ウルトラマンレジェンド Episode.CROSSOVER 作:ハジケハムスター・ポッポ
いよいよ本章のクライマックスに突入します。
今回からオリジナル展開がバリバリ出始める、というかオリジナル展開しかなくなる可能性があります。
タグ通りなのでご容赦下さい。
サブタイトルは今回出てくる奴の作品のBGMから。
実はアレの専用テーマは別に有るのですが、原典知る方にはこっちの方が印象強いと思います。
それでは本編をどうぞ。
――スペースコロニー・ドラガイト――
いよいよ鉄華団の新造艦の進宙式が行われようとしている。進宙式後はそのままダイブハンガーへと向かう為、サーガと合流する超次元グレン団の選出メンバーも同乗しており彼らの機体も搬入済だ。
さらに、進宙式に立ち会うべくギャラクシーレスキューフォースに出向しているクルーガー夫妻も一時的に帰還しており、ダンブルドアやアムロ、ニールらも出席していた。
「ほう、これが噂の新型か。何というか……鉄華団よりも超次元グレン団向きな気がしないでもないが」
「まあな。けどよ、ドギーの旦那。コイツは俺らにとってもピッタリな艦だぜ?『絶対に折れない、止まらない』ってのを体現してると思わねえか?」
「ふ……確かにな」
「束がある程度作り上げていた物をクルーガー主任があの人と共に引き継いで完成させたんでしたね」
「そうよ〜。束ってばいきなり『スーちゃんあとお願いね!設計図と完成予想図送っといたから!』って連絡してくるから思わず変な声出ちゃったし、あの人にも無理言っちゃったし。リブット君やソラちゃん、イザナ女王にも心配されちゃった」
「その割には楽しそうだな、ミセス・スワン」
「これだけ大きなもの作ったの久しぶりだしね〜」
鉄華団の新造艦の開発は、篠ノ之束、スワン・クルーガー、そしてもう一人の人物によって進められ、今日の完成へとこぎ着けたのである。
光神陣営の中でも最上級の科学技術・メカニック知識を持つ者達によって造られたそれは、これからの戦いに必要なものだ。
「儂らはそうそう己の職場を離れられんのでな、頼むぞ。オルガ君、いや……鉄華団、そして超次元グレン団の皆」
『おうよ!俺達に任せときゃ万事解決だぜ!』
『カミナ、ダンブルドア校長にそんなタメ口きかないの!全く、レジェンド様もそうだけどちっとも諌めないから』
『お前だって大将相手に、タメ口だろ!それにな、変にですます口調になったら壁が出来ちまうだろうが!俺達ゃ家族、ファミリー、運命共同体だぜ!硬い事は無しにしよーや!』
「今日も変わらず賑やかじゃな」
「いいんじゃないか?下手にガチガチに緊張したり、今生の別れみたく泣かれるよか全然良いぜ。あいつら……いや、俺達らしくてよ」
ニールの言う通り今生の別れでもないのだし、顔見知りの集まったせっかくの進宙式、幸先良くなるのを願って明るく送り出そうという全員一致の意見だった。
「んじゃ、そろそろ俺も艦に行くか。ドギーの旦那、スワンの姐さん、ダンブルドア校長、アムロ隊長にニール教官、色々助かった。また合流したら美味い飯食いながらお互い思い出話に花咲かせようぜ」
「ああ、サーガ様やレジェンド様によろしくな」
「束に次はこっちに協力するよう伝えといてね」
「お前達の武運長久を祈っている。あまり無茶をし過ぎるなよ」
「時が来れば俺達も共に戦う事になるだろう。頑張れよ」
「儂は近いうちにレジェンド様からお呼びが掛かりそうじゃがな」
ダンブルドアの言葉に苦笑するも、オルガは大きく手を振りながら艦へと向かい、彼の姿が艦内へと消えてからドギー達もコロニーのドックから管制室へと移動する。
彼らの新しい門出を見守る為に。
☆
三大勢力会談の場に現れた旧魔王派のカテレア・レヴィアタン。圧倒的不利な状況にも関わらず、不遜な態度を変えない彼女に三大勢力側はともかく、光神陣営(アーシアやゼノヴィア除く)はこう考えていた。
――コイツ、頭大丈夫か……?――
それもそのはず先程から現在進行形で続いている、東方不敗による蹂躙を見たのかどうかは知らないが、それと同格なのが少なくとも二名はこの場にいるというのにあの態度。
それに、ヴァーリは今のままでは戦力にならない。多分カテレアと(衣装の件で)同類に見られたくないから見捨てるかもしれないし。
「カテレア……テロの首謀者は君か?」
「ええ、その通りよサーゼクス。ただ……かなり予定とは食い違っているけれど」
「もうやめてカテレアちゃん!どうしてこんな事を……」
「下賤な小娘め……!私からレヴィアタンの名を奪っておきながらよくもぬけぬけと……!」
カテレアはギリッと歯軋りしながらセラフォルーを忌々しそうに睨みつけるが、レジェンドは頬杖つきながら気怠そうに欠伸している。
鬼灯は鬼灯で(東方不敗が今もなお殲滅モードな為)どんどん増えていく地獄行きの魂に頭を悩ませているし、卯ノ花は斬魄刀を笑顔で構えていた。
「しかし……ヴァーリ、一体いつまでそうしているつもりですか?たかが人間一人、貴方なら何の苦もなく始末出来るでしょう?」
(ダメだコイツ力量を把握出来てないな)
(巌勝さんを普通の人間と思ってる時点で人選ミスですね。誰ですか彼女送り込んだのは。まさか立候補?)
(旧魔王というから私も少しは楽しめるかと思ったのに……期待外れです)
ズタボロに思われているなど気付くはずもないであろうカテレアは誰も追求していないのに今回の作戦を喋り始める。
「ヴァーリからの情報提供、及び下準備を完了させ、ハーフヴァンパイアの神器の力を発動させてからテロを実行する手筈だったのですが……いつまで経っても神器が発動せず、仕方ないからと出向いてみればヴァーリは拘束され実行部隊はほぼ壊滅……まさかこうなるとは思ってませんでした」
(((見通し甘過ぎー……)))
レジェンド側の三名はどんどんやる気が削がれていく。
「ですが、私達も策が無いわけではありません。何故ならこちらにはあのオーフィスがついているのですから」
「「「「「……え?」」」」」
「フフ……どうやら知らなかったようですね。噂の光神様でもこの事は予想外だったでしょう?」
間抜けな顔したレジェンドを始めとする光神陣営を見て気分を良くするカテレアだったが、そうではない。
(コイツまだオーフィスが禍の団にいると思ってるのか?どれだけ放っておいたのか分かるというか……帰ったら思いっきり甘えさせてやるとしよう)
(オーフィスちゃん、漢字覚え始めてから『バカの団』とか呼んでたって超師匠言ってたっけ)
(あの……何だ……ねーちゃん大丈夫か?)
((フーマ、無理してねーちゃん呼びしなくていい))
(やっぱり電波系だったんだ。現実を認識出来ないんだね)
最後のリクが一番酷かった。可愛い弟分に手を出されそうだったのが余程腹立たしいようだ。
「まさか、
「ええ。貴方達に勝ち目はありませんよ。光神様ならどうか、というところでしょうが」
前者は合ってる。後者は大間違い。鍛えたのはレジェンドです。
「え、オーフィスっていつもレジェンド様にくっついてるあの娘だよな?」
『ああ。俺が言うんだ、間違いない』
「「『……は?』」」
ナイス空気読まない発言な一誠とドライグ。先程とは正反対にカテレア、ヴァーリ、そしてアルビオンが間抜けな声を出した。というかヴァーリとアルビオンはプールでの出来事の時にガチで気付いてなかったらしい。
「我呼んだ?」
一時の静寂。
いつの間にかゴジラを抱っこしつつ、レジェンドを見上げるオーフィスがいた。そんなオーフィスを見る一同。
いつも通りの定位置……つまりレジェンドの膝の上にゴジラを抱きかかえたまま座るオーフィス。
『えええええ!?』
「何でお前ここにいるんだ?留守番してろって言っただろ」
「なんかゴジラが連れてけって。あと、我レジェンドがいないと眠れない」
『オレ様のゴジセンサーがビンビン警鐘鳴らしてんだよ』
「オイ何だゴジセンサーって」
いつもの調子で会話する二人と一匹を唖然とした表情で見ている三大勢力トップ陣やカテレア、ヴァーリ&アルビオン。
「オーフィス!?何故貴女がそこにいるんですか!?」
「……?レジェンド」
「何だ?」
「あれ、誰?我知らない」
直後、カテレアの背後に雷が落ちた。
リアスらは必死で笑いを堪えている。更に言うがヴァーリとアルビオンは視界にすら入ってない。
「な……な……!?」
「オーフィスちゃん、分からないでございますか?」
「うん。あんなの知らない」
あんなの呼ばわりで大半の腹筋が崩壊し、辺り一面大爆笑だ。
長らく放置しすぎに加え、レジェンドやその一家との日々がかつて無く濃厚、しかも楽しすぎたのでオーフィスはカテレアをすっかり忘れているもよう。
「ぶはーっはっはっは!腹痛ぇー!」
「真の魔王と名乗りながら組織のトップに覚えられてないとは……ぶふっ」
「この堕天使と天使風情に笑われるなど……!オーフィス!この私を、カテレア・レヴィアタンを忘れたと言うの!?」
「………………あ」
ここにきて漸く思い出したようだ。しかし、オーフィスはカテレアを指差しつつ最近覚えた言葉を使ってみる。
「放置親」
「ほうっ!?」
「「「「ぶふぅっ!!」」」」
親ないし子、もしくはそれに似た立場の者は揃って噴き出した。ある意味間違ってない。
「オーフィス!貴女の目的はどうしたのです!?グレートレッドを倒し、静寂を手にする目的は!!」
「我、もう静寂要らない」
「は!?」
「静寂もいい。でも、それよりレジェンド達と一緒がいい。一緒にご飯食べて、お散歩して、お昼寝して、遊んで……冒険とかもしたい。それにもう我の方がグレートレッドより強い。だからそんな目的もうとっくに捨てた」
オーフィスは淀みなく言い切り、レジェンドに撫でられて満足そうである。未だパクパクと口を開いて衝撃が抜けきっていないカテレアに追撃をかける。
「我、ずっと言ってきたのに『魔王が』『研究の為』とか言って放って置かれてた。レジェンド達はお仕事忙しくても構ってくれるし、色んな事教えてくれた」
「条件は禍の団を抜ける事だったんだが、後からは俺と一緒に禍の団潰しに協力してくれてたからな」
『!?』
どうやら、これも三大勢力や禍の団側は知らなかったらしく酷く動揺する。なにせトップと思っていたオーフィスが光神と一緒になって禍の団潰ししてるなど誰が予想出来ようか。
「そ、そんな馬鹿な事が……」
「お仕事終わった後の現地ご飯美味しかった」
「アレは醍醐味だよな〜」
『やっぱ定期的にマグロ食いたくなるよな』
周りが騒然としている中、レジェンド一家最強チームはのほほんとしていた。
しかし、それの雰囲気さえある者によって破壊される。
「漸く役者が勢揃いしたか。結局揃わなかったら何もせず帰るハメになるところだったよ」
『!!』
声のした方向を向くと、開いた窓に腰掛けて顔だけ向けてくる堕天司ベリアルがいつもの表情でそこにいた。
「やあこんばんは特異点に光神サマ。それからハジメマシテ三大勢力のトップの方々。それと白龍皇とオマケさんも」
「オマケ……ですって……!?」
「オマケだろう?真の魔王を名乗る者が
カテレアは戦慄する。この男はオーフィスの『蛇』の事を知っている。
初めて出会う相手だというのに瞬時に心を見透かされたような感覚に陥り、恐怖が生まれると同時に汗が流れてきた。
「おっと自己紹介がまだだったか。こいつは失礼……俺は堕天司ベリアル。コッチの世界とは堕天使の使と司で違うからそこヨロシク」
「父さんと同じ名前……!」
「君はジード……だったか。同じ名前って事は親父さんもこんなイイ男だって事だろ?」
「父さんがイイ男なのは認めるけど、お前の事はそう思えないね」
「ハハッ、初対面なのに随分嫌われたモンだ」
いつもの調子で笑うベリアルに対してリクは更に苛立つ。少なくともリク―ジードにとっての父ベリアルは厳しさと優しさを併せ持ち、気さくで年の離れた者からも気軽に話しかけられているような人物だ。闇の方も何だかんだ言って手助けしてくれるツンデレなチョイ悪親父という感じである。
「ま、兎にも角にも俺も今日は仕事でね。今日の目的は君だ、白龍皇」
「俺、だと?」
「そう。とはいえそのままじゃ落ち着いてオハナシ出来ないだろう。さて、月の侍」
「……貴様と話す舌など持たん」
「そう言うなよ。聞くだけでいいさ。この間、俺が言った事を覚えているかい?あの廃教会での方な」
巌勝は思い返してみる。あの日……そう、レジェンド、オーフィス、ゼットと共に大型の『鬼』カゼキリを討伐した日の事を。
廃教会での会話の中で気になった点と言えば……
「世界が繋がりを持った……」
「その通り。よく思い出したな。で、ここにこれだけ生まれも育ちも違う世界の者が集まったんだから……」
その時だった。
校庭の隅にあの時の―カゼキリが出現した時と同じように空間が歪み、そこからカゼキリを大きく上回る5mを超える巨体が現れた。
逞しい四肢や肉体、首元には数珠らしきものもあり、長大な尾を持ち、その頭部には牙や角を持った、御伽話のそれに近い大型の『鬼』―ゴウエンマ。
鬼の前線指揮官とも称されるそれはカゼキリを遥かに上回る戦闘力を有する危険な存在だ。
「こうなるわけだ」
「鬼ッ……!しかもゴウエンマだと!?」
「あれが、私達の世界とも、この世界の鬼とも異なる鬼……!?」
「何という迫力だ!まるで上弦の月が巨大化したような圧倒的威圧感!」
「あんなのとレジェンド様やゼットさん、オーフィスちゃんは戦ったのね……!」
巌勝は元より鬼殺隊の『柱』だった三人は自分達の知る鬼と違う、全く別の鬼に戦慄している。
そして、それはリアス達三大勢力の者や、カテレアも同じだった。
「おい!何かヤバそうな奴出てきたぞ!?」
「怪獣……にしては小さいな、一体どんな奴なんだ!?」
「むうう……あの肉体、敵ながら見事と言わざるを得ない!」
「「だーかーらあああ!!」」
相変わらず筋肉に目が行きがちなタイタスにツッコむタイガとフーマ。確かに凄い筋肉だし、一撃一撃が危険かもしれないと言われれば説得力があるのだが。
ここで、巌勝はヴァーリを突き飛ばし、窓から校庭へと飛び降り脇目も振らずゴウエンマへと突撃する。
(あの状況では白龍皇とやらは他の者に任せるしかない。ゴウエンマ……いや、『鬼』にレジェンド様抜きで痛手を与えられるのは現状私のみだ。それに攻撃が通じる今ならば一対一でも問題はない!)
レジェンドやオーフィス、ベリアルを除く者達は巌勝の行動に驚くも、そんなのはお構いなしにベリアルが会話を再開する。
「これで拘束は外れたな。改めてお話しようか白龍皇。まず言っておかないといけない事がある」
「……何だ?」
「君は弱い」
「ッ!!」
「そうだろう?如何に魔王の血筋であろうと、所詮は強い神滅具を振りかざしてイキッているだけの坊やさ。現に魔王獣との戦いで活躍していたのはウルトラマンや光神陣営の連中だ。『永遠に戦えればいい』なんて考えてる割に勝てない相手には向かっていかない。さっきだってそうさ。動こうと思えば動けたはずなのに黙って固まったまま。結局君は戦いじゃなくて弱い者イジメがしたいだけだろ?」
「……黙れ……」
「今もそう、鬼が出た瞬間に飛び出したのはあの月の侍だ。君は突き飛ばされて起き上がりはしたもののこうやって震えているだけ……君は弱い臆病者さ」
「黙れっ!!」
遂にヴァーリの堪忍袋の緒が切れた。怒りに顔を歪め、ベリアルに対して尋常ならざる殺気を叩きつけている。
が、当のベリアルはどこ吹く風、まるで意に介していない。それどころか計画通りともとれる表情をしていた。
「俺が弱いだと!?臆病者だと!?いきなり現れてそんな事を言っておきながらただで済むと思うなよ!!」
「じゃあ証明してもらおうか。来いよ臆病者の坊や」
「貴様ァァァァァ!!」
優雅に空へと舞い上がったベリアルに対し、禁手化して会議場を衝撃で破壊しつつベリアルを追うヴァーリ。
もはやいつもの冷静さは微塵もない。
「完全に奴のペースだな」
「……白龍皇、確実に敗ける」
『少なくともあのヘラヘラ野郎はレジェンドと相対してもヘラヘラしたままだったからな。度胸も場数も違うんだろうよ』
レジェンド一家最強格三名は逆に冷静だった。
しかし何故ベリアルはヴァーリを怒らせるような真似をしたのだろうか?
ただ倒すだけなら冷静さを失わせる必要は無かったはず。そこにはある者の恐るべき意図が隠されていた。
☆
結界の天井ギリギリの位置で激闘を繰り広げるヴァーリとベリアルだが、禁手化しているにも関わらずヴァーリは劣勢であった。どういうわけか相手の攻撃その他を半減させる事が出来ないのだ。
「ホラどうした?威勢の良さがあっという間に消えちまったぜ」
「ハァ……ハァ……!どうなっている、アルビオン!」
『知るか!能力自体は問題なく発動している……奴が対象に含まれていない!』
「含まれていない、だと……?」
「さっき言ったばかりだろ?その神器に頼り過ぎなんだよ。この世界の連中はさ」
凄まじい速さで飛ばされてくる赤い剣をなんとか回避するヴァーリだったが、ベリアルの翼から放たれた無数の閃光を何発も浴びてしまう。
「ぐああああ!!」
『ヴァーリ!くそ……何か仕掛けが……!』
ベリアルの仕掛けとやらを探ろうとするアルビオンだったが、一瞬のスキを突かれヴァーリをベリアルが捕獲し……
「別に周りからエネルギーを吸収しなくても、俺がプレゼントしてやるよ。ホラ」
ドン!とヴァーリの鎧に掌を付け、自身の持つあるエネルギーをヴァーリに注ぎ込むと、途端にヴァーリは苦しみだす。
「がああぁぁぁっ!?」
『おい、どうしたヴァーリ!?』
「がっ!ごほっ!ぐ……う……げほっ!」
「そんなに密閉したら駄目だな。そら」
バキィィィィィン!!!
一誠の時同様、一撃で簡単にヴァーリの鎧を木っ端微塵にするベリアル。その瞬間、ヴァーリの全身からドス黒い血のような闇が一気に噴き出した。
「がはっ……」
『ヴァーリ!馬鹿な……コイツがこんなにアッサリと……一体何を注ぎ込んだ!?』
「ヒ・ミ・ツ。さて、まずはこっちを仕上げないとな。よっと」
軽い調子でヴァーリを地上の校舎へと蹴落とすベリアル。アルビオンの悲鳴を聞きつつ、屋上から一階まで突き抜けて行くヴァーリを見ながら通信を入れる。
「こんなもんでいいかい?ギアさん」
『この上ない完璧な仕上がりだ。流石だよベリアル』
「いやいや、アレもまだまだ子供って事さ。しっかしギアさんもえげつない方法取るねぇ」
『フフフ……徹底的に侮辱され、その上で完膚なきまでに叩き潰された彼は力を欲するだろう。そう……己の無力さを嫌というほど思い知らされた彼は、なりふり構わずに……ね』
通信に映っていたその者の姿は、差異はあれどウルトラマンであった。
☆
落下してきたヴァーリによって校舎が破壊され(元々彼が飛び出た時にある程度破壊されていた為、これがトドメになった)、光神陣営側と分断された三大勢力側はヴァーリの元へ急ぐ。
そして発見したヴァーリは既にボロボロであり、まともに戦える様子は無い。
「ヴァーリ、しっかりしろ!」
「アザゼル!彼は……」
「分かってる、テロの実行犯だ。けどよ、せめて命くらい救ってもバチは当たらねぇだろ。これでもコイツを今日まで育てた責任ってモンがある」
サーゼクスに諌められるも、アザゼルとしては息子同然に育てたヴァーリをそのままに出来なかった。
後から到着したリアス達も黙って見守っている。
しかし……
『彼は我々が頂くよ』
「「「「「!?」」」」」
その場の全員が吹き飛ばされた。
何者かがやってきたのかと思えば誰の姿もなく、あったのは宙に浮かぶノイズだらけの空間ディスプレイ。
「な……何だ!?今のは!?」
「分かりません!魔力などの反応も無かった……」
「あるとすればあの変なテレビだね☆」
「こんな時まで☆付けた喋り方すんな!ったく、何だってんだホントによ!」
三大勢力トップ陣は各々の反応を示すが、やはり視線は不自然な空間ディスプレイに絞られる。
そして、そのディスプレイに映った者を見て驚愕する。
『御機嫌よう、三大勢力の諸君。悪いが君達はしばらくそこで見ていてくれたまえ』
「「「「「なっ!?」」」」」
「「「「「ウ、ウルトラマン!?」」」」」
見た目こそ本来のウルトラ族と違うものの、輪郭を始めその姿は紛れも無くウルトラマンだったからだ。
「何で和平結んだのにウルトラマンが俺達を攻撃するんだよ!?」
「違う……!タイガ達やレジェンド様はこんな事しないわ!」
「部長の言う通りだ!アイツはタイガ達とは何か違う!」
アザゼルの疑問にリアスと一誠が叫ぶ。
だが、そんな事を気にせずそのウルトラマンはディスプレイの中からヴァーリに語りかける。
『白龍皇ヴァーリ・ルシファー、初めまして。私はトレギア……君の願いを叶えにやってきた』
「ね……がい……?」
『そう、君は力が欲しいだろう?遥か高みに昇る為の力が』
「力……」
『君は不幸だ……本来ならば君こそがウルトラマン達に選ばれるべきだと思わないか?その身に真なる魔王の血が流れ、さらに二天龍を宿した神器まで持っているのに、ウルトラマンが選んだのは特別な生まれでも才能に恵まれた訳でもない、ただ君の対となる神器を手にしただけの転生悪魔だ』
そのウルトラマン――トレギアの言葉が次々とヴァーリの心に入り込んでくる。
『見返したいと思わないか?君を選ばなかったウルトラマン達を。君を見ようとしなかった赤龍帝達を。……君を不幸のドン底に突き落とした、君と同じ血を持つあの男を』
「俺……は……」
「ヴァーリ!やめろ!それ以上聞くんじゃねえ!」
アザゼルの言葉も虚しく、ヴァーリはそれを口にする。
「欲しい……力が……何にも勝る力が……!」
『ならばこの手を取るといい。君が望むものが、私達のところにある』
「……ああ……」
『アースガルズの神々など所詮は光神に挑んで返り討ちにあった者が率いる烏合の衆……私達はもっと大きなものを相手にしようじゃないか』
ニヤリと笑っているかのような声で言った瞬間、なんとディスプレイからゆっくりと手が出てきた。
その手をヴァーリが掴むとヴァーリはその場から姿を消す。
「ヴァーリ!!」
「い、一体……何が起こったの……!?」
「突然いなくなりやがった……!」
『安心したまえ。彼はこちら側にいるさ……さて、今度は彼ばかり得した形になってしまったな。君達にも私達からのプレゼントを贈ろうと思う』
トレギアは空間ディスプレイからそんな事を口にするが、それに対してアザゼルが噛み付いた。
「ふざけんな!そんなものよりヴァーリを返しやがれ!」
『おやおや、彼を理解出来なかった君が何を言う?そうだ、君達に一つ……為になる事を教えてあげよう』
激昂するアザゼルを嘲笑うように言い捨てた後、その場にいた三大勢力の者達にトレギアは一言だけ語る。
『君達の言う“絆”は簡単に壊れる』
その直後、周囲の空間が歪み、東方不敗が未だ無双している魔方陣を残し駒王学園や校庭ごと転移させられる。
無論、その場に生き残っていた三大勢力の護衛や、光神陣営、そして鬼も含めて。
『さあ、舞踏会の会場へご案内だ。舞踏会のみならず様々な出来事を楽しんでくれ』
〈続く〉
本作の残りヴァーリチーム、猿と兄妹。
兄妹はともかく猿の方は東方不敗か鬼灯に地元へ強制送還される未来しか思い浮かばない。
そして皆さんお待ちかねの青いアイツも登場し、白龍皇はよりによって一番タチの悪い連中の所へ……
トレギアの相方は実はベリアルではなくもう一人の方、アレを作った方です。
どっちにしても超少数なのに禍の団の比じゃないヤバさ。
次回、遂に本章最大の敵が出現。
それではまた次回。
二択決定戦! シン一人乗りする最終ゲッターはどちらだ!?
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真ゲッタードラゴン(大決戦版)
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真・ゲッター1(スパロボα仕様)