ウルトラマンレジェンド Episode.CROSSOVER   作:ハジケハムスター・ポッポ

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お待たせしました。
今回は一誠やタイガ達の話になります。
まさか1話分使う事になるとは思わなかった……何というか、一誠とトライスクワッドとドライグのやり取りは書いてて楽しいです。
さすがレジェンドとゼットと並んで本作の顔というか。


それでは本編をどうぞ。


地球からのメッセージ

 ゴーデスとの決戦の場にマックス、ゼノン、パワード、リブット……そしてヒカリ。

 

 同時に、彼らの攻撃を受けたゴーデスは先程までと違い苦しんでいる。

 内部に攻撃を受けただけとは到底思えないその様子を見ていたゼロ達だったが、その理由はヒカリの口から明かされた。

 

 

「どうやら効果は抜群のようだな」

 

『貴様ら……!何をしたぁ!!』

 

「お前がレトロウイルスの集合体のようなものだとはレジェンドやグレートから聞いていた。お前の細胞に対するワクチンも開発していたが、同時にお前の力が強大になる事も想定し、レジェンドと日々連絡を取り合い『お前自身に直接打ち込む』ワクチンも研究していたんだ。それの完成が遅れたおかげで到着も遅れてしまったが、その副産物として感染者用のワクチンもデメリット無しで効力を上げられた。そしてサーガからの連絡を受け、有志を集い……こうして地球へとやって来たというわけさ」

 

『何だと……!?』

 

「やってくれるぜヒカリ博士!!」

 

「無駄にデカいだけの貴様の頭じゃ、ヒカリさんのような鮮明さは持っていなかったようだな!!」

 

 

 ダイナとオーブが水を得た魚のように喜び、遂に逆転への道に光明が見えた。

 レジェンドと共に積み上げられ、完成した研究成果はサーガの連絡によって地球へと齎され、今こうして彼らを救う。

 光神達もまた、既に布石を打っていたのである。

 

 そして、ダイブハンガーでもまた――

 

 

 

 

 ダイブハンガーではゴーデスが己の細胞を活性化させた事で、リアスの身体の侵食が早まっていた。

 既に右腕の半分が異形化しており、今も徐々に進行している。

 

 

「あああああっ!ぐっ……うぅっ!」

 

「まずい……!急激な身体変化でリアス様は相当は痛みに襲われています!痛覚に意識が集中してしまえば当然抑えている方は疎かになり……」

 

「怪獣化も早まるという事か!?」

 

「くそっ!こんなんじゃ神器引き抜きの研究成果の一つも応用出来るレベルじゃなくなってきたぞ!それ以前に今から研究してたんじゃ間に合わねえ!」

 

 

 グレイフィアがリアスの現状を告げるとサーゼクスはそれを察し、アザゼルもまた厳しい事実を口にした。

 束もさすがに納得せざるを得ない中、黙っていたサーガが漸く口を開く。

 

 

「間に合わせ……にはなるだろう。俺の持つ光のエネルギーを全部注ぎ込んで一時的でもゴーデス細胞を抑え込み、同時に彼女の体力を回復させる」

 

「全部って……そんな事をすればサーガ様は……!」

 

「別に死にはしない。暫く意識を失い寝たきりにはなるだろうが……ここで彼女を失うより遥かにマシだ」

 

 

 ガブリエルに対してもサーガは決して臆する事なく自らが倒れてでもリアスを救う意志を示す。

 それに待ったをかけたのはアーシア。

 

 

「駄目ですっ!部長さんが助かってもサーガ様が倒れたら駄目なんです!部長さんを皆さんが心配しているように、サーガ様が倒れても心配する方がたくさんいるんですから!レジェンド様や神衛隊の皆さん、小猫ちゃんだってそうですよ!!」

 

「しかし、このままでは確実に保たない!もう少し、あと少しだけでも保たせられらばきっと……」

 

 

 サーガの言葉からは何かを待っている事が推測出来るが、それでもアーシアはサーガが犠牲になってほしくない。

 

 

 

 

 

「着いた!ここが医務室よ!」

 

「ありがとうございます、命さん!」

 

 そこへ、二人の女性が勢いよく駆け込んできた。

 

 

 

 

 

 何事かと思い全員がそちらを向くと、束とサーガは顔を綻ばせた。

 

 

「みこっちゃあああああん!!」

 

「ソラ!間に合ってくれたか!!」

 

「久しぶり束博士!」

 

「遅くなってすみません、サーガ!命さんのおかげで医務室(ここ)に辿り着けました!その娘のゴーデス細胞、除去します!」

 

 

 ファンタジー物のような衣装の女性――ソラの言葉を聞いた束とサーガ以外の人物は驚愕するが、サーガが目を瞑りソラがリアスの服を開けさせると同時に束が怒鳴る。

 

 

「男性陣はサーくん見習って目を瞑るかりっちゃんから目ぇ離せ!!」

 

「「「「はっ!はいいいっ!?」」」」

 

 

 サーゼクスとジオティクス、アザゼルとついでに匙は鬼気迫る束に言われて目を瞑る。

 ミリキャスはサーガと共に既に目を瞑っていた。

 ソラは開けさせたリアスの胸……心臓の部分に対ゴーデス細胞用のゴーデスワクチンが入ったカプセルを押し付ける。

 するとカプセル内のワクチンがすぐにリアスの身体へと浸透していく。

 禍々しいゴーデス細胞とは違う、安心感のある鮮やかな緑色の光はリアスの全身を巡りゴーデス細胞を取り除いていき、それに伴って異形化していた右腕も瘡蓋が剥がれるように異形となっていた部分が崩れ元のリアスの腕を取り戻した。

 同時にリアスの呼吸も次第に穏やかになる。

 

 

「部長さんの腕が……!」

 

「これで大丈夫です……!このゴーデスワクチンは即効性で、さらにレジェンドの協力もあって効果が高められましたからゴーデス細胞の潜伏等もありません!」

 

「おおおおお!!凄いぞキミぃ!そしてレジェくんさり気なく先手を打っておくとはさっすがぁ!!」

 

 

 切羽詰まっていた医務室は一気に歓声で満たされる。

 ダイブハンガー全域に伝えられ、ニアや恋雪らも手を取り合って喜んでいた。

 サーゼクスを始めグレモリー家はソラと命に何度も頭を下げ礼を言う。

 

 

「ありがとう……!本当にありがとう!!」

 

「娘が無事に……どれだけ感謝しても足りない」

 

「いえ、それがギャラクシーレスキューフォースに属する私達の役目ですから」

 

 

 ここまで礼を言われる事に慣れていないソラは少々困り気味だったが、嫌がってはいないので卯ノ花達は笑顔で見守っている。

 

 そこに、弱々しくもハッキリした口調でリアスが聞きてきた。

 

 

「ねえ、皆……イッセーは……?タイガは……?」

 

「っ……彼らは……」

 

「やられたのよね……でも、まだ負けてない」

 

「「「「「!!」」」」」

 

「だって……イッセーは私の自慢の眷属で……タイガ達は私達のウルトラマンだもの」

 

 

 このリアスの言葉でサーゼクスはハッとした。

 彼にとってはタロウが『自分のウルトラマン』だ。

 セラフォルーはレジェンドやセブン、リアスの眷属のギャスパーはジード。

 それぞれにとっての『ウルトラマン』がいる。

 かつて、80の教え子も彼をこう表現した……『80、俺達のウルトラマンだ』と。

 

 リアスにとって、一番のウルトラマンは強さなど関係なしにタイガ、タイタス、フーマの三人なのだ。

 

 

(……忘れていたよ、タロウ。私達が絆で結ばれてるように、リアスもまた君の息子やその仲間と絆を結べた。本当にリアスの為を思うなら、リアスが信じるものを私も信じなければならない……悪魔全体の為、と逆に視野を広げ過ぎていたんだな)

 

 

 誰かが言った。

 目の前の一人を救えないで全員を救えるのかと。

 その一人救う事でその者も救う事に協力してくれるかもしれない。

 そして、イナバ・コジローも言った。

 自分の理想を簡単に捨てては駄目だと。

 意外なものからそれを実現する術が見つかるかもしれない。

 

 

(私も信じよう、赤龍帝やタロウの息子だからではなく、兵藤一誠とウルトラマンタイガという可能性を。人も悪魔もウルトラマンも関係なく、絆を結べる事を見せてくれた新しい二つの光を)

 

 

 サーゼクスはそう思い、取り出した小瓶の中の液体を半分だけリアスに振り掛け、再び蓋をしてリアスの手に握らせる。

 幾分楽になったリアスは握らされた物を見て呟く。

 

 

「フェニックスの涙……?」

 

「この間のお詫びにとフェニックス卿がね。残りはリアスの手で無事に帰って来た彼らに使ってあげなさい」

 

「お兄様……!」

 

「へぇ……ちょっとは見直したよ。少しはそういう気遣い出来るんだね」

 

 

 若干皮肉は込めたものの、褒める束に苦笑しつつサーゼクスは嬉しそうなリアスを撫でてやる。

 

 これで憂いは無くなった。

 

 そう考えた束は自らの頬をパンと叩くと気持ちを入れ替え声を張り上げた。

 

 

「うっしゃあぁぁぁ!残るは鬼とダブルブラックと性悪髑髏をブチのめすだけ!性悪髑髏はレジェくん達に、鬼はセラちゃん達に任せて私らはダブルブラックを担当しようじゃないか!必要なものはブレスレットに仕舞ってきたかい、みこっちゃん!?」

 

「もちろん!オペレート用の機材から各種ツールまで全部!凱も各種ガオーマシンをしっかりとね!ジェネシックは再調整中だけど、持ってきた方も全体的にバージョンアップ完了!」

 

「おっけぇい!ならばいざ行かん!我らが戦場、作戦指令室へ!レッツゴー!!」

 

 

 ドドド……と爆走していく束と、ちょっと遅れ気味だがしっかりついて行ってる命をポカンとしながら、卯ノ花は空間ディスプレイを現在戦闘中の4ヶ所分、拡大投影する。

 それと同時にリアスの治療が完了した事も、現在戦闘中の面々へと通信で知らせるのだった。

 

 

 

 

 真っ黒の何も無い空間。

 

 そこで一誠やトライスクワッド、ドライグは漂っていた。

 正確には意識が、であるが。

 

 

(俺達は……負けたのか)

 

(ゴーデスの光線を受けて、成すすべもなく……)

 

(だが、我々が倒れたとしても他の者達まで倒れたわけではない)

 

(カッコ悪いって言われりゃその通りだけどよ……俺らの代わりにゴーデスを倒してくれりゃ万々歳だ)

 

(タイラントの奴にリベンジする前にくたばるとはな……まあ、奴はタイラントとは比べ物にならん化け物な事ぐらい俺にもわかる。せめて一矢報いるぐらいはしたかったが)

 

 

 受け入れたくない結果だが、受け入れざるを得ないのもまた事実。

 今まで以上の倍加を重ねたストリウムブラスターが容易く打ち破られ、そして力尽きた。

 

 

(悪い、タイタス、フーマ……二人が俺に任せてくれたのに)

 

(何を言う、タイガ。お前は出来る限りの事をやった。そんなお前を責めるわけがないだろう)

 

(ギリギリまで踏ん張ったんだ。胸を張れよ。ここで張っても俺らしかいないけどな)

 

(違いない)

 

(けどさ……やっぱり悔しいよな)

 

 

 一誠がそう思ったのは、今も苦しんでいるだろう想い人であるリアスの事。

 勝って帰る約束をしたのに、その約束を守れぬままこうして倒れてしまった。

 

 

(すみません、部長……)

 

(俺達……ゴーデスに敵わなかった……)

 

 

 二人がどれだけ悔しいか、残るタイタスやフーマ、ドライグは痛い程わかる。

 しかし、現実ではもはやエネルギーも無く立つことも不可能であり、今こうしているここから出る方法もわからない以上、どうしようもない。

 なるようにしかならないか、と思った直後視界が光に覆われ、気が付けば一誠達は先程とは違う真っ白な空間に立っていた。

 

 

「ここは……!?」

 

――光の勇者達よ――

 

「「「「『!?』」」」」

 

 

 突如聞いた事のない声が彼らの頭に響き、辺りを見回すが自分達以外には誰も見当たらない。

 

 

「だ、誰だ!?」

 

「ここには私達以外に誰もいない……何処か別の場所から……いや、違う……!」

 

「旦那の言う通りだ……むしろこの空間全体が……!」

 

――そう、この空間そのものが私だ――

 

「な……!?」

 

『随分とデカい図体だな』

 

 

 一誠やトライスクワッドは絶句するが、ドライグはそうでもないらしい。

 声の主はそのまま続ける。

 

 

――ここに来てもらったのは他でもない。君達に地球の……この世界だけでなく平行世界や異世界の地球の為に戦ってもらいたい。その願いを伝えるためだ――

 

「地球の為に……?現在進行形で戦って……それで負けたんだけど、俺達」

 

「……最後の要らなかったな。情けなくて死にそう。あれ?俺達もう死んでるのか?」

 

「わからん。たとえ死んでいても私の筋肉は不滅だ!」

 

「うん、旦那はいつも通りだったわ」

 

『というか死んでるのに不滅って意味わからんぞ』

 

――……続けていいだろうか?――

 

「「「「『あ、スンマセン』」」」」

 

 

 いつものノリで会話し始めた彼らに対し、ゴホンと咳払いして再度声の主は話し出す。

 

 

――今、この世界のみならず数多の世界の地球で異変が起こり始めている。今でこそ、この世界程ではなく小さなものであってもやがて手に負えないような大きな事態へと成りかねない。それを救えるのは光神の方々を除けば君達しかいないのだ――

 

「まあ、レジェンドやサーガ達がっていうのはわかるけど……どうして俺達なんだ?メビウスとか、ダイナ兄さんとか……俺達より相応しい人達はそれこそ星の数程いるだろ?」

 

 

 タイガの疑問は最もだ。

 特にゼロやティガなんかは過去の功績などを考えると適任だと思える。

 

 

――その理由は……君だ、兵藤一誠――

 

「へ?俺?」

 

――そう、人間から悪魔へと転生し、それでいて人間らしさを失わず、種族を超えてキズナを結び続ける君ならば、世界を超えてキズナを結び、これから起こりうる異変にその世界の地球で生きるものと共に立ち向かう事が出来る。かのレジェンドやサーガのように――

 

「一誠にレジェンドやサーガのような事が出来るって……」

 

『まあ、相棒は良くも悪くも自分に正直なところがあるからな。スケベな部分はその最たるものだ。隠し事を殆どせずに腹を割って話せる辺りにその素質は感じるな』

 

「良くも悪くもド真ん中のセリフは俺の黒歴史を肯定されてんだけど!?確かに年齢的には黒歴史期間の方が長いし自業自得だけどさあ!!」

 

 

 ドライグの言葉で昔の自分を思い出して自己嫌悪する一誠に苦笑しつつ、タイタスは疑問に思った事を尋ねる。

 

 

「そういえば、貴方が何者かまだ聞いていなかったが」

 

――私は……この地球そのもの。言うなれば『地球の意志』とでも言おうか――

 

「……やべっ、早速迎えが来たみたいだ。せめて逝く前にグリージョちゃんとデートの一回もしてみたかったなぁ……」

 

「こんな事ならあの日、部長と一線超えとくんだったぜ……」

 

「フーマ!?イッセー!?衝撃的なのはわかるけど戻って来いって!!」

 

『タっちゃん……俺はとうとうタイラントに勝てなかったよ……』

 

「おいドライグ!?何で急にタっちゃんとか言い出すんだキャラ変わり過ぎだろ!!」

 

 

 声の主のまさかの正体に錯乱気味のフーマ、一誠、ドライグにツッコむタイガ。

 タイタスは地球の意志に自分のマッスルぶりを見せつけるべくポージングを繰り返している。

 

 やがて落ち着き、一行が息を整えたのを確認した地球の意志は申し訳なさそうに言う。

 

 

――都合が良過ぎるのも、頼り切りなのも重々承知している。だがレジェンドを始めとする光神の方々は既に彼ら独自で動き始めており、これ以上の負担はかけられない。無茶な事を――

 

「別に良いぜ」

 

 

 いとも簡単に応えた一誠に地球の意志は思わずポカンとしてしまった。

 が、トライスクワッドやドライグは納得していたようで……

 

 

「まあ、夏休み入ったら異世界修行の旅だし」

 

「行く先が別の世界の地球だったりする事もあるだろう」

 

「俺達にその気が無くても自然と関わっちまいそうな気もするしよ」

 

『どのみち俺らは相棒と一蓮托生なわけだからな』

 

 

 何とも受け入れるのが早いというか。

 ともかく、地球の意志は一誠やタイガらが頼みを引き受けてくれる事をありがたく思う。

 

 

――ありがとう。無理を言ってすまない――

 

「別に気にすんなって。あんたの上で俺らは生きてるんだしよ。……アレ?合ってるよな?」

 

「え?いや、うん……多分」

 

「という事は……四六時中この私の筋肉を見てくれているという事かーッ!!」

 

「うおあっ!?旦那が!旦那が残像を複数残す速さでマッスルポーズし始めた!」

 

『絵面にすると色々とんでもない光景だなオイ』

 

 

 相変わらず賑やかな四人と一匹である。

 

 

――ところで、ここでは時間が止まっているとはいえ現実の君達は非常に危険な状態だ――

 

「「「「『あ』」」」」

 

 

 思いっきり忘れていた。

 今はゴーデスと戦闘中、まずはあの場を切り抜けねばどうにもならないが、相手が相手だけに打つ手がない。

 

 

――どうやらそちらの心配は少しばかり軽くなっているようだ。増援が来ているみたいだぞ――

 

「増援って……」

 

「あ……あれはヒカリ博士!?」

 

「それに彼はリブット……!しかもあの見事な体型はパワードか!」

 

「おいおいマックスさんにゼノンさんもいるのかよ!」

 

『他の四人はともかくだ、ヒカリとやらはアザゼルが待ち望んでいた奴じゃなかったか?』

 

 

 あまりに豪華な面子にトライスクワッドは騒然とする。

 しかし、それだけでどうにかなるとは思えないし、そもそも自分達はまだ倒れたままだ。

 戦況は変わったとは言っても結局自分達の現状は変わっていない。

 

 

「いやマジどうすんべ」

 

「「「『今度はタイガがおかしくなった!!』」」」

 

 

 確かに直接戦っていたのは彼だから仕方ないといえば仕方ない。

 

 

――そうなるだろうと思い、これからの君達の旅路を祈り、あるものを用意した――

 

 

 そう地球の意志が言うと、彼らの目の前に光の剣が現れる。

 

 

「これは……?」

 

「剣……だよな。これを振るえっていうのか?」

 

――いや、そうではない。それをどうすればいいか、君達ならわかるはずだ――

 

「どうするかって言ったってよ……」

 

「皆目見当がつかんな。振るうわけではない……投げる?」

 

『結局そのまま使ってるだろ。神器みたいに宿主と融合「「それだ!!」」ん?』

 

 

 ドライグの言葉で何かに気が付いた一誠とタイガはすぐさまタイガキーホルダーを取り出す。

 

 

「この光の剣をタイガのキーホルダーに融合させれば……」

 

「それによりキーホルダーが変化したら俺にも変化が現れるかもしれない!」

 

「「……ん?」」

 

 

 タイタスとフーマは揃って腕を組み考える。

 

 タイガのキーホルダーに光の剣を融合させる→タイガが変わる→タイガのキーホルダーではなく自分達のキーホルダーに融合させる→自分達が変わる……

 

 

「「ちょっと待っ……!」」

 

 

 時すでに遅し、地球の意志が用意した地球の持つ神秘の力を変化させて顕現させた光の剣はタイガキーホルダーと融合し、タイガキーホルダーを『フォトンアースキーホルダー』へと変化させた。

 

 

「「あああああっ!!」」

 

「うわっ!?な、なんだよ二人とも……」

 

「あと少し……!あと少しだけ早ければ……!」

 

「酷いぜ……こんなのってあんまりだぜ……!」

 

『タイガだけパワーアップしたっぽいのが悔しいみたいだぞ』

 

「「あー……何かゴメン」」

 

 

 ノリでタイガのキーホルダーに融合させてしまったが、そのおかげで二人のパワーアップが無しになってしまい申し訳なさそうにしている一誠とタイガ。

 それを見かねた地球の意志の一言でタイタスとフーマは復活する。

 

 

――それはあくまで『この世界の地球』の力。他の世界、他の場所で君達二人も新たな力を手に入れる事になるだろう――

 

「オラァ一誠!タイガ!さっさとあの腐れデカヅラをぶっ飛ばして異世界行くぞォ!!」

 

「私のウルトラマッスルは一つの宇宙では収まらない!新たな世界が私の筋肉を待っている!!」

 

『だから切り替え早過ぎだ』

 

「ま……まあ、いいんじゃねーか?やる気出た事だし」

 

「逆に俺らが圧倒されてるんだけど……」

 

 

 そんな彼らにもう一つ、と地球の意志が伝えてきた。

 

 

――君達の手助けになればと、私や他の世界はこの『勇者の石』を生み出した。本来は何らかの物体を素体としてこれが宿る事で一つの命……勇者となるのだが、今回は急がねばならない以上、こちらで素体を創り上げよう。私が生み出した勇者の石は、同じ勇者の石から生まれし勇者達のリーダーとなる者……その者に相応しい素体をイメージしてほしい――

 

「勇者のリーダー……の、イメージか」

 

「あれじゃないか?人形とかより乗り物とかの方が」

 

「勇者っつったら馬車だろ!」

 

『馬はともかく馬車は違……ああ、ドラクエか』

 

「何も馬だけとは限らないぞ。バイクというのもアリかもしれん」

 

 

 やいのやいの言い出した四人と一匹だが、タイガか思い出したように閃いた。

 

 

「あ!そういえばこの星で警察が乗るやつがあっただろ!ほら、何だっけ……えーと……そうだ!パトカー!」

 

「お!いいじゃん!悪を許さぬ正義の味方って感じで!」

 

『相棒は『悪』魔だからある意味敵だけどな』

 

「いやマジで昔の俺よく刑務所行かなかったなって思ってるからやめてくれよ……」

 

――ふむ、なるほど。ではあと二つ、その勇者に力を与えるものの素体をイメージしてくれ――

 

「「「「『あと二つぅ!?』」」」」

 

 

 やっとこさ決まったかと安堵したら、さらなる数を要求されて素っ頓狂な声を上げる一誠達。

 しかし、ヤケクソになったからか次はえらい早さで決まってしまった。

 

 

「仕方ねえ!こうなりゃ分かりやすいテーマ決めようぜ!」

 

「なら速さは正義って事で速いものを挙げてくぞ!」

 

「飛行機!いや戦いもあるし戦闘機!」

 

「電車!いやもっと速く新幹線ってやつ!」

 

『異論は無いな!?』

 

「「「「異議無し!!」」」」

 

――……随分と雑だな……それでいてさり気なくしっかりした意見な辺りはさすがというか……――

 

 

 決めだして一分足らずで即決。

 変なところでもチームワーク抜群である。

 一通り済んだ事で周りに粒子状の光が少しずつ現れ始めた。

 

 

――そろそろ目覚めの時だ。私と、そして君達で生み出した勇者は君達の声で目覚めるだろう。最後にこれを託す――

 

 

 そう言って一誠の手に光と共に現れたのはスマホ程のサイズの一つの端末。

 

 

「これは?」

 

――ダイレクター。勇者達に各種指示を出す時に使う物だ。たった今から君が、君達が『地球』の勇者達の隊長だ――

 

「な……何か凄い事になってきたな」

 

「では私はマッスル隊長だ!」

 

「俺は疾風隊長な!」

 

 

 何やら小学生のなりきりごっこ遊びみたいになっているが、地球の意志は大真面目である。

 

 

――あとは、頼む。もう一人、地球を守らんと自らの身体で地球への被害を食い止めている君達の仲間も、君達を待っているはずだ――

 

 

 その言葉で一誠達はある人物を思い浮かべた。

 自分達のせいでマガオロチの卵に捕らわれた後輩。

 

 

「そうだ、ゼットさん!」

 

「知っているなら教えてくれ!ゼットを助ける方法は!?」

 

――仲間とのキズナ。次元や世界を超えて紡がれしそれが、彼にもまた新たな力を与える――

 

「次元や世界……!?」

 

「もしかして、レジェンドやゼット達が調査に行った空の世界か!?」

 

――私に言えるのはここまでだ……君達の未来に、光あらんことを――

 

 

 その言葉と共に、光が彼らを包み込んだ。

 

 そして――。

 

 

 

 

 混戦極まるゴーデス島では――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「グゥぅぅおあぁァァァ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 エネルギーは十分と判断したのか、マガオロチの卵から解放され……ゴーデス細胞により凶暴化したゼットがウルトラ戦士や神衛隊らに襲いかかろうとしていた。

 

 

 

〈続く〉




フォトンアースが地球の神秘の力由来なら地球絡みであの作品から出すしかないだろ!
というわけで次回、このハーメルンでもその原作自体ほとんど見ない彼が登場します。
いや、普段はちゃんとパトカーでも認識阻害かけてるから大丈夫です、多分。
原作ハイDだったら一誠がパトカー乗ってたらもう物語終了だよ……普通にありえそうだし。


それではまた次回。

二択決定戦! シン一人乗りする最終ゲッターはどちらだ!?

  • 真ゲッタードラゴン(大決戦版)
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