ウルトラマンレジェンド Episode.CROSSOVER 作:ハジケハムスター・ポッポ
新シリーズのウルトラマントリガーが発表されました。どこかではティガの続編とありましたが、リメイクに近い形でしたね。
かくいう私は銃を使うウルトラマンが出てくるかと思ってました。だってマダオボイスで【トリガー!】……
それでは本編をどうぞ。
遂に各所で決戦の火蓋が切られた。
既に大型の鬼・ゴウエンマと戦闘中の巌勝と、その援護に向かう胡蝶姉妹と杏寿郎。
ハシュマルを相手取るエクシアGF、ペーネロペー、ブラックゲッター。
ゴブニュ(オグマ)に加え恐るべき進化を果たして再臨したビオランテと対峙するジード、タイガ、ゼット、そしてゴジラ。
いずれも熾烈極まりない戦いになるのは容易に予想が出来る。
オカルト研究部や生徒会は先に避難していたサーゼクスらとどうにか合流するも、リアスらオカルト研究部の表情は暗かった。同じ部の仲間であるカナエや一誠、タイガ達トライスクワッドだけが戦いに赴き、自分達はこうして避難するしかない事に歯痒さを感じているのだ。
いざという時は自分達を残して何としてでも脱出しろ、とレジェンドの指示を受けた卯ノ花や鬼灯、そしてサーガもそこにいる。
「リアス……!無事でよかった」
「お兄様……」
俯いたまま、リアスは呟く。
「私は、いつまで甘えていればいいの?」
「え?」
「イッセーやタイガ、タイタス、フーマ……そしてカナエ。あの子達が命がけの戦いをしているというのに、私はこうして帰りを待つだけ……仲間達の手助けをするでもなく、ただただ時間を浪費してるだけで何の役にも立ててない。何が滅殺姫よ、彼らの方がよっぽど立派じゃない……!」
リアスはその目に涙を滲ませ、己の無力さに苛立ちと悔しさを隠せない。ハリベルに修行をつけてもらい、実力は格段に上がったがまだ足りない。
そして、これはオカルト研究部全員が感じている事だ。サーガの御使いに選ばれ、師である巌勝が死闘の真っ只中にいるのに自身は他の者と共に避難している事を恥じているゼノヴィアや、巫女だからこそ傍で支えなければならないのにと考えているアーシアは特にそう思っていた。
「聖剣を持っていようと宝の持ち腐れ……そう言われても当然の失態だ。ゼットは3分の1人前と言われているそうだが……私はもっと下、5分の1人前程度しかないな」
「ゼノヴィア……」
少し会わなかっただけだというのに、自意識が大きく変化している友人に戸惑いつつも、イリナはゼノヴィアが心配でならなかった。
「私も……パムちゃんを預かっている以上、我侭言っちゃいけないのは分かってます。私自身の実力がまだまだだっていうのも……でも、でも……」
リアス同様に涙を堪えているアーシアの裾をオーフィスがくいくいと引っ張る。
「オーフィスちゃん?」
「我、巌勝のお手伝いに行ってくる」
『!?』
☆
ゴウエンマと巌勝の戦いは、かつて戦ったカゼキリとは比べ物にならないほど激しいものになっていた。
素早さこそカゼキリには及ばないが、攻撃力や防御力は格段にゴウエンマの方が上であり、巨体に見合わぬ身軽さ、さらに尾での強撃さえ放ってくる。
「ち……!鬼の目が使えぬ以上、透き通る世界で代用出来ないかと試してみたが無理だったか」
鬼の目――見えない鬼を可視化したり、部位破壊出来る部位やしやすくなっている部位を色で判別出来る能力で、『モノノフ』ならば基本体得しているのだが、巌勝は違う為、別の技で代用を試みたがやはりそちらには対応していなかった。
(私の記憶通りなら破壊出来る部位は角、数珠、両腕両足、そして尾……だが、鬼祓いが出来ぬ今では両腕と両足を破壊するのは逆に愚策。表層破壊してマガツヒ状態に持ち込み、月の呼吸の型で一気に畳み掛けるしかあるまい)
ゴウエンマを始め、一部の鬼は破壊した部位を鬼祓いせず放置した場合、再生されるだけでなく再生時に強化されてしまうのだ。最も部位破壊しやすい両腕両足がそれの対象なゴウエンマはそういった意味でもかなり厄介な鬼である。
そうしているとカナエ、しのぶ、杏寿郎が到着した。
「巌勝さん!レジェンド様から援護するにと言われてきました!お手伝いします!」
「何!?しかし……」
「姉さんの日輪刀はレジェンド様製だからある程度は効くそうです。私達は囮くらいにしかなりませんが」
「伊達にグラハム教官殿やタイタスと共に日々鍛え続けているわけではない!引き付ける程度はやってみせよう!」
あの方も随分思い切った事を、と思いつつ巌勝は救援を感謝しつつ、これから取る戦法を伝える。
「これから奴の表層を破壊しマガツヒ状態にする。全身の体色が変わって紫色になったらそこから一気に生命力を削り奴を討つ。ここで気をつけるのは奴の手足は極力狙わぬ事だ。鬼祓いが出来ぬ現状では一時的に破壊出来ても強化再生される危険がある。ついでに鬼祓いしてもタマハミ状態になれば結局強化再生される以上、時間との勝負だ」
「え〜っと……鬼祓いっていうのが誰も出来ないから、そのマガツヒ状態にしてからタマハミ状態になる前に、手足切らずにアレを倒す、って事でいいんですよね?」
「簡単に言うとそうなる。私が知る鬼祓い可能な人物は現状レジェンド様のみだ」
あの時もレジェンドが破壊した部位を鬼祓いしてくれたから円滑に討伐が進んだ。特に今回は強化再生という厄介な特性がある為、レジェンド不在の今回では頻繁に破壊出来ない。鬼祓い可能な者が他にいれば別だが……
「相分かった!しかし戦闘にせよその他支援にせよ、常に後ろから支えてくれるとはさすがお館様と言わざるを得ない!あの方の存在の大きさを再認識した!」
「正直、あの方に出来ない事は何なのかと時々気になりますね」
「……ナンパは無理だそうだ」
((まあ、天然ジゴロみたいだし……))
「うむ!つまり硬派という事だな!」
とどのつまり、レジェンドはウルトラ勝ち組である。だって選び放題どころか全員選んでもヨシ!なんだもの。
それはともかく、作戦通りまずはしのぶと杏寿郎が先行して隙を作る。
「果たして攻撃が本当に通じないのかどうか、試してみるか!炎の呼吸・壱ノ型!不知火!!」
その剛腕を振り下ろしてくるゴウエンマの脇をすり抜けつつ袈裟斬りに斬撃を胴に放つ。
深くはないが確実に当たったにも関わらず効いている様子は無い。情報通り特定の武器を使わなければダメージが入らず、加えて急拵えで用意した刀ではやはり日輪刀のような威力が出ないという事もあるかもしれない。
ゼットと一体化しているレジェンドやサーガがいる事で二人の光気の影響によって多少なりともダメージは与えられているのだろうが、その二人とも距離が離れており効果が薄い上、そもそも表層なので効いていたとしても効果が分かりにくいというのもある。
「なるほど!どうやら今の俺達には撹乱に回るしか戦力にならないようだ!」
「煉獄さんの威力で通じないなら私では話になりませんね。直接攻撃するのは姉さんと巌勝さんに任せて、撹乱と防御に専念しましょう」
防御は自信ありませんが。そう続けたしのぶは即座に持ち前のスピードでゴウエンマの撹乱に専念する。
相手が大きく、ある程度動作も分かりやすいのでしのぶとしては回避がやりやすい。
反対に杏寿郎は回避しつつ、刀や炎の呼吸の型を使用しつつ防御もこなしている。
(直撃しているわけではないが一撃一撃が重い!これが別次元の鬼か!実力で敵わぬならいざ知らず!特性故に攻撃が通じないとは!)
(……斬れずとも、この鬼に有用な毒を調合出来たなら)
別の場所でリアスが感じている歯痒さを、同じように二人は感じていた。
「カナエよ、日の呼吸……今現在どれほど使える?」
「一応型は一通り……ただ、最後の型はまだ夜明けまで舞えませんが」
「今回はそんな長時間戦わぬ……というより活動限界の兼ね合いもあってそこまで時間は掛けられぬ。花の呼吸と違い第二幕には到達していない、で良いのだな?」
「はい。その分、その二つの呼吸重ねで補ってます」
「結構。私が先程からやり合ってある程度表層は壊れかけてる筈だ。日の呼吸が壱から弐、捌から玖といったように順番通りの型から型に繋がるのは十三ノ型を会得したなら理解しているだろう。己の得意な型で頭部、もしくは胴に攻撃して表層破壊してくれ。後は私が月の呼吸の第二幕で一気に討ち取る。余裕があれば援護を頼む」
「わかりました。……行きます!」
カナエの合図で一気にゴウエンマに駆け出す二人。
幸いしのぶと杏寿郎が左右に別れて撹乱しているので全面はガラ空きだ。
「攻撃を避けるのは前腕部、つまり二の腕から肩にかけては当ててもいい!出し惜しみせずに行け!」
「はい!」
カナエが一気に加速する。
ゴウエンマはそれを目にして右腕を叩きつけようとしてくるが、その攻撃を見越してカナエは跳躍。
「日の呼吸・玖ノ型!輝輝恩光!!」
迫る剛腕の前腕部をすれ違うように越えたあたりでカナエは日の呼吸の型を解禁する。
今まで特訓時も型を使っていなかった為、しのぶは本当に姉が日の呼吸を使うのか半信半疑だったが、花の呼吸の型と似て異なる型を使った事で確信に至った。
カナエはゴウエンマの二の腕や頭部へ若干のダメージを与えつつゴウエンマの頭上を孤を描くように越え、そしてそのまま次の型に繋げた。
「日の呼吸・拾ノ型!火車!!」
ライザーに先制を取って大きくダメージを与えた型を繰り出し、ゴウエンマに斬撃を浴びせた。
「ゴォアアアァァァ!?」
「何かが弾けて体色が変わった……!?」
「そうか!これがマガツヒとやらか!」
苦し紛れに尾をカナエに叩きつけようとするが、さらなる型を発動してカナエはそれを回避する。
「日の呼吸・拾壱ノ型!幻日虹ッ!!」
回避専用の型であるそれは難なくゴウエンマの尾撃を避け、しのぶの近くに着地する。
「姉さん、本当に別の呼吸習得してたのね」
「まさかしのぶ、まだ信じてくれてなかったの!?」
「だって姉さん、私を『まだリハビリ中だから』って型の一つも見せてくれなかったでしょ」
ガーン!とショックな顔をしているカナエだがこれはしのぶが正しい。カナエが花の呼吸の使用者と知っているし、そもそも日の呼吸をまさか後天的に使用出来るようになっているなど証拠が無ければさすがに信じられないだろう。
そんな彼女らはさておき、表層破壊が出来た事を確認した巌勝は月の呼吸を放とうとする。
「(縁壱は良き継子に出会えたようだな。この戦いが終わったらゼノヴィアをより鍛えてやらねばなるまい)……仕留めさせてもらうぞゴウエンマ!月の呼吸第二幕!捌ノ……!?」
ゴウエンマを討とうとした瞬間、横に巨大な瘴気の穴が現れ、その中から巨大な刀身が出現すると同時に巌勝へ振り下ろされる。巌勝は咄嗟に鬼神刀で防御するも大きく吹き飛ばされた。
「ぐうっ!?」
「巌勝殿!」
「心配無用だ!ただ吹き飛ばされただけだ!だが……」
巌勝を吹き飛ばした張本人が瘴気の穴よりその姿を現す。
四本の腕を有し、うち二本には巨大な剣、そして棍棒を持ち、蛇に似た身体を持った上位の大型の鬼――ヤトノヌシ。
瘴気の巣と呼ばれる危険地帯を作り出す、とてつもなく危険な鬼である。
「この状況でコイツが……!!」
巌勝はここにきて焦りを覚える。放置すれば濃密な瘴気を振り撒く鬼が出てきた以上、先にこちらを討たねば瘴気によって活動限界を大幅に削られ全滅する恐れも出てきたからだ。
さらに凶事は続く。
「……ッ!?姉さん!!」
「……!?くっ!」
今度は上空から炎が吹きつけられ、カナエはしのぶの叫びによって間一髪逃れる事が出来た。
二人が上空を見ると、今度は空に瘴気の穴が出現したと思えばそこから四つの翼を持つ鳥のような大型の鬼――ヒノマガトリが現れる。
「嘘……!三体目!?」
「そんな……こっちは姉さんと巌勝さんしか対抗出来ないのに!」
ここにきてさらに二体、しかも一体は危険度が高いヤトノヌシ。しかも巌勝、胡蝶姉妹、そして杏寿郎の三方へ分断されてしまった。
☆
「くそっ!ちょこまかしやがって!」
ブラックゲッターのコックピットで竜馬がハシュマルに悪態をつく。元々サイズや、特機とMAの仕様の関係上どうしても機動力で劣り、また射程に関しても相手の方が上。必殺のゲッタービームやゲッタースパイクブレードを叩き込むにもある程度接近する必要があるが、そこに持ち込む前に逃げられてしまい、遠距離から一方的に攻撃される。
「ち……!ナノラミネートアーマーのおかげでダメージが入らない!明確に効果があるのはファンネルミサイルだけだが、弾数が……!」
マリーダの駆るペーネロペーでは相性が悪過ぎた。主兵装であるビームサーベルやビームライフルを内蔵したバックラーではビーム耐性が高過ぎるナノラミネートアーマーを貫くだけの威力が出せず、明確なダメージが入るのはファンネルミサイルのみ。しかし、既に何発か発射したが全て撃墜されており弾数も残り僅か。
「厄災戦の一端たるMA……これほどまでとは!」
唯一まともに対抗しているのは機動力・格闘戦に長け空中戦も可能、そしてGNソードやGNタチという実体剣のおかげで物理攻撃にも優れるグラハムのエクシアGFだけであった。
とはいえ、ハシュマルは高速で飛び回りながら三者を攻撃するのでグラハムだけが対抗出来ても有利にはならない。
「せめてあと一機……欲を言えば二機、対抗出来る機体がいれば……!」
よりによって改造されたハシュマルは飛行形態にならずとも空中戦が可能であり、強敵さに拍車がかかっていた。
エクシアGFが機動力を活かして接近戦を挑めば即座に飛行形態になって距離を取り、ペーネロペーがファンネルミサイルを放てば迎撃後に接近してビームサーベル・ライフルの射程範囲へ距離を維持、そしてブラックゲッターが接近しようとするとビーム砲を発射して近づけさせない。
無人機とは思えない、まるで熟練パイロットの乗ったような動きを見せるハシュマル。
そして、三機にさらなる障害が立ちはだかった。
「……!おい、レーダーに反応複数!こいつは……!」
「そうか……!奴が三日月達の世界のMAであるならこいつらがいてもおかしくはないッ!」
MAの小型随伴機プルーマが、三機の周囲に多数出現したのである。おそらくはハシュマルとの戦闘中に、同じように起動して地中から現れたのだろう。
ハシュマルに気を向けすぎた為、接近に気付けなかったのは失態だ。
「ハシュマルを撃破するには奴の制御中枢ユニット……あの頭部の下に設置されているもの破壊すればいい。それでプルーマを含むこの場の全機が機能停止する。しかし……!」
「ただでさえ厄介な奴なのにこんなちっこい奴らに囲まれた状態じゃ、まずアイツに辿り着けさえしねえ!」
「加えて、あのナノラミネートアーマーも抜かなくてはならない……!」
倒す方法は分かっていても、それが現状では至難極まりない事であるのを三人は理解している。
ハシュマルだけでなく、小型にも関わらず並のMSよりも高い出力と機動性を誇るプルーマも手強く、しかも複数だ。
戦況は徐々にハシュマル・プルーマ側へと傾きつつあった。
☆
ジード、タイガ、ゼットの三人はゴジラと共にゴブニュ(オグマ)、そしてビオランテと激突している。
ただしビオランテとゴブニュは協力関係にあるのではないらしく、触手をゴブニュにも向けていた。
「グオォォォォウゥ!!」
「――!!」
「ふっ!」
「くっ!」
「おわっ!?」
無数の触手が三人のウルトラマンやゴブニュを襲う。
ジード、タイガ、そしてゼットはなんとか回避しているが、ゴブニュは頑強な防御力を盾にその攻撃を物ともせず前進してくる。
そんな中、やはりゴジラにも触手は向かったが……
『いくらこんなもん寄越そうがオレ様に効くと思うなよ!ふん!!』
いくつかの触手を纏めて掴み、力任せに引っ張ると触手はブチィッ!!という音を立てて引きちぎられた。
これに反応したビオランテはいよいよ標的をゴジラに定める。同じG細胞を持つもの同士、因縁の対決。
「ゴジラの方に気を向けた……!」
「よし!今のうちに……うわっ!?」
ビオランテに攻撃しようとしたジードとタイガだったが、ゴブニュからの電撃で妨害されてしまう。
「やっぱりこいつから先にどうにかしないと!」
「俺が足止めします!」
「ゼット!?いくらスピード重視のお前でも一人じゃ無理だ!あいつの防御力を見ただろ!せめて二人で……」
「それじゃあのビオランテって奴を相手にする方にウルトラ負担がかかります!心配しないで下さいタイガ先輩!あの触手からの攻撃が無いなら、電撃に注意しつつヒットアンドアウェイで相手に捕まらなきゃ耐えられます!」
確かにゼットの言う事も最もだ。あのビオランテという怪獣は明らかに普通ではなく、ゴジラだから何ともないだろうが触手一つ取ってもウルトラマン達と同等以上の巨大さである。
それに、レジェンドが言った通り動きはそう早くない。油断さえしなければスピード重視のアルファエッジならば耐え忍ぶ事は可能だろう。
簡単にいかないのは承知の上だが、一刻も早くビオランテとの戦いに決着をつけてゼットの救援に入る方がいいのかもしれない。
そう考えたジードは尚も渋るタイガを説得し、ゴジラの援護へと向かう事にする。
「ゼット!無理はしちゃ駄目だぞ!」
「すぐに片付けて戻ってくるからな!」
「了解ですジード先輩、タイガ先輩!さ〜て行きますか超師匠!」
『自分で言ったから分かっていると思うがあくまで奴の足止めだ。功を焦って奴を討とうと考えるなよ。この形態では攻撃力不足だ』
万が一に備えてレジェンドが再度忠告する。功を焦る事はなくても緊急事態が起こって焦る気がしないでもないが、そこは自分がフォローしてやるしかないと考えた。
しかし、その緊急事態はゼットとレジェンド側ではなく、ビオランテと戦う側に起こる事になる。
ゴジラの援護をすべく駆けつけたジードとタイガだが、ゴジラVSビオランテの死闘は両者以外踏み込む隙が無いほど壮絶なものだった。
ビオランテは触手のみならず、放射樹液という強酸性の樹液をゴジラの熱線のように吐き出してゴジラを攻撃しており、ゴジラの皮膚からはそれを浴びたのかあちこちから煙が出ている。
さらにゴジラも迫りくるビオランテの触手をあるいは引きちぎり、あるいは放射熱線で吹き飛ばしながら尚も前進し距離を詰めていた。
「あの中に飛び込んだら巻き添えくらいそうだな……ゴジラ、本気で戦ってる時は周りにほとんど気を配らなくなるってレジェンドさん言ってたし」
「つまり、ゴジラの邪魔にならないようポジショニングしつつ遠距離から攻撃する必要があるのか……!」
薔薇の姿―花獣形態のビオランテとの戦いでゴジラはまるで本気を出していなかったが、今は違う。
何発か放射熱線を浴びせたが耐えて攻撃を仕掛けてくるビオランテは間違いなく強敵だ。
ジードとタイガは出し惜しみせず自身らの得意技であるレッキングバーストとストリウムブラスターでビオランテを攻撃する事を決め、エネルギーを溜める。
「あの巨体相手に別々の所を狙っても効果は薄い!タイミングを合わせて、一点集中砲火だ!」
「はい!」
「レッキング…!」
「ストリウム…!」
たが、二人が光線を放とうとした時、凄まじい速さで二人に攻撃が仕掛けられた。
「ぐあっ!?」
「うああっ!!」
発射を中断させられ、弾かれるように吹き飛ばされるジードとタイガ。
一体何が、と身を起こすとその原因が目の前に存在していた。
「見つけたぞ、ウルトラマンジード……!」
「お前は……!?」
「私はスラン星人。我が同胞を討ったウルトラマンマックスを始末する為、奴と親しい関係にある貴様には奴を誘い出す餌になってもらう!」
突如現れたスラン星人はそう言うと、高速宇宙人の異名の通り、高速で移動しつつジードを集中的に攻撃し始める。
かつてルガノーガーを打ち倒した時、ジードはマックスやゼノンと共闘しており、文明監視員にならないかと勧誘されていた。結果としてはご覧の通り銀河遊撃隊に入隊したわけだが、二人はジードを快く祝福し今でも親交がある。
マックスに恨みを持つスラン星人はその関係を利用してジードを捕獲し、彼を餌にマックスを誘い出してジード諸共一網打尽にしようと画策したのだ。
「うっ!ぐあっ!」
「ジード先輩!」
「邪魔をするな!貴様に用はない!」
「がっ!うぐっ!」
スラン星人はジードを攻撃しつつも突如分身し、タイガにも攻撃を浴びせだした。
攻撃を受け続け、徐々にダメージが蓄積していくジードとタイガ。
ゼットはゴブニュ相手に時間稼ぎしか出来ず、ジードとタイガはスラン星人の不意打ちで消耗しつつあり、そしてゴジラもビオランテを相手にするだけで精一杯。
鬼、MA、そして怪獣と宇宙人。
それぞれの相手に対して光神陣営は劣勢へと追い込まれていた。
☆
ラフタからリアルタイム通信で状況を聞きつつ、鉄華団と超次元グレン団を乗せた新造艦は『光気共鳴転移システム』を使用し、現在は専用の転移空間を通りサーガらのいる場所へ向かっている。
「つまり大将や旦那は不利ってわけか。にしてもどこのどいつだ……あのMA持ち出してきやがった野郎は……!」
『そっちは後でサーガ様やレジェンド様に聞いた方がいいかも。こっちは異常が出たから見てみたらそういう事態だったし……ちなみに察知したのは束博士ね』
「あの人のぶっ飛び具合にゃもう慣れっこだぜ……って事はだ、マジで即戦闘になるからすぐ出せるようにしといた方がいいか。……カミナ、シモン!そっちはどうだ!?」
『っしゃあ!こっちはいつでもいいぜ!甲板で仁王立ちする準備は万全だ!』
「って何の準備してんだよお前は!?」
『何の?決まってんだろ!名乗りだよ名乗り!せっかくの俺達のその世界でのデビュー戦、ここで一発バシィッとキメるのが定石ってモンだろ!』
『アニキの言う通り、第一印象をしっかり植え付けとかなきゃな。敵をビビらせ、味方を奮い立たせる!それが俺達神衛隊だ!』
最初のカミナの発言にはこっちがビビらされたが……とオルガは思ったが、シモンの言う事も一理ある。
あまり頼られすぎてもいけないが「この人達がいれば大丈夫」という安心感は少なくとも味方にとってプラスに働くだろう。
「まあ……こういう連中だってのは長い付き合いから分かってたけどよ……まさか
『いつでも大丈夫だ!パイロットは一部生身で戦闘する連中を除いて全員乗り込んでる!その一部の奴らは巌勝達の援護に行くそうだ!』
「一部……狛治はなんかやたら張り切ってたし確定として……他、誰だ?」
『ヴィラルとジェノちゃんだ』
「……あのオッサンをちゃん付けで呼べんのは大将や旦那、老師達を除いたらおやっさんだけだぜ……」
オルガは苦笑しつつ、おやっさんなる人物が出した名の者を思い浮かべた。東方不敗と似たベクトルでおかしい人物である。
とはいえ巌勝クラスの応援に行くとなればそれぐらいの実力は必要だろうが。
話しているうちに転移空間の出口が見え始めた。
オルガはラフタにまた後でな、と言って通信を切り、艦全体へと号令をかける。
「いいかお前ら!いよいよコイツの初陣と俺達神衛隊のあの世界での本格的な活動開始を示す一戦だ!ここでヘマやらかしたら大将の顔に泥を塗る事になる!気合い入れろよ!!」
『『オォォォォ!!』』
「全艦、第一種戦闘配備!機動部隊は発進準備、到着と同時に発進だ!非戦闘員は戦闘区画に近付くな!」
オルガは次々と指示を出し、乗艦している神衛隊員はもうじき訪れる世界での初戦闘の準備を進める。
出口はもうすぐだ。
☆
一方、レジェンド達の方では事態が更に悪化していた。
突如何かがハシュマルとドッキングしたかと思えば、倒されたゴブニュ(ギガ)達を資源・素材としてプルーマを驚くべき速さで生産し始めたのだ。
しかも、それに比例してかゴブニュまで追加で出現するという悪夢のような状況。ゴブニュを倒してもプルーマとなって数を増やし襲い掛かってくる、地獄のマラソンのようであった。
「くそったれ……!キリがないどころかこのままじゃ物量で押し切られるぞ!」
「ファンネルミサイル、弾数ゼロ……!」
(いかん……ブラックゲッターもペーネロペーも既に限界だ。二人が本来の乗機であればこの戦況を覆せたかもしれないが……)
さらに、スラン星人の猛攻を受けているジードとタイガ、そしてゴブニュ(オグマ)の防御力の前に体力が限界に達しつつあるゼットのカラータイマーが点滅し音を出し始めた。
「早すぎて捉えきれない!」
『タイガ!俺に代われ!俺ならあいつにも対処出来る!』
「そんな事言っても……!代わらせてくれないんだ!」
フュージョンライズ形態を独力で変えなければならないジードは勿論、タイガもスピード型のフーマにバトンタッチしたくても攻撃が激しくその隙がない。
「ゼェ……ハァ……ウ、超師匠……コイツ硬過ぎにも程がないですかね……!?」
『どうやらハシュマル同様、何らかの改良がされているようだな。不幸中の幸いというべきか自己修復機能はないみたいだが、これ以上となるとやはりパワーが必要になってくる』
「な……何というか、さすがですね超師匠……この状況で冷静なんて……」
『こんな修羅場、数えるのが馬鹿らしくなるほど経験したからな(……とはいえ、このままでは拙いのも事実。
ゼットは息も絶え絶えだが、身体を貸しているレジェンドは疲労無しどころか取り乱したり焦ったりさえしていない。偏に彼の経験の賜物だろう。
しかし、彼自身が力を振るえぬ現状ではそれだけで状況を好転させる事は出来ない。
☆
「……かなりまずいですね」
「ええ。神衛隊の御三方もですが、ゼットさんやレジェンド様らもかなり危険です。巌勝さん達に至っては巌勝さんとカナエさん以外まともに攻撃が通じない状況で分断されました」
「ッ!?それって……!」
「巌勝さん、カナエさんとしのぶさん、そして杏寿郎さんで分かれました。一番危ないのは杏寿郎さんです。単独な上にダメージを与える手段がありません」
「パムッ!?」
「そんなっ!」
鬼灯の言葉にパム治郎とギャスパーが声を上げる。
パム治郎は元より、短いながらもリクらと共に親交を深め彼の人となりを知るギャスパーも心配しているのだ。
相手が相手だけに自分達ではどうする事も出来ない――そう思っていたリアス達だったが、何かに気が付いたパム治郎がアーシアの腕から離れて飛んでいく。
「パムパムー!」
「あっ!?パムちゃん、駄目ですっ!」
(さすがに黙って待っている事は出来な……いや待て、先輩が戦いに赴く前、何かをあいつに託さなかったか?まさか……!)
サーガもある事に気が付く。もしかしたらパム治郎が彼らを救い、逆転する切り札になるかもしれないと。
そうしている間に、彼女らも覚悟を決めた。
「……皆、私のワガママに付き合わせて申し訳ないのだけれど……」
「今更ですわ。あの方やカナエが命がけで戦っているんですもの」
「ここで黙って待ってたら、黒歌姉様や夜一姉様に怒られます」
「ガイさんと約束しました。皆の剣になるって。だから、僕はここで引けません」
「私もまだまだ足手まといかもしれませんが、カナエさんや杏寿郎さんにパムちゃんを託されたのに、ただ見送るなんて嫌です!」
「私とて巌勝師範に鍛えられている身、剣にはなれずとも盾くらいにはなるだろう」
「僕も半人前……それより下かもしれませんけど、リク兄さんだって必死なんです。だから僕も出来る限り頑張りますっ!」
「皆……ありがとう」
リアスは感謝の言葉を述べ、自分達も戦いの場に赴く事にする。怪獣や宇宙人、MAには対抗出来ないだろうが、鬼相手ならせめて防御や囮、援護くらいは出来る筈だ。
「サーガ様、卯ノ花先生、鬼灯さん……お叱りは後で「叱る気などない」サーガ様?」
「本来であれば、主が戦っている以上私達が行かねばなりません。しかし、ここにいる者達の安全も確保せねばならない」
「こちらの事はご心配なく。火の粉が降りかかってきたら跡形もなく消し飛ばしますので」
かなり物騒な事を言っているが、鬼灯がリアスらを少しでも安心させようとしてくれている事ぐらいは理解出来る。
「俺の家族達を……頼む」
「「「「「はい!」」」」」
短いが、サーガの心からの言葉を受けたオカルト研究部の面々はパム治郎を追い、巌勝らが戦っている場所へと向かう。サーゼクスらが止めようとするが、サーガや鬼灯に睨まれ身を竦ませる。
「シスコンもいい加減にして下さい。貴方が彼女を心配するのは分かりますが、ここで友人や想い人を見捨てて逃げたりしたら彼女自身が自分で自分を壊しますよ。過保護も度を過ぎればただの毒です。おとなしくこれ以上自分の種族を危険に晒さぬように守りに徹して下さい」
「信じる事、信じ続ける事。それが本当の強さだ。彼女らは信じている……この戦いに勝てる事を。そして……」
サーガが微笑みながら夜の空を見上げる。
「逆転の切り札……その一つが今、到着した……!」
その言葉に三大勢力の面々も夜空を見上げると、突如凄まじいスパークが巻き起こり上空に巨大な光の渦が発生した。
何事かと騒がしくなるが、その光の渦の中からあるものが現れる。
黒を基調としたカラーリング、500mを超える大きさ、そして何より目を引くのがそれの先端に装備されている超大型回転衝角……即ちドリル。
そう、それこそが――
☆
「んにゃあああああ!?」
ダイブハンガーのブリーフィングルームには緊急事態という事でそこで生活しているほぼ全ての面々が集まっていた。
無論レジェンド達の現在の様子を映し出しているのだが、突然現れたそれを見た黒歌が大声で驚いた。
「いきなり何じゃ!?」
「突然大声を出すからチキンハート・ドラゴンなんて涙目で端で身を縮こませてるぞ」
「チキンハートじゃなくて天魔の業龍ですよぅ!」
「今はそんな事どうでも良いわ!して黒歌、何故に叫んだりした?」
C.C.がティアマットを指差しながらいつもの調子で言うと彼女はそれに反論する。二つ名のわりにビビりまくりだからそう言われても仕方ない。
夜一にバッサリ言い捨てられ、再度黒歌に尋ねると……
「あれは……あれは……!」
「あれは?」
「ふっふ〜ん!くろにゃんには分かるよね〜?」
束が自信満々に言うと、黒歌はまた大声でそれの名称を叫んだ。
「あれはスペースノア級参番艦……
クロガネにゃー!!」
いよいよ勇士、集結。
〈続く〉
やっとこさ神衛隊合流。
あの御仁の活躍は次々回に持ち越しかも。
おそらく次回は煉獄さん&パム治郎、胡蝶姉妹活躍回になるかと思います。また長くなりそうだ……
気になったんですが、読者オリキャラ募集とかどうだろうか?まあ、限度はありますけど。
これも後々考えていこうかな。
それではまた次回。
二択決定戦! シン一人乗りする最終ゲッターはどちらだ!?
-
真ゲッタードラゴン(大決戦版)
-
真・ゲッター1(スパロボα仕様)