ウルトラマンレジェンド Episode.CROSSOVER   作:ハジケハムスター・ポッポ

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お待たせしました。
神衛隊の戦闘、いよいよ決着です。
やはり長くなってしまったけど1万文字超なのでまだマシ……なはず。うん。


それでは本編をどうぞ。


俺たちを誰だと思っていやがるッ!!

 ダイブハンガーでは相変わらず束が騒がしかった。

マリーダの撃墜(未遂)に始まり、コジローの参戦には「バコさんだー!!」とクロエを抱きしめながらクルクル回ったり、フルアーマーバンシィを見てからはラフタの専用機をいっそフルアーマータイプにしてしまおうと考える始末。ちなみにクロエはバンシィ大好きっ子。

そして一周回って辿り着いた答えが―

 

 

「あの三大ポンコツ共マジでいい加減にしろよ」

 

 

三大勢力の役立たず具合にブチ切れる事だった。

マリーダに攻撃された時、落ち着いて回避より協力して防御に回ろうとしたのはサーガや鬼灯、卯ノ花。

連中はパニックでドタバタしていただけである。

あの場にいた三大勢力も総力を上げて防御に尽力さえすればマリーダが焦って飛び出し、盾になる必要もなかったはず。

新しい友人であるセラフォルーの主な仕事は外交と聞いていた束は彼女に怒りは感じていない。

加えて、先程の映像を見る限り結界強化に協力する事を呼びかけていたガブリエルや、落ち着かせようとしていたイリナ、そしてソーナ率いる生徒会にもだ。

未熟ながらも巌勝らの援護に向かったオカルト研究部は言わずもがな。

 

例の如く彼女からヘイトを集めているのは男衆三人。彼女自身、女尊男卑な世界(図らずも束の作ったISが原因だったが)出身であるが束は別にそんな事を考えてはいない。

……が、それを差し引いてもサーゼクス、ミカエル、アザゼルの対処が温すぎる。護衛に集めた連中の実力やメンタルも脆弱だ。人間より優れていると謳っていたのは何だったのか。

 

 

「レジェくんとかサーくんとかと比べるのはダメだけどさー、ハッキリ言ってダメ過ぎ。レジェくん達はほーくんとかれっちゃんとか、しゅー爺とかまでしっかり連れて行ってるのに……」

 

「そういえば、グレイフィア様」

 

「何でしょう?クロエ様」

 

「同じく悪魔の出身とお聞きしていますが、映像の中で悪魔側トップの眷属はいらっしゃいますか?」

 

「……サーゼクス様の『女王』であるルミナシアくらいですね。私が見る限りでは」

 

 

レイトが来る事も見越してか自身を含めて五人分の夜食を持ってきたグレイフィアが見ても、自分の妹ぐらいしかそれらしい人物を確認出来ない。それにミカエルはガブリエルを連れているからまだしも、アザゼルもあと一人……シェムハザなりバラキエルなり連れてくればいいものを、とグレイフィアは思っていた。ついでに、ガブリエルもレジェンドが来なければ来なかっただろう。

自身が強いからか知らないが、やはり考えが浅すぎる。

おまけに現在しっかり戦場に立っているのは若手であるリアスらだ。偉ぶるならしっかりしろ年長者。

 

 

「ちなみにれーくん、同じく責任ある立場としてどう思う?」

 

「正直、最近のリアス達の方がよっぽどしっかりしてんじゃね?あいつギャスパー……だっけ?そいつの護衛、リク達に頭下げて頼み込んでたろ。最初は成長してきたから会談にも出してやろうとか考えてたみたいだけどよ、そいつもいきなり初対面大多数のいるところに放り込まれたくないだろうしってさ」

 

「だよねー。あーゆー子ばっかりなら束さんもこんなイライラしないのに」

 

 

銀河遊撃隊隊長からもダメ出し。実際、ギャスパー狙いの禍の団は竜馬によってすぐに看破されている。リアスがギャスパーのことを考え、万が一にと念を入れた事が功を奏した結果だ。

 

 結論から言えば三大勢力のトップ陣は個々の戦闘力はともかく、指導者としては穴だらけというのが束達の見解であった。

 

 

 

 

 鬼との戦闘を終えたリアス達はサーゼクスらとは別の場所で他の戦いを見守っている。

ペーネロペーにビームが直撃した時はアーシアやリアスら割と一緒にいる者のみならず、ギャスパーを始め杏寿郎やパム治郎、しのぶさえ本気で焦った。

無事にオデュッセウスガンダムが姿を現した時、何名かは安心のあまりへたり込んでしまったくらいだ。

その後、クロガネに戻って少ししたらバンシィが出撃したことでまさかと思っていると巌勝が口を開く。

 

 

「どうやらマリーダ殿が愛機で再出撃したようだな」

 

「愛機?あのペーネロペーというのではないの?」

 

「アレはあくまで彼女がテストパイロットをしていただけにすぎぬ。本来の機体はあのバンシィともう一機だ。一応後者も私がアムロ教官殿の下で訓練中に何度か見たことがある」

 

 

もう一機――クシャトリヤというMSはバインダーを含めると結構な大きさの上、操縦系統が複雑過ぎて彼女しか操縦出来ないのである。加えて多数のファンネルを搭載しているためニュータイプないし強化人間が乗らないと真価を発揮出来ないということもあり、正規パイロットのマリーダか、次点でアムロがどうにかというレベルでパイロットを選ぶ機体だ。

巌勝は彼女の駆るクシャトリヤに訓練生時代の模擬戦で、全方位ファンネル集中砲火をくらい大敗した経験もある。ファンネルの機数がヤバすぎた。

 

 

「それだけではないな。あちらを見ろ」

 

『?』

 

「どうやら我らが団長ともう一人……」

 

「シモンが()()をやるようだな」

 

「よく見ておくがいい。今から起こる事を、毛穴の奥まで焼きつけろ!」

 

 

巌勝、ロージェノム、そしてヴィラルが自信満々に語るそれは、彼ら以外……サーガらと共にいる三大勢力の面々はもちろん、ジードらウルトラマンさえも驚かせることになる。

 

 

 

 

 複数のゴブニュ(ギガ)の残骸を寄せ集めて混ぜ合わせ、合体というより融合に近い形で生み出されたゴブニュ(キメラ)。

それに対抗すべく、カミナとシモンはある方法に出る。

 

 

「大将達を自分の命張って守ったマリーダが、根性見せて今度は愛機でリベンジに出てんだ。ここで燃えなきゃ紅蓮の文字を背負ってる意味がねえ!」

 

「ああ、やろうぜアニキ!目の前にいる中身に何もないガラクタの寄せ集めに、俺達の魂を叩きつけてやる!」

 

 

 

 

 

「「合体だァ!!」」

 

 

 

 

 

二人が口を揃えてそう言うなり、ラガンが天高く……グレンをも優に超えるほどに飛び上がり、手足を畳んで胴体(というか顔)の下部に自身と同じサイズのドリルを出現させる。

 

 

「行くぜアニキィィィ!!」

 

「来ぉいシモォォォン!!」

 

 

そのままラガンは勢いよくグレンの頭部に突き刺さる。

その際、カミナはコックピットの天井を軽く突き破ってきたドリルを頭をずらして回避。

ラガンのドリルを通じてシモンの膨大な螺旋力がグレンに伝わり、グレンはその形を変えていく。

腕が、脚が、弾けるように太く伸身し、背部にはどうやって格納されていたか分からない巨大なウイングが展開され、最後にはラガンの頭に三日月を象ったような飾りが特徴の兜が装着される。

 

 

 

 

 

「次元も生死も飛び超えて!再び並ぶ熱き魂!!」

 

 

 

「鋼の螺旋に闘志を重ね!森羅万象ブチ破る!!」

 

 

 

闘 魂 合 体!!

 

グ レ ン ラ ガ ン!!

 

 

 

「「俺たちを!誰だと思っていやがるッ!!」」

 

 

 

 

 

バックに炎とサーガの横顔シルエットが追加された超次元グレン団のマークを周囲に幻視させながら、同団のフラグシップガンメン・グレンラガンが二人の啖呵と共にこの世界で爆誕した。

 

 

 

 

「なにあれぇぇぇぇぇ!?」

 

 

 真っ先に叫んだのはセラフォルー。語尾の☆さえ忘れるほど衝撃的だったようだ。なにせ普通の合体ではない。

一見すると手足が付いたデカイ顔に小さい顔がブッ刺さっただけだったのが、まさか合体先の手足が肥大化して伸びるとか、ウイングや兜が出てくるとか誰が予想出来ようか。

 

 

「どうなってんだ!?格納されていたとしてもサイズ的にありえねぇだろ!?」

 

「もしやあれは巨大な神器なのか!?」

 

「神器ではない。巨大合体ガンメン・グレンラガン。超次元グレン団の象徴とも言える機体だ。その可能性は正しく無限大」

 

 

アザゼルやサーゼクスの疑問に対し、短いサーガの言葉だけで説明が事足りてしまうような機体。

そしてその理由をこの戦場にいる者達はまざまざと見せつけられる事になる。

 

 

 

 

 合体を果たしたグレンラガンはゴブニュ(キメラ)に接近し、ゴブニュの複腕のうち二本と力比べの態勢に入る。

当初は多数が融合したゴブニュ側が優勢かと予想されたが、それは即座に否定された。

組み合ったグレンラガンがゴブニュを押し返し、グレンラガンは頭を引いて額にドリルを出現させると、頭突きの容量でそれをゴブニュの頭部の一つに突き立てる。

 

 

「硬いだけのお前と違って、このグレンラガンはこういうドリルも出せるんだよ!!」

 

 

ガリガリと削られていくゴブニュの頭部。それから逃れられようと組み合っていた腕を離した瞬間……

 

 

「ごちゃ混ぜが強いと思うなパァァァンチ!!」

 

 

カミナが訳のわからない技名を叫びながらゴブニュにグレンラガンの鉄拳をブチ込むと、ゴブニュはド派手に土煙を巻き上げながら吹っ飛んでいく。

さらにグレンラガンは助走をつけてジャンプし、態勢を立て直そうとしているゴブニュに対し……

 

 

「俺とシモンで∞パワーキィィィック!!」

 

 

またも適当に名付けたのだろうカミナ命名のドロップキックがゴブニュに直撃し地面にめり込ませた。

グレンラガンは全くダメージを受けておらず、想像を遥かに超えた圧倒的な戦闘力を見る者全ての眼に叩きつけている。

 

 そして、それはもう片方にも言えることだった。

 

 

 

 

 

 フルアーマーバンシィの参戦により、ハシュマルとの激突の戦況は神衛隊側に傾いていた。

元々ハシュマル相手にペーネロペーでは相性が悪く、本来の機体でないがために全力を出せなかったマリーダは愛機であるバンシィに乗り換えたことでその実力を存分に発揮出来ている。

 

 

「イナバチーフや竜馬、三日月達を始めとする鉄華団はあの戦艦の援護へ!奴は私とグラハム副隊長で仕留める!」

 

「分かった、しっかり決めてこい!」

 

「あれ、完璧にブチ壊しちゃってよ」

 

「今回はカミナとシモンにゃ援護いらなさそうだからな!了解だぜ!」

 

 

各々が各所へ援護に向かってたのを確認した後、マリーダはグラハムに通信を入れる。

 

 

「申し訳ありません、グラハム副隊長。無理矢理私に付き合わせてしまって」

 

「いや、あの巨大な物体を破壊するのは骨が折れるだろう。少しでも戦力をそちらに回すのは悪くない選択だ。それに……応援に応えるのも我々の役目だと思わないか?」

 

 

グラハムの言葉に?マークを飛ばすマリーダだったが、その理由はバンシィのメインカメラに映ったあるもので理解した。

 

 

 

 

 

「マリーダ()()頑張ってー!」

 

「心を燃やせ、マリーダ殿!貴殿ならやれる!」

 

「ちゃんと無事に帰らないと駄目ですよー!」

 

「まだまだお話聞きたいですぅー!」

 

 

 

 

 

一緒にハーブを作り始めてからハリベル同様に姉様呼びされ始めたリアスを筆頭に、杏寿郎、しのぶ、ギャスパー……それにパム治郎も思いっきり手を振りバンシィへと声援を送っている。

 

先程コックピットに置かれていた手紙といい今日は何かと涙腺にダメージがくる日だ、とマリーダは思いながら笑顔になり、操縦桿を握り締めた。

この機体は人々の想いを形に出来るサイコマシーンだ。彼らの想いも乗せて戦おう。

 

その決意と共にマリーダは叫ぶ。

 

 

 

 

 

「バンシィィィィ!!」

 

 

 N T - D 

 

 

 

 

 

主の想いに応えたバンシィは、今その真の姿へと『変身』する。

 

 

 

 

 グレンラガンの合体に続き、バンシィもまた三大勢力らが驚く変化を見せる。

突如バンシィが光輝いたかと思えば、各部が展開・伸身し淡い緑色に輝くフレームが現れる。

それは両腕や背面に装備したシールドも同様であり、ほぼ全身がそうなった後の締めくくりというべきか、頭部はさらに凄まじく変形する。

フェイスカバーをした一角獣の様相から、それらが展開され本来の顔が現れると共にブレードアンテナが二つに割れ、正しく『ガンダム』の顔となった。

 

これが『NT-Dシステム』を発動させた、バンシィの本来あるべき姿。

 

 

『デストロイモード』

 

 

この姿へと『変身』を果たしたバンシィの出力はもはや測定不能。さらに、この機体は通常サイコフレームの色は金色だが、人々の想いが蓄積される事でフレームが緑色に変化する『覚醒』にまで到達している。

ハシュマルはとんでもない機体とパイロットを相手にする事になったのだ。

 

 

 

 

 

「黒いMSの姿が……」

 

「全くと言って良いほど別物になりましたわ……!」

 

「あれがバンシィ本来の姿だそうだ。私が見た時は武装がかなり違ったが」

 

 

巌勝の見た形態がペルフェクティビリティであり、その形態のバンシィは最早アムロクラスの実力でなければ撃墜不可能なレベルの鬼畜性能。模擬戦で戦ったグラハムも何とか戦闘不能にするのが精一杯で撃墜まではいかなかった。

 

 

「何はともあれ、ここからがあちらのグレンラガン同様……バンシィの本領発揮だ。パイロットを目指すならよく見ておくがいい。神衛隊の教導部隊とされる第四分隊に属する彼女とその愛機の、真の実力を」

 

 

かつて彼らの隊長から指導を受けた巌勝の言葉に、リアスは息を呑んで注目する。

 

 

 

 

 デストロイモードとなったバンシィの機動力は桁外れだった。本来は積載重量の関係から宙間戦闘を前提としたフルアーマーだが、デストロイモード時の出力と大型ブースターのお陰でハシュマルに追随している。

バンシィは両腕のシールドに装備されたダブルビームガトリングガンをハシュマルの制御ユニット目掛けて連射する。元々ナノラミネートアーマーによるビーム耐性があるハシュマルだが、制御ユニットに何かあればいけないと自律回路が判断を下したのか回避を優先した。

 

……しかし、そうさせる事がマリーダの狙い。

 

 

「こうも狙い通りの方向へ回避行動を行ってくれるとな!グラハム副隊長!」

 

「さすが先程とは動きのキレが違うな!いい位置だ!」

 

『――!?』

 

 

グラハムのエクシアGFがハシュマルの両翼にGNソードとGNタチによる斬撃を放ち損傷させる。片方は浅いものの、逆にそれがバランスを崩させる切っ掛けとなり、そこからバンシィの猛攻が始まった。

 

 

「この機を逃しはしない!」

 

 

ビームガトリングガンを連射しながらハシュマルの背後上空へと回り込み、背部にマウントされたハイパー・バズーカを二丁構え、同じく背部にマウントされているグレネードランチャーと同時に連射。

それらは全弾外れることなくハシュマルの上部に直撃し、連続で爆発を起こす。しかし、それで終わりではない。

バンシィは撃ち終わった武装をパージして身軽になりつつ、脚部に装備されたハンド・グレネードでさらにハシュマルに爆撃しつつ、再びハシュマルの前方に回ると大型ブースターを切り離してぶつけ、それが直撃するタイミングでバルカンをよる射撃をブースターに撃ち込む。

当然ブースターはハシュマルに激突すると同時に撃ち込まれたバルカンによって大爆発を引き起こす。

 

まさに出し惜しみなし、フルバースト。

 

そこにトドメと言わんばかりにエクシアGFが突撃し、爆炎の中から現れたボロボロのハシュマルの制御ユニットにGNタチを突き刺した。

 

 

「よし、これで……ッ!?」

 

 

停止するかと思われたハシュマルが、停止せずに最後の足掻きと言わんばかりに大出力ビーム砲をバンシィへ向けて発射した。

だが、バンシィは避けることなくパージした両腕と背部のシールドをサイコミュによってファンネルのように操り、三つを花のように結集・回転させて完全に防ぎ切る。Iフィールドを発生させる事の出来るユニコーン系統のシールドだからこそ出来た芸当だ。

 

 

「あああああっ!!」

 

 

結集させたシールドを再び分離させつつ、分離した瞬間バンシィがハシュマルに殴りかかる。前腕部のビーム・トンファーを使用せずハシュマル相手に激しい肉弾戦を展開するバンシィ。

既に制御ユニットを損壊させられ、最後のビームさえ防がれたハシュマルは残っていたテイルブレードを振るおうとするもエクシアGFにそれすらも斬り落とされた。

 

そして、バンシィの両手刀がハシュマルに叩き込まれ、そのまま両腕をスライドさせるように動かすと、ハシュマルの機体が深々と抉れる。

それが決定打となり、機体の彼方此方から火花が飛び始め、バンシィとエクシアGFが同じタイミングでハシュマルを蹴り飛ばすと、遂にハシュマルは天空で爆散した。

 

 

「ターゲット、撃破を確認……!」

 

「ああ、我々の勝利だ!」

 

 

 

 

 ハシュマルの撃墜。

それを見ていたサーガや神衛隊、九極天ら以外の者達はエクシアGFは勿論バンシィの一連の戦闘を見て開いた口が塞がらない状態だった。

 

 

「どうなってんだ……あの盾は神器か何かか?にしちゃデカ過ぎるが……」

 

「何でもかんでも神器扱いするのはやめろ」

 

 

神器マニアなアザゼルは不可思議な動きをしたシールドを神器かと推測するも、サーガの苛立ちの混じった声でビクッとする。

 

 

「あれは彼女が培ってきたものだ。この世界のシステムの一部などと一括にする事は彼女のこれまでを否定するのと同義。今後は気をつけてもらおう」

 

「す……すいません……」

 

 

先程庇われた負い目もあってかすぐに大人しくなるアザゼル。他の者も同様である。

 

 

「どうやらあちらだけでなく、他の所も決着がつきそうですよ」

 

 

鬼灯の言葉と視線の先では、グレンラガンがゴブニュを相手に一方的な戦いを繰り広げていた。

 

 

 

 

 グレンラガンが捕獲されたと思ったのも束の間、グレンラガンは驚きの方法でそれを脱する。

 

 

「こんなんで俺達を捕まえたつもりかよ!」

 

「アニキの言う通り、手足頭が封じられようが!」

 

「「俺達にはドリルがあるッ!!」」

 

 

二人の咆哮と共にグレンラガンが緑色に輝き出し、全身から小さなドリルが出現する。

 

 

「フルドリライズ!!」

 

 

シモンの声を皮切りに全身のドリルが全方位に急速に伸びる。無論拘束していたゴブニュもそれを受ける事になり……

 

 

『!?!?!?』

 

 

ゴブニュの全身彼方此方をドリルが貫通した。当然、貫通した場所から爆発が起き、グレンラガンはゴブニュの拘束から容易に脱出してしまう。

とはいえ、ゴブニュはまだ倒れない。

 

 

「へっ、なかなか根性あるじゃねえか。敵じゃなきゃ勧誘してるトコだったぜ……しかぁし!敵だろうが何だろうがそのガチンコな戦いぶりには敬意を払うのがこの俺、カミナ様よ!シモン!全力全開でアイツをぶちのめす!」

 

「俺も同じ気持ちだぜ、アニキ!グレンラガン相手にここまで粘ったアイツには、俺達の魂の必殺技でトドメをさしてやるのが礼儀ってモンだ!」

 

 

カミナとシモンが言うグレンラガンの魂の必殺技。それはかつてカミナが瀕死の重傷を負いながらも最後に編み出し、シモンへと受け継がれた必殺技。この技があったからシモンは天元突破を果たしたといっても過言ではない。

 

 

「必殺ッ!」

 

 

グレンラガンはゴブニュから距離を取ると、グレンのグラサン部分を外し、ブーメランのように思い切り投げつける。それは途中で上下で二つに分離し、ゴブニュを空へと弾きながら切り刻みつつ、先程とは逆にゴブニュの腕と脚を突き刺し拘束する。

 

 

「ギガァ!」

 

 

そしてフルドリライズで全身に出現させたドリルを、天に掲げた右腕に集束させる事でグレンラガンの何倍にもなる超巨大ドリルへと変換する。

 

 

「ドリルゥゥ!!」

 

 

それをゴブニュに向けて構え、左手を添えつつ回転させ……

 

 

 

「「ブレイクゥゥゥ!!!」」

 

 

 

グレンラガン自体を螺旋力によるブースター代わりにして空で拘束されているゴブニュへと突撃する。無防備なゴブニュは上記を逸した超巨大ドリルに身体の殆どを粉砕され、グレンラガンが再び地上へ着地しドリルを解除した瞬間、大爆発を起こす。

 

ハシュマルに続き、ゴブニュ(キメラ)もまた倒されたのだった。

 

 

 

 

 サーガの言う『可能性は無限大』を目の当たりにした三大勢力はバンシィとエクシアGF、そして鬼討伐の件も相まって少しずつ見方を変える者達も出てきたのだが……

 

 

「あいつらの方がよっぽど化け物じゃないか」

 

 

……言ってはいけないことを言った奴がいた。しかもそれに同調する者まで出始める。

これがギャグっぽいツッコミならばサーガも天然で返せただろうが、本気で言っている声色に遂にサーガは本気でブチ切れた。

 

 

 

 

 

「今、化け物と言った奴……出て来い」

 

 

 

 

 

これには鬼灯と卯ノ花も拙いと顔を青ざめた。鬼灯が青ざめるのはそれこそレジェンドが本気でブチ切れるくらいしかないのだが、それに匹敵するヤバさだというのが簡単に予想出来る。

 

 

「出て来い」

 

 

短く言うサーガの怒気が臨界点を有に超えている事を誰もが感じ取っており、一人として動ける者がいない。

するとサーガの方が動き……

 

 

「元凶はお前か」

 

「ひっ!?」

 

 

一瞬で化け物発言をした悪魔の前に移動して胸倉を掴み持ち上げた。その表情は静かながらも青筋を幾つも浮かべ、普段の彼からは想像も出来ない程の怒りを湛えているのが分かる。

 

 

「それからお前とお前がこいつに同調した」

 

「「っ!?」」

 

 

それぞれ天使と堕天使が一名ずつサーガに睨みつけられながら指摘された。悪魔の胸倉を掴んでいる手には今なお力が込められ続けている。

 

 

「サーガ様!部下の非礼はお詫び「黙れ」っ!!」

 

 

サーゼクスが宥めようとするも今のサーガには逆効果であり、火に油を注ぐ結果になってしまう。当然だろう、言った当の本人は怯えて涙を浮かべるばかりで謝罪らしい謝罪もない。

 

 

「貴様の謝罪に何の価値がある?言った直後に窘める事をせず今になって詫びようとする貴様の謝罪に。命がけで俺達を守ってくれたマリーダや目の前の脅威に敢然と立ち向かい勝利を届けてくれたカミナ達、そして貴様らが尻込みしている中で例え攻撃が通じずとも役に立とうと、鬼と戦う巌勝らの援護に向かったリアス達を侮辱する発言……万死に値する!!」

 

 

レジェンド同様、サーガは神衛隊らを始め家族に惜しみない愛情を注ぐことで有名である。それこそ二人は眷属などだけでなく、惑星レジェンドに生きる全てがその対象だ。

中でも各々自身に関わりのある神衛隊の者を侮辱されるのは最も逆鱗に触れる行為と言える。

 

本気で死を覚悟した三名だったが、それを鎮めたのはカミナだった。

 

 

 

 

 

『おうおうおう!どうした大将!?えらくご機嫌斜めじゃねえか!』

 

「こいつがお前達を侮辱する発言をした。俺はそれが許せない」

 

『嬉しいねえ!俺達を思ってキレてくれたのか!けどよ、ほっとけほっとけそんな三下以下の弱虫の寝言なんざ!』

 

「「「「「!?」」」」」

 

『俺達のために怒ってくれたのはマジで嬉しいぜ!だがそれで大将がくだらねえ奴の血でその手を汚す必要はねえ!なんせそんなこと言う奴に生身でも負ける気はしねえからな!一生吠えてろ真・負け犬野郎!で終いだ!』

 

 

 

 

 

大声で自信満々に言うカミナは堂々とグレンラガンで腕組み仁王立ちしつつ、続けてサーガを宥める。

 

 

『だからよ、大将。まだ戦ってる奴らの応援をしてやってくれや。バカ数名にキレるより、そっちの方が俺らはやる気が出るしあんたも気が楽になると思うぜ。それからまた言ってやれよ。お前らはこんな事が出来るのか!?ってな!』

 

「………………そうだな。言われた中の一人であるお前が言うんだ。俺はお前の……いや、お前達の意思を尊重したい」

 

『それでこそ、俺が大将と認めた肉弾戦ガチファイターの光神ウルトラマンサーガだ!見ろよ、オルガ達があのデカブツに引導を渡す気だぜ!』

 

 

グレンラガンの視線の先には、機械島へ突撃せんとするクロガネと、それを援護すべくスターファルコンやそれに乗ったバルバトス、ブラックゲッター、そして地上の鉄華団がいた。

 

 

 

 

 鬼、ハシュマルに続きゴブニュ(キメラ)も撃破され残る神衛隊が担当する敵は機械島のみとなった。

それを撃沈すべく鉄華団の新たなる艦クロガネがバルバトスとスターファルコン、ブラックゲッターを随伴させ地上のグシオンやフラウロスらの援護を受けつつ爆進する。

 

 

「やっぱりやってくれたか、ならシメは俺達でやるぞ!このクロガネの初陣に相応しい獲物だ!」

 

「「「「「応っ!!」」」」」

 

「これより艦前方へ一斉射撃!その後、艦首超大型回転衝角を使用する!」

 

「了解!各機へ通達!本艦はこれより、艦首超大型回転衝角を使用する!本艦の軸線上から退避すると同時に援護されたし!艦内の全乗組員は衝撃に備えられたし!」

 

 

オルガの指示を受け、団員の一人が機動部隊に通達する。

それを受けたスターファルコンに乗っているコジローは三日月と竜馬に通信を送る。

 

 

 

 

 

「三日月!スターファルコンの背部にデカいランチャーがあるだろ?そいつを使え!元々バルバトス用に積んできたヤツだ」

 

「これのこと?確かにデカいね、これ」

 

「大出力雷撃砲サンダーボルト・ランチャー。内部電源だと精々一戦2発が関の山だが、今はケーブルでスターファルコンに連結させてる。相手が機械なら実弾より効果的な筈だ」

 

 

バンシィが出れない場合でもとコジローが積んできた新装備が思いもよらぬ形で役に立つ時がきた。

 

 

「竜馬、お前の機体用の新装備がサンダーボルト・ランチャーの反対側に接続されてる。そいつを使え!」

 

「こいつか、おやっさん!」

 

「ああ、ゲッターレーザーキャノンと言ってな、そのエネルギーパイプをブラックゲッターの背部と接続させるんだ。ゲッター炉心からエネルギーを直接供給する事でゲッタービームに匹敵するレーザーを発射出来る!長射程武器はお前も欲しがってただろうからな」

 

「ありがてえ!狙撃じゃなくて俺に合わせて高出力にするあたりがさすがおやっさんだ!」

 

「ふっ……褒めても後日マグロぐらいしか出ねぇぞ」

 

「「マグロ!!」」

 

 

三日月と竜馬が俄然やる気を出した。何としてもこの一戦、勝利しなければ。

そんな事を考えていると、地上の昭弘やシノの方も準備が整ったようだ。

 

 

『狙撃用のロングレンジキャノン、準備OKだ!』

 

『こっちも全砲塔、問題ナシ!いつでもいけるぜ!』

 

「ようし……仕上げだ!行くぞ!」

 

「わかった……!」

 

「おう!たっぷりくらいやがれデカブツ野郎!!」

 

 

地上からの援護射撃に加え、三日月と竜馬もそれぞれの新装備を構え、クロガネを援護すべく砲撃を開始。

彼らの助けを得て、クロガネは進む。

 

 

 

 

 

「艦首超大型回転衝角、始動!」

 

「了解!超大型回転衝角、始動!」

 

 

機動部隊による援護射撃を受けながら、遂にクロガネ最大の武装がオルガの指示によって始動する。

始動しただけではあるが、500メートル超級の戦艦のドリルは正に圧巻の一言。

 

 

「全砲門、発射準備よし!」

 

「砲撃開始!」

 

「了解!全砲門、砲撃開始!」

 

 

主砲である連装衝撃砲を始め、副砲、対空機関砲、さらにホーミングミサイルや魚雷などが機械島に向けて一斉発射される。

機械島も電撃で応戦するが、束設計・スワン&コジロー開発によるクロガネの装備を迎撃しきれる訳がない。

 

 

「全速前進!

 

 クロガネ、突撃ぃぃぃ!!

 

 

砲撃を続けたまま、クロガネが機械島へと加速する。

その巨体故に殆ど動けない機械島は見事に的となり、電撃はエネルギーフィールドで防がれ頼みの綱のゴブニュはオグマを除いて壊滅、そのオグマもゼットと戦闘中であり、ハシュマルは撃墜されプルーマも全滅。

最早打つ手は残されていなかった。

 

ドガァァン!!と轟音を立てて500メートル超級のクロガネが直径3キロの機械島に激突し、そのドリルで内部を掘り進むが如く粉砕しながら突き進んで行く。

 

そしてクロガネが激突した場所と反対の方向から機械島を突き抜けて来ると、機械島はその彼方此方を爆発させつつやがて大爆発を起こし跡形もなく吹き飛んだ。

 

 

「俺の尊敬する第四分隊の艦長の戦法が参考になったな……あの人の名前が戦法名に入ってるらしいし、言うなればこれは『鉄華戦法』ってトコか」

 

 

他の団員同様に厳しくも温かく指導してくれた第四分隊の艦長を思い出し、オルガは先の戦法に自分達の団の名を入れる。

いつかまた共に戦うだろう第四分隊との共闘を思い浮かべつつ、オルガは全機に自ら通達する。

 

 

「目標、撃沈完了だ!!」

 

 

 クロガネの勝利。初陣でそれを飾った戦いは、同時に神衛隊が相手取った全ての敵から勝利を手にした事を示していた。勿論、誰一人欠員は出ていない。

 

 

 

 残るはウルトラマン達とゴジラの戦いのみ。

 そして、来たる英雄が彼らに新たな力を齎す。

 

 

 

〈続く〉




遂に次回からはお待ちかねのウルトラマンとゴジラによるビオランテらとの最終決戦。
出来れば一人につき一話(と言ってもジードとゴジラは相手の関係上同枠)焦点を当てたいけどどうするか……

チラッと出た第四分隊の艦長、誰なんだ……

それではまた次回。

二択決定戦! シン一人乗りする最終ゲッターはどちらだ!?

  • 真ゲッタードラゴン(大決戦版)
  • 真・ゲッター1(スパロボα仕様)
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