ウルトラマンレジェンド Episode.CROSSOVER   作:ハジケハムスター・ポッポ

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お待たせしました。
本作オリジナルの光の国の組織、銀河遊撃隊結成と大まかな概要の説明の話です。
結成の話はスピンオフか何かでシリアス路線突っ走ろうかとも思ったんですが、一応ざっと簡単に書きました。

本作最大の特徴の一つ、ベリアルがウルトラの父と同じく英雄として讃えられるようになった経緯の一部分を盛り込んだので少々長めになりましたが、とりあえずやり遂げた感はありますね。


それでは本編をどうぞ。
※今回のイメージソングは劇場版ジードの主題歌です。


銀河遊撃隊結成秘話―ベリアル、英雄へ

 会談が行われている頃のダイブハンガー。

既に夢の中にいる者もいれば、暇を持て余している者もいる。束もそんな後者の一人だ。

 

 

「あー……どうしよ、きょーくんの機体。本人に希望聞きたいけど会談行っちゃったしなー。セラちゃんとかはまともなのになー……ホントにさ、レジェくんだけじゃなくて束さんも激おこだよ。クソ老害悪魔共には」

 

 

 束、ご機嫌斜め。言わずもがな原因は会談の焦点の一つになっている悪魔陣営の政治情勢である。

天使や堕天使もやらかしているが、友人になったセラフォルーが苦労しているらしかったのでイラついている。

人気のないリフレッシュルームで暇潰し&ストレス解消に世の中の不祥事起こしている連中の所業を足がつかないように大暴露中。なんつー事をやってんのこの天災。

というか、セラフォルーも普段は大概な気もするが。

 

 

「あの、束様」

 

「クーちゃんどしたのー?あ、もしかして束さん他の皆をあだ名で呼んでるからいつか被りが出るかもって心配してくれてる?大丈夫だよー、その時はその時だし、その人が分かるように呼べばいいんだから。それにホラ、レジェくんとかは絶対間違えないからヘーキヘーキ」

 

「そうなのですか?いえ、そちらではなくて」

 

「え?違うの?」

 

「はい。オーフィス様を見かけませんでしたか?」

 

「オーちゃん?こっちには来てないよ。夜食作ってくれてるグーちゃんのとこじゃない?」

 

 

どうやらオーフィスがいつの間にかいなくなっていたらしい。少なくとも家出ではないだろうが。

そんな時、レイトが欠伸しながらやってくる。

 

 

「ふあ〜……お、束にクロエじゃねーか。寝てなかったのか?」

 

「れーくんも寝てないよね。ダブルオーザンライザーのシミュレーターモードに籠りっぱなしだったでしょ」

 

「おう!俺の相棒になったんだからな、俺がちゃんと使いこなしてやらなきゃ悪いだろ。ついさっき、あの……なんつったっけな……リボ払い?」

 

「リボンズ・アルマークね」

 

「そうそいつ!ようやく撃墜出来たんだよ。難易度高めに設定したらフィン・ファンネルもどきのファングとかいうのバンバン使ってきてさあ」

 

「サーくんの人間体ベースになった人物の記憶を元に再現したからねー、無駄にしぶとかったみたいだよ」

 

 

自分が作った機体を『相棒』と呼んでくれているレイトのおかげで束は気分が良くなったのか話が弾む。

クロエもさり気なく手作りケーキを三人分持ってきて話に加わった。

 

 

「あ、そーだ。二人ともさ、きょーくんに機体用意するならどんな風にする?どんどん意見ちょーだい!」

 

「きょーくんって杏寿郎か。やっぱり剣か刀は必須だよな。あとぶっちゃけライフル系は要らないだろあいつ」

 

「敵の攻撃に対して回避型か防御型かはともかく、攻撃力はかなり特化させた方が良いかと。あの方はほぼ確実に突撃しそうですから」

 

「ふむふむ、なるほどなるほど。いいねー、こんな感じでどんどんいこー!」

 

 

気分がノッてきた束らは杏寿郎用の機体案についての話題に花を咲かせ、すっかりオーフィスがいない事を忘れていた。

 

 そのオーフィスは現在、会談が行われている駒王学園へ向かっているのを彼らはまだ知らない。

 

 

 

 

 銀河遊撃隊。タイガ達トライスクワッドやゼットのみならず、知り合ったウルトラマン達の多くが在籍している比較的最近新設された部隊。

再び立体映像の場面が変わると、透明なドームに包まれた巨大な都市のようなものが宇宙空間に存在していた。

 

 

「宇宙に……都市?」

 

「これは俺達銀河遊撃隊の移動基地『ガーディアンベース』!各種施設は勿論の事、ウルトラマンの姿・人間の姿問わず生活出来るように作られているんだぜ!」

 

 

ゼットの説明を聞いてこれが基地と分かるとトップ陣は驚愕する。移動基地どころか移動都市レベルのそれを活動拠点にする組織など三大勢力には存在しない。神話勢力を探し尽くしてもあるかどうか。

 

 

「さて、何故これ程の基地を有しているかは銀河遊撃隊が何たるかを説明しなければならんな。銀河遊撃隊とは、頻発化する次元を超えた異常事態に対処すべく近年設立されたばかりの部隊であり、光の国に属しているが宇宙警備隊とは別の組織だ。連携はしているが、宇宙保安庁や勇士司令部などと違い宇宙警備隊の特別部隊というわけではない」

 

 

全員が集中して聞いているのを確認し、レジェンドは説明を続ける。

 

 

「宇宙警備隊に大隊長としてウルトラの父が存在しているように、銀河遊撃隊にも総司令官としてウルトラマンベリアルがいる。そして宇宙警備隊隊長のゾフィーに相当する、遊撃隊の隊長はウルトラマンゼロが務めている」

 

 

場面はベリアルとゼロが、大勢のウルトラ戦士に見守られつつ活躍を表彰され、レジェンドによって銀河遊撃隊の総司令官と隊長に任命された時の記録映像だ。ここでシトリー眷属におけるゼットファンと双璧を成すゼロのファンが黄色い声を上げる。

ベリアルはウルトラの父に、ゼロはレオに専用のマントを羽織らせて貰い、同じようにウルトラの母とセブンからトロフィーが送られている。

 

 

「ベリアルはとある大事件……光の国そのものが消える可能性があった歴史改変をほぼ独力で阻止し、ゼロは若手の戦士でありながら数多の難事件を解決した事を評価、予てより予定していた組織を纏める立場に推薦され、本人達もそれを了承した事で表彰及び新設部隊の発表を行った。これはその時の記録映像だ」

 

 

光の国でまだまだ若いとされるにも関わらず難事件を数多く解決したゼロも凄まじいが、それ以上に光の国そのものが消える可能性があったという出来事、そしてそれを防いだベリアルの活躍がどれだけ偉業かは誰もが理解した。

特に三大勢力トップ陣は種族を背負っているだけあり、自分達も彼のように命をかけて目の前の問題に立ち向かわなければならないと再認識する。

 

 

「ほぼ独力、というのはな。実はゼロと、当時まだ未熟だったジードが救援に向かったんだ。あいつと、歴史改変の元凶との戦いに」

 

「先輩やリクさんも!?」

 

「レジェンド様は行かなかったんですか!?」

 

「歴史改変とはやろうと思っても簡単に出来るものではない。たとえ過去を変えたとしても、新しく分岐した未来が生まれるだけだ。現在と過去の時間座標を結ばなければな」

 

 

時間座標――即ち『もしも』ではない、その世界が現在(いま)に至るまでの歴史。ズレが生じないよう、糸で結ぶようにその世界の過ごしてきた時間を固定しなければ歴史改変は出来ない。

だがその大事件の元凶はそれが出来、しかも外部からの干渉を遮断までしていた。

 

 

「俺はそいつと同じように、かつ別の形で時間座標を結び、ベリアルが帰還するまで維持し続ける必要があった。しかし、相手はいくら歴戦の勇士であるベリアルであっても苦戦を強いられる程の難敵。しかも俺が開いているタイムゲートを通るにもある程度のエネルギーが必要。ベリアルは最悪、自身を犠牲にしてでも道連れにする気で戦っていた」

 

 

場面が切り替わると、複製されたボロボロのギガバトルナイザーを持ち、あちこち傷ついて肩で息をしているベリアルが片膝を着いていた。

目の前の元凶……超時空魔神エタルガーの亜種、もしくは進化体とも言うべき存在、エタルカオスはほぼ無傷だというのにだ。

 

 

「なんだ、あれは……」

 

 

戦闘狂である筈のヴァーリさえ、立体映像だというのに圧倒的恐怖を感じガクリと両膝を着いてしまう。

三大勢力の者達は当然として、九極天や神衛隊も息を呑む程の相手に対し、ベリアルはたった一人で挑んだのだ。その背に、数え切れない程の命と歴史、未来を背負って。

 

 

「ゼロとジードが駆けつけた時、ベリアルは満身創痍の状態だったが、あいつは二人の援護を断った。『もし勝ったとしても、下手すりゃ三人全員帰れなくなる』……先程言った通り、ベリアルはエタルカオスを道連れにする気で、ゼロとジードだけでも帰還させる気だった。だが、それに反目したのはジードだ。『父さんも一緒じゃないと嫌だ』とな」

 

 

ちょうど光景はその場面だったが、なんと声が聞こえてきた。

 

 

 

 

 

『我儘言うんじゃねえ!この状況で三人皆無事にってのは無理だって、お前でも分かるだろうが!』

 

『我儘言って何がいけないんだ!父さんだって我儘をよく言うじゃないか!そんな父さんの息子だから僕だって我儘言うんだよ!』

 

 

 

 

 

「これって……!」

 

「ベリアルさんと、リクの……」

 

 

 

 

 

『最後の最後まで我儘聞かせんじゃねえよ……いいかジード、お前は俺みたいなバカな事すんじゃねえぞ。後悔から力欲しさに法を犯し、ここまでやらなきゃ信頼を回復出来なくなるような事をしでかす奴には育つなよ。ま、ゼロやケンの奴、それに師匠がいりゃ道の踏み外しはねえだろうがな』

 

『父さん!!』

 

『やめろジード!まだ半人前のお前じゃ一発でやられるぞ!ベリアルの援護は俺が!』

 

『ゼロ、ジードを連れてさっさと帰還しな。安心しろ、この偉そうな奴は俺が必ずブチのめすからよ』

 

 

 

 

 

ゼットはもちろん、同じく偉大な父を持つ息子の立場にあるタイガは目を離せない。なおも渋るジードを抑えているだけで、ゼロも帰還しようとしていない。

倒されても何度でも立ち上がり、遂にギガバトルナイザーも破壊されてしまうが、エタルカオスへと立ち向かうのをやめないベリアル。既に身体は限界だった。

見ているリアス達も一方的な戦いに目を伏せ始める者がちらほら出てきたが……

 

 

「目を反らすでないわ馬鹿者共が!!」

 

「「「「「!!」」」」」

 

 

東方不敗の一喝でハッとする。

 

 

「レジェンド様が言うたであろう。総司令官だと。ならばこの戦いの果てに勝利を掴んだのはこの漢ぞ。しかと最後までその目に焼き付けよ」

 

 

確かにそうだ。この絶望的な状況をどうやって覆したのか。それはリアスらが目を伏せている間に明らかになっていた。

ジードとゼロが何か言った時、ベリアルの身体から半透明の黒いウルトラマンが現れたのだ。そう、闇のベリアルである。

 

 

「な、なんだよあのウルトラマンは!?」

 

「もう一人のベリアル……通称、闇のベリアルだ」

 

「闇のって……」

 

「今はあいつらを見てろ。諦めない心、それが起こす奇跡をお前達はこれから目の当たりにする事になる」

 

 

そう言うとレジェンドは黙ってしまう。

タイガ達も話には聞いていたが、どういう出来事だったか詳細はゼロやジードは勿論、ベリアル自身も話してくれなかった。それが今、明らかになる。

 

 

 

 

 

『フン、無様な姿晒しやがって。それでも俺と同一人物か?あ?』

 

『なんだと……?あの野郎の相手をしてから言いやがれ!奴をくたばらせるには相打ち覚悟でやるしかねえだろうが!』

 

『それじゃあテメェだけじゃなくて俺も困るんだよ。テメェが死んだらテメェの別人格である俺もくたばるハメになる。こんな何もない殺風景な所で死んでたまるか』

 

『2対1でやり合うとでも言う気か?人格が別でも、お前が言った通り俺とお前は同一人物なんだから無理に決まってんだろ。メンタルどうこうで倒せる相手じゃねえんだよ。覚悟を決めろ……!』

 

『確かにな……だが俺がいつ2対1でなんて言った?そもそも()()()()()()。意味が分かるだろ』

 

『あぁ?この期に及んで何を……っ!お前、まさか……』

 

『漸く気が付いたか。俺とテメェの力を完璧に一つにするんだよ。俺は闇、テメェは光……まともに考えたら混ぜ合わせるなんざ不可能だ。だがそれは一つの頭で考えたらの話、俺達は人格……つまり頭が二つ、力も二つ、ついでにある意味身体も二つ。闇と光をそれぞれ別人格が制御すりゃ出来る可能性はあるだろ』

 

 

 

 

 

オカルト研究部の面々や三大勢力トップ陣は闇のベリアルの言葉に驚く。何せバルパーが気付き、コカビエルが言った聖魔のバランスが崩れたからこそ出来ると言った事を、逆に光と闇のバランスを取る事で実現しようとしているのだ。その難易度は高いなどと言えるレベルではない。

ましてや、光と闇の力の質や量が高ければ高いほどその困難さは劇的に上がる。

 

 

 

 

 

『そもそも出来なきゃ全員くたばって終わりだ。やって成功すれば良し、やらずに死ぬか、やって失敗して死ぬか。だったらやった方が良いだろうが。どんな時でも諦めず、不可能を可能にするのがウルトラマンだろう?ええ?』

 

『……ったく、お前もウルトラマンだろうが』

 

『テメェの別人格だからウルトラマンなだけだ。それにいい加減俺の中のレイブラッドのバカが煩ぇんでな、ついでにテメェの光で消してもらおうって算段もある。そうすりゃ、頭ん中でギャーギャー喚かれてイライラする心配も無くなるしな』

 

 

 

 

 

レイブラッドと言う単語に三大勢力陣はさらに驚愕するも、彼らの行動に目が離せなくなっている。

 

 

 

 

 

『いいか、チャンスは一度きりだ。こっちの体力的にも奴の能力的にも二回目は無理、ミスったらあのガキ共諸共殺られると思え』

 

『分かってる。お前も我を通して変なマネするんじゃねえぞ』

 

『はっ!だったら俺に飲まれないように死ぬ気で踏ん張ればいい話だろうが!』

 

『ごもっともな意見をありがとよ兄弟!!』

 

『同一人物だって言ってんだろ!誰が兄弟だァ!!』

 

 

『『うぅぅぅおおオオォォォォオ!!!』』

 

 

 

 

 

光と闇、双方のベリアルから凄まじい銀と黒の輝きが放出され、その輝きをさらにスパークさせつつ飛び上がりジグザグに交差しながら遥か天空で激突する。

その瞬間強烈な光と闇の混ぜ合わさった輝きが空に広がり、記録映像内のゼロとジードにエタルカオス、さらにそれを見ていた者達全員が目を覆う。

そしてやがてその光の中から一人の戦士が空中で一回転しながら地上へと砂埃を巻き上げつつ降り立った。

 

銀と赤に黒を加えた体色に、金と黒で彩られたプロテクター、そして額と両肩のプロテクターに輝く虹色のクリスタル。

破壊された筈のギガバトルナイザーは真の形……レジェンドが愛弟子の為に新たに作り出した専用の神器『ギガバトルリライザー』となってその手に握られている。

 

 

「これが、ゼロ師匠が言っていたベリアル総司令の切り札……!!」

 

「まさか……本当に成し遂げたのか!?光と闇の共存、合一を!?」

 

「そうだ。お互いを受け入れる事で無自覚ながらも支え合う関係へと昇華した、ベリアルの超戦闘形態……その名も」

 

 

 

 

 

『二人のベリアルが力を合わせ、光と闇を併せ持ち、その果てに生まれた混沌をも超えた姿……俺が名付けるならカオティックオーバーってところだな!!』

 

 

 

 

 

かつてぶつかり合い、そして今や年の離れた戦友となったゼロによって命名されたベリアルの新形態。

 

ウルトラマンベリアル・カオティックオーバー。

 

光と闇の力だけでなく、一つの体に二つの心を有したベリアルだからこそ成し得た、新たな領域に到達せしウルトラ戦士が誕生した瞬間であった。

 

 

それから目の前で展開されたベリアル・カオティックオーバーとエタルカオスの激戦は凄まじいの一言だった。

一方的に痛めつけられていた先程までと違い、新たな力を得たベリアルはエタルカオスを圧倒。

何よりレジェンド以外、サーガさえも驚かせたのはカオティックオーバーの特殊能力。闇の力を吸収・変換し光の力にする事が出来るのである。

まさに闇に対して特効能力と言えるそれは、闇のベリアルがいたからこそ発現した奇跡。

無論、吸収出来る攻撃に限度はあるのだろうがベリアル自身が並外れた能力の持ち主でありカオティックオーバー自体が強化形態である為、あまり気に留めるレベルではないだろう。

エタルカオスの攻撃を吸収し続け、際限無くその力を高めていくベリアルにいよいよエタルカオスは恐怖を感じ逃げ出そうとするが、一瞬のスキを突かれて凄まじい一撃をモロに食らう。

 

 

「ベリアル総司令の実力……想像を遥かに超える戦闘力だ!」

 

「凄いなんてものじゃありませんわ。ある意味、イッセー君の『赤龍帝の籠手』の性質を遥かに凌駕しているとも言えますね。倍化には時間が必要ですが、あちらは属性限定とはいえ吸収直後から力を増しています」

 

「ただでさえ強い総司令がさらに強くなってんのに、そこからまだ上がんのかよ……!」

 

 

そして遂に決着の時は訪れた。

圧倒的な力でエタルカオスを追い詰めたベリアルは、新たな必殺技を発動する。

ギガバトルリライザーをスペシウム・リダブライザーに似た形に変化させ、自身は掌を開いた状態で両腕を胸の前に交差させた後にゆっくりと左右に開き、開ききった瞬間に強く両手を握りしめる。

すると右腕からスパークを伴った凄まじい青い光が、左腕からは同じくスパークを伴った黒い光が放出された。それに反応したギガバトルリライザーは強く輝く。

 

 

 

 

 

『『ボルティウム……デスマッシャァァァァ!!!』』

 

 

 

 

 

デスシウム光線とは別にベリアルが編み出した必殺技・ボルティウム光線とデスシウム光線の強化融合技。

それがボルティウム・デスマッシャーだ。

光線速度・貫通力に優れるボルティウム光線と、火力・破壊力に優れるデスシウム光線の長所をそのまま合わせ持ったベリアル・カオティックオーバーの代表的な必殺技である。

そしてそれだけではない。その光線を変形したギガバトルリライザーが増幅させ、さらに超威力に跳ね上げた。

さしものエタルカオスもそれを受け切る事など不可能であり、直撃するどころか身体の大部分を貫通する。

己の敗北を信じられぬままエタルカオスは爆散し、ベリアルは長き戦いの末に勝利を収めた。

 

 

「ベリアル総司令が、勝った……!」

 

「さすが大隊長と並ぶ光の国最強戦力だ!ウルトラ凄過ぎだぜ!」

 

 

サーガとしては光の国どころか光神クラスの実力だと思っている。少なくともウルトラ戦力の中でも最上級だろう。

特に吸収変換能力はチート能力だ。

 

そして場面は変わり、ゼロとジードに支えられながらボロボロになったベリアルがレジェンドと共に光の国へ帰還し、大喝采を浴びながら凱旋しているところへと移る。

誰よりも先に駆け寄ってきたのはウルトラの父とウルトラの母、さらに銀十字軍が医療用カプセルを運びつつ多数急ぎ足でやってくる。

 

 

 

 

 

『『ベリアル!!』』

 

『よぉ……ケン、マリー……勝ってきたぜ……』

 

『ああ!分かるとも!だから今はそれ以上喋るな!』

 

『急いで!彼の身体は当に限界を超えています!すぐに治療へ入ります!』

 

『『『『『はい!!』』』』』

 

 

 

 

 

ウルトラの父とゼロによって医療用カプセルに入れられ、ジードに手を握られつつ搬送されるベリアル。

それを見送ったレジェンドとウルトラの父は、ゼロもジードに付き添って行ったため二人だけになる。

 

 

 

 

 

『ベリアル……』

 

『ケン、信じろ。(マリー)の腕と、親友(ベリアル)のタフさを』

 

『お師匠……そうですね。二人の凄さは私もよく知っている。私が誰よりも信じなくては』

 

『ああ。それと……今回の事で確信した。やはりあの部隊の設立は必要だとな』

 

『はい。常に臨機応変に対応し、次元や時間を超えて幅広く活動出来る部隊……』

 

『銀河遊撃隊。そしてその総司令官として俺はベリアルを任命するつもりだ。治療が終わって一段落したら直接言うとしよう』

 

『そうですか……!いよいよ彼が』

 

『これだけの重要任務を見事達成したんだ。もはや誰も文句は言うまい』

 

 

 

 

 

共にマントを靡かせつつ語り合うレジェンドとウルトラ父の声色はどことなく嬉しそうである。

それから場面はベリアルの病室へと移り変わった。暫く時が経った後なのか、ベリアルの方もほぼ回復しておりベッドに腰掛けている。

 

 

 

 

 

『ったく、もう十分過ぎる程休んだってのにまだ退院許可が出ねえんだよ。ロクに訓練も出来ねえし、そもそも身体を動かせねえ。唯一の救いはゼロやジードが任務先の事を土産話として持ってきてくれるぐらいだぜ』

 

『あいつら、あの時のお前を見てから奮起してるらしいぞ。この間はジードがルガノーガーを打倒したそうだ』

 

『私も報告を受けたよ。ゼロに至ってはマガオロチの単独討伐を成し得たそうだ。同行した新入隊員を守りながらにも関わらずな』

 

『相変わらずゼロはやる事がぶっ飛んでんな。ジードも俺が動けない間にかなり成長してるようだしよ』

 

 

 

 

 

ガイから魔王獣よりもさらに強い大魔王獣・マガオロチの話を聞いていたオカルト研究部は新たなゼロの武勇伝に大層驚いた。最早今日何度目か分からない。

 

 

「先輩ってあの魔王獣とかいうのより強い奴を、他人を守りながら一人で倒したのか!?」

 

「彼の隊長職任命も納得よね……」

 

「うおぉぉぉ!さっすがゼロ師匠!」

 

 

そういやゼットやタイガはこの事を知らなかったな、と思いつつレジェンドは懐かしくかつての自分達を映した記録映像を見ている。

 

 

 

 

 

『んで、忙しい二人が揃いも揃ってどうした?まさかあれからまたすぐ面倒事でも起こったんじゃねえだろうな』

 

『いや、小さな事件はちょくちょく起こっているものの概ね宇宙は平和だ。だが事件というものはいつ起きるか分からんものでな、今日はその面倒事に対処する為の方法についての話をしにきた』

 

『面倒事の対処ったって例外でなきゃやる事は今までと変わらねえだろ?』

 

『それはそうなんだがな。単刀直入に言うぞ。ベリアル、お前に今度新設する宇宙警備隊の兄弟組織、銀河遊撃隊の総司令官を務めてもらいたい』

 

『……は?』

 

『今回のような大事件が起きた時、宇宙警備隊では私やゾフィーを始めとする責任者の判断を仰がねばならず、結果後手に回ってしまったり手遅れな状況になってしまったりする場合もある。そうならない為に、独自の権限を持った部隊を設立する案が前々から出ていたのだ。そして、今回の出来事でその必要性を改めて実感した』

 

『既に各所への設立申請手続きは済んでおり、後はその活動拠点やメンバーのみ。先に説明した通り、その部隊は独自権限を持つが故、任務の危険度も高く、必要となる最低個人戦力値はかなり高くなっている。それらを纏めるには今回の事件で多大な功績を収め、さらにウルトラ大戦争でも最前線でエンペラ星人とやり合い生還した文句なしのベテランであるお前の力が必要だ』

 

『事情は分かったがよ、だったら警備隊の特別部隊扱いにして独自権限とやらをくれてやればいいだけだろ?』

 

『当初はそれも考えていたが、そうなると結局は警備隊になっていざという時に縛りが出てしまう事や、“宇宙警備隊とは別の視点で物事を捉える“という試みも出来なくなるという点を踏まえてこういった形を取る事にしたんだ』

 

 

 

 

 

記録映像のこの会話を聞いて、リアスはウルトラマン達が三大勢力に比べ、どれだけ綿密に連絡を取り合い、先の先まで考えているかを理解した。

無論、それでも連絡が行き届かないところはあるだろうが、なんとかしてそれが起こらぬように対策をしたり、或いは別の形で対処出来るようにと、こうして様々な案を出している。

 

 

(これは私達の危機管理意識が甘いと言われても反論出来ないわ。彼らは町どころか全宇宙、もしかしたらそれ以上というスケールで常に物事を考え、しかも小さい事も蔑ろにしない。ちゃんと見習わないといけないわね)

 

 

何もこれは悪魔に限った事ではなく、三大勢力共通の今後の改善点である。

 

 

 

 

 

『……そこまで考えてて、こんな事言われたら断るわけにゃいかねぇな。あの戦争の生き残り、それも最前線で戦ってっつったら俺やケン、あとは……マリーくらいしかいねぇし』

 

『マリーは殆ど偶然あの場に居合わせただけの気もするが……』

 

『その要職に就くのは良いとして、一つだけ条件がある』

 

『『?』』

 

『もう何度か説明したが、あの“時の果て"の戦いで俺は新しい力を手にしたわけだが、その力の性質が性質だから暴走の危険が無いとも限らねぇ。総司令官って立場になった俺が暴走してまたやらかそうものなら、それこそせっかく立ち上げた新設部隊が一瞬でパァになる。だから万が一そうなった時、俺を止められる奴が必要だ』

 

『ベリアル、それは……』

 

『つまりだ、宇宙警備隊には大隊長のケンに加えて隊長としてゾフィーがいるように、その銀河遊撃隊とやらには総司令官の俺の他に隊長として……ゼロを任命するのが条件だ』

 

 

 

 

 

「三大勢力のトップの皆さんは彼と同じように自分の客観視が出来るようになって下さい。あなた方がやらかすとそれこそ部隊どころか種族全体の問題になるんですよ」

 

「「「「仰る通りです……」」」」

 

 

ベリアルの言動に感銘した鬼灯によって四人は釘を刺される。特にアザゼル。カナエ相手に限らずセクハラは厳禁です。レジェンド一家に目を付けられた以上、またそんな事しようものなら地獄の番犬が直々にデリートしに来るぞ。

 

 

 

 

 

『ならば問題は無いな。既にゼロには打診して承諾を得ている。逆に総司令官は絶対ベリアルにしろ、とあっちはあっちで要望まで出してきたぞ』

 

『……あいつ俺自身より俺の事理解してんじゃねぇのか?まあいいか。で?部隊新設の説明とかはいつやるんだ?』

 

『お前の退院後、表彰と同時に行う予定だ。メンバーの方も俺とゼロである程度集め終わっている。部隊として始動するには十分過ぎる程にな。これが第一期……創設期メンバーのリストだ』

 

『どんなもんだ?……オイ師匠。パッと見ただけでとんでもない面子引き連れて来すぎだろ。特にあんたの直接関係者のコスモスとジャスティスなんてデラシオンの連中がよく納得したな!?』

 

『和平蕎麦一杯で落ちたぞ』

 

『『陥落早過ぎだろ宇宙正義!!』』

 

『どうやら地球文明の素晴らしさを理解したようだ』

 

『その文明の一部分をピンポイントでだけどな。美味いのは合ってるがよ

 

 

 

 

 

タイガ、タイタス、フーマ、そしてゼットもこれにうんうんと頷いている。多分メビウスとかも納得するだろう。

ジャスティスも飴玉の魅力にやられているし。

ここに来てやっと重い空気が和やかになった。

そして冒頭の表彰式の場面に戻り、レジェンドの演説によって新設される部隊、銀河遊撃隊について説明され、その要職に就くベリアルとゼロ、さらに第一期参加メンバーが呼ばれる。

 

ベリアルとゼロに加え、まずはゼアス、ティガ、ダイナ、ガイア、アグル、ナイス、コスモス、ジャスティスから成るベテラン組。

続いてゼロが直属の上官も務める新世代ヒーローズ『ニュージェネレーション』にはギンガ、ビクトリー、エックス、オーブ、そして当時は最後にジードが選出された。

この時はまだロッソ、ブル、グリージョもおらず、トライスクワッドやゼットはまだ訓練生だった。

 

 

「今、レジェンド様からメンバーの来歴を見せてもらっているのだが……全員凄すぎる戦績だ」

 

 

ティガが倒した相手には超古代文明を滅ぼした邪神、ダイナが倒した相手には巨大にも程がある暗黒惑星など、特にベテラン勢はスケールが大きすぎる。

伊達や酔狂で集められたわけではない、本格的な少数精鋭の遊撃部隊だとメンバーを見ただけで分かるレベルだ。

 

勿論ゼロ直属の面々も負けてはいない。

ギンガはタロウに、ビクトリーはヒカリに目を掛けられ、エックスはグリーザだけでなくザイゴーグという閻魔獣を討った実績を持ち、オーブは魔王獣の元締めたる超大魔王獣を倒し、ジードは【エリア】を超えてキングにも認められた。

 

そう、銀河遊撃隊は正しく宇宙警備隊に並ぶドリームチームと言える組織なのである。

ベリアルの短い演説後、ゼロが気合いの入った意気込みを語り終えた所で再びガーディアンベースの映像へ戻った。

 

 

「こうして銀河遊撃隊は結成された。宇宙警備隊とは違い、起きた事件にその時その場で臨機応変に対応し、大事件が発生した場合でも宇宙警備隊の判断を待たず、隊内での決定によって作戦実行が可能。さらに少数精鋭故に電撃作戦も容易な独立組織、それが銀河遊撃隊だ。宇宙警備隊以上に時空・次元レベルの活動に積極的なところも特徴だな」

 

「あの、さっきのメンバーの中にタイガやタイタス、フーマ、あとゼットがいませんでしたけど……」

 

「会話を聞いていたから分かると思うが、今のは創設時のメンバーで、その四人はさらに三人追加された後に入隊したメンバーだな。現状、一番最後の入隊員はゼットだ」

 

「「「「「三人?」」」」」

 

「ロッソ先輩、ブル先輩、グリージョ先輩の三人だぜ!しかも三人は兄妹なんだ!」

 

「ち……ちなみにだな、グリージョちゃんはO-50のウルトラマンにとってア……アイドルなんだよ」

 

「どうしたんだよフーマ。顔が赤いし、風邪でも引いたのか?」

 

「タイガ、少しは察してやれ」

 

 

レジェンドを始め、理解出来ている者達の中でタイタスの過去を知るレジェンドやオカ研は思う。『お前もな』と。王女の想いに気付かなかったタイタスも察するべきだろう。

 

 

「ところで、遊撃隊の皆さんは外見もかなり特徴的なんですね。光の国の皆さんにはあまり無かったプロテクターとか、そういうのを着けてる人が多いです。それにゼアスさんって方やナイスさんみたいに、光の国の方と似ているけどかなり違う方もいますし」

 

 

……正直、小猫が一番真面目に質問している。

これに答えたのは同じく真面目(&天然)枠のサーガ。マジでお前ら結婚して末永く爆発しろ。

 

 

「先輩の話によると、遊撃隊に所属しているウルトラマンの中で光の国出身だと明確なのはベリアルとゼロ、それにタイガくらいだな。後は基本的に生まれやウルトラマンになった経緯が特殊だったり、他星の出身の者が殆どだ。こういったメンバー構成のテストケースとしても、今後を見据えた試みの一つらしい」

 

「あの、ゼットさんは光の国出身じゃないんですか?」

 

「へ?ああ……いや……ホラ、ちょっとばかりミステリアスなとこがあってもいいんじゃないかな〜って……」

 

 

結局はぐらかされた。しかしシトリー眷属ゼットファン組はそういうところも魅力的に見えるらしい。

 

 

「それから、ガーディアンベースの内部について。居住区以外にも各種施設や特殊設備も充実していて、自給自足の生活が可能なんだ。当然セキュリティもかなり堅牢だし、任務なんかで長期間留守にする時とかも特殊なハウスキーピングシステムで自分達の居住区はしっかり維持されるからそこも問題ない」

 

 

養成学校では優等生だったタイガが説明する。

聞けば聞くほど光の国の技術が羨ましく感じてきた三大勢力トップ陣。しかし、これだけ便利なのはここまでしなければ日々の任務をこなし続けられないくらいハードなのだと気付いているのだろうか?

 

 やっと穏やかになりつつあった会談であるが、巌勝の予想通り波乱の幕開けがすぐそこまで迫りつつあるのも、レジェンドやサーガ、そして彼らの眷属たる者達も薄々勘付いている。

 

 会談の場を狙っているのは禍の団(カオス・ブリゲード)か、それとも……

 

 

 

〈続く〉




次回はいよいよ(命知らずな)襲撃です。
ギャー君を拉致する前に全滅しそうな襲撃犯、一番ヤバい連中が集まってる会談会場。
……詰んでますな、これ。

ちなみに総司令の強化形態の強さは、基礎スペックがアトロシアス並、闇属性限定の吸収変換、専用武器(ギガバトルリライザー)も強化形態へ、ついでに人格二人分によるマインドシャッフル戦法が可能ってな感じです。
もはやチートラマンじゃねーか総司令。
しかも、まだ更に先があるという……本作で味方で良かったよコレ。


それではまた次回。

二択決定戦! シン一人乗りする最終ゲッターはどちらだ!?

  • 真ゲッタードラゴン(大決戦版)
  • 真・ゲッター1(スパロボα仕様)
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