ウルトラマンレジェンド Episode.CROSSOVER 作:ハジケハムスター・ポッポ
そして後半は特別編らしく大多数のゲスト参戦。
本編に絡めそうなのとか特別編の常連になるかもしれない面々がわらわらと登場します。
まずはトマトの準備だ。
それではどうぞ。
いよいよ開幕したウルトラ騎空団大映画祭。
一番手を飾るのはサーゼクスの熱意と仲間達の(ほぼ強制的な)協力で完成した『シン・ウルトラマンタロウ』。公開告知ポスターは比較的シンプルなもので、彼いわく「中身で勝負」らしい。
現在、舞台挨拶中の彼やルミナシア、一誠にリアスを各々の観賞場所で見ながら、三大種族チーム以外のウルトラ騎空団の面々はやっとこさ一段落ついたとリラックス気味だ。あとは観に来てくれた人々が楽しんでくれることを願うのみ。
「しかしまあ、一誠の奴もそこまで緊張することはなかろうに。少なくとも空の世界じゃ有名人だぞアイツ」
「そういや騎空団として依頼を捌いてるから割と顔割れてんだよな」
「依頼じゃなくてもウルトラ騎空団所属でやたら有名なお前はどうなんだ、ジャグラー」
「食をナメんなよ、ガイ」
撮影時の衣装のまま、ウルティメイ島にあるレジェンドの別荘に招かれたレジェンド一家チーム。一応、各施設の近くへ転移出来る魔方陣は用意してあり、無理に映画観賞しなくてもいいのだが……やはりというか、観客の反応や他のチームの作品が気になるのか少し離れたりする者はいれど、観ないという選択をした者は皆無。
舞台挨拶以外は何処で観ても構わないため、久しぶりにアーシアがレジェンドの右隣に陣取り、その膝にマジンガーZERO、さらにレジェンドの左隣には朱乃が座っている。なお、ゴモラは依然として布団で爆睡中。
最大の勝利者は、ある理由から映画でレジェンドのパートナー枠を獲得出来たユーリ。彼女は見事、彼の膝の上をオーフィスから奪取。オーフィスはというと、先刻レジェンドの背中に引っ付けたことでとりあえず満足しているらしく、卯ノ花の膝の上でおとなしくしている。
……ゴジラは自分が出られなかったのが不満なのか、早々に大浴場に行ってハイパーゼットンと入れ違いに大浴場を占拠。当のハイパーゼットンはマッサージチェアで夢心地。
いよいよ上映開始の時間。
これに合わせてレジェンドの別荘でも映画館のように照明を徐々に落とす。他の団員が見ている場所もだ。
まずはリラックスしてほしいとばかりに小さなウルトラマン達によるショートアニメ。
小さなタロウと、それより小さなタイガが手を繋いで出た瞬間、ジータが幸せそうな笑顔でぶっ倒れた。ついでにラビドッグも登場し、カナエと沙耶が反応。
そこからハイパーゼットンを育てているレジェンドや、落とし穴を掘るサーガ、ジープに乗ったセブンに追い回されるレオなどほのぼのしたり笑えたりする場面が続き、買い物を終えて夕日の中二人と一匹が帰るところでショートアニメは終了。
すっきりしていて見やすく、続編も作れそうだと大好評。
次がシン・ウルトラマンタロウ――サーゼクスいわく『情熱を全て注ぎ込んだ渾身の一作』。
「さて、アーシアや朱乃が協力して完成したものはどれほどのものか、見せてもらおうか」
「あぅ……実は、その……」
「レジェンド様には申し訳ないのですが、あまり私達は手出ししていないというか、手伝える場面がありませんでしたわ」
「束さんが頑張ったからね!」
そもそも束がいるチームでCGやら何やらを手伝えるとすれば、クロエレベルが最低ラインになる。
レイトやアスカ達が裏方であったように、他の手伝いやちょい役で出演する程度だった。はっきり言って、レジェンド一家のチームにいればかなり出番はあっただろう。裏方にしても相当感謝されただろうし。
それは後々知って愕然とするから良し(?)として、遂に始まる『シン・ウルトラマンタロウ』。
冒頭はよくある政治家達の会話、そこからサーゼクス演じる主人公・
「ほう、さすがにそこもちゃんとしたか」
「レジェンド、何がちゃんとなんですか?」
「タロウが地球にいた頃……一体化というかタロウの命を得て変化したというべきか、そこはともかく地球での名は『東光太郎』。あいつの夢はプロボクサーになることでな、ZAT入隊後もジムでの特訓は欠かさなかったし、アマチュアの大会で優勝したこともあった」
ユーリの質問にレジェンドが答えると、何故か全員サーゼクスとタロウの絆の深さを理解した。タロウが地球にいた頃の思い出に配慮し、そこを設定に取り入れたわけである。ポニーテールのサーゼクスは貴重らしく、何気にファンが出来たらしい。
余談だが、レジェンドも光太郎のスパーを手伝おうとしたことはあったが、例によってその身体能力を目の前で見せられた光太郎はこう言った。
「やめて下さいチーフ!死んでしまいます!」
奇しくも殆ど同じセリフを
そしてやはり怪獣……否、禍威獣の登場。束のぶっちぎりのCG技術によって構築された新たな姿のアストロモンスは予想以上にド迫力。
右手の鞭は一振りしただけで無数の触手が如く大地を砕き、抉っていく表現が成され、オリジナルのアストロモンスの二つ名である『宇宙大怪獣』に相応しいものであった。
そこから満を持して現れた赤い巨人、ウルトラマンタロウ。この瞬間、各劇場は大いに盛り上がる。
今回のタロウはゼロやタイガのような目、即ち黒い部分が無い。スタイル自体はタロウ自身が完璧とも言えるスラッとした体格だったので然程弄っておらず、またカラータイマーはピンチ時に点滅するのではなく、色が変化した後に発光する形を取っている。
「何この溢れ出る強者感」
「あれがタイガの父親か!拳で語り合いたいぜ!」
「ったく、アレはタイガの親父を元にした別モンだって聞いてんだろ!まあ、あんまり変わってはいないらしいけどよ」
初めて見る(少し違うが)タロウの姿に空の世界出身組も大興奮。ジータなどは「タイガのお父さんスラッとしてて羨ましい」と思いつつ、自分らの父親はどーせ筋肉ついたヒゲ野郎ってパターンなんだろーなーと苛立ちを募らせた。ちなみに筋肉とヒゲはウルトラの父にも当てはまる。
突如として飛来したタロウはゆっくりと立ち上がり、咆哮するアストロモンスに対して構えを取ると跳躍。カメラはタロウを後ろから映し、アストロモンスを正面になるよう、タロウと連動しているかのような視点になる。
アストロモンスが空中のタロウへと狙いを定めた時、タロウは空中を蹴り凄まじい勢いで回転しながらキックの体勢へ移行した。そう、スワローキックだ。
束のCG技術によって静から動へと急激な変化を表現されたそれは、スワローキック発動から炸裂までにタロウからアストロモンスへと自然に視点変更が起こり、アストロモンスに迫るスワローキックはまるで自分が食らわされるような錯覚さえ覚えた。
「うわっ!?あ、いや大丈夫か……」
「迫力が凄過ぎて一々ヒヤヒヤしちまうぜ……」
グランやラカムもつい防御態勢になってしまう。なお、近くで見ていたローアイン、エルセム、トモイの三人は迫力のあまり色々とんでもない顔になっていた。
そして決め技、タロウといえばストリウム光線。今回は掛け声こそ出すものの必殺技名を叫ばないタロウだが、それの反動か束がぶっ飛んだ演出を用意。
動作そのものは本来のタロウと変わらないが、タメの演出からが大きく違う。
大自然のエネルギーを吸収するがごとく周囲から光を集め、徐々にタロウの身体が強く発光していき、最高潮に達した瞬間に腕を組む。
両腕が一瞬、より強く光ったと思えば発射の反動で少しばかりタロウが後退するほどとんでもない勢いと威力のストリウム光線がアストロモンスへと放たれた。
衝撃波で大地の粉塵を巻き上げ、容易にアストロモンスを撃ち倒したストリウム光線は、射線上にあった山岳地帯を軽々と貫通し曲がりながら空へと消える。
「……え、タイガの親父ってこんなに強かったっけ?」
カミナもちょっと間抜けな声が出てしまうほどの衝撃であった。ミライに関してはキラキラとした目で「さすがタロウ兄さん」とかつての教官でもあるタロウ(別人)を見ている。
「……これ『シン・ウルトラセブン』とかあったら親父もこんだけヤバくなんの?」
レイトは別の意味で戦慄している。あ、なら俺もシンゼロで、などと一瞬思ったが同時に一瞬でそれすらシン化したセブンに掻き消された。お前にはまだ早い、と言わんばかりに。
「サーガ君がシン化したらどうなるんだろうね〜?」
「えーっと……パンチが相手に当たった瞬間ビッグバンが巻き起こり、光線技撃ったら確定で相手は死ぬ、とか?」
「……あ、ユウキそれレジェンド君じゃん」
ノアのノアインフェルノとのぶつかり合いで前半が起こった例があり、かつ後半はスパークレジェンドがまさにそれだ。我らが主人公はシン化せずともヤバかった。殴り合いした相手もヤバかった。
ここで紅太郎はストリウム光線の衝撃で粉塵と一緒に舞い上がり、同じく舞い上がった子供と猫(まさかのギャスパーとハク。ミリキャスだとまだ危険だろうという判断だった)を抱き込むように庇い落下の衝撃を一人で受ける形で瀕死の重傷を追う。それを見たタロウが地球人を理解するため、そして紅太郎の命を繋ぐために一体化するという展開。
「ここらへんリアルだな。あっちの光太郎だと『痛ってー!』で済むから」
「それもおかしいと思いますけど。というか、ハク君も撮影に参加してたんですね……」
レジェンドは感覚が麻痺しているが、普通はしのぶのような反応が(大分マイルドとはいえ)当然だろう。
ついでに現在ハクはシュテルの膝の上。シュテルは困った顔をしているが、カナエや沙耶が抱き抱えようとすると何故か全力で抵抗する。恐るべしシュテルの猫に好かれ体質。
「ニャ〜……」
「なっ……なんで……普通は簡単に抱っこ出来るのに……!?」
「こうなったら……」
沙耶は引き剥がすことを止め、倒れるように猫吸い状態へとシフト。ハクはともかく、シュテルとしては重くなってあまり良い気はしない。ふと気が付くと横にスペースが空いていたので、そこに移動させた(カナエや沙耶だとテコでも動こうとしなかったのに)。ちょうどシュテルの隣だったからハクもゴネず、沙耶も引き続き猫吸いモード。
カナエ一人が負けてしまい涙目……かと思いきやいつの間にかフウを抱き抱え、自身の頭にモスラを乗せた定例スタイルになっていた。
「お兄様」
「どうした?シュテル」
「ファミリアである二匹が主の側に殆ど居ないというのは如何なものでしょうか……」
「フェイトとアルフに関しても地球とミッドチルダという境があっても問題なかったしな……アレ?そういやハクフウ二匹もロスヴァイセとは空の世界とコズミック・イラに別れてたっけ」
……しかし、皆は覚えているだろうか。
ティアマットも一応レジェンドの使い魔扱いだということを。
ぶっちゃけゼットが使い魔と言われた方が納得出来てしまう。頑張れティアマット。
そこからは怒濤の展開。
かつて現れた巨人に倣い『ウルトラマン』、個体としてあまりの光線の威力から『太陽』をもじって『タロウ』、ここで遂に『ウルトラマンタロウ』と呼称されたことで観客も「やっとその名前が出た」と歓声が。
そして第二の禍威獣ライブキングはより不気味な雰囲気と笑い声で観客を怯えさえ、続いて現れたバードンとタロウの激しい空中戦で空を飛ぶ者や騎空艇など空に関わる者達が大熱狂。
この辺りでは自衛隊の最新戦闘機も出撃し、微力ながらタロウの援護に回るなどの活躍も。
極めつけは――
『裁定者としての役目を忘れたのか、我が父ゼクス。いや、地球での名をウルトラマンタロウ』
『まさか、トライなのか』
そう、タイガが敵としてタロウの前に立ち塞がったのだ。
本作でのタロウの本名ゼクスは『6』を意味する、つまりウルトラマンNo.6ということに絡ませると同時に、主演であるサーゼクスの名前も絡めており、タイガの方であるトライは文字通りトライスクワッド……そしてタイタスとフーマは出られなかったもののそれをタイガ一人に集約し『一人で三人分の戦闘力を持つウルトラマン』を意味している。
予想を超えてきた衝撃展開に絶句する観客。ジータなど真っ白になって動かない。
「あ……え?タイガ敵?はい?」
「ジータが壊れた!?」
「つっても予想外だろこれは……」
しかもタロウに戸惑いがあるとはいえ、経験で勝るタロウを終始圧倒。タイタス並のパワーとフーマ並のスピードを披露し、観客は息を呑んだ。
だがトライは傷付きながらも街に近付けさせまいとするタロウの戦い方に思うところがあったのか「じきに裁定の時が来る」と言い残し撤退する。
トライの正体・
トライはタロウよりも一足早く地球に飛来し、タロウとは違い『指示によって』紅太郎と同じように瀕死の重傷を負っていた博之と一体化、そのまま地球人として裁定を下すための調査を行っていた。
そして、遂に裁定の時――クライマックス。
世界各地から出土し、何の反応もなかった『オーパーツ』が突如として輝きだし日本へと飛び立っていき、そこで集まったオーパーツが合体し超巨大惑星殲滅兵器グランドキングが姿を現す。
元のグランドキングより派手に、かつ機械的になっており、怪獣大好きなアカネ発狂。
「ヤバい何あれ何あれ!私の好み!すっごい大きくてすっごい強そう!ううん!絶対強い!」
「オイオイオイつまりアレだろ?グレンラガンみたく合体に合体重ねまくった感じだろ?そりゃ強えに決まってんだろ!!」
全身に武装を搭載し、間近で圧倒的戦闘力を目撃させ『裁定には何があろうと抗えない』と思わせるべく、全長は1500m程(それでも相当な大きさだが)。
両手の五指からレーザーを放ち、背中には無数の光子魚雷、可動式の重金属粒子砲二門まで持ち、腹部や尻尾からも光線を発射。頭部アンテナから超音波、口からは冷気や炎を吐き出す、正に文明を破壊するために生み出された最強最悪の殲滅兵器。
やがてタロウが到着するも、トライとの戦いで消耗していた上に次元が違うグランドキングが相手では手も足も出ず、遂に倒れ伏してしまう。どうにか立ち上がろうとするが、力が入らないタロウへグランドキングの巨体がゆっくりと迫り、観客からも悲鳴が聴こえ始めた時――
グランドキングの前に、トライが立ち塞がった。
裁定者として、タロウよりも早く地球に潜伏していたトライ。タロウに比べ裁定者の自覚は強かった為、タロウと相対した時もその姿勢を崩さなかったものの、撤退後に紅音との思い出を始め、地球で過ごした日々を振り返り、先日のタロウの戦い方が最後の決め手となって彼と同じく地球を守ることを決めたのだ。
満身創痍の父の前に駆けつけた息子というシチュエーションもあって、観客の盛り上がりは最高潮。
「ヤプール、これ沙耶もやってくれないでしょうか?」
「そもそも先代……モルガン様がピンチになること自体滅多に無さそうなので難しいかと」
「むぅ〜……」
可愛らしくむくれる月王国の先代女王モルガンだが、沙耶以上の化け物スペックな彼女の危機的状況などあまり予想出来ない……というか、そんな状況になれば明らかにウルトラ騎空団総出の案件だ。
タロウの代わりに奮闘するトライであったが、規格外の相手であるグランドキングには三人分の戦闘力を有するトライであろうと太刀打ち出来ず吹き飛ばされ、彼もが倒されてしまう。
タロウは限界である身体を鞭打って、倒れたトライの元に辿り着くと彼からの最後のメッセージが告げられる。
『自分の力を融合する形で取り込めば勝機はある』
そう言い遺し、トライは逝った。この時点で館内各所から嗚咽が漏れる。映画のこととはいえ、ジータやリアスなど本気で泣いていた。リアスらも自身が出ている場面以外は知らされていないのだ。
息子の亡骸を抱き、覚悟を決めたタロウはトライの亡骸を光に変換・吸収することで超絶パワーアップを遂げる。スーパーウルトラマンタロウの誕生である。
本来はウルトラ6兄弟による合体だが、今回はまさに親子合体。物語のラストを締め括るファイナルバトルが幕を開けた。
グランドキング相手に互角へと持ち込んだスーパータロウだが、それでも勝負を決するには至らない。さらに、特別対策室が導き出された衝撃の事実がタロウへと知らされる。たとえグランドキングを倒しても、その瞬間グランドキング内部に搭載された対消滅爆弾が起動、その影響で地球は消滅するという。
これを聞いたタロウは最後の手段に出た。
そう、ウルトラダイナマイト。
コスモミラクル光線ではなく、今回のスーパータロウ最大の必殺技はウルトラダイナマイトなのだ。他の6兄弟が出ない以上、インパクトのある技が必要……となるとやはりこの技しかないと、満場一致で可決された。
『グランドキングを宇宙へと運び出し、地球や他の惑星に影響のない宙域でウルトラダイナマイトによって完全に破壊する』
これしか方法が無いと判断したタロウは全身に力を込め、周りの大気が揺らめくほどの高温を発しながら、足元より炎を巻き起こしタロウの全身を包んでいく。
その最後の大技とも言えるウルトラダイナマイトの演出は束の全力を注ぎ込んだと言っても過言ではない会心の出来。
激しく燃え上がるタロウは、近付けさせまいとするグランドキングの猛攻に怯むことなく突き進み、その土手っ腹目掛けて突撃しそのままグランドキングを宇宙へと連れて行く。
赤く燃える星が天に昇っていくという光景は幻想的とも言えた。そして、地球がよく見える場所まで離れたタロウは一度だけ地球の方へと振り向き、再びグランドキングを見据え――ウルトラダイナマイトによってグランドキング諸共爆発した。
誰もが言葉を失ったその光景。直後にタロウが無事な姿で地球へと帰還すると、映画の中と映画館内両方で大歓声が響くが、それはすぐに悲鳴へと変わる。
帰還直後タロウは倒れ、そこから光が溢れると、隣に綺麗に並ぶようにトライの遺体が現れた。
トライだけでなく、タロウもまたウルトラダイナマイトによって命を燃やし尽くし――親子は地球を守り抜いて、その生涯を終えたのである。
ルミナシア演じる紅太郎の婚約者・白鳥サユリや紅音を始めとした登場人物らが涙を流し、二人の戦士の遺体を見ている中、赤と青の発光体が飛来し、タロウとトライの遺体を運び去ってしまう。
その発光体こそタロウの父母でありトライの祖父母、ケインとマリア(ケンとマリーの名前捩り)。彼らは我が子や孫の信じた地球人を自分達『光の民』も信じるという決定を地球人に伝え、二人を蘇生するために連れ戻すことにした。
その際に、タロウとトライは紅太郎と博之から新たな命を与えられると共に分離され、意識を失ったまま地上へと帰された。
喜びを隠せないサユリらを眺めつつ、ケインとマリアはタロウとトライの遺体を光に変換、発光体の中へと取り込み地球を去っていく。
紅太郎とタロウ、博之とトライ――短くも濃く、共にいたそれぞれの命は別れを惜しむことが出来ぬまま、知らぬ間に別離することになったのだ。
地球を去っていく二つの発光体……それをサユリらが見送り、小さくなって見えなくなると同時に、主題歌である『M八七』が流れ出し、エンディングへと移行する。
「……何か、凄えもん見たなとしか言えないや……」
リクがそう呟く。ギャスパーもちょい役で出たが、彼らは内容を知らされていなかったからこそ、先が気になったのだ。
リアスは一誠とタイガに抱きついて泣いたまま、そこにジータがタイガに向かって泣きながら突撃してくる始末。他にもスノウに慰められるセラ、そしてアーシアやユウキなども涙を流しているし、ミライは「グランドキング見つけたら即ブッ殺す」と性格まで変わっていた。
ここで、ある一つの奇跡が起こる。
スタッフロールが終わり、場面は紅太郎とサユリの結婚式。博之や紅音らに祝福され、新しい門出となったその日に、何かの気配を感じた紅太郎は自然と空を見るが、何も無い。
――しかし、空の向こう……宇宙では、その結婚式を星の海から見る二つの命があった。そしてそれは踵を返し、遥か彼方へと飛び去っていく。
タロウとトライは無事に復活を遂げ、紅太郎らが未来へ歩みを進めるのを見届け――新たなる星へと旅立つ。
――そこで『シン・ウルトラマンタロウ』は本当の完結となった。
☆
最後の最後でハッピーエンド、これには全映画館……いや全観賞場所から拍手喝采。
唯一心配事といえば、モチーフ……というかほぼそのまんまなタイガが今後女性に人気にならないかというジータ個人の懸念。
一先ず休憩となり、レジェンド一家の別荘に多くの団員達が、集合していた。
「ほらジータ、食事とか昼休憩入れて終わったら次はそっちだぞ。涙拭けって」
「ゔぅ〜……」
タイガが丁寧にジータの顔を拭いていく。ちなみに、キラの隣ではラクスが涙を拭いながら笑っている。ゼットもステラを宥めるのに忙しそうだ。
「初手からハードル爆上げしてくれたな、全く」
サーゼクスのタロウ愛はガチだと思い知らされた形になったが、タイガ(作品上、正しくはトライ)の見せ場も確保されており、傑作と呼んでいいだろう。
確かにサーゼクスが言っていたようにクライマックスは盛り上がりの連続だった。
「僕達は感動より熱血やロマン路線で行ったからなぁ……ちょっと心配になってきた」
「俺達も似たようなものだが」
「サーガ……元の作品知ってる身としては『何言ってんのお前?』としか言えんぞ」
レジェンドがサーガの発言に溜め息を吐き、グランは期待を込めた目で見てくるシンやマユが落胆しないか少し不安らしい。一発目からクオリティが想像以上だったので無理もないが。
「けどさ……少なくともサーくんとこの作品はこれ以上に泣かせてくるよね、絶対」
「……ただ、先輩の方は予想もつかないぞ(ライトニングらの姿は見えたが、先輩の事だ。そのまま彼女らとの物語を映像化するはずがない)」
ぐで~っとなる束に、サーガはそう考えつつも追求はしない。彼としてもレジェンド達の作品は気になるのだ。二日後の上映を楽しみに待っていようと考える。
暫しの休憩の後、次に上映されるグランやダイゴが軸となった『ウルトラマントリガー BEYOND GENERATIONS』――一体どんな作品になったのだろうか。
――ウルティメイ島・乗艇港――
伝説九極天の一人ドギー・クルーガーとその妻であるスワンが、多くの者達を伴って到着した。
「さて、此処からは俺やスワンと別行動になるが……リブット、ソラ、本当に任せていいのか?」
「はい。いつもクルーガーご夫妻にはお世話になってますし、たまにはご夫婦でゆっくりなさって下さい」
「彼らも幼児とか、手のかかる年齢ではないですし」
「……手のかかる、という意味ではその通りな気もするんだけどね?」
ソラの言葉にスワンは困ったような笑顔で返す。リブットとソラはいい、二人共真面目だし幼馴染みで互いのことをよく知っているから連携行動も取りやすい。
問題は連れてきた面々だ。
「ガウマ隊!全員ちゃんと小遣いその他必要なモン持ったかァ!?」
「怪獣使い組ィ!忘れもんねぇだろうな!?」
「「「「「はーい」」」」」
「「声が小せェ!!」」
……勇治絡みのガウマ隊と元・怪獣優生思想組(現・怪獣使い組)、そして――
「グリッドナイト同盟〜!全員いますね?」
「二人だけですが」
グリッドナイト同盟……というか、二人組。こっちも勇治絡みだが、片方は勇治やシンと声が似まくり(しかも前者に至っては声のトーンまで)という特徴まで持っている。
(話によればアカネもいるということだが……今更会って何を話せばいいのか)
「ナイト君、何考えてるか丸わかりですけど。そういうのは予め考えてても、いざ会ったら言えないものですよ」
「……確かに、そうかもしれません」
「ところで、アレなんですか?」
「アレ……?」
ナイト君ことグリッドナイト=アンチ、並びに二代目ことアノシラス(二代目)が見たものは――
「じぇっとん!」
「キィ!」
リヤカーに乗ったリムエレキングと、そのリヤカーを引っ張るハイパーゼットン。どうやらこの二匹がお迎えらしい。
「「「「何この天国……!!」」」」
「いやおかしいだろ!?何このちっこい二匹の怪獣!?」
「片方はエレキング……だっけ。もう片方はゼットン?にしてはデータのと形が違うような……」
「ハイパーゼットンだ。見たところイマーゴまで成長しているようだが、このような姿の個体は初めてだな」
アンチが屈んで二匹を見ていると、ハイパーゼットンがある方向を指し示した。アンチのみならず、全員がそちらを向くとほんわかしていた怪獣使い組がビシリと固まり、反対にガウマ隊が驚きの声を上げる。
「おお!?ウッドさんじゃねえか!」
「え?じゃあ、あの凄い美人が噂の先代女王って人?」
「他は護衛の……あれ?三人じゃないの?普通に多いけど……」
「一人はヤプールさんです。先代女王さんの腹心の方ですね。もう一人は……知らない顔です」
どうやら沙耶の故郷である月の王国の面々も一緒に宿泊場所へと案内することになっているらしく、集合場所に姿を現した。その際どうしても分からない人物が一人紛れていたようだが、少なくとも先代女王であるモルガンが傍に置いている以上、不審者ではないだろう。
というか、仮に不審者でも余程でない限りあの面子に喧嘩売ったら一瞬で返り討ちにされる。
「ねぇドゥギー、彼女もしかしてあれじゃない?ほら、ある世界の月に『ベネリットグループ』って名前の一大企業があったでしょ。一応私も会社経営してるし、そこらへんはよく調べてたの」
「……!そうか、あそこの一人娘が親の言いなりになりたくないと家出したと聞いていたが……成程。そういう道を選んだんだな」
「ボスはあいつの事知ってるのか?」
「名前だけだがな。確か名前はミオリネ・レンブラン……だったか?スワン」
「それで間違いないわ。でも、ただ親への反発ってだけじゃないみたいね。そこは本人に聞いた方がいいかも。勝手な憶測で誤解してしまうのもマズイし」
そうだな、とドギーもスワンの言葉に頷き、ミオリネをこれ以上詮索にしないようにした。
何にせよ、自分達も相手側も休暇で来ているのだ。ここまで来ていらぬ諍いを起こしたくはないし、聞くところによるとまたもレジェンドが不憫発動してピリピリしているとも噂されている(その結果が今回の映画祭なのだが……)。
――それからもう一ヶ所――
「えぇぇぇ!?もう終わっちゃったのか『シン・ウルトラマンタロウ』!」
「だから言ったんだ、変に着飾るより普段通りにしろと!悩んだ結果が上映時間超過だ全く……仮にもラウンズの一人が時間にルーズでどうする!」
「まあまあ……ルルーシュ、そこまで怒らなくても」
「そうですよ、お兄様。せっかくゼットさんやC.C.さんが御招待してくださったんですから。それに四日目は全作品同時上映されるみたいですし」
「む……ナナリーがそう言うなら仕方ない」
「いや、僕にもちょっとは触れてほしいんだけど……」
C.C.の出身世界であり、ライやモニカにとっては平行世界であるかの異世界からもルルーシュ・ランペルージを始めとする面々が招待されていた。
どうやらジノ・ヴァインベルグがめかし込んでいたおかげで、シン・ウルトラマンタロウを見逃したらしい。
あの世界で一通りやることをやってから帰ってきたレジェンド一家だったが、彼らのやったことの成果か随分と和解出来たようだ。
「ともかく劇場で席の確保をするぞ。幸い二作目には十分間に合う。地理も事前に記憶済みだ」
「お母様やお父様達にもお土産頼まれていますものね。映画のパンフレットとか」
「……ポスターをガン見してたよな、皇帝陛下」
「本当に、あのレジェンドって人はどうやって親父をあそこまで変えたんだ……」
そうこうしていると、カレン以下アッシュフォード学園組や他の面子が聞き込みから帰ってきた。
「やっぱりこっちで間違いないってさ!もう少し進んだらまた聞いてみようぜ」
「カレンってば機動力ありすぎ。何で病弱設定にしたのよホントに」
「だ……だって二重生活がバレないように細心の注意を――」
「ルルにはバレてたじゃん」
レジェンド一行が関わり、ほんの僅かながらあの世界で過ごしたことで多くの人物らの関係が劇的に改善された。彼女らもそうである。
一応、彼らにも迎えは来ていたのだが……。
「ニャ~」
「む、どうされましたハク殿」
「フニャぅ」
「成程……」
(((((何か猫と会話してる……っていうか何この猫の数!?)))))
よりによって猫を師と崇めるダーントと、ハクまで混じったリベラ達ダーントの師(つまり猫)。
ルルーシュらをそっちのけで猫達に構いっぱなしで全然進まない為、仕方なく自分達で行動を起こしていたわけだ。
ただ一人、スザクだけは「あの人に教えを請えば、アーサーと仲良くなれるかもしれない!」と尊敬というか何というか……そんな視線を向けている。
「そういえばアーニャはどうした?彼女に迎えに来てもらえば早かっただろうに」
「『めんどくさい』だそうだ」
「おい!?元とはいえラウンズが……いや、やらかしそうだったな、元々……」
「ニャ〜」
「ん?」
ハクがルルーシュに近付いていき、スルリと横を抜けると振り返って前脚を片方持ち上げ――
「ニャニャ、ニャニャ」
「こっち、ということか?」
「すごーい!ちゃんと案内出来るんだね!」
「当然だ。ハク殿は常識に縛られず、日々緩やかに過ごしつつも相手のことを考えられておるのだ」
何故かダーントが誇らしげに言っているが、本来誇るべきは主であるロスヴァイセのはず。まあ、ハクはフリーダム過ぎてロスヴァイセどころかレジェンドすら何処にいるか把握しきれないという、何気に凄い能力があったりするのだが。
それはさておき、兎にも角にも相変わらず有能なハクの導きで彼らもまた劇場へと足を運ぶのだった。
「ムジナさん、あのミオリネさん?を見たとき雰囲気が鋭く――」
「多分、彼女はライバルだから」
これを聞いた何名かが騒ぎ出したものの、ハイパーゼットンのドロップキックで強制的に黙らされた。
この事は以後『邪神さんドロップキック』と言われた(命名・南夢芽)のだが、レジェンドが育てたハイパーゼットンは滅亡の邪神でも何でもないということでハイパーゼットン自身は酷く遺憾だったらしい。
新番組!邪神さんドロップキック!
「じぇっとん!」
……何だろうこの子供向け番組感。
SSSS.DYNAZENON組参戦!ギアス組は今後投稿予定(しかしまだ執筆開始してない)の特別編後ということで登場!締めはトマトなお姫様だ!……水星たぬきは?
結論・ハクはいつも通り優秀だった。
次回は怪獣使い組が大喜びな怪獣祭り映画、ウルトラマントリガー。所謂劇場版限定フォームはあるのか!?
それではまた次回。
二択決定戦! シン一人乗りする最終ゲッターはどちらだ!?
-
真ゲッタードラゴン(大決戦版)
-
真・ゲッター1(スパロボα仕様)