ウルトラマンレジェンド Episode.CROSSOVER   作:ハジケハムスター・ポッポ

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お待たせしました。
引き続き、レジェンドVS悪魔将軍戦をお送りします。
仕事がハードになって執筆時間も取りにくかったので中々に難産でした。
遅くなって申し訳無いです。


それでは本編をどうぞ。


壮絶!見せたかったもの!の巻

「地獄の九所封じ……!」

 

「悪魔将軍のメインディッシュとかいう技か!」

 

 

 悪魔将軍の『地獄の九所封じ』――

 

一誠とレイトは宇宙拳法の達人であるレオに鍛えられたからか、技の雰囲気だけでどれくらい危険かはなんとなく理解出来るが、悪魔将軍のそれはそんな事をせずとも目に見えて分かる程の雰囲気を纏っている。

 

それを体現するかのように悪魔将軍は空中へと放り投げたレジェンドよりもさらに高く飛び、レジェンドを仰向けにしつつ後頭部と片脚を掴みながら胴体に片膝立ちになり――

 

 

 

 

 

「地獄の九所封じその一

 

 大雪山落としーー!!

 

 

グワガァァァン!!!

 

 

 

 

 

レジェンドをリングに叩きつけた。

ウルツァイトハイパワーによって超人硬度のみならず身体能力も大幅に増した悪魔将軍の大雪山落としは、リングどころか会場全体を揺るがす程凄まじい威力と化していた。

 

 

『なっ……なんという威力!!悪魔将軍の大雪山落としがレジェンド超師匠にモロ入ったぁぁぁ!!いやマジで大丈夫なんですかアレ!?』

 

『……地獄の九所封じはそれぞれが必殺級の威力を誇る連携技だ。我ら始祖の中でも鉄壁を誇るアビスマンでさえ、その四とその五で戦闘不能となったらしい』

 

『キン肉マンでさえあの連続技に未だ恐怖が残ってるくらいだからな。しかも今回は今までとは比べ物にならない程パワーアップしている!これはさすがに……!?』

 

 

観客同様、ゼットの驚きを隠せない実況にジャスティスマンとテリーマンが解説するが、テリーマンが解説中に何かに気づく。

 

それは悪魔将軍が次の九所封じへと既に移行している光景だった。

 

 

『おおっと悪魔将軍さん追撃の手を緩めない!倒れて動かないレジェンド様を抱え込んだあの体勢はーっ!!』

 

「地獄の九所封じその二と三!」

 

 

悪魔将軍の得意とするスピン・ダブルアームからダブルアーム・スープレックスへと繋げる九所封じ――

 

 

 

 

 

「スピン・ダブルアームソル――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺が黙って耐え続けると思ったかぁー!!」

 

 

メキメキメキメキィィィッ!!

 

「「「『『『!?』』』」」」

 

 

グオオオオオ!!

 

 

 

 

 

なんと突如レジェンドが凄まじい力……しかも二の腕だけで抵抗、無理矢理引っ張るようにするとスープレックスを決めようとしていた悪魔将軍の両足がリングから離れ、逆立ちのようになっていく。

 

 

「ゲェーーッ!!あ、悪魔将軍がスピン・ダブルアームソルトを決めきる前にーっ!?」

 

「違う!それだけではない!!」

 

 

超人の誰かが叫ぶとレジェンドの体勢からロビンマスクが瞬時にある事に気付く。

テリーマンもよく使用し、レジェンドにとってもバリエーション豊富なあの技を仕掛けようとしている事に。

 

 

 

 

 

「アッパーアーム・ブレーンバスターッ!!」

 

 

ガァゴォォォン!!!

 

 

 

 

 

『レジェンド超師匠、なんと悪魔将軍の両腕の拘束を逆に利用!二の腕のみを使ったブレーンバスターを決めたーっ!!』

 

『両腕を破壊する技を逆に己の得意技の為に利用するとは……!』

 

『そうか!レジェンドは大雪山落としを受ける直前からスピン・ダブルアームソルトのスープレックス時までわざと脱力状態だったんだ!そこから一気にパワーが跳ね上がれば当然相手は混乱する!しかもレジェンドのパワーの急上昇ぶりは火事場のクソ力に負けない程だ!不意打ちでやられれば簡単に対処出来るものじゃない!』

 

 

テリーマンの詳しい解説によって周囲もレジェンドの意図を理解した。

大雪山落としを仕掛けられた時からレジェンドは悪魔将軍への反撃のタイミングを見計らっていたのである。

タイミングがズレればスピン・ダブルアームソルトはレジェンドに決まりさらなるダメージを受けていただろう。

 

 

「ゴールドマンの動きに合わせて脱力状態から火事場のクソ力顔負けのパワー急上昇と自身側への強引きによる二の腕のみを使ったブレーンバスター……いくらゴールドマンの戦法を知っていたと言っても相応のパワーとタイミング、そして何より失敗の可能性も踏まえた上でそれを実行するだけの覚悟と度胸が必要だ。私が言おう。今の技はそれら全て完璧だ」

 

 

ザ・マンさえ感嘆の声を上げる程、レジェンドの一撃は華麗かつ豪快であった。

さらにレジェンドはすかさず悪魔将軍をタワーブリッジの体勢で抱え上げ、その場でスピン・ダブルアーム同様に高速回転する。

 

 

「デェィアァァァ!!」 

 

『今度はレジェンド様が悪魔将軍さんを担ぎ上げて回転!!同じように竜巻が巻き起こる!!ここからどうするのか!』

 

 

鬼灯の実況から間髪入れず、レジェンドは次の技を繰り出す。

 

 

「リバース・ウルトラハリケーン!!」

 

 

かつてジャックが二代目ゼットンとの決戦で決め手となったウルトラハリケーン。

現在自身が回転しているのとは逆方向でそれを放ち悪魔将軍を上空へと放り投げた。

回転方向の違う二種類の竜巻に飲み込まれて身動き取れない悪魔将軍に対し、回転など関係ないとばかりにその中を突き進むレジェンド。

 

だが、ここで悪魔将軍が両腕からブレードを出す。

事前に鬼灯のアナウンスで「超人レスリングでは正しく身体の一部であれば剣や刃などであってもルールで認められる。ただし凶器として外部から持ち込むのは禁止」と伝えられていた為、驚きはするが理解出来た観客達。

ここで反応したのはキン肉マンとロビンマスクだ。

 

 

「まさか!あのウルツァイトハイパワーの状態でアレをやる気じゃ!?」

 

「マズいぞ!下手をすればレジェンドでさえ切り裂かれかねない!」

 

「「「「「!?」」」」」

 

 

ロビンマスクの言葉で青ざめるアーシア達。

そんなギャラリーの声は二人に届かず、遂に悪魔将軍がソレを放つ。

 

 

 

 

 

「地獄のメリー・ゴーラウンド・アクセル!!」

 

 

ギュオオオォォォ!!!

 

 

 

 

 

『悪魔将軍、ブレードを構えて身を縮ませ超高速縦回転!!まさに超人八つ裂き光輪だーっ!!』

 

『ロンズデーライトパワーを上回る今の姿であの技、しかも今までとは加速度が段違いだ!!冗談抜きでレジェンドでも危険だぞ!!』

 

『いや、それだけではないぞ……!』

 

 

テリーマンに続くように、ジャスティスマンが何かに気付く。

同時に竜巻の中を突き進むレジェンドもそれに気付いた。

バシュッバシュッと自らの纏ったオーロラルレジェンドプロテクションに何かがぶつかって弾かれる感覚。

その正体は――

 

 

(鎌鼬か……!)

 

 

悪魔将軍の新技によって発生した鎌鼬が飛んできていたのである。

それもかなりの速度かつ広範囲に。

強いて言うなら巌勝の使う月の呼吸に次ぐレベルだが、リング(及びその上空)という限定された空間で飛び交うそれは脅威というほかない。

レジェンドだから問題ないようなものだが、逆にレジェンドは地獄のメリー・ゴーラウンド・アクセルへの警戒を深める。

鎌鼬が発生する程の速度と鋭さ、そして悪魔将軍の新たな力・ウルツァイトハイパワーを持ったその技に対抗する術はただ一つ。

 

 

『おおっとレジェンド様、一歩も引かずむしろグングンと悪魔将軍さんに迫る!!』

 

「「「「「!?」」」」」

 

 

観客は騒然とする。

傍から見ても自殺行為にしか見えないレジェンドの行動だが、今まで黙ってみていたキン肉アタルはレジェンドの意図を察した。

 

 

(そうか、確かに自らが起こした強烈な竜巻の中では進むか引くかしか選択肢はない。あの様子では無理矢理竜巻側面から脱出する気も無いだろう。引いたとしても結局リングに戻るだけで退路が塞がるだけな以上、狙うならば文字通り突撃するしか方法はない!)

 

 

その危険極まりない技を攻略する為には引く事など言語道断、死中に活を見出さなければならないとアタルも理解する。

レジェンドと悪魔将軍が近づくにつれて、遂にレジェンドのコスチュームにほんの少しずつだが切り傷がつき始めた。

観客から驚きや小さな悲鳴も上がる中、遂に空中で二人が激突――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガッシイィィィィィッ!!

 

 

「「「『『『!?』』』」」」

 

 

「ぬ……ぐっ……!」

 

「うっ……おおお……!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『『とっ……止めたぁぁぁぁぁ!!』』

 

 

ワアァァァァァ!!

 

 

激突する直前に悪魔将軍の回転速度が上がったのは驚いたが、レジェンドはタイミングを読み、それをも上回る速度で悪魔将軍の両手首を掴んで身体ごとぶつかり、地獄のメリー・ゴーラウンド・アクセルを停止させたのだ。

 

 

『恐怖に身を竦ませていてはまず不可能な攻略法!レジェンド超師匠、悪魔将軍の技を真っ向から止めました!!』

 

『一歩間違えれば両方の肩から先、いや肩から下が丸ごと切り落とされる危険を承知で懐に飛び込み、受け止めるとはな……!』

 

『レジェンドの実力を疑ったワケじゃないが、悪魔将軍の今の実力を見たら最悪の結果も想定しちまったくらいだぜ……!』

 

 

テリーマンの言葉は当然とも言える。

実のところ、レジェンド自身も受け止める直前に悪魔将軍が急加速回転したのは予想外だったし、その急加速を見極められたのも相対しているレジェンドのみだ。

 

 

「ブレードではなく腕の方を止めるとは……!」

 

「俺のコスチュームを見てわかるだろう。最悪防御を貫通してくる可能性があったんでな……!」

 

 

止めたとは言っても、まだ悪魔将軍の方が優勢だ。

手を離せばブレードに切り裂かれかねない状態で、レジェンドが下側のまま落下している。

しかし、ここでレジェンドは悪魔将軍にとって因縁とも呼べる技の進化形を繰り出した。

瞬く間に体勢を変え、加重力によって威力を増したその技とは即ち――

 

 

 

 

 

「レジェンドライバァァァ!!!」

 

 

ドォガァァァン!!!

 

 

「グハァァッ!!」

 

 

 

 

 

『レジェンド様の必殺技(フェイバリットホールド)の一つ、レジェンドライバーが炸裂ーっ!!』

 

「あれはっ……!」

 

 

朱乃が頬を赤く染めつつ目を輝かせ、技を決めたレジェンドを見つめる。

 

 

「ちょっと朱乃、どうしたの?」

 

「今のあの技……あの日、お母様とまだ幼かった私をレジェンド様が助けてくださった時にも使われた技なの」

 

 

メタい話だと、100話以上前の話である。

 

 

「キン肉ドライバーの状態からキャンバスに激突する瞬間に加重力と股裂きを加えたレジェンドライバー……タイミングを誤れば威力が激減するそれをあの一瞬で完璧に繰り出すとは」

 

「そ……そんなに難易度の高い技なんですか?」

 

「うむ。体勢的にはそうでもないように見えるが、先程も言ったように加重力と股裂きのタイミングがシビアだ。それにたった今放ったものは自身が不利な体勢にあったにも関わらず瞬時に技の体勢へと逆転した上でそれを成功させた。あの技は落下から激突までの時間が短ければ短い程難易度が上がるのだ」

 

 

タイガの質問に丁寧に説明するザ・マン。

かくいうこのレジェンドライバー、かつて新種のカオスヘッダーで強化されたカオスグランドキングをも一撃で屠った事もある技なのだ。

そういえば、とタイガは昔タロウが一心に何かの技の練習をしていたのを思い出す。

 

 

(よく考えてみたら、あの時父さんが練習していた技に似ているかも)

 

 

ちなみにタロウ、その後レジェンドから直々に指導されてしっかり習得している。

だが、さすがに威力まで同じとはいかなかった。

技量もさることながら、そもそも加重力の付与はそれぞれの飛行速度に準拠するため、たとえマッハ20の飛行速度を持つタロウでもその倍近い飛行速度のレジェンドほど加重力は出せなかったためである。

 

 

 

 

 

「大技には放つ上で覚悟しなければならない事が2つある」

 

「「「『『『!!』』』」」」

 

 

 

 

 

突如、落ち着いた悪魔将軍の声が聞こえリングを見てみるとレジェンドライバーを受けた悪魔将軍がいつの間にかレジェンドをホールドしつつ抱えて立ち上がっていた。

 

 

『なっ……なんと悪魔将軍、レジェンド超師匠のレジェンドライバーを受けてなお、こともなげに立ち上がったー!!』

 

「一つは大技であればあるほどその反動も比例して上がっていくこと。そしてもう一つは――」

 

「……っ!!」

 

「その大技が完全に決まった時が最も油断しやすいことだ」

 

 

そう言うと悪魔将軍はレジェンドの身体をホールドして持ち上げていた状態から即座に右手でレジェンドの両足首を、そして左手でレジェンドの両膝を掴み――

 

 

 

 

 

「地獄の九所封じその四と五!

 

 ダブルニークラッシャーー!!

 

 

ガゴォォォッ!!!

 

 

「がッ……!!」

 

 

 

 

 

『悪魔将軍さんの逆襲!!地獄の九所封じは終わっていなかった!ダブルニークラッシャーがレジェンド様の両膝に炸裂ー!!』

 

『あ……あのキン肉ドライバーのさらに上をいくレジェンドライバーをまともに受けてまだ動けるのか!?』

 

『それにあのウルツァイトハイパワー状態でのダブルニークラッシャー、威力は想像に難くない。レジェンドマンにとっても先の技を決めてもここまで動けるのは予想外だったのだろう』

 

 

恐るべき硬度となった膝でレジェンドの両膝を破壊すべく放った悪魔将軍のダブルニークラッシャー。

あまりに凄惨な音を立てて炸裂したそれにアーシアや蜜璃が短い悲鳴を上げ、フーマは自身の両膝を押さえて震え上がる。

 

 

「よもや、よもやだ……!あのお館様があれほどやられるとは……!」

 

「レジェンドだけではない、悪魔将軍も我々が知っている頃より遥かに進化している。先のダブルニークラッシャーもおそらくロンズデーライトパワーまでであればレジェンドには通じなかった筈だ。あのウルツァイトハイパワー……超人硬度だけでなく各種能力をも引き上げているのか……!」

 

 

杏寿郎でさえ声がいつもの調子でなくなる程の衝撃を受けており、アタルはそれでもなお冷静に努めている。

レイトや一誠は不安ながらも一瞬でも見逃すまいとリングから目を離さず拳を握り締め、歯を食いしばりつつ見ていた。

 

そして、悪魔将軍はさらに追撃を叩き込む。

 

 

「地獄の九所封じその六!

 

 カブト割り!!

 

 

グシャァァァッ!!!

 

 

『ゲェーー!?レ、レジェンド超師匠の頭がキャンバスに埋まってしまったァー!!』

 

『シュールな見た目だが、正直笑い話では済まないぞ!この後に来るのは……!』

 

『無防備になった腹部への九所封じ!!』

 

 

騒然とする実況席や観客らだが、ほんの数名は何か違和感を覚えていた。

 

 

(おかしい……確かにレジェンドは両膝にダブルニークラッシャーを受けた。しかし本当に両膝を破壊されたのか?)

 

(キン肉マンも同じ状況になった事があったとは聞いたが……そもそも両腕は破壊されていない以上、レジェンドの実力であれば何らかの抵抗は出来た筈だ)

 

 

天才と称されたキン肉マンスーパー・フェニックスとネメシスの2名である。

そして二人はある結論に達した。

最初の九所封じの時、レジェンドがどうしていたのかと。

 

 

(まさか……)

 

(また『脱力状態』になっているのか!?)

 

 

二人の推測の結果はすぐに明らかになった。

悪魔将軍が次の九所封じを叩き込むべくジャンプし、逆さまになってレジェンドの腹部へと迫る。

 

 

『無防備なレジェンド様の腹部に悪魔将軍さんが頭突きでプレスするように落下していく!!万事休すか!?』

 

「地獄の九所封じその七!

 

 ストマック――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その瞬間、レジェンドがネックスプリングの要領で頭をキャンバスから脱出しつつ、その体勢のまま凄まじい速度で空中の悪魔将軍の背後に接触。

九所封じその七のストマック・クラッシュを浴びせるために逆さま状態だった悪魔将軍の首を両足をクロスさせて締め上げ、さらに両腕を捻り上げながら脇で、そして足を曲げさせながら両足首を同じく捻り上げつつ握り潰す程の力を込めて両手でクラッチを固める。

 

それらを一瞬の動作で完成させ、加重力による高速落下を加えたそれこそレジェンドオリジナルの必殺技(フェイバリット・ホールド)――

 

 

 

 

 

「ウルティメイト・ギガバスター!!」

 

 

ドォゴオォォォォッ!!!

 

 

「ゴハァァァッ!!」

 

 

 

 

 

『こっ……今度はレジェンド超師匠のリベンジーッ!!』

 

『い……今のはミーも初めて見る技だぜ!!』

 

『しかもキャンバスへ激突する直前、レジェンドはさらに全身の力を込めて悪魔将軍をくの字型に曲げていた。両腕、両足首、首に加えて背骨……それら全てを粉砕しかねない大技だ。しかも曲げられた事で悪魔将軍は顔面からキャンバスへ激突し、同時に背後から打撃を受けたような衝撃で腹部にもダメージが入っている……!!』

 

 

ゼットは勿論、テリーマンやジャスティスマンさえも驚愕させる新技に、観客達は盛り上がり超人達も解説二人と同じ反応を示す。

 

 

「伊黒さん伊黒さん!今の凄かった!お館様凄かった!!」

 

「ああ、甘露寺の言う通りだ。危機的状況からの脱出、そして逆転……それらを一瞬で行っていた」

 

「つーか解説の話を聞くとアレ相当ヤバい技じゃねーか……!」

 

「そうだ。今のウルティメイト・ギガバスター……ゴールドマンの九所封じを一度に叩き込んだようなものなのだ。両腕、両足、背中、首、顔、そして腹……超人圧搾機という似た技があるが、あちらは事前の九所封じがあって真価を発揮する技であるのに対し、レジェンドマンの技は一撃で全ての部位を粉砕する、文字通りの破壊技(バスター)というわけだ」

 

 

ザ・マンの詳しい解説にリアス達は感心するが、ザ・マンは彼女らに言っていない事がある。

本来は『両腕を捻り上げた状態で脇でクラッチする』『その状態で足を曲げさせながら両足首を捻り上げつつクラッチする』を同時に行うというのは物理的にほぼ不可能。

出来たとしても、『両足首を捻り上げながら足を曲げさせ、脇で両腕をクラッチする』という、両腕を捻り上げる動作が出来ないのだ。

アシュラマンのような複腕ならば可能だが、標準的な二本脚二本腕の体型ではどうやってもどちらかを選択するしかない。

 

……はずだった。

 

それを可能としたのは偏にレジェンドが異常じみた速さで技を極める術に長けているからだ。

おそらくはレジェンド以外にウルティメイト・ギガバスターを標準体型で使える者がいるとしたら、現時点ではサーガくらいだろう。

最も彼は格闘戦に優れているもののレスリング系の技はあまり得意でないようだが。

 

 間違いなくレジェンドの必殺技(フェイバリット)は決まった。

 

しかし、悪魔将軍はフラフラしつつ片膝立ちではあるが立ち上がる。

これには観客だけでなくザ・マンらも驚く。

 

 

『立ち上がったー!!悪魔将軍さん、レジェンド様の大技を受けてなお立ち上がった!!なんというタフガイ!!』

 

『既に悪魔将軍の全身には多大なダメージが蓄積されているはずだ。だというのに闘志は少しも衰えちゃいない!』

 

『偉そうにしていただけのどこぞのゴミ屑(※キン肉マン側の大魔王サタン)とは違うな』

 

 

最後にジャスティスマンがかの存在に悪態をついたが、実際凄まじい事に変わりはない。

 

 

「……レジェンドよ」

 

「……何だ?」

 

「良いものだな、こういうファイトは」

 

「「「『『!!』』」」」

 

「私は……いや、私達はかつて元から完璧超人故に感情を持たなかった。正しくは持っていないと思い込んでいた。周囲すらそう認識してしまうようなレベルでな」

 

 

悪魔将軍は続ける。

 

 

「だが、お前が我らの世界を去る時……ある言葉とともに我らの枷を外し、我らにも感情がある事を分からせて行った。『喜怒哀楽、いずれか一つでも理解出来たならば残りも自ずと理解出来る。そして仲間がいればより早く、より深く』……そう言ったな」

 

「ああ、確かに言った」

 

「奇しくも私はすぐにその意味が理解出来た。そして改めて思ったのだ。これから次代を担う超人達に私は何が遺せるのかと。その結果、辿り着いた答えがこのファイトだ」

 

 

レジェンドだけでなく、観客もまた黙って悪魔将軍の話に耳を傾けている。

 

 

「私がこの答えに辿り着いた時、既に悪魔超人軍は私が手を貸さずとも自らの意志で他の超人らと次代へ向けて歩み始めていた。ならばもはや私の直接指導は不要。そして今、悪魔超人軍だけでなく……正義超人や完璧超人も分かるはずだ。この闘いを通して私が……私とレジェンドがこれからの時代を作っていく者達に伝えたいものが!!」

 

 

力強く言い放つ悪魔将軍に同意したのはやはり『スーパーヒーロー』だった。

 

 

「そうか……二人はまさに『心技体』を改めて私達に伝えようとしていたんだ!」

 

「「「「「心技体?」」」」」

 

「これは私の主観ではあるがな、『どんな相手でも負けないための『体』を作れ』『あらゆる相手を打ち破るために『技』を磨け』そして……『いかなる困難にも挫けぬ『心』を持て』。どれもこれも二人が今やっている事じゃないか!!」

 

 

こじつけかもしれないが、確かに理に適っている。

ただ言葉にするだけでは単なる心持ち程度にしか思わないそれも、今の二人の闘いを見れば認識は変わる。

 

 

「前置きの捉え方は各々によって異なるだろうが、レジェンドマンとゴールドマンが伝えたいものはキン肉マンが言った心技体の事で間違いないだろう。それは我らだけでなく、この世界の者達にも通ずることだ」

 

 

そう、特に心は重要だ。

タイガらトライスクワッドやリク、それにレイトは以前に遊撃隊ベテラン勢の一人であるゼアスが自身の父から伝えられた言葉を教えてくれた事を思い出す。

 

――心を鍛えよ――

 

偉大な戦士であった父のこの言葉で奮起し、ゼアスは人間のまま特訓の末に見事トラウマを克服。

一度は敗北したウルトラマンシャドーを逆に圧倒して撃破するまでに成長したのだ。

その前の潔癖症克服も含めて、その事は光の国でも高く評価され『努力の勇士』として彼の名は宇宙に広まったのである。

 

そんな中、悪魔将軍は右手を差し出した。

所謂『握手』のポーズ。

互いの健闘を称えるのかとリアスらは納得するが差し出されたその手の真実を知るキン肉マンらはそうではない。

当然キン肉マンらと共に闘ったレジェンドもそれを知っているはずだが、忘れているのかそれとも知っていてそれでもなのか、悪魔将軍の握手に応じようとする。

 

 

「何でレジェンドは応じようとしてるんだ!?」

 

「え?何でって……むしろあれを拒否した方が失礼じゃない?」

 

「そうじゃない!この際だから言うが地獄の九所封じの八番目はパイルドライバーで、ラスト・ワンがさっきザ・マンが言った超人圧搾機だ!」

 

「「「「「???」」」」」

 

「だったら尚の事安心なのでは?」

 

 

焦るキン肉マンの言葉をいまいち理解出来ないリアスらオカ研メンバーやソーナ達生徒会メンバー。

続くしのぶの言葉はもっともだ。

だが、次のキン肉マンの言葉で彼女らの顔色が一気に真っ青になる。

 

 

「確かにそうだ!それが本当ならな!」

 

「え……?」

 

「九所封じの7つ目までは今までので間違いない!だが実は九所封じの八番目はパイルドライバーではない!」

 

 

キン肉マンがそう言うのと同時に二人はガッチリ握手する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あの『握手』こそが九所封じの真の八番目なんだーっ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バ バ バ バ バ ! !

 

 

「「おおおおおっ!!」」

 

 

握手した二人の手から凄まじいスパークが巻き起こり、リングを眩く照らす。

パワーを奪おうとする悪魔将軍の攻撃とパワーを奪われまいとするレジェンドの抵抗が拮抗し、スパークは一段と激しさを増していくが、やがてそれは落ち着いていき二人も自然と手を離す。

普通の観客らは何だと思った程度だが、悪魔将軍を知る超人達は別の意味で困惑している。

 

 

「ど……どういう事だ?」

 

「わからん。だがレジェンドのパワーを奪う事が出来なかったのは確かだな」

 

 

 

 

 

「お互い、良い気付けにはなったか」

 

「フッ……今のでやられるようならとんだ期待違いだったと吐き捨ててやるつもりだったが杞憂に終わったな」

 

 

 

 

 

『レッ……レジェンド超師匠と悪魔将軍、何事も無かったかのように復活ー!?って気付け!?アレが!?』

 

『……信じられん。あれだけお互いダメージや疲労が蓄積されている状況で平然としているとは』

 

『どうやら俺達の常識はもはやあの二人には通用しないぜ。残す九所封じはあのラスト・ワンのみ……!』

 

 

観客だけでなく実況や解説も二人の発言に驚いていた。

言うなればレジェンドは先の『握手』を態と受けたのだから。

そして会場や、テレビでこの闘いを見ている者達も悟る。

いよいよクライマックスだと。

 

 

「悪魔将軍、お前はかつてザ・マンとの闘いの時、敢えて奥義を受けにいったな」

 

「そうでなければ意味がなかったからだ」

 

「ならばこの闘いでは俺がその役目を果たそう。今のお前が出し得る最大の力と技をぶつけてみせろ。もし俺がそれで倒れたら所詮俺はそこまでだっただけのこと、お前を責めたりはしない」

 

 

レジェンドの言葉に観客は「おおっ!?」と驚愕の声を上げる。

 

 

「……ならば一つ言っておく。これからお前に放つ技はお前との闘いを想定して編み出した正真正銘、私の切り札だ。生半可な防御や覚悟では受け切れんぞ」

 

「望むところだぜ。逆に生半可な技であれば即座にカウンターで技が返されると思え……!」

 

「元より承知の上だ。私はこの技をもって――」

 

 

悪魔将軍は理解している。

レジェンド相手にもはや地獄の九所封じは通用しない。

元々それを前提に()()()を編み出したのだから。

そして悪魔将軍は知っている。

技の威力を高めるためには自身の実力や技の完成度だけでなく、その技に込めた想いや相手への気迫もまた重要であることを。

 

 

 

 

 

「お前を()()()やろう」

 

『……え?』

 

 

 

 

 

レジェンド以外の観戦者全員が耳を疑った。

それに対し誰かが「今何を」と言おうとした瞬間、既に悪魔将軍はレジェンドをダブルアームで捕らえていた。

 

 

「私は今日のこの時、この瞬間の為に――」

 

 

そして悪魔将軍はそのまま回転する。

スピン・ダブルアーム――悪魔将軍の九所封じの一つであるスピン・ダブルアームソルトにも組み込まれている悪魔将軍の得意技だが、回転速度はその時の比ではなく、ウルツァイトハイパワーの闘気の炎と相まって強大な黄金の炎の竜巻が巻き起こっている。

 

 

「この技を磨き続けてきた!!」

 

『こっ……このムーブはーっ!!』

 

『悪魔将軍のフェイバリット!!』

 

『やはりあの技か!しかし……!』 

 

 

実況のゼットも推測出来たのかテンションが上がっていき、テリーマンとジャスティスマンも予想通りと考えていたが、ジャスティスマンはその威力が桁違いに上昇しているのを竜巻の状態から予感する。

 

 

「ぬぅりゃあぁぁぁ!!」

 

 

悪魔将軍はレジェンドを竜巻に乗せて空中に放り投げる直前に身体を捻りながら投げる事で、レジェンドは錐揉み回転しながら黄金の炎の竜巻に巻き込まれて遥か空中へ飛ばされる。

悪魔将軍自身もドリルの如く身体を高速回転させつつ、竜巻を切り裂きながらレジェンドへと迫り、レジェンド同様に竜巻を突破した瞬間竜巻は消失。

そのまま悪魔将軍はレジェンドの首元へ左脚でローキックを放つ。

この時点で錐揉み回転状態だったレジェンドは、例えるなら高速道路を走っているスポーツカーが急ブレーキをかけたようなとんでもない衝撃を全身に受けながら回転を強制停止させられる。

そして悪魔将軍はグルリと身体を反転させ、左脚をギロチンの刃に見立てた体勢でレジェンドの首に当てたまま落下を開始。

 

 

『これはレジェンド様との合体技(ツープラトン)で見せた必殺技(フィニッシュホールド)!!』

 

『やはり地獄の断頭台!!』

 

『しかも直前の動作によるダメージも段違いに入っている!』

 

 

鬼灯の実況や解説にも力が入る。

だが、ここで悪魔将軍はさらなる隠し玉を見せた。

 

 

「ウルツァイトハイパワーッ!!」

 

 

悪魔将軍の叫びにその身体が一層強く輝き――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「フィニッシュチャージ!!!」

 

 

キュイィィィィィン!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その一声で悪魔将軍の全身の輝きや闘気の炎が収まっていったかと思いきや、突然悪魔将軍の四肢がウルツァイトハイパワー時よりも遥かに凄まじい輝きと闘気の炎を放ち出した。

それこそ、太陽のように。

 

 

『どっ……どういうことだーっ!?悪魔将軍の輝きと炎がいきなり凄まじいことになったぞー!?』

 

「このファイトの今までを見れば分かるがウルツァイトハイパワーをもってしてもお前に決定打を与える事は出来ず、追い詰められた。だがそれも想定内だ!!」

 

 

悪魔将軍はさらに吼える。

 

 

「漸く会得したウルツァイトハイパワーをさらに限られた僅かな時間で超えるのはまず不可能!故に私はこの技を可能な限り強化する方法を試行錯誤し、その結果導き出したのがこの技を放つ時のみ四肢にウルツァイトハイパワーを集約、限定的に出力を上昇させる方法だ!!」

 

 

その輝きは尚も増し続け、レジェンドをも飲み込んでいる。

それを見たキン肉マンは顔を青ざめさせながら叫んだ。

 

 

「いかん!!悪魔将軍は本気でレジェンドを殺す気だ!!」

 

「「「「「!?」」」」」

 

 

キン肉マンの言葉に本気で焦り始めるリアスらであったが、ザ・マンが冷や汗を垂らしながらも制して説明する。

 

 

「……それだけの覚悟で望まねばレジェンドマンは()()()()。ゴールドマンはそう感じたのだろう。倒す気程度では自身が倒されるだろうとも感じてな。事実、先の九所封じもかけている最中に大技の反撃を叩き込んでくるようなレジェンドマンだ。一瞬のスキでさえ逆転決着の糸口を与えてしまう以上、それをさせないためにも完璧な一撃を叩き込みK.O.するしかない」

 

「でも……でも、もし本当にレジェンド様が……!」

 

 

ザ・マンの言葉を聞いたアーシアは涙ながらに言葉を振り絞る。

そんな彼女を気遣いつつ、カナエが優しく諭す。

 

 

「アーシアちゃん、大丈夫……って私が闘ってるわけじゃないから安易に言えないけど、信じましょう?レジェンド様を」

 

「カナエさん……はい」

 

 

しかし、そんな彼女らの希望さえ打ち砕くかのような、さらなる衝撃を悪魔将軍は巻き起こす。

 

 

『なっ……何だー!?落下速度が徐々に速くっ……』

 

『あれは……まさか加重力かっ!?』

 

「「「『『!?』』」」」

 

 

レジェンドが得意とする加重力戦法を悪魔将軍が使ったのである。

 

 

 

 

 

ゴ オ ォ ォ ォ ォ

 

 

「レジェンドよ、この技がこのファイトにおいて私の最後にして最大最強の技だ。もしお前が真に私の上を行く存在だと言うのなら――」

 

 

悪魔将軍のウルツァイトハイパワー・フィニッシュチャージによる輝きと炎は最高潮に達し、光の神さえも霞む程のものとなっていた。

 

 

「これを乗り越えて見せろ――っ!!」

 

 

そして悪魔将軍はレジェンドの首にかけていた左脚の上に右脚を乗せ、さらに右肘で押さえつけつつ加重力によって最終加速し――

 

 

「地獄の断頭台・改、神威の断頭台のさらなる進化形!!」

 

 

キャンバスへの激突の直前に、残る左腕をその右腕へ上から握り拳で凄まじい速度で振り下ろす事でより強く、より深く、激しい衝撃とともに押し込む!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「 神 滅 の 断 頭 台 ! !」

 

 

ガ ガ ァ ァ ァ ァ ァ ン ! ! !




悪魔将軍の切り札炸裂!!
レジェンド、まさかの敗北!?

二択決定戦! シン一人乗りする最終ゲッターはどちらだ!?

  • 真ゲッタードラゴン(大決戦版)
  • 真・ゲッター1(スパロボα仕様)
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