ウルトラマンレジェンド Episode.CROSSOVER   作:ハジケハムスター・ポッポ

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お待たせしました。ウルトラマン、漸く登場です。
いや、約一名普通に出てますけど。
前回より短くても結局かなり長くなってしまったので、戦闘は次回に持ち越しです。
原作とは違う、よりによってとんでもない人物と一体化した彼の変身をお楽しみ頂ければと思います。

あと、ギャラファイにレジェンド出てた!やっぱり推しトラマン最高!元祖三大チートラマンをなめるなよタルタルソース!


それでは本編をどうぞ。


勇者との約束、ご唱和ください我の名を!

 全員の、時が止まった。

堕天使の男がコカビエルの翼を全て斬り落とし、その手中へと収めたのだ。残っていた八枚全てを失ったコカビエルは背中の激痛を感じながら地上へ……肉塊と化したバルパーの近くへと落下した。

苦悶と驚愕にその表情を歪めつつコカビエルは堕天使の男を見る。

 

 

「貴様……何を……!?」

 

「何ってさっき説明したばかりだろ?アンタが死んで消滅する前にこれが欲しかったんだよ。どのみちアンタの敗北は免れないだろうし、このままじゃ逃げ切れるかも怪しいからな。ま、九つ分も残ってれば一つ使っても大目に見てくれる……といいんだけど」

 

「九つ分……貴様、まさか……!!」

 

「ああ、推測通りあの侍に斬り落とされたアンタの翼は俺が頂いたよ。お陰で今も斬り落とし易い部分が運良く残っていたのはありがたかった。面倒が少なくて済むからな」

 

 

男が懐に手を入れて再び取り出すと、そこには縮小化されて小さな球体に封じ込められているコカビエルの翼があった。

 

 

「いやしかし、やはり他の堕天使とは一味違うねぇ。他の連中は大して力なんてなかったし」

 

「な……同胞を手に掛けたのか!!」

 

「何言ってるんだ、正当防衛だよ正当防衛。向こうは俺を殺す気で仕掛けてきたんだから。結局全然楽しめなかったけど……いや、憂いながら屍に語りかけるプレイが出来たな。そこは良かったか」

 

 

笑みを崩さぬまま、さらに男は衝撃的な事実を告げる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それに、そもそも俺は()()使()()()()()

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『!?』

 

 

堕天使じゃない―言っている意味が分からなかった。コカビエルすらもだ。だが、この後の言葉でそれはハッキリする。

 

 

「何をそんなに驚いているんだよ。俺は一度だって『自分は堕天使だ』なんて一言も言ってないぜ?だから同胞殺しでも何でもない。さっきから度々言ってる『降り掛かる火の粉を払っただけ』ってわけさ」

 

「じゃ……じゃあ何なのよ貴方は!?堕天使じゃなければ悪魔でもない!天使であるはずもない!一体何だというの!?」

 

 

リアスが動揺しながら問い詰める。他の者も殆どがそうだ。混乱したまま答えを待っている……一部の者を除いて。

 

 

「ん?俺は『ダテンシ』だよ」

 

「ふざけないで!さっき自分で堕天使じゃないって……」

 

「この世界の言葉……特に漢字ってのは中々深いね。一文字変えるだけで印象がガラリと変わるんだから」

 

「え?」

 

 

男は光を使い、指先で宙に『堕天使』と文字を書く。

 

 

「こっちではこう書くんだったな。天の使い……ネーミングとしては悪くない。だが俺達を表すにはこっちではこう書くらしい」

 

 

堕天使の『使』の部分を消し、別の漢字を書き込み満足げに頷く。

 

 

「天を司ると書いて『天司(てんし)』。これが俺達……原初の星晶獣(せいしょうじゅう)のカテゴリ名さ」

 

「天使じゃなくて天司!?原初の星晶獣って……!?」

 

「星晶獣に関しては色々長くなるからパスだ。『空の世界』出身か、もしくはそれに準ずる奴がいるならそいつから聞いてくれ」

 

 

空の世界―確か真龍ディアドラ……スカーサハがその世界の出身だったはず。後で聞いてみるか、とレジェンドが考えていると、男は付け足すように言う。

 

 

「そうそう、色々あって自己紹介がまだだったな。俺はベリアル。堕天司ベリアルだ。以後ヨロシク」

 

『ベリアル!?』

 

 

ここにきてまたも衝撃が巻き起こる。ベリアルと言う名はこの世界では悪魔の名門一族、ウルトラマンでは銀河遊撃隊総司令官を務めている人物の名である。前者はともかく後者とは似ても似つかない性格だ。

光のベリアルは面倒見が良く、若いウルトラ戦士にとっては年の離れた兄貴分と呼べるような性格。闇のベリアルは当初こそ自己中で好戦的だったが今は口の悪いツンデレみたいになっている。

目の前の堕天司とやらは非常に狡猾な部分が大きい。闇のベリアルでさえ、己の実力を示すため堂々と正面からウルトラ戦士の精鋭に挑んで蹴散らしたというのに。

 

 

「さて、自己紹介も済んだ事だし……やる事やってさっさとお暇させてもらうとするか」

 

「ま……待て……!」

 

「コカビエル。アンタは言ったな、六枚羽程度と。出身世界の違う俺からしてみれば、この世界の十枚羽は精々俺達の世界じゃ『四枚羽寄りの五枚羽』程度でしかないんだよ。俺達六枚羽から見れば圧倒的に格下だ。そもそも、天の使いが天を司るものに敵わないのは普通の事だろ?」

 

「な……!?」

 

「ついでに、だ。六枚羽の最高位である四大天司と天使長の間にも大きく差がある。能力的に言うと俺は天使長と同格と思ってくれていい」

 

 

これを聞いてコカビエルは唖然とし、レジェンドやサーガ、神衛隊の二人を除いた全員も驚愕する。コカビエルですら歯牙にもかけないレベルの実力者……下手すれば堕天使総督のアザゼルでさえまるで敵わないような者と対峙していたのだと。

 

 

「もう一つ言っておこうか。これは愉しませてくれたサービスだ。俺の直属の上司……俺達を生み出してくれた創造主たる『星の民』なんだがな。最近漸く以前と同じくらいの力が自力で出せるようになったんだよ」

 

 

それから、と一拍置く感じで含みを持たせた後、リアスらにさらなる絶望を叩きつけた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「その人の翼の数は十二枚だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「十二枚……ですって……!?」

 

 

先のベリアルの話が事実なら、こちらの世界でいうとつまり二十四枚相当。アザゼルでさえ目の前の堕天司とまともにやり合えるかというレベルなのに次元が違い過ぎる。そんな規格外がバックに存在する勢力が一体今までどこにいたのか。

 

 

「お前、外者(そともの)だな」

 

『!?』

 

 

思考は止めずとも今まで黙っていたレジェンドが口を開いた。外者―つまりその世界出身ではない者……それも【エリア】に関しても知る者を差す言葉として光神たるレジェンド達は使っている。目に前の堕天司はそれだと言う。

 

 

「フフ……ご名答。さすが最高位の光神様だ」

 

「「「「「えっ!?」」」」」

 

 

レジェンドが光神だと言われ、それを知らなかったリアス達が本日何度目か分からぬ驚きに見舞われた。というかさり気なく前回カナエとかゼットとか巌勝とか名前呼んでたんだけど。アーシアはカナエと一緒に呼んだ時、朱乃の声でかき消されたのでノーカウント。

 

 

「ま、今日のところはここまでにしよう。試したい物もあるし、それに……」

 

 

コカビエルだけでなく、肉塊と化したバルパーも指差しながらベリアルは笑みを崩さず最悪な事を告げた。

 

 

 

 

 

「噂のゴーデス細胞とやらに感染してるぜ?そこの二人」

 

『!!』

 

 

 

 

 

コカビエルと、肉塊になっていたバルパーへ目を向けると緑色の光が蠢いていた。レイナーレや、ライザーとのレーティングゲーム後に出現した小動物の死骸に見えたものと同じ。しかし、今回はそこに堕天司ベリアルより手心が加えられる。

 

 

「こうまで都合が良いと後々怖くなってくるんだけどな。ここで臆したらどうにもならない……っと」

 

 

何やら黒い、ビー玉より少し大きい球体を二つ取り出し、苦しんでいるコカビエルと屍となっているバルパーの間に軽く投げ落とす。するとその瞬間、その球体を中心にゴーデス細胞に侵されたコカビエルとバルパーの死体が黒い光を放ちながら融合していく。

 

 

「おォ……!ゴガァ……ああアァァァ……!!」

 

「ひっ……!?」

 

「な……何が起きてるっていうの……!?」

 

 

あまりに悍ましい光景に、アーシアはレジェンドに、リアスも一誠に抱きつきながら怯えている。他の者も似たような感じだ。ベキベキと骨が変形し、ブチブチと筋肉が変質する音を響かせながら融合したそれは徐々に巨体と化していく。

 

 

「あの姿は……!!」

 

「ちっ……よりによって厄介なものに……!」

 

 

ガイはリアス達とは別の意味で驚き、レジェンドは舌打ちしつつそれの危険性に警戒する。コカビエルとバルパーだったものが融合したその存在は……

 

 

「「グゥオオオオン!!」」

 

「マガパンドン……!!」

 

「マガクリスタルは別物になっているし体色も黒だが、この気温の上昇は間違いなく奴だ……!サーガ!!」

 

「分かっている!!」

 

 

なんと魔王獣の一体、マガパンドンと同種の別個体。かつてと同じく周囲の気温の上昇を危惧したレジェンドはサーガに指示を出し、理由をすぐさま理解したサーガは特殊エネルギーフィールドを駒王町全体に張り巡らせ、マガパンドンの熱気から保護する。

 

 

「え、何!?どうしたの!?」

 

「奴はそこにいるだけで都市一つ分の気温を上昇させる程の高温を発する!まだ夏でないとはいえ、一発で熱中症になりかねない!」

 

「あのマガパンドンはゴーデス細胞によって生まれた亜種に当たるんだろうが、片や能力が高い堕天使、片や悪知恵働く司教。その二つが混ざり合った、面倒な事この上ないヤツだ」

 

 

ガイは焦っているが、レジェンドは冷静さを失ってはいない。何故なら問題はまだ残っているからだ。

 

 

「おいおい、いきなり当たりか?じゃあこっちはどうかな?」

 

 

マガパンドンの出現に気を良くしたのか、ベリアルは手に入れていたコカビエルの翼を一枚だけ球体から解放し、同じように黒い球体と一緒に放り投げる。

黒い球体とコカビエルの翼は融合し、先程同様変質していく。これにガイは更に顔色を悪くした。そして、悪い予想は見事的中する。

 

 

「ギィアァァァァァ!!」

 

「今度はマガバッサー……魔王獣が一度に二体も!!」

 

「どうも嫌な予感ばかりが的中するとはな……!」

 

 

堕天使の翼を元にしているからか、ゲルカドン同様に体色は黒い。しかし明らかに姿形はマガバッサーに間違いない。魔王獣という超獣よりもさらに危険な敵が二体同時に出現する事態になり、リアス達も不安を隠せない。

 

 

「さっきから言ってる魔王獣って何なの!?明らかに普通じゃない感じしかしないわ!」

 

「通常の怪獣よりも格上とされ、世界を滅ぼすとまで言われた怪獣達だ」

 

『!!』

 

 

ガイの短い説明だけで一発で分かるほど、ヤバ過ぎる存在だった。そこにレジェンドが目の前に現れた二体に対して補足する。

 

 

「かつてはゼロがマガパンドンを、メビウスがマガバッサーを封印した」

 

「せ……先輩が!?」「ゼロ師匠が!?」

 

 

ミライことメビウスはもちろんの事、一誠とゼットにとって尊敬する人物が単独でそんなとんでもない怪獣を封印した事に、不謹慎ではあるが興奮してしまった。遊撃隊隊長という肩書も納得の戦果である。なにせ父親であるセブンは、当時激戦の疲労が蓄積し満足に身体を動かせない状況にも関わらず初代パンドンを撃破したのだから。

 

 

「クッ……ハハハハハ!!なんてこった!皮肉?それともイレギュラー?まさか堕天使から魔王な獣が二体も出来るなんて大当たりかよ!ヤバい!達する達する!!」

 

「貴様……!」

 

「おっと怖い怖い。そう怒るなデュランダル使いのお嬢ちゃん。マジでこっちも予想外だ。頭に『嬉しい』が付くけどな。それじゃ、今度こそサヨウナラ。ガラじゃないが君達がまた生き残れる事を願っておくよ。まだまだ愉しみたいんでね」

 

 

相変わらずイカれた台詞を吐いて、最後は意味深な事を言い残し退散した堕天司を憎々しく思いながらもゼノヴィアを始め、その場にいる面々は今置かれている状況を解決するのが先だと思い直した。

 

 

「いずれにせよ魔王獣……奴らはこの場で討たねばならない。ここで逃がせば被害は恐るべき速度で甚大なものになる」

 

 

サーガは落ち着きつつも強い決意を込める。いざとなれば自分がやらねばならない。だが、ここでガイが前に出た。

 

 

「レジェンドさん、サーガさん。俺が行きます。俺が行かなくちゃいけない」

 

「……ガイさん」

 

 

レジェンドとサーガが見守る中、裕斗がガイに近づくとガイはゆっくりと裕斗へ振り向き、小さく笑う。

 

 

「君達が見せてくれた絆の礼も、しなくちゃいけないしな」

 

 

大丈夫だ―そう思わせてくれる笑顔に、裕斗は己の願いを伝える。これは、同志達にとっても総意の言葉。

 

 

「僕達は信じてます。勇者の勝利を……!」

 

「ああ。約束だ。君がさっきの戦いの前に誓った言葉……『仲間達の剣になる』―それも忘れないでくれよ」

 

「はい!」

 

「良い返事だ」

 

 

ガイは頷くとオーブカリバーを一旦自身のカードに戻し、変身アイテムであるオーブリングを取り出す。

 

 

「それは……」

 

「俺も初心忘れず、気合を入れる為に久々に手順を踏み直そうと思ってな」

 

 

そう告げるとガイは表情を引き締め、カードとリングを構え……叫ぶ。

 

 

「己を信じる勇気……それが力になる。これが本当の俺だ!」

 

 

オーブリングに己のウルトラフュージョンカードをリードする。リードされた事でリングの部分が輝く。

 

 

『覚醒せよ、オーブオリジン!』

 

 

この音声にカナエだけは『冨岡君!?』と反応していたが、それはさておき。

リードされたカードは再び短剣状のオーブカリバーとなる。

 

 

「オーブカリバー!!」

 

 

ガイの手に納まったオーブカリバーをオーブリングで再度リードし、カリバーサークルを回転させると今まで無かった火・水・土・風の紋章が点灯する。

 

 

「あれが……あの聖剣、オーブカリバーに込められたエレメント!」

 

 

ゼノヴィアも本当の意味で理解した。あれはこの星の物とは違う、別の星の聖剣だと。

そしてガイは準備は出来たとばかりにオーブカリバーのトリガーを押す。すると不思議なメロディーが流れ、エレメントの紋章が順に点滅していき、再度全てが点った時、眩い光がガイを包む。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハァッ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その眩い光から現れたウルトラマンの右手には、本来の形である大剣形態となったオーブカリバーが握られており、天高く掲げられたそれは正しく勇者の証であった。

 

 

「あ……あの姿は……!やっぱり!!」

 

 

リアス達が裕斗を見ると、その顔は笑顔のまま一筋の涙が流れていた。

ガイが変身したウルトラマンはオーブカリバーを宙に円描くように片手で大きく回し、再び両手で握り構える。

 

 

 

 

 

「俺の名はオーブ!ウルトラマンオーブ!!」

 

 

 

 

 

高らかに己の名を叫ぶオーブの姿は、勇者の名に恥じぬ堂々としたものであった。

 

 

「そうだったんだ……皆、勇者はすぐ傍にいた……ついさっきも、僕達と共に戦ってくれていたんだ!!」

 

 

完全に思い出した。昔、裕斗が同志達と見た夢に現れた光の巨人。それは紛れもなくオーブだった。オーブカリバーを手に、魔王獣と戦うその姿を夢として彼らは見ていたのだ。夢に見た憧れの存在が自分を後押ししてくれ、そして今、自分達の為に戦おうとしている。

 

そして、立ち上がるのは彼だけではない。

 

 

 

 

 

「オーブに加え、ターンXとバルバトス……相手が相手だけにもう少しほしいところだな。町への被害を抑える事も含めると」

 

「なら俺達も行こう、イッセー!」

 

「おう!」

 

「それでも足りん。お前達が魔王獣を相手にするには圧倒的に経験値が不足している」

 

 

レジェンドは一誠やタイガが意気込んでいるところに冷静な意見を言う。確かにタイガにせよ一誠にせよ、果てはトライスクワッド三人とも経験が足りなさ過ぎるのだ。特にマガパンドンはオーブが一度は捨て身の戦法を使った程の強敵、意気込みだけでどうにかなるような甘い相手ではない。

 

 

「でも!こうしていたって何にも……」

 

「騒ぐな喚くな慌てるな。何もお前達に戦うなとは言っていない。戦力が足りんと言っただけだ」

 

「そんな事言ったって、援軍とかどこにいるんですか!?探しに行っている時間なんて……」

 

「ここにいるだろうが」

 

 

レジェンドが親指で指したのは、ゼット。

 

 

「……え?……俺ぇ!!??」

 

「この場でお前以外に誰がいる」

 

「いやその……サーガ大先輩とか」

 

「サーガはフィールド維持及び切り札」

 

「レジェンド超師匠自らとか」

 

「分離してお前をほっぽり出していいならな」

 

 

逃げ道は塞がれた。確かに周りへの影響を考える必要はあるし、ゼットが分離すればレジェンドが変身して一瞬で片付ける事は余裕で出来るだろう。しかし同時にブレスを着けていないゼットでは分離した場合、エネルギー確保の面で大きな問題を抱える事になり、どのみち命の危険に晒されるのは変わらない。

 

 

「あ……あの、レジェンド?流石に初戦が魔王獣とか無理があるんじゃないかと……」

 

「タイガ、ゼロの初戦の相手は聞いてるな?アイツに比べればよっぽどマシだ」

 

「う……」

 

 

ゼットを庇おうとするタイガだったが、レジェンドによってそれも無理となった。何故ならゼットの尊敬するゼロの初戦の相手はよりによって闇のベリアルと彼が操る大怪獣軍団、トドメにべリュドラと半端じゃない戦力相手に立ち向かったのだ。協力があったとはいえ、大怪獣軍団は殆ど彼一人で撃ち倒していたし。

 

 

「この先これ以上の強敵なんざ飽きる程出てくるぞ。慣れるなら早い方が良い。それからもう一つ……あと一人、そろそろ到着する頃だ」

 

『え?』

 

 

そう……学園の、生徒達の危機にあの男が黙っているわけがない。あの時はレオやゼロが救援に向かい自身は有事の際の備えとなったが、いつでも出撃出来るようにしていた。リアスから連絡を受けて急ぎ学園へと向かっていた彼が、絶体絶命の危機に遂に到着したのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

80(エイティ)!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

良く知る声が響き、オーブに続いて眩い光が辺りを照らしたかと思えばオーブの隣にもう一人、光の巨人が降り立った。オーブ自身も予期せぬ援軍に驚く。

 

 

「貴方はまさか……ウルトラ兄弟の一人、80さん!?」

 

「オーブか、間に合って良かった。あの翼を持った魔王獣は僕に任せてくれ!」

 

「ありがとうございます!頼みました!」

 

 

心強い大先輩の登場にオーブの闘志が高まり、自分の相手となるマガパンドンへと向き直りオーブカリバーを再度構える。80といえば空中戦のプロフェッショナルと名高いウルトラ戦士だ。マガバッサーにとって天敵とも呼べる相手である。

それを見てゼットは思う。自分が彼らの隣に立っていいのかと。しかし、同時に彼らと肩を並べて戦いたいとも。

 

 

「ゼット、別に半人前……三分の一人前である事が悪いわけではない。ゼロだけでなく、ケン……あのウルトラの父やベリアルでさえ半人前どころかヒヨッコだった頃もある。大切なのは、相手が格上だという恐怖を乗り越え、不屈の闘志を持って立ち向かう事だ」

 

「レジェンド超師匠……」

 

「さっきの廃教会での戦いを思い出せ。あの時、お前は巌勝やオーフィスと共にカゼキリに立ち向かい、見事二人をフォローしていた。一人ではない、お前には共に戦ってくれる仲間がいる。そしてお前は逆境の中でこそ、その真価が発揮出来るタイプだ。この状況、お前の強みを活かせる良い場だろう。共に戦い、そして共に成長しろ。信じ合える仲間と、家族と一緒にな」

 

 

ゼットを諭すレジェンドの表情は、まるで子を見守る父親のようであった。彼にとって子供と呼べるのは直接力を分け与えたコスモスとジャスティスだろうが、一体化している今はゼットもまた我が子のようなものだ。レジェンドの言葉、80の参戦、そしてその場にいるサーガやオカ研メンバーの期待……特に夜中、ゼットが一人で特訓していた事を知っているオーフィスやアーシア、カナエは彼の成長を信じている。

 

ゼットは今、初戦が魔王獣であるという恐怖を乗り越え、己を奮い立たせた。今こそ一人のウルトラ戦士として立ち上がる時だ。ゼットはレジェンドへ自身が持って来たウルトラゼットライザーを渡し、自身もゼットライザーの中へ光となって入っていく。

 

 

『……レジェンド超師匠、俺は行きます!身体と力、貸してください!』

 

「よく言った。巨大化時のエネルギーに関しては気にするな。俺が全部受け持ってやる、これを使っての変身方法は!?」

 

『まず、そのウルトラゼットライザーのトリガーを押します。で、現れたゲートへGO!』

 

 

 

 

 

数多の変身アイテムを見てきたレジェンドはゼットの言葉通り、迷いなくライザーのトリガーを押し、現れた四角いゲートへと突入し、インナースペースへと移動する。すると新たにレジェンドの手には一枚のカードが現れた。人間体のレジェンドの姿とゼットの横顔が描かれている。それはいい。しかし……

 

 

『そのウルトラアクセスカードをゼットライザーにセット……あれ?超師匠どうしました?』

 

「いや……まさかな、うん。よし……」

 

 

レジェンドはある一縷の望みを賭けてライザー中央のスリットへカードをセットした。

 

 

『LEGEND,Access Granted!』

 

やっぱりかよォォォ!!

 いよいよ機械、それも光の国製のやつにまで俺の人間体の名前呼ばれなくなってんですけど!!何コレ人間体の名前設定する必要あった!?『光神零(こうがみぜろ)』って名前さァ、名字だけでも数えられる程度しか呼ばれてないんだけど!最後に呼ばれたのって何時だっけ?レオとメビウスがダイブハンガー来た時メビウスに「コウガミチーフ」って呼ばれたっきりじゃなかったっけ?いやもうそれくらいしか記憶にないわマジで大概にしろよ畜生!!」

 

『おおお落ち着いてください超師匠ぉぉぉ!?』

 

 

人間体名が呼ばれなくなっていく事にフラストレーションが溜まり続けていたレジェンドはいよいよもって爆発してしまった。暫くインナースペース内で暴れまくって漸く落ち着いたのだが、マジでここで良かったとしか言い様がない暴走状態だった。

気を取り直してレジェンドが腰に目を向けるとケースらしきものがベルトと共に装着されている。

 

 

「これはアレか、タカトラバッタでコンボするやつ」

 

『スイマセン超師匠それじゃ作品自体カテゴリが別な上に形態の名前がタトバエッジとかタジャドルスマッシャーとかそんなんになっちゃうんですが!?』

 

「割と良くね?それはさておき……今使えるのはセブン、レオ、そしてシメがゼロ……セブン一門ってところか。アストラェ……」

 

 

まあ、アストラ入れたらセブンかゼロがハブられる事になるんだが……主にレオ絡みのせいで。

 

 

『何はともあれそのウルトラメダルをスリットにセットプリーズ!』

 

「さっきからルーなんちゃらみたいな言葉遣いだなオイ」

 

 

レジェンドはゼットの喋り方に軽くツッコミつつ、ゼットライザーへメダルを装填する。しかもいちいち動作がスーパー戦隊っぽい。『彼』の影響だろう。

 

 

『なんか超師匠めっちゃ慣れてません?っとお次はメダルをスキャンであります!』

 

「……これあっちのメダル入れたら本気でどうなるか試したくなってきたぞ」

 

 

そんな事したらゼットの名前が変わります。

レジェンドはメダルを収めたプレートを一気にスライドさせる。ぶっちゃけ「変身!」とか言いそうになったのはご愛嬌だ。

 

 

『ZERO!SEVEN!LEO!』

 

「ゼセレコンボ?語呂悪いな」

 

『だからコンボ違いますって!?』

 

 

スキャンした事で光が集まり、今度は人間大サイズではない、本来の大きさのゼットがレジェンドの後ろに顕現する。

 

 

『よし!色々あったけど次で締め!俺の……』

 

「ふ……みなまで言うなゼット。名前を叫ぶんだろう?どれだけウルトラ戦士の変身を見てきたと思っている」

 

『おおっ!さすが超師匠!では景気良く……』

 

 

 

 

 

レジェェェンド!!……あ」

 

 

 

 

 

『超師匠ぉぉぉ!?違う!間違ってます!そこは俺の!俺の名前で!!』

 

「すまん、素で間違った。なにせ変身アイテム使っての変身は相当久々だからなー。ていうか何も起こらんぞ。どっか壊れてないかコレ」

 

『トリガー!そこのトリガー最後に押すんです!そう、そこそこ!』

 

「なんだ早く言えよそれ。まあ俺の名前でゼットに変身しても締まらないから良かったんじゃないのか?ミスって」

 

 

結果として良かったのか悪かったのか分からないまま、とりあえず仕切り直しするレジェンドとゼット。

 

 

『では気合を入れ直してお願い申し上げるのですよ!ハイ!300万リットルの息を吸って、光の国まで届く声で!!

 

「何ガガガの歌唱指導付きカラオケより無茶ぶり言ってんだお前はァァァ!!ウルトラフュージョンじゃなくてファイナルフュージョンする気か!?」

 

『あ、レジェンド超師匠が中身なんで剛腕爆砕して天罰降臨する方で』

 

「マジでFINALかよォォォ!!ウルトラマンゼットジェネシックマイソロジーとかいきなり究極フォームみたいなもん出てきたら洒落にならんわ!!ったく……このままグダグダではいつまでも変身出来ん!気を引き締め直すぞ!!こうなったら二万本のマイクぶっ壊す声量で叫んでやる!!

 

『合点承知!!』

 

 

今までグダグダし過ぎていた分を取り返すべく、レジェンドとゼットはお互い真剣な雰囲気になる。ついでにレジェンドのやろうとしている事の元ネタは、本作における彼の中の人のやった有名な『伝説』である。

 

 

『それでは、ご唱和ください!我の名を!!』

 

「ウルトラマン!!」

 

 

 

 

 

「『ゼェェェェェット!!!』」

 

 

 

 

 

何故か現実世界の彼方此方でマイクがぶっ壊れるという珍事件が起きたのも知らず、二人が叫びレジェンドがゼットライザーのトリガーを押すとゼロ、セブン、レオの幻影が現れる。

 

『ハァッ!』『デュワッ!』『イヤァッ!』

 

その幻影は飛び交いながらやがて青と赤の光となって混ざり合って一つの大きな光となり、その中から新たな姿となったゼットがインナースペースから現実世界へと現れる。

 

 

 

 

 

『ULTRAMAN−Z!ALPHA−EDGE!!』

 

「デェアッ!!」

 

 

 

 

 

80に続き、まさかのゼットがウルトラフュージョンを果たしてオーブの隣へと降り立った。

 

 

「なっ!?ゼット、お前……!」

 

「大丈夫です、オーブ先輩!レジェンド超師匠の身体とエネルギーをお借りしてます!俺も正直戦力になるか分からないけど踏ん張りますぞ!」

 

「この状況なら一人でも多い方が助かる!頼むぞ!」

 

「イエッサー80先生!」

 

 

一応総司令官であるウルトラマンベリアルからゼットが地球に行った事は聞かされていたが、まさかウルトラフュージョンして戦列に加わると思っていなかったオーブは驚くもののすぐに納得し、80は二体の魔王獣相手に戦力はいくらあっても無駄にならないと思い素直にゼットの参戦を喜ぶ。二人の不安を払拭するようにゼットもハッキリと返事を返した。

 

 

「ゼットの姿、ジードみたいに結構変わってる。なんで?」

 

「えっと……サーガ様、ゼットさんはレジェンド様と一体化すると姿が変わるんでしょうか?」

 

「正確にはゼットライザーで発動させたウルトラメダルの力で、だな。おそらく先輩が発動させたんだろう。見たところゼロとセブン、レオのメダルだな」

 

「え゛!?それ割とチート性能なんじゃ……」

 

 

オーフィスやアーシアの疑問にサーガが答える。ついでに言うと一誠の意見ももっともなのだが……三分の一人前と言われているゼットのカバーをするにはそれだけ必要だという事だ。最近では徐々に実力を付けてきてはいるものの、まだまだな部分が多い。おまけに全能力が使えるわけでもないので、然程チートでもないのである。

 

 

「ゼットも魔王獣と戦う気になった……イッセー!」

 

「分かってるぜ、タイガ!」

 

『カモン!』

 

 

一誠はタイガスパークを出現させ、待機状態にした後にタイガのキーホルダーを取ろうとするが、そこに待ったがかかる。

 

 

「待つんだ、タイガ、イッセー」

 

「なっ……ここまできて何だよタイタス!」

 

「そうだぜ!矢的先生も駆けつけてくれたし、ここで俺達も参戦しないと……」

 

「そういう事ではない。今回は私が行くと言いたかったのだ」

 

 

二人に待ったをかけた理由、それはタイタスが魔王獣達と戦うというからであった。

 

 

「まあ、確かに今回は旦那が適任だろうな。俺は次回以降に持ち越しだ。てなわけで俺らは旦那のサポートだ」

 

「フーマ!?なんでだよ!」

 

「考えてみろよ。あのマガバッサーとかいうのは空中戦のプロ、80先生やサーガ直属の部隊の二人が対処するだろ?となると俺らは必然的にオーブ先輩やゼットと一緒にマガパンドンの相手をする事になる。あいつ、見たところ早さより攻撃力と防御力重視っぽいし、俺やタイガじゃキツい。アレに対抗するには旦那のパワーやタフさが必要だ。それに俺らより経験もあるし、イッセーの神器と旦那の相性も良い感じだろうし」

 

「言われてみればそう、だよな……」

 

 

フーマ、しっかりとポイントを押さえて説明しているが、実際は変身出来なくてちょっぴり不満である。タイガはタイガでデガンジャとタイマンしたのに。

 

 

「……分かった。タイタス、頼んだ!」

 

「ああ。頼まれた以上、勝利を約束しよう!イッセー!」

 

「こっちも覚悟決めたぜ!」

 

 

一誠はタイガのキーホルダーではなくタイタスのキーホルダーを手にする。

 

 

「力の賢者!タイタス!!」

 

『うおおおおおっ!ふんっ!』

 

 

タイタスも既にやる気に満ちている。

 

 

 

 

 

「バディィィィゴォォッ!!」

 

『ウルトラマンタイタス!』

 

 

 

 

 

タイガとはまた違った光の波動の中から、その鍛え抜かれたボディを見せつけるようにタイタスが巨大化して現れる。

 

 

 

 

 

『ムンッ!!』

 

 

 

 

 

オーブ、80、ゼットに続いてタイタスもまた、魔王獣と戦うべく降り立った。のは良いのだが……

 

 

「ふんっ!」

 

「え?ちょっ……」

 

「おおっ!」

 

「……何やってんの?」

 

「ぬぅん!」

 

「ほう……見事に鍛え上げられた肉体だ!戦力として期待出来るのは間違いなさそうだなタイタスとやら!!」

 

 

何故かポージングを決めているタイタス。ゼットや三日月も困惑している中、御大将モードな巌勝は絶賛している。魔王獣は警戒して攻撃して来ないが、助かったというべきか隙を見逃しているというべきか……。

 

 

「こうやってポージングする事で私の筋肉をより高める事が出来るのだ」

 

「『マジでっ!?』」

 

 

一誠とゼットがハモった。実はポージングに意味があったらしい。どういう原理で高まるかはよく分かんないけど。

これだけの戦力が集結し、サーガがシトリー眷属が張ったものとは次元が違い過ぎる防御フィールドを展開した事でさらなる異常事態だと理解したソーナ達生徒会も合流する。

 

 

「リアス!一体何が……え、ええっ!?」

 

「なんか見た事ないウルトラマンが二人も……それに矢的先生!……と……」

 

 

ソーナはあまりの光景に驚きを隠せず、匙はオーブとゼットに驚くも80の姿に喜んだと思えばタイタスを見て青い顔をして股間を押さえ内股になった。すっかりトラウマと化している。他の生徒会メンバーに至っては絶句していた。

それを見た巌勝が満足げに宣言した。

 

 

「ウルトラ戦士四人に私と三日月、相手に魔王獣二体!そしてそれを見守る観客……役者は全て出揃った!!さあ、此度の事件の締めくくり……

 

決戦と洒落込もうではないかァァァ!!」

 

 

「「「「「おお!!」」」」」

 

 

 

 今、ウルトラ四戦士&神衛隊二機と二大魔王獣による決戦の火蓋が切って落とされた。

 

 

 

〈続く〉




次回、エクスカリバー編クライマックス。
それからエピローグ的なものを入れたら、次章に入って暫く日常的なものをやる予定です。
オリジナル展開も本腰入れていきます。

ついでにアンケート結果と、開始した新アンケートに関して活動報告に上げておいたので一読頂ければと。


それではまた次回。

二択決定戦! シン一人乗りする最終ゲッターはどちらだ!?

  • 真ゲッタードラゴン(大決戦版)
  • 真・ゲッター1(スパロボα仕様)
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