ウルトラマンレジェンド Episode.CROSSOVER   作:ハジケハムスター・ポッポ

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お待たせしました。
ロスヴァイセとサイバスターの活躍回です。
今後、彼女はライン・ヴァイスリッターを含め二種類の機体で戦っていくことになります。
無論、そっちに乗っている時は相方もあの機体で出撃するorしている事になりますが。

それから、コラボ希望板を活動報告に設置しました。
目次ページからも飛べますので、ご希望の方はそちらへ。


それでは本編をどうぞ。


烈風の戦乙女(ヴァルキリー)

 駒王町方面とレジェンド一家仮住居。

 二つの場所で戦う者達の状況に変化が現れた。

 

 最も大きな変化はやはり光神陣営に強力な援軍、ガオファイガーが到着したことにある。

 杏寿郎は機動兵器戦は初陣であり、C.C.もあまり自分から進んで戦おうとするタイプではなく、有事の際にのみ動くのが常だ。

 そこに加わったのが百戦錬磨の勇者王とあれば戦力増加は明らかであり、専用のサポートも万全というからこれを心強いと言わず何と言う。

 

 

「各部異常無し!エネルギーの循環効率も断然良好!さすがクルーガー夫人、趣味と実益を兼ねた職業は伊達じゃないぜ!」

 

『あー!スーちゃんもマシンやエンジンの改良に協力してたんだぁ!道理で以前より数値が増してるのに消耗少ないと思ったよ!』

 

「おかけでガオファイガーの欠点だった長期戦に向かないというデメリットも解消だ!他にもガジェットツールを参考にした武装をステルスガオーⅢαにいくつか搭載してより様々な状況に対応可能になってるぜ!」

 

 

 かつてガオファイガーはある理由からフルパワー時の稼働時間が短いなどの弱点があったのだが、修復された際にスワン・クルーガー協力の元、それの克服が出来たのである。

 新たなガオファイガーは今までのデメリットを無くし、より汎用性を増していた。

 

 そんなガオファイガーがファイナルフュージョン後に最初にやるべき事は一つ。

 

 

「命!奴の進行方向には避難所になっている学園がある!まずは奴をそこから引き離すと同時に俺達が存分に戦えるようにするぞ!」

 

『うん!あのツールね!』

 

『んじゃまいっくよー!ディバイディングドライバー、承認!』

 

『了解!ディバイディングドライバー……イミィィィッション!!

 

 

 コンソールパネルを操作後、背後に現れたパンチングマシーンのようなものにまたまた握り拳下部を裏拳のような体勢で叩きつける命。

 相変わらずアグレッシブなオペレーターだ。

 

 A・Bパーツに分割状態のまま射出されたディバイディングドライバーⅡは駒王町上空のガオファイガーに近付きつつ空中でドッキングし、本来の形になった後に改めてガオファイガーの左腕に装着される。

 

 

「ディバイディングドライバァァァァ!!」

 

ズドォォォォン!!

 

 

 ガオファイガーがディバイディングドライバーⅡを地面に突き刺すと、凄まじい衝撃波が駒王町を分断するように地走った後、半径数十キロにも及ぶ土地の凝縮移動が発生し戦闘用フィールド『ディバイディング・フィールド』が形成され、ガリバーと参式、そしてサタンデロスはその場へと降ろされた。

 ガオファイガーもまたゆっくりとフィールドへと降下しD.D.モードを解除、ディバイディングドライバーⅡを分離し通常モードに移行する。

 

 

「これはどうなったのだ!?」

 

「ハイパーツールの一つ、ディバイディングドライバーで戦闘用のフィールドを作ったのさ。市街地じゃ、奴はともかく俺達は戦いにくいからな!」

 

「手っ取り早く説明するなら遠慮なく戦えるようになったというわけだよ。おまけに今のは町を破壊したわけではなく、そうだな……地面にチャックを付けてそれを開いたようなものと言えばわかるか?」

 

「何となくだが理解した!凄まじいな!だが、おかげで頑治郎も存分に斬艦刀を振るえるというわけだ!」

 

 

 杏寿郎は感謝し、グルンガスト参式は通常形態の参式斬艦刀をその手に構える。

 巨大刀剣形態は他の2機もいるため、いざという時の切り札だが通常形態でも杏寿郎の今の技量ならば問題はない。

 ガオファイガーとコンパチブルガリバーも格闘戦の構えに入り、凱の指揮で戦闘を開始する。

 

 

「フィールドが維持出来るのは30分だ!それまでに奴を倒す!行くぞ二人とも!!」

 

「承知した!この戦場ならば加減は不要!先程までのようにはいかんぞ!!」

 

「まずバリアを破らなければ突破口は開けん。逆を言えばバリアさえどうにか出来ればこの面子ならパワーで押し切れる……!」

 

「ならば分散せずに一点集中・波状攻撃だ!!」

 

 

 ガオファイガー、コンパチブルガリバー、グルンガスト参式とサタンデロス。

 不屈の闘志を持った勇者達と漆黒の惑星破壊神が激突する。

 

 

 

 

 その頃、クロエが駆るガリルナガンとアサキムの駆るシュロウガ……黒き二体の機動兵器による高機動空中戦はゼット、つまりは同時にレジェンドが無事であるとの報を聞いたクロエが再び巻き返していた。

 

 

「また動きが良くなった。どうやら君に何らかの影響がある事態が起こったようだね」

 

「何度も言わせて頂きますが、貴方には関係ありません」

 

「相変わらずつれない返事だ」

 

 

 そういうアサキムだが、コックピットである以上クロエからは見えないものの笑みを浮かべたままだ。

 

 

「さて、しばし刃を交えて分かったが……君も彼女同様、機体の性能を発揮出来ていないらしい。とは言ってもサイバスターのように操者の技量不足ではなくその機体に何らかの制限が掛かっていると考えた方が良さそうだ」

 

「だとしたら何だというのですか?」

 

「焦らすのは嫌いだったか。失礼、同志にそれもプラスに考えられる人物がいてね。もう少し謎掛けなどをしたかったが君が嫌ならば仕方ない」

 

 

 ちなみにその同志とは言わずもがな堕天司ベリアルのことだ。

 アレはサドにしてマゾである。

 

 

 

 

 

「シュロウガの力の一端を見せてあげよう。エンブラス・ジ・インフェルノ!!」

 

 

 

 

 

 アサキムの言葉が発せられた瞬間、シュロウガを中心に黒い光が全方位に放出され周囲を吹き飛ばす。

 ガリルナガンもその影響で凄まじい衝撃を受け、咄嗟にバスタックス・ガンを盾にする形で緩和したものの大きく吹き飛ばされた。

 そのスキを狙ってシュロウガが猛攻を掛ける。

 

 

「魔王剣……疾風の如く!」

 

 

 恐るべき加速と異常な程に柔軟な機動性でガリルナガンへと接近し、盾にしていたバスタックス・ガンへと深々とディスキャリバーを突き刺した状態で更に上空へとガリルナガンを持ち上げ飛翔するシュロウガ。

 

 

「さあ、至福の悲鳴をあげろ!」

 

 

 ディスキャリバーを引き抜くと同時に全方向から縦横無尽、驚異的速度でガリルナガンを切り刻む。

 

 

「う……くっ……!」

 

「苦しみ!もがき!そして、堕ちるんだ!!」

 

 

 最後の一閃によって巨大な魔法陣が完成し、強い光を放つと大爆発する。

 その光景を見ていたオカ研メンバー+αやレジェンド一家、そして避難していた駒王町の人々の顔が青ざめる。

 ガオファイガーの登場によって希望に満ちていた人々の心は、黒き狩人がその力の一端を見せた事で再び不安の方へと傾いてしまったのである。

 

 煙が晴れると、損傷があり五体満足とはいかないものの健在なガリルナガンの姿があり、それを見た者達は少なからず安堵した。

 

 

「ほう、あれに耐えるとはさすがというところか。しかしその様子を見るに先程までの動きは不可能になったみたいだ」

 

(ガリルナガンの自己修復機能は正常に作動している……しかし、彼がこのまま見過ごすとは到底思えない。どうしましょうか……)

 

「サイバスターの方は君を狩った後にすぐ狩るとしよう。あちらは対して脅威ではないとわかったのでね」

 

「……少し、短角的ではないですか?」

 

「何?」

 

「如何なる時であろうと、得てして予想外とは起きるもの。常識に囚われ過ぎず、非常識もまたこの世の常と思うべし……レジェンド様から教わった言葉です」

 

 

 クロエの言葉を聞くとさしものアサキムも怪訝に思う。

 自信があるのか、もしくはただ諦めていないだけなのか……。

 

 

「何が言いたい?」

 

「貴方を倒す可能性があるのは何も私だと限った事ではない。そういうことです」

 

 

 

 

 各所で激戦繰り広げられる中、ロスヴァイセはサイフィスからサイバスターに関する事を聞いていた。

 

 

「えっ……と……つまりサイバスターはどのみち性能を十分発揮出来るような状態ではなかったと……?」

 

――簡単に言えばその通りです。本来、魔装機や魔装機神は精霊と契約することによってその精霊の加護を受け、各々異なった特徴を持つようになります。外見は契約予定の精霊の加護を受ける前提で作られることが多いのですよ――

 

「それじゃあ、何も私の操縦技術が不足しているとは限らないんですね」

 

――いえ、ぶっちゃけ下手くそです――

 

「オブラートに包む気もない言い方ですね!?」

 

 

 容赦無く下手くそ認定されたロスヴァイセは涙目。

 というのも実はサイフィス、サイバスターはレジェンドないしサーガが乗るものとばかり思っていた為、判断基準があの二人なのだ。

 レジェンドはアムロと同レベル(ただし本人いわくスーパーロボット系向け)、サーガも相当な操縦技術を持っているぐらいだからそう感じても仕方ない。

 比べられたロスヴァイセとしてはたまったものじゃないのだが。

 

 

――まあ、操縦技術に関してはこれからシゴいていくとして――

 

「鍛えるんじゃなくてシゴくんですか!?巌勝さんに師事してるゼノヴィアさんみたいな状況になるんですか!?」

 

――どちらにせよサイバスターと私が契約して私がサイバスターの守護精霊となり、その上で私が貴女と契約することで漸くサイバスターは本来の力を発揮出来るようになります。貴女は機動兵器戦闘に関してはまだ素人に毛が生えた程度の腕前なのでしばらくは私が補助につく必要がありますが――

 

「ううう……言い返したいけど事実だから言い返せません……」

 

 

 サイフィスが予想以上にズバズバ言ってくるため、ロスヴァイセの涙腺が決壊し滝のような涙が流れている。

 しかしながらこの場を形勢逆転出来る手段があったのは思いもよらぬ嬉しい誤算。

 

 

「と……ともかく!それじゃあ早く契約を!」

 

――急かさないで下さい。正直に言いますと、サイバスターと私の契約は元々想定されていた事なので手早く済みますし何も問題はありません。ですが貴女と私の契約は別です――

 

「え!?」

 

 

 いきなり冷水をぶっかけられたような衝撃を受けた。

 だが、その後のサイフィスの言葉でロスヴァイセはその意味を知る事となる。

 

 

――魔装機ならいざ知らず、魔装機神は本当の意味で操者に選ばれた場合、その者が死ぬかその魔装機神が完全に破壊されるまで契約は続きます。そしてそのサイバスターは光神であるレジェンド様も手掛けた魔装機神……即ち光神の加護も受けている。つまりサイバスターの真の操者になるという事は正しくレジェンド様の眷属になるというのに等しい。それは同時に普通の人間として生きていく事が出来なくなる、ということでもあります――

 

 

 今はギリギリ人間のラインだったロスヴァイセだが、契約すればレジェンド一家や惑星レジェンドに住まうもの達と同様に光神眷属となり、普通に生きて普通に老いて普通に生の幕を閉じる……それが出来なくなる。

 逆に契約しなければ力は手に入らない代わりに、まだ光神の影響による不老長寿程度で済む。

 二者択一、既に光神らと関わっている以上ある程度人間をやめている彼女だが――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「構いません。お願いします」

 

――そうですか。それも一つの選た……あれ?――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 サイフィスも間抜けな声を出してしまう程、はっきり言い切った。

 

 

――えーっと……私の話、聞いてました?人間やめちゃうんですよ?正確に言うと光神眷属生命体っていうのになっちゃうんですよ?――

 

「はい。というよりもまだ私人間だったんですね」

 

――えぇー……――

 

「あの時、京都でオーフィスさんに拾われて……リクさんに勧められてレジェンド様の下で働く事になってから覚悟はしてました。ですから、人間でなくなっても構いません。今、私がいるここが私の居場所ですから」

 

――サイバスターのコックピットが?――

 

「レジェンド様のお傍ですよっ!!」

 

 

 レジェンドとゼットに負けず劣らずのコントぶりを披露するロスヴァイセとサイフィス。

 あまりに吹っ切れているロスヴァイセにサイフィスははー……と深い溜め息を吐く。

 

 

――……わかりました。誘導しようとしてもまた路線修正されるでしょうし、貴女の意志を尊重しましょう。改めて最終確認です。私と契約するということは正式にレジェンド様の眷属になるということ。それ即ち人間から昇華し光神と共にある生命として生き、文字通り悠久の時を過ごすということ。人間の友やそれに準ずるものが老いて朽ち果てようと己は老いも朽ちる事もない。それでも尚、この道を選びますか?――

 

「はい。それが私の生きる道です」

 

――汝の御意は神風と共に。今この時より我、サイフィスと汝、ロスヴァイセは『風』の盟約を結ぶ。我が風の守護を白き魔装機神に、風の魔装機神の力を戦乙女に、そして戦乙女の願いを我と魔装機神に――

 

 

 サイフィスが言葉を紡いでいくと今まで足りなかったピースが嵌っていく様にサイバスターの出力が跳ね上がっていく。

 

 

「これが……!」

 

――これにて契約は完了です。しかし困りました。ただでさえライバルが多いというのにまた一人……他の世界にもいるみたいですし、あの方は天然ジゴロですし――

 

「……いや、あのこういう時ってもっとこう、ドラマチックな展開とか……」

 

――そんなもんアニメや漫画、ゲームとかの中だけですよ。実際はこんな感じで俗っぽいありふれた展開です――

 

「さっきぼんやり見えましたけど貴女精霊王の一柱ですよね!?何かぬいぐるみ抱えてましたよね!?」

 

――レジェンド様とサイバスターのぬいぐるみですよ。最高の組み合わせだと思いません?――

 

 

 どうやら予想以上にサイフィスは俗っぽかったようだ。

 一気に盛り上がる展開かと期待していたロスヴァイセも顔が引きつっている。

 

 

――まあ、そちらは後で自慢するとして――

 

「するんですか!?」

 

――今のサイバスターの状態は半・精霊憑依(ハーフ・ポゼッション)とでも言うべき状態になっています。私と正式に契約したことでサイバスターの基本スペックは跳ね上がっていますし、その上で半・精霊憑依が発動しているのでよりその能力は高まっています――

 

「ということはつまり……」

 

――今の貴女では私抜きだとまずまともに戦えませんね――

 

「……そろそろ本気で泣いていいですか?」

 

――ダメです――

 

「せめてスルーして下さいよ!?」

 

 

 これまた厳しいサイフィスにロスヴァイセはツッコミを入れるが彼女はどこ吹く風だ。

 風の精霊王だけに。

 

 しかし、いつまでもこんなコントじみた事をしているわけにはいかない。

 空ではクロエが、そしてディバイディング・フィールド内ではC.C.に杏寿郎、そして援軍として駆け付けてくれた凱が戦っているのだ。

 サイフィスと契約した事によってサイバスターは漸く本当の力を発揮出来るようになった。

 ならばすべき事はただ一つ。

 

 

――さて、確かサイバスターは今回がデビュー戦でしたね。初陣とはいえ私が守護精霊となったサイバスターがボロ負けしたまま戦闘終了というのは腹が立って仕方ありません。あの黒いのは個人的に気に入らないので撃墜しましょうか――

 

「思いっきり私情挟みまくりですね!?精霊王ってもっと平等みたいなイメージあったんですけど!」

 

――修理費払いたくないという理由から高機動型の機体選んでこういう状況に陥ってる貴女に言われたくありません――

 

「ふぐぅっ!?」

 

――ですが、そういう俗っぽいところは好ましいと思います。何の意志も持たずただ言われるがままの生き方より余程素晴らしく感じますよ――

 

 

 突然真っ当な理由で肯定されたロスヴァイセはポカンとしたが、何度か瞬きした後に表情を引き締め、レバーを握った両手に力を込めた。

 

 

「でしたら、今まで好き勝手してくれたツケを彼に支払って貰いましょう!」

 

――ええ、当然利子付きで――

 

 

 今、風の魔装機神(サイバスター)がその真の力の片鱗を見せる時が来た。

 

 

 

 

 戦場に、一陣の風が吹いた。

 

 それは神風也。

 

 

 

 

 

ドカァァァァン!!

 

 

「ぐうっ!?」

 

「……!」

 

「綺麗に入りました!」

 

――今のサイバスターならば造作もありません。油断しているなら尚更です――

 

 

 ガリルナガンにのみ集中していたシュロウガに対し、先程までとは比較にならない速度でサイバスターのディスカッターがシュロウガを斬り裂いたのだ。

 

 

「サイバスター……ロスヴァイセ様……!」

 

「クロエさん!任せっきりですみませんでした!もう大丈夫です!」

 

「機体と、貴女自身の雰囲気が……わかりました、それが貴女の……貴女達の選んだ答えなのですね」

 

 

 長年惑星レジェンド圏内で過ごしてきたクロエはサイフィスの存在と、ロスヴァイセが本当の光神眷属となった事を理解する。

 どんな事があったのかはともかく、彼女自身が選択した道をとやかく言う気はない。

 今は目の前の存在をどうにかするのが先決だ。

 

 

「……まさか君に出し抜かれるとは思っても見なかったよ」

 

「油断大敵って言葉を知ってますか?」

 

「なるほど、少しはマシになったようだが……仮に機体が同等レベルまでその性能を引き上げられたとしても君と僕では経験、そしてそこからなる技量に絶対的な差がある。それを加味した上でその自信なのかな?」

 

「はい。正直、私の腕では貴方にまず敵わないでしょう。ですがそれは私一人ならの話です」

 

「そうか……つまりそこの彼女との連携で戦うというわけか。しかし、そんな君の技量で彼女との連携が取れるとは到底思えない。精々彼女が君に合わせる事で持ち味を潰してしまい……二人揃って僕に狩られるのが関の山さ」

 

 

 アサキムは相変わらず上から目線の発言であったが、確かにその通りである。

 故にロスヴァイセが選んだ方法はアサキム、そしてクロエさえ驚かせる事になった。

 

 

 

 

 

「クロエさん!あっちの黒い怪獣に向かって下さい!彼は私達が抑えます!」

 

「「!?」」

 

 

 

 

 

 ロスヴァイセが一人で戦うと言い出したのだ。

 否、一人ではない……サイフィスもいる。

 それをわかっていたクロエは然程悩む事もなく頷き、ガリルナガンを動かしサタンデロスへと向かう。

 シュロウガに乗るアサキムは焦った様子もなくそれを見送り、サイバスターと改めて対峙する。

 

 

「随分と思い切った選択をしたものだ。自分と一緒に犠牲になるくらいならと彼女を離したのか。その自己犠牲の精神に免じて――」

 

「犠牲になるという前提からして間違ってますよ」

 

「何……!?」

 

 

ガキィィィン!!

 

 

「ぬっ!?」

 

「私達は勝ちます!」

 

――本気のぶつかり合いではこちらが不利になるのは明白、私と半・精霊憑依状態にあるサイバスターの速度ならばあちらを上回る事が可能である以上、それを活かした高速戦闘による速攻短期決戦しかありません――

 

「だったら剣一本では足りませんね!」

 

 

 シュロウガと鍔迫り合い状態だったサイバスターは、シュロウガを一度吹き飛ばしディスカッターを仕舞った後、それとは別の二振りの片刃剣を取り出す。

 形の違う剣を両手に携え、サイバスターは更に速度を上げシュロウガへ肉薄する。

 

 

「せぇいッ!!」

 

「ぐっ!?」

 

「まだですよっ!!」

 

 

 大きめの剣と、それよりほんの少し小さいが十分な大きさのもう一振りの剣。

 凄まじい速度で空中を縦横無尽に舞いながらその二振りの剣を機動力に負けない剣速で振るうサイバスターに防戦一方のシュロウガ。

 予想を遥かに上回るロスヴァイセとサイバスターにアサキムは驚愕する。

 

 

「あの短時間で何故これ程のっ……!?」

 

「はあっ!!」

 

「っ……!しまっ……」

 

 

 再び吹き飛ばされ、しかも今度は弾かれるような状態になり無防備な姿をさらす。

 サイバスターはその機を逃さず、二振りの剣を一つに合わせる。

 

 

「行きます!バニティリッパー!!」

 

 

 そして超加速でバレルロールしつつシュロウガに迫り、一閃。

 慣性の法則で、そのまま地上……ガオファイガーやサタンデロスらから離れた場所に着地直後、何度も回転しつつ停止すると同時に、斬り裂かれたシュロウガが爆発する。

 

 

「サイフィス、どうですか!?」

 

――手応えはありました。ですが……――

 

 

 

 

 

「まさかここまでとは……」

 

 

 

 

 

 爆発の中から、既に修復を開始しているシュロウガが姿を現す。

 それを見ていた駒王町の住人らは恐怖するも、ロスヴァイセとサイフィスは何となくそれを予想出来ていた。

 

 

「嬉しくありませんけど予想していた通りですね」

 

――では、締めといきましょうか――

 

「はい!」

 

 

 そう、バニティリッパーで仕留められればよし。

 でなければ『あれ』を使うと二人は決めていた。

 

 バニティリッパーを仕舞い再びディスカッターを抜くと、突如サイバスターの足元に魔法陣が発生する。

 

 

「行きますよ!アカシックレコードサーチ!」

 

 

 サイバスターはディスカッターを二回三回と片手で回転させ、魔法陣に突き立てる。

 するとそこから凄まじい炎が舞い上がり、今度は空に魔法陣が発生しそこから火の鳥が現れた。

 驚く人々を尻目に、サイバスターはその姿を変える。

 

 

「サイバード・チェンジッ!」

 

 

 サイバスターは高速巡行形態サイバードへと変形し、魔法陣より現れた火の鳥と一体化し、白き巨大な光の鳥へと変化し、シュロウガへと突撃する。

 それこそ、サイバスターの必殺技の一つ。

 その名も――

 

 

 

 

 

「受けて下さい!

 

 アァァカシックバスタァァァァ!!」

 

 

クゥアァァァァァ!!!

 

 

 巨鳥の咆哮のような音と共に急加速してきたサイバードを回避し切れず、シュロウガはアカシックバスターを受けて再び大爆発する。

 爆炎の中からサイバードが姿を現し、サイバスターへと再変形し爆炎の方を向くと、そこには半身を失いながらも未だにシュロウガは存在していた。

 

 

「し、しぶとい……!」

 

――何でしたっけ、あの黒くてしぶとくてカサカサ動くの……――

 

「アレとは違いますよ!?……そう思いたいです」

 

――ですよねー――

 

「……どうやら僕は少々君達を見くびりすぎていたようだ。その点は謝罪しよう」

 

 

 どうやらアサキムも健在らしい。

 特に苦しい感じはしないので怪我などはしていないようだが、それ以上にまだ余裕があるように見える。

 

 

「さすがにその状態では仮に戦闘は出来ても十分に動けないはずです。投降してくれると助かるのですが……」

 

「投降か……確かにこのままでは厳しいな。それも一つの未来か」

 

 

 何度もやられたのが効いたのか、おとなしくなったアサキムにロスヴァイセはホッと一息ついた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「しかし壊れたら直さなければならないな」

 

「え?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 アサキムがそう言うとシュロウガを凄まじい光が包み込み、それが収まると先程までの損傷が嘘のように元通りとなっていた。

 

 

「そ……そんな!?」

 

「さて、仕切り直し……と言いたいがあの黒い機体の少女と君の頑張りに敬意を表し、この場は君達に勝ちを譲ろう」

 

「はい!?」

 

「先程の攻撃……見事ではあるがまだまだ機体に振り回されている感が否めない」

 

「う……」

 

 

 図星をつかれて何も言えなくなるロスヴァイセと、うんうんと頷くサイフィス。

 そんな様子の彼女らを見えているのかいないのか、アサキムは最初と変わらぬ調子で告げる。

 

 

「君達は僕に狩られるだけの資格を得た。今後のさらなる成長を期待させてもらうよ」

 

「え!?あ……ちょっと!?」

 

「願わくば君達以外にもシュロウガの『スフィアシステム』を目覚めさせるだけの存在が集まってくれる事を願って、今日は引き下がるとしようか。それではね、烈風の戦乙女(ヴァルキリー)

 

 

 そう言い残し、シュロウガはサイバスターに匹敵する速度で戦場から離脱していく。

 最初は追いかけようとしたロスヴァイセだが、急に力が抜ける感覚に襲われ仕方なく断念する。

 

 

――プラーナの使い過ぎですね。少し休めば元通りになりますよ――

 

「プラーナ……?魔力みたいなものですか?」

 

――生命力よりの魔力といいますか、まあそんなところです。手っ取り早く補給したければ口移しですね。マウストゥーマウス、キス、接吻……――

 

「えええええ!?」

 

――それだけ騒げるなら問題ないですね。いつでも戦場を離脱出来るように準備しておいた方がいいですよ――

 

 

 あたふたするロスヴァイセに対し、いつもの調子で飄々と言い放つサイフィス。

 一先ず未知の強敵シュロウガとの激闘はサイバスターが勝利をおさめる形で決着した。

 駒王町の戦いで残るはアマツミツツカと、難敵サタンデロス。

 

 この時、ロスヴァイセはおろかサイフィスも気付いていなかった。

 

 

 彼女らの諦めない心に反応し、ある人物の持つモノが僅かな輝きを灯した事を。

 

 

 

〈続く〉




フルボッコにされたのに何事もなかったかのように再生する鬼畜性能シュロウガ。
まあ、まだサイバスターは全開じゃないので仕方ない。
ロスヴァイセに猫(使い魔)もいないし。

次回、アマツミツツカは程々にいよいよサタンデロスとの死闘。
三対一、そこにクロエとガリルナガンが加わってもまだ有利とは言い切れない状況。
活動時間制限の消えた絶対防御バリア持ちの強敵を倒す方法とは!?


それではまた次回。

二択決定戦! シン一人乗りする最終ゲッターはどちらだ!?

  • 真ゲッタードラゴン(大決戦版)
  • 真・ゲッター1(スパロボα仕様)
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