ウルトラマンレジェンド Episode.CROSSOVER   作:ハジケハムスター・ポッポ

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お待たせしました。そしてすいません。
今回で鬼と決着……にしたかったんですが、書いていたら普通に1万字を軽く超え、前回よりも長くなってしまうのでまたも分けました。
一応、兄上らだけは決着がつきます。

サブタイトルは討鬼伝2のBGMから。
個人的にお気に入りの一曲なので興味が湧いたら聴いてみて下さい。

それでは本編をどうぞ。


烈火

 ほんの少しだけ遡り、オルガが機動部隊へ出撃命令を出した頃。格納庫ではおやっさんなる人物の指揮の下、既に全ての機体整備が完了しており、パイロット達も搭乗済みですぐ発艦出来るようにもなっていた。

そこに名乗りを上げたカミナも到着し、グレンへと乗り込む。

 

 

「ッしゃあ!グレンの調子も万全だな!さすがだぜおやっさん!」

 

「後はお前達の仕事だ!この世界での初陣、しっかり決めてこい!」

 

「あたぼうよ!行くぜダチ公共!」

 

 

オルガに続いてカミナの号令で次々と発艦していくMSとガンメン。

殿であるカミナの乗ったグレンが左手の人差し指と中指を伸ばして敬礼に似たポーズをメカニック陣にし、勢いよくカタパルトで射出されていく。

 

 

「よし……」

 

「あれ?おやっさんどこ行くんスか?」

 

「これでも元パイロットだ」

 

 

メカニック達の視線を一身に集め、その人物は帽子の鍔をクイッと上げつつ、不敵に微笑んだ。

 

 

戦場(そら)へ帰るのさ」

 

 

 

 

 

 艦長であるオルガの元へは基本的に個人のプライバシー関係を除いた艦内全ての情報が集約される事になっている。艦長席に座り、新生阿頼耶識システムを起動させてからになるが……当然、格納庫の機体の準備状況などもそれに含まれる。

 

オルガはカミナのグレンがクロガネから発艦した事で一部を除いて全機が格納庫から発進した事を確認したのだが。

 

 

「ん?まだ出てない機体が……は?こんなんコイツに積んでたか?」

 

 

艦長席で見たモニターにはこう文字が並んでいた。

 

 

 

Take off standing by "STAR FALCON"

 

 

 

 

 

 杏寿郎の号令と共に反撃に転ずる勇士たち。

パム治郎も杏寿郎の背中にくっついて、やる気全開だ。

 

 

「よし、一緒に戦うぞ!パム治郎!」

 

「パム!」

 

「しのぶ、さっきと同じく私達はあっちの鳥型の方を!」

 

「ええ!煉獄さん、ゴウエンマとやらの方はお願いします!」

 

「承知した!こちらは任せろ!」

 

「なら俺は杏寿郎の方に助太刀しよう。そのつもりで来たからな」

 

「恩に切るぞ、狛治!」

 

「なら私と裕斗、ゼノヴィアは煉獄さん側を、朱乃と小猫、ギャスパーはカナエとしのぶ側の援護に!アーシアは少し離れた場所で待機して負傷した者が出たら治療を!」

 

『はい!!』

 

 

仕切り直しの意味も込めて、杏寿郎はゴウエンマと、カナエとしのぶはヒノマガトリと相対する。

そしてそれぞれを援護すべく狛治とオカルト研究部も分散した。

 

 

 

 

 

 ヒノマガトリは四枚のうち右翼の一枚を部位破壊され、鬼祓いされたことでそこが濃い青色で半透明になっていた。他の部位の破壊を狙いつつ、ダメージを与えるべくそこを集中攻撃する四人。

ギャスパーは吸血鬼としての己の能力で先程小猫の攻撃で右翼を失った時に落下したヒノマガトリを拘束している。

 

 

「みっ……皆さん……今のうちに!僕の能力でも長時間は無理みたいですぅ!」

 

 

負傷したというのに驚くべき力で影による拘束を振り解こうと暴れるヒノマガトリ。魔力なり血液なり吸えれば良いのだが、生憎と鬼であるヒノマガトリに魔力は無く、血液の代わりに瘴気を内包しているため、吸ってしまえば逆効果だ。

 

 

「カナエ先輩、もう一つの右翼……落とします」

 

「下手に左落としたら逆にバランス良くなっちゃうかもしれないものね。ただ、鬼祓いっていうので浄化しても、あの通り能力制限はかかってるけど部位としてはそれなりに機能するみたいだし」

 

「でも少なくともこちらに有利になる事には変わりありませんわ。いっそ全部もいでしまいましょうか」

 

「あと、両足も破壊出来るみたいですよ。やるなら完全破壊狙いましょうね」

 

 

朱乃としのぶがドS化してる。朱乃は元より敵に対してこうなるが、しのぶも新しい日輪刀を試したくて仕方ないらしい。

カナエや小猫だけでなくギャスパーも怯えているので自重しましょう。

 

 

(私は力が弱かったから、元の世界では鬼の頸を斬れなかった。でもこの日輪刀なら……出来る気がする。何故かは分からない、直感的なものだけど)

 

 

左翼を朱乃が攻撃しているスキにヒノマガトリの足元まで素早く接近し、試しに刀を『振るう』しのぶ。

一瞬日輪刀が発光したかと思ったら急に力が流れ込む感覚を感じたしのぶはそのままヒノマガトリの左足へと振り抜くと、左足が斬り飛ばされてヒノマガトリは地に倒れ伏した。同時に斬られた左足は浄化される。

 

 

「斬れた……!姉さん、斬れた!私にも!」

 

「うん、しっかり見てたわ。ちゃんと片足を斬り飛ばせてた!」

 

 

思わず笑顔で伝えてくるしのぶに、カナエも笑顔になる。妹がずっとその事で悩んでいた事を知っているカナエは、自分のものと同じくレジェンドが日輪刀に付与した能力のおかげだろうと予想していた。

それは正解だ。

 

カナエの日輪刀は日と花、二種類の呼吸を使うためその負担や、赫刀発現条件を緩くする『緩和』。

 

縁壱のものは彼自身が剣士として一つの到達点に達しているので、彼が日の呼吸と己の実力を余すところ無く存分に引き出すための『領域掌握』。これはレジェンド自身が最高傑作と称する日輪刀能力だ。

 

そして、しのぶの持つ日輪刀の能力は力を始め、彼女の足りない部分を刀自身が補う『補助』。この能力によって不足していた力を補ったため、ヒノマガトリの左足が斬れたのだ。

 

 ではもう一人、今日新たな日輪刀を手にした者の方は……

 

 

 

 

 

「はああああっ!」

 

「死にさらせぇぇぇ!!」

 

「裕斗はともかくゼノヴィア八つ当たりになってない!?」

 

 

 ゴウエンマに対してこの後起こる地獄特訓を想像し、泣きながらデュランダルを振るうゼノヴィア。援護するリアスのツッコミはごもっともだが、どことなく全体的にパワーアップしてる感じがしなくもない。恐怖がある意味吹っ切れかけているからか。

 

 

「俺達もやるぞ!パム治郎!狛治!」

 

「パム〜!」

 

「どうやら先程展開した結界は断祓も同時に内部全土へと浸透させているらしい」

 

「して、つまりどういうことだ!?」

 

「遠慮なく部位破壊出来るということだ!」

 

「なるほど!分かりやすい解説感謝する!」

 

「パム〜」

 

 

狛治の説明に杏寿郎が納得していると、二人に攻撃力を増加させる『渾身』、攻撃速度を早める『科戸ノ風』、さらに移動速度を早める『韋駄天』のタマフリを発動するパム治郎。本当に有能である。

 

 

「む!?身体が軽くなって力が増した気配がするぞ!」

 

「攻と迅のタマフリだ。近接型の俺達にもってこいだな」

 

「よしパム治郎!しっかり掴まっていろ!」

 

「パム!」

 

「一気に踏み込むぞ!」

 

「承知した!」

 

 

返事した直後、凄まじい速さで二人はゴウエンマの懐に飛び込み、各々の型や技を放つ。

 

 

「炎の呼吸・弐ノ型!昇り炎天!!」

 

「空円脚!!」

 

 

杏寿郎は斬撃で、狛治は蹴撃でそれぞれゴウエンマの右腕と左腕を部位破壊し、パム治郎の断祓の効果で即座に浄化され素材と化した。

 

 

「よし、効いているぞ!このまま押し切る!」

 

 

狛治の言葉に頷き、リアスのサポートを受けつつ総攻撃を仕掛ける杏寿郎達。

こちらも決着の時は近い。

 

 

 

 

 

 まさかパム治郎がこちらにとって切り札と呼べる存在になるなど露にも思わなかった巌勝らだが、これ幸いにとヤトノヌシを追い詰めている。

 

 

「フフフ……まさかあの者が逆転の鍵となるとは。かつてシモンに破れた時の事を思い出すわ」

 

「そういえばそんな話を聞いたな。私も同じ、予想だにしないところから状況をひっくり返す手段が出てくるものだ」

 

「もっとも……俺達も今や超次元グレン団の一員である以上、ひっくり返す存在になる必要があるわけだがな」

 

「我、眠くなってきた。早くあれ倒してレジェンドにくっついて寝たい」

 

「フハハハハ!なんと肝の座った娘よ!」

 

 

瞼をごしごしとこするオーフィスにロージェノムは豪快に笑って頭を撫でた。

少々乱暴だが悪い気はしない。かつて螺旋王だった頃には考えられない光景だが、それはロージェノムヘッドの記憶も融合して復活したからだろう。かなり丸くなって親バカと化してしまった。後者は良いのか悪いのか……。

 

 

「おい巌勝。レジェンド様は小さい娘が好みなのか」

 

「別にそういう事はないと思うが。現に巫女であるアーシアはそれなりの年頃だ」

 

「……父や兄のような感覚か?」

 

「わからん。私はレジェンド様のような人物を『人たらし』『天然ジゴロ』と呼ぶと教わった」

 

「巌勝、それを絶対あの方に言うなよ。というか誰だお前にそんなことを教えたのは」

 

「束殿だ」

 

「「何してるんだあの天災」」

 

 

 

 

「へっきし!」

 

「束博士、風邪?そんな胸元開いた服着てるから……」

 

「らっちゃんに言われたくないもん!」

 

「束様、ホットココアお持ちしました」

 

「クーちゃんありがとー!きっとあれだね、レジェくんがゼッくんの中で束さんの噂でもしてるんだよ!」

 

 

 レジェンド絡みではあるが、巌勝ら三名だとは天災の頭に思い浮かんでいなかった。そりゃもう全然。

 

 

 

 

 窮地に追い込まれたヒノマガトリ、ゴウエンマ、ヤトノヌシは遂にタマハミ状態へと移行した。

 

ヒノマガトリは二足歩行となって立ち上がり、四枚の翼のうち下翼だった二枚がまるで鞭のような長い腕になる。

 

ゴウエンマは浄化されたはずの両腕や片足が、残っていたもう片足を含めて強化再生され、ヒノマガトリとは違い四足歩行になった。

 

ヤトノヌシはほとんど変わらず、全身を地面に倒して蛇のように地を這い回るように動く。おそらく攻撃方法に変化はあるのだろうが他の二体に比べて見た目で大きな変化はない。

 

 レジェンドとゼットを除けば、このタマハミ状態は鬼の生命力が少なくなっているという事だと知っているのは巌勝とオーフィス、加えて狛治のみ。

他の者は鬼達だけでなく空が突如変色し、行動が変化した事に戸惑っている。

 

 

「な……何なの!?急に、空が……」

 

「こっちはなんか二本足で立ち上がって翼が腕みたくなりましたぁ!?」

 

「これが噂のタマハミとやらか……!」

 

「全員狼狽えるな!奴らは力を暴走させタマハミ状態となった。故に攻撃方法が変化し、より強力な一撃を放ったり今までとは全く異なる動きをするかもしれんが、これは奴らの生命力に限界が近付いている証でもある!もう一息だ!」

 

「あれ、マガツヒと同じ。全身どこからでもダメージ入る」

 

「ここまでくれば余計な考えは要らん!一気に畳み掛けるだけだ!」

 

 

リアスらの動揺を吹き飛ばすように巌勝が檄を飛ばし、オーフィスや狛治もそれに賛同して後押しする。

 

 

「つまり文字通り力と力のぶつかり合い!そういう事だな!」

 

「ああ、パム治郎のおかげでダメージを与える事はおろか鬼祓いによる浄化も出来る今、タマハミにまで持ち込めたならここからはゴリ押しでいける!」

 

「愛らしくもなく、食べれもせず、仕事も出来そうにない、飛ばない鳥モドキの鬼はただのアホウドリよ」

 

「……姉さん、『紅の豚』っていうのを見てなかった?」

 

「いかんな、豚丼が食べたくなってきた。今日ばかりは焼き鳥丼を食う気になれん」

 

「ロージェノム様、そういえばサーガ様経由でレジェンド様からの情報によると、この世界には『蛇倉苑』なる丼物屋があり絶品だと」

 

「ほう?だとしたら全品制覇しに行かねばならんな」

 

 

螺旋王(ロージェノム)VS蛇倉苑店長(ジャグラスジャグラー)の丼食い激突もそう遠くないうちに実現しそうだ。

ちなみにガイはジャグラーの出したカツ丼戦士の頂盛りの前に敗れ、残った分はテイクアウトさせられたらしい。その時のジャグラーは積年の願いが成就したような晴れやかな笑顔だったという。無論、今度はガイがリベンジに燃えているとのこと。

……とりあえず、今あちらは平和である。

 

 

「ま……まあ、何はともあれ頑張る理由が出来たのはいい事よね!それじゃあ、あの鬼とやらとの戦いにケリつけるわよ!」

 

『はい!』『応ッ!』「パム〜!」

 

 

大分脱線していたが、キリが良くなったところで半ば強引にリアスが〆、どうにか軌道修正出来た。

飯テロに片足突っ込んだ状態だったし。

 

 

 

 

 

 先程と同じ編成で、同じ相手へと決戦を挑む元鬼殺隊の柱、神衛隊、そしてオカルト研究部。

 

 ギャスパーが影を使ってヒノマガトリの足を止めるも、ヒノマガトリは腕のようになった双翼をなんとゴムのように伸ばして攻撃してきた。

 

 

「っ!?」

 

「何なのあの鳥!?ゴム!?鞭!?触手!?」

 

「鬼でしょ姉さん」

 

「ゴムにしてはしっかり雷撃も効いてましたし」

 

 

口から火炎を吐いていた鳥型から、二足歩行で翼二枚が鞭っぽくなったと思えばゴムのように伸びる……鬼舞辻無惨が生み出した鬼よりも相当奇怪である。

 

 

「けど強化再生……だったかしら?それがない分、破壊しておいたからか攻撃力は見た目程高くないみたいね」

 

「だったら狛治さんの言う通り、力づくのゴリ押しです」

 

「ギャスパー君、もう少しだけ頑張って下さい。無事に終わったらダイブハンガー……でしたっけ。私達が住んでいるところの、リクさんの部屋の隣か向かいの部屋にお引越し出来るかレジェンド様に聞いてあげますから」

 

「!!がっ……頑張りますううう!!」

 

 

しのぶの言葉にギャスパーがやる気を出した。多分レジェンドならOKを出すと思うが、ジードにせよサーガにせよウルトラマン勢は何かと事後承諾されがちな気がする。

 

 

「あらあら……では私もあの方と一緒のお部屋に「それは駄目です」残念ですわ」

 

 

朱乃の意見は却下された。というか承認したら間違いなく血戦が起きる。レジェンドも巻き込んで。

オーフィスやアーシアも寝る時だけだというのに……それはそれで問題ではあるのだが。

 

 

 

 

 

 四足歩行になったことで攻撃しやすくなったものの、ゴウエンマは機動力を増しており攻撃速度も早まっている。

両腕が前足になったのはいいが、強化再生によって頑強になっており今度は容易に破壊することは出来ない。

 

 

「杏寿郎!出来る限り奴の横か背後に回れ!前足になった腕に炎を纏わせて地面に叩きつけ、そこを中心に爆発を引き起こしたりしてくるぞ!常に一定の距離は即座に離れられるようにしろ!」

 

「承知した!ならばその場合、脅威となるのはあの巨大な尾だな!」

 

「裕斗、ゼノヴィア!聞いたわね、極力前面からの戦闘は避けるのよ!」

 

「はい!」

 

「目標を視界に入れてスラッシュ……目標を視界に入れてスラッシュ……」

 

「いい加減ゼノヴィアは諦めて正気に戻りなさい!というか私や狛治さんが言った事聞いてた!?」

 

 

もうここで人生終わってもいい的な思考になっていたゼノヴィアは何故かどこぞの決戦兵器の初号機のパイロットに似た台詞を言い出す始末。

忘れられているとは思うが継国式地獄特訓零式……地獄と零式が付かないメニューは継国剣術道場で一般的に行われている。

頑張れゼノヴィア、全集中の呼吸を会得するためには避けられない道なのだ。

ゴウエンマは咆哮すると猛スピードで突撃してくるが、リアスは翼で空へ逃げ他の四人と一匹は左右へと分散し、背後に回り込む。

 

 

「俺と杏寿郎にそれぞれ一人ずつ付いてツーマンセルで仕掛けるぞ!タイミングを間違えるな!」

 

「グレモリー少女はそのまま空中から援護を!注意を俺達へ向けさせないように頼む!」

 

「ええ!任せて頂戴!」

 

 

武器が大剣である裕斗は機動力で勝る狛治と組み、杏寿郎&パム治郎は得物の大きさがほぼ同等のゼノヴィアと組む。

ぶっちゃけゼノヴィアの精神状態が(ほとんど自業自得だが)心配だったのだが、気にしている時間もないので成り行きに任せる事にした。

 

 

「多少でも効けば御の字!」

 

 

リアスが四人に当たらないように調節しつつ、魔力弾をゴウエンマの頭部へと連射する。魔力弾は全弾ゴウエンマに命中し派手に煙を上げるが、角が破壊されていたものの然程ダメージは無くリアスへと視線は向けられていた。

しかし、それが狙い。

 

 

「今よ皆!」

 

「「おおおおおおっ!!」」

 

「「はあァァァァァ!!」」

 

 

同タイミングで仕掛けた杏寿郎とゼノヴィア、そして狛治が一撃を叩き込んで即座に離脱したところに間髪入れずもう一撃を打ち込んだ裕斗。

これにより、ゴウエンマの後ろ足は左右ほぼ同時に破壊され、一時的にゴウエンマは身動きが取れなくなった。

 

 

「よし!今のうちに……!?」

 

 

悪寒を感じた杏寿郎は側にいたゼノヴィアの首根っこを引っ掴んで即座に離脱、狛治と裕斗もすぐに退避する。

直後、ゴウエンマが上半身を持ち上げたと思った直後、両拳を握ってハンマーのように地面に叩きつけるとその部分を中心に広範囲爆発が巻き起こった。

 

 

「ちっ!やはり後ろ足ではなく腕兼前足を破壊すべきだったか!」

 

「皆、大丈夫!?」

 

「問題ない!だがアレは確かに厄介だ!」

 

 

そういう杏寿郎だが、そこに焦りはない。信頼出来る仲間達が隣にいるのだから。

確実に勝利へと向かっているのを感じつつ、対策を考える。

 

 

 

 

 

 上半身を地面に着け、蛇のような状態になったヤトノヌシだが、さすがに相手が悪かった。

ゴウエンマ同様四本のうち二本の腕でロージェノムを叩き潰す気で振り下ろしたが、平然と受け止められてしまう。

 

 

「なるほど……確かにパワーは上がっているようだな。だが対処が出来んわけではない!」

 

 

ロージェノムが受け止めている二本以外の、剣と棍棒を持った腕で攻撃しようとしたヤトノヌシだが、ヴィラルが天高く飛び上がりその二本の腕へと狙いを定めた。

 

 

「ロージェノム様に気を取られすぎたな蛇モドキ!その腕、貰ったァァァ!!」

 

 

錐揉み状に回転しつつ、武器を持ったヤトノヌシの二本の腕を勢いよく斬り落とすヴィラル。

本体から斬り落とされた腕は武器ごと地に落ちると断祓の効果で即座に浄化される。同時に斬られた部位から半透明の腕が現れるがそこに武器はなく、攻撃力が大幅に削られた事を示していた。

 

 

「ふん、そのままではバランスが悪かろう……ぬぅあああああ!!」

 

 

今度はロージェノムが恐るべき膂力で受け止めていた腕を引きちぎる。これにより、ヤトノヌシは四本の腕全てを失った。まだ尾が残っている……そう考えたヤトノヌシだったが、その尾に何か違和感を覚えた。

 

かつてカゼキリにゼットがしていたように、オーフィスがヤトノヌシの下半身ともいうべき巨大な尾を両手で掴んでいる。

 

 

「とりゃー」

 

 

可愛らしく抑揚の無い声だが、やってる事はえげつない。尾を掴んだまま思い切りヤトノヌシを背負い投げの容量で叩きつけたのである。

叩きつけられたあたりから千切れるように、ヤトノヌシの腰から上が吹っ飛んでいく。

ロージェノムはその光景を愉快だと言わんばかりに大笑い。

 

腕同様、尾は浄化され本体に半透明で形成されるが、ヤトノヌシはそれ以上の抵抗が出来なかった。

何故ならば、丸腰になるそのタイミングを巌勝が狙っていたからだ。

既に多大な光気を練り込み、型を放つ準備を済ませていた巌勝はヤトノヌシを討つべくそれを繰り出す。

 

 

「これで終幕だ……!月下に果てよ、ヤトノヌシ!!」

 

 

月の呼吸第二幕 捌ノ型

 

夜天・嵐月落葉( やてん  らんげつらくよう)

 

 

嵐で舞う落ち葉が如く、無数の斬撃が月輪を伴ってヤトノヌシを斬り刻む。

無念、とでも言うかのような咆哮を上げ、天を仰ぎつつ力尽きるヤトノヌシ。地に倒れ伏すと同時にその亡骸は浄化され武具の為の素材となる。

 

 ヤトノヌシとの戦いは、勝機を一気にモノにした超次元グレン団三名とオーフィスの連合軍の勝利という形で幕を閉じた。

 

 

 

 残るはゴウエンマとヒノマガトリ。

 

 しかし、元鬼殺隊の三名とオカルト研究部、そして狛治とパム治郎はその二体の鬼を倒すためにある決断を迫られる事になる。

 

 

 

〈続く〉




というわけで次回こそ鬼との決着です。
おそらく煉獄さん&パム治郎主役回。サブ主人公に胡蝶姉妹。

そして作者お前隠す気ないだろと言わんばかりに出撃するおやっさん。もうここまで書いたら誰か普通にバレますわな。
次話はそう遅くないうちに投稿出来そうです。


それではまた次回。

追伸︙次回のイメージ挿入歌は「竈門炭治郎のうた」ともう一曲。炭治郎が出るわけじゃないのであしからず。

二択決定戦! シン一人乗りする最終ゲッターはどちらだ!?

  • 真ゲッタードラゴン(大決戦版)
  • 真・ゲッター1(スパロボα仕様)
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