ウルトラマンレジェンド Episode.CROSSOVER 作:ハジケハムスター・ポッポ
サブタイトルから予想出来ると思いますが二人と一匹がメインです。
ちょっと強引なところがあると思いますが、そこはまあスルーお願いします。
タッグマッチ導入までがかなり長くなりそうだったので……。
それでは本編をどうぞ。
いよいよ日本地獄タッグマッチ当日――
別の意味でオカルト研究部は絶句していた。
「今日からこのオカルト研究部の顧問になったアザゼル先生だ。よろしくな、お前ら」
リアスを筆頭に部員が総じてガックリ膝を落とした。
特に一誠やタイガが目に見えて絶望し、カナエは目のハイライトが消えて日の呼吸まで発動している。
「なんで……?矢的先生は……?」
「また80先生に色々教えてもらえると思ったのに……」
「ふふ……うふふふふふ……」
「一誠にタイガはそこまで落ち込まないで!カナエは日輪刀を抜くのやめなさい!?気持ちは分かるけど!すっごく分かるけどっ!!」
「分かんのかよ!!俺どんだけ嫌われてんだ!?」
「好き嫌い云々の前に信頼の問題ですわ。明確に嫌ってるのはカナエくらいですし」
朱乃の言葉によるダイレクトアタック。
セクハラ未遂受けりゃ当然である。
そもそも正統派熱血教師な矢的こと80とアザゼルではオカ研からの信頼度が天と地程の差。
幾度となくピンチに駆けつけてくれた矢的に対して、レイナーレやコカビエルの件でも自ら動かなかったアザゼル……こう書くと明確に分かるというものだ。
「話は戻すけど、部長として断・固!!拒否するわ!そもそもイッセーの言う通り矢的先生はどうしたの!?私の知る限り職務を理由無く放棄する人じゃないわ。無理矢理彼を外して顧問になったのならこっちにも考えがあるわよ……!」
「待て待てマジで待て!?ホントに聞いてたより強くなってんな!?てかそこの娘は本気で止めてくれ今度こそ俺の頸落ちるから!!」
「あ、父さんいきなりごめん。なんか堕天使の親玉がオカルト研究部の侵略に乗り出したみたいで……手が空いてるならシックルさんに伝えて」
『おやおや……随分と大それたことを。分かりました。動ける七星剣も連れて行きましょう』
「いやそんな事微塵も考えてないから!?お願いしますから話聞いて下さい!!」
さすがに七星剣+シックルはヤバすぎた。
にっこり笑ってウルフォンをスピーカーモードにする裕斗は順調にジェントの影響を受けているようだ。
下手な事は言わせまいと徹底して対策。
そこまでするかよ……と思いつつも漸くまともに話せる状態になったアザゼルは安堵する。
「やれやれ……最初からこんなんじゃこれから先不安しかねえよ。まずだな、お前達が最も疑問に思ってる矢的だが別に顧問を変わったわけじゃねえ。分かりやすく言うならダブル顧問ってやつだ」
『は?』
「あいつは教師以前にウルトラ兄弟の一人で、光の国からも信頼の厚いウルトラマンだろ?おまけにここの校長からその優秀さ故に日帰りの場合もあるが出張も多い。で、あんまり顧問不在が多くても困りものだってことでタイミングよくサーゼクスの奴からお前らの面倒を見てやってくれと頼まれた俺がお前らの強化がてら就任したわけだ」
アザゼルの理由は確かに的を得ている。
学園側が原因とはいえ顧問の不在が多いのはマズい……が、後半は別だ。
「いや俺、師匠とか先輩とかいるし、神器はそもそも俺自身の地力が上がんないとだし」
「姉様達がいます」
「父さんやラッシュハンターズを始め七星剣の方々や乱菊先生もいますから」
「卯ノ花先生に色々教わっておりますので」
「リク兄さんやこの間知り合った方々がいますぅ」
「師範より鬼畜修行でも困るが、かといって難度を下げたら強くなれないし……」
「私はレジェンド様とか卯ノ花先生に教わってますし……」
「そもそも貴方、縁壱先生に勝てるんですか?」
「俺ら三人、先輩方に特訓してもらってるし」
「だよな、そもそも戦い方違うしよ」
「仮に特訓として、例えば『イッセーの魔力を使えるようになれ』と言われても無理だ。身体の作り自体が違うのだからな。神器は私達も予期しなかった例外というものだ」
『そういうわけでこの神器がその例外な以上、お前の今までの知識が役立つかどうか微妙だし』
「無論私もハリベルお姉様や、最近だとマリーダ姉様にも師事しているから問題ないわ。というか、貴方……束博士に説教されて結局シミュレーターしに来なかったわね」
アザゼル撃☆沈。
正確にはリアスらが退室した後に束に連れられてやって来たのだが……
あろう事かタッグマッチの調整を終えたレジェンドにVSモードでサーゼクスやミカエル諸共ボコボコにされた。
ちなみに三人はレジェンドの意向によって、束が一時的に機体の選択制限を解除しかなりの強機体が選べた。
アザゼルはR-GUNリヴァーレ、ミカエルはグレイターキン、サーゼクスに至ってはネオ・ジオングまで使ったにも関わらず、シミュレーションによる性能テストを兼ねてレジェンドの駆る
ネオ・グランゾンの縮退砲一発で全滅。
あまりに理不尽過ぎてしばし放心状態だったのは記憶に新しい。
「行ったんだけどよ……別にいいか、思い出したくねえ」
「戦場突入と同時に撃墜されました?」
(似たようなモンだよ畜生!!)
相変わらずハートブレイクしてくるカナエに心の中で涙しつつ、何とか言葉を繋げようとしたところに件の矢的が到着。
「お、皆揃ってるな。アザゼル先生もいるしちょうどいいか」
「「「「「矢的(80)先生!!」」」」」
この反応の違いである。
「……俺、泣いていい?」
「いきなりどうしたんですかアザゼル先生!?えーっと……急な話の上、皆に話さずいきなり決めてしまってすまない。おそらくアザゼル先生からもう聞いてるとは思うが、僕自身が多忙なため顧問不在になりがちになってしまうのを防ぐ手段として、もう一人顧問を就任させ、せめて片方だけでも付き添い出来るようにしたんだ」
「理由は納得出来るんですが、せめて人選だけはどうにかならなかったのかと……」
「……重ね重ねすまない。校長とサーゼクスさんとアザゼル先生自身にゴリ押しされてしまった」
『やっぱりか!!』
オカ研の殆どがアザゼルに説教を始める中、リアスは密かにサーゼクスへと連絡している。
『リアス、どうしたんだい?』
「(異世界修行もあるし)しばらく帰らないので事前に申し上げておきます魔王ルシファー様」
『え゛!?ちょっ……リアス!?今魔王ルシ「では御機嫌よう」リーアたぁぁぁぁん!!』ブツッ
着拒して終了。
サーゼクスは絶大なるダメージを精神に負ってしばし使い物にならなかったという。
そしてアーシアは……
(レジェンド様のタッグマッチまでお時間はありますけど……早め早めの行動を心掛けた方が良いですよね)
やっぱりレジェンドの事だった。
しかも時間前行動の遵守。良い娘である。
そんなアーシアの気持ちを察してリアスは手をパンと叩き指示をする。
「さ!その話は後にして、今日はいよいよレジェンド様のタッグマッチの日。仮住居まで鬼灯さんが迎えに来てくれるから迷惑にならないよう、ソーナ達と合流して早く向かいましょ」
「「「「「はーい!」」」」」
「あの……俺の分は?」
「生中継されるから別にいいんじゃねーの?」
フーマの一言でアザゼルは再度沈んだ。
☆
時は少しだけ遡り、昼前の惑星レジェンド。
中央都市クリスタルシティにある病院内の飲食店にて、レジェンドが二人の人物と面会していた。
レジェンドと対面している二人は、片やレジェンドを疑惑の念を抱きつつ睨み、片やレジェンドとその人物を見てオロオロしている。
当のレジェンドはというと別段困った様子もなく、軽く息を吐いただけ。
「やはり信じられんか」
「当然だ。見知らぬ土地、見知らぬ文化、鬼ではないが特異な外見……確かに信憑性はあるがそれだけで信用出来るわけがない。大規模な幻術の可能性もある」
その人物の言う事は一理あるが、そもそもレジェンドがそうするメリットは無い。
もし明確な敵と相対した場合、ぶっちゃけ避難させるより結界張ったり一瞬で相手を倒す方が確実だからだ。
そして、それが出来るだけの実力もある。
「い……伊黒さん……」
「大丈夫だ、甘露寺。俺が必ず守る」
何故かキュンキュンしだしたもう一人と先程の人物……鬼殺隊の蛇柱・伊黒小芭内と恋柱・甘露寺蜜璃が何やらいい雰囲気になり始めたので、再び意識がこちらに向くまでいよいよ今日行われるタッグマッチについて思考を張り巡らせる。
(おそらくアイツはギリギリまで調整してるんだろうな。そっちは良いとして……問題のあの二人、せっかく調整期間作ってやったのに脱走ばかりでろくすっぽ鍛えてないと聞く。やる前から勝負を捨ててるようなもんだぞ?)
レジェンドはタッグパートナーを称賛しつつ、対戦相手の所業に溜め息を吐いた。
「やれやれ……こりゃ手荒にいくしかないな、鬼舞辻無惨にせよコカビエルにせよ」
「「鬼舞辻無惨!?」」
いきなり二人が反応した。
鬼であった巌勝や狛治はともかく、杏寿郎やカナエ、しのぶは無惨との最終決戦前に死亡したが二人は無惨を討ってから死亡したためその最後を知っている。
だというのにレジェンドが無惨を生きているように言ったため血相を変えて問い詰めだした。
「おい!今何て言った!?鬼舞辻無惨だと!?有り得ん!奴は俺達が討ったはずだ!!」
「ああ。アイツが今いるの日本地獄だけど」
「「え?」」
「いやな、新設された地獄とその責任者のお披露目会も兼ねてタッグマッチを日本地獄でやるんだけど、その相手なんだよ。しかもさァ、ノアの奴の管轄からこっちに『弾かれて』来たわけだけど……こっちでも地獄で問題ばっか起こすわ杏寿郎とかカナエとかしのぶの死因となった上弦とかも元を辿ればアイツだろ。反省なんて微塵も無いしタッグマッチに備えた調整期間設けても脱走することばかり考えて、鍛えるとかしないし……ヘボい試合になったらどうしてくれんだよ全く。まぁ所詮アレらはウォーミングアップにしか考えてないがな。俺もアイツも」
額に青筋浮かべながら怒濤の勢いで喋るレジェンドに若干引き気味の二人だったが、聞き逃せない名前が続けざまに呼ばれてまたも驚く。
「杏寿郎、カナエ、しのぶ……まさか煉獄に胡蝶とその姉か!?」
「ええっ!?そんな……嘘!?」
「あ、やっぱり知り合いか。カナエは今学園だし、合流は夕方の日本地獄になるが……他の二人は知人じゃないかと思ったから連れて来てるぞ。会ってみるか?」
まさかの事態、まさかの申し出に困惑する二人。
小芭内は今一歩信用まで踏み切れないが、蜜璃は違った。
「伊黒さん……もし本当なら私、会いたい!」
「甘露寺!?」
「それに私、この人は信じても大丈夫だと思うの!お館様に声凄く似てるし!」
「言われると思ったぞチクショー」
「「言われる!?」」
「杏寿郎なんか俺をお館様呼びだぞ。カナエにもそう呼ばれた事あるし……しのぶくらいか?最初から普通に呼んでくれたの」
蜜璃に言われたからというのもあるが、次々と明らかになる関係や事実に小芭内もレジェンドへの警戒が薄れていく。
そして、もう一つ決定的な事が起きる。
三人が話し込んでいる最中に、この後の合流地点にいるはずのオーフィスがやってきた。
「レジェンドー」
「ん?オーフィス、あっちで待ってろと言っただろ」
「我、ちゃんと待ってた。しのぶに頼まれて呼びに来ただけ。もうすぐ予約した時間だからって」
「あー、食べ放題バイキングな。ダイブハンガー以外でバイキングは中々行ってなかったし」
『肉ー!!』
「「!?」」
いきなりゴジラが食事時という事で勝手に出て来て驚く小芭内と蜜璃。
「ゴジラ、めっ」
『いいだろ別に。飯時前にスタンバって何が悪いんだよ』
「まあ、盗み食いしてるわけでもないしな」
「可愛いー!!」
「ん?」「……?」『あん?』
蜜璃の言葉に三者三様の返事で反応する二人と一匹。
「ねえねえあなたお名前は?私は甘露寺蜜璃!よろしくね!」
「我、オーフィス。これゴジラ」
『これって何だ。ちゃんと怪獣王って言えよ』
「オーフィスちゃんにゴジラちゃんね!」
先日のゴジくん呼びに加えてちゃん付けされ、顔が引きつっているゴジラ。
しかもどちらの呼び方をした方も天然というか、悪気がないのがまた困る。
あったら尚の事駄目だけど。
「…………」
『んだテメェやんのかコラァ』
「上等だ表に出ろ」
「何で理解出来てんだお前ら」
ゴジラ自身は可愛いと言われて不満だったが、蜜璃の気を引いた事で小芭内の嫉妬の視線を向けられて一触即発の空気……になったのだがレジェンドのツッコミで強制終了。
レジェンドやオーフィス以外から見たらギャオギャオ鳴いてただけのゴジラと意思疎通出来た小芭内は何気に凄かった。
伊黒さん凄い!という蜜璃の視線で気を良くした小芭内は一先ずレジェンドが合流地点という場所に付いていく事にする。
そこで目にしたものは……
「というわけでエース兄さんは光線技のみならず剣も使えるところが真の切断技のエキスパートと呼ばれる理由なのでございますよ!!」
「なんと!?光線や素手だけでなく武器も使いこなすとは!さすがゼット殿が力説するだけの事はある!彼らが我々で例えると柱というわけか!」
「そういえばミライさんやゲンさん、それに矢的先生もそうでしたね」
「ウルトラ兄弟の中でも『ウルトラ六兄弟』は別格と聞く。特に二番目たるマン殿はレジェンド様同様に武器や形態変化を行わずに戦い抜いた程の実力者だそうだ」
「だがウルトラマンNo.6と呼ばれる、タイガ殿の父親のタロウ殿も凄まじい。相手が余程強力でなければ苦戦さえしないそうだ」
「六兄弟のどの人物にも言えるのは格闘戦・光線技共に死角なしというところか……」
記録映像を見ながらウルトラ戦士の話題で盛り上がっている元鬼殺隊&元上弦の鬼&始まりの剣士。
非常に楽しそうにしているからか、一人呼びに行かされたオーフィスが不機嫌になりながらレジェンドに抱きついている。
「……ぷんすこー」
「そうむくれるな。このあと食い放題なんだから」
『そーいや時間的に地獄でもメシ出るのか?』
「出るぞ」
よっしゃー!と喜ぶゴジラを見つつ、先程の二人を見るとやはりというか驚きの表情のまま固まっていた。
小芭内はそのまま立ち尽くしていたが、蜜璃はフラフラしながら近付いて行く。
最初にそれに気付いたゼットがこちらを向き手を大きく振り、杏寿郎やしのぶ達もその反応でレジェンドらに気付いた。
「ん?何かあの子フラフラしてるけど大丈夫かな……杏寿郎、しのぶちゃん、もしかして知り合いでございますか?」
「うむ!俺の元継子で現在は同じく柱である甘露寺だ!む?おお!お館様の近くには伊黒もいるではないか!」
「二人、ってそういう事だったんですね。あと正確に言うと柱と言っても、もう元が付きますよ。向こうでは死んでますし」
「いや、しのぶちゃん表現がウルトラダイレクト過ぎるぜ……」
いつものテンションと変わらない彼らだが、蜜璃の方は違う。
おぼつかない足取りで杏寿郎としのぶの近くまで来ると、消え入りそうな声で二人の名を呼ぶ。
「……煉獄さん……?」
「うむ!久しいな甘露寺!」
「しのぶちゃん……?」
「はい、元蟲柱な胡蝶しのぶですよー」
「いやだからこの場で元付けなくてよくね?」
「そこはきっちりしませんと」
そんなやりとりも二人が生きて目の前にいるのだと確信するのには十分だった。
蜜璃の目に涙が溜まり、声も涙声になっていく。
「煉獄ざん……!」
「む?どうした甘露寺!?」
「じのぶぢゃん……!」
「あらあら?甘露寺さん、声がおかしいですよ?具合が悪いんですか?見てあげますからねー」
「うわああああああん!!!」
遂に感極まって二人の羽織を掴みへたり込んで大泣きし始めてしまった蜜璃。
そんな彼女に小芭内を含め殆どの者があたふたしている中、レジェンドは静かに目を閉じて腕組みしつつ、僅かに微笑みながら自身は動かず小芭内へと声をかけた。
「行ってやれ」
「!!」
「惚れた女を宥めてやるのも男の役目というものだ」
「……!」
それを聞いた小芭内は無意識にレジェンドへと頭を下げ、蜜璃へと駆け寄り自身も屈んで彼女の背中を優しく擦る。
見ずとも分かると言わんばかりにレジェンドは目を閉じて腕組みしたまま動かない。
「レジェンド」
「どうした、オーフィス」
「我が泣いたら、レジェンドはああしてくれる?」
「……おそらくな」
「えーんえーん」
「嘘泣きは含まれんぞ」
「ぷんすこー」
「さっきも思ったが『ぷんすか』じゃないんだな」
ポカポカと叩くオーフィスの駄々を甘んじて受け入れながら、蜜璃の気が済むまでレジェンドはそのまま時を流した。
「ご……ごめんなさい!二人に会えたのが夢みたいで、つい……」
「気にするな!俺も甘露寺らには別れの言葉さえ伝えずに逝ってしまったからな!」
「パム〜」
「わあああ!この子も可愛い!ふわふわしてる!」
「俺の相棒の羽斗パム治郎だ!」
((凄くどこかで聞いた事ある名前ー!?))
漸く泣き止んだ蜜璃は小芭内と共にパム治郎の名に心中驚いている。
パム太郎と呼ばれた事もあったけど。へけっ。
「にしてもやっぱり時間軸のズレとかあるんですねー。それはそうと……伊黒さん、パム治郎君に嫉妬しちゃ駄目ですよ」
「…………」
蜜璃が好きすぎる男、小芭内。
そしてここでもアホの子ゼットは空気が読めなかった。
「ところでお二人は恋人かご夫婦でございますか?」
「「!?」」
「いや、あまりに仲睦まじいというかお似合いというか、そんな感じだったんで」
真っ赤になる蜜璃、そしてゼットへの好感度が爆上がり状態な小芭内。
放置されつつある継国兄弟と狛治、ついでにレジェンドとオーフィスとゴジラ。
「俺、主人公なのに地の文でついで扱いされたんだけど。いよいよ本気で泣くぞこの野郎」
「「「メタいですレジェンド様」」」
「よしよし」
『さっきの台詞と立場逆転してんじゃねーか』
彼らを放ったらかし気味だったのに気付いた元鬼殺隊の柱勢とゼット。
急いで駆け寄り勢いよく頭を下げる蜜璃。
「お館様ごめんなさい!放置して話し込んでしまって!」
「オイ待てお館様呼びになってんぞ」
「え?駄目ですか?」
「駄目っていうかそっちも黙っちゃってるし、マズいんじゃないのか?」
レジェンドが指差した方向には目を閉じたまま蜜璃の傍に立つ小芭内が。
幼少期の出来事から他人を信用しにくい彼はいくら蜜璃がレジェンドを信じられても……と思ったのだが。
「すぐに全部は信用出来ないが……敵ではないという事は信用出来る」
「……!」
「十分だ。あまりポンポン信じられても逆に心配になるからな。何にせよ、とりあえず飯時……食事しながら詳しい話を詰めていこうか」
「ごはんー」
『肉食わせろー!』
こうして少しだけ距離が縮まった彼らは共に食事しながら今後の事を話し合う気だったのだが……。
「おいふぃー♪」
「我、たくさんおかわりする。むぐむぐ」
『この時ばかりはこのサイズに感謝だな。肉のサイズがデカいぜー!!』
最初は引かれると懸念してた大食いの蜜璃だが、小さいのに下手すれば彼女より食べるオーフィスを見たことや、ともすればそのオーフィスよりも遥かに食べるかもしれないレジェンドやゴジラなんかの話を聞いてすぐに笑顔になった。
さらに、こちらも……
「小芭内、彼女に似合うとっておきの言葉がある」
「!!」
「『いっぱい食べる君が好き』。言ってこい」
「御意……!」
蜜璃が好きそうなスイーツを持って駆け寄り、恥ずかしがりながらレジェンドに教わった言葉を口にしてまたもいい雰囲気になる二人。
当初は疑念が強かった小芭内だったが、蜜璃との関係を後押ししてくれるレジェンドへ急速に信頼を寄せていき、食事が終わった頃には……
「私達、出来るならお館様のところで働きたいです!」
「どうか、ご許可を。お館様」
「あっれェェェェェ!?」
こうなってた。短時間で激変しすぎ。
これがご都合主義というものか……と考えていたレジェンドだったが、ちょうどこの間の学園での事件である事を考えていたため二人にはそちらに属してもらおうと思い了承。
継国兄弟や狛治の事を教えると、やはりと言うか最初は巌勝と狛治を疑ったものの特盛りクレープを縁壱と一緒に頬張る巌勝や、恋雪と慶蔵への土産を本気で選ぶ狛治を見て割と簡単に納得。
レジェンドへの疑念が信頼へと変わった直後だったからついでにそっちのハードルも下がったのかもしれない。
そんな彼ら、レジェンドのタッグマッチを観戦すべく日本地獄へ向かうわけだが身内に、とレジェンドが参加者特権で渡されたチケットは五枚。
巌勝は縁壱一家と久々の自宅で、狛治はダイブハンガーへ戻って妻や義父、鉄華団を始めとした同居メンバーらとリフレッシュルームの特大モニターで観戦するらしく、オーフィス、杏寿郎、しのぶに加えて小芭内と蜜璃が行く事になった。
ちなみにゴジラやパム治郎はペット枠。
……ついでにゼットはなんと実況枠である。
鬼灯も実況&解説枠……絶対カオス確定だ。
ゲスト解説枠も未だ謎に包まれているし。
「よっしゃー!テンション上げてくぜ!」
「伊黒さんも甘露寺さんも期待してていいと思いますよ。この間、こちらのゼットさんが凄い技を出したんですが、それを教えたのレジェンド様ですし」
「え!?こっちのお館様まさかの武闘派!?」
……無惨の地獄のカウントダウンが始まった。
既に落ちてるけど。
☆
タッグマッチ開催時間が迫る日本地獄。
日本のかの国立競技場並の広さで新設された『魔闘地獄』の象徴たる巨大リングを囲む観客席には多くの見物客が既に陣取っている。
その中にはオカルト研究部や生徒会、セラフォルーやガブリエルに加えてリクやレイトの姿もあった。
唯一気になるのは観客席の一角……正確には3区画ものスペースが『特別招待席』になっている事だ。
「あそこら辺、なんであんなに場所取ってるんだろ……?」
「団体客なのかな?特別招待って」
そんな中、あるアナウンスが流れる。
『皆様、この度は新設の『魔闘地獄』責任者お披露目を兼ねたスペシャルタッグマッチにご来場頂き誠にありがとうございます。開催までまだ少々お時間がございますが、早めにご来場して下さった事に感謝を込めて、エキシビジョンマッチを設けさせて頂きました』
「「「「「エキシビジョンマッチ!?」」」」」
『つきましてはどちらも参加者に関わり合いのある二名を選出しました。ぶっちゃけすぐに決着がつきそうですがスカッとストレス発散して頂ければと思います』
(((((アナウンスこれ声変えてるけど鬼灯(さん)(様)だよね!?)))))
もはやアナウンス内容から丸分かりである。
『では選手入場です!まずは青コーナー!聖剣計画とかやってる事がまさに外道!マスク・ド・ガリレイ!!まあ、あのだらしない体型はバルパー・ガリレイって一発で分かりますよね。もうバルパーでいいですね、アレ』
「だらしないとはなんだー!!」
覆面とショートパンツにブーツを装着したその人物はかのバルパー・ガリレイ。
裕斗とゼノヴィアはその姿に怒りが燃えるどころか肩を震わせて笑いを堪えている。
「ほっ……鬼灯さん紹介から飛ばしすぎッ……!ぶふっ!」
「あの衣装が……恐ろしく似合わない……!ぶはっ!」
堪えているがやはり少しオーバーした。
仕方ないよね。
『そして赤コーナー!愛らしさと実力は日本地獄トップクラス!この魔闘地獄の責任者となる人物に鍛えられ更にパワーアップしてやってきた核弾頭!芥子!!最近芥子さん毛艶良いんですよ。間違いなく相手死にますね』
「よろしくなのでーすよ」
「「「「「う、兎ぃぃぃぃぃ!?」」」」」
『知らない方の為に説明しておきますと、芥子さんは昔話で有名なかちかち山に登場する兎です』
ちなみに割と知名度があり、実際は子供向けの絵本のような内容ではなく色々凄惨なのである。
それはさておき、芥子VSマスク・ド・ガリレイ――オカ研らのように何も知らない者達なら覆面バルパーに分があると思うだろうがそうではない。
『さて、あまり長々と紹介を引っ張るより見て頂く方が早いでしょう。それではエキシビジョンマッチ、レディー……ファイッ!!』
「確かに私は頭脳派だが運動が出来ぬわけでは」
『ちなみにこのバルパー・ガリレイ、割と穏やかな顔をしてますがとんでもない狸ジジィです』
――刹那、芥子の目が鋭く真っ赤に染まる――
「タヌキ……タヌキ……!こんのタヌキぃぃぃぃぃ!!」
尋常ならざる速さでバルパーの背後に回り込み、前足で首にガッチリ締め付けるようにクラッチし――
「ダブルアーム・スープレェェェェェックス!!」
ドゴオオオォォォォン!!!
「ギャアアアアアアア!!!」
『えええええええ!?』
体格差を遥かに覆す大技がいきなり炸裂!
『おーっと芥子さん、バルパーへ凄まじい先制攻撃を仕掛けたー!!早速派手に鼻血を噴き出して歯が何本か宙を舞う!!』
「潰す!タヌキ潰すぅぅぅぅぅ!!」
「ごブォぉぉぉぉ!?」
ミス ミス ミス
『続けてスピン・ダブルアームがバルパーを襲う!!先の技に続き、あの愛らしい姿からは想像も出来ない腕力が発揮されバルパーが段々垂直になっていくー!!』
地獄の者達は芥子の成長具合に、そしてオカ研や生徒会、リクらは異常な強さの兎に口をあんぐりと開けたまま汗を滝のように流している。
そして芥子はバルパーを空高く放り投げると、自身はそれよりも更に高く舞い上がり、両後ろ足の踵をバルパーの喉にめり込ませつつ顎に足の裏を押し付けたまま落下。
それを見ていた全員が思う。
――あ、絶対死んだコレ――
既にバルパーは死んでるけども。
「獄兎双脚落としー!!!」
ドベギィィィィィッ!!!
「ギョバァァァァァッ!!!」
『早くも決まったー!!バルパー、喉笛を潰され顎も粉砕し頭蓋骨全体に大ダメージ!!さらに首の骨も逝ったー!!目鼻口に耳からも血を噴き出してくたばりました!!芥子さんお見事!大ッ勝利です!!』
身体はともかく頭部がそれはもう悲惨な事態になってしまったバルパー。
生々しい事を平然と口にしつつ亡者に対して容赦ない実況、鬼灯も絶好調である。
「オイこえーよあの兎めちゃくちゃ強いんだけど!?」
「鬼灯さんばりに容赦なかったな、あの芥子って兎……!」
「いやあ驚いたけどすっごいスカッとしたよ」
「木場がすげえ良い笑顔でキラキラした空気振りまいてる……!」
「まあ、裕斗の過去を考えると当然よね」
「……お姉様、人間だけでなく未だ日本地獄を軽視してる悪魔達に認識を改めるよう促した方が」
「そ……そうだねソーナちゃん☆」
多分、まだ全力じゃなさそうな気がする。
彼女を鍛え上げた人物というのは一体どれほどの存在なのか……。
期待と不安が大きくなりつつ、タッグマッチの時間が迫る。
〈続く〉
余談だが、バルパーはその後に芥子によって血の池までぶん投げられた。
最後の最後まで見せ場なし。
おばみつ加入と超パワーアップした芥子ちゃんでした。
次回はいよいよタッグマッチ開始、そしてあの御方ご登場。
トリガーも始まるし……で思い出しましたが本作投稿開始したの、去年の7月9日でウルトラマンの日の一日前なんですね。
新アンケートもトリガー絡みなので宜しければ是非。
それではまた次回。
追伸・次回とその次、本編の終わり部分や後書きがちょっと変更されます。
二択決定戦! シン一人乗りする最終ゲッターはどちらだ!?
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真ゲッタードラゴン(大決戦版)
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真・ゲッター1(スパロボα仕様)