ウルトラマンレジェンド Episode.CROSSOVER 作:ハジケハムスター・ポッポ
地獄のタッグマッチ編、ついに決着です。
ちょっと走り気味なところもあったけど、そこは本作のご愛嬌ということで。
ついでにちょっぴりゲストも出演。
それでは本編をどうぞ。
「 神 滅 の 断 頭 台 ! !」
ガ ガ ァ ァ ァ ァ ァ ン ! ! !
悪魔将軍の技が炸裂し、光が爆ぜた。
その光は会場から溢れ出し、天にさえ届かんばかりの光の柱さえ発生させた。
何かが割れる音と共に光が収まった時、観客達の目に入ったのは両手両膝をついて苦しそうに息をしている悪魔将軍と、仮面こそ割れていなかったがコスチュームの首元が完全に粉砕され、仰向けで倒れて微動だにしないレジェンド。
「ま……まさか……」
「敗けたのか……レジェンドが……!?」
誰もが信じられないような状況の中で、辛うじて声を出したのはスグルとアタルのキン肉マン兄弟だ。
倒れたまま動かないレジェンドを見ながら、タイガやレイトもまた愕然としつつ声を絞り出す。
「そ……そんな……!」
「おい、ウソだろ……あのデタラメな師匠が……!」
衝撃のあまり、レイトが普段は殆どそう呼ばない師匠呼びになってしまう程である。
『こ……これはやはり……!』
『悪魔将軍の新技、神滅の断頭台は完全に極まっていた……』
『ああ、間違いない……』
ゼットも眼前の光景を信じられない様子で、テリーマンとジャスティスマンはそれを信じざるを得なかった。
鬼灯は一度目を伏せ、決意と共に宣言する。
『勝負あり!!この闘い――
「待て!!!」っ!?』
しかしその宣言を止めたのは悪魔将軍。
あまりの迫力から鬼灯さえ驚き、言葉を中断してしまう。
「まだだ……」
「「「『『『え……?』』』」」」
「まだレジェンドは
悪魔将軍の発言に動揺が広まる。
多少は落ち着いたのか、肩で息をしつつフラつきながらもどうにか立ち上がった悪魔将軍はさらに言葉を続けた。
「今の我らにとって、ただリングに倒れただけでは倒した事にはならん……相手が敗北宣言するか、もしくは……相手が死した時のみ、真の決着がつく。そうだろう?レジェンドよ……」
「身動き取れず……声も出せない時は……死亡扱いになるんかね……冗談キツイぜ、くそったれ……!」
「『!!』」
レジェンドが声を出した。
苦しそうにではあるが、しっかりと。
「う……ぐ……」
震えながらも必死に起き上がろうとするレジェンド。
受けた箇所が箇所だけに力が思うように入らず、少し起き上がっては倒れを繰り返している。
「さすがに……今のは……本気で……意識飛んでたぞ……!」
「ザ・マンを下した神威の断頭台……それを発展させた神滅の断頭台をまともに受けてその状態の時点で、お前は明らかに異常だがな」
「やかましい……!1200%のオーロラルレジェンドプロテクションを無理矢理ブチ抜いて……苦しそうにしていただけのお前が言うか……!」
やっとの思いでレジェンドも立ち上がり、喉元を押さえながら息を整えようとする。
その姿を見て会場は再び凄まじい熱気に包まれた。
『たーっ!?たたた立ち上がったあああああ!!レジェンド超師匠、あの間違いなく必殺の一撃をモロに直撃したにも関わらず大復活ー!!』
ワアァァァァァ!!
『タフなんてもんじゃないぜ、あれは……!』
『体力はほぼ限界、おそらくは殆ど精神力だけで立っているのだろう……決して折れぬ、鋼の精神で!!』
☆
――京都・八坂の屋敷――
「光神様が!光神様が立ったのじゃー!!」
「なんかアルプスの少女みたいな台詞だな」
「おいそれ俺にツッコめってか?ていうか何でお前までここにいるんだよガイィィィ!!」
「細かい事言うなよジャグラー。俺だってレジェンドさんの本気の闘いは見たくてしょうがなかったんだ」
かつて共闘した縁で、八坂・九重の九尾母娘の屋敷にお呼ばれして試合観戦していたジャグラー……とウルトラマンオーブことクレナイガイ。
勿論、京都に住まう妖怪が大集合して観戦中だ。
……ついでにガイはレジェンドの復活に合わせて10本目のラムネを開けていた。
「毎回毎回どんだけ飲むんだよお前は」
「そういうお前も牛丼食ってるだろ」
「俺のは自分で作ってるからいいんだよ。つかソレ俺が持ってきたやつだろーが!!」
そんな言い合いする二人にかつての出来事による険悪さは無く、むしろ「喧嘩するほど仲が良い」感じである。
「ったく」と言いつつ視線をモニターに戻すジャグラー。
ガイは八坂に対して「騒いでスイマセン」と謝っていたが、八坂は気にしなくて良いと微笑みながら応えた。
軽く礼をしつつ、ガイもまたモニターに向け最終局面となるレジェンドと悪魔将軍のファイトを見逃すまいと真剣な表情になる。
☆
――冥界・とある悪魔の屋敷――
「くそおおおっ!!俺はなんて馬鹿なんだ!!『どれほどのものか見極めさせてもらおう』などとこの御二方に対しておこがましい考えでチケットを買おうとさえせず、生中継で十分だと高を括っていた少し前の自分を叩きのめしてやりたい!!」
屋敷でそう吠えていたのは若手悪魔No.1と言われるサイラオーグ・バアル。
滅びの力どころか魔力さえ持たずに生まれた彼としては、鍛え抜かれた力と技で闘うレジェンドと悪魔将軍が正しく己の望む理想の姿であった。
「リアスや彼女の眷属はあの光神レジェンド様の眷属とも呼べる人物らに鍛えてもらっていると聞いた。ならば俺は!!」
何かの決意を込め、モニターから目を離さずにサイラオーグは遠出するような準備を始める。
漸く見つけた、師と呼ぶべき人物の元へ自らの眷属らと共に赴く為に。
「不正の規模があまりに大き過ぎてレーティングゲームは無期限中止……だからといってぬるま湯に浸かる気はない!俺はあの御方の元でさらに自分を鍛えるぞ!!……その前にこの闘いはちゃんと最後まで見なければ」
そうして視線をモニターから離さぬまま手を動かす彼の姿はシュールであった。
☆
生中継を見ている各所で盛り上がる中――
「お前の技には耐えた……!次は……俺の番だ……!」
激痛に苛まれながらもレジェンドは闘志に満ちている。
悪魔将軍が最強の技を出したならば、自分もまた自身の持ちうる、ウルティメイト・ギガバスターをも超える最強の
「その前に……一つ聞いておく。先のウルツァイトハイパワー……まだ発動可能か……?」
「当然だ。もっとも……そう長く維持出来る状態でもないが」
「それでいい……生憎と今の負傷状態では加減が出来んのでな……もし発動出来ないのならばマッスルスパークを使う他なかった」
レジェンドは満足げに言うが、キン肉マンを始め超人達は「むしろそんな状態で平然とマッスルスパークを放とうとする時点でおかしい」と思わざるを得なかった。
そもそもマッスルスパーク……しかもキン肉マンが完成させたクラッチ技の方は特に身体に凄まじい負担がかかる。
そんな技をレジェンドが最強の
ちなみに無惨とコカビエルは呵責が主軸なので除外する。
「いいだろう……お前は今の私の持ちうる最強の技に正面から挑み、そして耐えた。ならば今度は私がお前の技を受け止めよう。ふざけた技ならば今度こそ葬るぞ、レジェンド……!」
「分かっているさ……!最初に言っておく、これはゼットがゴブニュに放ったゼスティウムバスター同様、俺一人では辿り着けなかった技だ!」
「ならば……!ウルツァイトハイパワー!!」
再び悪魔将軍の身体が金色に輝き黄金の炎を纏う。
それを確認したレジェンドは遂に動く。
その身体は、先程までと違い銀色の闘気に輝いていた。
「あれは……っ!」
カナエがそれに気付くも、レジェンドは悪魔将軍をダブルアームで捉える。
『おおっとこれは悪魔将軍さん得意のスピン・ダブルアームか!?』
「うおおおおお!!」
鬼灯の言葉通り、レジェンドはスピン・ダブルアームにより回転し、空中へ放り投げるまで全く同じ動作だった。
『どういう事だ!?まさか、レジェンドも同じ技を……』
『いや、だとしたら先のスピン・ダブルアームの威力が低すぎる!何か別の……あれは!!』
解説二人もレジェンドの動きが予想出来ず、様々な推測を立てていたがジャスティスマンが何かに気付く。
「私の技の模倣か、それともより強化したもので放つか……!いずれにしても拍子抜け……!?」
「セイヤァー!!」
「ヌウッ!?」
『あのセットアップは!!』
『れっ……連続腹筋ブリッジによる打ち上げぇ!?何だあのムーブはぁぁぁ!?』
『間違いない!アロガントスパークに似てはいるがマッスルスパークの方だ!!』
『ますますどうなってんだ!?スピン・ダブルアームからのマッスルスパーク!?』
腹筋ブリッジによる相手の抵抗力を奪うムーブはマッスルスパークやその原型ともなったアロガントスパークのスタートムーブだ。
そしてその後に続くのは――
「セイヤァーー!!」
ガキィィィィィッ!!!
「グハァッ!!」
レジェンドは悪魔将軍の首を右脚で、右脚を左脚で、両手首を両手で固定しエビ反りになるようにクラッチする。
これこそキン肉マンが完成させた『マッスルスパーク天』である。
ここから体勢を変え地面に叩きつけるように落下する『マッスルスパーク地』をもってマッスルスパークは完全なものとなるのだが……
『やはりマッスルスパークか!!』
『だがスピン・ダブルアームからさらにマッスルスパークの下準備の為のセットアップで普段よりも遥かに高い位置にいるぞ!!先のセットアップも通常より回数が多かった!まだレジェンドは何かを隠している!!』
そうジャスティスマンが言った瞬間から、それは起こった。
なんと、レジェンドが無数の残像を残す程の速さで数多の技を悪魔将軍にかけ始めたのである。
タワーブリッジ、パロスペシャル、テキサス・コンドルキック、キャメルクラッチ……どれも観戦に来た超人達が得意とする技の数々。
「今、この闘いを見ている全ての者に告げる!この技は俺の最強の
「『!?』」
その時点では誰も意味が分からなかった。
奥義であるならばいずれは完成する、させたいと思うのが普通だろう。
だというのに「完成させてはならない」奥義とは何なのか。
それは今も空中で技を繋げ続けているレジェンドの行動にこそ答えはあった。
「何故ならばこの奥義は即ち『友情の絆』そのものだからだ!!」
「『友情の絆!?』」
「たとえ俺との関わりを持ち、不老不死でなく不老長寿となった超人達もいずれは生を終える時が来るだろう!そして各々の魂や技……心は後継者へと受け継がれていくはずだ!だがそれらを未来へと受け継がせる事は出来ても、やがて記憶は消えていくかもしれない!!」
レジェンドの言葉を誰もが黙って聞いている。
「だからこそ、完全な不老不死である光神の俺がしなければいけない事はその英雄達が生きた証を忘れず、その生き様を後世へと伝え続ける事!そしてこの奥義はそれを形と成したものであり、これから生まれてくるまだ見ぬ超人達もまたこの技に刻まねばならぬものだ!!」
そしてこのレジェンドの言葉を聞いたキン肉マンは理解した。
何故完成させてはならないのかということを。
「そうか……あのレジェンドの奥義とやらの完成……それは即ち友情をそれ以上紡がないということ!完成しないという事は過去から未来へ、世代を超えて友情の輪が無限に広がっていく事を意味しているんだーっ!!」
キン肉マンの言葉にその闘いを見ていた者達がハッとする。
果て無き時を生き続け、そしてこれからも生きていくレジェンドによって世代だけでなく、世界を、次元を超えて紡がれ続ける超人達の記憶と技。
そこに込められた想いや願いも受け継がれ、受け継いだ者がさらに次の世代へ。
それを聞いたリアスは思う。
(そうよ……純血かどうかなんて関係ない。先人達から大切なものを受け継ぎ、後世へと紡いでいくことが重要なの。改めて分かったわ、今の悪魔に必要なこと。伝統が悪いのではなく、それだけに拘り続けるのがいけないのね)
リアスだけでなくソーナも、将来有望な若手悪魔の二人が理解してセラフォルーも頬を染めながらレジェンドの言葉にうんうんと頷いている中、やはりというか冥界で渋々観戦していた老害悪魔は全く理解していない。
この連中には近々ダンブルドアと、光神陣営の中でもレジェンドに匹敵する規格外によって粛清されるのだがそれはまた後日に。
そして技を極め続けたレジェンドは、先程とは両手以外間逆…悪魔将軍の首と右脚をそれぞれ左脚と右脚でクラッチする2回目のマッスルスパーク天である『マッスルスパーク反天』を見せた。
「セイヤァーーッ!!」
ガカァァァァァ!!!
「グッ……グウッ……!」
『クラッチ技のマッスルスパーク2回目だと!?』
『なんて奴だ!!あの技は全身にかかる負荷がハンパじゃない!!それをあれだけの連続技をあの速度で放って既に尋常じゃない負担が身体にかかっているはずなのに躊躇なく出来るなんて!!』
他の観客が大歓声を上げる中、キン肉マンとアーシアはレジェンドの身体に蓄積された負荷を懸念していた。
(いくらレジェンドでも、悪魔将軍の技を受け続けてダメージが溜まっているはず。その状態であのマッスルスパークを始め、あれだけの技を放てば当に限界など超えているはずだ。せめて……せめてこの闘いが終わるまでは頑張ってくれ!!)
(レジェンド様……どうか、どうか最後までご無事で……!)
遂にフィニッシュに入ろうとするレジェンドから、キン肉マンへ向けてメッセージが放たれる。
「キン肉マン!先程の答えはほぼ満点だが一つだけ加えなければならない事があるぞ!」
「なっ……何だってー!?」
「それは友情は無限に広がるが……その無限に広がる友情が齎す友情パワーは、無限をも凌駕するということだ!!」
「!!」
「そしてその名を冠した俺の最強の
レジェンドの奥義を締め括る最後の体勢、それは相手と背中合わせの姿勢で手足を固定し、相手の頭と体を地面に叩きつけるように落下するという『マッスルスパーク地』そのもの。
だがレジェンドはここに落下しながらその場で∞を描くような超高速回転を加え――
「
そして僅かに再度上昇するとその∞を貫くが如くさらなる超高速回転をしながら加重力を付与し落下する!!
「オーバー・ザ・インフィニティーッ!!!」
ズゴガァアアァァァッ!!!
「グアァァァァッ!!!」
レジェンドの『永遠に未完成』の奥義を受け、キャンバスに叩きつけられた悪魔将軍。
しばらくは両者そのままの体勢を維持していた。
『こっ……今度こそ決まったー!!レジェンド超師匠の奥義オーバー・ザ・インフィニティが悪魔将軍に決まったぁぁぁ!!』
ワアァァァァァ!!
……だが、悪魔将軍の拘束を解いてゆっくりと立ち上がったレジェンドは、そのままキャンバスへ音を立ててうつ伏せに倒れてしまう。
これに観客は騒然とする。
『な!?これはどういう事だーっ!?』
『まずい……!悪魔将軍だけでなくレジェンドにも遂に限界がきたんだ!!』
『それだけではない……!悪魔将軍はともかくレジェンドの様子がおかしいぞ!!』
「う……ぐ……がっ……!」
これには一誠やタイガも混乱していた。
彼らだけではなく超人らもだ。
「ど……どうなってんだよ!?決めたのはレジェンド様の方だろ!?」
「あの苦しみ方は普通じゃないぞ!?」
「……『身勝手の極意』。その反動よ」
「「「「「身勝手の極意!?」」」」」
カナエの呟きに近くの全員が聞き返す。
「リアスやしのぶ達も見た事があるでしょう?レジェンド様が銀髪になって凄まじい闘気を纏っていたのを」
「レジェンド様が銀髪って……!……あ」
プール掃除の時である。
「……プール掃除……」
「「「「「あ」」」」」
「「「「「いや何でプール掃除!?」」」」」
超人達総出のツッコミを受けたが、この中の面子ではカナエ以外だとレイトとリク、それにアーシアはそこ以外でも見た事がある。
ゼノヴィアとイリナがアーシアを侮辱したあの日、サーガらが必死に止めていたアレだ。
「そ、それでその極意はどういうものなんだ!?」
「私も詳しくはよく分からないけれど、発動中は身体が勝手に動いて無限に進化していくって。常時発動も出来るけど、レジェンド様は素の能力が規格外過ぎて普段は必要ないとかであまり使いませんけど」
ぶっちゃけ変なところで使いまくっているが、それはこの際置いておく。
「まるで火事場のクソ力だな……話を聞く限り攻防共に増していくようだが」
「ただ、デメリットとして極度の気の消耗に加えて凄まじい激痛が全身に降りかかるらしいんです。レジェンド様は体調が万全なら多少疲れる程度で済むみたいですが、今日は……おそらくダメージを始め様々なマイナス要素が蓄積された結果、本来のデメリットが発生したんじゃないか」
周囲の殆どは納得したが、まだ横文字に疎い小芭内と蜜璃は若干混乱していた。
しかし、そうこう言っている間もレジェンドは内側からくる激痛に必死に堪えている。
「ぐっ……くそ……最後の最後で……っ……!」
「…………どうしたレジェンド。いつまで這いつくばっている」
「……!!」
大の字に近い格好で仰向けのまま動かない悪魔将軍が静かにレジェンドに語りかける。
「お前は私を倒した。だがまだ倒されてはいない。意味は分かるな?」
「悪魔将軍……」
「私はこの通りお前の奥義を受けてもはや身動き一つ取る事が出来ん……見事な奥義だった」
レジェンドは痛みに堪えつつ悪魔将軍の言葉を聞いている。
「だが、私と同じように地に伏している者に勝利を渡す程、私は甘くない。お前が勝者だと言いたいならば……立ち上がれ!ウルトラマンレジェンド!!」
「……!!」
悪魔将軍からの激励とも言うべき言葉。
それに衝撃を受けたレジェンドだが、それで終わりでは無かった。
レージェンド!!
レージェンド!!
レージェンド!!
会場中から巻き起こるレジェンドコール。
その中には実況である鬼灯やゼット、解説のテリーマンやジャスティスマン、そしてリアスらや超人達は勿論、あのザ・マンやネメシスも共にコールしている。
そして、レジェンドらに聞こえはしないが生中継を見ている者達もだ。
いつの世も自分達を奮い立たせてくれる声援に、胸が熱くなるレジェンド。
そんな彼の最後を後押ししたのは、今日この場で相対した最強の
「お前はスーパーヒーローだろう。ならば……応援には応えるのが礼儀ではないのか?」
「……ああ……そうだっ……な……!」
身を焼くが如く収まらぬ激痛に堪え、レジェンドは必死に立ち上がった。
足がガクガクと震えているという普段ならいくら外見が良くとも格好良いとは言えないその姿は、先の激戦を制した後では名誉の負傷と誇っていいものだ。
立ち上がったレジェンドを確認した悪魔将軍は満足そうに言葉を紡ぐ。
「改めて言おう……見事な奥義だったぞ、レジェンド。この闘いは私の敗け……
お前の勝利だ、レジェンド……!!」
ワ ア ァ ァ ァ ァ ァ ! ! !
『今!この激戦の勝者が決定しました!!最後の勝利者は……ウルトラマンレジェンドーッ!!』
鬼灯の言葉にさらなる大歓声が上がり、同時にレジェンドも膝から崩れ落ちた。
そんなレジェンドに――
「レジェンド!!」
「レジェンド様っ!!」
キン肉マンとアーシアがリングに入って駆け寄り――
「将軍様!!」
同じタイミングでバッファローマンが悪魔将軍へと駆け寄る。
うつ伏せと仰向けになった二人は漸くついた決着に安堵しているのか、微動だにしない。
レジェンドはまだ少し呻き声を上げているが。
大歓声を上げながら観客が見守る中、三人はレジェンドと悪魔将軍を助けるべく行動を開始する。
「バッファローマン!出来る限りレジェンドと悪魔将軍を近づけてくれ!ついでにレジェンドを仰向けにしてくれると助かる」
「任せな!将軍様、もう少しの辛抱です!」
「……バッファローマン……」
バッファローマンが二人を並べ、言われた通りレジェンドを仰向けにする。
「ようし完璧だ!さて、アーシア。あとは私と君の仕事じゃい!」
「はい!」
アーシアはレジェンドと悪魔将軍の頭側に回り、目を閉じて精神を集中させる。
(卯ノ花先生に教わった回道と、神器の力を合わせて……)
アーシアを中心にレジェンドと悪魔将軍を包み込むような穏やかな光が溢れ出し、それを合図にキン肉マンは奇跡の業を披露する。
「フェイスフラーッシュ!!」
素顔に見えたそれは
かつて、精神世界でその輝きに傷を癒やされたゼットは尊敬の念をキン肉マンに向けていた。
アーシアとキン肉マン、二人の能力によってレジェンドと悪魔将軍は完全ではないもののある程度回復し、ゆっくりと上半身を起こす。
「レジェンド様、大丈夫ですか!?」
「ああ……ありがとうアーシア、スグル…とはいえもうしばらくはまともに動けんな……」
「うーむ、レジェンドは超人達の神という意味で超神ではなく、神を超えた存在という意味で超神だからな。増幅フェイスフラッシュでも完治までいかなかったのかも。ん?じゃあ悪魔将軍は?」
「俺の超強化防御を力技でブチ抜いてくる奴が神レベルで収まってるとは思えんな」
「そうじゃのう!ハッハッハー!!」
大きく笑うキン肉マンに、仮面で分からないがレジェンドも漸く安堵の笑みを零し、その雰囲気を感じたアーシアも柔らかく笑う。
キン肉マンに肩を貸され、アーシアに支えられつつ立ち上がったレジェンドの前に、同じくバッファローマンに肩を貸されながら立ち上がった悪魔将軍がいた。
未だかつての恐怖から悪魔将軍に苦手意識があったキン肉マンは一瞬驚いてビクッとしたが、さすがにレジェンドもいる事ですぐに落ち着く。
「レジェンドよ」
「どうかしたか?さすがに明日くらい休みは貰えるだろうが地獄での仕事は中々にハードだぞ。出来るだけ早めに休んだ方がいい」
「分かっている。だがまだ私にはやるべき事が残っている……!」
そう言って悪魔将軍は空いている右手でレジェンドの左手首をガシッと掴む。
それを見ていた観客らは激しく動揺し、レイト達はいつでもレジェンドらの援護に向かえるように身構える。
……が、それは無意味だった。
「悪魔には悪魔の矜持がある。死力を尽くし、正々堂々と勝利を手にした者には――」
悪魔将軍は自身の右手でレジェンドの左手を――
「それを心から称えるのが私の矜持だ」
ゆっくりと、空高く掲げた。
威風堂々――まさにその言葉が似合う程、闘いに敗北したというのに悪魔将軍はレジェンドに負けないくらい輝いていた。
光神相手に互角とも言える闘いをし、地に伏したレジェンドを激励して立ち上がらせ、そして今……勝者たるレジェンドを祝福。
この生中継を見ていたサイラオーグが感動のあまり号泣する程、悪魔将軍はレジェンドと共に『ヒーロー』であった。
パチパチパチパチ……
どこからともなく拍手の音が聞こえ、レジェンドらがそちらを向くとザ・マンが涙を堪えつつ笑みを浮かべて惜しみ無い称賛の拍手を送っていた。
それに続き、ネメシスやシルバーマン、実況席のゼット……次々に拍手が送られ、観客らからはレジェンドコールのみならず悪魔将軍コールも聞こえてくる。
最高の友の肩を借り、巫女に寄り添われながら、同じく後継者に肩を借りた好敵手から勝利の祝福をされし光神――
最後の最後まで感動を与え続けた栄光ある二人の超人と、それを支えた者達。
この闘いは、魔闘地獄最初にして最高の闘いとして永遠に語り継がれる事となる。
想い、願い……数え切れないものを、未来へ――
地獄のタッグマッチ編、堂々完結!!
二択決定戦! シン一人乗りする最終ゲッターはどちらだ!?
-
真ゲッタードラゴン(大決戦版)
-
真・ゲッター1(スパロボα仕様)