ウルトラマンレジェンド Episode.CROSSOVER 作:ハジケハムスター・ポッポ
恒例になりつつあるヴィランサイドの話です。
また、今回ほんの僅かですがSOUR様発案のオリトラマンが本作に登場しているキャラの回想より出演致します。
まだオリキャラ・オリトラマンの募集は締め切っていないので、よろしければご投稿下さい。
それでは本編をどうぞ。
それは、別の世界で起こった出来事――
「返せ……この子の笑顔を……温かさを……未来をッ……!!」
「安心するといい。その女性は死んだわけではない。眠っているだけさ……いつ目覚めるかは僕にも分からないけどね」
「何だと……!?」
「しかし礼を言わねばならないな。彼女のおかげでこのシュロウガのスフィアシステムの一つ『夢見る双魚』は完全な覚醒に至った。返礼というわけではないが、彼女はその姿のまま死ぬ事も老いる事もない状態にしてあげよう」
「!!」
「本当に彼女の全てを取り戻したければ僕を追ってくるといい。追う追わない以前に追ってくること、僕を見つけることが出来るか……そして僕へと辿り着けた時に僕と戦う資格があるかどうかは別だが」
「お前っ……アサキムゥゥゥゥゥ!!」
「ハハハハハ!!」
一組の男女のうち、男の叫びを嘲笑いながらアサキムの駆るシュロウガは虚空の彼方へと消えて行く。
――そして時は過ぎ――
次元断層にある、トレギアやルシファーらの本拠地。
そこに宛がわれた自室でアサキムは目を覚ます。
「……少し懐かしい夢を見たな」
誰に言ったわけでもなく一人呟くとベッドから降り、いつも集合場所として使っている部屋へと向かう。
そこには普段と同じく霧崎の姿のトレギアと堕天司のベリアルが寛いでおり、今日は珍しく星の民ルシファーもそこにいた。
「お、キムさんおはよう。先日はご苦労さん」
「ああ、ベリアル。君から貰った菓子はあれを間近で見ながら美味しく頂いたよ」
「そいつは何より。ところで今日はいつもより遅かったが何かあったのかい?」
「いや……少しばかり懐かしい夢を見てね。そう時間は経っていないがちょっと余韻に浸ってたのさ」
「わお。ロマンティックだがソッチじゃないんだろ?」
「フフ……ご想像にお任せする……と言いたいところだがおかげで気分が良い。少しだけ話すと『彼』は今頃僕を血眼になって探しているだろうね。それこそ世界を超えて」
「おいおいマジかよ。キムさんも罪作りな男だな」
揃って悪そうに笑うアサキムとベリアルを一瞥し、ルシファーはコーヒーを啜る。
「……毎度思うが、これの何処をルシフェルは気に入っていた。脳を覚醒させる以外に用途があるとは思えん」
「最初はそういうものさ。しかしこういう娯楽や嗜好品というのは続けると段々ハマっていくのだよ」
「理解出来んな」
トレギア――霧崎の言葉の意味をルシファーはさして気にも止めずコーヒーをまた啜り、霧崎も口元を緩めつつ自身のコーヒーを口にした。
「さて、白龍皇は不在だが……現在の進歩状況と今後の予定について話そうか」
「ちなみに何故彼は不在なんだ?」
「心配することではないよ。むしろ嬉しい誤算だった……ここまで念動力の覚醒が早いとはね」
「ほう?それはつまり……」
「ああ。彼は応龍皇を扱えるだけの念動力を手にした。まだまだ発展途上ではあるが、彼の慣らしも含めて試運転という名目で少しばかり異世界へ出張中さ」
アサキムとベリアルの顔には霧崎同様に笑みが浮かび、基本的に淡白なルシファーも興味深く聞いている。
「驚く程の成長速度じゃないか。帰って来た時が楽しみだ」
「だな。それでキムさんはどうだい?こないだの白いのや黒いのとやり合って収穫はあったのか?」
「今後に期待、という形ではあるけどね。最初は黒い機体……ガリルナガンと言ったか。あちらのパイロットだけかと思ったが、サイバスターの操者も少しは希望を持てそうだ。おそらくはどちらかが『悲しみの乙女』を目覚めさせる鍵になる」
「アサキム……お前のシュロウガに搭載したスフィアシステムとやら、今はどれが覚醒している?」
「現状は『知りたがる山羊』『偽りの黒羊』『夢見る双魚』そして『尽きぬ水瓶』……この四つだ。先程ベリアルに話した夢というのはその『夢見る双魚』の覚醒にまつわる過去の出来事さ」
「夢見る双魚だけにそれ関連の夢を見たってワケか」
スフィアシステム……度々彼らが口にするそれはシュロウガに元々積まれていたものではなく、彼と出会った時にトレギアが何らかの理由で手にした『十二の鍵』を統合し、ルシファーがシュロウガに組み込んだものだ。
「しかし良かったのか?君達ならばこのスフィアシステムの価値を理解していたはずだ」
「俺達の目的を妨げる気が無いならば別に構いはしない。逆に俺達の目的を知って尚、お前が協力する理由の方が不可解と言える」
「ああ、その事か。僕としては君達が目的通り『終末』と『混沌』を迎えさせられたとしても、結果『無限輪廻』が失われればそれはそれで別にいいのさ。『太極』に至りたいのは僕の個人的な好みによる方法であり、最終的に無限輪廻から
「最期まで自分らしく……少なくとも私は君のそこが気に入っているよ」
「フン……揃いも揃って酔狂なものだな」
そう言うルシファーだが、悪い気はしない。
続いてベリアルからの報告が告げられる。
「こっちもこっちであらゆるトコで協力者が申し出てくれてるよ。一人例を挙げるとファーさんの『終末』に全面的に賛同してくれてるラウ・ル・クルーゼ。彼は己の出自とそれに絡んだ人間の欲に嫌気が差してるみたいでね、ヒトの行き着く先は滅びだ、と俺も思わず勃っちまう程のイイ感じに狂ってる。個人的に老化が早いってのは可哀想でな……一緒に終末を迎えるためにどうにかならないか?サキさんにファーさん」
「老化が早い……人間で言うところのテロメアの短さが問題か」
「……検討しておいてやる」
「マジか。サンキュー、ファーさん。彼に会ってみたら気に入るだろうぜ。何せその世界の人間、ナチュラルとコーディネイターとかいう二種類に分類されるんだが、そのどっちも滅ぼすべく色々暗躍してるんだよ。滅びに向かって一途に一直線とかサイコーだろ」
ラウ・ル・クルーゼという人物を思い出しながら、右手で頬杖をつきつつベリアルは恍惚とした表情で語る。
もはやこの場にいる者は狂人しかいないと言っても過言ではない。
「君はどうだ、ルシファー?」
「先日、あの喧しい
「まずは何をするんだい?」
「
「もしバルトールが使えなくなったら?使う必要がなくなった場合もどうする?」
「不要品になれば廃棄するだけだ」
アサキムの質問に淡々と答えるルシファー。
彼が言うバルトールに組み込んだという
人命すら彼からしてみれば己の目的を成就させるための道具に過ぎない。
『終末』を迎えれば全てが無に還るのだから。
「どのみちバルトールは繋ぎか雑兵に過ぎん。モニターで見ていたがもしあの蒼い機体が相手となればいくら数を集めたところで一網打尽にされるのが目に見えている」
蒼い機体……即ちネオ・グランゾン。
無数のスフィアやシビトゾイガーを一方的に殲滅し、魔王獣マガバッサーの亜種を瞬殺した性能はバルトールとは比べるべくもない。
単機の性能面でバルトールが勝っているのは精々機動力や生産性、そしてあちらがその性能故に操者を選ぶことくらいだろう。
「あの白龍皇とやらも異世界からデータを持ち帰って来るだろう。バルトールが得たものと合わせてより強力な機体を作り上げていく」
「強力な機体に対抗するためにさらに強力な機体を開発する……かのウルトラセブンはこういうだろう、血を吐きながら続ける悲しいマラソンだとね」
「だがそれが世の常だ。そんなマラソンが嫌ならば抵抗や己を高めることなどせず潔く死を迎え入れればいいだけの話……綺麗事だけを並べて生きている連中は自分のしていることの矛盾に気付いていない」
「そう……いい例が光の国のウルトラ族だ。正義と悪という酷く曖昧なものに踊らされ光の使者を気取る。本来は光も闇もない、無と混沌こそが宇宙の真なる起源だというのに」
ルシファーと霧崎はそう言うとゆっくり立ち上がり、退出しようとする。
「さて、今暫くは水面下で行動するとしよう。無論、軽くなら彼らにちょっかいかけても構わないよ。そもそも我々はあくまで互いの利害の一致、そしてそれを尊重してこうしているわけだからね」
「それじゃ、勧誘しつつその世界で観光したりとか」
「必要以上に騒がなければ勿論それも自由だ。いずれ全てが無くなるのだとすれば、今のうちにしっかり楽しんでおくのもいいと思うよ、私は」
「では僕も当面休息や情報収集に回り……機会を見て空の世界へと渡ってみようか。これからもっと楽しいことになりそうな予感がしてね」
「なら俺もいくつかアポ取ったトコ行ったら彼のところで厄介になろうかね。特効薬が出来たら送ってくれるかい?」
「ああ、そのためか。是非宜しく伝えてくれたまえ」
「オーケー、んじゃ……二度寝してから行きますか」
残るアサキム、ベリアルも退出し彼らの集まりは一先ず解散となった。
自室に戻ったアサキムはある映像を見ていた。
その映像にはウルトラマンのような、しかしどことなく機械的な印象を持つ巨人が映っている。
これは以前シュロウガがその巨人と相対した時の記録映像だ。
「まさかそういう形で覚醒するとは思ってもいなかったよ……『揺れる天秤』。番たる彼女が『夢見る双魚』の覚醒を促したのだから君にそういった才覚がある事も必然だったというわけか」
まだ目覚めて間もない頃だったのか、その巨人はシュロウガに成すすべもなく撃退される。
「君があの時のまま……もしくは少し強くなった程度では君の目的を成就させることは夢のまた夢。何にせよ……僕をガッカリさせないでくれよ『オリジン』」
アサキムはその巨人の名であろう単語を呟き、暗い部屋の中で一人ほくそ笑んだ。
ルシファーと霧崎はルシファーのラボへと向かっていたが、途中で思い出したように霧崎が話し出す。
「そういえば盟友よ。先日話した四神の超機人……そのうちの二体について面白い事が判明した」
「ほう?」
「四体のうち、龍王機と虎王機は元々不明。それらはおそらく光神が保有していると見て間違いは無い。保有しているのがレジェンドやサーガとは限らないがね」
「それは元々判明していた。そうなるとお前の言う二体とは残りの雀王機と武王機の方か」
「流石にここまで開示すればわかってしまうか。ならば話が早い。その雀王機と武王機は闘仙勝仏が厳重に管理していたようだが……何者かに重症を負わされ奪取されたらしい。傍にいたその子孫は恐怖の余り腰が抜けて動けなかったそうだ」
霧崎が新たに得た情報……それは四神の超機人の二体、雀王機と武王機が奪われたという、ルシファーも眉を動かす事実であった。
何故闘仙勝仏の元にあったのかはともかく、その彼に重症を追わせる程の実力を持った者がいるというのもまた興味深く感じている。
「二体まとめて……か。どうやら奪った奴はあれらの真の性能に気付いているようだな」
「そう、そして……我々以外にも暗躍している者達がいるという証拠でもある。私が調べたところ、闘仙勝仏は管理というより監視……実際の封印はレジェンドが行っていたようだ。どういう経緯でレジェンドの手元を離れ闘仙勝仏の元にあったのかはさておき、こちらも戦力の拡充に本腰を入れる必要が出てきたな」
霧崎の言葉にルシファーは黙っていたものの、二体を奪った者がこちらと敵対しないとも限らない以上、確かにその通りである。
「場合によってはあれの投入も検討する」
「あれとはもしや……」
「コアも含めて最近復元が完了した特異個体だ。識別コードは……『ギルバリス』」
☆
駒王町から遠く離れた沖縄の海。
太陽の光の差し込まぬ深く暗い海底に、突如金色のスパークが発生し、そこから黄金の巨人がゆっくりと現れた。
「この世界か……ウルトラマンレジェンドを始めとした光神共やウルトラ族が主軸としているのは」
そう呟いた黄金の巨人は、以前アグルが星晶獣リヴァイアサンと共に打ち倒した海神ムーバを生み出した存在である。
「それならば都合が良い。こちらに持ち帰るよりもこの世界で暴れてもらう方が手間も省けるか」
黄金の巨人はそう言うと視線の先の『あるモノ』を見る。
「この星の古代文明の一つ、ニライカナイ……環境汚染解決のために生み出したはずの生体浄化システムによって逆に滅ぶとは皮肉なものだな。だが安心するがいい、お前達の遺した『ダガーラ』は我々が有効活用させてもらう。そして三重連太陽系のある世界へと赴き『Z』の因子もまた手に入れた……あとは素材を集め、あれを復元すればいい」
誰にでもなくそう告げると、黄金の巨人は踵を返し再び黄金のスパークが発生する空間への扉を開き、そこへと消えて行く。
間もなく新たな舞台の幕が上がる。
『世界』という枠を超え、より大きく、より激しくなるその物語の結末は果たして――
〈第6章――第二部・異世界修行編へ続く〉
悲報・フリード死んでないけど死んだも同然。
ヤベーやつらがヤベーことをしているのが判明致しました。
ここに最低でもあと皇帝と四天王まで加わるという。
さて、いよいよ次回から第二部です。
ついでに初回からとんでもない事になります。
ヒントは『原初』。
それではまた次回。
二択決定戦! シン一人乗りする最終ゲッターはどちらだ!?
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