ウルトラマンレジェンド Episode.CROSSOVER   作:ハジケハムスター・ポッポ

191 / 301
お待たせしました。
いよいよ本章も佳境、ゴーデスとの決戦準備です。
準備ということで色々ありますが、ここで語るより読んでもらった方がいいかも。


それでは本編をどうぞ。


誓いを君に

 ゴーデスの居場所が判明した――

 

 その放送を聞いたダイブハンガー在住の光神陣営やリアス以外のオカ研メンバーらなどは所定の場所に集合していた。

 正確に言うとオカ研メンバーでウルトラマンと直接関係があるのは一誠だけなのだが、他の部員がどうしてもという事でオーフィス共々レジェンドが許可。

 タイミング良く帰って来た矢的も交え、指令室だけでもかなりの大所帯だ。

 

 現在、指令室にいるのは放送室から移動してきた束と機体整備を一先ず終えた大黒柱のレジェンドを筆頭に、ゲンや矢的らウルトラ戦士、カミナやオルガを始めとした神衛隊重鎮、そしてリアスの治療に当たっているレジェンド一家医療班を除く面々とオカ研メンバー。

 

 コジローを始めとした整備班は格納庫に、ニアや恋雪ら基本的に非戦闘員なメンバーやクロガネの一般クルーなどはリフレッシュルームで参加している。

 

 

「さてと!とりあえず主要メンバーは揃ったね!」

 

「リアスの容態の事もある。時間も押してる以上、二度は言わん。一字一句聞き逃すなよ」

 

 

 いつになく真剣なレジェンドの表情と声色は集まった者達が気を引き締めるには申し分ない迫力だった。

 その雰囲気に満足した束は指令室のモニターに世界地図を映す。

 

 

「旦那、世界地図って事はゴーデスの奴は分散してるのか、それともとんでもなく分かりにくい場所にいるって事で間違いねえな?」

 

「ああ、そうだ。オルガの言うように今回は後者……おそらくウチの機器を使わなければ発見出来なかった場所だ。分散、という意味ならば先日までだな」

 

「つーと何か?今は一箇所に集中してんのか」

 

「そうだよキーくん。レジェくんやジャっくんの話だとゴーデス細胞は一体の怪獣に集中させた後、その怪獣が倒されてから再度別の場所で新たなゴーデスの肉体を構築するらしいんだよね」

 

 

 オルガとキタンの疑問にレジェンドと束がそれぞれ丁寧に答える。

 ならばバランガスを倒さなければ……と誰もが思ったが即座にそれが間違いだと考え直す。

 放っておけば毒ガスは撒き散らされ、下手すればゴーデス細胞もまたあちこちへと撒き散らす可能性もあったのだ。

 

 

「ウチ……って言うと光神陣営の機器よね。でもそれだけで見つけた場所がゴーデスの本拠地とは言い切れないんじゃ……」

 

「ラフタ、ラフタ、ここにいる二人の凄腕隠密機動部隊をお忘れかにゃ?」

 

「ま、確たる証拠は儂らではなくもう一人の方が掴んだんじゃがな」

 

「あ、だから今朝居なかったのか!」

 

「この際、どうやってそんな早く調査終わらせて帰ってきたのかは聞かないでおく」

 

 

 今度はラフタの疑問に黒猫ツインズが答え、不在理由に合点がいったフーマや突入と帰還に転移装置を使っていたとは思ってもいない昭弘も続く。

 しかし気になるのはそこだけでなく……。

 

 

「もう一人って誰?」

 

 

 三日月が気になるのは最もだ。

 自画自賛だったが確かに黒歌と夜一はレジェンド一家ベストコンビの一角である。

 それ以上の調査能力を持つという人物とは何者なのか。

 

 

『それは本人から詳細含めて話してもらった方がいいだろ』

 

「「「「「おやっさん!」」」」」

 

 

 格納庫から通信でコジローが口を挟む。

 

 

『今後はこいつらも参加出来るよう、別のブリーフィングルームも増設した方がいいな、レジェンド様』

 

「そうだな、この戦いが終わって異世界修行中に増設プランを考えておく」

 

『御配慮感謝します。レジェンドチーフ』

 

「「そ……その声はぁぁぁ!?」」

 

「紹介しよう。九極天や神衛隊とも違う、ガッツィー・グランド・ガード……通称GGG(スリージー)の諜報部及び機動部隊所属――」

 

『ボルフォッグです。以後、宜しくお願いします』

 

 

 コジロー共々モニターに映ったのは忍者のようなロボット。

 ある宇宙での決戦後、レジェンドに救出されて以来『勇気ある、大いなる守護者』という意味の新たな名を貰い、現在はレジェンドお抱えの組織として次元間レベルで活躍中の組織から先行して着任した心強い援軍。

 それが超AIを搭載した『勇者ロボ』の一機である彼の正体である。

 

 

「ホログラフィックカムフラージュという特殊な機能を持ったボルフォッグと仙術による隠行が得意の黒歌、そして隠密機動元総司令官の夜一……この三名による潜入調査によって、ある場所にゴーデスが潜伏している事が確認された」

 

「黒歌姉様、夜一姉様……それにボルフォッグさん、お疲れ様でした」

 

『私は私のすべき事を成しただけに過ぎません。しかし、その労いの言葉はありがたく受け取らせて頂きます、白音隊員』

 

 

 隊員?とぱちぱち目を瞬きしながら首を傾げる小猫に黒歌やカナエが可愛い可愛いと悶えていたが、夜一としのぶに拳骨貰って別の意味でも悶え出した。

 

 

『役職付きで呼ぶのはコイツの癖みたいなモンだ……けどな、同時に役職付きで名前を呼ぶのはコイツが信頼してる証拠でもある』

 

「そうなんですね!私も宜しくお願いします、ボルフォッグさん!」

 

『こちらこそ、アーシア巫女』

 

 

 レジェンドの巫女という重要な立場のアーシアは、やはり巫女呼びだった。

 すぐさま役職名を付けられるあたり、超AIとはいえ頭脳は相当な切れ者らしい。

 何名か「自分はどう呼ばれるのか」と気になっている者がいるが、事態が事態なので今回はとりあえず置いておく。

 

 

「で、気を取り直してだ。どうしてそこにゴーデスがいるって分かったんだ?」

 

『順を追って説明します、オルガ団長。この二つを見比べて見て下さい。まず普段の世界地図はこちら』

 

 

 ボルフォッグが出した世界地図の、ある部分を映す。

 

 

「見事に海だけだな……」

 

「まさか……海中とか」

 

『いえ。続いて、この地図に光神陣営で使われている機器で作成された別の世界地図を重ねます。島や大陸等を色分けしているのですぐに違いが分かる筈です』

 

 

 ボルフォッグの言う通り、普段の地図では何もない場所に島が存在しているのが確認された。

 

 

「あ、何かある」

 

「ミカはいつも通りの反応だな……しかしまたえらく辺鄙な所に潜んでやがる」

 

『この島はこの世界の時間で僅か数日前に出現しました。外見上は岩壁が多く存在し、自然の少ない島ですが……私が得た内部の映像を御覧下さい』

 

 

 ボルフォッグの報告の時点で色々怪しさ爆発の島だが、彼が入手した島内部の映像で確信に至った理由が判明する。

 

 

「何だ、これは……!?」

 

「濁った緑色に発光しながら、蠢いてる……」

 

「おそらくはゴーデス細胞が充満しているんだろう。これを見越して黒歌と夜一には島表面の調査をさせたな?」

 

『その通りです、レジェンドチーフ。ある程度予測出来ていましたし、この身体ならばゴーデス細胞に感染することが無いという点を利用して少々奥まで調査を敢行しました。無茶をした部分は謝罪します』

 

「「「「「!?」」」」」

 

 

 レジェンドとボルフォッグの言葉に当の二人はどころか殆どの者が驚きを隠せない。

 彼は元々「万が一、自分が合流地点に所定の時間にいなければ先に携帯用転移装置で帰還して下さい」とまで黒歌と夜一に伝えていた。

 戻れない覚悟もした上でレジェンド達に有益な情報を届けるべく、命がけの深部調査を行ったのだ。

 正に勇者である。

 

 

「な……何でそこまで……!」

 

『先程も申し上げた通り、私は私のすべき事をしただけです。この任務は、隠密行動に優れると同時に機械の身体を持つ私にしか出来ないと判断しました。リアス研究部長が一刻を争う容態であると聞き、絶対に無駄足を踏ませてはならず、確証を得る必要があったのです』

 

「「「「「!!」」」」」

 

 

 ボルフォッグはまだ顔を合わせた事すらないリアスのためにこれだけの情報を持ち帰ったのだと知り、朱乃らはさらなる衝撃を受けた。

 そして彼女らのみならず、この事に感銘を受けた者達がいる。

 

 

『ご安心下さい。ゴーデス細胞は私の身体に付着してはいませんので』

 

「やるじゃねえかボルフォッグ!お前のその決死の覚悟、この『紅蓮』団長のカミナ様がしかと受け取ったァ!!あとなんか俺と声似てるし」

 

「何で最後だけ普通のテンションになるのよ!?」

 

「だが、ボルフォッグがそこまでやって手に入れてくれた情報を無駄にするような真似は出来ねえ!『羅巌』メンバーは全員この島に乗り込むぜ!!」

 

 

 カミナとシモン率いる超次元グレン団である。

 

 

「おいおい、カミナ達のガンメンだけでそこまで行くのは一苦労だし時間的にも厳しいだろ。クロガネで近場まで転移して一気に殴り込みと行こうぜ」

 

「あの時の鳥モドキの元凶か。潰していいんだよね」

 

「おう、一切合切容赦いらねえ。本気でブッ潰せ、ミカ」

 

 

 鉄華団の団長のオルガや戦闘隊長の三日月も俄然やる気だ。

 もはや彼らの腹は決まっている、と言っていいだろう。

 実際、彼らをここに招集したのは突入作戦の決行とその時刻を通知するためだった。

 これならば心配は無用、そうレジェンドは判断し最終確認を行う。

 

 

「今更聞くのはどうかと思うが、今回の作戦は今までとは別次元の難易度となるだろう。リアスの身体のタイムリミット、ゴーデス細胞の危険性、島のまだ見ぬ脅威、そしてゴーデスそのものの戦闘力……降りかかる困難はこれらだけとも限らん。それを承知でゴーデスとの決戦に望む者は今から俺と束からの作戦概要を聞け。事が事だけに無理強いをする気は無い」

 

 

 しかし、指令室だけでなくリフレッシュルームや格納庫も含めて誰もが引く気はなく、むしろドンと来いといった雰囲気を醸し出している。

 レジェンドはふ……と小さく笑って目を伏せた後、再び真剣な表情で作戦の説明を開始した。

 

 

「まずは俺達ウルトラマンが先行して件の島に上陸・突入する。この作戦において俺とレイト……ゼロは機動兵器にて参加する事になる」

 

「いよいよ相棒のデビュー戦か!ここ一番の大勝負、ヘマするワケにはいかねえな!」

 

「これは俺のネオ・グランゾンの空間転移能力とゼロのダブルオーザンライザーのトランザム時の量子化能力が関係している。俺の機体に関してはまだ出力調整が途中なため、出力の殆どを空間転移に回す事である程度の範囲の機体を纏めて目標地点に転移させられる。その為だ。現地に到着後、俺は他の突入組の援護に回る」

 

「んで、ダブルオーザンライザーの方はその性能もさる事ながら量子化による移動が肝なんだよね。あの感じから島内部だと機動力制限がかかりそうだけどダブルオーザンライザーならその能力のおかげである程度自由に動けるの」

 

「おう!その為の訓練はしっかりこなしてきたぜ!変身時は相棒を仕舞うけどよ、いざとなれば自動操縦も出来るからな!」

 

 

 なお、実のところネオ・グランゾンの出力に関しての問題は相変わらず『異常に高過ぎる』ことであり、レジェンドが周囲への影響を危惧しているが故に調整未完の今回では出力制限している。

 逆に言えば、周りへの被害を度外視するというならば万全の戦闘が可能なのだ。

 ゴーデス以上に地球がエラい事になる為する気は無いが。

 おまけに出力問題もウルティメイトオリジン同様色々詰め込んだ結果というから笑えない。

 

 

「そしてゲン、矢的、ジャックはミライと共にガンフェニックストライカーに搭乗し、リク、そして一誠はアスカと共にガッツイーグルスペリオルⅢに搭乗、レイトのダブルオーザンライザーに同行しゴーデスの島内部へ突入だ」

 

「「「「「了解!!」」」」」

 

「ラジャー!!……ってスペリオルⅢ?チーフ、俺そんなの聞いた事ないんですけど」

 

「αスペリオルだけでなく、βとγも新造のスペリオル型にしたガッツイーグルの最新鋭機だ。αスペリオルだけバージョンアップして微妙にアンバランスだったガッツイーグルスペリオルの時よりも機体全体のバランスが取れた上、全性能が格段に上昇している」

 

 

 アスカはなるほどー!と感心していたが、同時にある疑問も発覚する。

 

 

「あれ?そういやサーガがメンバーに入ってない気が……ゼットやタイガ達はチーフや一誠が行くと必然的に来る事になるけど」

 

 

 そう、ウルトラマンであるサーガが出撃メンバーに入っていないのだ。

 レジェンドがゼットと一体化している今、単体変身可能な彼が不動の最強戦力なのだが……。

 

 

「……俺はダイブハンガーで待機だそうだ」

 

『!?』

 

 

 これにはレジェンド以外が驚きの表情になる。

 束も聞かされていなかったらしく、何で何で!?というような表情でレジェンドを見ていた。

 

 

「今まで言わなかったが、サーガは惑星レジェンド等の一部の場所以外では変身に条件がある。無理矢理変身する事も出来なくはないが、変身及びその維持にかかるエネルギーが尋常ではないため余程の場合を除き条件が揃った時のみ変身するようにさせている。そのためサーガには俺が不在のダイブハンガーで指揮を取ってもらうことにした。烈はリアスの治療と看病に付きっきりだからな」

 

 

 確かに他のウルトラ戦士が変身する中一人だけ……というのもあるし、卯ノ花が身動き取れない以上指揮を代わる人物が必要にもなるので生身でも戦えて指揮も可能なサーガが残る事になったのだ。

 

 

「とはいえ、残るのはサーガだけではない。そもそもゴーデスの島へ向かうのは俺達ウルトラマンを除けば神衛隊で機動兵器を運用出来るメンバーのみだ。加えてボルフォッグな」

 

「「「「「ええっ!?」」」」」

 

 

 これに声を上げたのは一誠以外のオカ研メンバーや元鬼殺隊の柱、加えてレジェンド一家の一部。

 

 

「お館様、何で私達は駄目なの!?」

 

「此度の戦いは少なくとも怪獣サイズの大きさの敵との戦闘が主軸となる。生身で戦うとなるとそれこそ東方不敗や悪魔将軍並の戦闘力は要るだろう。加えてゴーデス細胞を弾き返せるだけの肉体と精神力も必要だ」

 

 

 蜜璃の問いに返したレジェンドの回答は正に正論。

 実力的にとんでもない人物二人の名を挙げられては彼女らも黙るしかない。

 だが、レジェンドの回答の理由はそれだけではなかった。

 

 

「それにゴーデスかどうかは別として、俺達不在の間に何らかのアクシデントが発生した場合、対処せねばならない事も考えての事だ」

 

「道理でガリバーを扱える私がメンバーに入っていなかったわけだ。ウルトラマンに神衛隊まで総出となれば怪獣ないし宇宙人が現れた時、対抗出来るのは私くらいだからな」

 

「そういう事だ。一応ニアも機体はあるにはあるが、彼女自身が本来は前線で戦うような性格ではない」

 

 

 さらにロスヴァイセも束に及第点は出されているとはいえ、この作戦に参加出来るレベルには程遠い。

 実はもう一人、C.C.以外で機動兵器運用が出来て専用機を持つ者がいるのだがその人物もあまり前線に出ようとはしない。

 故に彼女しかアテに出来ないのである。

 

 

「さて……だいぶ話は逸れたがある程度必要な事柄は説明出来たな。先行する俺達ウルトラ戦士の出撃は今から5時間後、そして神衛隊は整備と補給を万全にした上で現地にて合流だ。皆十分に休息を取って体調を整えておけ。出撃後はミスの一つも許されん状況だ」

 

 

 周りを見渡した後、レジェンドは宣言する。

 

 

「本作戦はこれより『ゴーデス撃滅作戦』と呼称する!作戦決行までの過ごし方は各々に任せるが、作戦に支障をきたすような事だけはするなよ。整備班、キツいとは思うが各機を万全の状態に頼む」

 

『ああ、引き受けた!今は俺達が仕事する時だ。レジェンド様達はしっかり休んでヘマしないようにしておいてくれ』

 

「分かっている……すまんな、面倒かけっぱなしで」

 

『そこそこ長い付き合いだろう?慣れっこさ』

 

 

 そう笑いコジローは突貫整備するからと通信を切る。

 それから程なくして解散し、指令室に残ったのはレジェンドと束、それからレジェンドの膝に座っているオーフィスのみ。

 

 

「ネオ・グランゾンの調整もしたいが……さすがに休まんとマズいな、今回ばかりは」

 

「ここ最近徹夜続きでねぇ、束さんもちょっとだけお休みしないと……ふぁ……」

 

「んにゅ……」

 

「やれやれ、オーフィスはいつもと変わらずか。肝が座っているというか何というか……」

 

 

 苦笑しつつもレジェンドは片手でオーフィスを抱えつつ、フラフラしている束の右手を左手で握り指令室を出ると、申し訳なさそうな表情のグレイフィアが待っていた。

 

 

「レジェンド様、お休み前に申し訳ありません」

 

「どうした、グレイフィア。何か機器か機体に不具合でも起こったか?」

 

「……いえ、そうではありません。リアス様の容態を私からグレモリー家に伝えたところ、それを聞いた先方からの見舞いに来たいという要望を独断で許可しました」

 

「構わんよ。むしろ良くやってくれた」

 

「え?」

 

「家族の心配をするのは当然だろう。作戦を控えた俺の体調や精神状態を考慮してくれた事ぐらい俺にも理解出来るさ。こちらとしてもすまんが、連中の案内はグレイフィアに頼みたい。正直、ルミナシアはお前の妹だけあって安心なんだが、父親と兄だけは俺の頭痛の種にしかならん気がしてな……」

 

 

 溜息を吐くレジェンドに、かつて仕えていたグレモリー家の年長男二名の事を思い出したグレイフィアも頭が痛くなった。

 

 

「はい、勿論でございます。それから……御心労、激しく同意いたします」

 

「ちなみに俺の権限で迷惑の度合いによっては問答無用で叩き出す事を許可しておく」

 

「かしこまりました。ルミナシアと組んで徹底します」

 

 

 そう言って頭を下げたグレイフィアに、寝ぼけ気味な束が軽く声をかける。

 

 

「グーちゃんも、ちゃ〜んとお休みねぇ〜……」

 

「束様……」

 

 

 さり気ない気遣いに僅かに微笑んで下がるグレイフィアを見届け、レジェンドはオーフィスを抱き抱えつつ束の手を握ったまま自身の部屋で仮眠を取る事にする。

 

 余談だが、自室のベッドにはアーシアだけでなくまさかのスカーサハとクロエまでスタンバイしており、いつも以上にすし詰め状態になってしまった。

 

 ついでに例の如くオーフィスは寝ぼけつつも服を脱ぎ捨て、なんとスカーサハまでそれに倣ってしまい大変な事になった事も付け加えておく。

 束とクロエは別に脱がなかったし、アーシアも普通の(?)開け具合だったのは僥倖というべきか。

 

 ほんの僅かな、安らぎの時。

 

 

 

 

 先行部隊出発の時刻。

 

 神衛隊やオカ研メンバー、レジェンド一家以外にもソーナ達生徒会やアザゼル、そしてサーゼクスを始めとするグレモリー家も格納庫に集合していた。

 そこには移動式のベッドに横たわり苦しそうなリアスもいる。

 彼女自身がどうしても見送りたい、と卯ノ花に頼んで何とか許可されたのだ。

 しのぶや涼子らによってベッドで格納庫にやってきたリアスを見たジオティクスやサーゼクスの動揺は尋常ではなく、何度も大丈夫なのかとしのぶと涼子に問い詰めてはヴェネラナとルミナシアに本気の腹パンを叩き込まれ、強制的に黙らされていた。

 黙って心配そうにリアスの片手を握っていたミリキャスは良い子である。

 

 そして、遂にウルトラ戦士達が姿を見せる。

 

 まず、ゼットを伴って現れたレジェンドはとある科学者の色違いの服装に着替えていた。

 これを見た黒歌が「これもうレジェンド・シラカワにゃ」とか言っていたが、乗機も乗機だし納得である。

 強者感全開と断言しよう。

 

 ゲンや矢的、ジャックにミライ、そしてアスカは自分達が所属していた防衛チームの服装だ。

 特にゲンは志半ばで亡くなった同僚達の思いを背負う意味で一際闘志に漲っている。

 

 レイトはガンダムマイスター用のパイロットスーツを着用。

 機体が機体だけにグラハムとお揃いの……と思いきや、赤が混じったり胸部にはゼロのカラータイマーと同じ形状の装飾が施され、ヘルメットは銀色。

 まさに『ウルトラマンゼロ仕様』な特注品だ。

 

 リクはというと彼は普段と同じジャケット姿。

 だが元々遊撃隊以外では防衛チームに所属していた事もなく、専用機もまだ無い彼は逆に色々着飾るよりそのままの方が実に彼らしい。

 

 そして、トライスクワッドと共に現れた一誠はダイブハンガー縁のGUTS隊制服。

 かつてウルトラマンティガであったマドカ・ダイゴと、同じチームのヤナセ・レナが恋人関係にあり、今の一誠とリアスに似た部分が多いからと当時のGUTS隊で隊長のイルマ・メグミと同格だったレジェンドの許可を得て着用させてもらう事になった。

 

 彼らが勢揃いした光景、正に壮観。

 

 皆が見守る中、リアスの姿を確認した一誠とタイガは小走りに駆け寄る。

 

 

「部長……」

 

「……リアス」

 

「イッセー……タイガ……」

 

 

 弱々しい声ではあるがしっかりと二人の名を呼び、顔を向けるリアス。

 何とか右手を少し挙げると一誠がその手を握り、それに被せるようにタイガも握る。

 

 

「良く似合ってるわ……カッコイイわよ、イッセー……」

 

「部長……俺、いや俺達は必ず勝ってきます!」

 

「ええ……信じてるわ……タイガ、イッセーをよろしくね……」

 

「ああ!俺達とイッセーなら、ゴーデスに負けたりはしない!だからリアスも頑張れ!」

 

 

 互いに励まし合う三人を見て、サーゼクスを始めとするグレモリー家の面々は瞼が熱くなる。

 そしてそこに思いもよらぬ声が響き渡る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「水臭いじゃないか、俺を置いていくなんて」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ハッとその声がした方向に向くと、そこには一人の男が普段と変わらぬ佇まいで立っていた。

 

 

「ガイさん!」

 

「オーブ先輩!」

 

 

 そう、クレナイガイことウルトラマンオーブ。

 彼もまたゴーデスとの決戦と聞き、急遽京都からダイブハンガーへと駆けつけたのである。

 

 

「ガイ、お前も来てくれたか……!」

 

「遊撃隊隊長のゼロさんや先輩のダイナさん、それに後輩達が命がけの戦いに行こうとしているのにこの星にいて一人だけ遊んでられませんよ、レジェンドさん」

 

 

 レジェンドとガッチリ手を組み、レイトやアスカからは笑顔で肩を叩かれるガイ。

 

 

「待ってたぜ、勇者!」

 

「ガンフェニックストライカーの方は宇宙警備隊メンバーだ。っつーわけで、お前は俺やリク、一誠と一緒にガッツイーグルの方な!」

 

「了解……っと、ラジャー!」

 

 

 総勢13名……レジェンドはゼットに、一誠はトライスクワッドの誰かに変身するとしても凄まじいメンバーだ。

 ここにさらに神衛隊やボルフォッグが加わる。

 誰もがそのメンバーの豪華さに希望を抱く中、レジェンドはサーガと話し合っていた。

 

 

「先輩、言われた通りこちらも打てる手は全て打った。あとは間に合うかどうか……」

 

「いや、十分だ。良くやってくれた」

 

 

 レジェンドは優しい笑顔でサーガを労い、ポンと肩を叩く。

 

 

「ダイブハンガーを頼むぞ、サーガ。こちらは意地でも勝ちをもぎ取って帰って来る」

 

「わかった、任せてくれ」

 

 

 頷きつつ再度肩を叩くと、レジェンドは乗機であるネオ・グランゾンに向かいコックピットに入る。

 それを皮切りにレイトらもそれぞれの乗機へと搭乗していくが、ダブルオーザンライザーのコックピットハッチを閉じる前にレイトが叫ぶ。

 それは、かつて一体化したタイガ・ノゾムが決戦に向かう際にレイト――ゼロへと言った言葉。

 

 

「よぉーし!!

 

 勝ちに行こうぜ!皆!!

 

「「「「「おう!!」」」」」

 

 

 レイトの鼓舞に気合いの入った返事で返すウルトラ戦士、そして神衛隊とボルフォッグ。

 既にコックピットハッチを閉じていたレジェンドは目を伏せてフッと笑い、自身の中で他の者達と同じように返事をしていたゼットへ告げる。

 

 

「ゼット、一足先に出撃してあいつらを待つぞ。今からは気を引き締めろ。油断して勝てる相手ではない」

 

『了解でございます超師匠!』

 

 

 ネオ・グランゾンは重力・空間操作を得意とするだけありカタパルト無しで発進する事も容易い。

 先行出撃メンバー以外が一旦格納庫から出たところで、レジェンドはいよいよネオ・グランゾンを起動させる。

 その双眸に光が灯り、動き出してからアーシアやオーフィスらが見守る方向へ機体を向け、ネオ・グランゾンは人差し指と中指で敬礼のような動作を行う。

 

 ――行ってくる――

 

 そんな声が聞こえてくる気がして、アーシアは心の中でいってらっしゃいませ、と思いつつ無事を願う。

 オーフィスはいつの間にか外に出ていたゴジラを抱き抱えつつ、ゴジラの片手を掴んで振らせている。

 ゴジラはウンザリ顔だが振り払わないあたり、彼も多少なりとも心配しているのだろう――

 

 

(レジェンドが負けるわきゃねぇだろ)

 

 

 ――と思ったが良い意味で心配してなかった。

 

 ネオ・グランゾンが転移準備の為に先行発進したのに続いて、レイトの駆るダブルオーザンライザーがカタパルトに乗り、そしてガンフェニックストライカーとガッツイーグルスペリオルⅢも発進準備を済ませる。

 

 

「GNシステム、リポーズ解除!プライオリティをモロボシ・レイトへ!」

 

『ダブルオーザンライザー、リニアカタパルト接続完了。射出タイミングをレイト様へ譲渡いたします』

 

「了解!モロボシ・レイト!ダブルオーザンライザー、出るぜ!」

 

 

 クロエのオペレートを受けつつ、待ちに待った愛機の初発進で気合い十分なレイトの返事と共に、ツインドライヴを輝かせながらダブルオーザンライザーがダイブハンガーから出撃する。

 

 それに続くようにミライがメインパイロットを務めるガンフェニックストライカー、そしてアスカがメインパイロットのガッツイーグルスペリオルⅢも同時発進。

 その際、発進前にはそれぞれが見守る者達の方へ向き力強い笑顔とサムズアップをしながら。

 

 ダイブハンガーから少し離れた上空で待機中だったネオ・グランゾンと合流した3機はレジェンドから転移の為の指示を受ける。

 

 

「各機、本機を先頭にスクエアで陣形展開。ガンフェニックスとガッツイーグルをそれぞれライト・レフトに。ダブルオーザンライザーはバックスだ。これはあくまで転移用の陣形であって戦闘陣形ではない。転移後は俺が島への先制攻撃を行い、その後はレイトとポジションを替えて3機で突入しろ。援護は俺が3機分纏めて引き受ける」

 

「「「「「了解!!」」」」」

 

「では行くぞ……ウルティメイト・カバラ・プログラム発動、各種術式展開。続けてDCWエクスプローラー起動。転移座標入力及び転移用空間の生成・安全を確保。これにより術式の一部を省略し――」

 

 

 レジェンドは次々と難しい単語を早口で読み上げていくが、途中でゼットやフーマは頭から煙が出ていた。

 ぶっちゃけアスカや一誠、タイガらも理解出来ていない。

 

 

「転移先をゴーデス島近海上空に指定。対象は本機並びに入力した周囲の3機……ゴーデスめ、こちらの転移に空間レベルで妨害を仕掛けてくるとは既にこちらの動きに気付いたか。だが甘い……!このネオ・グランゾンをただのアーマード・モジュールだと思うなよ……!」

 

 

 何らかの妨害があったらしいが、そんなものお構い無しに転移準備を済ませるレジェンド。

 

 

「行くぞ……!向こうに着くと同時に戦闘開始だ。抜かるなよ……!」

 

 

 レジェンドがそう言うと、ネオ・グランゾンと残りの3機は眩い光に包まれてその場から姿を消す。

 

 遂に邪悪生命体ゴーデスとの決戦の火蓋が切って落とされた。

 

 

 

〈続く〉




ガイさん緊急参戦に加え、遂に勇者シリーズの作品であるガオガイガーからボルフォッグも先行参戦。
蒼き魔神と最強のダブルオーも起動、宇宙警備隊と銀河遊撃隊の勇士大集結。
色々てんこ盛りな今回でした。

次回、いよいよ2機が大暴れ。


それではまた次回。

二択決定戦! シン一人乗りする最終ゲッターはどちらだ!?

  • 真ゲッタードラゴン(大決戦版)
  • 真・ゲッター1(スパロボα仕様)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。