ウルトラマンレジェンド Episode.CROSSOVER   作:ハジケハムスター・ポッポ

143 / 301
お待たせしました。今回はレジェンド一行の話です。
第4章以降に始まる『どうして空は蒼いのか』の足掛かり的なものになってます。
先日グラブルでアナザーな彼を引けたので、前日譚的なものも書けそう。

アンケートではメビウスの『別れの日』『約束の炎』の連続エピソードや、マックスの爆笑エピソード『わたしはだぁれ?』などのご意見を頂いております。
今回のアンケートは少し長めの予定なので、ご意見まだまだお待ちしています。


それでは本編をどうぞ。


それ行け!空の世界先行調査隊

 聖剣騒動時に相対した堕天司ベリアル。

彼の言った『星晶獣』についてスカーサハに聞いたところ、『空の世界』で直接調べた方が良いという意見が出たのでメンバーを選出して向かう事にした。

時間操作移動を行う為にレジェンドはもちろん、一体化しているゼット、それに空の世界出身のスカーサハは当然参加だ。

元の世界で命を落とした彼女は行けるのか?と疑問に思ったが、レジェンド曰く真龍ディアドラとして落命したのであってスカーサハとしては問題ないとの事。

残りのメンバーはというと、やはりというか小競り合いが勃発。

 

 そしてその結果参加する事になったのは前述の三名以外にロスヴァイセ、リクの京都合流組にC.C.とグレイフィアのスカーサハと付き合いが長い二人、そしてオーフィスとティアマットというドラゴン繋がりの二名。合計九名が出向く事となった。

簡単に言うとスカーサハと仲が良い面々だ。ついでにオーフィスはレジェンドと何日も離れていたら何しでかすか分からないから、というのもある。

 

 現地にて別働隊と合流する手筈になっている事を聞き、どんな人物なのかレジェンドに聞いたところ頭脳派メンバーとだけ教えられた。

 

 

 

 

 

「よし、全員揃ったな。今から空の世界へ行くわけだが戻って来るのはこっちにして二日後、但し向こうではそこそこの日数滞在する事になる。時間の流れに関しては俺が同行してるからそこは心配いらん。ある程度調べたら現地合流班に任せて俺達は撤収するからな。分かったか?」

 

「「「「「はーい!」」」」」

 

「何だろうコレ。俺は引率の先生か?」

 

 

準備を終えて集合したメンバーの中で一際目を引くのはキャンプ用品まで完全武装したゼットといつぞやと同様お菓子をしこたま詰め込んだリュックを背負ったオーフィス。どっちもレジェンドと物凄く身近にいる二人である。いや、ゼットの方はある意味正しいのだが、今回はそこまでは不要というかその方面の準備は済んでいるというか……

 

 

「ところであの、ゼットさん大丈夫ですか?この間の怪我とか……」

 

「心配御無用、ロスヴァイセさん!超師匠が休みをくれたのでもはや全快でございますよ!」

 

「病み上がりだし無理は……まあいいか。というわけで空の世界調査班、出動!」

 

「「「「「おー!」」」」」

 

「……マジで大丈夫かな、このメンバーで……」

 

「レジェンド様、私も全力でフォローに回りますので」

 

「倒れない程度に気張るんだな」

 

 

頭を抱えるレジェンドを気遣うグレイフィアと、ささやかな慰め程度なC.C.だった。ロスヴァイセ?一緒になって和気藹々してます。

 

 

 

 

 一抹の不安を抱えながらも空の世界へと次元転移を行ったレジェンド一行。最初の島に選んだのはポートブリーズと呼ばれる、星晶獣ティアマトの加護によって穏やかな風が吹く島だ。それはいい。問題は……

 

 

「ポートブリーズ!ティアマトの加護!つまり私の加護ですよー!」

 

 

星晶獣(ティアマト)との微妙な名前の違いに気付いてない天魔の業龍(ティアマット)のアホの子っぷりである。町中でやろうものなら絶対冷たい目で見られるのは予想に難くない。というか彼女にそんな加護与える力なんてあったか?

そんなティアマットは放っておいて合流するメンバーを探すと、遠くからレジェンドを呼ぶ声が聞こえてきた。

 

 

「光神チーフ〜!!」

 

「むっ!?今俺の人間体での名字の発音で呼ぶ声が聞こえたぞ!!」

 

「お主それだけで反応するのか……」

 

「いやいや俺も『ゼェェェット!!』とか呼ばれたら反応してしまうのですよ!」

 

「それって怒られたりした時じゃ……」

 

 

相変わらず人間体名に関してはやたら反応するレジェンドに苦笑するスカーサハと、レジェンドに同意するゼットの意見にロスヴァイセがツッコむ。

それはそれとして現地合流班というのは……

 

 

「我夢、藤宮。お疲れ」

 

「お久しぶりです、チーフ。けど驚きましたよ、この世界」

 

「魔物に襲われたからな。普通に撃退したが

 

「あれ?お前らって頭脳派じゃなかったっけ……?」

 

 

かつてレジェンドも創設に携わり、後見人となった『アルケミースターズ』に所属する若き天才、高山我夢と藤宮博也。即ちウルトラマンガイアとウルトラマンアグルだ。

此度の空の世界調査にこの二人が揃って立候補してくれたのは非常にありがたい。特に我夢は『ガリバー旅行記』を子供の頃に好きだった為、楽しみにしていたくらいである。

 

 

「ガイア先輩にアグル先輩!どうもお久しぶりでありんす!」

 

「いや、うん。久しぶりはいいんだけど言葉遣い変じゃないか?」

 

「えぇマジ?お空の言葉はウルトラ難しいぜ」

 

「この世界は別に関係ないだろ」

 

 

我夢と藤宮にもやっぱりツッコまれた。

何はともあれ二人と合流出来た事でレジェンド達は優秀な頭脳を、我夢と藤宮は無敵の護衛を得たことになる。

 

 

「いざ!空の世界調査(探検)に!」

 

「しゅっぱーつ」

 

「あ!待って二人とも!そっちは……」

 

 

ゼットとオーフィスが元気よく(?)出発したのを我夢が止めるも時既に遅し。

 

 

「「え?」」

 

 

二人は何歩か歩いていたが、気付けば足下には

 

 

空が広がっていた。

 

 

 

 

 

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛……」

 

「わー……」

 

 

 

 

 

ゼットとオーフィスが空へとダイビング。

 

 

「「「ゼットォォォォォ!?」」」

 

「「「オーフィスゥゥゥ!?」」」

 

「皆様レジェンド様の心配もして下さいっ!!」

 

「レジェンド様、なんか引っ張られるようにして声を挙げる間もなく落ちて行きましたぁ!!」

 

「「「「「あ」」」」」

 

 

ゼットとオーフィスばかりに気を取られていたが、ゼットと一体化している為にダイブハンガーなど特定の場所以外では一定の距離しか離れる事の出来ないレジェンドも落ちたゼットに引っ張られるように空へと落ちていた。

ぶっちゃけグレイフィアとロスヴァイセ以外気付いてなかったというから本作最強の不憫が相変わらず絶妙なタイミングで発動している。

 

 

「ちょっ!?どうするの!?レジェンドさんもあの二人も落ちちゃった……ってそもそもなんで空に落ちるの!?」

 

「私も分かりませんよ!?こういう時こそドラゴンのお二人の出番じゃないですか!」

 

「吾は真龍としてこの世界で落命しておる以上、この世界ではディアドラとしての姿を取る事が出来ぬのだ!」

 

「私はぶっちゃけ怖いです!!

 

「「「「「何の為の使い魔だ!!」」」」」

 

 

スカーサハの理由はレジェンドも言っていたので納得だがティアマットのそれは単にビビりである。お前さっきまでのノリノリ感全開モードは何処行ったの?

本気でヤバいんじゃないかと思い始めた時、レジェンドとゼットが空を飛んで戻って来た。オーフィスも例によってレジェンドが脇に抱えている。

 

 

「超師匠ォォォ!!今のはヤバかった!!今までで一番ヤバかったでござるでしょう!!」

 

「確かにヤバかったよ!!つーか俺、お前と一体化してるんだからこうなる事予想しとくべきだったわ!!ナチュラルにいつも実体化してたからこんな時は連動してこういう目に合うのすっかり頭から抜けてたぞ!!」

 

「我、お姫様だっこがいい」

 

「この状況で随分と余裕だなコノヤロー」

 

 

なんと言うか、いつも通りの三人だった。レジェンドとゼットはいきなり落ちた(レジェンドは巻き添えだが)事にテンパっていたものの、すぐに飛べる事を思い出してオーフィスを引っ掴み上がってきたのである。

 

 

「三人とも大丈夫!?」

 

「我、お股ひゅんとした」

 

「突然の事に一瞬全身の力が抜けた」

 

「カラータイマーが鳴ってすぐに止まりそうになりました」

 

「「「「「最後笑えないんだけど!?」」」」」

 

 

ショック死寸前だったらしい。単なる例えなのかマジなのか知らんが。

 

 

「しっかしウルトラ不思議なところですね、ここ。落ちながら見渡しましたが島が浮かんでるのが当たり前で、地面が見当たらないでございますよ」

 

「……地面に正しいかは分からぬが、空の底は『赤き地平』と呼ばれておるようだ」

 

「「「「「『赤き地平』?」」」」」

 

「赤茶けた大地が何処までも続く場所らしいが、そもそもそこへ行って戻って来た者もおらぬからな。故に真実かどうかは定かではない」

 

 

スカーサハの告げた事実は、今後大きな意味を持つ事になる。この時はそうでもなかったのだが。

 

 

「そうなると移動はどうする?私達は短期間と言ってもそこの二人はしばらく残ると聞いているが生活物資の問題もあるだろう」

 

 

C.C.が我夢と藤宮を見ながら聞いてきたが、二人は揃ってブレスレットから大きな袋を取り出した。

 

 

「「二人でもう1000万ルピ稼いでる」」

 

「「「「「馴染むの早っ!?」」」」」

 

 

さすが多種多様の国籍の人種が集まるアルケミースターズ所属だけあって空の世界にすっかり順応してた。ちなみにルピはこの世界の通貨だ。なんでこの二人短期間でこんなに稼げんの?

 

 

「まあ生活物資は問題なさそうだとして、だ。移動にしても俺があるものを持って来てある。人数的にスペースペンドラゴンじゃなくて良かったぞ」

 

 

あれの定員は六名だからな、と言うとレジェンドは先程自身らが落ちた場所へと近づいて行く。

 

 

「あわわ……!レジェンド様、また落ちちゃいますよ!落ちたら私助けに行けませんからやめて下さい!」

 

「普段調子良いくせになんでこういう時だけチキンハート化するんだお前はァァァ!!」

 

 

マジで使い魔にするの早まったかな……と軽く後悔しつつレジェンドはブレスレットから『あるもの』を取り出す。取り出すと言うより出現させると言った方が正しいそれは、我夢と藤宮には馴染み深いものであった。

 

 

「「エリアル・ベース!?」」

 

「ストレス発散の為に適当に開発してたらこうなりました」

 

『いやそれおかしいから!?』

 

 

さすが天災兎こと篠ノ之束を眷属に持つ男。何をどうやったら適当でこんなもん出来るんだ。

 

 

「スカーサハから移動には基本空路しかないと聞いていたんでな。結果としては良かったから良いんじゃね?」

 

「何故か釈然としないな……」

 

「ま、まあいいじゃないか藤宮。これなら僕らも勝手知ったるってやつだし」

 

「ちなみに全体的な性能は約30%程割増だ。防御やセキュリティに限り500%アップしてるけど」

 

『なんでそこだけ特化してんの!?』

 

 

藤宮が目を逸らす。かく言う彼もかつてはエリアル・ベースを撃沈しかけた事があるから。

兎にも角にも安全面は万全を期して作られたので、余程の事が無い限り大丈夫らしい。レジェンド達が駒王に撤収した後も我夢と藤宮の活動拠点となる為、各種設備もグレードアップしている。

 

 

「この世界だと『騎空艇(きくうてい)』という飛行船を所有しているかどうかで行動範囲がかなり変わってくるみたいだからな。中型のものは200〜300mらしいから、600mに及ぶエリアル・ベースは大型かつ外見も目立つので備えあれば憂いなし、というわけだ。それじゃ、全員乗り込め……と言いたいところだが町で情報収集はやったのか?」

 

「一応ですが。とりあえず、他の場所もいくつか回ってから整理しようと思ってるんです」

 

「この空域……ファータ・グランデ空域と言うらしいが、大きい島だとこのポートブリーズ群島以外にバルツ公国とアウギュステ列島、それからルーマシー群島辺りまでが妥当だな。城砦都市アルビオン以降は今無理に行く必要も無い」

 

 

我夢と藤宮が言うには、そのアルビオン以降は『エルステ帝国』とやらの影響が強くなり行動が制限されやすくなるらしい。あまり良い噂を聞かないので、下手に藪を突いて問題を起こしたくないのが理由だ。

 

 

「OK、そこまで調べがついてればこれからの行動指針が決めやすくなる。ん……?ザンクティンゼル?」

 

「レジェンド、どうし……」

 

「へ?超師匠に続いてオーフィスちゃんまで一体何事……」

 

 

レジェンド、オーフィス、ゼットは二人から渡された地図を見て今いるポートブリーズより前に位置しているザンクティンゼルという島の部分を凝視している。

 

 

「レジェンドさん、それに二人も……何かあったの?」

 

「……いや、気にはなったが……」

 

「我も分からない。でも……」

 

「何かこう……ウルトラ運命的な……」

 

「「「「「???」」」」」

 

 

リクの質問にも漠然とした答えしか返ってこないので、一先ずそこは置いておく事にする。

一行はエリアル・ベースに搭乗し、ポートブリーズ群島を後にして他の島へ向かう事にした。

 

 

「オーフィス、分かるか」

 

「ん、ポートブリーズの空の上。雲の先にティアマトがいる。こっちのティアマットと違う。ただ、ちょっと不安定な感じがする」

 

 

レジェンドとオーフィスだけは、星晶獣ティアマトの存在を認識して。

 

 

 

 

 それから数日間かけて件の島々を回った一行。

途中、やはりと言うかトラブルに巻き込まれる事も何度かあったが誰一人欠けるような事は無く、概ね予定通りである。

 

 

「よーし全員集合。今まで回った島でそれぞれが集めた情報を整理するぞ……」

 

 

レジェンドの指示で集まった先行調査隊のメンバーだが……

 

 

 

 

 

めっちゃ増えていた。

 

 

 

 

 

「オイなんで調査隊のメンバーごっそり増えてんの?しかもこの世界の現地民じゃん誰だよ勧誘してきた奴。おまけになんで俺ら騎空団になってんだおかしいだろ『ウルトラ騎空団』とか適当につけた奴名乗り出ろコルァ」

 

 

レジェンドは本気で頭痛を覚えた。ポートブリーズはすぐに立った為、バルツ、アウギュステ、ルーマシーのたった三島かつ数日でやたら増えた事になる。

しかも騎空団の団長はいつの間にかレジェンドに決められており、本人は事後承諾させられるハメに。不憫。

 

 

「我、知ってる。大体はレジェンドとゼットとリクと我夢のお人好しが原因。あと、団名は藤宮がボソッと言ったのが殆どの団員に採用された」

 

 

原因、ウルトラマン連中だった。

 

 

「ウルトラ納得いかないでござんす。俺達はいつも通りの事をしてきただけなのに!」

 

「そうだそうだーなんでこっち来てまでメンタルすり減らす真似しなきゃならないんだ」

 

「いや、うん。レジェンドさんとゼットが主な原因だよね。レジェンドさんの天然ジゴロっぷりに加えてゼットが率先して人助けしてたよね。まあ確かに良い事してるんだけど」

 

「え、壊れた機械修理したのマズかったかな。僕は別に変な事してないぞ」

 

「我夢、お前サービスで余計な機能付けただろ。それのおかげで『うちも』『こっちも』がやたら増えたんだからな」

 

 

各々ぶつくさ言っている。藤宮はまあ、許されてもいいのだろうが。採用したの団員達だし。

しかしまあ、随分と濃いメンツが集まったもんだとレジェンドは思う。

なにせ(レジェンド達を除いて)全空最強と言われる『十天衆(じゅってんしゅう)』が入れ代わり立ち代わり勝負を仕掛けてきたのをもれなく全員返り討ちにした結果、よりにもよって十人皆加入してきたのだ。

 

 

「そろそろ俺ら一旦帰るし、しばらく戻って来れないから騎空団なんざやってるヒマないぞ?」

 

「「「「「えええええっ!?」」」」」

 

「いやそもそも団員の募集自体してないんだが」

 

「どうしても続けるって言うなら我夢と藤宮以外に団長代理立てるしかないな。でなけりゃ無理だ」

 

 

ザワつく団員らだが、これは当然の事だ。そもそも我夢と藤宮は研究専門だし、元よりレジェンドは騎空団を作る気などなかった。しかしこれだけ人数が集まってしまったのならば強制解散するよりは、と仕方なく譲歩した案が団長代理である。

 

 

「レジェンドちゃんレジェンドちゃん、なんで我夢くんと藤宮くんじゃ駄目なの?」

 

 

レジェンドをちゃん付けで呼ぶのはナルメアというドラフの女性剣士だ。ドラフという種族は角を持ち、男性は大柄で筋肉質、そして女性は小柄でありながら『ある部分』が大きいのが特徴である。ついでに言うと後者は6歳でも明らかに大きいというから色々ヤバい。

 

 

「この二人とリク、それからゼットは銀河遊撃隊所属でもあるんでな。ゼットはもちろんリクも俺のところに出向しているから良いとはいえ、我夢と藤宮は本人達の希望を上司が受けてくれたからこっちに来られたんだ。有事の際にはどうしても本職を優先する必要がある」

 

「それならば納得がいく。俺やゼタも『組織』に属している以上、命令がくればそちらを優先せざるを得ない」

 

「まあ、今回はあたしもバザラガと同意見だわ……とは言うけどここの居心地良すぎて離れたくないのよね」

 

 

『組織』のメンバーでもある黒い鎧と仮面を被ったドラフの男バザラガと、ツインテールで赤い鎧を来たヒューマンの女性ゼタはレジェンドの言葉に納得したようだ。ゼタの方は思いっきり本音が出ているが。

 

ちなみにヒューマン種族というのは、能力的には別として外見はごく普通の人間である。先のドラフに加えて、スカーサハの身体のベースとなっているケモミミ付きの人種エルーンと、成人しても身長が100センチあれば大きい方だという外見で年齢が判断出来ないハーヴィンという種族を合わせて、この空の世界では四大種族と呼ばれている。

これ以外にもヴァンパイアなど四大種族に当てはまらない種族も少なからず存在するが、今回は割愛しておく。

 

 

「で、結局立候補でも推薦でもいいから代理する奴いないのか?俺としてはどちらでも良いんだが」

 

 

騎空団が存続しようが解散しようが。そう言おうとした時、そこはかとなく立候補的な事を言ってくる者がいた。

 

 

「中々出てこないよね〜こういう責任重大なポジションに立候補する人は。ここは一つ、シエテお兄さんが引き受けてあげようかな」

 

 

先に挙げた空の世界最強集団・十天衆の頭目であるシエテ。親しみやすい人柄ではあるが、その表情故に胡散臭く思われがちな上、ぶっちゃけ他のメンバーから扱いがぞんざいだったりする。ついでにサーゼクスと声が非常に似ているが、決して中の人が同じだとかそういうわけではない……と思う。たぶん。

 

 

「……こんな代理で大丈夫か?」

 

「「「「「大丈夫。問題しかない」」」」」

 

「ちょっ!?ひどくなーい!?」

 

「よりにもよって他の十天衆の殆どから言われたな。その時点で何が大丈夫なのか知らんがまともに出来るのか?そのにやけ面」

 

「いや、あのさC.C.ちゃん?ニオと似た声で辛辣な事を言わないでほしいんだけど……」

 

 

最強集団を取りまとめる頭目なのにこんな扱いである。レジェンド程ではないが彼も不憫だ。とはいえ彼以外に立候補や推薦が無いというのも事実。

 

 

「まあ、一応頭目だし任せてみるか。とりあえずこのエリアル・ベースを落としたり奪われたりするなよ」

 

「一応って!?団長ちゃん、そこは俺を信用してよ」

 

「俺を試すという名目で喧嘩ふっかけて来た挙げ句、オーフィスの腹パン一発でダウンするような奴だからな」 

 

 

シエテは凹んだ。そもそもレジェンドと戦う前にオーフィスと戦ったのだが彼女にあっさりK.O.されてしまい、レジェンドは知らないがその後グレイフィアにもシバかれた。他の十天衆も似たようなものだったが。

 

 

「シエテのフォローは私達がするから心配しないでくれ、団長」

 

「頼むぞフリーザ……あ、すまん。クウラだったな」

 

「いや私はウーノだよ!?誰かは分からないが『ー』と『ウ』っていう真ん中の部分の一文字ずつしか合っていないんだが!!」

 

 

この何処ぞの悪の帝王一族と声しか似てない真っ当な人物は十天衆の創始者であるウーノ。ハーヴィンだが髭のおかげかちゃんとした年長者と分かる。ちなみに彼はあくまで創始者であって頭目、即ちリーダーはシエテなので注意しよう。間違えると彼がまた凹む。

 

 

「とにかくだ。団長代理はシエテに任せる。ま、悪いようにはしないだろうし」

 

「ねえ団長、次はいつ頃来れそう?」

 

「向こうで学園に通ってる連中が夏休み入ってからだな。今回来たメンバーよりも一気に数が増えるぞ」

 

「嫌な音、しないといいな……でも万が一そういう音がしたら私、団長から離れないから」

 

『!?』

 

 

次回の滞在日を聞いてきたのは魔導弓のプロフェッショナルであるソーンと、琴の演奏で様々な現象を起こせるニオ。二人も十天衆、かつレジェンド狙い……しかもニオはガチ勢だ。

 

 

「背が小さくて」(※ハーヴィンだからです)

 

「……胸も小さい」(※ハーヴィンだからです)

 

「「しかも成人してる……即ちライバル……!」」(※偶然です)

 

「レジェンド超師匠、スカーサハちゃんとオーフィスちゃんからゼロ師匠以上の闘志を感じるでこざいますが」

 

「気にするな。というか二人のライバル視してる部分を満たす連中がこの世界でどれだけいると思ってるんだ。少なくとも成人ハーヴィン丸々当てはまるぞ」

 

 

その通りである。どうやら二人にとってはこの世界、ライバルだらけの激戦区のようだ。スカーサハは出身世界だというのに。

 

 

(……オーフィスちゃんはレジェンドさんと毎晩一緒に寝てる事を言ったら修羅場になるよね……あ、駄目だコレ言ったら僕も絶対問い詰められる)

 

 

かつてロスヴァイセを勧誘した事を卯ノ花に責められたリクは言葉を飲み込んだ。しっかり学習していたようで何より。

 

 

「……一段落したところで、チーフ達が帰る前に一ついいか?」

 

「どうした藤宮……真面目な話だな」

 

「ああ。こっちに来て今まで調べてきた事の中でエルステ帝国があちこちで面倒を起こしているのは話したと思うが、ちょっとした噂を耳にした。星晶獣関連でな」

 

「何?」

 

「とは言ったがまだ事実かどうかはハッキリしない。帝国兵を捕まえて尋問したわけでもないからな。だが、どうやら連中は『蒼の少女』と呼ばれる研究体を調べてるらしい。それが星晶獣に対する備えか何かになるともな」

 

 

藤宮の齎した情報は相当重要なものだった。その『蒼の少女』とやらが人物なのか、はたまたそういう名前のアイテムか何かなのかは不明だが、非常にレジェンド達にとって有益な情報だ。もしかしたらかの堕天司に対する手段足り得るかもしれない。

 

 

「詳しい事は分からんが、この短期間にも関わらず俺達にプラスになる情報が最後の最後で入手出来たのは僥倖としか言えんな。だが帝国の本拠地と言われるアガスティアに乗り込むとしたら次回だ。それまでは引き続き情報収集を優先して頼む」

 

「分かってる」

 

「さて、と……そろそろ俺達は帰るぞ。シエテ、我夢、藤宮。後の事は任せた」

 

「了解!ちゃんと戻って来てよ団長ちゃん、じゃないとただでさえ圧がヤバいのに俺本気で胃に穴が空いちゃうから」

 

 

甘いぞシエテ。たった二人の同僚兼友人に振り回され続けているんだぞ、レジェンドは。主に全身銀色のぎっくり翼経験もある奴が原因で。

 

 

「僕は今度『叡智の殿堂』というところに行ってみます。この世界だと最大級の図書館みたいなものだって話だし……禁書扱いになってるかも知れませんけど」

 

「そうなってたら仕方ないだろうな」

 

 

レジェンドには『透き通る世界』よりヤバい『レジェンドクリア』なる透視能力があるので最悪これを使って見そうな気がしないでもない。そこ、かつての一誠だったらそれを覗きに使うとか言わないように。

 

 

「いずれにしても次回はちょっと長めの滞在になる予定だ。おそらくうちに同居する事になるであろう連中を鍛える意味でも丁度いいだろ、この世界は」

 

「……それって、ドライグ達?」

 

「ああ」

 

 

それを聞いたオーフィスはバザラガを見る。

 

 

「どうした、オーフィス」

 

「我、マダオよりバザラガの方がいい」

 

「マダオ?オーフィスちゃん何それ?」

 

「まるでダメなオスドラゴン略してマダオ」

 

 

これを聞いてゼタは大爆笑した。

哀れドライグ、己の知らぬ間にお空の世界でマダオと呼ばれ広がっていく。

何だかんだ可愛がられているオーフィスを見てレジェンドは周りを再度見渡すと、そう遠くない内に戻って来るというのに別れを惜しんでいる団員と調査隊メンバーの姿が。

そして以外に、とも思われるのは―――

 

 

「ゼットお兄ちゃん、ヤイア良い子で待ってるからね!」

 

「よし、俺との約束だぞ!」

 

「うん!」

 

 

ゼットが子供らに大人気だった事だ。元々の性格もあってか子供達と意気投合しやすく、地球人の年齢で言えば14、5歳のゼットは多くの団員と仲良くなっていた。

 

 

(……騎空団、ゼットの成長に良い方向へ作用するかもしれんな)

 

 

レジェンドは穏やかに微笑む。願わくばこの騎空団の仲間達が家族として彼を支えてくれるよう―かつて自分達と共に戦ってくれた防衛チームの面々を思い出しながら。

 

 

 

 

 レジェンド一行がダイブハンガーへと帰還してからのエリアル・ベースで、団長代理となったシエテは我夢と藤宮にある質問をする。

 

 

「我夢ちゃん、博也ちゃん、ちょっといいかい?」

 

「何ですか?」

 

「博也ちゃんはやめろ」

 

「団長ちゃんと戦う事、結局出来てないんだけど……彼ってどれくらい強いのかな?」

 

 

我夢と藤宮は顔を見合わせてあっさり答えた。

 

 

「「星一つ簡単に破壊出来るエネルギーを平然と吸収・増幅してそのまま相手に撃ち返すレベル」」

 

「……え?」

 

「ちなみにそれで最低ラインまで能力落として制限してる状態だからな」

 

「概念系も無効なんで挑むなら気をつけて。本気で怒らせると残る同格二名も駆けつけてくれないと止まらないから」

 

 

ガチギレモードのレジェンドはノアとキング、さらにサーガを始め光神フルコースで漸く止められるのだ。ついでに沸点が相当高い為、今までに片手で数えて指が余る程度しかそういう事態にはなっていない。

最近巫女に迎えたアーシアが抑止力になってくれるとしても、そうそうこんな事態はあってほしくないし。

これを聞いてシエテはレジェンドに挑戦するのをやめた。

 

 

「……残る二人っていうのは?」

 

「「基本的にチーフのストレスの元凶」」

 

 

レジェンドのみならず、こっちの【エリア】のウルトラ戦士からもそう思われているノアとキングであった。

 

 

 かくして空の世界との繋がりも出来た。

 

そして、レジェンドはそう遠くないうちにこの世界で出会う事になる。

自分と共に歩む新たな家族―『蒼の少女』と。

 

 

 

〈続く〉




というわけでグランブルーファンタジーの世界にてエリアル・ベースが騎空艇扱いの上、騎空団まで出来てしまいました。
将来的には私のグラサイに乗っかってる団員がそのまま本作の団員になる感じですね。十天最終してるのがニオだけで十賢者も推しのフラウとニーアしか加入してないエンジョイ勢のぼっち団ですけど。

そういやフラウの声ってアーシアだった。
シエテがサーゼクスでタルタロスだったり、グランくんやランスロットはベリアルだったり。
何気にウルトラ声優多いなグラブル。

次回は幕間最後、サーガ組とカナエのお話。
人呼んで、グラハムスペシャル!


それではまた次回。

二択決定戦! シン一人乗りする最終ゲッターはどちらだ!?

  • 真ゲッタードラゴン(大決戦版)
  • 真・ゲッター1(スパロボα仕様)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。