ウルトラマンレジェンド Episode.CROSSOVER   作:ハジケハムスター・ポッポ

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お待たせしました。今回はちょっとシリアスな部分はあるけど基本ほのぼのとギャグで占められてます。

ちなみにあの人物が水着に着替えたシーンではグランブルーファンタジーのキャラソン『三羽烏漢唄』を聴きながらお楽しみ頂けると容易に光景が浮かぶと思われます。
ヴァーリとの邂逅は次回に。


それでは本編をどうぞ。


ほのぼの日和とプール開き(後編)

 プール開き。オカルト研究部によって清掃後に行われる筈だったそれはたった一人の人物によって狂わされた。その理由は……

 

 

「なんでもう掃除終わってるの……?」

 

 

リアスが辛うじて声を出す。そう……参加するメンバーが駒王学園に到着し、清掃する為の準備を行っている間にレジェンドが既に終わらせてしまっていたからだ。

 

どっかで見たような銀髪になる極意をフル活用して、だ。

 

カナエもそうだがレジェンド一家は何かととんでもない技の使い方というのが間違っている。確かに清掃する上で危険はあるのだろうがそんなものを使うレベルではない筈だ。

 

 

「……正直、ダイブハンガーの室内プールの方が種類も大きさも圧倒的に上だな」

 

「やろうと思えばいつでも海水浴出来る秘密基地と一緒にしないで頂戴」

 

 

ごもっともである。

何はともあれプールを使用出来る時間が大幅に増えたのは喜ぶべき事なので、男女問わず改めて水着に着替える為に更衣室へ向かう。レジェンドを除いて。

 

 

「青春してるな、あいつら……」

 

「まあ、ずっと楽しみにしていたようですし〜」

 

 

ふう、と溜息を吐いてプールサイドに腰を下ろしてスポーツドリンクを口にするレジェンド。ゼットもその隣で大の字になっている。

時期的に夏の為、燦々と太陽の光が降り注ぐが彼らウルトラマンにとっては恰好のエネルギーと化す。

 

 

「そういや超師匠はいつもと変わりませんね、服」

 

「別にただ監督役なだけだしな。暑くないのかと聞かれようと太陽表面で戦闘した事もあるから別に何ともないし」

 

「なんか今、新しい超師匠の武勇伝聞いた気がするんですが」

 

 

ゼットとそんなやり取りをしている間に男性陣が着替えを終えて戻って来た。

 

 

「あれ?レジェンド様着替えないんすか?」

 

「俺はただの監督役、保護者枠だ保護者枠。掃除を一人で片付けたんだから後はゆっくりさせろ」

 

「ゼット、お前すっげー寛いでんな……」

 

「太陽エネルギー万歳でございますよ」

 

「俺はゼットの言う事も分かるけど。地球人にとっては暑いんだよな、今日みたいな日は」

 

「だがこの晴天!筋トレにはもってこいとは思わないか!?」

 

「「「勘弁して下さい」」」

 

 

こんな日も絶好調のタイタスはポージングしており、タイガとフーマもゼット同様大の字状態だ。アストラル体の為、大きさがゼットとは変わってしまうのでゼットに寄りかかる感じになっている。

 

 

「おい、サーガはどうした?」

 

「俺ならここにいるが」

 

 

その声がした方向を振り向くと、そこには着替え終わったサーガが立っていた。完全装備で。

 

 

「「「「「……」」」」」

 

「何か問題あるか?」

 

「いや、問題はないが……」

 

 

自分の恰好を確認し直しているサーガだが、確かに問題はない。むしろどんな問題が起きても対処出来るだろう。

ライフジャケットを装着して浮き輪や酸素ボンベも用意し、あまつさえその他の応急処置用の救急セットまで完備した彼に死角はない。安全面には、の話だが。

 

 

「……学園のプールでそんな重装備の必要あるか……?」

 

「先輩、事が起きてからでは遅い事もある。一瞬の油断が命取りになる可能性がある以上、こういった安全面に関しては万全を期す必要がある」

 

「いや、まあ……それは確かにそうなんだろうが……」

 

 

なんで休息がてら来たのに神経張り詰めるような事してんのコイツ。レジェンドは正直過剰な装備だと思ったが、言っている事はその通りなので放って置く事にする。悪い事ではないし。

そうしていると漸く女性陣の着替えが終わったらしく、ワイワイガヤガヤと談笑しながらやってきた。

 

 

「皆お待たせ……ってレジェンド様、着替えてないじゃない。っていうかお願いだからせめて他人から見て涼しそうな格好して頂戴。なんでそんないつものジャケット姿で汗一つかかないのよ……」

 

「レジェンドお兄さんは疲れたのでお休みでーす。そもそもこの程度で音を上げてたらタクラマカン砂漠で丸一日戦闘訓練なんか出来んぞ」

 

「そこは普通に砂漠でいいでしょ。何故にタクラマカン砂漠?」

 

 

やはりというかリアスにツッコまれた。それはそれとしてまずやらねばならないのは想い人へのアピールである。この日の為に乱菊に付き合ってもらいながら選んだ水着を一誠に余す所無く見てもらおうと、早速リアスは行動する。

 

 

「まあ、レジェンド様なりの考えがあるんでしょうけど……それよりイッセー、どうかしらこの水着。自分でも結構攻めてると思うのよね」

 

「文句無しどころかこれで文句をつける奴がいたらブッ飛ばしてるくらい似合ってます部長!!」

 

「ありがとうイッセー、貴方に見てもらおうと気合入れた甲斐があったわ」

 

 

リアスは定番と言えば定番だろう黒のマイクロビキニを着てセクシーポーズを取っている。心なしか一誠の一部がテントになっているが詳しくは触れずスルーしておこう。

 

 

「……ソランさん、念の入り方が凄いですね」

 

「万が一という事は常に起こりうるものだからな。用心するに越した事は無い」

 

 

小猫のシンプルな白スク水とライフジャケット付重装備のサーガでは実に対照的である。

そして一番問題なのは当然……

 

 

「レジェンド、いつもとおんなじ」

 

「別にいいだろ。こちとら頭と身体を常日頃から酷使してるから少しは休ませてくれ」

 

「そうですよね、普段はあちらこちらに走り回ってますし……今日くらい休んでも」

 

「待ってしのぶ。ここで一気に押してスタートが遅れた分を取り返さないと他の皆に追いつけないわ。その為に水着のみならず『泳ぎを教えてもらう』という理由も引っさげてきたじゃない!」

 

「私は単純に教えてもらおうと思っていただけよ、姉さん」

 

「はうぅ……私も泳ぎ方を教わりたかったですけど、レジェンド様お疲れみたいですし……」

 

「あらあら、仕方ありませんわね。でしたらプールサイドでも親睦を深められる方法で……」

 

 

レジェンドが行くというのでついてきたオーフィスを筆頭に、カナエが引っ張ってきたしのぶや、アーシアに朱乃といった美少女に囲まれているのに全く普段と変わらないレジェンド。いや囲まれるのが日常茶飯事となっているし、あの超抗力ペダニウムな鉄壁理性を持つレジェンドを誘惑すること自体ほぼ不可能だが。

 

 

「グゥ……」

 

 

そしてゴジラはツチノコになっていた。

 

 

「おうどうしたゴジラ。やっぱりプールじゃなくて海が良かったか」

 

『それはそうだがよ……何か妙な感覚がするんだよ。呼ばれてるっていうのか共鳴してるっていうのか分かんねぇけどな。あ゛〜モヤモヤするぜ……』

 

 

何か気になる事があるのか、出てきたはいいものの結局何なのか分からず、こうしてツチノコ(っぽい)状態でダベる事にしたようだ。ついでに今日、モスラとゴモラはダイブハンガーでお留守番。モスラは泳ぐ術がないし、ゴモラは寝る気満々だったからである。代わりに別の一体を連れて来ている。

 

 

「そういやあと二名出て来てないな」

 

「ゼノヴィアさんはまだ着替えてる最中ですよー」

 

「どうやらこういった経験が無かったみたいで」

 

(ならしのぶが早かったのは何でだ?)

 

 

おそらくカナエの影響だろう。しのぶの学習能力が高いというのも理由の一つかもしれない。そしてもう一人。小猫についてきた彼女が一番心配だったのだが……

 

 

「お待たせにゃん、だ・ん・な・さ・ま♪」

 

『!!??』

 

 

呼び方もそうだが、やっぱりとんでもない水着だった。いや違う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

貝殻で大事なところを隠しているだけだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ブフォアッ!!」

 

「イッセー!?」

 

 

さすがに刺激が強過ぎた。盛大に鼻血を噴射してぶっ倒れる一誠。

 

 

「わっ!?何するんだよタイタス!」

 

「何だ!?どんなもん着て来たんだよ小猫の姉ちゃんは!?」

 

「私にさえ刺激が強いんだ!お前達にはまだ早過ぎる!」

 

「んな事言ったらゼットはどうなんだよ!?」

 

「すかー……」

 

「ゼットなら既に昼寝モードだから問題無い!」

 

「「一番肝が据わってないかオイ!?」」

 

 

必死にタイガとフーマに見せまいとするタイタスと、それとは反対に太陽のおかげでエネルギー補給しながら爆睡しているゼット。体育会系+アホの子キャラは変なところで強かった。

こうなったら本作のツッコミ主力レジェンドも黙ってはいない。

 

 

「それの何処が水着だァァァ!!アレか?マーメイドになったつもりか?ぴちぴちピッチなメロディーでハートフルソング歌って海の悪魔を浄化する気ですかオメーは!!」

 

「懐かしい単語聞こえたけど違うにゃー!?」

 

「あんま激しく動くな!ポロリ狙ってんの!?じゃじゃ丸とピッコロはどうしたァァァ!!」

 

『意味違うそれポンキッキーズゥゥゥ!!』

 

 

サーガや他のメンバーでは出来ないだろうハイテンションツッコミ。これに並ぶツッコミが出来るのはノアの護神隊にいるあの寺門通親衛隊隊長しかいない。どっかのオサレ漫画も主人公がツッコミだったな。

 

 

「とにかくちゃんと水着と呼べるものに着替え直せェェェ!!ここには思春期真っ只中の少年少女や純真な連中が殆どなのを理解しろォォォ!!」

 

「レジェンドが着替えるなら私も着替え直すにゃ」

 

「!?」

 

 

黒歌は一枚上手だった。貝殻がではない。

まさかの手段にカナエや朱乃はガッツポーズしている。よくやった黒歌。格好は痴女そのものだけど。

仕方なく着替えに行くレジェンドだったが、黒歌や他の者達もこの時は分からなかった。

レジェンドのそれは水着と言われれば納得はするかもしれないというものであり、なんでソレをチョイスしたのか理解出来ないものだという事を。

……杏寿郎やグラハム、カミナだったら理解してしまうかもしれないが。

 

 

 

 

 一方、ダイブハンガー。相変わらずリフレッシュルームにて多くの住人が屯っている。

そんな中、束は先日先延ばしにしたラフタの専用機について説明しており、周囲にも何人か集まっていた。

 

 

「と、いうわけでグシオンとのコンビネーションを重視するならZガンダムが一番良いと思うんだよね。らっちゃん達がいた世界じゃないからビームが効果無いケースはそう多くないだろうし、あっちはサブアーム持ちの重装甲近接重視。援護するなら高機動型で射撃戦に長けた機体がいいと束さんは思うんだ」

 

「う〜ん……悩むなぁ。こっちのZZっていうのは?一応射撃重視だけど重装甲で近接戦闘もこなせそうだけど。変形も出来るみたいだし」

 

「ん〜確かにそう見えるけどね、あっくんが聞いた話だと燃費が悪いんだってさ。大出力ジェネレーターを積んだのは良いけど、武器まで大出力にしちゃったから結局強くはなったけど戦闘可能時間が限られちゃうんだよね。ミサイルとかバルカンあってもオマケみたいなもんだし」

 

「束殿、このEx-Sガンダムはどうだ?変形可能、大出力で高機動。しかも飛び抜けてエネルギーを使うような武装もなく主兵装のビーム・スマートガンは長射程武器だ」

 

「束さんとしては推したいんだけど、それマン・マシーン・インターフェイスが搭載されてて相性考えないといけないんだよね。しかもかなり特殊なやつで作るのめんどくさいの。作ったは良いけど適応出来なかったーとか嫌でしょ」

 

 

ラフタの専用機は昭弘のネオ・ガンダムグシオンリベイクフルシティとのコンビネーションを考慮して宇宙世紀の機体を選考している。上記の機体はZガンダムを除いてアムロも見た事がない為、レジェンドに頼んで世界情報から解析したものだ。

 

 

「あ、これは?デルタプラスっていうの、年代的にマリーダさんの世代のやつ」

 

「悪くはないけどパンチ力に欠けるねー」

 

「……公式の記録は抹消されているようだが」

 

「「ん?」」

 

 

巌勝が提案したのはとんでもないMS……いや、MAだった。

 

 

「このGP−03デンドロビウムというのはどうだ?」

 

「良いねそれ!年代的に見落としてたよ!」

 

「いやいやいやそれ今までの案で一番駄目なやつ!!モロ単機突撃狙ってるような機体じゃん!!コンビネーション何処行ったの!?」

 

 

コンビネーションもへったくれも無い機体を推薦する兄上と天災。どちらも弟、妹持ちである。Ex-Sの案といい思考が似通っている部分があるようだ。

 

 

「もーさ、色々考えるのめんどいからこのサザビーやナイチンゲールってのでいいじゃん。あっくんのライバルっていうロリコンが乗ってたやつ」

 

「アタシはニュータイプでもイノベイターでもないしロリコンどころかショタコンでもないっ!!」

 

「サザビー達に罪は無い。元凶はそのロリコンだ」

 

「確かに第二次ネオ・ジオン抗争とアクシズ落としの元凶はそうだけどさ!?」

 

 

最早漫才である。そしてシャア・アズナブル……全く世界観の違う世界出身者からロリコン呼ばわりされるとは気の毒である。

近くにいた乱菊や夜一なんか爆笑しているし。ロスヴァイセは今まで挙げられた機体の製作費(元の世界換算)を見て青くなってガタガタ震えていた。

 

 

「み、見たことのない金額ばっかり……」

 

「ろせちゃん百均のが好きだもんね。あんま見ない方がいいよ」

 

「ででで、でもでも!これにさらに維持費とか整備費用とか掛かるんですよね!?」

 

「うん」

 

「……はうっ……」

 

 

ロスヴァイセが気絶した。かく言う彼女も今は結構な給料をレジェンドから貰っているのだが、それでも気を失う額だったらしい。

 

 

「ロスヴァイセー?……ダメだこりゃ、意識飛んじゃってるわ。あたしちょっと卯ノ花先生のとこ連れてくわね。なんていうか巌勝の時以来救護班みたいな役回りになってんだけど」

 

「時に乱菊、倒れたのがレジェンドだったらどうする?」

 

「んなもん決まってるわよ。自分の部屋に連れてくわ」

 

「いっそ清々しいのう……」

 

 

ドヤ顔で言い切る乱菊に少しばかり感心してしまう夜一であった。そして、そういえば今日は涼子もいたな、と思いつつ今だ目の前で行われている漫才じみたやりとりを見物する事にする。

 

 

「よし、それじゃあ逆転の発想でいこう!MSじゃなくて特機で考えよう!」

 

「アミダ殿、アジー殿と組んで女性ゲッターチームというのは?」

 

「面白えじゃねえか。俺が直々に指導してやるぜ」

 

「いやあああああ!?絶対指導じゃなくて死導になる!ゲッターの恐ろしさを教えられて死へ導かれるぅぅぅ!!」

 

「いや、一度死んでんだろお前」

 

 

……ラフタ、専用機完成まで前途多難である。

 

 

 

 

 それは青天の霹靂であった。

誰が予想出来ただろうか。誰が考えたであろうか。黒歌は確かにちゃんとした水着に着替えた。レジェンドも着替える事を条件に。仕方なくレジェンドは着替える事にした。そして着替えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真っ赤な太陽ならぬ赤褌に

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『…………』

 

「着替えたぞ。これで文句は無いな」

 

「い、いや、その……」

 

 

正直予想の斜め上を行った。衝撃的だとしてもブーメランパンツとかそこらへんか、もしくは着替えるフリして逃走するかと予想していたのたが全然ハズレだった。

ただ一言、全員が思った事。

 

 

((やけに似合い過ぎてて反応に困るんですけど!!))

 

 

首元で纏めた後ろ髪と赤褌が夏風によって同じ方向に靡く中、腕組みしながらキリッとした表情で仁王立ちしているレジェンドは鍛え抜かれた肉体と、美しい系ではなく格好良い系のイケメンである事も相まって絵になっている。

空の世界のエリアル・ベースから「ソイヤ!!」の声が、そしてカナエのお気に入り着うたの『三羽烏漢唄』がBGMで流れていそうな気がするくらいだ。

 

 

「どうした。プールを堪能しないと時間など早々に過ぎ去っていくぞ」

 

「そ、そうね!というわけだからプール開きよ、皆!!」

 

『お……おー!!』

 

 

動揺している他のメンバーに対して、レジェンドは全くそんな様子が無い。先程の小猫と同じく、重装備のサーガに対して赤フン一丁のレジェンドは非常に対照的である。

 

 

 

 

 

 漸く正式にプール開きという事で、サーガは小猫に頼まれ泳ぎを教えている。水中戦を経験している以上に本居がアクアエデンという海上都市である事もあり、そちらの方面に知識や技術が豊富だ。加えて今回はライフジャケット他も装備しているとあって小猫が安心して特訓出来るというのも理由の一つ。

 

 

「ぷはっ!」

 

「小猫、一旦休憩する。コツは掴めただろうから後は経験と慣れだ。ここまで上達出来れば他は自然と身に付いてくる」

 

「分かりました。ソランさんって水泳得意だったんですね」

 

「得意というより必要だから自然と覚えていったという方が正しい。あとは俺の本居の場所が場所だから、という理由もあるな。なんせ海上都市だ」

 

「海上都市……」

 

 

小猫としてはサーガの本居があるという海上都市が気になって仕方ない様子。

そして、赤フン総大将なレジェンドはアーシアとしのぶに泳ぎを教えている最中だ。もっともしのぶはあっさりモノにしたのだが。なお、オーフィスはダイブハンガーで暮らし始めた年から屋内プールで泳いでいた為、すいすい泳いでいる。黒歌とカナエは競争中。

 

 

「あっちの二人は元気だな」

 

「お二人とも凄い速いです」

 

「姉さんったら……そういえばゼノヴィアさん遅いですね」

 

「こりゃ保護者のサーガを見に行かせた方がいいな」

 

 

ちょうどいいか、と休憩中のサーガと小猫を呼び二人にゼノヴィアの様子を見に行かせるレジェンド。

育ての親として彼なりの気の利かせ方でもあるそれを見たしのぶは微笑んだ。

 

 

「さり気なくあの二人を後押ししたんですね」

 

サーガ(あいつ)も俺と同じ、小猫を庇護対象としかまだ考えていないだろうが向こうは多少なりとも意識してるだろうし、こういう場面でアドバンテージ得といた方がいいだろ。育ての親目線から見た感じだがな、サーガはかなりモテるぞ。俺と違って」

 

「……最後以外は同意します」

 

「最後以外ってなんだオイ。俺は全くモテてないってか?恋愛なんて影も形もありゃしないってのかコノヤロー」

 

「私は恋愛なんてしてる余裕がありませんでしたから、あまり偉そうには言えな……」

 

「すればいいだろ、恋愛。今からでもな」

 

「……え?」

 

 

アーシアとしのぶをプールサイドに上がらせて、自身はプールの表面に胡座をかく。なんでそんな超人技ホイホイ出すんだこの人。

それはさておき、先程はかなり真面目な声色だった。

 

 

「確かに今はこの【エリア】レベルで異常事態が多発しているが、しのぶ自身は今や柱という要職から外れ、さらに言うなら鬼殺隊でもない。重責を背負っていた昔と違って大いに自由な筈だ。卯ノ花やアーシア、そしてモスラによって身体の方も殆ど回復している。年頃の乙女らしく恋愛したって構わんだろう」

 

「……でも、そういう状況でないのも事実です」

 

「今こんな事してる時点で状況もへったくれもあるか。他の連中を見てみろ。気を抜きまくってる上、先日来たノアなんか護神隊まで連れてダイブハンガーに入り込んだ挙げ句人んちの食卓に紛れ込んでたろうが」

 

 

確かにアレを見て正体を聞いた時は顎が外れそうになったものだ。他の【エリア】を統括する最高位光神があっさりやってくるとはさすがに予想外だった。本来なら連絡すべき同位のレジェンドさえ驚いていたし。

 

 

「自分の視野を必要以上に狭めるな。でもけどだってをいつまでも続けたところで前に進むどころか下手すれば逆走しかねん。いっそ自分がしたい事を思い切りやってみろ。あまりに第三者から見て他者に迷惑かけるのを当たり前だというような所業じゃなければ、フォローの一つや二つ俺がしてやる」

 

「私が、したい事……」

 

「望む望まぬは別として、いくつもの奇跡が重なって拾えた命だ。元の世界で頑張ってきた分、自分にご褒美あげると思って己なりに今生を謳歌すればいい。少なくとも俺達は誰も責めんし、何か言ってきたら俺が盾になってやろう」

 

 

プロポーズと言えなくもない言葉をよくもまあスラスラと並べられるものだ、と思いつつもしのぶは心が軽くなるのを感じる。残してきたカナヲ達は気にかかるが、レジェンドやノアの話から鬼舞辻無惨はこちらの日本地獄で折檻中で彼女らも無事との事。これから彼女らはそれぞれの道を歩むのだし、自分も踏み出してみよう。

そう考えたしのぶは早速レジェンドにお願いしてみる。

 

 

「ならレジェンド様、そのお言葉……忘れないで下さいね」

 

「ああ、安心しろ」

 

 

姉が、皆が彼を好いている理由が少し分かった気がする。まだまだ彼については知らない事ばかりだし、近くで見ながら少しずつ知っていこう。しのぶがそう決意した時、爆音と共にゼットが吹っ飛んできた。

 

 

「ぶほっ!!」

 

「「ゼット(さん)!?」」

 

 

突如吹っ飛んできたゼットに驚く二人だが、今までシリアス気味だった雰囲気のせいか口を挟めなかったアーシアがすぐに治療する。

 

 

「あ、これ効く」

 

「そんな事より何がどうなってそうなったんですか?」

 

「実はですね、リアスちゃんと朱乃ちゃんが『一誠君と超師匠どっちが可愛くて格好良いか』で白熱しまくりましてその結果がこんな大爆発でございます、しのぶちゃん」

 

「「「いやどんな結果!?」」」

 

 

レジェンドとアーシアもしのぶと一緒になってツッコんだ。ゼットが吹っ飛んできた方向を見ると魔力弾が飛び交っている。いくら他に人がいないとはいえ白昼堂々あんなド派手なバトルしていいのか。

 

 

「訂正なさい朱乃!可愛くてしかも強いのは私のイッセーよ!!」

 

「お断りするわリアス!可愛いのはともかく強くて格好良いのはレジェンド様に決まってます!!」

 

「……うわぁ」

 

「え、何コレ元を辿れば俺と一誠が元凶なの?だとしたらもう一人の元凶は何処に……」

 

 

よく見るとゼット同様巻き込まれたのか、プールサイドでタイガらに看病されている。……ついでに黒歌とカナエはプールに入ったまま対処中。サーガや小猫、ゼノヴィアは今も戻って来ない。オーフィスはプールから上がりてくてくとレジェンドの元に来た。ゴジラはツチノコのまま。あと一体のカプセル怪獣は行方不明。

 

 

「レジェンド、何か大混乱になってる」

 

「もうこれプール開き云々どころじゃないな」

 

 

せっかく少しは寛げると思ったのに、と嘆息しつつレジェンドが止めに入ろうとした時、やっとサーガと小猫がゼノヴィアを連れて出てきた。小猫はどこかホッとしたような顔をしているし、何があったかサーガに聞いてみると。

 

 

「更衣室でゼノヴィアに子作りしようと言われた」

 

 

その瞬間、レジェンドは集中が切れてプール表面に腕組み仁王立ちしてたからかそのままプールにドボン。アーシアとしのぶは即座に真っ赤になり、カナエは「きゃー!」と頬に両手を当てて赤くなるものの何故か嬉しそう。黒歌は「まさか意外な攻め方を!」と驚いていたし、オーフィスに至っては……

 

 

「我もレジェンドとしたい」

 

アウトォォォ!!オーフィス!そんな事ここで言っちゃいけません!そういうのは夫婦になってから!!」

 

「……?だったら我とレジェンド、問題ない」

 

「とにかくこの話は終了!おしまい!オーケイ!?」

 

「超師匠、コヅクリってなんですか?」

 

「ゼットはそのままでいてくれ。ちゃんと年齢相応に勉強する事になるから、急がんでいいから」

 

「ラジャっす」

 

 

今日はゼットのアホの子属性に救われてばかりな気がする。

 

 

「レジェンド様、ソランさんと一緒に行かせてくれてありがとうございました」

 

「女子更衣室なのに男一人はマズいと思ったからだったんだが、結果としては良かったのか」

 

 

おそらくサーガ単体で行かせていたら修羅場が出来上がっていたに違いない。もう一箇所でドンパチやられてるところだった。

 

 

「んじゃ、そろそろ止めますかね」

 

 

そう言うとレジェンドは再びプール表面に仁王立ちし、オーロラルパワーを発動。するとリアスと朱乃の魔力弾全てがレジェンドに吸収されていく。さすがにこれに驚いて二人は魔力弾を撃つのをやめレジェンドの方へ向くと、レジェンドはふっと笑ってオーロラルパワーの特性の一つによって吸収した魔力弾を質・量共に千倍に増幅、大空にぶっ放した。唖然とするサーガやオーフィス、ゴジラ以外の面々にレジェンドは言い放つ。

 

 

「身内で命がけの大喧嘩……ダメ、絶対」

 

『すいませんでした』

 

 

何故かリアスと朱乃以外、レジェンドと上記の三人以外も平身低頭覇(DOGEZA)状態。

ぶっちゃけレジェンドもそういうレベルの特訓課したりしてるからどうかと思うのだが、それはスルーしておく。

プール開きの楽しさよりも、レジェンドの規格外ぶりを再認識する日になってしまったオカルト研究部+αであった。

 

 そしてその後、彼らは帰ろうとした時に出会う事になる。今までどこに行っていたのか分からなかったカプセル怪獣と、それに本気でビビっている白龍皇に。

 

 

 

〈続く〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 余談だが、大空にぶっ放された魔力弾はというと。

 

 

「見えたぞ、地球だ!今こそ惑星レジェンドを支配下に置けなかった雪辱を、この星を支配する事で晴らす時!」

 

「直接星へ侵入すると前回の部隊の時のように全滅させられる事があるかもしれん!それを踏まえて今回は惑星の衛星軌道上から――」

 

「報告!ち、地上からあり得ない程の強大なエネルギーが!!」

 

「な、なんだと!?」

 

 

 

 

 

『オゥアァァァ!?』

 

 

 

 

 

……地球侵略を企むバド星人達の円盤群を一瞬で消滅させていったという。その後、魔力弾も完全消滅した為、被害は実質その円盤群(と一誠とゼット)だけだった。

どっとはらい。




次回はヴァーリとの邂逅と、いよいよ現れるあの怪獣との初戦の導入部のため短くなるかな?
とりあえずガイア&アグル活躍アンケートは次回まで、その次も彼らに加えてダイナ&グレートも関わるアンケートを実施予定です。


それではまた次回。

二択決定戦! シン一人乗りする最終ゲッターはどちらだ!?

  • 真ゲッタードラゴン(大決戦版)
  • 真・ゲッター1(スパロボα仕様)
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