ウルトラマンレジェンド Episode.CROSSOVER   作:ハジケハムスター・ポッポ

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今回は少し早めに投稿出来ました。
代わりに次回が遅くなりそうですが……
タイトル通り、路銀が尽きた二人とあの三人組が邂逅します。
ついでに今回、本編に出てくるもののタイトルが気になったら検索して頂ければと。『感動の』の後のキャッチコピーが絶対違うと分かりますので。


それでは本編をどうぞ。


尽きる路銀、手を差し伸べたのは光神

 イリナとゼノヴィアが一方的にフルボッコにされた翌日、サーガは巌勝と三日月を伴って駒王町の散策に出ていた。

 

『これからここで暮らしていくんだから地理くらい知っておいても損はないだろ』

 

というレジェンドが、お小遣いという名のぶっちゃけ大物指名手配犯の賞金レベルな大金と共に送り出してくれたからだ。これは別に間違っておらず、禍の団潰しやってる最中に襲いかかってきた奴が偶々そうだったから再起不能にして警察に引き渡したのである。その時の賞金をそのまま渡したというわけだ。

 

 

「オルガも来れば良かったのに」

 

「仕方あるまい。鉄華団のリーダーである以上、正式に合流する日が決まったからには連絡が必要だ」

 

「巌勝さんも紅蓮の参謀長でしょ?」

 

「確かにそうだが、紅蓮と羅巌は纏めて超次元グレン団としても活動している。どちらか片方が連絡すれば問題なく、ヨーコは先日町へ行っていたから今回は任せてほしいと言っていたのでな」

 

「そっか、納得した」

 

 

巌勝は昨日の昼過ぎに漸く回復した。肉体的な事ならともかく、シミュレーター関係は頭脳の方を要求されたのでダウン時間が長かったらしい。

その後、昼飯時だったので宣言通りレジェンド、グレイフィア、ミライと共に馬場寿司へ外食しに行ってからそこがお気に入りになった。

 

 

「二人共、先に食事する場所を決めた方が良いと思うのだが、何か案はあるか?」

 

「俺は種類豊富なところがいいかな」

 

「私は……いや、馬場寿司は昨日行ったし、洋食を扱っているところへ行ってみたいのですが」

 

「そうなるとファミリーレストランだな。出来ればチェーン店の方が割とメニューも多いし……ん?」

 

 

巌勝と三日月の希望を聞きながらサーガが何処が良いかさらに絞り込みを掛けていると、ふとした光景が目に入った。正直、多少なりとも戦闘らしい戦闘を見せたばかりだというのに、先日の関係者が見たら何だこれはとツッコみそうな絵面だった。

 

 

「迷える子羊にお恵みを~」

 

「どうか天の父に代わって哀れな私たちにお慈悲をォォォォ!」

 

「「「……」」」

 

 

前述のフルボッコにされた聖剣使い、イリナとゼノヴィアが物乞いしていた。しかもイリナの腕には布で包まれた、絵画らしきものがある。おそらくその信仰心ゆえに詐欺にでもあったのだろう。

巌勝はその包まれた絵画を『透き通る世界』によって見通し、描かれている人物を見てピンときたのか支給されている特製スマホ『ウルフォン』で何かを検索している。

 

 

「サーガ様、なんかいる」

 

「ああ、ここは助けるべきなのだろうが、逆に助けたら後々厄介な事になりそうな気がする。主に日常的な部分で。いや、しかし見過ごすわけにも……」

 

 

変なところに感が冴え渡っているサーガであった。とはいえ真面目な彼は良心の呵責に苦しんでいる。しかし、本来ならばここいらで意見してくる巌勝が妙に静かだ。何かを調べているようだが……

 

 

「ごめんサーガ様。なんかあっちのツインテールと目が合った」

 

「何ッ!?」

 

 

まさか自分ではなく三日月!?と思ったのも束の間、瞬間移動でもしたのかと思う速度でサーガの目の前に二人がいた。三日月も目を見開いているし。巌勝は漸く見つかったのか、イリナが持っていた絵画とウルフォンを見比べて頷いている。

 

 

「申し訳ない。見ず知らずの方にこんな事を言うのもなんなのだが、よければ食事を恵んで頂けないだろうか」

 

「私からもお願いしますぅぅぅ!!どうかお恵みを!!」

 

 

サーガは思った。もう逃げ道塞がれている……と。ここが惑星レジェンドで、且つ一人であればサーガアクセラレーションで逃げる事も出来たのだろうが地球だし三日月と巌勝もいるしでもはや選択肢は一つしかない。

 

 

「俺はちゃんと俺達も食事出来るなら別にいいけど。勝手に奪ったら潰すから

 

「「ひいっ!?」」

 

 

なんか一瞬三日月の目が赤くなった気がする。彼は食事に関しては煩いのだ。味とかそういうのよりも、しっかり食べられるかという事に。彼らの境遇を考えれば納得がいくのだが。

 

 

「三日月……すまない、俺の付き人が。ここで会ったのも何かの縁だ。俺達が行こうとしているファミリーレストランでいいのなら」

 

「「異議なし!!」」

 

「巌勝も構わないか?」

 

「洋食が頂けるのであれば。丁度そこがランチタイムになったようで」

 

 

巌勝が指差した先にはこの世界でも割と有名なファミレスがタイミング良くランチタイムサービスを開始したようだった。

 

 

「定食注文のお客様、ご飯のおかわり自由……」

 

 

この瞬間、三日月は戦闘(食事)モードに突入した。サーガと巌勝の腕を引っ張り即座に入ろうとする。

 

 

「何してるのそこの二人。俺達はここにするから、食事したかったらついてきなよ」

 

「半ば強引な気もするが……俺達三人の希望にも沿えている。ここでいいか?」

 

「先程申し上げた通り異議ありませんっ!!」

 

「ああ、まともな食事を恵んでくれるだけでもありがたいのにこちらの嗜好まで押しつけられない」

 

「決まりのようだな」

 

 

少々決め方が三日月の希望重視だった気がしないでもないが、五人は腹を満たすべくファミレスへと入っていった。

 

 

 

 

 

 席に案内されたサーガ達はとりあえず先に注文する事にする。と言っても奢る以上はある程度の節度は守ってもらわなければならない。

 

 

「さて、一応食事を奢る事に合意はしたが金額に関しては制限させてもらう。俺達があまり甘やかし過ぎてそれが当たり前になってしまったら困るのはお前達だからな。それだけは未然に防ぐ」

 

 

イリナとゼノヴィアが固まった。確かに奢られる立場上、あまり文句は言えないが……まさか一品、それも安いのだけと言われたらどうしようと冷や汗を垂らしていたらサーガから返ってきたのは予想を超えた一言だった。

 

 

「一人につき一万円までだ。それ以上は認められない」

 

「「いちまんっ!?」」

 

 

何だそれ、実質食べ放題レベルじゃないかと思っていたがさらにとんでもない発言が飛び出してくる。

 

 

「お前達、どうも余所者のようだが路銀が尽きたらしいな。という事は宿泊する場所の確保等はまだなのか?」

 

「あ、ああ……生憎まだだ。よりによってこいつが全額その胡散臭い絵画に注ぎ込んでしまって……」

 

「胡散臭くなんてないわよ!これには神聖な御方が書かれているのよ!展覧会の方もそう言ってたし!」

 

「……ちなみに書かれている者の名前は?」

 

「えっと……ペテロ、様?」

 

 

なんで疑問系なんだ。しかも本人が分からないものを他の者が分かるわけ……と思った直後、巌勝がここに来て動いた。ウルフォンの画面を凄まじい速さでスライド&タップしまくっている。

 

 

「巌勝、何か知っているのか?」

 

「サーガ様……少々不躾ですが『透き通る世界』を使用してその絵画を見通してみました。曰く付きのものならば彼女らのみならず我々にも害を及ぼす可能性もありますので」

 

「どうだったの、巌勝さん」

 

「案ずるな三日月。曰く付きではない。描かれていたのは……これだ」

 

 

巌勝が他の四人にウルフォンの画面を見せると、サーガらはその画面を凝視する。

 

 

 

 

 デンデデーン!

 

 

「お願いペドロ!力を貸して!五時頃、妹が迷子になって……あの子一人で泣いているわ……!お願いペドロ!」

 

「お前、警察に電話とかしたかお前!?」

 

「お願いペドロ!」

 

「ウチ今電話止められてっからな!」

 

「お願いペドロ……」

 

「でもお前らアレだな、困った時だけペドロペドロって調子いいよね。こないださ、ウチピンポンダッシュしてったろ!オジサン知ってんだかんな全部!オイ!」

 

「黙れペドロ!!」

 

「コラ!なんてこと言うんだ!!」

 

 

―この夏、感動の超大作―

 

となりのペドロ

 

 

 

 

 巌勝が見せたそれは、迷子の妹を探す少女がペドロという警察帽被ってグラサンをかけたチョビ髭の肥満警官(?)、しかもブリーフ一丁という先日のエロマスク共に負けない格好をした変態に助けを求める映画のワンシーンらしき動画だった。

警察に電話しろと言ってるがお前は何なんだとか、そもそもピンポンダッシュとか言うが呼び鈴なぞ見当たらんとかツッコミどころだらけだが。

いきなり衝撃的な動画を見せられて三日月とゼノヴィア、見せた本人である巌勝は笑いを堪えていた。イリナは真っ青になっているし、サーガに至っては真顔で何かを考えている。

 

 

「ちょっ……巌勝さっ……何コレ……ッ」

 

「ペテロではなく……くふっ……ぺ、ペドロ……ぶふっ!」

 

「そうだ、それに……くっ……書かれているのはこいつ……ペドロだ……っ」

 

「そ……そんなあああああ!!」

 

「……結局この少女とペドロ、どちらが悪人なんだ?」

 

 

サーガ、マジで……いやむしろ何マジに考えてんだ。

ぶっちゃけ悪ガキと変態のコントでしかない気がするんだが。というかイリナは初見で何故ただの変態だと気付かないんだ。信仰云々差し引いても、どう見ても神聖さなど微塵もないオッサンでしかないだろうに。

 

 

「続きが気になる。巌勝、これは今上映しているのか?しているのなら観に行きたい」

 

「「「「ええええ!?」」」」

 

 

どうやらサーガが変な興味を持ってしまった。しかも相変わらず真顔だ。これは探すしかないのか……と思った直後。

 

 

「……!巌勝、三日月!」

 

「「え?」」

 

 

サーガが嬉々として指差した、ガラスの向こう側には……

 

―となりのペドロ 絶賛上映中!!―

 

思いっきりやっていた。

 

 

「よし、食後はあそこに行くぞ」

 

「正気ですかサーガ様!?いや、笑える作品だと思えば割と楽しめそうな……」

 

「うん。サーガ様に感化されたのか俺も観たくなってきた。早く料理注文しよう」

 

(えぇー……)

 

 

どうやら三人はとなりのペドロを観に行く気満々らしい。

イリナは今だ騙された事にグスグス泣いているし、ゼノヴィア自身は反応に困っている。

 

 

「もーいいわよぉぉぉ!!ヤケ食いしてやるぅぅぅ!!」

 

「お、おいイリナ。ちゃんと一万円以内で……」

 

「分かってるわよ!このペドロォォォ!!」

 

「その言い方は昨日のムッコロに続けて私の名前がペドロに聞こえるからやめろぉぉぉ!!」

 

 

レジェンド一家がいなくてもカオスであった。

※あまりファミレス内で騒ぐのはやめましょう。

 

 

 

 

 

「「ご馳走さまでした!!」」

 

「俺もこれが最後でいいや」(※現在五杯目)

 

「テイクアウト出来るのは……あるな。ヨーコ達に土産として買って帰るか」

 

「全員満足してくれたようで何よりだ」

 

 

サーガは映画が気になるらしくウズウズしているが、そういえば……とゼノヴィアが気になった事を聞いてくる。

 

 

「話が脱線したり色々あったから忘れかけていたが、宿泊場所がどうとか……」

 

「あうぅ〜……思い出させないでよゼノヴィア〜」

 

 

満腹で夢心地だったイリナは一気に現実に引き戻された気がした……が、サーガのとんでもない発言が漸く飛び出る事になった。

 

 

「……宿泊用の資金だ。ぼったくりや変なオプションを付けなければ一人十万もあれば足りるだろう。帰るまでの食費なんかも含まれているから無駄遣いはするな」

 

「「……ふぇっ!?」」

 

 

サーガは合計二十万という大金をポンと二人に手渡して伝票を手に取り、三日月と巌勝を伴って退店しようとする。

二人にはサーガの後ろに後光が見えた。いや実際光神なんですけどね。

 

 

「信仰心が高いのは大いに結構。だがそれを利用しようとする輩がいる事を肝に銘じておけ」

 

 

ではな、と精算して店を出たサーガは意外な人物に出会う。

 

 

「……ソランさん?」

 

「よっ……縁壱先生!?え、帰ったんじゃ……」

 

「え、何?二人の知り合いか?」

 

 

小猫と一誠、匙である。どうやら先の二人に用があったらしく、たった今このファミレスにいるのを見つけて入ろうとしたところを鉢合わせしたというわけだ。

 

 

「あの時の言葉通り……また会ったな、小猫」

 

「……!覚えてて、くれたんですか……」

 

「記憶力には自信がある」

 

 

サーガはともかく、なんか小猫の纏う空気がいつもと違う。ついでにこれをどういうわけか感知したダイブハンガーにいる黒歌は小猫の元に突撃しようとして卯ノ花に気絶させられた。

 

 

「じゃあ、あんたが縁壱先生の兄で、その……元上弦の壱の……」

 

「そうだ。継国巌勝という。縁壱とは双子だが、痣が違うからな」

 

「いや、すいません。初見でしかもパッと見だと分かんないッス……」

 

「まあ、そうだろうな」

 

 

アレ、この人マジで元鬼?普通に話せる人なんですけど……と一誠は思っていたが、いつも通り一緒にいたトライスクワッドは本気で焦っていた。理由は当然……

 

 

(((ウッ……ウルトラマンサーガ!?)))

 

(ウソだろお前!?なんでこんなVIPなウルトラマンがここにいるんだよ!?)

 

(知るかよ!どどどどうしよう、ちゃんと挨拶した方が……いやでも実績も実力もまだまだな俺達って相手にされるかな……)

 

(我らウルトラマンにとって出会う事自体喜ぶべき事だと言われる程の御仁の一人!是非私の筋肉を拝見して頂き……)

 

((おい待てやめろォォォ!!))

 

 

己の筋肉をサーガにアピールせんとするタイタスを必死に止めるタイガとフーマ。本来ならタイタスが二人のブレーキ役にならなければいけない気がするのだが……。

 

 

「早くしないと映画始まるよ、サーガ様、巌勝さん。あとあんた達も早く声掛けないと出て行っちゃうよ、あの二人」

 

「あ、ああ!おい兵藤!話し込んでないでさっさと行くぞ!!」

 

「お、おう!んじゃ、巌勝さん!俺達はこれで!小猫ちゃんもほら!」

 

「あ……はい。ソランさん、それでは」

 

「ああ」

 

 

―願い、届くといいな―

 

 

「……え?」

 

 

一瞬聞こえたサーガの声に小猫が振り向くが、既に三人は衆人に紛れてしまい見失ってしまった。映画がどうとか言ってたし映画を上映しているところを探せば会えるかもしれないが、今は別の事を優先しなければ。

……もっともその映画がとなりのペドロだとは思わないだろうが。

 

この後、彼らに加えて裕斗を含めた聖剣破壊同好会が発足した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……巌勝」

 

「承知しています。代わりにこれをヨーコ達へお届け願えますか?」

 

「了解した」

 

「俺も出れるようにしておいた方がいい?」

 

「頼む、三日月」

 

「分かった。バルバトス、準備しておく」

 

 

何かを察知した三人は秘密裏に行動を開始した。

ついでに映画はまた今度、もしくは映像ソフト化したらという事になったらしい。

 

 

 

 

 ―とある廃墟―

 

 

「やれやれ……この翼の外見だけで判断されるんだよなぁ……ちゃーんと名乗ったのに」

 

 

一人の黒い衣服を纏った男が瓦礫に腰掛けながらボヤいていた。

 

 

「ホント、コッチでもアッチでも一番働いてるの俺だよ。もう少し福利厚生しっかりしてくれてもいいと思うんだけどさ、君らはどう思う?」

 

 

男の声に返事はない。

 

 

「答えられない、当然だよな。しかし()()()()で無視されるというのも悪くない。こうやって続けていけば新しい世界が見えそうだ」

 

 

よっこいせ、と男は瓦礫から立ち上がる。

 

 

「さて、そろそろコカビエルも動く頃かな。それともお相手が先手を取るか……どっちにしても俺も動くとしようか」

 

 

男は六枚三対の……蝙蝠のような、悪魔の如き翼を広げ、飛び立つ前に後ろを向いて笑いながら言う。

 

 

「では名も知らぬ()()使()の諸君、サヨウナラ」

 

 

その言葉と共に猛スピードで廃墟を飛び去っていく。男が声を掛けたその場には―

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夥しい数の堕天使の死体が積み重ねっており、やがて光になって消えた。

 

 

 

〈続く〉




次回、いよいよコカビエルとの初激突。
オーブの登場も徐々に近づいて来ました。
あの『カナンの発禁男』と呼ばれたアイツに台詞を浴びせられる最初の犠牲者は誰になるのか?
アーシアをターゲットにしたら前回の身勝手レジェンドが降臨しかねない事態になるぞ!


それではまた次回。

二択決定戦! シン一人乗りする最終ゲッターはどちらだ!?

  • 真ゲッタードラゴン(大決戦版)
  • 真・ゲッター1(スパロボα仕様)
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