ウルトラマンレジェンド Episode.CROSSOVER   作:ハジケハムスター・ポッポ

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お待たせしました。フーマの主役回です。
サブタイトルは某厨二病な軍神の二つ名(自称)から。
前回よりは短いですがそれでも長め。


それでは本編をどうぞ


踊り狂う暴風

 ベータスマッシュへのウルトラフュージョンを遂げたゼットの新技ゼスティウムバスターによってゴブニュが撃破された。

これは大きな士気の上昇を齎す。

周囲の想像を超える逆転劇はウルトラ戦士の可能性を示すには十二分とも言える結果を叩き出したからである。

 

とはいえ、両手を上げて喜びを露わにしているのは光神陣営やオカ研、サーゼクスらトップ陣や生徒会などであり、やはりというか三大勢力の護衛ら(ぶっちゃけ雑兵かそれ以下)には恐怖の方が大きいようだ。

 

 

(やれやれ……ゼットさんはその性格上、非道を行うような連中にしか怒りは沸かないようですし、貴方達がやらかしたりしなければ別に問題ないんですがね。少なからずこれから先、問題を起こす自覚があるという点ではそれが無い者よりマシ、というくらいでしょう)

 

 

鬼灯は『今後の要注意リスト』にその護衛達を登録しておく。ついで[実力・下の下]と備考を添えて。

同時に、ある事情があってレジェンド相手の通信を指名してきた『総帥』に早速一仕事頼む事を検討する事にした。

……ちなみにコレ、本人が名乗ったHNらしい。あちらの世界での最後の仕事として配下や後進のために自らの技術を分かりやすく『超tube』で配信しているとの事。

特訓等は厳しいがどれも配下の為を思ってだと分かり、かつ当人がカリスマに溢れているので、正式に全権を配下に譲り自身は一線を退くと公言した時は驚かれたり涙ながらに今までの礼を述べられたりしたようだ。

 

――正直、向こうの大魔王サタンは彼を見習うべきだと思う――

 

あちらの閻魔が「もうコイツ本気でシバき倒してくれ」と頭を下げてまで日本地獄に送ってきた、あちら側のサタンを思い浮かべながら鬼灯は溜息をついた。

 

 

(どこでも『サタン』って名前の方は面倒起こすんですねぇ。この世界の然り、あちらの世界然り、地獄然り、あの方の出張していたスダ・ドアカ然り……最後のはある意味被害者ですが。というかあの方の分体の片割れでしたっけ)

 

 

レジェンドがサーガ同様可愛がり、何度言っても「父上」呼びを直さなくて結局レジェンドの方が折れてしまったサーガと同等クラスの光神を思い浮かべつつ、残るベリアル、ジード、フーマ、そしてゴジラの方を見る。

 

 長き死闘も決着の刻がいよいよ迫ってきた。

 

 

 

 

 激戦を制したゼットだったが、初めて完全発動した逆境のウルトラパワーを始め大技の連続は身体に来たらしく、片膝を着いてしまう。

カラータイマーが点滅を始め、周囲から小さく悲鳴が上がるがあくまで戦闘継続が難しいだけであり、あとは自分が出る幕は無い。

自分を押してくれた者達のように、自分が彼らを後押しする番だ。

 

 

『よくやった、ゼット。残りの奴らはあいつらの仕事だ。お前は休みながらあいつらの戦いを見、そして学べ』

 

「はい、超師匠……!ベリアル総司令!ジード先輩!フーマ先輩!そしてゴジラ!そいつらとの決着、頼みました!!」

 

 

自分が戦えずとも出来る事はある。ゼットはあるシルエットの人物に言われた、相手を尊重し本当に必要な時に支え合う『真・友情パワー』を思い出し、エールを送るのみに留める。

今の彼らに自分の援護は必要ない。彼らならば各々の戦いに勝利出来ると信じて、ゼットはレジェンドと共にそれを見守る事にした。

 

 

(ウルトラファイトです、皆さん!)

 

 

 

 

「フン……何だあの半端者は。たった一体倒しただけでもうへばっているとは」

 

 

 フーマと戦っているスラン星人は見事な戦いをしたゼットを鼻で笑い蔑んだ。それを聞いたフーマ……いや、彼だけでなく一誠やトライスクワッド、さらにドライグも怒りを覚える。

 

 

「おい、今なんつった……!」

 

「半端者を半端者と言って何が悪い?あれしきの相手に苦戦し、やっと倒せたと思えば限界らしい。あれでジードと同じ遊撃隊とはな」

 

 

この言葉に対し、たとえ聞こえずとも一誠達はフーマの中から文句を言わずにはいられなかった。

 

 

『んだとヒョロヒョロ野郎!お前なんてカサカサ動き回ってるだけで、しかも最初は不意打ちだったじゃねーか!』

 

『私も滾るほどの立派なファイトを見せてくれたゼットをここまで侮辱するなど、先輩として私のウルトラマッスルが許せんと言っている!』

 

『確かにまだウルトラフュージョンの力を借りているけど、あいつはしっかり一人で戦い抜いたんだ!』

 

『今戦っているフーマとお前同様に、同じ土俵で正面からぶつかって勝利をもぎ取ったんだがな。というかお前があのゴブニュとか言う奴相手に勝てるとは思えんぞ』

 

 

一誠、タイタス、タイガが立て続けに抗議し、ドライグの言葉に3人とフーマはうんうんと頷く。一誠達の声はスラン星人に聞こえていないため、フーマの一人頷きは少々絵柄的に珍妙だが、この際それは置いておこう。

 

 

「そもそもお前じゃ今のゼットには勝てねぇよ。もちろん俺にもな。ジード先輩やベリアル総司令なんて以ての外ってやつだ。特にベリアル総司令には簡単に一撃もらってぶっ飛ばされてたし」

 

「黙れ!いい加減その減らず口にも飽きてきたところだ……さっさとケリをつけてやろう!」

 

「そのセリフ、まんま返してやるよ!来いやオラァ!」

 

 

言葉遣いがいつもよりさらに乱暴になっている感じのフーマだが、それだけ後輩をバカにされて頭にきているというわけだ。

ゼットは限界に近く、戦闘続行こそ厳しいが自分達を信じて見守ってくれている。

 

 

(あいつは旦那はもちろん殆ど年齢が変わらない俺や、年下のタイガにも先輩って言ってくれるし、ちっとばかし失言はあるが空気も読める。根性は間違いなく一人前のあいつなら援護くらいやれるだろうに今もこうして俺らに任せてくれてる。ならそれに応えてやるのが先輩ってモンだろ!)

 

 

後輩(ゼット)の信頼に応えるべく、フーマは目の前のスラン星人を見据え、ある戦法を取る。

 

 

(コイツ、さっき戦い始めて気付いたけど……確かに速い。速いんだが……)

 

「この速度の戦い中に考え事とは余裕だな若造!」

 

「ああ、余裕だよタコ」

 

「何!?」

 

 

フーマの馬鹿にした言い方で頭に血が上ったスラン星人だが、直後に軽く体が浮いたかと思えば目の前に地面が映った。

 

 

「ガハッ!!」

 

「テメーの動きは直線的過ぎるんだよ。俺がお前の動きと同じ速さでしゃがんで足払いしただけでこのザマだ。体重の軽い俺だからともかく、パワー型の旦那や今のゼットにやられりゃ速度との兼ね合いで骨がポッキリいってたかもな」

 

 

そう、やった事は簡単。フーマがその場で屈み、スラン星人を軽く足払いしたのである。それだけ。

 

 

「ぐっ……だが、一度やったくらいで……!?」

 

 

スラン星人はフーマに振り返りながら起き上がろうとするが、目の前にはフーマが自身に跨るように背を向けて立っていた。

これ幸いにと先刻同様に不意打ちしようとするスラン星人だったがある事に気が付く。

 

フーマが、スラン星人の足を自分の足を絡ませながら掴んでいることに。

 

 

「貴様、何を……!」

 

「見様見真似でマトモに極まらねーだろうけどよ、俺に効きそうな技ならテメエにも効くってことだよなあ!!」

 

 

フーマが狙っていた技、それはゼットがゴブニュに極めた技。

 

 

 

 

 

「くらいやがれ!スピニング・トゥ・ホールドもどきぃ!!」

 

 

ガッシイィィィィッ!!!

 

 

 

 

 

「ぎゃあああああぁぁぁ!!」

 

 

高速移動を得意とするスラン星人にとって足へと関節技(サブミッション)は正に致命傷を受けるに等しい技だ。

バランスは取れなくなるし、持ち前の長所が潰されるという事態に陥り、一瞬で窮地に立たされる。

この叫び声がそれを物語っていると分かるだろう。

 

 

「確かこう!そんでもってこうだ!」

 

「があぁぁぁ!!やめっ……ぐぎゃあぁぁ!!」

 

『……ゼットと違って適当にやってるからか雑に見えて逆にさらに痛そうだな……』

 

『違うぞフーマ!あの技は回転をかけるんだ!』

 

『え!?タイタス、ゼットさんのあの技の原理分かったのか!?』

 

筋肉(マッスル)で理解した!』

 

『『何だそれ!?』』

 

『まあ、効いてるんだから別にいいけどな』

 

 

一誠とタイガはタイタスの理解方法に疑問が浮かんだが、ドライグはもはや諦める事にした。

そんな彼も一応基本はテコの原理っぽい事だけは理解出来たので、パワー型でなくともやり方さえ分かればスピード型であっても使える技だと認識する。

 

 

(スピードタイプのフーマでさえこの威力……これをゼットに伝授したレジェンドが本気で使えばどうなるか、考えたくもないな)

 

 

生涯足が使い物にならなくなる可能性が濃厚。そこまで考えてドライグは止めた。

 

――オーフィスが真似しませんように――

 

本気で切実な願いである。しかし無意味だ。そして手遅れだ。先日早速犠牲者が出ている。

それはともかく、しっかり修得したゼットであってもゴブニュに外された以上、付け焼き刃の技術しかないフーマも外される事は予想に難くない。

 

 

「ぐぬぅ!!」

 

「うおっ!?やっぱり外されたか……でも結構キテるみたいだな、ダメージ」

 

「お……おのれ……!」

 

 

フーマが滅茶苦茶にかけたせいか、外せはしたものの立つことさえままならないスラン星人。

かけられた方の足は膝をついたままでプルプルと震えながら構えている。

 

 

「へっ、偉そうな事言ってた割に情けねえ姿だな!けど俺は容赦しないぜ!」

 

 

フーマはそう言うと空中に飛び上がり、今度はそこで身体を静止させつつ高速移動しながら攻撃を仕掛けた。

 

 

「行くぜ!光波手裏剣!」

 

 

いよいよフーマも自身の必殺技を使い始める。その中でも得意技がこの光波手裏剣だ。

エネルギーで構築されているとはいえ形状や撃ち方は正しく忍者の手裏剣そのもの。

空中を縦横無尽に高速移動しつつ的確にスラン星人を放って放たれるそれは少しずつダメージを蓄積させていく。

 

 

「ぐっ……おおお!?」

 

「ホラホラどうした!?散々若造若造言ってたくせにその若造より戦闘技術も戦術の幅も無いんじゃねえか!?」

 

「調子に……乗るなあっ!」

 

 

スラン星人は苦し紛れに光弾を放つもそれはフーマの身体をすり抜ける。

 

 

「!?」

 

「言ったばっかだろ、技術がねえって。実体のない高速移動による残像の『分身』に実体がある『影分身』を紛れ込ませてんだよ。今お前が攻撃したのは分身の方だ。影分身に当たればその影分身ぐらいは消えたかもな」

 

「そんな、馬鹿な……」

 

 

速度も技術も、フーマがスラン星人を完全に上回っている。足もまともに動かせず、万に一つの勝機も消えた。

 

 

「これでお前の勝ちは無くなったって分かんだろ。おとなしく母星に帰るなら後ろから撃つようなマネはしねぇよ」

 

「情けをかけるつもりか……!そんな事をされるくらいならば討ち死にの方がマシだ!」

 

「いや討ち死にって……はぁ……今時そんなバカなプライドなんざ流行らねーっつーの」

 

 

スラン星人の言い草に溜息を吐いて肩をすくめるフーマ。もうほっといて良いんじゃねーかと思い始めたところでスラン星人は新たな行動を起こす。

 

 

「……そうか、何も貴様を直接狙わずとも当てる方法はあったな」

 

「あん?」

 

「貴様の性格は大方理解出来た……一見不良じみているがその実、情に厚いタイプだ。そしてそういうタイプは……」

 

 

スラン星人が再び光弾を発射しようとする。しかし、そのまま狙おうとフーマには当たらないし、何かに反射させたりするわけでもなさそうだ。そもそも、フーマを狙っているにしては微妙に照準がズレている。

 

 

(あいつの光弾の威力じゃ硝子とかに反射させたりは無理だろうし、それ以前に普通の硝子に反射させられるような威力じゃ当たってもダメージなんてたかが知れてる。じゃあ何が……)

 

 

フーマは少し考えてある事に気付く。

 

 

(もしかして、俺が今立っている位置は……ッ!?)

 

 

後ろを向くと、少し離れた場所……フーマからほんの少しだけズレた、スラン星人の光弾の軸線上にリアス達の姿が。

 

 

「そういう事かよクソ野郎!!」

 

「やっと察しがついたか。だから貴様は若造なのだ!」

 

 

容赦なくスラン星人の光弾がリアス達へと連射された。

フーマは高速移動しながら何発かは弾くものの、弾速がそこそこ早かったのもあり弾き切るのは不可能と悟り己の身体をリアス達の盾として立ち塞がった。

 

 

「グッ!ウアアアッ!!」

 

「フハハハ!私の足を封じたつもりが貴様は足手まといどものおかげで身動きさえまともに取れなくなったようだな!」

 

 

――昂揚しているスラン星人は気付かなかった。

 

先程自分が言った『情に厚い』というフーマにとって地雷を自ら踏んでしまった事に。

 

 

 

 

 

『フーマ(さん)(君)!!』

 

 

 身を呈してリアス達を庇いスラン星人の光弾を何発も受けて片膝を着いたフーマを心配するオカルト研究部ら。

卑劣な手段でフーマを討とうとするスラン星人に杏寿郎らも怒りを顕にする。

 

 

「先程ゼット殿に倒されたゴブニュとやらは、命令を受けた機械だったかもしれないが倒すべき相手のみをその目に映し全力でぶつかっていった!死力を尽くした姿は敵ながら天晴というべきものだった!あの者にはそういう気概さえ無いというのか!?」

 

「パムー!パムー!」

 

「マックスさんでしたっけ?その方へ復讐するためとはいえ姑息な手段が好きなんですね、あの人」

 

「戦略としては正しいが、人道的ではないな。地球人の人道を宇宙人全体に当てはめるのも違う気はするが」

 

 

ボロクソに言われているスラン星人だが仕方ない。

ゼットとゴブニュの真っ向勝負を見せられてからのこの戦法は悪印象しか残さないだろう。

ゴブニュは首部を曲げたりはしたがトリッキーな戦術、で済むレベルであり初見殺し程度だった。

対するスラン星人のそれは人質を取るに等しい行為であり、まんま悪の組織なんかが使う戦法である。

 

 

「なんか、フーマ変」

 

『……え?』

 

 

オーフィスがボソッと言った一言で全員がフーマを見ると、痛みを堪えているかと思われたフーマが身動き一つせず怒りのオーラを放っている。

 

 

 

 

 

『……本来ならばこの台詞、もう暫く後の気がするが……スラン星人、お前は選択を間違えた』

 

『ど……どうしたんだよドライグ?』

 

『……イッセー』

 

『……これは終わったな』

 

『へ……?タイガ、タイタスまで何なんだ?』

 

『『フーマがキレた』』

 

『え』

 

 

 その瞬間、スラン星人が錐揉み回転しながら吹っ飛んだ。

 

 

 

 

 

――何が起きた?何をされた?――

 

 

 吹っ飛ばされたスラン星人はあまりに急な出来事に理解が追いついていかなかった。

しかし思考を始めた次の瞬間、視界が暗転しさらなる激痛に見舞われる。

 

 

「ゴガァッ!?」

 

「取り消せよ、足手まといって言ったこと」

 

 

正体はフーマの膝。仰向けに吹っ飛んでいる最中のスラン星人に対し、ニーストンプをブチ込んだのである。

しかも、普段に比べやけに静かというか落ち着いている。

底知れぬプレッシャーにスラン星人は恐怖するも、それを悟られまいと虚勢を張った。

 

 

「な……何を言う……!ただ的になるだけの連中など足手まとい゛い゛い゛っ!?」

 

「取り消せっつったのに何繰り返してんだテメェ」

 

 

ギリギリとスラン星人の首を右手だけで締めるフーマは、普段からは考えられない程の力を発揮している。

さらに、いつの間にか左手にはタイガやタイタスも使えた『赤龍帝の籠手』が発現されていた。

 

 

『Boost!』

 

「もう一度言うぞ、取り消せよ」

 

 

バギッ!!

 

 

「ごげっ!!」

 

「卑怯な手しか使えないようなヤツの分際で」

 

『Boost!Boost!Boost!』

 

 

ゴッ!ベキッ!!ドゴッ!!!

 

 

「お……おぐっ……」

 

『Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!』

 

「鬼って奴らとの戦いで自分達に出来る事を精一杯やったアイツらを……テメェの物差しで足手まとい呼ばわりしてんじゃねえぞオラァァァ!!!」

 

 

バガァァァン!!!

 

 

フーマの強烈を超えて激烈な一撃でスラン星人は頭部を拉げさせ、さらに衝撃で地面を大きく陥没させた。

それを見て一誠はもちろん、一部を除いた他の者も唖然としている。

ハッキリ言ってパワー型でもそう出せるレベルの威力ではない。それをスピード型のフーマが簡単に叩き出したのは異常とも言える事態だ。

 

 

『……フーマには恩人にして恩師と呼べる人物がいたそうだ』

 

『え?』

 

『ウルトラマンとして覚醒出来たのもその人物のおかげだと言っていた。それまでフーマは両親を失い一人だったと聞いている』

 

『ああ……その人物は、とある事情から共に星間連盟の砲撃を受けた瀕死のフーマを救うために傷ついた身体でO−50の戦士の頂の頂上へと登り、フーマの才覚や人柄の良さをアピールしたみたいだけど、『オーブの光』はそれに応えなかったって』

 

『そして再度二人を狙った星間連盟の砲撃に飲み込まれたフーマとその人物のうち、フーマはウルトラマンとして覚醒したものの……その人物の姿はどこにも無かったそうだ』

 

『そ……それって……!』

 

『その人物は未だ見つかっていない。フーマは一人じゃなくなった後、また一人になった。私とタイガに出会うまでな。故にフーマは出来た友人に対して深い親愛の情を持つ。そして今の自分はその人物を失った時の、無力だった存在ではないのだと示し、何があろうと守ろうとする。その人物が、命を賭してフーマを守り抜いたように』

 

 

タイタスが語ったフーマの過去の一端は壮絶なものだった。タイガには家族がいるし、タイタスも仲間がいるが、フーマは殆ど孤独な人生を歩んでいたのである。

つまり、先のリアス達を狙った光弾が過去に自分達を狙って放たれた砲撃と重なって見え、フーマはスラン星人に対してブチ切れたのである。

 

 

「テメェみたいな奴を生かしておく気はねぇぞ。あん時、俺とゲルグを狙いやがった星間連盟の連中みたいな考えの腐れ外道なんざに慈悲なんざかけてやるか!!」

 

 

ゲルグ――それが彼にとってかけがえのなかった人物の名なのだろう。

ついでにその星間連盟、あろう事か他所の星の視察に来ていたレジェンドまで砲撃して爆殺しようとした事で『自分達の目的の為に周囲の被害も省みない外道共』とレジェンドの逆鱗に触れ、スパークレジェンドではなく物理的に粛清された。つまり拳一つで壊滅させられたのである。

……よくよく考えるとその星間連盟、やってた事が三大勢力や禍の団と似ている気がするが……。

 

 

 

 

 

ボロボロでまともに動くどころか顔面を徹底的に殴られて言葉さえろくに発せないスラン星人に対し、フーマはベリアルから届けられた新たなウルトラタイガアクセサリーを使用するべく一誠に告げた。

 

 

「イッセー!あの野郎は絶対に許さねえ!見逃してやったとしても同じ手でリアス達を狙うかもしれないからな!」

 

『部長達を!?そんな事させるわけにはいかねぇ!』

 

「へへっ!やっぱり俺達気が合うな!そこでベリアル総司令が届けてくれたアレを使う!」

 

『アレってさっきのか!どうすりゃいいんだ!?』

 

『ええっと確か……そうだ!イッセー、まず俺達に変身する時と同じようにタイガスパークを待機状態に!』

 

『こうか!』

 

 

『カモン!』

 

 

フーマの提案を聞き、タイガの説明通りタイガスパークを待機状態にするイッセー。

 

 

「あの野郎に本気で吠え面かかせてやる!イッセー!左手首を前に見せつけるようにしつつ……『マックス』って頭の中で念じるんだ!」

 

『『……え?』』

 

『わかった!マックスだな!』

 

 

一誠はともかくタイガとタイタスは目が点になった。

 

――ちょっと待った、ここはニュージェネレーションの先輩達のじゃないの!?――

 

――いやそれ以前にマックス先輩のあるの!?――

 

そんな事を思っている二人だったが、インナースペース内で一誠が気合いを入れポーズを取ると、左手首にかの文明監視員の一人にして最強最速の二つ名を持つウルトラ戦士、ウルトラマンマックスの頭部と胸部を組み合わせたような小さなブレスレットが装着された。

 

 

『『えええええ!?』』

 

『うおお!?何か出た!つーか二人とも何で驚いてんだ?』

 

『いやだって俺とタイタスが受け取ったのはニュージェネレーション所属の先輩達のだけだぞ!?』

 

『私だってあるならジョーニアスやエレク、ロトらU40のやつが欲しかったんだ!』

 

「あ、一足先にリアス達に届いた直後にくすねといた」

 

『『『『うおぉぉぉい!?』』』』

 

 

あまりの爆弾発言に一誠とドライグまでツッコミを入れた。リアスの方も急いでケースを開いてよく見ると、まだ完成していない物の部分は纏まって空いていたが完成していた物の中でマックスの部分のアクセサリーだけが無い。

恐るべき技術、いつの間にどうやって取り出したんだフーマ。

 

 

「ま、別に良いだろそんな事。さっさとあの野郎に終止符を打ってやろうぜ!」

 

『そ……そうだな!で、次は!?』

 

『えっ!?俺!?ちょ、ちょっと待ってくれ!えっと……』

 

 

どこからともなく『タイガスパーク取扱説明書』を取り出してページを捲るタイガ。

なかなかシュールな光景だが……それ、書いたのはタロウなのか、それともトレギアなのだろうか……。

 

 

『わかったぞ!ブレスレットが上になるように左腕を前に出して、それに右手で触れるんだ!』

 

『よし!左腕をこうして……ブレスレットに右手で触れる!』

 

 

 

 

 

『マックスレット!コネクトオン!』

 

インナースペース内の雰囲気が変化したのと同様に、現実世界でもある変化がフーマに起きる。

 

 

 

 

 

「あれは……!文明監視員の中で『最強最速』と呼び名も高いマックスさん!」

 

「最強最速!?何か凄い肩書出て来たわね!?」

 

 

ブチ切れフーマを見て、例え限界でも自分がリアス達を守らなくてはという決意を固め、何とか盾にはなろうと近くに来ていたゼット(とレジェンド)が、フーマに重なるように一瞬現れた幻影のウルトラマンの説明をする。

 

 

「いや、マックスさん自身は文明監視員の仕事に誇りと愛着があって移籍とか考えてないみたいですが、ゾフィー隊長とかは是非宇宙警備隊にと何度か勧誘してたぐらい凄いお人なんですよ!何でも空を埋め尽くすほどの影分身をしたり、一番有名な武勇伝と言えばやはり超巨大化!その大きさといったら最大でなんと900mというウルトラビッグサイズになった超弩級ウルトラマンなんでございます!!」

 

『900m!?』

 

 

ゼットも興奮気味に話すが、ほんの少しだけとはいえマックスの凄まじさを聞かされ驚愕するオカ研+α。特に超巨大化は余程でない限り大型戦艦をも凌駕するサイズだ。ちなみに最大パワーでなくても十分なパワーがあれば300mくらいに超巨大化出来る。これでも半端なくデカい。

 

 

「そんな方の力を借りたフーマ先輩の必殺技、やはりマックスさんの最強最速を体現したものに間違いないはず!」

 

 

自信満々なゼットの言葉に希望を抱きつつ、リアスらもフーマの勝利を祈りつつ見守る。

 

 

 

 

 

「き……さまっ……!マックスの……」

 

「お前のリクエストに応えて、マックスさんの力を借りた一発をお前に叩き込んでやるよ!覚悟しな!」

 

 

 フーマの右腕に八つ裂き光輪に似た光の輪が発生し、スパークしながら見る見る巨大になっていく。

ゼットやオカルト研究部らも「おおおお……!?」と少しずつ見上げるように首を曲げながら声に出して驚いていた。

ベースは極星光波手裏剣というフーマの十八番だが、マックスの力を借りた事で構えているだけで地面が大きく削れる程に巨大化し、さらに回転速度も早まっている。

 

 

「ひっ……!」

 

「往生しやがれ!

 

 

 

 

 

 極大光波手裏剣!!!

 

 

ズギャアァァァァァッ!!!

 

 

「ぎゃあああああ!!」

 

 

 

 

 

フーマがマックスの力を借りて放った、150mにも及ぶ『極大光波手裏剣』は地面さえ大きく削りながら身動きの取れなかったスラン星人を中央から真っ二つ、いや……両腕、そして両足の半分を残して完全にかつ瞬時に削りきってしまった。

この時点でスラン星人は絶命しており、身体の本体が無くなった事で両腕は地に落ち、半分程残っていた両足も自然と倒れ四肢も爆発。

 

フーマの完全勝利である。

 

 

「へっ!所詮外道戦法しか使えねえ奴なんざそんなモンって事だよ!」

 

『なあ……今のって切ったのか?抉ったのか?削ったのか?早くてえげつなくて分かんねえよ……』

 

『相棒、考えたら負けだ』

 

『他のやつってどんなの届いてるのかな』

 

『ベータスマッシュレットは無いのか?是非とも『タイタスバスター』がやりたいのだが』

 

 

思い思いの発言をする一誠&トライスクワッド&ドライグ。タイタスのそれはプラニウムバスターだと技名が被るから仕方ない。というかタイタスなら特訓次第で普通に出来るようになりそうだが。

漸くフーマの怒りも収まり、色々衝撃的なものを見せられて暫く言葉を失っていたリアスらもフーマが勝利した事を理解して喜びの声を上げた。

 

 残るは最大最強の敵、ビオランテのみ。

 

それと戦うジード、ベリアル、そしてゴジラの勝利を信じフーマもゼット同様にリアスらの護衛へ回る。

 

 

 長き夜の死闘に、遂に終止符が打たれようとしていた。

 

 

 

〈続く〉




タイガやタイタスと違って正しい神器の使い方(直殴り)をしたフーマ。
二人はまだ必殺技でしか使ってないし。

次回でいよいよ激戦決着。二人と一匹VS一匹なので長くなるか、逆に短くなるか……。


それではまた次回。

二択決定戦! シン一人乗りする最終ゲッターはどちらだ!?

  • 真ゲッタードラゴン(大決戦版)
  • 真・ゲッター1(スパロボα仕様)
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