鬼灯然り。
「まあ、それはそれとして」
「あのねリアス。私が人間兵器みたいな扱いされてるのをサラッと流さないでほしいんだけど」
「大丈夫です、カナエ先輩。ゲン師範もそんな扱いです」
「小猫ちゃん、それ喜んでいいのか分からないわ」
アレと同列に並べていいのはウルトラマンを除けば九極天の面々くらいな気もするが。
間違ってもレジェンドやサーガと並べてはいけない。彼らと並べるのは
「来週はいよいよ球技大会よ。この間のレーティングゲームに備えてパワーアップしたオカルト研究部を披露する絶好の場だけれど、そちらの練習具合はどうかしら?」
「御心配なく、こちらも大会に備えて準備は進めていますので。簡単には負けないで下さいね、リアス」
「ええ、ソーナもね」
お互いを鼓舞しているのか、それとも何か含んでいるのかは分からないが二人共笑いながら妙な空気を醸し出している……と、その時また扉が開かれた。
「ん?オカルト研究部以外に誰かいるのか?」
「矢的先生!」
オカルト研究部顧問を務める矢的が職員会議を終えて漸くやって来たようだ。
「え!?今度は矢的先生!?なんで!?」
匙を筆頭にやはりというか生徒会がざわつくが、ソーナだけはなんとなく予想がついている。
「リアス、もしかして矢的先生も……」
「ええ。私達オカルト研究部の顧問で、何を隠そう今話題のウルトラマン80その人よ。ほら、駒王で夜中に怪獣が出た時、それを倒したウルトラマン。栄誉あるウルトラ兄弟の一人でもあるわ」
「なあ兵藤、そこまで僕って話題になってたのか?」
「あれから日にち経ってますけど、ネットとかテレビでまだまだ取り上げられてますよ。なんか最近設立されてる各国の防衛チームで、先生の空中戦を参考にする動きがあるとか」
「80先生、飛行に関して教えるの凄く上手かったんだ。俺も良くアドバイスもらって……あ、俺達がイッセーといるの、80先生にまだ教えてなかった」
「いや大丈夫。レオ兄さんやゼロから聞いてるから。というか、戦ってるの見ていたし」
生徒会メンバーは脱帽するしかなかった。オカルト研究部、ウルトラマンやその関係者だらけじゃないか。ついでにアーシアとカナエに至っては光神たるレジェンドの関係者である。この場でバレたらオカ研メンバー含めて卒倒しそうなものだ。そんな中、匙が興奮した様子で色紙を差し出してきた。
「スイマセン矢的先生!いや、80先生!サインいいですか!?弟達がウルトラマンとしての先生のファンなんです!」
「え?それは構わないが……バレないかな」
「適当に誤魔化しとくんで!お願いします!」
「う〜ん……分かった!生徒の頼みだ。ウルトラサインなら問題ないかな」
匙に差し出された色紙にサラサラと自分の名前をウルトラサインで書く矢的。『匙君の兄弟達へ』と同じようにウルトラサインで書き締め、匙に渡すとまるで仏でも見るような目で礼を言われた。
「ありがとうございます!ジードとかメビウスとか、他にもいるけど先生が一番良いみたいで!絶対喜びます!」
「なんか照れくさいな」
この後、彼からの直筆サイン色紙が匙家の家宝と化したらしく、ついでに他の悪魔からも羨ましがられる結果になったという。
そんな出来事があったが、ソーナ達生徒会は書類整理が残っていると言う事で、球技大会での対決を楽しみにしていると言って退出した。
アーシアの惑星レジェンドへの初訪問と、兵藤家での打ち合わせ、そして新たな事件の幕開けはすぐ近くまで迫っている。
〈続く〉
と言うわけで次回がエクスカリバー編本当の導入です。
アーシアが惑星レジェンドに行くのでカナエが代役を務めます。
あと、次回投稿したら一旦現在登場してる九極天や神衛隊メンバーでも纏めようかと思ってます。
それではまた次回。
二択決定戦! シン一人乗りする最終ゲッターはどちらだ!?
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真ゲッタードラゴン(大決戦版)
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真・ゲッター1(スパロボα仕様)