ウルトラマンレジェンド Episode.CROSSOVER   作:ハジケハムスター・ポッポ

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お待たせしました。
内容的にはボス前のセーブポイントみたいな感じでしょうか、そんな感じの今回。


それでは本編をどうぞ。


迫りくる異形達

 トレギアによって駒王学園や校庭ごと転移させられたそこは、辺り一面森、そして山……うっすらと霧がかかっているが周囲にはやはり森しかない。

かなり遠くには海か、もしくは巨大な湖がある。

 

 

「こ……こは……?」

 

「部長!大丈夫ですか!?」

 

「イッセー……?皆は?」

 

「なんとか無事みたいですけど……巌勝さんやあの鬼も飛ばされたみたいで今も戦ってます。あっちも救援にいかないと……!」

 

 

一誠の言葉からどうやら純粋に転移させられただけと認識したリアスは、どうにか起き上がって周りを見渡すとそこにレジェンドがゼットと共にオーフィス(ゴジラ抱え済み)をお姫様抱っこしつつ合流。

 

 

「我、レジェンドのお姫様。きゅんきゅん」

 

「何でこの状況でいつものノリなんだお前」

 

「ま、まあ!凹んでたりパニクるより良いんじゃないですか超師匠!」

 

『ゴジセンサーは今もレッドアラートガンガンだぜ』

 

 

お前が一番何言ってんだと言わんばかりのセリフを吐くゴジラ。レイト=ゼロの影響を受けてきてる気がする。

一誠やリアスにとって頼りになる面子と真っ先に合流出来たのは僥倖だろう。

 

 

「あの、他の皆は?」

 

「おそらく転移時にこの壊れた校舎内にバラバラに飛ばされたんだろう。校庭の巌勝や鬼、護衛連中の方は影響がなかったようだし、多分校内限定だろうな。理由は分からん」

 

「あ、そういやタイガ先輩達は?」

 

「え?俺と一体化してるわけだしアストラル体で近くにいるはずだけど……」

 

「タイガが犬神家の一族になってる」

 

「「「「え?」」」」

 

 

オーフィスが指差した所を見ると、上半身が瓦礫に突っ込んでいるタイガとそれを必至に引き抜こうとしてるタイタスとフーマがいた。

アストラル体なので小さいが、そのせいで逆に隙間に入りやすかったらしい。

しかもタイタスがタイガの腰の辺りをガッチリ抱え込んで力んでいるからか、なんか変な音を立てている。

 

 

「ぬおおおー!」

 

「旦那!もうちょいソフトに!ソフトに!タイガの腰がミシミシと音立ててる!」

 

「に……二重の意味で……助け……」

 

「うおおお!?タイガァァァ!?」

 

「救世主キター!イッセー、これどかしてくれ!じゃないと、タイガが、タイガの腰が逝く!!」

 

 

フーマやタイガ本人の懇願もあってすぐさまタイガを救出する一誠。なんとか助け出したタイガは腰を押さえている。

 

 

「ありがとうイッセー、それに二人も……けどこれ、腰にヒビ入ってないよな……?」

 

「安心しろタイガ、そこは手加減した!」

 

「いや思いっきり力入れてたよな!?腰をミシミシ言わせてたよな!?」

 

「何を言う、本気なら既に折れている!」

 

「「「自信満々に言うなよ!?」」」

 

 

オーフィスだけでなく一誠とトライスクワッドも揃うといつも通りだった。

そこへ追加で合流したのはカナエとしのぶの胡蝶姉妹。

 

 

「良かった!レジェンド様達も無事だったのね!」

 

「スイマセン今一人腰が逝きかけてました」

 

「……レジェンド様ですか?」

 

「しのぶ、本気で心配してくれるのは嬉しいが俺じゃないから。年齢的にいうと文句無しに俺だけどぎっくり腰とかじゃないから。カナエも慈愛の表情で腰擦ってくれなくていいから」

 

「我も違う」

 

「ごめんなさい俺です」

 

 

タイガが申し訳なさそうに手を挙げる。何故に?と思ったがそこはしのぶがなんとなく理解した。

だってフーマが疲労を隠さず、タイタスは胸を張っているし。大方タイガがどうにかなってタイタスがはりきったのだろうと考えていた。その通りである。

そんなやりとりをしていると、続々と集まってくる光神陣営や三大勢力の面々。

東方不敗が元の場所の魔方陣の向こう側にいる事や、巌勝がゴウエンマと戦闘中である以外はヴァーリがトレギアの元へ行ってしまったぐらいでほぼ全員が揃った。

 

 

 

 

 

「……というわけなのです」

 

「そうか……あの子が」

 

 

 サーゼクスから一連の流れを聞いて目を伏せるレジェンド。彼の言う『あの子』がヴァーリでなくトレギアの方だという事を彼と付き合いの長いサーガや鬼灯は理解していた。

 

 

「レジェンド様、あの者に心当たりが?」

 

「……かつて科学技術局に所属していた、ヒカリの部下でありタロウの友人でもあった子だ。俺が光の国に訪れるとよく色々聞いてきていたよ。好奇心の強い子だった。宇宙警備隊には戦闘力足らずという事で入隊出来なかったみたいだが」

 

「「タロウ(父さん)の……!?」」

 

「そのタイガスパーク……いや、アストラルエネルギー転換装置はトレギアの発明品だ。あのヒカリが感心する程の作品でな。トレギアは当時それが完成したらタロウにプレゼントするとも言っていたそうだ。結果としてその息子やその関係者が使っているのは数奇というかなんというか」

 

「これが、あいつの……」

 

 

一誠を始めトライスクワッドはタイガスパークを見る。一誠とタイガ達の絆の始まりは、絆は簡単に壊れると言った存在の手によって作られたという事実。

衝撃といえば衝撃だが、だからといってこのアイテムそのものに嫌悪感は無い。

 

 

「ある時を境に光の国から失踪したと聞いたが……まさかこんな事になるとはな。タロウも血眼になって探し回ったが、結局発見出来ず……俺ももっと気にかけてやるべきだった」

 

「い、いえ……レジェンド様を責めるわけでは……」

 

「なんとか光の国(こちら)側に戻してやりたいが、今聞いた限りではかなり難しそうだ。だからと言って諦める気は毛頭ないがな。ともあれ、今後の事はあとでじっくり考えるとして、今はこの状況をどうにかしなければ」

 

「ゴウエンマという鬼も、いくら巌勝といっても鬼の特性上一人では厳しいはずだ。まずはそちらに急いで救援を」

 

 

 レジェンドとサーガが指示を出す。こちら側に転移させられてから目立った被害がない三大勢力の護衛はともかく、部位破壊が出来て痛手を与えられるものの鬼払いがまだ不可能な巌勝一人では危険……むしろ巌勝だからこそ、なんとか一人で持ち堪えていられると考えた方がいい。

 

 

「サーガ、お前鬼祓いの法とか使えるか?」

 

「……すまない。俺は俺の光気が及ぶ範囲内の者に、鬼へのダメージを与えられるようにする事ぐらいしか出来ない」

 

「出来るだけマシだ。アレは実際戦えば分かるがゲーム内のそれとは違う。鬼祓い云々よりもまず先に倒せる可能性を増やすのが先決だ。とりあえず今回も俺がこの間と同じく……」

 

 

 

 

 

『おーい光神様や三大勢力の皆さん聞こえてるかい?』

 

「「「「「!!」」」」」

 

 

 

 

 

突如、堕天司ベリアルの声が周囲に響き渡る。

 

 

『ん〜……やっぱこっちには聞こえないか。まあいい。多分ギアさんからプレゼントがどうこうって聞いてると思うけど、まさかのまさか、プレゼンターはこの俺さ。と言ってもギアさんと"ファーさん"が作ってくれたものをそっちに贈るだけの簡単なお仕事なんだけどな』

 

「あんの野郎……!この状況で聞くと尚更腹立つぜ!」

 

「けど……ギアさんっていうのはそのトレギアだとして、ファーさんって誰?」

 

 

一誠が憤慨するが、カナエは別のところが気になった。相手を馬鹿にするような言い方をするベリアルがさん付けするような者だとすると相当な存在だろう。

そこで思い出したのがベリアルが話していた彼らの創造主たる存在、星の民。

 

 

「原初の星晶獣である天司を作り出した創造主……」

 

「な!?あれより上がいるのか!?」

 

『ついでに言っておくと返品は受け付けてないから、そこんトコヨロシク。もし処分するならそっちで勝手にしろ、とファーさんは言ってたぜ。ま、受け取ったら煮るなり焼くなり君達の好きにすると良い。では、グッドラック&グッドバイ』

 

「最後まで苛立たせる方でしたね」

 

「受け取ったらって、何もないですよ?」

 

 

しのぶが青筋浮かべて拳を素振りしつつ、アーシアは周りをキョロキョロしながら疑問を口にする。

 

 だが、ここ最近プラズマ怪獣という巨大型の怪獣とやり合い続けていた裕斗が何かに気がついた。

 

 

「……ッ!?あそこから何かが出てくる!」

 

『!!』

 

 

裕斗の言葉に全員が反応した瞬間、遠くの森からそれは現れた。怪獣ではなく、ある意味もっと厄介で危険なモノが。

それを知るサーガ、グラハム、そしてマリーダは戦慄する。

 

 

「バカな、あれは……!」

 

「まさかっ……!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハシュマル……だと……!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

厄災戦の発端となったMA(モビルアーマー)の一機。

かつて三日月が激戦の末、右足の感覚を犠牲に勝利を手にした恐るべき存在がこの世界で再び活動を開始した。

 

 

「今度は何だ!?機械の鳥かワイバーンみたいな奴が出やがったぞ!?」

 

「アレはそんな生易しいものではない!」

 

「サ、サーガ様?いきなり声を荒らげられてどうされました?」

 

 

ゼノヴィアがサーガに聞くと、深呼吸して自身を落ち着かせながら説明する。

 

 

「アレはハシュマル……三日月達の出身世界で厄災戦と呼ばれる大きな戦争があり、その発端となったものであるMAの内の一機だ。当初は機械化思想による戦争の無人化・効率化を目的とした「敵を倒す」という至極単純なコンセプトの元開発されたものだった。だが、自律型故に進み過ぎた機械化思想の結果、コンセプトが開発当初設定されたものから「人を殺す」へと変換され、忠実に暴虐の限りを尽くす殺戮兵器へと変貌したという」

 

 

この説明を受けて殆どの者が一瞬でその恐ろしさを理解した。あくまでコンセプトに沿って自律行動を行い、機械であるが故に『殺す』事に良心の呵責や罪悪感といった感情を一切持たない最悪の兵器。

しかも当初のコンセプトが敵を倒す事である為、その性能が凄まじい事も想像に難くない。

 

 

「そ、それヤバすぎだろ!何とかして止めないと!」

 

「待って下さい。あの機体の目的が『人を殺す』というのならば我々天使や堕天使、悪魔は狙われないのでは?」

 

 

そういえば……と三大勢力陣が思った瞬間、それを発言したミカエルの胸ぐらを竜馬が憤怒の表情と共に掴んで引き寄せた。

 

 

「てめえ……!今の言葉、人間なら狙われてもいいって事か!?ああ!?」

 

「い、いえ!決してそういう意味で言ったわけでは!」

 

「こっちにゃそう聞こえんだよ!この場にいる人間で無事なのは光神陣営に属してる連中しかいねえからな!」

 

 

正確に言うとこの場にいる光神陣営で、正式に光神の眷属となっていない人間はカナエ、しのぶの胡蝶姉妹くらいだろう。何番隊かは別として杏寿郎は神衛隊に所属しているし、アーシアとゼノヴィアはそれぞれ巫女と御使いという立場だ。

というか光気を浴びている上、光神とそれなりに密接な関係なので、普通の人間とは言い難いのだが。

 

 

「竜馬、よせ。お前の怒りは最もだし俺も腹立たしいが今は奴をどうにかするのが先だ。巌勝の方も早急に向かわねばならない」

 

「ちっ!!」

 

 

ミカエルを突き飛ばすように離した竜馬だが、怒りの方はまだ収まっておらず、イリナやガブリエルに起こされているミカエルを睨むとすぐさま収納用ブレスレットからブラックゲッターを出現させる。

続くようにグラハムとマリーダもエクシアGFとペーネロペーを出現させ、三人は即座に乗り込む。

 

 

「確か三日月らの話では彼らの世界でエイハブ・ウェーブに反応して再起動したようだが、先程の様子を見る限りあの個体はそれに限定されているわけではなさそうだ。ならば私達がMSを起動させても問題は無いはず、動力も異なるし現に既に向こうは起動しているからな。私とマリーダで牽制を行う、竜馬はスキを見て一撃で決めろ!」

 

「了解!」

 

「任せな!」

 

 

三人が乗機を起動させ、戦闘行動へ移行しようとした時それは起こった。

ハシュマルが、護衛役であった天使・堕天使・悪魔に対して頭部ビーム砲を発射し消し飛ばしたのである。

 

 

『なっ!?』

 

「どういう事だ!?あいつの活動目的は『人を殺す』って事じゃないのか!?」

 

「おそらくそれは変わっていないだろう」

 

 

レジェンドが呟いた事に全員が振り向き、ソーナが不安げに問う。

 

 

「レジェンド様、その……意味が分からないのですが……」

 

「簡単だ。単に奴にとっては天使や堕天使、悪魔も『人と変わらない』と判断しただけ。この場にいる者はあの鬼を除いて殲滅対象だろうさ。ウルトラマンを含めてな」

 

「そ……そんな……!」

 

「よく考えれば分かる事だ。あの堕天司が贈りつけてきたプレゼントだぞ?聞いた話では三日月が破壊したらしいし、別個体だとしてこの状況で人間だけを襲うようなシステムのままでは極僅かしか対象にならん。おそらくは奴が言っていたファーさんとやらが何らかの改造・改修を行って試験的に今回投入してきたんだろう。でなければ『処分はこっちでしろ』なんて言う筈がないからな」

 

 

とどのつまり、放っておいても見逃してくれるような事はなくなったというわけだ。

 

 

「ともかくハシュマルはあの三人に任せるぞ。サーゼクス、セラフォルー、ミカエル、そしてアザゼルは自分が属する陣営の者達を救援、その後そいつらと離脱しろ。それからカナエ」

 

「はいっ!」

 

「厳しいとは思うが巌勝の援護に向かってくれ。俺が打ったその陽炎なら鬼神刀ほどではないにしろ鬼にダメージが入るはずだ。何名か連れて行っても構わない」

 

「御意!」

 

 

カナエがレジェンドの指示を承諾すると、杏寿郎としのぶも駆け寄ってきた。

 

 

「すまない!カナエ殿、お館様!俺もそちらに向かわせてもらいたい!かつて鬼であった巌勝殿が命を賭して刀を振るっているというのに、鬼狩りである自分がこの場で黙っている事は出来ない!」

 

「私もお願いします。痛手は与えられずとも素早さには自信があるので陽動くらいは出来るかと」

 

 

自身らが戦っていたのと全く別物であろうとも、鬼である以上放っておけないのだろう。

少し考え込むような動作を取った後、レジェンドは二人にも指示を出す。

 

 

「……いいだろう。ただし、二人では鬼への対抗手段が無い以上、陽動及び援護に限定だ。それから無理だと思ったらすぐに巌勝、カナエ共々引き返せ。最悪俺が何とかする、分かったな?」

 

「「御意!」」

 

「あと、パム治郎は残れ。一緒に行ったら杏寿郎もお前が怪我しないかと気が気じゃないだろう」

 

「パム〜……」

 

 

気落ちしながらも自分では戦力にならないと分かっているからか、おとなしくアーシアのところに飛んでいく。

 

 

「心配するなパム治郎!もう俺は死にはしない!」

 

「パムちゃんごめんね、お姉さん達頑張ってくるから泣かないで待っててね!」

 

「一番姉さんが泣きそうなんだけど……」

 

 

そう言うと三人はレジェンド、そしてサーガに一礼してゴウエンマと激突している巌勝の元へと走る。

残る自分達は何とかしてこの場所から脱出する方法を……と考え始めた時に新たな事態が巻き起こった。

遠くの山の一角が崩れ、中からゴブニュ(ギガ)が複数現れたのだ。

 

 

「おい、あれ!ライザーとのレーティングゲームの後に出てきたやつじゃねーか!?」

 

「確か、ゴブニュっていう……ティガ先輩が戦ったやつだろ!」

 

「この状況で、しかもあれ程現れるとは……」

 

「ここは俺達が!」

 

 

そこにオーフィスが待ったをかけた。一体何だと思って彼女の方を向くと、いつの間にか抱えていたゴジラがカプセルの中に戻っている。

あれだけ来たがっていたのにカプセルの中に戻ったという事はつまり……

 

 

「ゴジラ、自分が出るって言ってる」

 

「え!?」

 

「あのガラクタじゃゴジラの相手にならない。でも、何か来るからそれに対する準備運動しとくって」

 

「何かって……」

 

「まだ出てくるのか!?」

 

「我、分からない」

 

 

ふるふると首を横に振るオーフィスだったが、ゴジラが急かすので一先ず呼び出す事にする。

手にしたカプセルを天高く放り投げると、某携帯モンスターよろしくゴジラが本来の姿で出現し、咆哮を上げた。

その姿と咆哮を見た三大勢力は驚き、中には腰を抜かす者もいた。

 

 

「おい、何だあれは!?」

 

「さっきから現れてる奴らの中で一番ヤバそうだぞ!?」

 

「少し前の声といい、人間界はこんな事が当たり前に起こるのか!?」

 

 

有象無象の連中に好き勝手言われてゴジラ、ご立腹。

 

 

『チッ、この世界で普段日常的に問題起こしまくってる連中がグチグチ言うんじゃねえ。あのテロリストバカ団の構成員だってお前ら三大勢力が大半だろうが』

 

 

哀れ禍の団。祀り上げて放っておいたオーフィスには離反・逆襲され、レジェンドからは問答無用で壊滅させられ、ゴジラに至っては名前さえ適当に付けられてしまった。

そんなゴジラは鬱憤を晴らすかのように放射熱線で自身の半分ちょっとの大きさ(ゴジラ100m、ゴブニュ(ギガ)60m)のゴブニュ達を容赦無く爆散させていく。

 

 

「やっぱスゲーな、あれ……」

 

「シンプルにデカくて強いからな……」

 

「うむ!筋肉は全てを解決する、を地で行っている!」

 

「「いや、あの場合筋肉関係なくね?」」

 

 

トライスクワッドはそんなやり取りをしていたが、ゼットが倒されていくゴブニュの奥に何かを見つけた。

 

 

「んん?超師匠、超師匠」

 

「どうした、ゼット」

 

「ゴブニュの奥に何かいませんかね?モノアイっぽい目……でいいのかな?ゴブニュとおんなじようなのが見えるんでございますが」

 

「……何だと?」

 

 

次々と倒れ伏すゴブニュ(ギガ)の後ろから、それまでのゴブニュとは違う形のゴブニュが出現した。

 

 巨大機械人形(メカロイド)・ゴブニュ(オグマ)。

 

かつてティガやレジェンドが戦った、機械島の番人。それがここに現れたのである。

ギガを超える防御力、そして怪力は800万馬力にも達する恐るべき相手だ。

 

 

「何で機械島の番人である奴がこんな地上に存在するのかはともかく、奴は無駄に硬いし力も強い。とはいえここはホームグラウンドである機械島ではなく、奴自身も素のスピードは遅いからな。攻撃力さえ十分なら早さだけで圧倒出来る。逆に攻撃力が足りてないと防御力を活かしてカウンターかまされるから気をつけろ」

 

「って事は……」

 

「ああ、俺達の出番……!?」

 

 

素早く動けるとしても限度があるゴジラに対し、この場にいて、かつ巨大な相手に対抗出来て早さ重視なのはフーマか、ゼットのアルファエッジ。

反則級の超高速テレポーテーションが使えるハイパーゼットンという規格外もいるが、そんな彼は卯ノ花やアーシアらの護衛にまわっている。

 

 

「よっしゃ!イッセーここは俺「行くぞイッセー!」ぅおい!?」

 

「おうよ!どっかで見てるあの野郎に見せてやろうぜ、俺達の力!」

 

『カモン!』

 

「光の勇者!タイガ!!」

 

『はああああっ!でやっ!!』

 

「タンマタンマちょっとタンマ!」

 

 

図らずもタイガが急かす感じになり、一誠もそれに乗るようにタイガキーホルダーをリードする。

ようやく最初から変身して見せ場がありそうだったフーマはそれを止めようとするも……

 

 

「バディィィィゴォォォッ!!」

 

『ウルトラマンタイガ!』

 

「シュアッ!!」

 

『うああああ!!』

 

 

結局タイガに変身する事になった。そんなタイガの中でフーマは両膝をついて号泣している。そりゃそうだもんな、もうすぐ90話だもの、変身したかったよな……

 

 

『メタい事言うなよ地の文!俺だって最初から最後まで活躍したかったんだよぉぉぉ!!』

 

「あ、いや……なんかゴメン」

 

『俺も悪ぃ……つい反応してノリノリで変身しちまった』

 

『フーマ、元気を出せ。私は今回最初から選択肢に入っていなかったぞ!』

 

『いやお前は前回やたら活躍しただろ。大胸筋バリアーするわ神器使った技名にまでマッスル入れるわ』

 

 

フーマに謝罪するタイガと一誠に変な慰め方をしてドライグにツッコまれるタイタス。

 

 しかし彼らは気付いているのだろうか。

主役にも関わらず第一章の序盤以来ウルトラマンとしての姿に変身して戦闘した事がなく、おまけにゼットと一体化した事で惑星レジェンドの自宅でしか己の元の姿に変身する事さえ出来なくなった主人公(レジェンド)の事を。

 

 

「……」

 

「ち……超師匠?えっと、俺達も行きたいな〜なんて……」

 

「……そうだな。お前が大活躍すればイコール俺が活躍してるみたいなもんだよな」

 

 

あ、ヤバい。これゼットの身体を無理矢理にでも動かして活躍させる気だ。

アーシアが抱えているパム治郎に何かを託し、早くゼットライザーに入れと言わんばかりの眼力でゼットを見るレジェンド。

その圧倒的威圧感を感じ取ったのかゼットは素早く敬礼してレジェンドの持つゼットライザーに光となって入る。

 

 

「では皆、俺とゼットも行ってくる」

 

「いってらっしゃい」

 

「お、お気をつけて!絶対帰って来てくださいね!」

 

 

真っ先に声を掛けたオーフィスとアーシアに微笑みながら右手を上げて応えつつ、トリガーを押して展開されたインナースペースへと突入するレジェンド。

 

 

 

 

 

『LEGEND,Access Granted!』

 

「2回目にしてもう慣れたよ。どうせ機械にさえ呼ばれないんだし俺の人間体の名前、コス妹紅とかジャス太郎でも別にいいんじゃないのコレ」

 

『インナースペースでウルトラアクセスカードをセット早々やさぐれないで下さい超師匠!しかも前半なんかシューティングゲームでヒロインとして出てきそうな名前なんですが!?』

 

 

しかもさり気なく自分の力を分け与えたコスモスとジャスティスに捩っているし。

2回目にしてもう慣れた、と言っているようにサクサクとウルトラメダルをゼットライザーにセットしてスキャンする。

 

 

『ZERO!SEVEN!LEO!』

 

『さっすが超師匠!もうバッチリ覚えたんでございますね!』

 

「昔は良かったよな……取り出して掲げてスイッチ一つで変身したり、何も使わずに変身したり……今はやたらめったら複雑になってるからな……」

 

 

かく言うレジェンドもこのタイプだ。専用の変身アイテムはスティックタイプだし、そもそもアイテムを使わずとも変身出来る(というかぶっちゃけると前者は他のウルトラ戦士に合わせただけだったりする)。

ついでに、段々ややこしくなるあまりセブンは使い方をあまり覚えておらず、エースに至っては「鈍器として使った方が強くないか?」と言い出す始末。後者の意見が取り入れられてゼットライザーに武器としての機能が付けられたのかは定かではない。

 

ちなみに、ゾフィーはむしろしょっちゅう何かのアイテムを届け、マンは元々頭脳明晰、ジャックはウルトラブレスレットを使い始めたのは彼な上に父親が科学技術局長官、タロウは二種のブレスレットをバリバリ使いウルトラベルまで他の兄弟と一緒に使用し、おまけに父がウルトラアレイという万能アイテムを筆頭にウルトラフェザーやウルトラクラウン、果ては聖剣ウルティメイトブレードを振るいウルトラキーまでぶっ放すような存在である。

……一番まともなマンが一番アイテムを使わないのはどういう事だ。

 

 何はともあれ準備は整った。

あとはいつものご唱和である。

 

 

『よっし!それではご唱和ください我の名を!』

 

「アルファ!エェェェッジ!!」

 

『あれぇぇぇ!?』

 

 

まさかフォーム名でご唱和されるとは予想外だったゼットは困惑の声を上げた。混乱してるゼットを気にも止めず、レジェンドは容赦無くトリガーを押してゼットライザーを起動。セブン、レオ、ゼロの幻影が飛び交い、光となって一点に渦巻くように集約する。

 

 

『ULTRAMAN−Z!ALPHA−EDGE!!』

 

「ともかくシュアッ!!」

 

 

前回に引き続き、インナースペース内の出来事を知っていたらコントにしか見えない変身をする二人だったが、兎にも角にも無事に変身を終えウルトラマンゼット・アルファエッジがタイガに続いて姿を現した。

 

 そして最後は彼だ。既に装填ナックルにカプセルを起動し装填しており、あとは変身するのみ。

 

 

「リク兄さん!頑張ってくださいぃ!」

 

「ありがとうギャスパー君!行ってきます!」

 

 

何故だろう、本人達はノーマルだというのにベストカップルっぽく見えてしまうのは。 

 

 

「ジーッとしてても、ドーにもならねぇ!!」

 

 

己の代名詞とも言えるいつもの台詞を叫び、リクはライザーを起動する。

 

 

「融合(ユーゴー)!」

 

『シェアッ!』

 

「アイゴー!」

 

『ヌェアッ!』

 

「ヒアウィーゴー!」

 

『フュージョンライズ!』

 

 

ウルトラ六兄弟の一人であるウルトラマンと、父であるベリアルのもう一つの人格たる闇のベリアルの力が混ざり合い、一つになっていく。

 

 

「決めるぜ!覚悟!!」

 

 

そしてウルトラマンとしての己の名を叫ぶ。

 

 

「ジィィィィド!!」

 

『ウルトラマン!ウルトラマンベリアル!ウルトラマンジード!プリミティブ!』

 

「ジェアッ!」

 

 

タイガとゼットの先輩、ウルトラマンジード・プリミティブも降り立ち、三人のウルトラマンが揃い踏みする。

……さすが、先輩である。先の二人と違いさしたる問題もなく変身を終えた。いや、後輩に混じって父の師である超大先輩がいるけど。

 

 

「壮観ですね」

 

「ええ。レジェンド様が彼らとは別にいらっしゃれば尚の事そうだったのでしょう」

 

 

鬼灯と卯ノ花は感慨深くそれを見ているが、卯ノ花に抱きかかえられているハイパーゼットンは何かを警戒するかのようにあちこちをキョロキョロしている。

 

 

「……!じぇっとん!」

 

「あら?どうしました?」

 

 

何かを察知したハイパーゼットンは、片手で抱きかかえている卯ノ花の手をペチペチと叩き、もう片手である方向を差す。

その場にいた者達全員がそちらを向くと、離れた場所に金色の粒子が降り注いでいた。

それに見覚えのあるオカ研メンバーは驚く。

 

 

「あれって……」

 

「ビオランテ、という巨大植物をゴジラさんが倒した時にああなりませんでしたか?」

 

「あの時は倒された後に粒子になって昇りながら消えました。今度は逆に降り注いでます」

 

「……という事はまさかっ!?」

 

 

裕斗が最悪の出来事を予想した時、それは現実のものとなった。

 

 大きな地震が起こったと同時に、金色の粒子が降り注いだ場所の地中からビオランテの触手と同じものが離れていくつも現れる。

そして、空けるように触手が現れなかった中心部の地中から、あまりに巨大なモノが鎌首をもたげるように姿を現す。

鰐のような大顎にビッシリと敷き詰められた鋭利な牙、その口の横にも猪のように牙が上下左右3本ずつ計6本生えており、腹部にはまるでコアのような赤い発光体を有する、まるで獣と植物が融合したような、この場において最も異形な生命体。

 

 

 

 

 

「ギュアオォォォォォ!!!」

 

 

 

 

 ビオランテ・植獣形態。

 

かつてゴジラと相対した時よりも巨大な、150mにも及ぶ新たな姿でウルトラマンやゴジラ達の前に進化した姿でビオランテが再び立ち塞がった。

その恐るべき姿を目にした、ハシュマルの攻撃から逃れた三大勢力の者達は絶対的脅威を目の当たりにして恐怖に支配される。

 

 

「次から次へ……何なんだ人間界は!?」

 

「勝てる訳がない……あんなものに勝てる訳がない……」

 

「死ぬんだ!俺達は皆あいつらに殺されるんだ!」

 

 

絶望的な状況のあまり座り込み、声を荒げて涙ながらに叫ぶ者まで出てきてしまう。

サーゼクスやセラフォルー、ミカエルにアザゼルも何とかして収めようとするも、レイブラッド事変では目にする事もなかった、ドラゴンさえ霞む巨体を持つビオランテを見た事で不安を隠せない。

ゴジラのおよそ1.5倍、そしてウルトラマン達のおよそ3倍にも及ぶ巨大な存在はハシュマルやゴブニュ(オグマ)、鬼などの異形がひしめくこの戦場にあって一際異彩を放ち、別格の威圧感を漂わせている。

 

 今、かつてない激闘の幕が上がろうとしていた。

 

 

 

 

 一方、進宙式の最中だった新造艦のブリッジでオルガはラフタからの次元間通信を受けていた。

 

 

「マジかよ……!」

 

『こっちはそこの様子を見る事は出来ても外部からの干渉が遮断されてるみたいで……!』

 

「なるほど、別世界にいる俺達なら次元転移で直接そこへ突入出来る可能性があるってワケか。逆にそれ以外じゃ今のところ手立ては無いって事だな」

 

 

そんな折、ブリッジへと艦内通信が入る。入電場所は格納庫からだ。

 

 

『話は聞いたぞ。向こうに着き次第、すぐに戦闘に入るんだな?』

 

「ああ、すまねえおやっさん。初っ端から迷惑をかけちまう事になりそうだ」

 

『心配するな。直接戦うのがお前達の仕事なら、俺達メカニックはその為に機体を万全の状態にするのが仕事であり戦いだ。パイロット達にはすぐに出られるよう準備させとけ!超次元グレン団と鉄華団の機体、全部まとめて十分で終わらせる!』

 

 

その人物はそういうと通信を切った。

 

 

『オ、オルガ……今の人って……!』

 

「ああ……出たぜ、あの人の鉄板ゼリフが!」

 

 

十分――あの人物がよく使う言葉であり、そして確実に仕事を完了させる時間でもある。

ラフタも気付いたのか、驚愕から笑顔になっていき、オルガも自身に気合いを入れた。

 

 

「よぉぉし!全乗組員に告ぐ!進宙式は終わりだ!これより本艦は大将とレジェンドの旦那、及び光神陣営の救援に向かう!着いたら即座に戦闘突入する可能性を考慮し、パイロット各員は出撃準備しとけ!ただし!あの人率いるメカニック班の邪魔はすんじゃねえぞ!!」

 

 

オルガの指示を受けた三日月を始めとする鉄華団のMSパイロット達はすぐさま出撃準備に移る。

団長であり艦長でもあるオルガも艦長席に座って新生阿頼耶識システムを接続し、戦闘配備態勢に入った。

 

 

 いよいよ、あらゆる垣根を超え、勇士達が集結する。

 

 

 

〈続く〉




次回より決戦開幕。光神陣営のそれぞれが戦闘開始です。
三大勢力?特定の武器や条件下以外で攻撃が効かず瘴気によって活動限界という制限時間内で討たないといけない鬼、既に三大勢力に犠牲者を出している上にどこぞの星の民に改造強化されたハシュマル、同じパワー型という土俵でパワータイプのティガを苦戦させたゴブニュ(オグマ)、そして何も言わなくてもヤベーイなのが分かるビオランテ。
……ウルトラマンや光神陣営いなかったら三大勢力トップ含めて全滅しそうなんですが。

そして最後の『おやっさん』、ウルトラファンの方ならお分かりですよね?店長が出てるのにあの人が出てこないわけがなかった。


それではまた次回。

二択決定戦! シン一人乗りする最終ゲッターはどちらだ!?

  • 真ゲッタードラゴン(大決戦版)
  • 真・ゲッター1(スパロボα仕様)
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