ウルトラマンレジェンド Episode.CROSSOVER 作:ハジケハムスター・ポッポ
活動報告には書いたのですが訳あって遅くなってしまいました。
今後しばらく更新が遅くなりがちになるかもしれませんが、執筆は続けますのでどうか今後とも本作をよろしくお願いします。
今回『勇者』関係てんこ盛りで、長くなってしまいましたがおかげで次回からはそれぞれの見せ場に出来そうです。
ゲストにはあのウルトラマンが声(と力)だけ出演。
それでは本編をどうぞ。
エネルギーを吸収され、代わりにゴーデス細胞を注入されてしまい、怪獣化の兆候が凶暴化するという形で出始めてしまったゼット。
リアス同様、右腕が半分異形化しているが彼女とは違って多数のゴーデス細胞を注入されたからかもはや意識は無く、双眸は赤く染まり苦悶の声ではなく吠えるような声を上げていた。
「ガァァアアアァァァ!!」
まるで獲物を見つけた肉食動物が如く、ゼットは最も近くにいたボルフォッグやグシオン、フリッケライ・ガイストへと猛進する。
「ちょっと!?アタシ達が狙われてる!?」
「手近な者から手当たり次第というわけか!」
「ゼット隊員!自分を取り戻して下さい!」
「ぐるァァあああ!!」
ボルフォッグの呼びかけも虚しく、正気を失ったゼットは異形化した右腕で彼らを狙う。
それを防いだのはゼロツインソードを構えたゼロだった。
「……っのバカ野郎……!ゴーデス細胞なんざに負けてんじゃねえ!」
「ぐぅオォぉ!?」
受け止めた状態で正面からゼットを蹴り飛ばす。
さすがに訓練ではなく、かつ経緯が経緯だけに心苦しかったがそのままにしてはおけない。
「なあ!あいつを戻す方法、何かないか!?」
「こんな事もあろうかと余分にゴーデスワクチンを持ってきておいた。彼のカラータイマーから投与すればすぐに効くはずだ」
「助かるぜ!カラータイマーからだな!」
ヒカリからゴーデスワクチンのカプセルを受け取ったゼロは、起き上がるゼットへと急接近する。
「ったく世話の焼ける奴だなお前は!とっとと……」
「グガァァァアア!!」
「うおっ!?……!やべえっ!!」
ゼロは何とかゼットを拘束するも、暴れたゼットによって持っていたカプセルを弾き飛ばされてしまう。
もしそれが失われたりすればゼット、そしてレジェンドは――そう思った時、一つの巨大な影がそのカプセルを空中でキャッチした。
「!?」
「レイト!じゃなかった今はゼロ!そのままゼットを抑えといて!」
「くっ……黒歌ァ!?」
まさかの乱入者に驚きつつも、ゼロはゼットを後ろから羽交い締めにし、ゼットのカラータイマーをその巨大な影に向ける。
「これっ……でぇ!!」
ガキン!という音と共にカラータイマーにカプセルが押し付けられ、リアスの時同様淡い緑色の光がゼットの身体に浸透し異形化した右腕も殻が割れるように元に戻る。
赤かった目もいつも通りの輝きを取り戻し、漸くゼットの意識も元通りになった。
「う……あ……俺は……」
「間一髪だったにゃ」
「やれやれ……ヒヤヒヤしたぜ全く。おいゼット、頭ボケてねえだろうな?」
「あ……ゼ、ゼロ師匠!すみません!ホントに!俺、ゼロ師匠や皆に我を忘れて襲いかかって……それで、その……」
「今回は不可抗力だろ。その様子ならもう大丈夫だな。つーか黒歌、何だそりゃ!?」
さすがに経緯からいってゼットが襲いかかってきたのは仕方がない事だろう。
ゼロもそこは理解していたから別に責めるような事はせず、逆に黒歌が乗っているモノに焦点を定めた。
「ふっふーん!これぞ土壇場で調整完了した私の愛機!スーパーロボットのソウルゲインにゃ!私の動きをダイレクトでトレースするから見た目以上に俊敏にゃ!おまけに仙術にも対応!」
スーパーロボット・ソウルゲイン。
以前から黒歌が言っていた彼女お気に入りの機体、それが束によって開発され、コジローによって最終調整を行われ漸く実戦投入可能になったのだ。
一時はカラーリングを黒歌のイメージカラーの黒にしようかと迷ったそうだが、元の色のままがいいという彼女の要望を受けてそのまま青色になったという。
「まあ、まだ私が慣れきってないから機体性能を全部引き出せるわけじゃないけどね。レベルアップして能力解禁されていくのはよくある事にゃ」
「わかるわかる。俺も最初は相棒のトランザムとか使えなかったしよ」
ウンウンと腕を組んで頷くゼロだったが、さすがにいつまでも話し込んではいられない。
マガオロチの卵が何度か発光し、中から弾け飛ぶように卵が割れ――
「ゴォォアァァァァウ!!」
遂に大魔王獣マガオロチが産まれてしまった。
「ちっ!コイツはさすがに放置出来ねえな!性質もそうだがほっとくとマガタノオロチになりかねないし、そもそもあの状態でも強いからゴーデスとやり合ってる最中に横入りされたらたまったもんじゃねえ!」
「しかも何かゴーデス細胞の影響か凶暴化、もしくはパワーアップしてるっぽいわね。初陣からEXハードはツイてないにゃ」
「俺が……俺が捕まったりしなければ……!」
「だからお前はバカなんだよ。お前が捕まんなかったらタイガが捕まって同じ事になってたんだ。いつまでもグジグジしてんじゃねえ!気持ちを切り替えろ!」
「は……はい!」
ゼロに叱咤され、背筋を伸ばすもガクリと片膝を着くゼット。
どうしたのかと思ったが、彼はマガオロチの卵にエネルギーを吸われ続けていた。
ゴーデス細胞の除去は完了したとしても吸収されたエネルギーまで元通りになるわけではない。
「くそ……!」
「しょうがねぇな……ゼット、お前は援護に回れ。その状態じゃ前線どころか戦闘だってキツいだろ。下がれって言ってもどうせ聞かないだろうし、少しでも体力回復させてから復帰しろ。少なくとも今のままじゃ的にしかならないからな」
「けど!……わかりました」
「……レジェンドに何か言われたか?」
「『ちょっとだけ我慢してろ』と……理由は言われ……!?」
ゼットが大人しく引き下がった訳をゼロに話している最中、それまで全く反応せず戦線復帰どころか地球での活動自体が不可能かと思われていたタイガが眩く輝き出す。
「何だ!?タイガが……」
☆
「行くぜタイガ!あの焼き鳥野郎と同じぐらい腹立つ髑髏野郎をぶっ倒す!」
『ああ!そして皆で帰るぞ!リアスやオカ研の仲間達のいる場所へ!!』
インナースペース内で一誠は地球の意志から託された力をタイガキーホルダーに融合させる事で変化した、新たなる力・フォトンアースキーホルダーをリードすべくタイガスパークを再起動させる。
『カモン!』
まずはキーホルダーの青い部分に――
『アース!』
続けて黄色い部分に――
『シャイン!』
そして改めてフォトンアースキーホルダーを握る事でキーホルダーはウイングが展開され、本当の意味で生まれ変わったタイガキーホルダーが新たな形となる。
「輝きの力を手に!」
地球の持つ神秘の力、それがタイガスパークを介してタイガに鎧となって脚から順に装着されていく。
その力の影響でウルトラホーンも大きくなり、かつてないエネルギーが全身に満ち溢れる。
「バディィィ!ゴォォォォッ!!」
『ウルトラマンタイガ
「ジュアッ!!!」
光の勇者は今、さらなる高みへと飛翔する。
☆
眩い光と共に再び大地を震わせ舞い降りたタイガはその姿を大きく変えていた。
全身に纏った金と銀の鎧、インナーのような黒い体色……そして大きくなったウルトラホーンを含めてフェイスガードに近い形で縁取られるような装飾。
まるで一誠の禁手『赤龍帝の鎧』のタイガバージョンとでも言うべき荘厳なる勇姿。
ウルトラマンタイガ・フォトンアース。
新たな力を得て、タイガらは死の淵から蘇ったのだ。
☆
タイガの復活は当然、ダイブハンガーにも映し出されていた。
アザゼルは口をあんぐりと開けて汗をダラダラと流し、それとは対照的にリアスやサーゼクスらの喜び具合は尋常ではなかった。
「オイあれ神器か……?いや神器にしちゃリアルタイム映像とはいえ画面越しでもビンビン来るんだけど。もしかしてデフォルトで神滅具の禁手並のパワーだったりすんのか?おかしくねーかソレ……」
「お兄様!タイガが……タイガが!」
「ああ……!まるで闘士……いや、超闘士だ!」
リアスに至っては先程まで自身の陥っていた状況さえ忘れたかのように涙を流しながら笑顔になっている。
彼の復活は、即ち一誠やタイタス、フーマにドライグもまた共にいる事を示しており、幾重にも喜びが重なった。
「アザゼル!いつまで呆けてるんだ!矢的先生と一緒のオカルト研究部顧問になったんだろう!?そこに所属している部員達が頑張っているのにエールの一つも送らないのか!?」
「いや、そういうわけじゃなくて……」
神どころか地球そのものから託された、それこそ真のエクスカリバーと同クラスのとんでもない物を引っさげて復活するなど英雄の息子は赤龍帝に負けず劣らずぶっ飛んでいた。
サーゼクスからしてみればアザゼルの気にしている事など些細な問題、親友の息子が妹のために戦ってくれている事の方が重要なのだ。
そして、彼らはさらに驚く事になる。
☆
新たな姿・フォトンアースとなったタイガは内から湧き上がる力に驚きと感動を覚えつつ、もう一つ気になった事を思い出す。
「今までの俺とは違うのがすぐにわかる……!そういえば勇者の石が何とか言ってたけど……」
『素体がパトカーと戦闘機と新幹線だっけ。パトカーが本体か?』
『なるほど、パトカーを戦闘機と新幹線で援護するというわけだな』
『いや、戦闘機はともかく何もパトカーと新幹線がそのまま戦うのはねぇだろ』
『待て、新幹線が最大速度で突撃してくるのは立派な攻撃手段だぞ』
彼らが相談の末、勇者のイメージとして選び素体とやらになったはずの乗り物の数々。
用意する、と言っていたがこの場でそんなものを用意されても正直邪魔にしかならなさそうだが……。
――無事にこの星が渡した力を顕現させられたようだな――
「『『『『!?』』』』」
キョロキョロするタイガや彼の中の一誠らだったが、先程の声は彼らだけに聞こえたらしく、周りはどうしたのかと心配している。
新しい姿と力を得て混乱しているのかと思われているが、混乱しているのは合っているものの理由は全く別物だ。
――いきなり声をかけてすまない。私は……――
「タイガ!マガオロチがお前を狙ってる!気をつけろ!」
その声が何かを言おうとした時、ダイナが叫ぶ。
ゴーデス細胞に加え、ゼットの持つ光のエネルギーを吸収して強化されたマガオロチの爪牙がタイガに迫る。
「ゴーデスもだけど、コイツも放っておけないな!」
――その通りだ。その存在を放っておけばこの星はやがて死に絶えてしまう。私はその存在を始めとする脅威からこの地球、そして別世界の地球を守るためにこの星と……君達によって生み出された――
「生み出された……!まさか!?」
――今こそ、共に戦おう。ダイレクターを翳し、私の名を呼んでくれ。私の名は……――
告げられた名を聞くと、インナースペース内の一誠が持つダイレクターが展開可能となる。
一誠らは頷き合い、ダイレクターを掲げその名を呼ぶ。
地球、その危機に目覚めし勇者の名は――
「『『『『ダ・ガーン!!』』』』」
彼ら以外には一見、タイガが唐突に何かの単語を叫んだだけに見えただろう。
しかし、次の瞬間島の地中から光の玉が少しずつ姿を現し、徐々にその形を変えていく。
やがて光が収まり、その場所にあったのは青を基調としたスターマークが特徴の一台のパトカー。
「は……?」
「何だありゃ!?」
「仰々しく出てきたかと思ったらパトカーかよ!?」
三日月がマヌケな声を出し、オルガやシノもツッコんでしまう程、ある意味衝撃的だった。
しかしタイガらや、ボルフォッグは直感的に理解する。
あれは……いや、彼は勇者なのだと。
パトカーはライトを付け、マガオロチへ向かって走っていく。
無人パトカーが急に怪獣へと走り出す光景に誰もがギョッとする。
「ガァァアアアァァァ!!」
マガオロチは自身の得意技であるマガ迅雷を吐いてそのパトカーを破壊しようとするが、パトカーは絶妙な動きでそれを回避しマガオロチへと近づいていく。
そして……
「チェェェンジ!ダ・ガーン!」
パトカーが一瞬で二足歩行のロボットに変形した。
「「「『『『は!?』』』」」」
一連の流れがさすがに理解不能であった。
タイガが新形態引っさげての復活はいい、その後に島の下から光の玉が現れてパトカーに変化したかと思えばマガオロチに突撃、見事な機動を見せたのに無人で、しかも極めつけがロボットへの変形。
……よくよく考えるとタイガが叫んでからであったため――
「オイ……説明しろタイガ」
「いやあのゼロ……隊長?顔近い顔近い」
『やべーよ先輩声低いんだけど。怒ってんの?普通に問い詰めてんの?』
『普通がコレなわけねーだろ。顔に陰出来てんだぞ』
『折角新形態の初登場なのに締まらんな』
『『『そういう事言うなァ!!』』』
『揃いも揃って状況わかってるのかお前ら!!』
「「「『『『すみませんでした!!』』』」」」
自由に戦えないレジェンドがキレ気味に怒鳴る。
彼を本気でキレさせたらヤバいのは周知の事実なのでその戦場にいる味方が即座に全員(真剣に戦闘中のダ・ガーン除く)謝罪した。
そんな中、ゴーデスはダ・ガーンから何かを感じつつもマガオロチに果敢に挑む姿を観察している。
直感で地球により生み出された存在……ガイアやアグルと同じ事に気付いていた。
ダ・ガーンマグナムやダ・ガーンナパームで対抗していたダ・ガーンであったが、やはり体格差やパワーの問題でスピードには分があるものの明確なダメージを与えられない。
(やはり効果は殆ど無さそうだ。かくなる上は……)
ダ・ガーンはマガオロチの攻撃を回避しつつ、ダイレクターを通して一誠へと通信を送る。
『一誠、聞こえるだろうか』
「うおっ!?い……いきなりでビビったけど聞こえるぞ!」
「つーかインナースペースとも通信出来んのか!コレがスゲーのかダ・ガーンの方がスゲーのかわかんねーけど」
「こちらマッスル隊長。ダ・ガーン応答せよ」
『オメーはノリノリだな!?』
インナースペースとしっかり通信出来る事に驚きつつ、何かあるのだろうと予想していた一誠達。
結果はまさにその通りである。
『こちらダ・ガーン。マッスル隊長、そして一誠達に頼みがある』
「「『意外にノリ良いな!?』」」
『私のサポートメカの呼び出し、それから私も含めた3機に合体指令を出してほしい』
ダ・ガーンの意外な一面を知ると同時に彼から紡がれた言葉に若干驚くも納得する。
地球の意志がさらに二つ、イメージさせたのはこのためだったのだと。
一誠らが展開されたダイレクターを見ると、そこには彼らがイメージした2つのメカ――新幹線と戦闘機の電子図がダ・ガーンのものと一緒に映し出されていた。
「それで、どうやればいいんだ!?」
『イメージだ。君達が最もしやすいイメージと共にダイレクターを掲げ、念じるんだ。そうだ、言葉と一緒でもいい。一誠、君がウルトラマン達に己の身体を貸す時のように』
「タイガ達と同じように……合体……フォームアップ……」
「おお!」
「それじゃあ、いつものアレと組み合わせようぜ!」
『あの掛け声か』
『決まりだな!』
一誠やフーマの提案にタイガ、タイタス、ドライグも賛成する。
折角だから、と一誠は呼び出しだけ自分でやり、合体指令は全員で行う事にした。
「よぉーし!行くぜ、ダ・ガーン!カモン!アースジェット!アースライナー!」
ダイレクターを翳し、一誠はそう叫ぶ。
それに反応し、ダイレクターの『オーリン』は力強く輝いた。
タイガのカラータイマーが黄金に光ったかと思えば、遥か彼方から2つの何かが猛スピードでやってくる。
「今度は何だぁ!?」
「アニキ!片方はジェット機だ!」
「おお!なかなかイカした形じゃねえか!」
戦闘機が飛んで来たのはいい、しかしもう片方に度肝を抜かれる。
「ウルトラ珍妙な光景が目の前で起きちゃってます超師匠」
『よくある事だろ』
「ないにゃ!全ッ然よくあったりしないにゃ!何で新幹線が水上、しかもガチで滑空してる意味で光のレール発生させながら水上突っ走ってくるにゃー!?」
戦闘機と並走?並行?するように新幹線がやって来たのだ。
これこそ一誠達のイメージを地球の意志が具現化したダ・ガーンのサポートメカ、アースファイターとアースライナーである。
周りが騒ぎ立てる中、ダ・ガーンの頼みを叶えるべくタイガ、そして一誠らは彼らで決めた合体の合言葉を叫ぶ。
もうダ・ガーンも自分達の仲間だという思いを込めて。
「『『『『ダ・ガーン、フォームアップ!
バディィィ!ゴォォォッ!!』』』』」
「おおおおおッ!!」
合言葉と共にインナースペースで一誠が掲げたダイレクターのオーリンからより強い輝きが起き、それを示すかのようにタイガのカラータイマーも再度黄金の輝きを放つ。
それを受けたダ・ガーンの両目も強く輝き、咆える。
その咆哮に応えるかのようにアースライナーは光のレールから浮いて離れ、横向きになったかと思えば先頭と後頭のノーズを並行にするように二つ折りの状態になり、その状態のまま飛行。
「とうっ!!」
それを追いかけるように飛んだダ・ガーンはパトカーモードに変形し更に乙状に可変、アースライナーの二つ折りになった部分に前部を収めるようにドッキングする。
アースファイターもバレルロールで反転しつつ機首を折り畳むように変形し、ダ・ガーンパトカーの後部を収めるようにドッキング。
アースライナーの先頭車両が軸になって全体が起き上がり、胸部分となるレリーフに地球が浮かび上がる。
そして黄金のアンテナが輝く頭部、腕部から手首も出現し、ダ・ガーンは遂に合体を完了させた。
「合体!ダ・ガーン
アースファイターのウイング部分がX字に可変し、その名に相応しく巨大な勇姿を顕現する。
地球の勇者ダ・ガーンXが今、光の勇者達と共に戦うべくマガオロチ、そしてゴーデスの前に現れた。
「『『うおおおお!!カッケェェェェ!!』』」
『うむ!ビルドアップでも良かったかもしれん!』
『それだと別の機体になりそうな気がしないでもないけどな!』
一誠やタイガらはダ・ガーンの新たな姿に興奮し、他のウルトラ戦士や神衛隊も驚きはするがタイガが関係しているともあって頼もしい味方だと理解し、士気が上がっていく。
対するゴーデスはただただ驚愕しかなかった。
『今のその輝き……!馬鹿な!この星そのものが貴様らに力を貸したとでも言うのか!?』
「ゴーデス!そしてマガオロチよ!この地球、そしてこの星に住むものに破滅を齎そうとするお前達を、私は許しはしない!」
強い意志の込められた言葉をゴーデスにぶつけつつ、ダ・ガーンXはゼットの方に向き直る。
「ウルトラマンゼット」
「ぅはぁい!?」
『動揺し過ぎだぞお前』
「命を賭してマガオロチからこの星を救おうとしてくれていた事、心より感謝する。これは私と地球からのほんの少しのお礼だ。受け取ってほしい」
そう言って胸のレリーフに地球が再び浮かび上がり、温かな光がゼットを包み込むと、失われたエネルギーが回復していき同時に彼の手元には一つの先端に弓が合体したような槍状の武器が現れた。
「これは……!?」
『あ、昔俺が振り回してたレジェンドスピア。形が変わってるけど間違いないな。レイブラッドをボコった時に使って以来なくなってたんだが……どうやらお前用に地球が調整・再構築してくれたようだ。元のままじゃピーキー過ぎて俺以外まず扱えん』
「その通りです、光神レジェンド。先のエネルギー回復は再構築の際の余剰エネルギーを使わせて頂きました」
「ってことは……ぶっちゃけ神器なわけになっちゃいますか!?」
顎が外れそうな衝撃と共におずおずとそれを掴むと、ゼットの身体が少しだけ発光する。
そして――
『ゼットお兄ちゃん頑張ってー!』
『立てぇぇぇ!立つんじゃゼット殿ぉぉぉ!!』
『約束しただろゼット!またこっちに来るからその時はまた拳で語り合おうと!』
「この声って……まさか……!」
☆
ゼットの推測は当たっている。
空の世界にあるエリアル・ベース。
そこのブリーフィングルームや指令室等、モニターがある場所にはウルトラ騎空団のメンバーがほぼ勢揃いしていた。
束が送ったメールに添付されていた映像コードを入力し、映し出されていた映像を我夢がエリアル・ベース内の全モニターに出力した事でゼットらが直面している状況を団員達が知ったのである。
そして、届かぬとは思いながらも声を張り上げ応援したのを地球、そして『空の世界自身』が一時的・限定的に『異界繋ぎ』した事で声がゼット、いやゴーデスらと戦う者達へ届いたのだ。
「団長ちゃん、ゼットちゃんもちゃんと来てくんなきゃ駄目だよ!最近俺、ソーンとかニオからの圧がヤバくて依頼に逃げてる状態だからね!」
「やっぱり逃げてたのかお前……!馴染みがあってウルトラマンだからという理由で俺と我夢がどれだけ問い詰められたか知らんとは言わせないぞ……!」
「落ち着いてくれ藤宮!というかゼットが槍状の武器持ったからってシェロカルテに交換して貰ったゲイボルグをシエテに向けないでくれ!!」
「お願い団長ちゃん!絶対に勝ってこっち来てね!?いよいよ俺、博也ちゃんにも狙わりゃああああ!?」
本気で藤宮からゲイボルグで突き刺されそうになりギリギリ弓なりに身体をしならせ回避したシエテだが、他の者は別に気にしない。
「……自業自得、だな」
「ですね……よし、今なら彼にこれを送れるかもしれない」
「我夢、それは?」
「僕の……ガイアの力の一部を込めたウルトラメダルです。遊撃隊のメンバーはヒカリ博士から頼まれてたんです、ウルトラメダルにそれぞれの力を込めて彼に渡すようにと」
我夢の手にはガイアの横顔が描かれたウルトラメダルが握られていた。
どうやって……とジークフリートは思ったが、直後見知らぬ声がエリアル・ベースへ響く。
『僕が僕のメダルと共に届けよう』
「「「「「!!」」」」」
『僕自身まだそちらにも彼らの元にもいけないけれど、君達の思いと彼らの諦めない心……その二つの光があれば、ゼットに力を届けられる』
「え?え??誰なの?」
ナルメアが困ったように首を傾げると、我夢と藤宮がその正体を告げる。
「ティガです。ウルトラマンティガ。彼がこれを届けてくれるんです!」
「ティガ……我夢が言っていた超古代文明を滅ぼしたという邪神を打ち倒した巨人か!」
「ああ……!銀河遊撃隊最強の切り札とも呼ばれる男だ。最強形態にもなれば俺達が束になっても歯がたたん。模擬戦で一度拳を交えたが、最強形態になった途端攻撃がまるで通じなくなり我夢共々完敗した」
「ガイアとアグルが揃ってんのに完敗ってどんな化け物やねん!?」
ガイアがヴァージョンアップする前に叩きのめされ、続けざまにアグルもやられてしまったため、二人がヴァージョンアップ出来れば結果が変わる可能性もあったのだが技量面で差があり過ぎた。
ちなみに通常形態のままとはいえ、武器を持ったベリアルとゼロと三つ巴の模擬戦でただ一人素手だったにも関わらず引き分けに持ち込んだ逸話もある。
『さあ、皆の心を一つに。思いと力を光に乗せるんだ』
「心を、一つに……」
「思いと力を、光に……!」
団員達の身体が僅かに光ると、その光がガイアのウルトラメダルに集まり我夢の手から静かに浮いて虚空へと消える。
ガイアのメダルは光の中でティガのメダルと合流し、更にスピードを上げて突き進んでいく。
☆
空の彼方がキラリと光ると、時空を超え飛来した二種類のウルトラメダルはゼットの中に入り、レジェンドの手に収まる。
二つのウルトラメダルを一瞬で確認したダイナは頷き、自分の力を宿したウルトラメダルをゼットへと投げた。
「ゼット。こいつも受け取れ!」
「え!?おわっ!ちょっ……今手ぇ塞がっ……あ、カラータイマーに吸い込まれた……」
『喜べ、ゼット……!ティガとガイアがメダルを送ってくれた!今のダイナのも加えれば新形態になれるぞ!』
「マジですか超師匠!?ティガ先輩、ダイナ先輩、ガイア先輩!ありがとうございます!!」
ビシッと角度90度の礼をするゼット。
そして、レジェンドは当然――
「興奮冷めないうちに次の興奮をくれてやるとするか!やるぞゼット!」
「サーイエッサー!」
レジェンドはティガ、ダイナ、そしてガイアのメダルを順にゼットライザーへセットし、いつものように彼らしく一気にスキャンする。
『TIGA!DYNA!GAIA!』
スキャンが完了し、インナースペース内にもゼットの姿が現れる。
「時空を超える、光の絆!!」
「ご唱和ください我の名を!ウルトラマンゼーット!!」
「ウルトラマンゼェェェット!!」
ライザーのトリガーを押し、現れるはティガ、ダイナ、ガイアの幻影。
『タァッ!』『デアッ!』『デュアッ!』
『Ultraman-Z!Gamma-Future!!』
「ヘェアッ!!」
額にはティガやダイナの如きクリスタルを輝かせ、メダルの三人同様のV状のプロテクターを装着し、赤・青・金・銀のまさにヒーローカラーで現れた新たなる姿のゼット。
ウルトラマンゼット・ガンマフューチャー。
超能力に優れた形態となったゼットは、その力を確かめるように超能力で先程の槍を触れずに高速回転させながら上下左右に動かし、その手に収めた。
「レジェンドスピアとは超師匠が使ってこその力と名前。今のこの形と力ならば……ゼットランスアロー」
「「「「「……えっ?」」」」」
武器の名前はともかく、やけにクールなゼットに思わず間抜けな声が出てしまうゼロを始めとした面々。
「いや……ゼット?お前マジで大丈夫か?メダルに何か異常ないか?」
「心配無用、ゼロ師匠。マガオロチは俺が」
(いやいやいや心配無用って!実力よりお前の変わりようのが心配なんですけど!?)
ちなみにダイブハンガーではダ・ガーン関係でリアスらが喜んだり、このゼットを見て生徒会のゼットファンが鼻血出したりと大忙し。
☆
そしてゴーデス島だけではない。
「はああああ!!」
「やぁぁぁっ!!」
裕斗の『騎士殺し』と瞬閧状態の小猫の蹴りがアマツミツツカに炸裂し、それに続くように小芭内と蜜璃の斬撃が放たれる。
「後衛!そのまま畳み掛けろ!奴は攻撃を属性軽減出来ても吸収は出来ない!小細工無しの真っ向勝負で押し切れ!!」
「どんどんいっちゃって!」
「おっけー☆」
「わかりましたわ!」
「やっぱり力強いぃぃぃ!早いとこお願いしますぅぅぅ!!」
藻掻くアマツミツツカを影で必死に抑えながらギャスパーが叫ぶ。
セラフォルーの無数の氷刃と朱乃の雷撃がアマツミツツカに突き刺さるが、まだ倒れない。
「なるほど、タフな奴だぜ!こうなったら……!」
「獅子王凱!お前は黒い怪獣と戦いに行け!この鬼はこいつらだけで何とか出来る!!」
「ゼロガンダム!?本気か!?」
「そこで燻っているバカを奮い立たせればいいだけの話だ。いざとなれば俺も手を貸す。早く行け!」
凱は少し迷うが、小猫がそれを後押しする。
「行って下さい、凱さん」
「……いいのか?」
「代わりに約束して下さい。煉獄さん達を絶対に助けると。私達も全員、無事に勝ちますので」
小猫だけではない、裕斗や朱乃達も笑顔で凱を送り出そうとしている。
ならば勇気ある者としてそれに応えぬ選択肢は無い。
「ああ!当然だ!皆で勝って、ゴーデス島に向かったレジェンド様達を迎えるぞ!」
彼ら同様笑顔で約束し、凱はサタンデロスと激戦を繰り広げるガリバーと参式の元へと向かう。
一度だけ振り返り「君達も勇者だ」と変わらぬ笑顔でエールを送りながら。
凱は仮住居に来た時の道を急速で戻りながら、自身のブレスレットから改良されたファントムガオーを取り出し、それに飛び乗って戦場へと急行する。
本来ならギャレオンを連れてくるところだが、真っ先に調整出来たギャレオンを基点として各種ジェネシックマシンの調整をしているため、ここにはいない。
「こちら凱!命、そっちの準備はどうだ!?」
☆
その命だが、束と共にダイブハンガーの作戦指令室に到着後、束が圧縮空間の一部を開放。
そこになんと専用のオペレートスペースを構築。
ついでに異世界修行についていく為にもう一組持ってきているらしい。
「これまた勇者王の専属オペレーターだけあってやる事派手だねみこっちゃん!」
「むしろそれを予測してスペース確保済みのレジェンド様と束博士の方が凄いんですけど!」
「あっはっはー!お互い想い人が凄いからねぇ!あ、みこっちゃん早速呼び出し来てるよん」
束に言われ、命は急いで通信を開く。
『こちら凱!命、そっちの準備はどうだ!?』
「ドンピシャよ!今終わったところ!」
『よっしゃ!こっちも鬼をあの子達が引き受けてくれたおかげで黒い怪獣の所へファントムガオーで向かっている最中だ!フュージョン承認を要請したいが、誰か出せそうな人物は!?』
「束博士!すぐ近くにいるっていうか長官代行してくれる気満々!」
「任せたまえよがっくん!こんな事もあろうかと日々発声とポージングの練習を重ねてきた成果を見せてあげよう!」
『文句なしの代行だ!頼むぜ、束博士!』
爆走したり圧縮空間の開放したりと色々しながらもゴーデス島の状況を確認していた束はテンション上がりまくり状態で、今現在もノリノリだ。
「それじゃあ早速ぅ!フュージョン、承ぉぉぉ認ッ!!」
☆
フュージョン承認を受け、凱はファントムガオーとフュージョンする。
「フュージョン!!」
ギャレオンとのフュージョン時と違い、少し控えめに言うのがポイントとは本人の弁だ。
ファントムガオーは凱を取り込んで変形し、戦闘機から人型のロボットへとその姿を変えた。
「ガオッ!ファァァァァ!!」
ガオファーは空中からガリバーと参式の間に落下し、戦闘態勢をとる。
突然の乱入に杏寿郎とC.C.は驚くも、C.C.は面識があったため即座に普段通りになった。
「む!?誰だ!?」
「凱か。いつの間にこっち来てたんだ?お前がソレ持ってこっちに来てるならお前の嫁予定のアイツもいるんだろ?」
「久しぶりだなC.C.!命はダイブハンガーでサポートしてくれてるぜ!っと、そっちには自己紹介がまだだったか。俺はGGG機動部隊隊長の獅子王凱!よろしく頼むぜ!」
「すりーじー……という事はボルフォッグ殿の上司か!俺は煉獄杏寿郎!鬼討組も兼任の新米神衛隊員だ!所属は現在検討中!」
お互い、さっぱりした性格のおかげかあっさり打ち解けた。
……が、今はそれを喜べる状況でないのが辛いところ。
「いきなり乱入してこんな事を言うのも何だが、奴の特徴を教えてくれ」
「ああ……攻撃力が高く機動力はそれほどでもない。だが問題は攻撃力ではなく、あまりに強固かつ修復速度の早すぎるバリアだ。元々はデメリットがあったようだが、奴を送り込んだ者が改良したようで今のところ一応破れはする、という事ぐらいしかわからん」
「何よりこのまま進行されれば避難所となっている駒王学園に奴が到達してしまう!そうなれば取り返しのつかない事になる!」
やはり、と凱はガオファーのままでは太刀打ち出来ない事が予想通りであったため、ダイブハンガーの指令室へある事を要請する。
「束博士!ガオファーからファイナルフュージョンの要請を確認!」
「待ってましたぁぁぁ!行くよみこっちゃん!!」
束のテンションはこの日、最高潮に達した。
「ファイナルフュージョン、承ぉぉぉ認んんん!!」
「了解!ファイナルフュージョン!プログラム……」
命は束の承認を受け、各種操作を行った後、一拍置き……
『ドラァァァァイブッ!!』
握り拳の下部で、ガラスパネルを粉砕しつつ起動ボタンを叩いた。
☆
それは即座にガオファーを含む、予め取り出しておいたガオーマシンに伝達された。
「ファイナルッ!フュゥゥゥジョォォォンッ!!」
凱の掛け声と共にガオファーが飛び上がり、遮蔽防御用電磁竜巻・ファントムチューブを展開。
その中をライナーガオーⅡ、ドリルガオーⅡ、そしてステルスガオーⅢに追加装備を加えたステルスガオーⅢαが飛んでくる。
ガオファーは胸部からリングを生成し、合体プログラムを更新しつつ合体態勢へと移行。
まずドリルガオーⅡの機首が開閉し、ガオファーの脚部を収める。
続いてライナーガオーⅡがサイドブースター部分を切り離し直線状へと展開後、ガオファーの腕部が背後に折り畳まれトンネル状になった胴を左右に抜ける様ドッキングし、固定。
最後にステルスガオーⅢαが背負われる様に背部にドッキングしボディと固定された後、ライナーガオーⅡから展開された二の腕にステルスガオーⅢαにあった腕部がドッキングし手首が回転しつつ現れる。
角付きの兜がガオファーに装着され、さらにマスクが装着されると最後に額から緑色のクリスタルパーツが現れ、『G』の文字が浮かび上がった。
そして、左手の甲に同じくGの文字を浮かび上がらせ、力強く叫ぶ。
「ガオ!ファイ!!ガァァァァ!!!」
時空を超え、あらゆる厄災から宇宙を護るため再臨したファイティング・メカノイド。
その名も勇者王ガオファイガー!!
「うおおお!!何だアレ!何だアレ!」
「また新しいロボットだ!」
「他の二体と同じく黒い所はあるけどイメージが全然違う!」
ウイングを展開したガオファイガーの雄姿に避難していた人々も不安が吹き飛ばされたように盛り上がっている。
そして、間もなく彼らは目にするだろう。
倒れていた翼が、真の力の一旦を発揮する瞬間を。
遂に光神陣営、反撃の時。
〈続く〉
怪獣総進撃ならぬ勇者総進撃。
ゴーデス、敵に回した連中が自分よりヤベーやつらだったと思い知る。
マガオロチ「これ、実は俺もゴーデスの被害者じゃね?え、違う?あ……そう……」
いよいよ次回、ロスヴァイセさん活躍回。
少し先だけど使い魔はどんな猫にしようかな。
それではまた次回。
二択決定戦! シン一人乗りする最終ゲッターはどちらだ!?
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真ゲッタードラゴン(大決戦版)
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真・ゲッター1(スパロボα仕様)