ウルトラマンレジェンド Episode.CROSSOVER   作:ハジケハムスター・ポッポ

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お待たせしました。
イリナとゼノヴィアの来訪とそれに伴ってタイトル通りある人物がキレたり色々やってます。
最近ちと体調不良が続き気味ですが何とか一週間に一、二回は投稿したいです。


それでは本編をどうぞ。


聖剣使い来たる、そして彼女はキレる

 翌日、アーシアとカナエはいつも通り登校し、いつも通り部室へと向かっていた。

サーガから聞かされたエクスカリバー強奪事件に関しては裕斗が復讐の為に戦っている事を思い出した以上、下手に口に出さないようにすると決めたのだが、今までの経験から二人としては「たぶん別のところから漏れるんだろうなぁ」と予想している。

 

 

「それにしても今朝は起きてすぐにあの光景見たら一発で目が覚めたわね〜」

 

「はい、私も驚いて変な声出ちゃいました」

 

「あれは仕方ないわアーシアちゃん」

 

 

彼女らが見た光景というのは、レジェンドがレイトと生身で模擬戦をした結果というか……レイトではなくゼロを脇に抱え、何故かレオまで肩に担いでいたレジェンドだった。

結局朝まで徹夜でやったらしいのだが、さすがに生身だとキツいだろうとレジェンドが慈悲をかけてくれたのだ。

無論レイトは変身一択だったが、それでまともに対抗出来るような相手ではない。こういう理由からゲンも変身して二対一、かつレジェンドは未変身(変身するとなるとゼットに変身してしまいぶっちゃけパワーダウン)という普通に考えれば圧倒的不利としか言いようがない状況だったが……

 

 

「瞬殺とはいかなくても秒殺だったらしいわね……」

 

 

カナエの言う通りレジェンドの完勝。あまりにあっさり終わりすぎてお仕置きにならないと踏んだレジェンドによって「ある程度の時間は耐える」という、相手が相手だけに無理難題としか言いようがない条件まで出来てしまい、それが満たせぬまま模擬戦を続けた結果夜が明けてしまったのだ。

完全に意識が飛んでいるレオとゼロに対してレジェンドはけろりとしており、悠々と二人をそれぞれの自室に放り込んで朝食を食べていた。

仕事ではなく自分のやりたい事をする時は疲れ知らずである。

補足しておくとそれから割と時間を経てずにレオはゲンの姿で朝食に起きてきた。レオ師匠マジ超人。

 

 

「レイトさんと……巌勝さんも大丈夫でしょうか?」

 

「二人ともしっかり鍛えてるからゆっくり休めば大丈夫よ。さ、私達は私達で頑張りましょ♪」

 

「はいっ!」

 

 

血が繋がっていなくてもすっかり姉妹のようだと言われている二人は部室のドアを開けるとそこには先日の生徒会に続き部員ではないだろう人物が二名、リアスと向き合って座っていた。

 

 

「あら、二人共お疲れ様」

 

「……リアス、お客様の前で言うのはアレなんだけど……やっぱり厄介事?」

 

「……私もそうとしか思えないわ。察しがいいわね、カナエ」

 

「昨日注意しておくように言われたばかりなのよ」

 

 

服装や首に下げた十字架から教会関係者だと分かったカナエは心の中で悶絶していた。

 

 

(絶対にこれエクスカリバーとかいう聖剣絡みよね。いくら予想してたとはいえ向こうから問題が堂々とやってくる事ないでしょ!?)

 

 

つい先程アーシアと一緒に裕斗を刺激するような発言は控えようと誓ったばかりなのに……きっとマッハの速度で無駄になるのだろう。現に裕斗の表情と纏っている空気がヤバい。

とりあえず事情を聞く事にした二人だが、裕斗が爆発しない事を祈るのみ……だったのだが、この少し後に裕斗ではなくカナエが先に爆発するなど誰が予想出来ようか。

 

 

「先日カトリック教会本部及びプロテスタント側、正教会側に保管・管理されていた聖剣エクスカリバーが奪われました」

 

「(やっぱり……ん?)カトリック本部にプロテスタントに正教会?なんで三ケ所に?」

 

「エクスカリバーそのものは現存していないわ」

 

「???」

 

 

アーシアは小首を傾げて?マークを飛ばしている。カナエはそれを見て「可愛いは正義!」などと考えていた。

一誠も訳がわからないよ!みたいな顔をしており、タイガやタイタス、フーマも腕を組みながら悩んでいる。タイタスに至ってはそのままだと思い浮かばないから、とスクワットを始め出す始末。

 

 

「ごめんなさいね。私の下僕に悪魔になりたての子がいるのと、その友達や私のクラスメイトもいるから説明込見で話を進めてもいいかしら?あとタイタスはソレやりながらでいいからちゃんと聞いて頂戴」

 

 

栗毛のツインテールの少女が頷く……のだがもう一人、青髪に緑のメッシュが入った少女と顔を見合わせて二人が同時に聞いてきた。

 

 

「「タイタス?」」

 

「あら?見えてないの?今まさにそこでスクワットしてるのがタイタスなんだけど」

 

「「え?」」

 

 

リアスはテーブルの端を指差すが、何故か二人には見えていない。一般人には見えないようにアストラル体になっているが、教会関係者なら見えていてもおかしくないはずなのだ。

 

 

「……何もいないようだが」

 

「おかしいわね……カナエ、タイタス以外にもタイガとフーマもいるわよね?」

 

「いるわよ〜タイガ君は気付いてもらおうと色々ポーズ取ってるし、フーマ君はゴロゴロしだしたわ」

 

「だって俺ら気付かれる気配さえしないし。まだそこの二人一般人の範囲を抜け出せてないんじゃねーの?」

 

「「ああ、なるほど……」」

 

 

フーマの説明に納得してしまったリアスとカナエ。アーシアは小猫や朱乃と一緒にグリーンモスラやゴモラにおやつをあげ始めた。レジェンドからカプセル怪獣を連れての登校が許可されたので今日から一緒に登校している。普段はやっぱりカプセルの中なのだが。

やっぱり教会関係者の二人はガン見していた。

 

 

『僕達見られてるね、ゴモラ』

 

『別にいいんじゃないの〜?何かあれば返り討ちにすればいいし』

 

 

ゴモラはフーマに並んでゴロンと横になると目を擦りながら寝息を立て始める。アーシアらはそれを微笑ましく見守っていた。

 

 

「いいな〜……ってそれはともかく!イッセー君、エクスカリバーは大昔の戦争で折れているの」

 

「折れてる?……悪の宇宙人の手に渡ったのを師匠が戦って折ったとか」

 

「イッセー、エクスカリバーが折れたのがどの戦争かは分からないけど、少なくともあの大戦に師範はいなかったわよ。まあ、確かにあの人なら事もなげにへし折るでしょうけど

 

 

一誠の意見は割とありそうな展開だし、リアスは遠い目になって言い切った。あの初戦の衝撃は忘れられない。

 

 

「エクスカリバーを簡単に折るとかあり得ない言葉が聞こえたが……それは置いておくとして、今のエクスカリバーはこんな姿さ」

 

 

青髪の少女が取り出したそれは厳重に布で包まれており、それを解いていくと一本の長剣が姿を現す。

 

 

「大昔の戦争で折れたエクスカリバー。折れた刃片を拾い集め、錬金術で新たな姿となったのさ。その時、八つ作られたうちの一つがこれだ」

 

(んんん?)

 

 

カナエは興味津々に……というわけではなく、なんで敵には扱えぬであろう強力無比な聖剣を八つにまで分ける必要があったのか疑問に思った。

しかし憶測は立っている。大方先程聞いた三つの派閥がやれどこが保管するだなんだと一悶着あったのだろう。

結果として盗まれているのだから数を増やすなら保管場所もその三派閥だけにせず、せめて八ヶ所別々にしろと思うのだが。

 

青髪の持っている方が『破壊の聖剣(エクスカリバー・デストラクション)』、栗毛の持っている方が『擬態の聖剣(エクスカリバー・ミミック)』と言うらしい。

それぞれカトリックとプロテスタントが保有しているとの事だが、それよりも一つ一つ特殊な力があることの方が問題だ。主に戦力面……聖剣の割に力不足過ぎて。

 

 

(いや、別にそれ普通よね。卯ノ花先生達『死神』の斬魄刀なんて名前どころか始解や卍解で形状が変化するのは当たり前、能力にしたって激変するのも多いっていうし。縁壱先生が持ってる『日輪刀・日ノ神』とかもかなり特殊らしいし)

 

(ハリベルお姉様の『帰刃(レスレクシオン)』の方が特殊な力に見えるわ。あれは破面(アランカル)特有と聞いてるもの)

 

(なんつーか、聖剣より先輩のゼロスラッガーってやつの方がスゲーと思うんだけど。あれ念力で動かせるし手に持って短剣っぽく使えるし、胸に装着して光線発射出来るし)

 

 

カナエ、リアス、一誠は対象こそ別とはいえ目の前の聖剣より余程とんでもないものを見続けたせいか大して驚きはない。さらに言うならゼロのゼロスラッガーはゼロツインソードにもなるし、果てはノアから貰ったウルトラ族でも最上級のチートアイテム『ウルティメイトイージス』まで持っている。

 

ウルティメイトイージス>>>>>絶対超えられない壁>>>>>エクスカリバー(オリジナル)>>>>>超えられない壁>>>>>劣化エクスカリバー

 

ざっとこんな感じである。一惑星にある聖剣の一つ(しかも劣化版)が最高位光神の力の一部を有する『真の神器』とも呼べるウルティメイトイージスに敵う訳がない。

おまけに言うと、アーシアの物となった『輝煌なる祈り(オラシオン・グリッター)』の方が圧倒的性能だったりする。レジェンドお手製の最上級巫女装束は伊達ではないのだ。

 

 

「イリナ、わざわざ能力を喋る必要はないだろう?」

 

「あらゼノヴィア。いくら悪魔だとしても信頼関係を築かなければこの場では仕方がないでしょう。それに能力を知られたからといってこの悪魔の方々に遅れを取るなんてことはないわ」

 

「……言っておくけどそこの二人は人間よ。片方はそれも怪しいけど」

 

「リアス、なんでそこで私を見るの」

 

 

ある意味正しい。オカ研最強の人物は悪魔であるリアスではなければ赤龍帝たる一誠でもなくカナエだからだ。痣者だったり日輪刀を平然と赫刀にしたり出来るが(段々外れてきているとはいえ)人間である。

彼女の師が魔王さえ萎縮する程の化け物だから彼女が人間かどうか怪しいと思われても仕方ないのかもしれない。

 

それに聖剣といえど当たらなければどうという事はない!の精神で挑めば今のオカ研メンバーなら負けそうにないと思うのだが。

非戦闘員であるアーシアもサポートや防御に徹すれば勝てはせずとも負けはしない。

聖剣を持っている、というだけではもはやアドバンテージにはなりえないだろう。

 

二人がそれぞれの名前を呼び合っているのを聞き『あ、そういえば二人の名前知らなかった』と今になって思い出したアーシアとカナエ。割とどうでもいいと思ってるんじゃなかろうか。

 

 

「なんでそんな聖剣が極東の国の地方都市にあるのか……は大体予想つくわね。奪った元凶がこの町にいるとか、そういう理由でしょう?」

 

「察しがいいな。その通り、一本は行方不明だが残り七本のエクスカリバーのうち四本が奪われている。カトリック、プロテスタントから一本ずつ、正教会陣営から二本」

 

(半分以上奪われてるじゃない。どれだけ管理がおざなりだったのかしら)

 

 

彼女らが残っているエクスカリバーのうち二本を持ってやってきたという事は教会側が保有しているのは残り一本。一本は行方不明、四本は強奪……よくもまあこんな状況で偉そうに出来たもんである。

カナエは溜息を吐きながら話を聞いていた。

 

 

「それで、エクスカリバーを奪ったのは誰なの?」

 

「『神の子を見張る者(グリゴリ)』だよ」

 

(また知らない名前出てきたー!!)

 

 

最近こんなんばっかりだ、とカナエが思っていたらスクワットしながらタイタスが聞いてくれた。

 

 

「リアス、フッ!そのグリゴリというのは、フッ!どういう組織なのか、フッ!教えてくれないか?フッ!」

 

「ええ。分かりやすく簡単に言うと堕天使の組織よ。あと……自分で言っておいてごめんなさい。せめて質問する時だけはスクワットやめてもらえないかしら」

 

「ふむ、なるほど。いや丁度区切りもいいし筋肉にも休息は必要だ。そうしよう」

 

 

タイタスは納得してくれた……のはいいが、タイガもフーマも暇そうにしている。確かに彼らが質問しても目の前の二人には聞こえないのだから気になった事はリアスを始めオカルト研究部側に聞くしかないのだが、正直思いっきり蚊帳の外なので今はあまりやる事がないのだ。

 

 

「それにエクスカリバーを奪った連中は把握している。グリゴリ幹部のコカビエルだ。それにもう一人」

 

「…古の戦いから生き残る堕天使の幹部。聖書にも記された者の名前が出るとはね。そのもう一人は?」

 

「……分からないの」

 

 

片やかなりの大物、それとつるんでいるもう片方は分からないとイリナが答える。おそらくゼノヴィアもそうだろう。

 

 

「分かっているのは自ら堕天使と名乗ったという事だけだ。ただ、堕天使というには翼が……悪魔のようだったらしい」

 

「悪魔のような翼の堕天使?聞いた事ないわね。翼の枚数とかは聞いてるの?」

 

「三対六枚だったと聞いている」

 

「強さの判断に困るわね……まあ、それなりには強いという事は分かったわ」

 

 

現時点ではその堕天使に関する情報が少な過ぎる為、これ以上ここで詮索しても無意味だと思ったリアスは漸くここに来て彼女らがここに来た目的を聞く。

 

とどのつまり「この問題は自分達が解決するから一切手を出すな」というものだった。

教会の失態だというのは分かるがそれでこちら側にそんな事を言うのは筋違いじゃないか、とリアスやカナエは思う。ましてカナエから見ればこの駒王はレジェンドが治める宇宙人達との共存の地。これがレジェンドに知られれば下手すれば全教会陣営と堕天使勢力は光神陣営を敵に回す事になる。そうなればその二つは瞬く間に壊滅だろう。

 

しかも二人は聖剣を堕天使に利用されるくらいなら自らが犠牲になってでも聖剣を消滅させる覚悟だと言う。

立派と言えば立派なのだろうがカナエとしては馬鹿馬鹿しいとしか思えない。苦渋を飲んででも協力を仰いだ方が成功率・生存率も上がるというのに何を言っているのかと。

ぶっちゃけ、この町で問題を起こす時点でレジェンドや七星剣が黙っている筈がないのに。

 

まあ、そうなればレジェンド達も即座に気付くだろうし、いざとなったら自分から協力を頼もうとカナエが自己完結したところでイリナとゼノヴィアも退室するようだ。

 

……が、その際にアーシアに絡んだのがいけなかった。

 

 

「……先程からもしやと思っていたが……『魔女』アーシア・アルジェントか?まさかこの地で出会う事になろうとは」

 

 

カナエがピクリと動いた。同時にリアスを始めオカルト研究部はヤバいと脳内で警鐘を鳴らす。

 

 

「貴方が一時期噂になってた元聖女さん? 悪魔や堕天使をも癒す力を持ってるらしいわね。追放されどこかに流れていたと思っていたけど、まさか当たり前のように悪魔と一緒にいるなんて思わなかったわ」

 

「……?」

 

 

当のアーシアはキョトンとしている。魔女がどうとかよりも悪魔と一緒だといけないのかと考えていた。悪魔どころか神より上の立場にいる光神と共に生活しているし、良い意味で図太い神経を手に入れたようだ。

 

 

「大丈夫よ。ここで見たことは上には伝えないから安心して。けど、聖女アーシアを知る者に、今の貴方の状態を話したら、ショックを受けるでしょうね」

 

「……あの」

 

「しかし悪魔と一緒か。堕ちるとこまで墜ちたものだ。まだ神を信じているのか」

 

「ゼノヴィア。悪魔と共にあろうとする彼女が我が主を信じるわけないでしょう」

 

「いいや、その子から信仰の香りがする。そういうのに私は敏感でね」

 

 

あまりの物言いにカナエは既に日輪刀を取り出して握り締めている。なんか鞘の中で刀身が赤くなってそうである。

 

 

「おいバカやめろ!彼女をこれ以上怒らせるな!!」

 

「確実に死ぬって!旦那も止めてくれよ!!」

 

「アーシアへの暴言、万死に値する!!」

 

「「いやだから止めてくれっての!!」」

 

 

彼らの声が聞こえないと言う事も忘れ、トライスクワッドも止めようとしだした(一名除く)。

その声も虚しく、遂に決定的な一言が言われてしまう。

 

 

「そうなの?」

 

「私、あの方への信仰を捨てた事はありません。そして、これからもずっと」

 

「なら今すぐ私たちに斬られるといい。罪深くとも、我らの神なら、救いの手を差し伸べて下さるはずだ」

 

「いい加減にしなさい」

 

「「!?」」

 

 

アーシアの言う神とは言わずもがなレジェンドの事である。それをゼノヴィアは自分達の信仰する神と勘違いしたのか、とんでもない事を言ったのだがそれが拙かった。

レジェンド一家は普段こそ家族内でバカ騒ぎするのだが、同時に家族愛に溢れている。それに血の繋がり、種族の違い、果ては生まれた世界や次元、【エリア】の異なったものであろうとだ。

特に過去の出来事からカナエはアーシアをそれこそ妹のように可愛がっているし、その逆も然り。元の世界にいたのなら間違いなく蝶屋敷に住んでいただろうレベルである。

そんなアーシアを侮辱されてカナエが黙っている筈がない。

 

 

「先程から黙って聞いていましたが貴女は彼女が魔女だと言いましたね」

 

「そ、そうだよ。少なくとも今の彼女に魔女と呼ばれる資格はあると思うが」

 

「彼女が伸ばした手、掴んだのは誰ですか?貴女方が信仰する主?それともその従者?まず貴女達ではないでしょう。彼女が助けてほしいとどれだけ願っても手を払ったのは貴女方だというのに随分な言い様じゃないですか、ええ?

 

 

敬語はともかく最後がなんかおかしい。間違いなくブチ切れている。その証拠に若干抜いていた日輪刀は既に赫刀と化していた。

 

 

「それに彼女、貴女が考えているより凄い立場にいるんですよ。先日、ある場所に招かれて正式に『光神の巫女』になりましたので」

 

『なっ!?』

 

 

これにはオカルト研究部も一緒になって驚いた。

カナエはいつも通りの笑顔で「ねー♪」とアーシアに言うと、アーシアも笑顔で頷く。

 

 

「光神様の巫女!?バカな、彼女は魔女だぞ!?我らの主よりさらに上にいるという光神様に軽々しく会える立場じゃない!!」

 

「だから凄い立場って言ったでしょう?彼女、助けられた日からずっとあの方の事を忘れた日はなかったみたいだし、当然の処遇だと思いますけどね。そもそもあの方は彼女の慈悲を尊重こそすれ、悪魔を治した事を咎めたりなんかしませんでしたが?」

 

 

今だ認められないゼノヴィアに対してカナエは言い放つ。

 

 

「それから、私だけが怒っていると思わない方がいいですよ」

 

「何を……」

 

 

ギシャアアアァァオン!!!

 

 

『!?』

 

 

耳を劈くような鳴き声がした方を向くと、少し前まで寝ていたゴモラが起きており、憤怒の表情でイリナとゼノヴィアを睨んでいた。今のはゴモラが本気で怒りSDサイズにも関わらず本来の鳴き声で抗議の意を示したのだ。

 

 

「な、何だ今のは!?」

 

「あの子から聞こえたわよ!?」

 

「ご主人を侮辱されて怒っているの。私としても敬語を使うのが嫌になってきたわ。それから、もう一人……」

 

「「え?」」

 

 

二人には分からないであろう。

しかし、オカルト研究部であれば知らない筈がない。

何故ならばライザーとのレーティングゲームはジェントと『彼』のお陰で無事に行われたのだから。

 

 

 

 

 

「そんな紛い物を振り翳してアーシア・アルジェントを斬るだと?それは我々ギルドガード、引いてはギルド全体への宣戦布告とみなす。異論は認めん」

 

 

 

 

 

「「!?」」

 

「「「「「シックルさん!?」」」」」

 

「「「メフィラス星人!?」」」

 

 

いつの間に来たのか、七星剣と同格とされるギルドガードを束ねる『漆黒の監視者』メフィラス星人シックルが大鎌メフィラスデスサイズを担いでイリナとゼノヴィアを見下ろしていた。

 

 

「シックルさん、今日もお仕事お疲れ様です」

 

「ああ。今日はお前達以外のオカルト研究部とやらの面々のハンター登録が完了したのでライセンスを渡しに来た」

 

「え!?早っ!!」

 

「元々ジェントや卯ノ花烈から打診はされていた。予め提出されていた申請書との相違確認のみだった為にこれだけの時間で済んだ訳だ」

 

 

突如として現れた異形の存在に怯えているイリナとゼノヴィアの間を堂々と通り抜け、部長であるリアスにまとめて手渡す。

 

 

「胡蝶カナエ、アーシア・アルジェント以外のハンターライセンス……リアス・グレモリー、姫島朱乃、塔城小猫、木場裕斗、兵藤一誠、そしてウルトラマンタイガ、タイタス、フーマ……以上で間違いないな?」

 

「え、ええ。わざわざありがとう、シックルさん」

 

「なあ、俺達のもあるのか!?」

 

「リアス・グレモリーより申請があった。それに沿ったまでだ」

 

 

どうやら急遽リアスが三人分の申請書も提出していたらしく、しっかりトライスクワッド分のハンターライセンスも発行されていた。ただ、基本的にアストラル体である彼らでは直接持てないので現時点ではリアスが管理する事になる。

 

 

「さて、一先ずの要件は済んだ。次はお前達だ」

 

 

シックルが改めて向き直るとイリナとゼノヴィアはビクッとする。それもそのはず、明らかに人間とは思えない容姿の者が突然現れ、しかも敵意剥き出しなどと笑える冗談ではない。

 

 

「アーシア・アルジェントへ危害を加える事は即ちギルドに対して不利益となる行為。よって俺の権限によりこの場で処断する」

 

「い、いきなり何だ貴様は!?権限も何もそんな事認められる訳が……」

 

「少なくともこの町においてお前達教会とやらの権限はギルドガードより下だ。住民達の自主性を尊重しつつこの駒王を治めている『奴』ならばいざ知らず、問題を持ち込んだお前達がどうこう言う権利は無い」

 

「そ、それは……」

 

 

さすがに問題を持ち込んだと言われればぐうの音も出ない。元凶はコカビエルら堕天使とはいえ、元はと言えば教会側の失態だからだ。

 

 

「……部長、シックルさんを止められますか?」

 

「無茶言わないで小猫。あの七星剣と同格のシックルさん相手にこのメンバー総出でどれだけ保つと思う?」

 

「……たぶんカナエ先輩が最後まで残る、くらいしか思い浮かびません」

 

「同感よ。だから私達では無理ね」

 

 

最後まで残るとは思ったが止められるとは思えない。それほどの実力者なのだ。

ついでに悪魔ではない為、聖剣で有利に立とうなど無意味。あの大鎌はジェントの持つ七星剣の一振り『妖刀・破軍』の星さえ容易に真っ二つにする光の刃さえ受け止めた事がある。本人の技量なのかそれとも大鎌自体が特別なのかは不明だが、どちらにしてもヤバ過ぎる相手に変わりはない。

 

このままでは任務を果たさずして、というか標的と相対する事なく命を散らせてしまうと考えていたイリナとゼノヴィアだったが、そこにアーシアが救いの手を差し伸べる。

 

 

「あ……あのぅ……シックルさん」

 

「何だ」

 

「その……お二人を許してあげられませんか?」

 

「「!!」」

 

 

まさか自身があれだけの事を言われたというのに二人を助けようとするとは……シックルもある程度予想していたとはいえ、実際にされると僅かばかり動揺する。

 

 

「……駄目だ。この手の輩は一度許せばつけ上がる。次にやらかした時は取り返しのつかない事態になるとも考えられる以上、不穏因子は早期に取り除く必要がある」

 

「で……でも「だが」……え?」

 

「他ならぬ被害者であるお前の言葉である以上、多少は融通するとしよう」

 

「あ……ありがとうございますっ!」

 

 

まさかシックルが慈悲をかける事があるとは思わなかった。これもアーシアの人徳のお陰だろう。

 

だが、そう思うのは早かった。

 

 

「お前達二人に対して、俺と胡蝶カナエによるタッグマッチ。制裁としてその身に俺達の実力を刻み込み、己が無力さを知る事を解放条件とする」

 

 

ギルドガードの長と伝説九極天の一人の弟子。

その二人を同時に相手にするハメになったイリナとゼノヴィアを、オカルト研究部は揃って同情した。

 

 

「……無力さを知る前に無に還りそうじゃね?」

 

「……あの二人、生きてられるのかな」

 

「骨は残るといいのだが」

 

「「怖い事言うなよ!?」」

 

 

タイタスの間違った心配にツッコむタイガとフーマ。

当のカナエ本人はというと、見事な笑顔で日輪刀を握り締めている。やる気満々だ。

裕斗が混ざろうとしていたものの、シックルの雰囲気に呑まれてしまい結局見学するだけになってしまった。

 

 そしてリアスは考えていた。

 

―せめて、死人が出ませんように―

 

 何故ならタッグマッチどころか一方的なデスマッチにしかならないだろうから。

 

 

 

〈続く〉




次回「まさにデスゲェム!!」状態なイリナとゼノヴィアはどうなるのか。
ついでにお仕置き食らったレイトは無事に起きれるのか。巌勝はグロッキーから復活出来るのか。
色々ありますが生温かく見守って下さい、特に最初。


それではまた次回。

二択決定戦! シン一人乗りする最終ゲッターはどちらだ!?

  • 真ゲッタードラゴン(大決戦版)
  • 真・ゲッター1(スパロボα仕様)
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