ウルトラマンレジェンド Episode.CROSSOVER 作:ハジケハムスター・ポッポ
諸事情により長くなってしまったので今回は試合開始まで。
芥子ちゃんのお師匠遂に登場。
そしてゼットの新たな特技が判明。
それでは本編をどうぞ。
あと、宣言通り今回から数話ほど本編ラストの書き方と後書きが変わります。
ちょうど芥子がバルパーを潰した時。
レジェンドは5人を連れて会場の選手控室前に転移。
更に運良く放送室からの実況を終え、会場の特設実況席へと向かうところの鬼灯に遭遇した。
当然といえば当然だが、小芭内と蜜璃にはその風貌から警戒されたものの、レジェンドだけでなく杏寿郎やしのぶがこちら側での鬼や鬼神について分かりやすく簡潔に説明した事で無事に誤解が解けた。
さらに鬼舞辻無惨を容赦無く折檻しているという事で逆に好感度が上がったらしい。
「というわけで、ゼット共々彼らを客席に案内してほしいんだが……」
「ああ、そのくらいでしたらお安い御用です。レジェンド様は準備の方を」
「今回の開催といい迷惑をかける。この礼は地獄式運動会を盛り上げる事で返そう。あ、これ企画書の一部な」
失礼、とレジェンドから企画書を受け取りサラッと目を通した鬼灯はある一点を見て吹き出しそうになった。
借り物障害物走の借り物の欄にとんでもない名前があったからだ。
〔鬼舞辻無惨→借り物〕
レジェンドと鬼灯は互いに目を合わせ、無言でサムズアップし合う。
「間違いなくハズレ枠ですよね、これ」
「引けば最後、縁壱を始め参加者観客問わず多数の人物に狙われるからな」
「そこにシン・ゴジラさんも混ざるでしょうし、たった一種目だけで凄い盛り上がりになりそうです」
「ちなみに鬼灯の案は?」
「私のはこういうのですね」
「……ヤバいな。遠足が楽しみで眠れない子供達の心境が理解出来る。中身が攻めて追いかけて来るとか何だこのホラーとコメディ混ざった種目。凄い気になってしょうがない」
((((何それ!?))))
借り物障害物走にせよ後半の種目にせよ、カオスなものになるのは避けられないだろう。
地獄式運動会という一抹どころか数え切れない不安を抱えた行事はさておき、彼らは各々の準備に入るべくまずはその場でレジェンドと別れ、その後は観客席近くで鬼灯&ゼットと別れる形になった。
「煉獄君〜しのぶ〜オーフィスちゃん〜こっちこっち〜!」
「姉さんのテンションが徐々に上がってきてるわね」
「伊黒さん、もしかしてあの人が?」
「ああ、胡蝶の姉だ。確か名前はカナエ、花の呼吸の使い手だったはず」
「そうなの!?カナヲちゃんと同じね!」
「しかもこちらに来て日の呼吸まで後天的に体得したそうだ!なんでも特殊な瓢箪を割れるようにする事でその道が開けるらしい!」
杏寿郎の説明を聞き、小芭内も蜜璃も驚く。
適性が無ければ使えないと思われていた各属性の全集中の呼吸だが、その壁を打ち破ったというのは相当凄い事だ。
「ちなみにそれ編み出したの、さっき兄弟でクレープ頬張ってた兄弟の弟さんの方らしいですよ。鬼舞辻無惨の天敵で始まりの剣士だと」
((えぇぇぇ!?))
こっちも驚きである。というか継国兄弟マイペースすぎ。
「珍しく時間ギリギリねー。あら?そっちの二人……あー伊黒君!?久しぶりねー!その子は彼女?」
「!!あ、ああ……その……」
「初めまして!甘露寺蜜璃です!えと……元?恋柱で、煉獄さんの元継子で、伊黒さんとは、その……」
もじもじしだした蜜璃に対してカナエのとった行動はというといつも通り。
「初々しいし可愛いー!!」
「姉さん自重。スピニング・トゥ・ホールドー」
「いたぁぁぁぁ!?しのぶやめて私が悪かったからいきなり初対面で変な事言ってごめんなさいぃぃぃ!!」
笑顔で凶悪な技を決めるしのぶは順調に成長しているようだ。
そして相変わらずそれをよしよしと慰めるオーフィスというのも既に様式美になりつつある。
「恋柱……?もしかして煉獄さん達の同僚ですか?」
「そうですよー。あと、甘露寺さんは可愛らしい上に力持ちなので特に小猫さんとは仲良く出来るんじゃないでしょうか」
「あらあら……ところで、恋柱ということは恋の話とかは?」
「勿論大歓迎!」
蜜璃は早速オカ研女子と仲良くなっている。
かくいう小芭内も……
「あ……あの!僕、ギャスパー・ヴラディって言います!」
「……伊黒小芭内だ、好きに呼べ……?お前、男か?」
「は、はいぃ!」
「すげぇなアンタ!ギャスパーを一発で男って分かったのか!」
「声や雰囲気などは女のそれと殆ど変わらないが、なんとなく理解した。初見では分からなくても仕方ないだろう」
「だろ!?やっぱり最初は分かんないよな!」
(ゼットに似たこの青い奴、どことなく宇随に似てるな。それにやけに筋肉が自己主張してる赤と黒の奴は……何故だろう、煉獄と悲鳴嶼さんを混ぜ合わせた感じがする)
前者はともかく、後者は声と筋肉が原因である。
結局筋肉じゃねーか!
そんな事を考えつつ席に着くと、特設実況席に座った鬼灯とゼットがアナウンスする。
『あー、あー、それでは皆さんお待ちかね!『新地獄・魔闘地獄開設及び責任者就任記念スペシャルタッグマッチ』いよいよ開催時刻が迫って参りました!先程の芥子さんによるバルパーの蹂躙は程よく皆さんの気分をスカッとさせてくれたでしょう』
(((((いやむしろ恐ろしかったんですが!?)))))
「ねえねえ小猫ちゃん?」
「何ですか?蜜璃さん」
「芥子さんって誰なの?」
「異常に強い白兎さんです」
「……え?」
あそこにいますよ、と小猫が指差した先に居たのはひくひくと鼻を動かす愛らしい白兎。
蜜璃だけでなくしのぶらも目が点になっている。
「姉さん、何があったの?」
「えっとね、非人道的な変態があの子からゼットさん並の技を受けて飛んで逝ったのよ」
「……つまり、どういう事だ」
「うむ!よく分からんという事だけは分かったな!」
「わかったー」
『いや結局分かってねーだろお前ら』
もはやツッコミ役が板につきつつあるゴジラ。
そんな彼らは露知らず鬼灯は言葉を進めていく。
『しかし!今回の主役となるお二人はさらなる大技の数々を用意しており、見た目も挑戦者の二人とは違って良い意味で私達を沸かせてくれる事は間違いありません!』
「確か、相手は鬼舞辻無惨とコカビエルだったかしら。思いっきり下げまくってるわね。別に構わないけど」
「そうよリアス、コカビエルはどうでもいいけど無惨は下げてもへこたれないからこれぐらいしないと」
「胡蝶の姉の言う通り、奴の頭に反省などという言葉は入っていない。というか入れようとしても入らない」
小芭内の言葉にリアスらはえぇー……とげんなりしているが事実だから仕方ない。
そこで鬼灯がゼットに振る。
『ではそろそろ双方に入場して頂きましょう。今回は私、鬼灯が実況兼解説を務めると共に複数の実況、解説を行ってくれる方々をお招きしております。せっかくですので今、私の隣にいらっしゃるウルトラマンゼットさんにご紹介して頂くことにしましょうか。それではゼットさん、宜しくお願いします』
『わかりました鬼灯さん!えーっと、先程のご紹介に預かりました、銀河遊撃隊所属のウルトラマンゼットです!本日は鬼灯さんと一緒に実況を担当させて頂くのでどうぞ宜しくお願いします!それでは行くでございますよ!』
(((((口調ォォォォォ!?最後の最後で口調崩れたァァァァァ!!)))))
だが、やはりゼットはこの口調ではないとと思うのがレジェンド一家や光神陣営である。
そして遂に観客の腹筋にダメージを与えるゼット式紹介が炸裂した。
『では早速青コーナー!『起こすぜ!戦争!』とかジード先輩がキレそうな事やらかしたり『俺は戦い尽くすだけだぁ』とか言ってた割に巌勝さんから逃げ出したりしてどうしようもなかった生前はなんと堕天使の幹部!いやマジこんなん幹部って中間管理職の方々の精神衛生上良くないですよねホント。マガパンドンの亜種の片割れになった堕天使の名はコケコッコォォォ!!……ん?あ、間違ったコカビエル!!』
「「「「「ぶふぅっ!!!」」」」」
『ゼットさんいきなり飛ばしてくるとは中々ですね。3歩歩けば忘れる鶏頭という意味ならこれとない見事な表現です』
「何が見事だぁぁぁ!!」
あまりの力の入れ具合に直接相対したリアスらは本気で吹き出した。
確かにあの時はゼットのウルトラフュージョン形態でのデビュー戦だったから気合いが入っているのは分かるが。
「ぶっ……くくくっ……」
「お……おいフーマそんなに……ぷっ」
「確かにチキンではあるようだからな!」
「「「「「ぶはっ!!!」」」」」
「ぷっ……タイタスさん上手すぎ……!」
「これはゼットさんによる無惨の紹介が楽しみになってきましたね」
MSの操縦技術といい、意外なところでゼットの特技が発見されていく。
タイタスのツッコミのキレといい、カナエとしのぶを始め杏寿郎や小芭内に蜜璃、果ては巌勝や妻子と共にTVで見てる縁壱さえ今か今かと期待を込めてゼットの無惨紹介を待ち望んでいる。
そしてその時が遂に来た。
『そしてそのタッグパートナー!座右の銘は『私は決して間違えない』間違えてなかったら地獄に落ちないよな。間違えだらけの人生ならぬ鬼生は頭の弱さがまさに世紀末だったから成し得た奇跡!菊突き無惨!!……あ、ヤベ。いくら十二鬼月の男性比率が多かったからって……』
「なんと!?無惨は衆道だったのか!!」
「「「「ぶっ!!!」」」」
煉獄の一言がトドメになって元鬼殺隊一同が思いっきり吹き出す。
「そこの鬼狩り!!誰が衆道だ!!」
『なるほど、つまりアレですか。縁壱さんから逃げ回っていたのは、斬るんじゃなくて普段自分が突いてる方だからたまには突いてほしいと。地獄でも性癖は全開ですか。そりゃ縁壱さんだってお前に存在してほしくないわけですよ』
「違うわ!!何故そんな方向に推測する!?」
反省まるで無しという事でただでさえ良くなかった無惨のイメージが超光速で降下していく。
TVを見ている縁壱はテーブルに突っ伏して笑いに堪えており、巌勝は「まさか私も(そっちの意味で)狙われていたのか」と青い顔をしていた。
『えー、ゼットさんにご紹介頂きました青コーナーのネタ……もといチャレンジャータッグですが』
(((((ネタ!?)))))
確かにネタの宝庫だったが。
『この連中よりもやはり皆さんは主役のお二人をお待ちでしょう!それではゼットさん、引き続きお願いします!』
『了解でございます鬼灯さん!』
既にスタンバっていたネタ組と違い、赤コーナーの二人は姿を見せていない。
だからこそ期待が高まるというもの。
『それでは赤コーナー!名は体を表すという言葉はこの御仁の為にあるのではなかろうか!?小さな事から全宇宙レベルの極大な事まで己の起こす奇跡で解決!いやマジウルトラ半端ないんで気になったら是非お調べください、ご功績!
光り輝く伝説の戦士!
ウルトラマンレジェンドォォ!!
ちなみにリングコスチュームの時はブラスターブレードと名乗った事もあるそうでございます』
ゼットによる紹介が終わると同時にゲートから何者かが走って来る音が会場に響き、その者はゲートを一歩抜けた瞬間、身体を捻りながら数十メートルもジャンプして両足を揃えた腕組みポーズで赤コーナーポストへと着地。
しかもコーナーポストに着けているのは右足の踵のみという状態にも関わらず絶妙なバランスを維持し微動だにしない。
リングコスチュームを纏ったレジェンドである。
先のまるで似合ってない衣装のバルパーや、なんの変哲もない服装のコカビエル&無惨と違い全身に鎧を装着したようなヒーローチックな姿と威風堂々かつアクロバティックな登場に観客のテンションは急上昇。
「「うおおおおお!!カッケェェェ!!」」
「へっ、当然だろ。なんたって俺どころかレオや親父の師匠でもあるんだからな!」
「これアレか!?俺のスピードと旦那の筋肉を兼ね備えてタイガ並みにバランス整ってる感じか!?」
「コスチュームもそれなりに重量はあるだろうにそれを感じさせない見事な動き!私も改めて鍛え直さねば!」
「わあああ!お館様凄い凄い!宇随さんが見たら喜びそう!」
「甘露寺の言う通り、宇随はこういうのが好きそうだ」
「しかしなんという平衡感覚!あの場所であの状態、普通ならば仮にバランスが取れても多少は振らつくだろうがお館様はそれもない!一体どれほどの鍛錬を積んだのだろうか!?」
「ガブちゃん写真写真!今取らないとあのベストショット取れなくなるよきっと!」
「セラさんちょっと待って下さい!はい、準備おっけーです!」
「ゴジラ、今度あれやって」
『無茶言うなや俺の体型考えろ』
オカ研や光神陣営だけでもこの差である。
さらに……
「ねーねー今のあれ桃太郎は出来るかなー?」
「無理だろ。まずあんなにジャンプ出来ねーよ」
「仮に出来ても今のレジェンド様みたいに長時間あの体勢とか不可能だろうな。というか空中で体勢崩して頭から落下、結果試合どころじゃなくなるんじゃないか?」
「「あー」」
そんな事を言っているのはシロ、柿助、ルリオ。
かの桃太郎のお供だった犬、猿、雉の三匹である。
ちなみに彼らの取った席はオカ研のすぐ近く……なのでシロの桃太郎発言を聞いてリアスらはガン見しているし、カナエや蜜璃には狙われている。主にシロが。
「……おい、めっちゃ見られてるぞ俺ら」
「たぶんシロが言ったアレが原因じゃねーの?」
「「可愛いー!もふもふー!!」」
「くすぐったいよー」
「「簡単に捕獲されんなよ!?」」
あっさりカナエに捕まり蜜璃と共に撫で回されるシロ。
当の本人……本犬?も嫌がってないというのも問題かもしれないが。
外野も騒いでいる中でただ二人、アーシアとオーフィスは何故か浮かない顔でレジェンドを見ていた。
それはレジェンドが対戦相手である無惨とコカビエルではなく、未だ誰一人いない特別招待客用の観客席を見つめたままだからである。
「もしかして……あそこ、レジェンド様が誰かご招待されたんでしょうか?」
「……あ」
アーシアが小さく言うと、オーフィスが何かを感知した。
『では続きまして――』
ゼットは知らないだろうし、と鬼灯が引き継いでレジェンドのタッグパートナーの紹介に入ろうとした時、突如として特別招待客用の観客席周辺が光り輝く。
あまりの眩しさに目を覆う者もいるし、無惨なんか太陽の光と勘違いして転げまわるしで若干混乱があったが、その中でレジェンドだけはその仮面の奥で目を見開いていた。
何故ならばその光の中から無数の人影……それも限りなく人間に近いものからギリギリ人型レベルの亜人、むしろ手足4本あるだけマシな異形までが大挙して押し寄せたからだ。
あまりの光景にあちこちから動揺の声が上がったが、ある一声でそれも一気に止む。
「まっ……間に合ったかー!?」
『あっ……あの声、あの姿はーッ!!』
実況席のゼットがいきなり立ち上がり、感激したような声を上げた。
同時に先程までコーナーポストに腕組みし直立不動だったレジェンドがその人物の元へと飛ぶ。
「スグル!いや、キン肉マン!!」
「おお!レジェンド!懐かしいのう、そのコスチューム!!遅れて悪かったー!!」
友との再会に涙しながら抱き着いてくるキン肉マンことキン肉スグルを抱き止めつつ、レジェンド他の者とも再会の挨拶を交わす。
「テリー、ロビン、ウォーズマン、皆……やはり来てくれたか!」
「当たり前だろ?というかぶっちゃけると服装で迷ってな。礼服にするかコスチュームにするかでさ。で、キン肉マンがやたら悩んでよ」
「まあ、皆自分の伴侶も連れて行くわけだからそこは構わないのだがな。かくいう私もアリサに薦められてこのコスチュームなわけだが」
「俺は最初からいつも通りだ」
「「「「少しも悩まなかったのか!?」」」」
勝手知ったる何とやら、というか。
どれだけ離れていてもすぐにいつもの雰囲気に持って行けるあたり、絆の深さが推して知れる。
無論、彼らだけでなくかつて相対した者達にもレジェンドは気兼ねなく声をかけた。
「あいつが関係すればお前達も来てくれると思っていたぞ、バッファローマン、サンシャイン。他の悪魔超人も勢揃いとは恐れ入った」
「ま、俺は正義超人との橋渡しも兼ねているしな。何より……」
「あの御方の願い……我らのみならず次代を担う悪魔超人らへのメッセージともあれば行かぬはずがないだろう」
正義・悪魔・完璧の三竦みであったかつてなら皮肉の一つもあったのだろうが、彼らかの世界の超人達は既にそういった垣根を超えている。
つまり3区画空いていた観客席が正義、悪魔と埋まれば残るはただ一つ。
……なのだが、些か珍妙であった。
超人閻魔ことザ・マンがジャスティスマンとネメシスに牢屋付き玉座ごと台車に乗せられて現れたからである。
『いや何で!!??』
「うむ。ゴールドマンとの約束なのでな。レジェンドマンからの招待に加え、特別にゴールドマンからも許可を貰って一時的に超人墓場から出れるとはいっても出来うる限り誠意は持たねば」
「私は単に修行の為だ」
「俺はそれに加えて閻魔様の為というのもある」
「敢えて言おう。他の始祖や完璧超人らも普通に来た中でこの登場はかつてないインパクト、完璧だ」
「「「だろう?」」」
『いやツッコめよそこの三人!!』
レジェンドやその三人のやり取りに対するツッコミ、こちらも以前ならばキン肉マンを始め一部の者からぐらいしかしなかっただろう。
それがこうして一斉にされるくらいにまで打ち解けており、正直この世界の三大勢力よりよっぽど円満な関係だ。
そんな時、キン肉マン、そしてその兄であるキン肉マンソルジャーことキン肉アタルはゼットが彼らの方を向いて大きく礼をする姿を見た。
最初は何故かと思ったが一瞬間を置いて彼らの頭の中に先日のゼットが体験した事が流れ込んで来る。
(なるほど、彼がレジェンドの目に止まった若きウルトラマンというやつか。まだ未熟と一目で分かるが……同時にスグルのような可能性も感じる。出来るなら少しでも時間が許す限り私自ら指導してやりたいが……レジェンドに頼んでみるか)
(良い弟子が出来たみたいじゃのう!彼だけではない、あっちに見える三人のウルトラマンや人間の姿の者もかなりのものだ!ともあれ礼にはちゃんと返してやらなくては!)
ゼットに対しキン肉マンは屈託のない笑顔で大きく手を振り、同じくアタルは人差し指と中指で敬礼のようなハンドサインを送った。
(うおおおお!!返してくれた!!大先輩御兄弟が俺に返事を返してくれたー!!)
喜びに震えるゼットだが、次の瞬間聞こえた声で即座に身が引き締まる。
「どうやら役者は揃ったようだな」
『『『『『!!!』』』』』
リングだけでなく、会場全体が見渡せる岩壁の上からその声は発せられた。
全員がそちらを向くと、ゼット同様に身が引き締まる者、強張らせる者、恐怖を感じる者……そして、その姿を見て歓喜に打ち震える者など見た者全員様々な反応を示す。
白銀の仮面と鎧に身を包み、金髪とマントを靡かせ腕組みしながら突き出た岩に片足を乗せて会場を見下ろす圧倒的な存在感を放つ存在。
初代悪魔超人軍総帥にして悪魔超人そのものの開祖。
その者を紹介すべく鬼灯が声を張り上げた。
『今!遂にレジェンド様のタッグパートナーにしてこの魔闘地獄の責任者がその姿を現しました!!ご覧下さい、あの屈強なボディ!溢れ出るカリスマ!!数多の実力者が集結しているこの場においてなお威風堂々とした立ち振る舞い!!
King of Devil!
魔闘地獄の主!!悪魔将軍!!
いやもう将軍どころかこの方が魔王の方が絶対納得ですよ。同郷の大魔王サタンとはエライ違いですってマジで』
「「「「「あ……悪魔将軍!?」」」」」
「「「「「ウオオオオー!!将軍様ー!!」」」」」
悪魔将軍の登場に悪魔超人達の将軍様コールが会場全体に響き渡る。
その声に応えるように悪魔将軍は岩壁から高くジャンプし回転しながらリングへと轟音を立てつつ見事に着地。
間近で見てその実力を肌で感じたレイトが口を開く。
「あいつ、強えぞ……!ゲンでも生身じゃ太刀打ち出来ねえレベルだ」
「し……師匠より強いのかよ、先輩!?」
「おおとり師範以上ってだけで私はもう目眩がするわ……」
「そのおおとり師範とは何者だ?」
「カナエ先輩を含む私達を六人同時に相手にして無傷で完封した人(っぽい何か)です。しかもウルトラマンにならずに」
今思い出してもありえない強さだった。
小猫は小芭内の質問に答えつつ、目の前の存在がそれすら霞むレベルにいると言われて戦慄している。
「フッ……まだ離れてそれ程時は過ぎていないというのに随分懐かしく感じるものだ。実際に懐かしい顔ぶれもいるわけだが」
「お師匠様〜!」
『お師匠様!?』
先刻バルパーを一方的に瞬殺した芥子が悪魔将軍の肩に乗っかってきた。
アワアワする悪魔超人らを尻目に芥子は喜々として悪魔将軍に話し掛ける。
「見ててくれましたか、お師匠様?私も頑張ったので〜すよ」
「うむ。見事なスピン・ダブルアームからの
「あいあいさーお師匠様!」
ビシッと敬礼する芥子を見て先程到着したばかりの超人達は同じ事を考えていた。
(((((スピン・ダブルアームから必殺技放つ兎って何なんだ!?)))))
もはや最強の動物獄卒待ったなし。
キング・トーンとかいう規格外な豚もいたがそんなの芥子に比べりゃまだ可愛いものである。
「ゴールドマンよ、この場で直接観戦させてくれる事に礼を言わせてくれ」
「フン、私はレジェンドの顔を立ててやったに過ぎん。とはいえ貴様が他の
「それこそ不要だ。彼らもまた今日という日を楽しみにしていたのだからな」
ザ・マンと悪魔将軍。
かつて確執から激突した師弟だが、全てに決着をつけた後に様々な事が起きて更に時を経たからか、悪魔将軍がまだ多少壁がある言い方だったとはいえだいぶ関係は軟化している。
「それにしても……私が引退しても我が悪魔超人軍の精鋭達は力をつけ続けているようだな。私としても鼻が高いというもの。だからこそ今日の試合はお前達に見せておきたかった」
サンシャインを筆頭にかつての配下、そして新たに加入した新顔の悪魔超人達を感慨深く見渡しながら悪魔将軍は決意を新たにする。
「さて、先程も言ったが役者は揃った。あとはゴングを待つだけだ」
悪魔将軍はマントを脱ぎ捨て、無惨とコカビエルを見た。
……せめて中身が凝縮されているならマシだったが、と思いつつレジェンドの方へ視線を移す。
「私が先にやらせてもらうぞ、レジェンド。お前なら乱入タイミングを見誤るような真似はしないだろうからな」
「ああ、それから魔闘
「言われるまでもない」
そう言うと悪魔将軍は再び対戦相手の二人を見る。
――さっさと決めろ。結果は同じだ――
そんな言葉が聞こえそうな気がしてコカビエルが先にリングへと上がった。
「おい!」
「貴様にはあの光神をくれてやろう。この悪魔は私が消し飛ばしてやる!!」
さすがに今回は無惨が哀れに感じなくもない。
……が、やはりコカビエル、タイタスいわくチキンである。
レジェンドには勝てないと相対した時に確信してしまったからか無惨に押し付け、しかも悪魔だから光の槍が致命傷になると考えていた。
コカビエルは知らない。
悪魔将軍は己の師である神にすら勝った存在だという事を。
そして何より――
この世界における常識が通用しない相手だという事を。
『それでは皆さん長らくお待たせ致しました!』
『『
『『レディィ!ファイッ!!』』
タッグマッチ、いよいよ開幕!!
二択決定戦! シン一人乗りする最終ゲッターはどちらだ!?
-
真ゲッタードラゴン(大決戦版)
-
真・ゲッター1(スパロボα仕様)