ウルトラマンレジェンド Episode.CROSSOVER   作:ハジケハムスター・ポッポ

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お待たせしました。今回から幕間話です。
それぞれ本作を進める上で必要な部分だったので、掘り下げておく事にしました。
また、オリジナル展開が本格化するので(原作崩壊タグも付けていたし)サブタイトルの名付け方が変わります。と言っても間に『、』が入らない時も多くなるだけですが。

あと、前回のアンケート結果と新アンケートに関する事を例の如く活動報告に上げておいたので一読頂ければと。


それでは本編をどうぞ


幕間
オカルト研究部の新たなる出発


 レジェンド達との面談を終えて帰宅する間、一誠はある事を考えていた。ゲンやレイトと修行して、ライザーとのレーティングゲーム以降も自主練は欠かしていない。

しかし、堕天司ベリアルには怒りで冷静さを欠いていたとはいえ禁手化していたにも関わらず一撃で、しかも相手はまるで本気を出していないのに戦闘不能にされてしまった。

今のままでは絶対に勝てない。仮に成長出来たとしても、向こうもこちらと遭遇していない間にさらなる力を手にしている可能性もある。

 

 

「このままじゃ……駄目だ」

 

「イッセー?」

 

「結局俺は師匠や先輩が言ってたように、神器頼みの強さしかない。この間の事でハッキリした」

 

「でもよ、アレはあいつが想像以上に強かっただけだろ。イッセーはほんの数ヶ月前まで一般人だったんだし、そんな急に強くなれるわけないっての」

 

「むしろ、この短期間でそこまで成長しているのが信じられないくらいだ。それは努力の賜物と誇っていい。だが、それ以上となると時間が必要だ。急ぎ足で進めばいざという時に足元の小石に躓いて、下手をすれば取り返しのつかない事にもなりかねない。千里の道も一歩から、焦って駆け出すよりしっかり踏みしめながら進むべきだぞ、イッセー」

 

 

フーマの言う通り、自分は最近まで普通の高校二年生だった。そしてタイタスの言葉も正論だ。無理をしても、いつでもアーシアや卯ノ花に治療してもらえる……そう思ったら大間違いである。

オカ研に所属しているアーシアはともかく、卯ノ花はレジェンド直属の人物であり専属医。彼に何かあればそちらを優先するのは当然だ。

 

 

「あの魔王獣って奴との戦いだって、俺はタイタスに身体と神器を貸し与えただけで他は何も出来ちゃいない。ドライグの言う白いのって言う奴の事もあるし、俺自身がレベルアップしないと駄目なんだ」

 

「それを言ったら俺だってそうだ。タイタスのように筋力に優れてるわけじゃなければ、フーマのように早さに自信があるわけでもない。バランスが取れてるって言えば聞こえは良いけど、ゼロみたいに器用万能じゃなくて……俺は器用貧乏だ」

 

「タイガ……」

 

「俺達は、もっと強くならないといけない」

 

 

一誠もタイガも思いは同じ。あの戦いは前哨戦か、もしかしたらそれですらないかもしれない。この先激化するであろう戦いに備えてさらに力を付ける必要がある。

 

 

「イッセー達もそう思ってたのね」

 

 

今まで黙っていたリアスが一誠やトライスクワッドに声を掛けた。

 

 

「丁度私もそう考えてたの。それに、どういう事か分からないけど、あの男はイッセーを『特異点』って言ってたわ。確証はないけど、これからもイッセーは狙われるはず。最悪、その為だけにイッセーのお父様やお母様に危害が加えられる可能性だってある」

 

「ちょっ……リアス」

 

「いいんだ、タイガ。部長の言ってる事は事実だし」

 

「ごめんなさい、イッセーが悪いわけではないの。だから、表面上は下宿、実際は修行を兼ねた保護という名目でお姉様達を頼ろうと思ってるの。幸い、ついさっき連絡を取ったら既にレジェンド様からの許可は得ているって。あの方、恐ろしく理解が早いみたい」

 

 

実際は事前に黒歌やレイト、ゲンから要望があったからなのだが、レジェンドとしてもタイガらが一誠と一体化している以上近くにいた方が何かと都合が良いという理由もある。

 

 

「じゃあ、もしかしたら師匠達も……」

 

「ええ。きっと賛同してくれるわ。そうなったら、あとはイッセーのご両親にもおおとり師範や矢的先生、お姉様と一緒に相談しないと。今までお世話になったのに黙って出て行くなんて不義理にも程があるもの」

 

「そうですよね……よし!俺、師匠と先輩に連絡取ってみます!」

 

 

暗い気持ちを吹き飛ばした一誠を満足げに見つつ、さり気なく手を繋ぐリアス。タイガらはそれを微笑ましく見ながら自身らも決意を新たにする。

 

 その後、連絡がつきゲンが矢的、ハリベルと共に後日一誠の家に伺うという事で話がついた。その時の会話で、こういう事態になった時は受け入れてほしいとレイトがレジェンドに頼んでいた事を聞いた一誠は、心から兄弟子に感謝した。

 

 各々の帰路に立っていた朱乃、小猫、そして裕斗も似たような事を考えており、それぞれ相談相手に連絡し準備を進めていた。

 

 

 

 

【小猫の場合】

 

 

「さあさあ白音、お引っ越しにゃお引っ越しにゃ〜♪」

 

「お〜い!仕舞えたもんからダイブハンガーに転送するからこの装置の上に置いてけよ〜!」

 

 

 翌日、日曜日だった事もあり小猫はすぐさまダイブハンガーへと引っ越しする為、黒歌や夜一はもちろん、アスカやジャックも手伝いに来ていた。ダイブハンガーにはレイトを筆頭にミライや乱菊やアーシア、それにゼノヴィアと涼子に加え、もう少し滞在すると言っていたガイが残っている。

レジェンド一行は空の世界へ、サーガ組とカナエは惑星レジェンドへそれぞれ行っており、他に卯ノ花(とハイパーゼットン)が姫島神社へ、ゲンとハリベルは矢的と共に一誠宅へ行っていた。裕斗に関してはちょっと特殊なので後程説明するとしよう。

 

 

「小猫ちゃん、これは纏め終わってるかい?」

 

「はい、大丈夫です。ありがとうございますジャックさん」

 

 

元々すっきり整頓されていた部屋なので、引っ越しにはあまり時間が掛からず粗方転送し終えてからは身に着けられるものだけ持って部屋を引き払い、黒歌と夜一に手を引かれながら仮住居に向かっていた。

 

 

「彼処から行くんですか?」

 

「うむ。転送装置が二種類あっての。一つはお主も行った事のあるハンターズギルドへの、そしてもう一つが儂らの住むダイブハンガーへのものじゃ。どちらも仮住居やハンターズギルドと同じく資格無しでは入れんからのう」

 

「白音の部屋は私と夜一のお向かいさんにゃ!」

 

 

黒歌は小猫と漸く一緒に暮らせるとあってハイテンションだ。正直、小猫が落ち着いているのもあって、黒歌がデカい妹にしか見えない。

ここで小猫が気になった事に聞いてきた。

 

 

「あの、アスカ……さん?」

 

「お、なんだい小猫ちゃん」

 

「えっと……ソランさんは?」

 

「ソラン?ああ、サーガの事か。今朝朝一で惑星レジェンドに向かったぜ。なんでも神衛隊のダイブハンガー着任手続きとか、あと機動兵器の教導官として二人程……えーっと……そうだ、第四分隊だ!そこから出向してくるからその迎えも兼ねて、だってさ」

 

「ま、まさか噂のアムロ・レイとか……!?」

 

 

小猫の質問に答えたアスカの台詞から戦々恐々としている黒歌だが、そもそも彼はそんな手当たり次第襲い掛かる人物では無いというのに。

アスカは黒歌の質問にいいや、と首を振って答える。

 

 

「なんかアムロって人じゃないみたいだぜ。詳しくは聞いてないから分かんないけど」

 

「……カナエ先輩はどうして?」

 

 

そう、一番の疑問はこれだ。レジェンド一行について行くならともかく今回は何故カナエがサーガ達に同行したのか。これに答えたのはジャック。

 

 

「どうやら弾かれた者というのが彼女と関わり合いのある人物かも知れないかららしい。二人いるとの事だが、どちらも知っているみたいだった……というか、片方は聞いていた僕やアスカでも驚いたくらいさ」

 

「片方……ですか?」

 

「確か名前は……胡蝶しのぶ

 

「……え?」

 

 

その片方はカナエの、血の繋がった妹だった。

小猫は動揺しながらも、仮住居への道を歩く。

 

 

【朱乃の場合】

 

 

 バラキエルは戦慄していた。目の前で穏やかな顔をした規格外の、隠された真の実力を感じ取って。

だがしかし、実際は別のものが原因である。

 

 

「じぇっとん」

 

 

テーブルの上、規格外たる卯ノ花の前で可愛らしく正座している滅亡の邪神。

かの事変にてゼットンの実力を見ていたバラキエルはそれに酷似した小さな生物が目の前で正座してこっちを見ている事に冷や汗流しまくり状態だ。

 

 

(待て待て待て待て!!何だアレは!?何でこんなところにいる、しかも小さくなって!!しかもこっち向いてるし、あの火球を発射する気か!?マズい、マズいぞ……この距離では防御も回避も出来ん、最悪朱璃と朱乃だけでも逃さねば……!!)

 

「お待たせしてすみません、お茶の用意をしていたら遅くなってしまって」

 

「いえ、訪問させて頂いたのは私達の方ですし、お気になさらず」

 

「じぇっとん」

 

 

バラキエルがあれこれ考えてる間に、朱乃の母である朱璃がお茶と牛乳を運んで来た。しかし異形の生物を見て殆ど動じてないあたり、さすが朱乃の母親である。見た目は姉か、双子でも十分通用するが。

 

 

「貴方は牛乳で良いのよね?」

 

「じぇっとん」

 

 

小さめのコップに入れられた牛乳を前に置かれると、ハイパーゼットンは正座したまま身体を朱璃に向けてしっかりとお辞儀する。若干土下座っぽいが、そこいらの連中よりよっぽど礼儀正しい。

 

 

「あらあら、可愛らしいのにちゃんとしてらっしゃるのね。卯ノ花さんがお育てに?」

 

「いえ、ここまで育てたのは私が仕えている方です。今はこうして愛らしい姿ですが、本来の姿は雄々しく凄まじいものですよ」

 

(いやこんなの育てたの誰だ!?しかも凄まじいどころじゃないだろ絶対に!!)

 

 

汗が滝のように流れ出ているバラキエルの考えは最もだ。このハイパーゼットン、物凄く小さな幼体の頃よりレジェンドが甲斐甲斐しく大切に育てた結果……サーガがやり合った、バット星人と一体化した個体よりも遥かに強く知能も高い反則超えの個体になったのだ。

このハイパーゼットンに加え、圧倒的攻撃力とタフさを誇るゴジラと、恐るべき進化を遂げていくシン・ゴジラの三体を従えていたレジェンドがどれ程の存在か推して知るべしといったところか。

 

 

「それで、本日お伺いされたご用件は?」

 

「はい、朱乃さんの希望による私達光神陣営への下宿のお願いに参りました」

 

「「!!」」

 

 

まさかの光神陣営からの使者とは思わず驚愕するものの、下宿と聞いて気になった。

 

 

「卯ノ花さん、下宿……というのは」

 

「ご息女である朱乃さんはこの数ヶ月で幾度となく怪獣に遭遇しており、そのいずれもがある細胞に侵されたものであった事がまず理由の一つです」

 

「その細胞というのは?」

 

「ゴーデス細胞……細胞でありながら明確な意思を持ち、侵された者を怪獣へと変貌させゴーデスの手先とする恐るべきものであり、最近では堕天使コカビエルもそうなりました」

 

「何だと!?ではコカビエルが死んだというのも……」

 

「事実です。ただ、怪獣になる際に別の堕天使……いえ、堕天司というものが何か手心を加えたようですが」

 

 

朱璃はもちろんだが、バラキエルはさらに戦慄した。コカビエルの死はグリゴリ内でも大きな衝撃があったが、かの白龍皇が見ただけで信憑性としては五分五分だったのだ。しかし、その死が事実であり理由がハッキリしたとあれば話は別だ。その堕天司なる人物も気にかかるところではあるが……

 

 

「お二人が懸念されているであろう事も分かります。こちらとしても、朱乃さんが狙われる可能性があるかも知れないからこそ保護と修行を兼ねた今回の提案であり、朱乃さん自身がお願いしてきた事なのです」

 

「え……?」

 

「朱乃から、だと?」

 

 

卯ノ花の隣で今まで黙っていた朱乃が頷きながら答えた。

 

 

「これから先、今起こっているような事が起こらないとは限りません。だから私は、今より強くなります。あの方を、少しでもお傍で支えるために」

 

「あの方?」

 

「はい!あの日、お母様と私を助けて下さった方です!この町で信仰されている光神様だったんです!」

 

 

真剣な表情から一変、朱乃が嬉しそうに話し出した。それを朱璃は微笑ましく見ているが、バラキエルは動揺しまくりである。

 

 

「ま……待て、朱乃。私にもなんとなく予想はつくが、相手はあの光神様だぞ?普段なら見る事さえ叶わぬまさに雲上通り越して幻のお方だ。いくらなんでも……」

 

「こちらをご覧ください」

 

「「?」」

 

 

バラキエルと朱璃、ついでに朱乃も卯ノ花が差し出した紙を見る。そこには別の意味で衝撃的な事が記されていた。

 

 


○惑星レジェンドの発展・維持に貢献した者

○惑星レジェンドの歴史に名を残した者

○失う事は惑星レジェンドにおいて重大な損失であると認められた者

○全ての配偶者に対して平等に愛情を注げる者

○全ての配偶者及び家族を養える財産や環境を持つ者

○人格的にも問題が無いと判断された者

○本籍を惑星レジェンドに置き、そこに生きる全ての者達と限りない時を生きて行く決意がある者

 

 上記全ての項目を満たした者は惑星レジェンドにおいて一夫多妻権の行使を容認する。

 

惑星レジェンド及び【レジェンドエリア】総括

最高位光神ウルトラマンレジェンド


 

 

 レジェンド直筆サイン付きの一夫多妻制を容認する証書であった(但しコピー。原本はレジェンドの自宅にて厳重保管)。

 

 

「卯ノ花先生、これは……!」

 

「あの方自身、全ての項目を文句無しのレベルで満たしています。さらに言うなら私は『あの方の一夫多妻』容認派ですし。現世ではよく言うでしょう?」

 

 

にっこり笑って卯ノ花は、レジェンドがいたら即座にツッコミを入れるだろうとんでもない事を言い放つ。

 

 

「想い人、共有すれば問題ない……と」

 

「赤信号みんなで渡れば怖くない、というノリかっ!?」

 

 

レジェンドの代わりに黒一点のバラキエルがツッコんだ。しかしキレが足りない。レジェンドの場合はこうである。

 

 

『問題大アリだァァァ!!みんなって何!?どんだけシンパ作ってんの!?共有とか人じゃなくてモノ扱いされてるだろーが!!』

 

 

少なくともこれくらいは言うだろう。

しかしそんな事はどうでもいいとばかりに朱乃が卯ノ花へ尊敬の眼差しを向けている。朱璃は全力で娘を応援しようとしている。

ハイパーゼットンはヘソ天で寝ている。あまり話に加われなくてやる事がなかった為、こんな事になっていた。

 

 かくして、朱乃も卯ノ花と朱璃、漸くお仕事が出来たハイパーゼットンに手伝ってもらいながら下宿の準備を終えてダイブハンガーへ向かうのだった。

 

 

【裕斗の場合】

 

 

 裕斗は他のメンバーより一足早く引っ越しを終えていた。但しダイブハンガーにではなく……

 

 

「おう裕斗、これはこっちで良いんだな!」

 

「あの荷物はあっちにまとめといたからな。荷解きは自分でやりな」

 

「ここでの生活は私達が先輩だ。分からない事は遠慮なく聞いてくれ」

 

「ありがとうございます、マグナさん、ガルムさん、バレルさん」

 

 

そう、裕斗が引っ越したのはウルトラ警備隊秘密基地兼ハンターズギルドの方である。その理由は裕斗の身の上に、ある変化があったからだ。

 

 

「皆さん、一通り引っ越し作業は済んだみたいですね」

 

「おう!これから引っ越しソバでも食うか!?」

 

「丁度昼飯時だ、さっさと行って席取るぞ」

 

「私達はほぼ固定席だし、問題は……そうか、今日から一人増えるからな」

 

 

ジェントが様子を見に来ると、ラッシュハンターズの三人は食堂で席を取るべく先行していった。ジェントは「元気ですねぇ」と笑いながら、バレルが言った最後の一言に満足している。

 

 

「では私達も向かいましょう、()()

 

「うん、『父さん』」

 

 

父さん。そう、父さんである。

裕斗はエクスカリバーの一件が片付いて以来、ある目標が出来た。強くなるだけではなく、明確な目標を持つ事でそれに向けて努力する気力が湧いてきたのだ。

憧れのウルトラマンオーブといつか並び立てるように、自分はラッシュハンターズと同じ次代の『七星剣』を目指す。そう決意した時、ジェントがそれに気付いて声をかけてくれた。裕斗さえ良ければ自分の養子にならないか、と。

 

―少しずつ、次代へと移り変わって行く―

 

ジェントはラッシュハンターズに続き、裕斗を自身の後継者として育てる事を決めたのだ。もちろん、正式に七星剣を継がせたとしても、自分が引退する事はもう考えていない。将来が楽しみなハンターが増えてきた今、自分も『息子』と共にハンティングへと赴く。それがジェントの新しい楽しみだ。

メフィラス星と地球、宇宙人と悪魔の垣根を超えて師弟であった二人は、正しく親子となった。

 

 

「父さんは何にするんだい?」

 

「ふ〜む……日替わりは何でした?」

 

「今日は焼魚定食だったよ」

 

「マグナ達は蕎麦……とも限りませんが、良いですねぇ和食。それにしましょうか」

 

「それじゃあ僕も同じ物に」

 

 

出自や外見はまるで違えど時に穏やかに、時に荒々しく……その二人の姿は紛れもなく、父と息子であった。

 

 その日の昼食は裕斗の歓迎会の意味も込めて、大層賑やかなものになったという。

 

 

【一誠・リアス・トライスクワッドの場合】

 

 

 一誠の自宅にはゲン・矢的・ハリベルが出向いていた。

リビングで一誠やリアス、そして一誠の両親と向かい合っている。

一通りの話は済ませ、後は一誠の両親の返答を待つのみ。

 

 

「父さん、母さん……」

 

「……イッセー」

 

 

しばらく腕を組んで目を伏せていた一誠の父は口を開く。

 

 

「最近のお前は今までより活き活きとしていた。合宿から帰って来た日は思わず別人かと思ったくらいにな。この人達の話をリアスさんと話しているお前は、本当に尊敬出来る人を見つけた目だったよ」

 

「父さん……!」

 

「行ってきなさい、イッセー。矢的先生、おおとり師範、そしてハリベルさん。息子をどうか宜しくお願いします」

 

「私からもお願いします」

 

「母さんも……二人ともありがとう!!」

 

 

ゲンと矢的、ハリベルは顔を見合わせて笑う。

 

 

「はい。ご両親の大切な息子さん、お預かりします」

 

「彼は芯がしっかりしています。きっと、会うたびに成長しているというのが実感出来るようになるはずです」

 

 

一誠の両親も自分達の息子を変えてくれた恩師達が、息子を認めてくれているのを嬉しく思う。

 

 

「リアスさんも、短い間だったが娘が出来たみたいで楽しかったわ」

 

「私もです、イッセーのお母様」

 

「待てリアス。その言い方では言葉不足だ。なにせ将来義理の母親になるかも知れない方だぞ」

 

「ハリベルお姉様!?」

 

 

リアスだけでなく一誠まで真っ赤になってしまった。トライスクワッドはというとリビングの扉の隙間から団子三兄弟みたいに覗き込んでいる。

 

 

「上手くいったみたいだな」

 

「……どうやらイッセーは両親に恵まれたようだな、良い事だ」

 

「だな、旦那」

 

 

タイタスとフーマ、彼らの両親は訳有であり、既に故人だ。タイガは別の意味で訳有だが。

そんな中、話題はゲンと矢的が持っていった。

 

 

「俺は墓参りも出来ないからな。ご両親、大切にしろよ一誠」

 

「師匠?そういえば師匠の両親って……」

 

「……もういない。特に父は、俺を庇って命を落とした。俺の目の前でな」

 

『!!』

 

 

矢的を除く全員が目を見開いた。

 

 

「あ……う……すいません師匠!無神経に、その……」

 

「無神経も何も知らなかったんだから気にするな。それに双子の弟とも無事再会出来たしな。今では血が繋がっていなくとも兄弟がたくさんだ」

 

「そうですね、兄さん」

 

 

まだ全ては話していないが、ゲン―レオが壮絶な過去を背負っているのは一瞬で理解出来た。そしてそれはレオだけではない。

 

 

「僕はちゃんと墓参りしないと」

 

「そうだな、お前は教え子の事とか話題に事欠かないだろう?」

 

「え……もしかして、矢的先生も……」

 

「ああ。僕が幼い頃……両親は揃って、怪獣に殺されたんだ。天涯孤独となった僕を、僕の師匠である人が引き取ってくれて、その人に育てられたんだよ」

 

 

もはや言葉が出ない。レオも80も、一誠やリアスとは違い両親を早くに失っていた。同時に、愛情深く育てられた自分達がどれだけ恵まれているかも再認識した。そういえばアーシアも孤児だし、あとで聞いた話だとカナエとその妹も早くに両親を鬼に殺されたという。

 

 

「矢的先生、おおとり師範……辛い事を思い出させてしまって……」

 

 

一誠の両親も申し訳無さそうにしているが、二人は笑って返す。

 

 

「兵藤のお父さん、お母さん。一日でも多く、長生きして下さい。お孫さん、曾孫さんだって抱けるかもしれないんです」

 

「親の分まで俺達が生き、後世へ生き様を教え、繋ぐ。そうする事で亡くなった者達の思いも途切れる事なく、共に未来へと進んでいける。だから、俺達は大丈夫です」

 

 

一誠とリアス、一誠の両親、そしてハリベルやトライスクワッドもゲンと矢的の大きさを感じた。過酷な運命を歩みながらも、失敗はあっても決して道を踏み外す事なく今日まで生きてきた重みが、二人にはある。

 

―この人達に任せれば、イッセーは大丈夫―

 

両親は改めて確信し、一誠を託した。

話を終えると既に準備を済ませていた二人の荷物を三人で手分けして持つ……というかゲンが「これも修行だ!」とリアスのプライバシー的な物以外は一人で背負ってしまった。一誠もそれに習い、リアスをおぶっていく事にする。

 

一誠とゲンは笑い合い、リアスは恥ずかしくも嬉しそうに、矢的とハリベルはそれを微笑ましく見守りつつ、一誠の両親に見送られてダイブハンガーへと向かう。

 

 

 それぞれの目標に向けて。

この日、オカルト研究部は新しく出発する。

 

 

 

〈続く〉




こんな感じで、本作では一誠の家ではなくダイブハンガーに一誠含めて下宿する事になります。
次回はレジェンド一行の話になりそうです。空の世界だけに空中母艦が基地扱いだったあのウルトラシリーズの二人が登場!※ただしまだゲスト扱い。

あとゲンが言った父親が命を落とした理由はSTORY 0でアルス王がレオを庇ったところから取りました。


それではまた次回。

二択決定戦! シン一人乗りする最終ゲッターはどちらだ!?

  • 真ゲッタードラゴン(大決戦版)
  • 真・ゲッター1(スパロボα仕様)
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