ウルトラマンレジェンド Episode.CROSSOVER 作:ハジケハムスター・ポッポ
月末で仕事が忙しくなるタイミングに加えてグラブル七周年イベントやってたら遅れました。
いずれはこれもやりたいと思いつつ、まだまだ書きたいエピソードだらけです。
本章終わったらゴーデスとの決戦、そしていよいよ空の世界へ、そしてその次はお待ちかねの劇場版!全然そこまで届かないけど……
アンケートは引き続き実施中です。
それでは本編をどうぞ。
タイガの予想外の提案に、ギャスパーだけでなくトライスクワッド以外のオカ研メンバー全員が固まった。
「ジードに……ウルトラマンジードに会える……?」
「ああ、少し前から一緒に暮らしてるし……俺達が働いてる組織の先輩だし」
「ちょっ!?ちょちょちょちょっと待てってタイガ!?こんな事を勝手に決めていいのかよ!?だってリクさんの都合もあるだろ!?」
「いや、それはそうなんだけどさ……昨日聞いた話だとカップラーメン吟味したりシミュレーターで訓練したり買い出し班として働いたりでそこそこ暇だって話だったから……」
「「「「「まともなのが二番目だけだったんですが!?」」」」」
『いや最後も生活していく上では必要だろ……』
一応有事の際に備えて待機しつつ定期報告したりもしているのだが、今の生活では基本的に何か起きなければ訓練くらいしかする事が無いのである。確かにウルトラマンとして動かなければいけないような問題事は無い方がいいのだが。
「本当にジードに会えるんですか……?」
「まあ、あの人の予定に合わせる感じになるけど」
「ぼ……僕、会いたいですぅ!!」
「ただし!条件がある」
ここで漸くタイタスとフーマも参加してきた。
「最初はジードをここまで俺達が連れてくる。あ、リアスは生徒会長さんへ説明ヨロシク」
「そこは私なのね……ううん、私の眷属の事だもの。分かったわ、ソーナには私から言っておくわね」
「そして!ここからが重要だ。第2ステップでは同伴者がいても構わないが外で会う事!これが条件だ!」
「えええええええ!?」
タイタスの発言にギャスパーは驚愕し、タイガとフーマ以外のオカ研メンバーはまたもフリーズ。
それはそうだろう、ゼノヴィアの煉獄さん連れてこよう発言ほどではないにせよ荒療治もいいところだ。
「嫌ですぅぅぅぅぅ!!大勢の人がいるところに出るなんてぇぇぇ!!で、でもでもジードに会いたいし……でもでも外になんて……あうあうあう……」
「「「さあどうする!?」」」
「……初めてタイガ達が鬼畜に見えたぜ……」
「ある種の拷問ね、これ」
とはいえ、先程の様子から多少は強引にでもやらなければ彼は動かないだろう。会いたいという願いか、外に出たくないという願いか、どちらも自分の望む事なので本気でギャスパーの心は揺れている。
しかし、タイタスの案の中に一つの希望が残されている事に気づいた。
「外で会う時……誰かについてきてもらってもいいんですよね……?」
「勿論だ。最初から一人で行かせようとは考えていないから安心するといい」
「……じゃ……じゃあ、小猫ちゃんが一緒なら……」
「……なんで小猫?」
「えっと、同学年ですし……付き合いも長いし……」
「私は大丈夫です。ギャー君の為にひと肌脱ぎます」
小猫自身は別に構わなかったらしく、外での交流時には彼女同伴で……というところまでは良かったのだが、そんな彼女からトライスクワッドに別の意味で難題が課される事になった。
「代わりといっては何ですが……その……タイガさん達はソランさんも誘って下さい」
「「「what!?」」」
『お前ら発音良すぎだろ』
ドライグのツッコミもなんのその、タイガらは動揺しまくっている。ぶっちゃけ、下手したらギャスパーを連れ出すより大変かもしれない人物だ。
(おいどうすんだよ!?小猫べらぼうにハードル上げてきやがったぞ!!)
(そんなこと言ったってやるしかないだろ!うまく誘えて参加させられればそれでよし、結果は神のみぞ知るだ!)
(いやサーガ自身が神の上に立ってんじゃねーか!)
(これからは私が天に立つ)
((おいそこ何言ってんだ!?))
当然の如くボケ始めるタイタスにツッコミを入れたタイガとフーマは仕方ない、と承諾した。しかし……ジオティクスが言うと卯ノ花やハリベルといった人物からリンチされそうな気がしないでもない台詞だったな、タイタス。
その後、結局ギャスパーはゼノヴィアによってグラウンドを走らされたり、一誠以外がアザゼルと初邂逅したり、その際カナエに対してセクハラしかけたアザゼルが会談前に頸を斬り飛ばされそうになったり色々あったが、概ね平和に終わった。
「最後全然平和じゃねえだろ!?マジであの娘、本気で俺の首を斬り落としにきてたんだぞ!?」
縁壱や巌勝じゃないだけマシです。
☆
翌日、オカ研メンバーはリクをカップラーメン(醤油味)で釣る事であっさり協力を承諾させ、彼を伴ってギャスパーのいる部屋の前に来ていた。
「それにしても言われた翌日すぐ、だもんなあ……さすがに驚いたよ、僕」
「いや……俺達はリクさんがカップラーメンだけでこうも簡単に協力してくれる事の方が驚きなんスけど……」
「イッセー、気をつけろよ……ジード先輩のカップラーメン判定はかなりシビアだぞ」
「やっすい適当なモン渡したら問答無用でレッキングバーストかコークスクリュージャミングが飛んでくるからな」
「この世界の地球に来る前、ふざけて青酢ラーメンなるものを渡したロッソとブルが逆鱗に触れてしまい、それは悲惨な事態になったんだぞ」
「「「「「何その劇物!?」」」」」
……この事件の時、二人はルーブになってまで対抗したもののブチ切れてプリミティブのまま究極形態並のパワーを発揮していたジードに成すすべもなく撃破された。その後、ロイヤルメガマスター汁という物を飲まされて二度倒されたらしい。
この事件以降『美味いおふざけ気味な物はいいが、悪い意味で馬鹿げたカップラーメンをジードに渡すのは禁止』とベリアルとゼロによって銀河遊撃隊要項に付け加えられた。
「俺が昔っから食ってるカップラーメンあるんだけどさ、それは絶対に美味いって。シンプルだけど逆に飾り気なしに味で勝負って感じがしてさ」
「ホントに?それじゃ期待しようかな」
なんとか空気を穏やかにしつつ扉を開ける一行。
「失礼しま〜「ひゃあああああああ!?」……もしかして僕、歓迎されてない……?」
「ちっ、違うのよリクさん!あの子はちょっと色々あって……」
「はい。というか誰であってもこういう反応されますわ」
「え?それって大丈夫なの?」
「それを治す為の第一歩としてジード先輩を呼んだんだよ!」
「いや、全く話が読めないんだけど」
そもそも自分がどうして呼ばれたのかはざっくばらんとしか聞いていない。カウンセリングが必要なら卯ノ花やしのぶがいるし、何だったらレジェンドだって出来る。
じゃあ何で?と思っていたがその疑問はすぐ解決する事になった。
「ああああの!もしかして……ウルトラマンジードさんですか……?」
「一誠君やアーシアちゃんも言ってたし隠す必要もないよね。うん、僕は朝倉リク。君が知っているウルトラマンジードだよ」
「わああ……!ぼ……僕、貴方のファンなんです!あの京都での戦い、すっごく格好良くて……」
「ありがとう、あの戦い知ってたんだね。あれ?もしかして誰かが録画とかしてたのかな?そういえば取材用のヘリコプターとか来てたし」
京都では既に知らない者はいないほど有名だと、彼はまだ知る由もない。なにせ向こう側で仲が良いのは八坂・九重母娘とジャグラーくらいなものだし、彼らから情報が逐一入ってくるわけでもないからだ。
ふと見るとパソコンの画面にはやはり先日同様、ジードの動画が流れていた。
「この戦いがここに来て初めての戦いだったんだよなぁ……レジェンドさんやオーフィスちゃん、スカーサハちゃんにロスヴァイセさん、それに八坂さんや九重ちゃんにジャグラーさんも手伝ってくれたんだよね。僕一人じゃ勝てそうになかったな、あいつには。あ、土壇場で鬼灯さんにも助けられたんだっけ。僕じゃなくてレジェンドさんとオーフィスちゃんが」
「え?ロスヴァイセさんってその頃から一緒にいたんですか?」
「オーフィスちゃんが拾ってきたらしいよ」
「「「「「何故に!?」」」」」
「迷子だったみたい」
さらっと言うリクだったが、他の者達はなんで迷子なのか気になった……のだがあまり深く考えないようにした。
「あれ……?何人か聞いた事無い名前が出てきたわね」
「たぶん八坂さんや九重ちゃんの事じゃないかな?えーっと……確か九尾の狐の妖怪だったっけ」
「「「「「九尾の狐!?」」」」」
相変わらずウルトラ戦士の交友関係はとんでもない範囲である。ちなみにリクはそれ以上は言わなかった。
言えば確実にカナエやアーシアあたりから追求されそうだからだ。
「あと二人……ジャグラーと鬼灯って……ん?ジャグラー?」
「ほら、ガイさん……オーブのライバルだよ」
「なっ!?彼のライバル!?」
「この動画で僕を助けてくれたこの人だよ。普段は丼物屋『蛇倉苑』の店長だから、オーフィスちゃんとかはジャグラー店長って呼んでるけど」
「「「「「そっちの方が驚きなんですが!?」」」」」
ついでに言うと、ガイが京都に行った目的は無論、彼の店である。レジェンドが食したというカツ丼・戦士の頂盛りに挑戦すべく腹を空かせていったという。
「新幹線に乗る前にさ、ジャグラーさんがお弁当持たせてくれたんだ。あれ美味しかったなあ……」
「「「……じゅるり……」」」
タイガとフーマ、ゼノヴィアが涎を垂らした。リクの表情から明らかに絶品だというのが見て取れたからである。
「ねえリクさん、最後の鬼灯さんって?」
「レジェンドさん直属の九極天の一人で、レジェンドさんの右腕って呼ばれてるほど凄い人だよ。人っていうか鬼神か。今は日本地獄に出向して閻魔大王第一補佐官やってるってさ」
九極天と聞いて他のメンバーは驚くが、リクは別の事を懸念していた。
(地獄式運動会って何なんだろ……嫌な予感しかしないんだけど)
事実です。実行委員長に鬼灯、開催協力にレジェンドが携わった時点でもう恐怖しかない。
「えっと……日本地獄ってことは……」
「「「「「鬼舞辻無惨!!」」」」」
「なんか東方不敗って人が代わりに罰してくれてたから休暇も兼ねて来てくれたんだって。その人……人でいいのかな、これって……聞いた話だと宇宙艦隊を生身で壊滅させたとか、よく分からない装備を搭載した機体を一撃で容易く粉砕したとか伝説じみた戦績があったな」
「リクさん、ちょっと感覚麻痺してない?その人、明らかにおかしいとしか思えないんだけど」
「まあ、その人も九極天らしいから」
『ああ、なるほど納得……』
揃いも揃ってチートスペックだらけ……というかそれしか存在しないレジェンド直属の伝説九極天。
ついでにその中で最も良識があるのはダンブルドアか、もしくは先代九極天の親モスラだろう。
「あ、あの……」
「ん?何かな?えっと……そういえば僕は名乗ったけど君の名前聞いてなかったね」
「は……はい!ギャスパー・ヴラディです!えと……ジードさん……リクさんに聞きたい事があって……」
「たぶん今回の事はそれが理由だよね。何が聞きたいのかな?」
リクは嫌な顔をせずギャスパーに尋ねる。その表情を見て、ギャスパーは決心してずっと聞きたかった事を質問した。
「ど……どうやったら時間停止を自由に使いこなせるようになりますか!?」
「え?時間停止?時間停止……ああ!シャイニングミスティックのあれか!」
ギャスパーの質問にリクは一瞬何の事かと悩んだが、思い当たる事がたった一つだけあった為、割とすぐ思い出した。同時にギャスパーは自分の神器について説明する。
所謂時間停止系に属する神器だ。この手のものは神器に限らず強大な力であるが故、所有者の能力が規定値に達していないと制御が上手くいかないのが大半である。
ギャスパーも例に漏れず制御が上手くいかなかった為、それが原因で封印されていた。
途方に暮れていた彼が偶然目にした動画、ジードがシャイニングミスティックにフュージョンライズして最後に決めた、時間停止を絡めた必殺のスペシウムスタードライヴ。
自分と同じ能力でありながらその範囲は巨体に比例して大きく、しかしながら停止解除までの時間さえ把握し、強敵キリエロイドⅡ相手に見事勝利を収めたジードはギャスパーにとって憧れであり、目標なのである。
「なるほど……でもそういう事なら僕よりゼロやレジェンドさんの方が詳しく教えてくれるかもしれないな」
「え?」
ギャスパーは勿論だが、トライスクワッド以外のオカ研メンバーも怪訝な表情になった。レジェンドはともかく、何故ゼロが出てくるのかと。その理由はすぐ明らかになる。
リクは懐から小さなカプセルを取り出した。
「これ、ウルトラカプセルって言ってね。僕はこれの力で戦ってるんだ。ギャスパー君が気になってる力を使った時に使用したのは、このウルトラマンのカプセルと……これ」
そう言って見せたのはシャイニングゼロのカプセルだ。ギャスパーは興味深く見ているが、一誠の方も驚いている。
「え……!?リクさん、先輩の姿が違いますよ!?」
「うん。それは『輝きのゼロ』って呼ばれてるゼロの強化フォーム、シャイニングウルトラマンゼロだよ。単純に強くなるだけじゃなくて、時間操作能力もあるんだ」
『じっ……時間操作!?』
スケールが違い過ぎた。ギャスパーは時間停止に限られていたが、ゼロの場合は時間『操作』。ジードももしかしたら出来る可能性はあるものの、まだ明確にはなっていない。レジェンドは時間操作だけでなく時間移動さえ当然の如く行っているが、あれはそもそも規格外どころではないので除外しておく。
「ちなみにゼロも神器持ってるよ。攻撃力と防御力が大幅に上がって次元移動出来るようになるやつ」
「……俺そんな人に喧嘩売ってたのかよ……」
一誠はリクの話を聞いてボコボコにされなかった事に感謝すると同時に、若くして銀河遊撃隊の隊長という重役を任せられるゼロの凄まじさを改めて実感する。
「そういうわけで、僕が時間停止の力を使えたのはゼロのおかげなんだよね。あと、マンさんもウルトラエアキャッチっていう敵を空中で停止させる技持ってたし」
超強化形態であるシャイニングゼロとさえ素で並ぶマン兄さんはやはり格が違う。武器も強化フォームも無いのにこの扱い。ちなみに八つ裂き光輪ことウルトラスラッシュ限定ではあるが、80はウルトラマンの弟子にあたる。
「あうぅ……そんなぁ……」
「ギ……ギャスパー、元気出せって」
「こうなったらゼロを呼び出すか?」
「いっそマンさんにお願いするとか……」
「んなもんホイホイ呼び出せんのレジェンドとかほんの一握りだろ」
さすがにレジェンドだっていたずらにマン兄さんを呼んだりはしない。ゼロがリブットを簡単に呼んだりするのとはワケが違うのだ(ボイスドラマ参照)。
「でもさ、ギャスパー君なら問題ないと思う」
『……え?』
突然のリクの言葉に彼以外が一斉に首を向けた。
「だから、ギャスパー君ならちゃんと神器を上手く使えるようになるって。僕が保証する」
「……リクさん、慰めは嬉しいのだけれど……」
「ガイさんから聞いたよ。この世界の神器がどういうものかって。強化や進化は所有者次第。特に心の在り方は強く作用するらしいし」
「……だったら、尚更駄目です……僕の心が弱いから周りに迷惑をかけて……」
「それだよ」
リクの言葉に再度首を傾げるオカ研一同。
「ギャスパー君は優しいから。だから大丈夫」
「えっと……リクさん、なんで優しいと大丈夫なんですか?」
「それはね、アーシアちゃん。レジェンドさんが以前ある人に対してこう言った事があるんだ。『こいつは心の強い男だ。そうでなくては優しくいられない』って。だから、他人を思いやる事が出来るギャスパー君の優しい心が弱いなんて事は絶対に無い。あとは切っ掛けだけだよ」
リクが笑顔で励ますとギャスパーは涙ぐんでいる。悲しみの涙ではない事を理解したリクは、ついでにとリアス達に言う。
「それとさ、リアスちゃん達……ギャスパー君の事、神器が強力過ぎるとか、引き籠もりとか、稼ぎ頭とかそういう部分しか見てなかったでしょ。十分過ぎる程の材料があったんだからギャスパー君がどういう気持ちでいたのか、ちょっとぐらい考えないと。彼がこうして引き籠もってるのは優しいからっていう事だって、今改めて分かったんじゃない?」
「……返す言葉もないわ」
リアスを始めオカ研メンバーは俯いている。どうしても神器が強力な事や、それのせいで引き籠もりになっている事ばかりに目を向けてしまい、ギャスパーの本質的な部分を見ていなかったのだ。
逆にリクはすぐそこに気がついた。
「これからはしっかり見てあげてね。強過ぎる力を持っているとデリケートになっちゃうって事、よくあるから」
「……ジード先輩すげーな……」
「レジェンドや大隊長が肩入れするのも納得だ」
「総司令官の息子ってだけじゃないっていうか……その立場だからこそ周りをよく見てるっていうか……」
「まあ、僕自身生まれが特殊だし」
タイガ達がリクに感心していると、やはりというか気になる事が出てきた。生まれが特殊、という部分だ。
総司令官の息子というだけならそうは表現しないはず。
「あの……差し支えなければ、生まれが特殊……という部分をお聞きしても宜しいですか?」
朱乃が代表してリクに尋ねる。彼女も人間と堕天使のハーフという特殊な生まれだ。当然気になるだろう。
しかし、その答えはさらに衝撃的なものであった。
「……正確に言うと僕はウルトラマンじゃない。ウルトラマンの模造品……人工ウルトラマンとして生み出されたんだ」
『!?』
トライスクワッドは事前に本人から聞いていたが、他の者にとっては頭を金槌で殴られたような衝撃が襲った。
「僕が生み出されたのはさっき見せたウルトラカプセルが作られた後でね。あれの情報を得た宇宙人が、それを利用する為の器っていうか……道具にする為に造られたらしいんだ。そいつらはゼロが軒並み倒しちゃったから詳しい理由は分からないし、僕も別に知りたいと思わないから別にいいんだけど」
「そんな……道具だなんて……」
リクは普通に告げているが、オカ研メンバー……特に人一倍優しいアーシアや、彼に憧れているギャスパーは泣きそうだ。それ程までに彼が背負っているものは大きかった。
「それで、助けられた僕が預けられたのが父さんのところなんだ。父さんの遺伝子が使われて、僕が生み出されたから。突っ込んで言うと闇の方の父さんね」
「闇の方……?」
「今の父さんは分かりやすく言うと二重人格で、お互いがお互いを認識してて、合わせて一人の人物なんだよ。光と闇で見た目も全然違うんだ。光の方の父さんは普通にシルバー族で、闇の方の父さんは……えーっと……ブラック族?まあそんな感じ」
「あの……リクさん、めっちゃ重い話題なんスけど……大丈夫ですか?」
「え?何が?」
『えっ?』
なんとリク本人は別段気にする様子もなく、いつも通りだ。本気で気にしていないみたいである。
「僕もさ、ギャスパー君みたいにこの力で誰かを傷付けてしまったら……とか考えた事もあった。でも、そんな時に父さんが言ってくれたんだ。『だったら俺相手に使ってみろ。どんだけ上手くいかなくて俺をブッ飛ばそうが、俺は何度だって立ち上がってやる。お前がその恐怖心の方をブッ飛ばせるまで何度でもな』って。その時、この人の気持ちを無駄にしちゃ駄目だって……何より自分の力から逃げたら駄目だって思ったんだ」
「自分の力から、逃げない……」
「うん。だからさ、父さんが僕の背中を押してくれたように、今度は僕がギャスパー君の背中を押してあげようと思う。これから一緒に頑張っていこう!」
この言葉に感極まって、ギャスパーはリクに抱き着いて泣き出してしまう。そんなギャスパーを優しく撫でながら頷くリクは紛れもなくお兄さんだ。
しかもアーシアも釣られて泣き出し、トライスクワッドまで貰い泣き。
「良かったですぅ……!」
「やっべーよこれ旦那の過去話聞いたとき並にクるわ……!」
「ベリアル総司令……貴方の御子息は立派なウルトラマンだ!」
「そういえば、ベリアル総司令も俺達が遊撃隊に配属された時、そんな感じで言ってくれたよな……!」
キング側の【エリア】ではクライシスインパクトなんぞ引き起こしたベリアルとはエライ違いである、遊撃隊総司令官。親バカでもなく、厳しいといってもセブン(ジープ突撃)やレオ(テクターギア着けさせてフルボッコ)、レジェンド(生身で強力怪獣群に挑ませる)ような理不尽な特訓はしない。……正直、タロウやサーゼクスは見習うべきだと思う。
「はいぃ……僕、頑張りますぅ!」
「よし!じゃあ今日は僕達遊撃隊がどんな戦いをしてきたのか記録映像を見せながら話そう!」
「え!?あの、私達もいいかしら……?」
「へ?だってギャスパー君と親交や理解を深める為でもあるんだし、リアスちゃん達もいなきゃ駄目でしょ」
「いやあのジード先輩……?何なんだ、その『ウルトラマン
何故かリクが手にしていたのはウルトラ六兄弟メインの話の記録映像。遊撃隊の話は何処行った。
「レジェンドさん曰く、タロウさんの成長の物語」
「よし皆!ちゃんと最後まで見よう!」
「何かタイガがいきなり正座して画面から目を離さなくなった!?」
「親父さんの事になると相変わらず判断早いなお前!?」
「ちょっと!?遊撃隊の事じゃなかったの!?私も興味深いけど!」
「部長も興味深いんですね」
「ハハ……まあ、有名どころが勢揃い……あ、父さんと同族が出てるんだ。何か父さんと違って強そうに見えないな」
「ジェント殿は素晴らしくマッシブだからな!」
先程までの重い話から一転、いつものオカルト研究部に戻った。ギャスパーも交え、様々なツッコミを入れつつも上映会(?)は楽しく行われ、今後の特訓への良い点火剤にもなったので、結果は上々。
「父さん、昔はヤンチャで……俺みたいな時もあったんだ……」
「やっぱ矢的先生スゲー!」
「しかしウルトラマン……なんと見事な大胸筋だ!」
「そこなの!?私は何でも出来るタロウさんのお父様が凄すぎだと思ったのだけれど」
「つーかその大隊長倒したヒッポリト星人ヤバすぎだろ」
そんなこんなで、リクをギャスパーと会わせた事は間違いなく成功だったと言えるだろう。
少しずつ迫ってくる三すくみの会談、それまでにギャスパーはどれだけ成長出来るのか。
ただ一つ言えるのは……
「あのぅ……リク兄さんって呼んでもいいですか?」
「ん?いいよ。僕が兄さんかぁ……周りが年上ばかりだったから凄く新鮮だな」
この二人に確かな絆が生まれたという事である。
〈続く〉
次回予告
三すくみの会談が迫る中、空の世界では金属生命体がアウギュステに現れる。
それを撃退したウルトラ騎空団であったが、金属生命体は思いもよらぬ姿へとその身を変化させる。
時を同じくしてアウギュステの海に半龍半魚の怪物が確認された。
変化した金属生命体に町が、怪物に海が脅威に晒される中、赤き巨人と対を成す青き巨人がアウギュステの海を割り姿を現す。
次回『SIDE AGUL 大海戦!巨人対巨人』
……そして……
「今は静観していろ」
「やはり狙うならば……月でも星の世界でもなく、空の世界か」
空の世界で、大いなる二つの絶望が少しずつ動き始める――
というわけで次回はアグルのお話です。
怪物の方はウルトラシリーズはおろかゴジラでもガメラでも、ましてグラブルでもない別の作品からの参戦です。
マイナー過ぎて知ってる人いるかな?私はこいつが出る作品好きなんですけど。
また時間かかりそうなので先にお伝えしておきます。お待たせするようで申し訳ない。
それではまた次回。
二択決定戦! シン一人乗りする最終ゲッターはどちらだ!?
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真ゲッタードラゴン(大決戦版)
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真・ゲッター1(スパロボα仕様)