ウルトラマンレジェンド Episode.CROSSOVER   作:ハジケハムスター・ポッポ

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お待たせしました。
ゴーデスとの戦い、遂に決着……!
本章を締め括るのはサブタイトルでお分かり頂けるでしょう、彼です!
もはやこれ以上の前置きは不要。


それでは本編をどうぞ。


Lost the way

 今から遥か昔――

 

 当時の光神達がざわつき、背を向けた一人へ問いかける。

 

 

「レジェンド様!本気なのですか!?」

 

「確かにレジェンド様と共通する点はございますが……!」

 

「別にお前達に面倒を掛けるつもりはない。この子が大きくなって独り立ちするまで俺が可能な限り一人で面倒を見る」

 

「しかし……!」

 

「ならば放り出せと?」

 

「そ……そういうわけでは……」

 

「誰もこの子の容姿ばかり気にしてその内に秘める可能性に目を向けようとしない。だからこそ俺が育てる。この子の輝きはいずれこの【エリア】に必要となるはずだ。この話はもう終わり……早く持ち場へ戻れ」

 

 

 レジェンドの言葉に釈然としないまま光神達はその部屋から退出し、レジェンドとその手に抱かれた一人の赤子が取り残された。

 

 

「さて……名前は何にするか。そうだ、立場に因んだ名前にしよう。『神』が入っている方がいいか……ああ、ちょうど俺とも繋がるような単語があったな。よし、今日からお前の名は――」

 

 

 ――そして、今――

 

 

 

 

 ダイブハンガーの一室――医務室は凄まじい光に満たされていた。

 

 

「な、何!?」

 

「これは……!?」

 

「目が!目がぁーッ!!」

 

「アザゼル、そのネタはありきたりすぎるぞ!しかし……!」

 

 

 その光の根源は……

 

 

「ソラン……さん……!?」

 

 

 ソラン・セイエイ……真の名を、ウルトラマンサーガ。

 

 

「……皆が諦めない心で立ち向かってくれたから、エネルギーが溜まった。今回変身すればまた溜め直しになるが同時に確信も出来た……俺が戦わずとも、皆は未来を切り拓いていけると」

 

「……行くんだね、サーくん」

 

「ああ。今は、俺が戦う必要がある」

 

 

 束にサーガはそう返し、光の根源……サーガブレスに触れる。

 ゴーデスと戦っている者達は闘志こそ十分だが、体力は殆ど限界に近いだろう。

 現に戦闘中に加わったダ・ガーンXも動きがどことなく悪い様に見える……先の凄まじいエネルギーを放った反動なのかもしれない。

 

 

「諦めない者に、光神は力を貸す。そして今がその時だ」

 

 

 サーガはサーガブレスのある左拳を強く握りしめ、決意の眼差しで周囲にいる者達を見渡す。

 

 

「先輩達は誰一人欠けさせることなく、連れて帰る。もう少しだけ待っていてくれ」

 

「ソランさん!」

 

 

 心配そうな表情で小猫がサーガへと駆け寄るが、サーガは優しい表情で告げた。

 

 

「心配しなくていい。俺も必ず戻る」

 

「……約束、ですよ?」

 

「ああ……ゼノヴィア、この子を頼む」

 

「へぇあっ!?え、あ、その……た、賜りまひたっ!?あう……」

 

 

 いきなり自分が頼み事をされるとは思わずパニクってしまい噛んでしまうが、周囲は程よくリラックス出来たようでクスクスと笑っている。

 ゼノヴィア本人は穴があったら入りたい程に恥ずかしがっているが。

 

 

「……行ってくる」

 

 

 サーガが再び表情を引き締め直した事で、小猫は彼から少しだけ離れて見守る。

 これから邪悪生命体を撃ち滅ぼすべく戦場へと赴く光神の無事を願って。

 

 今、光の神がその真の姿を現す。

 

 

 

 

 

「サァァァァガッ!!」

 

 

 

 

 

 数多の心の光――その輝きの中で。

 

 

 

 

 それは一瞬だった。

 

 ダイブハンガーとゴーデス島……いや、この世界の地球全土を照らすような光が溢れたかと思えば、光神陣営を守るように、そしてゴーデスの前に立ち塞がるように今までのウルトラマンとはまるで異なる姿の巨人が現れたのだ。

 

 その姿はまさに、光そのものの具現化。

 

 

「え……?え?え??だ、誰!?どちら様にゃ!?」

 

「あれは、もしや……!」

 

 

 黒歌は突然の登場に混乱し、ダ・ガーンXは誰であるかを理解した。

 そして、その存在を見たゴーデスは驚きと恐怖に染まっていく。

 

 

『バ……バカな……貴様は変身不可能なハズだ……!何故だ!何故貴様が出て来る!?』

 

「諦めない心……それが、俺に力をくれた」

 

『そんな……そんなもので貴様はその姿になれるというのか!ウルトラマンサーガァァァ!!』

 

 

 その存在こそ、レジェンドが後継者と認めた光神――ウルトラマンサーガ。

 

 

 

 

 ダイブハンガーでは誰もが息を呑みその光景を見ていた。

 今までのウルトラマンとは違う、結晶が集まったような身体やグラデーションのボディカラー。

 そして何より目を引く、身体の各所から溢れ出る凄まじい光……明らかに他のウルトラ戦士とは次元が違うであろう事を示していた。

 

 

「あれが、ソランさんの本当の姿……!」

 

「タイガ達とは全然違う……神秘的な感じね」

 

「この感じ……以前ゴウエンマという鬼を討伐した時と同じ!やはりあの時の不思議な力はサーガ様のものだったのか!」

 

「パムパムー!」

 

「さてさて驚くのはここからだよ。レジェくんが後継者と認めたサーくんの実力、両目を見開いてガッツリ見ておくよーに!サーくんが本気で動いたら早過ぎて見えないから」

 

「「「「「……え?」」」」」

 

 

 間抜けな声を出したリアス達だが、束の言葉の意味をすぐ知ることになる。

 

 

 

 

来たぁ!!きたきたきたきた!待ってたぜ大将ぉぉぉ!!」

 

「マジかよ……!土壇場で仰々しく登場とはキメてくれるじゃねえか!サーガの大将!!」

 

 

 カミナはテンションが最高潮に達し、オルガも笑みが零れる。

 彼らだけではない、サーガを知るウルトラ戦士や神衛隊の誰もが歓声を上げて喜びを表現する。

 圧倒的絶望の中で希望を信じ、戦い続けた彼らの前に奇跡を起こす存在が駆けつけてくれた――その事実が彼らの闘志を更に熱く燃やしていく。

 

 

『随分と遅い登場だな、サーガ』

 

「すまない先輩。遅れた分は働きで取り戻させてもらう」

 

 

 そう言ってゴーデスへと向き直り……サーガの姿が消えた。

 

 

「え?」

 

 

 黒歌が一言だけ声を出した瞬間――

 

 

 

 

 

ドガァァァァァン!!

 

 

『ゴォアァァァァ!!』

 

 

 

 

 

 いつの間にかゴーデスの眼前にいたサーガの回し蹴りがゴーデスの顔面に炸裂し大爆発を巻き起こした。

 

 

「にゃあっ!?」

 

『ウソだろ!?師匠や先輩、ガイさんやリクさんがタイミング合わせて放った必殺キックと同じ威力を、一人で……!』

 

『何を言ってるんだ』

 

『え?』

 

『あれはただ普通に蹴っただけだ。必殺キックではない』

 

「「「「『『『『!?』』』』」」」」

 

 

 一誠の驚きに対するレジェンドの返答に一誠やドライグ、トライスクワッドにゼット、そして黒歌とダ・ガーンXは驚愕する。

 歴戦の勇士や若き精鋭が集結して放った合体技すら、サーガの一撃に届かせるのがやっとだということに。

 

 

「次元が、ウルトラ違い過ぎる……!」

 

 

 ガンマフューチャーになったことで冷静な性格と化していたゼットすら普段の口癖が出てしまう程の衝撃をサーガは起こしていた。

 

 

「ウルトラ戦士と神衛隊……いや、ゴーデスを討つべくこの場に集った者達に告げる」

 

 

 サーガは再び地に降り、その場にいた者全てに言った。

 

 

 

 

 

「……俺に続け!!」

 

「『オオォォォォォ!!』」

 

 

 

 

 

 短く、しかしハッキリと力強く。

 サーガの言葉は彼らしさと共に皆を奮い立たせるには十二分の効果があった。

 

 

 

 

 同じくダイブハンガーでもサーガの実力の一端を見たリアス達は唖然としたままだった。

 小猫などの武闘派は目をゴシゴシと擦って何度も瞬きしている。

 

 

「あっはっはー!やっぱりそうなるよねぇ!いやぁ予想通りの反応だよ!」

 

「束殿!今サーガ様は何をされたのだ!?」

 

「しのぶ、小猫ちゃん、今の見えた?」

 

「ううん……何か光ったとしか」

 

「もしかして瞬歩……ですか?」

 

 

 小猫の言葉になるほど、とサーガを知らぬ者達は頷くが束はあっさり否定する。

 

 

「んーん、ハズレ」

 

「え!?」

 

「アレは俗に言う瞬間移動だよ。サーガアクセラレーションって言ってね、確か身体を光か粒子に変えて移動するんだって」

 

「瞬間移動だあ!?あんな短距離をポンポン移動出来んのかよ!?」

 

「いや、レジェンド様が後継者と言うくらいだ。それぐらい出来ても不思議ではない」

 

「ほほー、そっちのスケベ総督と違ってちゃんと理解してきたねぇ魔王君」

 

 

 アザゼルをディスりつつ、サーゼクスを褒める束。

 漸く彼女もサーゼクスや、スペリオルドラゴンの下で少しずつ良い方に向かっているミカエルなどは評価するようになっている……手綱を取る役がいないアザゼルは別として。

 

 

「ま、サーくん自身強いけどさ、それ以上に神衛隊の皆から慕われてるのが一番の強さなわけ。私達がレジェくんを慕うのと同じようなものだね。親愛と恋愛の違いはあるけど」

 

「それは、今の様子を見ればわかります」

 

「でしょ?それにサーくんが危険になったらそれこそゼッくんの身体乗っ取ってでもレジェくんが出張ってくるだろうし」

 

「ゼットさんにとって二重の意味で笑えませんね」

 

「にゃははー、だから心配要らないよ小猫ちゃん。レジェくんもそうだけど、帰って来た時のおかえりなさいが何より嬉しがるからそれ言ってあげな」

 

「はい!……あと、黒歌姉様ズルいです」

 

「そこは儂も同意じゃのぅ。帰って来たら生身でリアルファイトじゃな」

 

 

 束がほんわかさせたと思ったら小猫自ら別の方をぶっ壊しにかかり、しかも夜一まで乗っかった。

 この時、ソウルゲインの中で黒歌は身震いしたという。

 

 

 

 

 サーガの拳がゴーデスに叩き込まれ、再び大爆発を起こす。

 それを皮切りに次々と光神陣営の攻撃がゴーデスへと撃ち込まれていく。

 

 

「鉄華団総員!弾も体力も使い切れ!手にした刃が折れようが構えた銃が折れようが、俺達自身が折れなきゃ負けじゃねえ!決して折れない鉄の華、それが俺達鉄華団だ!!」

 

「「「「「うおおおお!!」」」」」

 

 

 オルガの号令はサーガの参戦で沸き立っていた鉄華団を更に奮い立たせた。

 コジローも若い世代が立派に育っている姿を見て小さく笑みを浮かべ、自分も負けていられないと操縦桿を握り締める。

 

 

「この激戦の中で戦意を失わないのは一人前の証拠だが、俺から見れば精神はともかく腕前に関してはまだまだ成長の余地がある。ついてこいヒヨッコ共!俺が実戦の中で指導してやる!」

 

「「「「「押忍!!」」」」」

 

 

 かつてはグランド・フォースの鬼教官と呼ばれたイナバ・コジロー。

 本職メカニックながらも幾多の戦場を最前線で戦った腕前は今もなお衰えを知らず。

 

 

「オルガもおやっさんも大将に続けてキメてくれるたぁ粋じゃねえか!」

 

「ここで俺達も気合を入れなきゃ超次元グレン団の名が廃るってもんだ!行くぜ、ダチ公!ゴーデスとの最後の戦いだ!!」

 

「「「「「応!!」」」」」

 

 

 カミナとシモン、二人の団長の号令にキタン、ヨーコ、ヴィラル、ロージェノム、そして巌勝は気合を入れゴーデスへと向かっていく。

 

 

「さてと!引き続きで悪いけど援護よろしくね、ボルフォッグ!」

 

「了解です、黒歌隊員」

 

「光神サーガのおかげかブレストアースバスターの反動による機能不全が完全に消えた……まだ私もやれる!」

 

「そっちもいけるみたいだな!こっちもこっちで行くとしようぜ、スーパーロボット軍団!!」

 

 

 黒歌のソウルゲイン、そしてビッグボルフォッグとダ・ガーンXを率い、竜馬の駆るブラックゲッターが猛然とゴーデスへと迫る。

 

 

「ガンダム・フレームを含むガンダム全機は私に続け!後続のMS部隊の為に先陣を切る!!」

 

 

 グラハムの指揮でターンXを除くマリーダ、三日月、昭弘、シノ、加えて狛治が先行してゴーデスへと攻撃を仕掛ける。

 一番早くゴーデスに先制攻撃を仕掛けたのはグラハム……ではなく三日月。

 バルバトスの手にはいつの間にかレジェンド謹製の大太刀『デモンワームブレード』が握られており、ゴーデスの眼前直前にギリギリ再度溜まったリミッター解除用のエネルギーを即座に解放。

 

 

「レジェンド様との約束だから。その目玉……潰すよ」

 

 

 急接近したバルバトスはデモンワームブレードを逆さ向きにして両手で握り、勢いよくゴーデスの目の部分に突き立てた。

 

 

『ぐおおおおお!?』

 

「まだだ……!」

 

 

 刀を突き刺しただけに留まらず、かつて駒王学園にてマガバッサーを屠った超弩級メイスを構え叩きつける。

 サイズ差故に通常ならば然程効かないであろうその一撃も、リミッター解除されたバルバトスが振るう速さと重さが両立されたものならば弱体化したゴーデスにとって大ダメージは避けられない。

 

 

「お……のれ……!調子に……!?」

 

 

 ゴーデスは反撃しようとした時、あるモノに気付いた。

 その機動力により一足先に到着したターンXが溶断破砕マニピュレーターを展開していることに。

 そして……再び振りかぶった超弩級メイスの上に金色のガンダムゴッドマスターが両手を輝かせていることに。

 

 

「合わせろ三日月、狛治ぃぃぃ!!」

 

「そのまんま返すよ巌勝さん」

 

「これが俺達の絆だ!受けてみろゴーデス!!」

 

 

 さすがに妨害しようとするゴーデスであったが、あくまで片目しか気にしていなかったことでもう片目の防御がおざなりになってしまい――

 

 

「うぅおおおお!!」

 

「ディアアッ!!」

 

「シュアッ!!」

 

「ハァァッ!!」

 

 

 ウルティメイトゼロソード、ゼットランスアロー、メビュームブレードにナイトブレードの同時攻撃をもう片目に受けてしまう。

 

 

「今だ……!」

 

「双ォォォ極ッ!ゴッド!デビル……」

 

「シャイニング……」

 

「「フィンガァァァァァ!!」」

 

 

 四人のウルトラ戦士が作り出したスキを狙い、バルバトスの超弩級メイスに合わせてゴッドデビルフィンガーと溶断破砕マニピュレーターをゴーデスへと放つゴッドマスターとターンX。

 

 

『グガァァァァ!!』

 

 

 両目部分へ立て続けに集中攻撃をくらい、もがくゴーデスだったがサーガによってさらなる追撃が加えられる。

 サーガブレスから巨大な光の刃――サーガカッターを発生させ、両目を横に大きく✕字状に切り裂く。

 

 

『ギィアァァァァ!!』

 

「巌勝、カミナとシモンが呼んでいる。三日月と狛治も一端離脱しろ」

 

「「了解!」」

 

「うん、わかった」

 

 

 彼らと入れ替わるようにオーブ、ジード、そしてタイガが80とマックス、ゼノンに加えパワード、リブットの合体光線による援護を受けつつ飛んでくる。

 ダイナは駒王学園でバランガスと戦った際に同行したレオやグレートと共にもはや我武者羅に暴れているゴーデスの攻撃から神衛隊らを守るべく大立ち回りしていた。

 そんな三人のウルトラ戦士と共に鉄華団を守るのがラフタのフリッケライ・ガイスト。

 

 

「ターゲット、ゴーデス!フォース・レイ、当たれぇぇぇッ!!」

 

 

 ツインアイを光らせると、上半身の各部が展開され複数のホーミングレーザーが一斉発射される。

 いくつかの触手にダメージを与えて動きを鈍らせたスキにダイナのフラッシュサイクラー、レオのエネルギー光球、グレートのナックルシューターがそれぞれ別の触手を粉砕。

 

 

「タイガ!お前は可能な限り『速さ』と『力』をブーストしろ!見たところそれ、タイタスとフーマの力が混ざってそうだしやれるだろ?俺とジードで時間を稼ぐ!」

 

「わかりました、オーブ先輩!」

 

「ジード!俺達は今それぞれゼロさんとレオさんの力をフュージョン元の片方としてお借りしている。つまり……わかるな?」

 

「なるほど、あれをやるんだね!」

 

 

 タイガを一歩下がらせ「Boost!」の声を聞きつつ、オーブが前方で空中に片膝立ちの状態でスタンバイし、同じくジードがその後ろに立つ。

 それを見た一誠はかつて初めてタイガと共に戦った日に師と兄弟子が放った技を思い出した。

 

 

『まっ……!まさかあの構えは!』

 

「「ハァァァァ……デアッ!!」」

 

 

 オーブとジードが共に気合を入れながら両手を真横に伸ばしながらエネルギーを集中し、オーブ・エメリウムスラッガーが頭上で合掌、ジード・リーオーバーフィストがそれを挟むように両手を重ね合わせる。

 

 

「O・Gダブルフラッシャー!!」

 

 

 レオとアストラの兄弟、そしてレオとゼロの師弟で放った技をまさかのオーブとジードが繰り出したのだ。

 これにはダイブハンガーの裕斗とギャスパーも大盛り上がりし、しかも実際四人分のウルトラ戦士の力が乗せられているようなものである彼らのダブルフラッシャーの威力は尋常でなく、ゴーデスへさらなるダメージを与える。

 

 この機を逃すまいと光線直撃と同時にタイガが動く。

 

 

「右を『速さ』ブーストだけに……左を『力』ブーストだけに集中!!」

 

『タイタス、フーマ!』

 

『よし!』

 

『任せろ!』

 

 

 インナースペース内で一誠の右肩にフーマが、左肩にタイタスが手を置く。

 

 

『泣いて終わりにはしねえ!お前を泣かせて俺らは笑ってハッピーエンドだ!!』

 

『『速さ』ブーストは機動力にガン振りだ!直接殴んならその方がいいだろ!攻撃速度に割り振らなくても全身の機動力が上がればそっちも上がる!』

 

『ならば『力』ブーストは左腕のみに一点集中し威力を上げる!我らを支えてくれる者達を信じて、防御ではなく文字通り攻撃に特化させるぞ!』

 

『BoostBoostBoostBoostBoostBoostBoost!DualBurst!!』

 

「これが俺達の力だ!ゴーデス!!」

 

 

 タイガが拳を構えたかと思えば、突然急加速して赤く光る左腕を振りかぶり――

 

 

「ストリウムドラゴンインパクト!!」

 

 

ゴガァァァァ!!!

 

 

『ぬぐぅぉおおおお!?』

 

 

 数人と神器の力も借りているとはいえ、サーガに匹敵するであろう一撃をゴーデスにお見舞いした。

 助けを借りたにしてもまだ若きウルトラ戦士が一人で今のゴーデスへ痛手となる攻撃を炸裂させたのは大きい。

 先輩として負けてはいられない、そう思ったのはウルトラ戦士だけではなく、巌勝も合流しこの世界に来たメンバーが集結した超次元グレン団もだ。

 さらに、先程合体攻撃を披露した竜馬とブラックゲッターもいる。

 

 

「よぅし全員じゃねえけど全員揃ったな!」

 

「その言い方じゃややこしいわよ」

 

「全員じゃないのは合っているが」

 

「細けえこたあいいんだよ!こっちに来てる超次元グレン団のメンツは誰一人欠けちゃあいねえ!ここらで一発ガツンとキメてやろうってワケで竜馬を加えた合体技といこうじゃねえか!」

 

 

 カミナは相変わらずその場のテンションで突き進んでいるが、実際それで華々しい戦果を上げまくっているので誰も文句は無い。

 それどころかシモンを含め乗ってくる連中ばかりである。

 

 

「アニキ!それならうってつけのヤツがあるぜ!」

 

「おお!?マジかシモン!」

 

「もしや俺がドテンカイザンに乗っていた時に受けたあの技か……!?」

 

「察しがいいな、ヴィラル!その通りだ!」

 

 

 かつて敵対していたヴィラルが言ったドテンカイザンとはダイガン……即ち戦艦級のガンメンの事である。

 ドテンカイザンは4機のダイガンが合体して誕生するダイガンであり、東西南北・陸海空、三界四方に死角なしの完全要塞と呼ばれた程であった。

 それを打ち破ったのがシモンの言う『うってつけのヤツ』。

 その時に比べメンバーこそ少ないが、カミナ、ヴィラル、ロージェノムに巌勝が加わり、シモンやヨーコ、キタンもまた当時より遥かに成長している。

 そこに今回は特別に竜馬まで参加するのだ。

 

 

「本当なら超次元グレン団全員でやりたかったが状況が状況だ、仕方ねえ!今ここにいるメンバーで今やれる全力をゴーデスにぶつける!」

 

「乗ったぜ、シモン。ついでに隼人や弁慶に良い土産話になりそうだ。今日、ここにいれなかった事を悔やむぐらいにな!」

 

「ならばキタン!!私達は甥姪に我らが武勇伝を持って帰る絶好の機会を活かすとしようではないか!!」

 

「おうよ!姪っ子達にゃ逞しい父ちゃんや優しい母ちゃんだけじゃねえ、強い叔父ちゃんがいるって胸を張って言えるよう気張ってやるぜ!」

 

 

 シモンの言葉に竜馬や巌勝、キタンらが気合を入れる。

 それに続くようにヴィラルとロージェノム、ヨーコもまた闘志を燃やす。

 

 

「強い叔父ちゃん、か……ならば俺は強い夫で父親とツーマとシアタが誇れる漢でなければならんな!」

 

「儂はいずれシモンとニアに子供……孫が出来た時に自慢になるような爺ちゃんにならんとなぁ!!」

 

「全く……こうなったら私だって踏ん張るしかないじゃない。ただし!ヨマコ先生を怒らせるとどうなるか、目の前でデカい顔した出来の悪い生徒に身を持って教えてあげるってことだけどね!」

 

「おいおい最後の最後でおっかねえなヨーコ!まあそれはそれでよし!やる気十分だなお前ら!!」

 

 

 キラリとサングラスを光らせカミナがニヤリと笑い、コックピットが見えていないにも関わらず打ち合わせしていたかのように全員も同じように笑みを浮かべる。

 グレンラガンを中心にターンX、ブラックゲッター、キングキタンRX、ヨーコMタンク、そしてエンキドゥルガーとラゼンガンが集まり、準備は完了。

 

 

「っしゃあ!行くぜ、ダチ公!!」

 

「ギガァ!」

 

「ドリルゥゥ!!」

 

「「ブレイクゥゥゥ!!!」」

 

『超次元グレン団withゲッタースペシャァァァァァル!!』

 

 

ギュガァァァァァ!!!

 

 

 それぞれの機体とパイロットをイメージする光が各々の機体から発せられ、グレンラガンがそれをギガドリルに纏わせ突撃する。

 彼らの思いと力を乗せたギガドリルは容易くゴーデスに風穴を開け、一箇所にとどまらずグレンラガンは縦横無尽に飛び回りゴーデスを貫き続け、再び空に舞った瞬間にゴーデスの各部から大爆発が巻き起こった。

 

 

『があああああ!!』

 

『す……すげえ!!』

 

『あれが噂に聞くスパイラルマッスルパワーか!』

 

『いや螺旋力だろ螺旋力!』

 

『男が筋肉質だらけのせいかタイタスの呼び方に納得してしまう自分がいるぞ……』

 

「いや、まだだ!!」

 

 

 超次元グレン団と竜馬の合体技を受け、これまで蓄積したダメージは相当だというのにゴーデスは尚も攻撃を仕掛けてくる。

 

 

「正真正銘のバケモンだぜこいつは!」

 

「しかし底は見えてきた!皆、もう一息だ!」

 

「ここにいるのはそれぞれが異なる諦めない心を持った勇士達だ。その力を合わせれば必ず勝利を掴むことが出来る!」

 

 

 どれだけ打ちのめされても互いに励まし合い、幾度となく立ち上がっては向かってくる。

 自身に吸収され、一つになることこそ全てにとって幸福と疑わないゴーデスには理解不可能な事だった。

 

 

『何故だ!我と同化すれば全ての負の感情や痛みからも解放され至上の幸福と共に生き続けられるというのに何故それを拒む!?何故自ら苦しもうとする!?理解不能!!何故何故何故何故!?』

 

「何故人間やそれに準ずるもの達が苦しんでまで今の生き方をするのか、かつての俺も理解出来なかった」

 

 

 荒ぶるゴーデスとは対照的に静かに答えるのはサーガ。

 

 

「だが、先輩を始め多くの者達と関わることでその答えを知った。彼らは悩みや苦しみを抱え、自らの進むべき道に迷うこともある。しかし、それは己の見る未来への通過点に過ぎない。自身を鍛え独力で乗り越える者、共に歩む者達と力を合わせ新たな道を切り拓く者。様々な方法で壁や障害を超え、その先に待つ最初の未来……『明日』へとその足を進めるんだ」

 

 

 サーガが紡ぐ言葉をそこにいる者だけでなく、戦いを見ているダイブハンガーの者達も黙って聴き入っている。

 

 

「誰かの協力があってもいい、自分自身で掴んだ『明日』にこそ意味がある。お前と一体化し、お前が望む未来をお前の中で見る必要など無い。少なくとも人間は……お前に頼らずとも自らの意思で己の思い描く未来へと進むことが出来るんだ。そして……お前はある矛盾をしていることに気付いていない」

 

『矛盾など無い!悩みや苦しみ、嫉妬!それら負の感情が無くなることの何が悪い!?何がいけない!?』

 

「それだ。お前は何故と『悩み』、その答えが出ないが故に『苦しみ』、そして……今!こうして貴様へと衰えぬ闘志を向け、力を増し続ける俺達に嫉妬している!!俺達が貴様にとって取るに足らない存在ならば貴様お得意の力技や謀略で淡々とねじ伏せればいいだけの事!!それをせずにこうして問答している事が何よりの証拠だ!!貴様と同化すれば貴様の負の感情はそのまま同化した者にとっても負の感情、貴様の言う負の感情が無くなるなど全くの嘘出鱈目!!望まぬ同化の果てに望む未来などあるものかッ!!」

 

『あ……あ……あああ…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あアアァァああぁアあ!!!

 

 

 サーガの指摘によってゴーデスの自我は崩壊寸前となり、もはやただ暴れるだけの知性の欠片も無くなりつつあった。

 それを見たレジェンドとサーガはチャンスとばかりにゴーデスへの最後の攻撃を敢行すべく、その場の全員に檄を飛ばす。

 

 

「総員に告ぐ!!これからゴーデスへ最後の攻撃を仕掛ける!!各々の望み、願い、祈り、そして想い……それら全てを拳に込め、奴に叩きつけろ!!」

 

「それは分かったけどよ、飛べない奴はどうするんだよ!?」

 

『その為に俺が力を使う。精々序盤のネオ・グランゾンでの蹂躙と小隊指揮程度しかしていないんでな。少しは活躍させろ』

 

(いやレジェンドの旦那、その蹂躙が規模的にとんでもねえレベルだっただろ……)

 

 

 ゼロの疑問に答えたレジェンドの発言にオルガが心の中でツッコんだ。

 彼以外にもレジェンドとネオ・グランゾンの暴れっぷりを知っている者達は同じ気持ちである。

 

 それはそれとして、レジェンドの身体を使っているゼットから巨大なレジェンドの幻影が現れたかと思えば、ビッグボルフォッグを始めオデュッセウスブラスティアなど飛行出来ない機体が光のオーラに包まれ宙に浮かぶ。

 既に飛行しているウルトラ戦士や機体、クロガネも同様に光のオーラに包まれる。

 

 

「これは……!私も空を駆ける事が可能というわけですか……!」

 

「さすがだぜレジェンドの旦那ァ!!まさしくクライマックスじゃねえか!!ド派手に行こうぜ、ダチ公!!」

 

「魂全てを拳に乗せて!!明日への扉をブチ破る!!」

 

「『ウルトラ大連合軍、総員出撃ィィィィ!!』」

 

 

 カミナとシモンの言葉に続き、クロガネのクルーも合わせた全員が一斉に叫ぶ。

 

 

「ウゥオォォォォッ!!」

 

 

ドゴォッ!!ゴガァァァァッ!!

 

 

「デェェェアッ!!」

 

 

ズガガガガァァァッ!!

 

 

 サーガパンチャーによって打ち上げたゴーデスを、さらに下からドリルキックを炸裂させより高く打ち上げるサーガ。

 そして体勢を整え、右拳を強く握って突き出す。

 

 サーガ最強の必殺技、サーガマキシマム。

 

 だが今回は彼だけではない。

 数多のウルトラ戦士や機動兵器もまたサーガと同じく右拳を突き出した体勢であり、クロガネも超大型回転衝角を起動させている。

 

 レジェンドの加護を受け、全てのウルトラ戦士と機体がサーガを中心として同じ体勢・同じ速度でゴーデスへと迫る。

 

 一人(レジェンド)の力は皆のために。

 

 皆の力は一人(サーガ)のために。

 

 皆を引っ張る者と皆を支える者。

 二人の光神を中心として紡がれた絆は光となって一人一人を繋ぎ、やがて黄金に輝く巨大なサーガとなってゴーデスへと突き進む。

 

 

「『おおおお!』」

 

 

 ゴーデスの我武者羅な攻撃を弾き――

 

 

「『おおおおお!!』」

 

 

 ウルトラ戦士、神衛隊、レジェンド一家やそれに連なる者、この世界で生まれた者――

 

 

「『おおおおおお!!!』」

 

 

 全てが一つの光となって――

 

 

「『おおおおおおお!!!!』」

 

 

 今、その拳はゴーデスへと突き刺さった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ア……あ……a…………』

 

 

 

 

 

 巨大な光が収まり、ゴーデスへと突き刺さっていたのはサーガを始めとしたウルトラ戦士や機体全ての拳、そして明日への道を切り拓くドリル。

 そしてゴーデスは徐々にゴーデス細胞とは違う光の粒子となりながら崩れるように消えていく。

 

 

 

 

 

 最後の一片が消えた時、闇に閉ざされた空は元の蒼さ……いや、鮮やかな夕焼けを取り戻した。

 

 

『やったのか、俺達……?』

 

『油断させといていきなりとかやめてくれよ……』

 

『気配は感じない。潜伏している可能性は?』

 

『最後の最後で予想外の攻撃で全滅は洒落にならんぞ』

 

「ダ・ガーン、反応は?」

 

「大丈夫だ、タイガ。ゴーデスの反応は完全に消えた」

 

 

 一誠やタイガらの懸念を、穏やかにダ・ガーンXが否定する。

 それを確実なものであると証明するようにレジェンドも告げた。

 

 

『火星での戦いのようにスフィアや根源的破滅招来体などによる転移の心配もない。それらの形跡も反応もなかったからな』

 

「つまりゴーデス細胞となって逃走もしていない……!」

 

「……ってことはようするに!」

 

 

 かつてこの世界の火星でレジェンドと共にゴーデスと戦ったグレートとダイナの声が弾む。

 

 

「そうだ。俺達は……勝ったんだ」

 

 

 ダイナの言葉に頷きながらサーガは静かに、しかしハッキリと勝利を告げ、同時にゴーデス島とダイブハンガー、そして空の世界のエリアル・ベースから大歓声が上がる。

 

 

 

 

 

 地平線に沈む太陽と、それに照らされた赤く染まる夕焼けの空が、諦めずに戦い抜き勝利を掴んだ彼らを祝福する。

 

 皆で起こした奇跡。

 

 皆で掴んだ明日。

 

 

 今……邪悪生命体との死闘は幕を閉じた。

 

 

 

〈続く〉




ゴーデスとの戦い、やっと終結!
第一部の大トリを務めてくれたのは長らく戦えなかったサーガでした。
レジェンドでさえ機動兵器に乗って戦い、ゼットへの変身などで見せ場があった中、ずっと我慢していた彼が見事最後を飾る大役を果たしてくれました。

本章も次回がラスト、まだまだ先は果てしないですが漸く一区切りです。


それではまた次回。

二択決定戦! シン一人乗りする最終ゲッターはどちらだ!?

  • 真ゲッタードラゴン(大決戦版)
  • 真・ゲッター1(スパロボα仕様)
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