ウルトラマンレジェンド Episode.CROSSOVER   作:ハジケハムスター・ポッポ

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お待たせしました。プール編は今回で終了。
ヴァーリの見せ場なのに主人公含めてヤベーイ!な奴ばかりなせいでプレッシャーも何もなかった。
後悔はしていない。

ガイア&アグルのアンケートは今回まで、次回のアンケートに関してちょっとだけ先出しするとゴーデスとの決戦に関してになります。


それでは本編をどうぞ。


白龍皇、そして……

 プール開きを終え、帰宅準備を行う面々の中で一足先に準備を済ませた一誠は水飲み場に向かっていた。

男が彼を除けばレジェンドとサーガ(ゴジラともう一体もそうだが)のみなので、海パンだけだった一誠は帰宅準備も早かったのだ。レジェンドは褌故に多少時間を要し、サーガはそもそも重装備。女性陣は言わずもがな。

 

 

「なんつーか、今日息抜き出来たの最初だけの気がすんだけど」

 

『リアス・グレモリーとその女王の喧嘩のとばっちりを受けてたからな』

 

「ゼットも受けてたけど平然としてたな、アイツ」

 

「鍛えている証拠だ!感心感心!」

 

「鍛えてどうにかなるレベルかな……普通に直撃してたけど」

 

 

夕方になって少し涼しくなってきたとはいえ、夏本番まであと僅かだ。授業参観の後は期末テストなんかもあるが、ダイブハンガーへ下宿してからは全員で勉強したりしているし、レジェンドや束を筆頭にデタラメな頭脳の持ち主から色々教わっている為、そちらも問題ない。

 

 

「あれ?そういやレジェンド様がさ、夏休み入ったらここじゃない別世界巡り修行旅やるって言ってなかったっけ?」

 

「ああ、言ってたな。時間移動はお手の物だから、いっそ年単位分くらいやるかとか。俺達ウルトラマンとか一誠やリアスみたいな悪魔、それに光気を浴びたメンツだから各種年齢問題も大丈夫だって」

 

「……あのよ、ロスヴァイセってまだガチ人間じゃなかったか?」

 

「レジェンドと過ごす時間も増えているし、平気なんじゃないか?杏寿郎やしのぶも似たようなものだろう」

 

「「「なるほどー」」」

 

 

まだそれほど一緒の時を過ごしていないのに仲が良過ぎる一誠とトライスクワッド。互いが歩み寄っているからこそこれだけの信頼関係が生まれているのだろう。

 

 

「そうそう!ゼットに聞いたんだけどさ、空の世界にはガイア先輩やアグル先輩が行ってるんだって。向こうじゃレジェンドを団長にした『ウルトラ騎空団』とか作って活動してるとか」

 

「島が浮いてるのが当たり前なんだろ?想像つかねえな〜いや、空を飛び回る俺達が言うのもなんだけどよ」

 

「しかもその世界では種族レベルで屈強な肉体を持つ者達が存在し、ウルトラ騎空団にも多数いるという話だ。杏寿郎とも話したが、今から楽しみで仕方ない!」

 

「あ、部長もそんな感じだったな。本来なら冥界の次期当主として領地がどうのって言ってたんだけど、たぶん今度の会談でレジェンド様がとんでもないもん持ち込むらしいからそれどころじゃなくなるだろうって。部長だけは知らされたみたいなんだけど、レーティングゲームに関わる重大な事みたいだぜ」

 

 

そんな話で盛り上がる四人だが、水飲み場に着きふと前を見ると見慣れぬ少年と、よく見知った存在が対峙……というより少年側が一方的にやたら警戒しているようだ。

 

 

「なあ、あれって……」

 

『白いのの宿主だな。まあ、奴があれを見たら恐怖してああなってもおかしくないか』

 

 

少年と相対しているのは、今日連れてきたのにプールでめっきり姿を見なかったカプセル怪獣・ハイパーゼットンだった。

 

 

 

 

 

 話は少しだけ、一誠達もまだ着替えている頃に遡る。

近々行われる三大勢力の会談。その開催場所となった駒王学園へと白龍皇―ヴァーリは足を運んだ。

この町にアザゼルの付き添いとして来ている以外にもう一つ目的があったからだ。無論、赤龍帝絡みである。

 

 

(あの時、あの場にいたウルトラマンの一人が『赤龍帝の籠手』を身に着けていた。最初からウルトラマンに神器が宿ったとも思えないし、可能性があるとしたら神器持ちにウルトラマンが一体化したという事だ)

 

『どうした?随分と考え込んでいるようだな』

 

「まあね。なにせ赤龍帝にしてウルトラマンだ。興味が沸かないほうがおかしいだろう?」

 

『確かにアレを見た時は驚いたが……それ以上に』

 

「……やめてくれ。さすがに思い出したくない」

 

 

デコピン一発で禁手化しているにも関わらずブッ飛ばされた。鎧もそれだけで粉々にされたし。

とはいえそれは『白い龍(バニシング・ドラゴン)』アルビオンも同じ気持ちだ。

 

 

「何者かは知らないが相当な実力者だ。おそらくはアザゼルでは太刀打ち出来ないだろう。かといって俺も今の状態ではどうする事も出来ないが」

 

(……正直、今より爆発的に成長したとしてもヴァーリの勝つビジョンがまるで見えん相手だったがな)

 

 

アルビオンの言葉は最もである。

何せレジェンドやサーガは日常的に……いや、()()トレーニング状態にあり、実はこうしている間にも成長し続けているのだ。逆に言うと常日頃からそんな状態の為、いざそれなりの力を出そうとして解放すると、以前よりもパワーアップし過ぎてて自分でも初見制御が難しいという事態に陥ってしまっているのだが……

それはそれとして、どうやって赤龍帝と接触しようかと考えていたヴァーリだが、横から変わった声が聞こえてきた。

 

 

 

 

 

「じぇっとん」

 

 

 

 

 

『!!!???』

 

 

 

 

 

 一瞬にしてアルビオンが圧倒的恐怖に襲われ、トラウマも呼び起こされた。忘れるはずもなく、出来る事なら二度と聞きたくなかった声によって。

 

 

『あ……あ……あ……』

 

「ん?おい、どうしたアルビオン」

 

『ヴァーリ!すぐにここから離れろ!!』

 

「何言ってるんだ。せっかく赤龍帝に会いにここまで『離れろと言ったんだ!!死にたいのかお前は!!』ほ、本当にどうしたんだ?」

 

『奴が……!能力を使ったにも関わらず、たった一撃……それも半分の力だけで俺を瀕死に追い込んだ奴が近くにいる!!』

 

「何……!?」

 

 

アルビオンの尋常ならざる怯え具合から、それは間違いない事を察したヴァーリだったが、戦闘狂気質が刺激され逃げるどころか一目見てみたい欲に駆られていた。

 

 

「ならば一度目にしておかないとな。いずれリベンジしなければならない相手だ」

 

『バカかお前!?バカだろ!!俺は忠告したし、力も貸さんぞ!!下手に仕掛けて神器のまま完全に消滅させられたくない!!』

 

「なっ……!」

 

 

あまりのアルビオンの言い分にさすがのヴァーリも言い返そうとするが、声の主は間近に迫っていた。

 

 

「じぇっとん」

 

『ぎぃぃぃやあああああ!?』

 

 

ヴァーリが後ろを振り向くと、そこにいたのはいつものちっこいサイズのハイパーゼットン。

拍子抜けしたヴァーリに気にする事なく、ちょこちょこと近くの水飲み場の蛇口をひねり、出した水で手に持っていたタオルを濡らしている。器用である。

 

 

『奴だ……!姿形は違うが俺を殺しかけた奴と同種の存在だ!!』

 

「……あの黒くて小さいのが?見た目は変わっているとはいえ、とてもそうは思えないが」

 

『俺がやり合った時は60mはあった!きっと擬態しているに違いない!』

 

 

当たらずとも遠からず。擬態ではないが、かといって任意でこうなっているわけでもない。ある意味任意かもしれないが。

で、ここに一誠やトライスクワッドが到着したわけである。向けられている視線を感じてハッとしたヴァーリ(とアルビオン)は慌てて平静を粧う。

 

 

「やあ、良い学校だな」

 

「ああ、うん……」

 

「「「……」」」

 

 

一部始終ではないとはいえ、先程のやりとりを見てしまったので冷めた返事しか出来ない一誠となんとも言えない表情のタイガらトライスクワッド。

 

 

「じぇっとん」

 

「あ、ハイパーゼットン。お前どこ行ってたんだ?プールじゃ見かけなかったけど」

 

「じぇ」

 

 

ハイパーゼットンが腕を指した方向には少し大きめのバケツが置いてあり、その中に水……というか気温のおかげでぬるま湯が入っている。

どうやら置いてあったバケツに自分で水を入れて水風呂していたようだ。カプセル怪獣のサイズなら丁度良い大きさだったらしい。

 

 

「お前ってホント頭働くよな〜」

 

「?」

 

 

頭をポンポンされて何の事か分からず首を傾げるハイパーゼットン。可愛い。

ただし、約二名はそうではないようで……

 

 

(ハイパーゼットンって言ったか今!?ハイパー!?あの時の奴と形が違うと思ったら進化系か何かなのか!?)

 

 

アルビオンは新たな事実に狼狽えまくり。

 

 

(なるほど、相手が強者だろうと物怖じしないという事か。中々面白いな、赤龍帝)

 

 

ヴァーリは微妙に勘違いしている。一誠がハイパーゼットンを恐れないのは危害を加えない限り攻撃してくる気がなく、何よりレジェンド一家の一員だからである。

もし喧嘩売ろうものならレジェンドらに確実に消される。というか返り討ちにされる、間違いなく。

 

 

「んで、白龍皇がこの学園に何の用だよ」

 

「……!気付いていたのか」

 

「いや、ハイパーゼットン(こいつ)に対してやたら警戒してたところを見たドライグが言ったんだけど」

 

 

この世界でゼットン系統にビビるとしたら、レイブラッド事変でその力を直に見ていた古参の連中か、もしくはそれに関わる人物くらいである。古参にしては若過ぎるし、驚き具合が半端ない事から直接被害を被った『白い龍』の関係者だとドライグは理解したらしい。まあ、白い龍の直接の関係者と言えば宿主たる白龍皇か、宿敵の『赤い龍』ドライグしかいないんだが。

そうか……と一呼吸置いて、ヴァーリは自己紹介する。

 

 

「改めて、初めまして。俺は白龍皇のヴァーリだ。早速で悪いが赤龍帝、君はこの世界で何番目に強いと思う?」

 

「そうだなー……百万位以内に近いと良いけど、宇宙警備隊より強い連中も居るし、良くて一千万位前後……も自己評価高過ぎだよなー」

 

「……は?」

 

 

ヴァーリは間抜けな声を出した。彼が少し高めの順位を言ったら訂正しようと思ったが想像以上に低過ぎる。

 

 

「自己評価が高い?何処がだ、既に禁手化しているらしいし、神器に今までに無い新たな能力を目覚めさせたという君が何故そこまで自分を低く見積もる?」

 

「はあ?何言ってんだよ。お前宇宙がどんだけ広くて高レベルどころか超レベルな連中だらけだと思ってんだ?千位だの一万位だのじゃ、その方が認識甘過ぎだろ」

 

 

逆に言い返されてしまい、ヴァーリは口を噤む。

 

 

「あ、タイガの親父さんは上位にいるよな、絶対」

 

「つーかウルトラ六兄弟はもれなく上位陣だろ」

 

「婆ちゃんは戦闘向きじゃないにしても、爺ちゃんや総司令は最強クラスだよな」

 

「待て!最強と言えばU-40最強の戦士、ウルトラマンジョーニアスを忘れてはいけない!」

 

『ウルトラ兄弟が認めた継国縁壱とかいうバケモンもいるだろ。その兄も大概だ。レジェンドにせよサーガにせよ光神が連れてる奴が揃いも揃っておかしいんだよ』

 

「じぇっとん」

 

「「「「『そういやお前もその一角か』」」」」

 

 

ヴァーリを放置して談笑を始めてしまう一誠達。

アルビオンは宿敵のドライグが平然とハイパーゼットンと話せている事に驚きを隠せない。

 

 

『おいドライグ!何でお前はそんなに普通に喋ってるんだ!?』

 

『何で荒ぶってるんだアルビオン。一緒に暮らしてりゃこうなるだろ』

 

『はあ!?』

 

 

さらにとんでもない事を聞いた。今なんつったこの赤いの?一緒に暮らしてる?

 

 

「やけに親しそうにしていると思ったらそういう事か。まあいい。君の言う事が事実なら魔王たるサーゼクスさえトップ10どころかトップ100も難しいだろう」

 

「……縁壱先生にビビりまくってたあの人が?」

 

「……え?」

 

 

先程と同じく間抜けな声を出してしまった。また聞いた事のない名前が出てきたが、名前を聞く限り日本人という事しか分からない。

 

 

「この国にそんな実力者が……」

 

「いや、ここじゃなくて……」 

 

「イッセー、何やってるの?私達も準備出来たわよ」

 

 

その声に振り向くとリアス達が帰宅準備を終えて勢揃いしている。どうやらこれまでのやりとりの最中に合流したようだ。

 

 

「あ、すいません部長。なんか絡まれちゃって……あれ?レジェンド様とサーガ様は?あとゼットさんも」

 

「え?さっきまで一緒にいたのに……」

 

 

どうやら一誠以外の男二人とゼットが消えたらしい。ゼットに関してはレジェンドと一体化してる都合上だろうが。

これ幸いにとヴァーリが再び会話の主導権を握ろうと話題を振る。

 

 

「まあ、ともかく……上位がどれだけひしめき合っていても一位は決まっている。そう、不動の一位が」

 

『それ、レジェンド(様)確定』

 

「……」

 

 

尽くヴァーリの自信を叩き潰してくるオカ研一同+αであった。彼としては無限(オーフィス)夢幻(グレートレッド)と言いたかったのだが、実際はオーフィスはレジェンドに特訓をつけてもらい既にグレートレッド以上の強さの上、その前の時点でグレートレッドはノアの誤射一発で死にかけている。ハナっからヴァーリの考えは間違っていたのだ。そもそも世界程度の物差しで宇宙や次元レベルの相手を測れる訳などない。

 

 

「……今日は、視察ついでに来ただけだから……」

 

「なんか、あからさまに落ち込んでんな」

 

「言った事全てに反論して黙らせていたからな」

 

「でもなんでだろ……同情する気が起きない」

 

 

トライスクワッドによる追撃。もうやめて!ヴァーリのHPは0よ!

 

 

「もしやる気なら私達は構わないぞ」

 

 

ここでゼノヴィアがデュランダルを取り出して構えているが、震えこそないものの冷や汗が垂れている。

 

 

「やめた方がいい。君達では俺に敵わない。いや……そこの黒髪の女性剣士や妖怪なら分からないな。あとは……」

 

 

 

 

 

「偉そうにほざいているが禁手化しておきながら俺にデコピン一発でブッ飛ばされたのは何処の誰だ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その声に振り向いたヴァーリの表情がエ○ル顔と化した。

 

 

 

 

 

「うわああああ゛あ゛あ゛!!!」

 

「やかましい」

 

「先輩、ハイパーゼットン見つけたぞ」

 

「お?やっと見つかった。何してたんだお前」

 

「じぇっとん」

 

「な〜る、バケツで水風呂か」

 

「今ので分かるのか!?」

 

 

帰宅準備を終えて姿を消していたレジェンドとサーガがヴァーリの背後から現れた。どうやらこの二人もハイパーゼットンを探していたらしい。遅れる形でゼットも到着。

 

 

「超師匠、こっちにはいな……あ!いた!」

 

「じぇっとん」

 

「よし、全員揃ったし帰るか。聞いて驚け、今日はすき焼きだァァァ!!」

 

「マジっすか!?やっべ早く帰って手伝わねーと!」

 

「なあイッセー、すき焼きって何だ?」

 

「俺知ってるでございます!野菜や肉がグツグツ煮込まれた鍋から好きな物を取って食べる料理!」

 

「「何それ美味そう!!」」

 

「今夜はスーパーすき焼き大戦が巻き起こるな!」

 

「せめて……最後くらい言わせてもらえないだろうか……」

 

「「「「「ん?」」」」」

 

 

精神的にやられまくっているヴァーリがプルプル震えながら声をかけてきた。精神的にだけでなく、レジェンドの頭にハイパーゼットンがしがみついているという状況もヴァーリとアルビオンのトラウマにダブルパンチかましている。

 

 

「早くしろ」

 

「ゴホン!リアス・グレモリー……『二天龍』と称されたドラゴン。『赤い龍』と『白い龍』。過去、関わった者はろくな生き方をしていない。あなたはどうなるんだろうな?」

 

「どうもこうもないわ。世界の現状からしてもうとんでもない事になってるじゃない。今更よ」

 

「どうせ過去の連中がロクデナシばかりだったんじゃないか?」

 

「先輩、事実だろうがさすがに言い過ぎな気がするぞ」

 

「いえ、サーガ大先輩も事実とか言っちゃった時点で酷いと思いまする」

 

 

……今日のヴァーリ、精神にトドメを刺された。最初から最後まで反論されっぱなしで撃沈。肩を落としながらトボトボと帰って行った。

 

 

「何しに来たのアイツ」

 

「我、分かんない」

 

 

レジェンドとオーフィスは冷めていた。というかアルビオン、オーフィスに気付いていたのかいないのか。

今度こそ帰るか、と校門を全員で出た途端に通信が入ってきた。

 

 

『チーフ!サーガや皆も揃ってますか!?』

 

「おうどうしたミライ。すき焼きの具が足りないなら買い足してくぞ」

 

『いえ、そっちは超が付く程たくさんありますので心配ありません。ってそれじゃなくて!』

 

 

通信してきたミライと軽くコントじみたやりとりをしたレジェンドだが、ミライの様子から只事ではないと感じとり真面目な表情になる。

 

 

「……そこは帰り道に寄れそうな場所か」

 

『ッ!はい、学園からは遠いかもしれませんが、仮住居からは比較的近い場所……小津盧湖です!』

 

「小津盧湖……確かに近いといえば近いな。割と大きな湖だったはずだが……その湖畔に屋敷兼研究所が建ってなかったか?」

 

『はい、この世界において遺伝子工学の権威である黒上博士の研究所があります。ひっそりと暮らしているようで近隣の住民くらいしか知らなかったそうですが』

 

 

遺伝子工学という事でレジェンドは何かを思い出した。同時に、今もカプセルの外に出てオーフィスに抱えられているゴジラも何かに気付いたように表情を引き締める。

 

 

「ミライ、改めて聞く。何があった」

 

『実は、たった今……小津盧湖に巨大な薔薇ようなものが現れたんです』

 

「巨大な薔薇って……何か突然変異的な?そんな驚く事なのかしら」

 

「リアスさん、湖畔に咲くならまだしも……湖に、というだけでもおかしいと思いますよ。ミライさん、その薔薇はどんな様子なんですか?」

 

 

リアスの疑問に自分の考えを述べつつ、レジェンドの通信モードのブレスレットを横から覗き込みながらしのぶがミライに尋ねる。結構密着しているので、普段ならカナエらが多少なりとも騒ぐだろうが彼女も真剣な表情である為それもない。

 

 

『しのぶちゃんが気になるのは最もだと思う。その薔薇は花が顔だとして、蔦が身体みたいになってるんだ。塔みたいって言った方が正しいかな』

 

「「「「「!?」」」」」

 

 

これだけでもかなり不可思議だがその直後のミライの言葉にさらに驚愕する事になる。

 

 

『それ以上に問題なのが大きさ。全長100mはある。しのぶちゃんにも分かる単位だと……大体330尺くらい』

 

「「「「「ひゃっ……100m!?」」」」」

 

「330尺……!?下手すれば城よりも大きいですよ!?」

 

 

最早偶然などと言えるものではない。急いで調査すべきだと判断したレジェンドらにゴジラが声をかけた。

 

 

『おい、レジェンド、オーフィス』

 

「どうした、ゴジラ」

 

「何かゴジラ、ピリピリしてる」

 

『向こうに着いたらオレ様を出せ』

 

「「!」」

 

『あっちのモスラが言ってただろ。オレ様の細胞がどうこう。朝から感じてたモノはたぶんそれだ』

 

 

おそらくゴジラはその薔薇に己の細胞と同質の細胞が使われていると踏んだのだろう。そもそもこの世界で元の大きさになった事は『禍の団』を潰す時くらいで、しかも無傷だった。細胞を採取された経験などなく、そんなマネをする奴をレジェンドが見過ごす筈も無い。だとすれば平行世界から持ち込んだとしか考えられない。

 

 

「何にせよ現場に行かなくては詳しい事が何も分からんし始まらん。ミライ、他の連中にも通達していつでも対処出来るように準備しておけ。ここにいるメンバーは速やかに小津盧湖へ向かうぞ」

 

「「「「『はい!』」」」」

 

(オレ様が直接やり合った経験はないが……記憶はある。継承でもされてんのかどうかは知らんが、そんな事はこの際どうでもいい。間違いなくそこにいるのは奴だ)

 

 

レジェンドの号令にはっきりと返事をする一同。

そんな中、ゴジラは自身の記憶の中のある怪獣を思い出していた。巨大な薔薇、己の細胞、そして湖。そこから導き出された答えはさらなる災厄の幕開けにすぎない。

 

 

(奴だとした場合……もしかしたら奴を完全に倒してもあの野郎が宇宙で生まれる可能性だってあるって事か。上等だ……もしかしたらってのは奴らだけじゃねぇ。話が本当ならアーシアがオレ様にさらなる覚醒ってのをもたらすらしいしな。来るなら来やがれ、相手をしてやるぜ!)

 

 

この非常事態にあっても、ゴジラは変わらなかった。逃げる気など無い。真っ向から叩き潰す、怪獣王の矜持というものを見せてやると決意する。

 

 

 

 

 

 ――同時刻、小津盧湖――

 

 既に自衛隊が出動し、見物の為に湖畔に来た人々を離れさせながら『それ』を見る。湖の中央には……

 

 

『―――』

 

 

 巨大な薔薇が佇んでいた。

 

 

 

〈続く〉




いよいよ次回、ゴジラ出撃!
ただし初っ端からバーンスパイラル熱戦とか大技使ったりはしません。「切り札は最後まで取っておくものだよ」とはどっかの双子の兄の弁。

まだ大分先ですが、ゴジラのパワーアップ形態はバーニングにあらず。メルトダウンしちゃうし。ヒントは1990年代に登場したあの姿です。アレ強過ぎだろ……


それではまた次回。

二択決定戦! シン一人乗りする最終ゲッターはどちらだ!?

  • 真ゲッタードラゴン(大決戦版)
  • 真・ゲッター1(スパロボα仕様)
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