ウルトラマンレジェンド Episode.CROSSOVER   作:ハジケハムスター・ポッポ

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お待たせしました。今回も若干短めです。
事前に言っておきますと職場にて欠員が出たので、月末月初は今までより更新速度が落ちるかもしれません。
ついでに年末年始も変わらず仕事……というか一番キツい時期になるのでその時は一週間に一話くらいのペースになるかもしれないのをお伝えしておきます。


それでは本編をどうぞ。


教会の行った禁忌、巫女がもたらす希望

 球技大会が終わり帰宅してきたアーシアとカナエだが、アーシアの方はどことなく落ち込んでいた。

大会で活躍出来なかったとかそういう理由ではなく、大会後のソーナの説教が終わった後のオカ研緊急招集時の出来事が原因である。

 

 裕斗が今回の球技大会で非協力的であった事をリアスは叱ったのだ。一誠やカナエらはもちろん、タイガやタイタス、フーマも優勝まで尽力したというのに彼一人だけが殆ど参加しない、それどころか終始ボーッとしていた為、邪魔になった事さえあった。

にも関わらず叱られてなお裕斗は態度を崩さず、そのまま帰ろうとしたのだが、それを一誠が止めて理由を聞き出した。そこで出て来た言葉が―

 

 

『僕は復讐の為に生きている。聖剣エクスカリバー……それを破壊するのが僕の戦うたった一つの意味さ』

 

 

……というわけで、全くもってアーシアが悪いわけではないのだが、心優しい彼女は本来仲の良いオカルト研究部が崩れる事を心配しているというわけだ。カナエはそれを必至に慰めている状態である。

 

 

「聖剣か。他の世界では大抵持つ事が出来る人物が限られていたり、もしくは持つ事が出来ても真価を発揮するのに特別な条件付きだったりするのが殆どだが……」

 

「後者の場合は通常の剣として機能するのであれば問題ない場合もある。今回のケースならおそらく前者だ。当初先輩はこっちで現地調査している余裕も無かっただろうから知らないかもしれないが、この世界の教会側である計画が進められていた」

 

「……何?教会側だと?」

 

 

怪訝に思ったレジェンドが聞き返すとサーガはゆっくりと頷き、周り―特にアーシア、そしてオルガと三日月を見ながら説明を始める。

 

 

「聖剣計画……この世界においては本来ならば天然の才覚によってのみ有する聖剣の使用資格を後天的に付与し、聖剣の使用を可能とする者を人為的に作り出す、人体実験を踏まえた非人道的計画だ」

 

 

サーガによって語られたそれは想像を絶するものだった。この時点でアーシアは驚きの表情を見せていたが、サーガはさらに衝撃的な事実を告げる。

 

 

「教会によって行われたそれの犠牲となった者は数知れず……というよりも適応出来なかった者は外部に教会のやっていた事をバラされないようにする為か、はたまた単に失敗した事に納得がいかないのかは知らないが全員『処分』されたらしい」

 

「そんな……!」

 

 

処分―即ち殺されたという事。

アーシアは涙を目に溜めながらレジェンドにしがみついた。同時にオルガや三日月は自身らの出身世界の『ヒューマンデブリ』と似たような扱いに怒りを露わにしている。

 

 

「ふざけやがって……!俺達の世界のヒューマンデブリみたいに使い捨て上等だってのか!何が聖職者だ!!」

 

「サーガ様、そいつらは何処にいる?俺が潰してくる」

 

「落ち着け二人共。お前達の過去からすればその怒りは当然だと思うが、既に計画は過去のものとされ当時の責任者も行方知れず。連中としても隠したいものだったんだろう、俺もこの立場でなければここまで掴めなかった」

 

「ますます気に入らねえ……!自分達がやり出したくせにいざ駄目だと分かったら臭いものには蓋をしたってわけかよ!!」

 

 

オルガはまだ怒りが収まらない。というよりさらに高ぶっているように見える。三日月も黙っているが握り締めた拳からミシミシと音がするあたりオルガと同じだろう。

 

 

「とにかく、この話は一旦ここまで……とはいかないだろうが、現状俺達が出来る事は少ない。ゴーデスや根源的破滅招来体という目先の脅威に対しても対策を考えなければならない以上、そちらだけに注力する事は出来ないぞ」

 

「わかってるよ、大将。だが元凶を見つけたら……」

 

「構わない。俺としても奴らの所業は許し難いからな。その時の対処に関してはお前達の鉄華団に一任する」

 

「悪いな大将、恩に切るぜ。だとよミカ。見つけたら容赦無くブッ潰せ。遠慮なんざいらないからな」

 

「分かった、オルガ。サーガ様もありがとう」

 

 

漸く空気が穏やかになってきたが、アーシアはレジェンドにしがみついたままだ。理由は分かるがちょっとジェラシーを感じたオーフィスはレジェンドの膝上に乗ってくる。

いつもの事だしな、とレジェンドは気にしていないが周りのレジェンド大好き女性陣はオーフィスやアーシアを羨ましそうに見て……あ、ロスヴァイセがレジェンドの隣の空いている方に移動した。

 

 

「……どうした?」

 

「え!?いえ、その……なんとなく」

 

「……?そうか」

 

 

レジェンドはよっぽどでない限り庇護対象から女性扱いまでレベルアップしないので、正直殆ど意味がなかったりするのだが、それは言わないでおく。

はいそこ、そんなだから保護者扱いされて結婚までいかないとか言わない。メインヒロインとの絡みだって親子にしか思われないんだぞ!

 

 それはさておき、話題はアーシアやオーフィス、ゼットが惑星レジェンドへ訪れた時の事に転換した。

その後レジェンドがとんぼ返りしてしまったので詳しい事は後でと言う事になったのだが、然程時間が掛からず戻って来たら最新型のシミュレーターまで持って帰って来た為、レイトや黒歌を筆頭にそれの設置や調整を急かされてしまい終わったらダウンしたのだ。

ちなみにその時に協力してくれたのは巌勝とミライ、グレイフィアの三名のみ。各種設定は巌勝が中心になって行い、設置から動作確認まで基本的なものはレジェンドが行った。

サーガはレジェンドが忙しそうだったので一人で仕事を引き受け、C.C.はピザを食っていた。涼子は学園。

サーガと涼子はいいとして少しは手伝えC.C.。

 

 

「レジェンド〜早くモーショントレース機能をインストールしてほしいにゃ」

 

「だったら巌勝やミライ、グレイフィアを見習え。特に巌勝なんか……ほれ」

 

 

レジェンドが指差した先には、戦国時代生まれでありながら機械に強くなったものの、今回は作業が多過ぎて頭オーバーヒートした巌勝がぐったりしつつヨーコに介抱されていた。

ぷしゅ〜と煙が出ている頭にヨーコがよって冷えピタを貼っており、両腕はソファーからだらんと下っている。

 

 

「シミュレーターの動作確認後のテストプレイを兼ねたあのトーナメント戦後にもみっちり作業したおかげで完全にオーバーヒートしてるんだぞ」

 

「「「「「ごめんなさいミッチー」」」」」

 

「……その渾名はやめてくれ……」

 

 

本気でグロッキー状態な巌勝はツッコミにも覇気がない。

 

 

「巌勝、今日はもう休んどけ。明日は別に遅くまで寝てていいからしっかり疲れをとれよ」

 

「承知しました……それからヨーコ、助かった……」

 

「いや、私も連れ出されてて手伝えなかったし」

 

「……ちょっとあたし罪悪感出てきたわ。部屋まで送るわよ、巌勝」

 

「すまん、乱菊殿……」

 

「ヨーコを連れ出したのあたしだし……ってホント力抜けまくりじゃない。来たばかりなのに働き詰めだったし、レジェンド様の言う通り明日くらい思いっきり寝坊してきなさい」

 

 

乱菊に肩を貸されて部屋まで運ばれた巌勝は一足先に就寝する事になった。さすがにあれを見せられては乱菊ではないが罪悪感に駆られるのは当然だろう。

 

 

「……あの、レジェンド様」

 

「何だ、グレイフィア」

 

「巌勝様が心配されるのは良い事なのですが……」

 

「僕らも頑張りましたよね、チーフ……」

 

「ミライ、グレイフィア……巌勝が回復したら四人で馬場寿司行って食いまくるぞ」

 

「「意義ありません」」

 

 

束やクロエ、アムロでもいれば違ったのだが、この四人だけだとやはりキツかった。理由は何かと追加注文が多かったからである。使用可能機体や難易度、シチュエーション、操縦方法エトセトラエトセトラ……

 

 

「それで、レジェンド様の専用機というのはどうなったのですか?(パキッ)」

 

「お前は平和だなハリベル」

 

「そうですか?」

 

 

聞いてきた事は割と重要な事なのだが、この状況で平然と煎餅食べているハリベルはやはり剛の者。

 

 

「一応目処は付いた。束もクロエを伴って近々こっちに来ると言っていたしな。到着して生活基盤が整い次第、宇宙へ上がり最終調整をやる事になる」

 

「超師匠の専用機、ウルトラ凄かったんでございますよ!一気に色がバァーっと変わって!」

 

「うん、レジェンドっぽい色だった」

 

「何だそのレジェンドっぽい色というのは」

 

「だから、レジェンドっぽい色」

 

「……意味がわからんな」

 

 

ゼットの説明はともかく、C.C.としてもオーフィスの言うレジェンドっぽい色というのが彼の好きな色なのか、彼のイメージカラーなのかハッキリと分からない。

 

 

「どのみち使う時に分かるだろうからそんな難しく考えるなよ、C.C.」

 

「まさかと思うがドギツい真っピンクじゃないだろうな」

 

「どこのライブカラーなMSかフロンティアなKMFだ!?しかも後者だったらお前が乗ってそうな気がするんだが!」

 

「私はガリバー以外に乗る気はないぞ」

 

 

そもそもレジェンド一家にそんな色の機体を乗りたがるのがいるのだろうか。とはいえ彼女自身もガリバーに愛着があるようだ。初出撃で見事勝利を飾り、それ以前もずっとシミュレーターで訓練してきたのだから当然だろう。

 

 

「ああそうそう、束からの伝言を伝えておく。『レジェくんの機体が問題なくなったら皆の機体開発に取り掛かってあげるからね!束さんの創作意欲を煽るようなやつよろしくぅ!』だとさ」

 

「ソウルゲインー!!」

 

「ダブルオーライザァァァ!!」

 

 

やはりというべきか黒歌とレイトが騒ぎ出した。もっともレイトに関しては機体が決まっている上、実は既に持って来てあるのだ。だが、その前にレイトには軽く絶望してもらう事になる。

 

 

「おい、ゼロ。喜ぶのは早いぞ」

 

「へ?」

 

「お前、リク……ジードとの特訓でウルティメイトイージスを使ったそうだな」

 

 

この瞬間、レイトは硬直した。さり気なくリクを見るとリクは静かに目を反らす。

 

 

「あれだけゼロツインソードまでにしろと言っておいたのに……何にせよ漸く時間が取れたからな。どうせ後は寝るか夜ふかしくらいだろう。今から俺と生身で模擬戦だ。喜べ、神の御業を見せてやる」

 

「死ぬ!!絶対死ぬってソレ!!ウルトラマンの姿でも耐えられそうにないんだけど!?究極極意のスペシウムとか撃たれそうなんだけど!!」

 

「安心しろ。伝説の一閃で勘弁してやる」

 

「無理無理無理無理ィィィィィ!!」

 

「どこの吸血鬼だお前は」

 

「レジェンド様はどこのヒーローズですか。実際に出来る上にヒーローという意味では間違ってはいませんが」

 

 

WRYYYYYY!!なレイト(ただし逃げ腰)とオラわくわくすっぞ!!なレジェンドによる模擬戦は強制的に行われる事となり、案の定お仕置きという事でこっぴどくやられるのだが、分かりきった事だったので割愛するとしよう。

 

 

「ぴえん」

 

「もう一つ喜べゼロ、模擬戦を乗り越えたら明日は楽しみにしてろ。これは純粋にお前にとって良い話だ」

 

 

がっくりしているレイトに聞こえてるか分からないが、サーガの方は何か察したらしく、レジェンドに手招きされて近づくと案の定例のものの事である。

 

 

「サーガ、明日ゼロに渡すから同席してくれ。連名だしな」

 

「という事は()()も持って帰って来たのか?」

 

「束もお前専用機だとばかり思っていたから細かい調整はこれからだがな。今まであいつがシミュレーターで見せた挙動やクセなんかを反映させてOSを再構築する必要があるし、しばらく出撃出来ないにしてもなるべく早い方がいいだろ」

 

「確かにそうだな。了解した」

 

「それから、後はアーシアとカプセル怪獣の事だ」

 

「はわっ!?」

 

 

突然名前を呼ばれて驚くアーシアだったが、カプセル怪獣と言われて親モスラに伝えられた言葉を思い出した。

 

 

「あ……もしかしてゴモちゃん達に新しい力が目覚めるとかいう件ですか?」

 

『え?』

 

「そう、アーシアが正式に俺の巫女となった事で受ける加護の力が飛躍的に高まり、同時にその力を行使する事で世界各地にある各種封印を解除する事も可能になった。加えて先程アーシアが言ったように、アーシアの力に呼応してカプセル怪獣達が新たな段階へ進む事が出来るようになるらしい。俺は今まで巫女を迎えた事が無かったから、そんな事はモスラに言われるまで全く気付かなかったがな」

 

「え?モスちゃんそんな事言ったの?」

 

「キュウー!」

 

 

違う僕言ってない!とばかりに何度も素早く首を横振りする新モスラ改めグリーンモスラ。女性陣はその様子を見て可愛いと思ったが、じゃあレジェンドの言うモスラが誰なのかという事になった。

 

 

「モスちゃんの……えーっと……お母さん、の方でいいんでしょうか?」

 

「雄雌関わらず単為生殖出来るから判別に困るが、あのモスラはそれが正しいな」

 

「あの方でしたか。お元気でしたか?」

 

「ああ、若干説教じみた事を言われたよ。俺の事は武力行使して止めても構わないとかなんとか」

 

「専属医の立場から言わせて頂きますと、あの方の言っている事の方が的を得ていますね。レジェンド様はいざとなったら言っても聞く耳持ちませんから拘束具やら縛道やらを使う必要がありますし」

 

「そうだよ烈はあいつの後任だったよ畜生」

 

 

レジェンドと鬼灯のように元々波長が合っているのか、それとも親モスラに影響されたのかはともかく、一人と一匹は同意見のようだ。それもそのはず、レジェンド程の立場となれば御身御自愛するのが普通なのだが、レジェンドはむしろ危険に自ら特攻していくのが当たり前である。

そりゃ眷属たる九極天は止めるのが普通だろうが、縁壱にせよ東方不敗にせよ、果ては束にせよ一緒になって突撃しに行くのだ。

結果として卯ノ花やダンブルドアが鬼道や魔法を使ってまで止めるという事態になっていた。

 

 

「まあ、あれだ。アーシアは俺達にとって家族であるだけでなく、今後かなり重要な役割を持つ事になるという事だ。とは言っても変に気を遣ったり腫れ物に触るようには扱わないように。命の価値とは特別かどうかで決まるものではないからな」

 

 

レジェンドのこの言葉に全員が頷き、それを見ていたアーシアは感激していた。

確かに最高位光神の巫女という特別な立場だがいつも通り変わらず彼女を彼女として見てもらえるのはやはり嬉しいだろう。

 

 

「あと最後に俺からは一つ。明日にはゴーデスとの戦いを経験したグレートとダイナが合流する。こっちの布陣は強固なものとなるが、油断はしないように」

 

「グレート先輩もダイナさんも来るんですね、チーフ」

 

「グレートか……彼はかつてオーストラリアで大自然の中、数多の怪獣と戦ったと聞いている。カンガルーがどれ程の実力者か聞きたかったところだ」

 

「「「「「何故にカンガルー!?」」」」」

 

「そういやあいつらってかなり蹴りが強力らしいからな」

 

 

なんかズレているゲンだが、レジェンドは他の者と違いこれにツッコミは入れていない。

何故って?レジェンドも南極までペンギンとやり合いに行ったりしていたからである。いやホント何してんのこの人。何をペンギンとやり合ったのマジで。

 

 

「……俺からも最後に一つ。これはおそらく新たな火種になるだろうから警戒しておいてほしい」

 

 

サーガの険しい表情からかなり真面目な話だと理解した一行は一言一句逃さず聞こうと真剣になった。

 

 

「最初の話題だったその聖剣エクスカリバーだが、現在は教会が有しているらしい。しかし、それが何者かによって強奪されたようだ」

 

「「「「「え?」」」」」

 

 

 ―新たな火種。間違いなくそれであった。

サーガからもたらされたその情報はその場の全員を驚かすには十分過ぎる程の衝撃を与えていた。

ただ一人、レジェンドを除いて。

 

 

(……いつの間に今度の所有者が『教会』になったんだ?この世界における湖の貴婦人からそんな連絡を受けていない。何なんだ()()()()()()()()()は)

 

 

 

〈続く〉




レジェンドの最後の疑問についてはエクスカリバー自体をちょっと調べると分かる事なんです。
次回はいよいよあの二人の登場。原作と違ってアーシアは悪魔になってないしカナエはいるしトライスクワッドもいるし全員やたらパワーアップしてるし……むしろ彼女らが大丈夫か?


それではまた次回。

二択決定戦! シン一人乗りする最終ゲッターはどちらだ!?

  • 真ゲッタードラゴン(大決戦版)
  • 真・ゲッター1(スパロボα仕様)
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