ウルトラマンレジェンド Episode.CROSSOVER   作:ハジケハムスター・ポッポ

225 / 301
大変お待たせしました。
仕事で年度末かつドタバタしてて寝落ちも酷かったぐらいなので、中々進まなくて遅くなってしまいました。
メンバー的にもどうするか悩みましたが……。

しかしギャラファイ新作の本気度が凄すぎる。
団長がレオになったり、バエリストが初代だったり。
忘れちゃいけないのは、ギャラファイはまだサプライズ枠を残しているということだ。


それでは本編をどうぞ。


クリオモス島〜刷り込まれる恐怖

 謎の戦艦がトリガーの代わりにゲランダを吹き飛ばして数日後、多くの騎空団の元にある島への招待状が届いた。

 差出人は『スカイ・ガーディアン・エージェンシー』の重役。

 当然、多方面で目覚ましい活躍のウルトラ騎空団にも届いたが、レジェンドは島の名前を聞くなり露骨に眉を顰め、自分は用事があるから行かないと拒否の姿勢を崩さず。

 アーシアのお願いや、オーフィスのおねだりも珍しく効果がなく、仕方なくオカルト研究部関係者とグランサイファー組の面々で参加することにした。

 

 その島の名はクリオモス島。

 かつてレジェンドがネオフロンティアスペースにおいて、ある事件に遭遇した場所と全く同じ名の島である。

 

 

 

 

 オカルト研究部関係者、及びグランサイファー組以外にロスヴァイセ、そしてレイトも今回の招待に同行していた。

 

 来訪時の歓迎もほどほどに、施設へと案内される招待された騎空団の面々。

 驚くべきことに今の空の世界ではあり得ない、それこそ矢的やレイトが知る防衛チームのような設備がクリオモス島には満載であった。

 

 

「こんなに技術が進んでるなんて……!」

 

「そうね、純粋に驚きだわ」

 

 

 イオの言葉にロゼッタも同意する。

 しかし、矢的やレイトはそうは思わない。

 

 

「なあ、8……矢的先生。いくら何でもこの島だけ進み過ぎじゃねえか?ここだけとは限らないけどよ、少なくとも俺もちょっとはこの世界がどんなところか分かったつもりだぜ?」

 

「ああ、レイトの言う通りだ。良くて現代の日本、それも普通の生活レベルなら『ここら辺は進んでるんだな』程度で済むがここは違う。明らかに外部から何かの干渉を受けているような感じがする」

 

 

 頭の回転が早い矢的、そして直感的に訝しく思うレイト……二人の実力者はクリオモス島のおかしさに気付く。

 

 

「レジェンドが嫌がるのも納得だぜ……どうも空気が好きになれねぇ」

 

「……レイト、今ならまだ間に合うだろう。グランサイファーでゼロガンダムと共に待機しててくれないか?この雰囲気、他の騎空団はともかく……このクリオモス島で何かが起きないとは思えない」

 

「分かったぜ。一誠達には上手く言っといてくれよ」

 

 

 頷く矢的に対して頷き返し、レイトは「忘れ物した上にちょっと用足してくる」と言いグランサイファーへと戻って行った。

 それを見送り、矢的は再び案内される施設の奥へと進んでいく。

 

 

 

 

 ――ヒリュウ改・レジェンドの自室――

 

 

「レジェンド、何してる?」

 

「グランサイファーの改良案を模索している。いずれ宇宙が舞台となったとき、常にあれだけを空の世界に残すと不公平だろう。実際、あっちの面子からも説明したらゴネられたからな」

 

 

 オーフィスに聞かれたレジェンドがそう答えると、定位置であるレジェンドの膝の上に座り、いくつかの案が書かれた計画書を覗き込む。

 

 

「我、これがいい」

 

「こら、遊びじゃないんだぞ」

 

「うー」

 

「私、こっちがいいです!」

 

「私は……う〜ん、これかな?」

 

「だから……いやちょっと待てオイ。何でルリアとアマリまでいるんだ?」

 

「「?」」

 

「二人して首を傾げてもダメです。部屋の扉のロックどうなって……」

 

 

 突然の二人の出現に戸惑うレジェンドだったが、入り口を見ると――

 

 

「こ、こんにちは……」

 

「艦長権限でこじ開けました」

 

「…………」

 

 

 もう自分専用の艦を持ってこないと、プライバシーもクソもないと実感したレジェンドであった。

 アズとミツバまで押しかけてきたので、もうどうでもいいや状態になったものの、アマリからある質問をされて真面目な表情になる。

 

 

「そういえばレジェンドさん、クリオモス島……だっけ。そこへの招待、いつにも増して頑なに拒んでたけど」

 

「……まあな。名前からして良くないことが起こるとしか思えん。起こらなければそれはそれでいいんだがな」

 

 

 レジェンドが自分の多目的ブレスレットからあるファイルを取り出してアマリに手渡す。

 渡された瞬間は目をぱちくりさせていたアマリだが、とりあえず中を見てみることにした。

 ルリアやオーフィス、アズも覗き見しつつ読み進めていくと、オーフィス以外の三人の顔が青くなっていく。

 

 

「レジェンド様、彼女達に何を見せたんです?」

 

「俺とアスカ……ダイナが同名の島で遭遇した事件が事細かに記してあるものだ。俺まで行って、何かあればそれこそ一大事だからな。それに束もEX-Zの件で惑星レジェンドとクロガネを行ったり来たりしててこの艦にはいない。いざという時、今この艦でまともに機体の整備や修理が出来るのは俺しかいないだろ」

 

 

 ゼットの専用機であるEX-Zガンダムのロールアウトが迫っているため、束も忙しなく動いており今のヒリュウ改では整備班が人手不足なのだ。

 特にヒリュウ改は、あまり機動兵器を積んでいないエリアル・ベースやそもそも機動兵器が無いグランサイファー、それに積んでいても本職メカニックのコジローを筆頭に整備班が充実してるクロガネに比べ、ヒリュウ改に搭載している機動兵器は特殊なものが多い。

 ワンマンオペレーション可能な艦のため、整備関係を始め各所である程度自動化されているとはいえ、細かい所はやはり詳しい人物でなければ出来ないだろう。

 

 

「念の為レイトやロスヴァイセも付けたが、クロエは束のお付きでもあるから無理に同行はさせられん。後はあいつらと、イリナ絡みで同伴したゼロガンダムに任せる他ない」

 

「クロガネとエリアル・ベースは依頼が立て込んでますものね。有名になって喜ぶべきなんでしょうけど」

 

「故に緊急事態になったとき、せめてヒリュウ改……最悪俺だけでも動けるよう、可能な限り手空きにしておきたい。四六時中自由にとはいかなくてもな」

 

 

 そう言うレジェンドだったが、長年の勘からか彼は不安を拭い切れていなかった。

 そしてそれは現実のものとなってしまう。

 

 

 

 

 若干薄暗い、クリオモス島に建設された施設の最深部――そこにオカルト研究部やグランサイファー組を含む騎空士達は案内された。

 

 

「この度は我々スカイ・ガーディアン・エージェンシーの招待を受けて頂き、まずは感謝の言葉を述べさせてもらいたい。招待させてもらった理由だが、これから貴殿らに見て頂きたいモノがある。ウルトラ騎空団の方々はおられるか?」

 

「我々です。団長は諸事情で訪問出来なくなってしまったため、代理として私達が伺わせて頂きました」

 

 

 そう答えるのは矢的だ。

 当初はオイゲンやアザゼルも考えたが、前者は親しみやすさが、後者は胡散臭さが勝ってしまうため、ウルトラ兄弟の一員として貫禄もある矢的に白羽の矢が立ったのである。

 

 

「いや、誰が来られても大丈夫だ。あの招待状は騎空団に出したもの、そこに所属されているのならば問題ない。さて本題だ……先日星の世界から、世間を騒がせている『怪獣』が落ちてきた話は聞いていると思う。そしてウルトラ騎空団が迎撃に当たったということもな。何より最近噂の『ウルトラマントリガー』も現れたそうだ」

 

「殆ど彼に甘える形になってしまいましたが」

 

 

 初めて現れたウルトラマンであるゼット(人間大)、それに続きフェードラッへでガイア、アウギュステでアグルと本来の大きさでウルトラマンが立て続けに現れ、他にも最近では多発する怪獣被害を抑えるべくタイガ以外にも何名か変身していたりする。

 その結果、正体はともかくウルトラマンの存在は空の世界でも浸透しつつあった。

 トリガーもその一人だ。

 

 

 

 

 

「しかし、そのウルトラマントリガーでさえ、星の世界からやってきた怪獣を倒すことは出来なかった」

 

「!!」

 

 

 

 

 

 突然聞こえてきた女性の声に、誰よりも早く反応したのはグラン。

 それに釣られるようにその場の全員がそちらを向くと、歳の頃は三十代前後といったところか、科学者風の格好をしたヒューマンの女性が立っていた。

 

 

「貴女は……?」

 

「これからお見せするモノを開発した科学者、エルミデ博士だ。そして……これが貴殿らに見せたかった――」

 

 

 薄暗かった施設がライトアップされ、その全貌が明らかになる。

 150mを超える船体と、既存の空の世界の騎空艇や戦艦とは一線を画したフォルムのそれは、ゲランダを一撃のもとに屠った戦艦。

 

 

「あれはっ……!」

 

「電脳巨艦『コアトリクエ』だ。ウルトラ騎空団の方々は一度目にしていると思う」

 

 

 コアトリクエ――アステカ神話の神の一人と同じ名を冠した、空の世界には似つかわしくない……否、文明的にあり得ない性能の戦艦。

 少なくとも、リアス達の世界ですらこれだけの技術はまだ確立されていない。

 レイトが言ったように、明らかに進み過ぎているそれを見た他の騎空団の者達も動揺している。

 

 

「おいおい何だこりゃ……」

 

「騎空艇としちゃ小型だが、逆に小回りが効くとすればデメリットじゃないな」

 

「やっぱり武器付いてんだろ?あそこに機関砲とかあるし」

 

 

 ただ、他の騎空団と違いウルトラ騎空団の面々はむしろこの組織がこれだけの技術力を有していることに不自然さを感じていた。

 グランやジータも今でこそ慣れたとはいえ、レジェンド達と知り合わなければコアトリクエは勿論、これだけの設備などにも驚きを示しただろう。

 だからこそ、逆にレジェンド達を除けば星の民ぐらいしか持たないであろうレベルの技術を空の世界の民が有していることに不信感があったのだ。

 

 

「こいつは……あの時の怪獣を木っ端微塵にした……」

 

「あれはただのリハーサルに過ぎません」

 

「リハーサルだ?」

 

 

 アザゼルは普通に聞き返したが、エルミデ博士の言葉に苛つきを覚えたのは主にウルトラ戦士達。

 リハーサル、などと言ったが実際に戦っている方としてはこれとない侮辱だ。

 常に命がけであり、周りへの被害なども考慮して戦わなければならないなど、制約もあるというのにそんな言葉を使ってほしくはない。

 そしてそれを間近で見てきたリアス達も同様の気持ちだった。

 

 

「リハーサルって言うけどトリガーがピンチになるまで出てきませんでしたよね〜?こ〜んなご立派な設備あるならあの怪獣が来ることも予測出来たでしょ?何で私達に先んじて怪獣と戦わなかったの?何で後から来たくせに偉そうなの?少なからずトリガーが弱らせた怪獣を横取りするような感じで倒して鼻高々?」

 

(((((ジータァァァ!?)))))

 

 

 煽りスキル全開のニコニコ笑顔、しかしその可愛らしい笑顔には青筋が幾つも浮かんでおり、相当苛立っているジータ。

 相手が年上だろうが立場がどうだろうが知ったこっちゃない、と言わんばかりの怒涛の質問攻めに、重役は顔を引きつらせている。

 対してエルミデ博士は涼しげだ。

 

 

「遅れたのは否定はしません。ですが、怪獣を一撃で倒した……それだけで性能の立証には十分でしょう」

 

「えー?私達の団長なら怪獣一体どころか何十体もまとめて一撃必殺なんですけどー?」

 

「詳しく知りたいですね」

 

「それは本人に直接聞いてください。私からだと情報漏洩になっちゃうしー」

 

 

 怖いもの知らずのジータ、相変わらずレジェンドは己の知らぬ所で引き合いに出されていたりする。

 しかしながらその堂々とした態度はリアスらには好意的に取られていた。

 

 

(……欲しいわね、彼女。あそこまで肝が座ってるなんて中々いない逸材よ。最近タイガと仲が良いみたいだし)

 

(あらあら、私に負けず劣らずな娘ですわね。将来が楽しみですわ)

 

(ビィ君可愛い)

 

 

 駒王学園三大お姉様も納得の……いや、一人だけ全く関係ないことを思っていた。

 何かとカタリナとウマが合うカナエだが、そのせいかヴィーラから嫉妬の念を向けられていたりもする。

 なお、カナエと赤トカゲ(※ビィ)はくっついてしまえ、と考えているヴィーラも……

 

 

(そうすればお姉様と一緒にお兄様にあんなことやこんなことを……うふふふふふ)

 

(ニャー)

 

 

 ハクに見られているとは知らず、変な妄想をしては恍惚な表情になってしまっていた。

 ちなみにお兄様とは当然レジェンド。

 女性に囲まれていながらもそれに邪な感情を抱かないレジェンドに、ヴィーラは即落ちしたらしい。

 まあ主人公でありながらそもそもラッキースケベが起きる確率が限りなく低い上、無理矢理取ってつけたような理由で不憫に陥るレジェンドは、ハーレム云々よりまず平穏に暮らせるかどうかが重要だからだが。

 

 閑話休題。

 

 ジータがエルミデに突っかかりつつも、一行はコアトリクエ内部へと案内される。

 

 

 

 

 

 ブリッジ……いや、コックピットブロックらしきところに案内されると、そこはカプセルのような機器が二つあるだけの非常に簡素な造りであった。

 

 

「おいおい、操舵室はどこだ?機械化するにしてもこれはちとやりすぎだろ。狭くて仕方ねえ」

 

「まるで人が乗ることを想定していない作りだな……」

 

「その通りです。この戦艦は操舵手を必要としません。もっと言うなら、クルーそのものが不要なのです」

 

「はあ!?ってことは何か?この戦艦は全部自動で動いてるってのかよ!?」

 

「ええ。優秀な騎空士の思考をインプットすることで、この艦は常にその思考を反映し、完全な無人運用で戦闘行動を行うことが出来ます。そしてこの艦は思考パターンの蓄積も可能……インプットすればするほど、より強化されていくのです」

 

(……何でそこでいきなり騎空士って敷居が広くなるのかしら。普通なら操舵手、もしくは砲撃戦メインになるのだからせめて狙撃手とかそっちに限定されるんじゃないの?)

 

 

 エルミデ博士の言葉にラカムが驚きの声を上げる。

 他の者達も声にこそ出さないが同じ気持ちであった……が、二人ほど別の感情を抱いたものがいた。

 

 相変わらず鋭いカナエと、艇造りを司る星晶獣、ノアである。

 

 その名の通り騎空艇を始め、各種船造りを司っているのだが、そんな彼はコアトリクエを目にした時から奇妙な感覚に襲われていた。

 

 

(これは……敵意?僕に?いや、違う。この場にいる全員に……?でも敵意を向けられていない人物が一人だけ……彼女が造ったからなのかな)

 

 

 艇の声を聞くことが出来る彼はコアトリクエの声を聞こうとするも、何故か声が聞こえなかったのだ。

 代わりに感じ取れたものが、敵意。

 開発者であるエルミデ博士以外への明確な敵意が感じ取れたのである。

 

 

 そのまま説明を続ける重役とエルミデ博士を見ながら、ノアはラカムを近くに呼んで自分の感じたものを伝えた。

 

 

「なるほどなぁ……しかし敵意ってのも妙な話だが、俺としちゃ全自動化ってのが信じられないぜ。むしろ全部機械任せなのが、敵意を感じるようになったとも考えられるよな」

 

「そうだね。でもそれなら、全自動化を前提に開発したあの人にも敵意を感じるんじゃないのかな」

 

「言われてみりゃそうか。ああくそ、ますます分かんなくなってきちまったぜ」

 

 

 そんな二人を余所に、コアトリクエについての話題は更に大きくなる。

 そして、リアスがちょうど二人が思っていたことを重役とエルミデ博士にぶつけた。

 

 

「確かに凄いけれど……ちょっと機械に頼り過ぎじゃないかしら?」

 

(おっ!いいこと聞いてくれたぜ!)

 

「リアスの言う通りだな。いくら何でもコイツはちょいと過ぎた兵器(オモチャ)な気がするぜ」

 

 

 アザゼルも同意して続ける。

 このコアトリクエに搭載され、ゲランダを一撃で倒した『ネオマキシマ砲』……遊撃隊所属のムサシやアサヒ、それにギャスパーについてきたリクはアスカから聞いたことがある武装だ。

 何故空の世界にウルトラ騎空団以外でそんな技術を有しているのかはこの際どうでもいい。

 あの威力の武器を完全に機械による制御をさせていいのか、というのが問題なのだが――

 

 

「何を言う、これこそ空の世界……いや、人類に必要な力だ。この艦が完成し、量産に成功すれば、ウルトラ騎空団の方々を始めとした騎空団が、危険を冒してまで怪獣、更には星晶獣と戦う必要も無くなる」

 

『なあ、このオッサン見通し甘くねーか?まず星晶獣が全部敵とは限らねーし、そもそも大きさもバラバラ。何か概念っぽい能力だってあるし』

 

『うむ、幾度となく直接戦ったことがある私達だからこそ、この考えは間違いだと断言出来る』

 

 

 重役の言葉は確かに説得力こそあるが、それは星晶獣……そして怪獣の真の恐ろしさを知らない者だから言えるようなもの。

 ここでやはりしっかり言ったのは矢的。

 

 

「危険や被害が無くなる……確かにそれは素晴らしいでしょう」

 

「ならば……」

 

「ですが、人間は考える生き物です。自らの力で困難に立ち向かうからこそ、『何故こうなったのか』『どうするべきだったのか』と反省し、それを糧により良い未来へと進むことが出来るのではないでしょうか」

 

(矢的先生カッケェェェ!!)

 

(80先生の言う通りだ。後悔するより反省をしろ、父さんからも口を酸っぱくして言われたっけ)

 

 

 尊敬する恩師の言葉に感動している一誠とタイガ。

 身近に教師が居なかったグランもキラキラした目で矢的を見ており、案の定ジータは矢的と実父を比べ、(やっぱりうちのクソ親父、欠陥人間じゃん)と実父への怒りを沸々と沸き上がらせていた。

 

 だが、それを否定するかのようにエルミデ博士は語る。

 

 

「しかし、ウルトラマンが倒せなかった怪獣をコアトリクエが倒したのは事実です。それはコアトリクエがあればウルトラマンは不要となるでしょう」

 

 

 ――この発言に、一誠がキレかかった。

 

 

「不要ってなんだよ。ウルトラマンをモノみたいに扱うんじゃねえ!!大体なあ、ウルトラマンだって生きてんだ!!たまには油断したり――」

 

この戦艦は油断したりしません。……絶対に」

 

 

 最後の小馬鹿にしたような言い方に、遂に一誠の我慢の限界が突破、更にはタイガ、グランもそれに同調。

 

 

「部長!矢的先生!協力してやりましょうよ、そのインプットってやつに!!」

 

「イッセー!?」

 

「そこまで言うんなら見せてもらおうじゃねーか!機械に頼りっぱなしの戦艦が、ホントにそんな性能発揮出来るのかどうかってよ!!」

 

『俺もイッセーと同じだ!俺達は助け合って今まで戦ってきたんだ!それをいきなり全部機械任せの戦艦を見せられて、不要呼ばわりされて黙っていられるか!!』

 

「彼らのおかげで助かった人達だって、空の世界には大勢いるはずです!むしろこんな心無い戦艦、怪獣は倒せても人を助ける為に動けるとは思えない!!」

 

「お、おいグラン……」

 

「ところで〜……この戦艦、全部機械の判断任せだけど、暴走した場合とかはどうするの?」

 

 

 相変わらずニコニコ笑顔で追及するジータ。

 だが、確かにそれは最もな質問だろう。

 完全な無人機であるならば暴走したとすれば、外部からどうにかするしかない。

 それこそ人が乗っていたなら違和感を感じた時点で対処可能な異常に気付かず、結果最悪の事態に陥る可能性もある。

 

 そんなジータの質問に、前述の三人(ただし、タイガは現在アストラル体のため特定の人物以外見えていない)の意見に先んじてエルミデ博士は答えた。

 

 

「ご安心を。この戦艦は油断だけでなく暴走の心配もありません」

 

 

 この場にレジェンドや束といった、機械の専門家がいたなら真っ先に反論しただろう。

 あまりにハッキリした返答に他の者がざわめく中、ジータは予想外の追撃を仕掛ける。

 

 

「ほうほう、それではもし暴走したりすれば、それは()()()()()()()()()暴走ってわけですね?」

 

「「「「「!?」」」」」

 

(ほお……この嬢ちゃん、結構なキレ者じゃねえか。そう誘導するとはな)

 

 

 この質問には殆どの者に動揺が走るが、アザゼルはジータに感心していた。

 

 

「そうなりますね。何者かが意図的にそうしたと考えるのが妥当です」

 

「ふーん……」

 

 

 これまたあっさり返されるも、ジータにとって不信感を強める答えであったのは間違いない。

 

 

(そう返すんだ。やっぱり何かきな臭いね、これ)

 

(一瞬動揺したように見えたが……何にせよ、信用ならねえ連中だぜ)

 

 

 ジータとアザゼルはますます怪しむだけだった。

 

 そして――

 

 

 

 

 ――グランサイファーの甲板――

 

 レイトとゼロガンダムは暇を持て余していた。

 

 

「80先生に言われて戻って来たけど、何もすることねーな……」

 

「面倒事はない方がいいんじゃないのか?」

 

「ああ、面倒事はな。けどあまり暇過ぎるのも何ていうか、こう……アレだ、逆に落ち着かない的な?」

 

「ならば互いの武勇伝でも聞かせ合うか。普段戦う場所が違う者同士、感じ方も違うだろう」

 

「お!面白そうだな。じゃあお前の修行時代とかそういうのから聞かせてくれよ」

 

「いいだろう。まずは俺が騎士ですらない、魔竜剣士だった頃からだ」

 

 

 施設内では何やら不穏な空気であるが、二人の『ゼロ』はお互いの過去の戦いや冒険の話で盛り上がる。

 災厄が迫っているということも知らずに……。

 

 

 

 

 再びコアトリクエ内部。

 

 カプセル型の装置の中には片方に一誠(とタイガ)、もう片方にグランが入っており、一誠はピースしているし、グランは眠そうに欠伸していた。

 何とも緊張感に欠けた表情である。

 

 

「全くもう……」

 

「言い出したら余程じゃない限り聞かないからなぁ、兵藤は。ただ、今回は気持ちが分からなくもないが」

 

 

 困ったような、呆れたような表情のリアスに、苦笑する矢的。

 なお、タイタスとフーマはお預けされたようでフーマが少しばかり拗ねており、ムサシの肩に乗り足をぶらぶらさせている。

 タイタスの方は上体起こし中、即ちいつも通り。

 

 

『ちぇー……また俺らはお預けかよ』

 

(まぁまぁ)

 

 

 彼らがそんな調子なら、当然もう片方も――

 

 

「はぁー……グランって私のフォローとか言ってるけど、時々こうして私より突っ込んでいくところあるんだよね」

 

「でも、このままこの装置動かしても大丈夫なんでしょうか……」

 

 

 ジータはグランの感情に任せた行動に溜息し、アサヒは拭い切れぬ不安があるからか、未だ心配げな声を出す。

 

 そんな風に見守る面々を尻目に、一誠とタイガ、それにグランは普段の調子を取り戻していた。

 

 

「さ、早く済ませちまおうぜ。この中、結構窮屈だし」

 

『だよなあ、ゼロがくれたアストラル体の俺ら用の布団籠なんて小さくても寝心地良いのに』

 

「何か新鮮な感じだなー。明日以降も忙しくなりそうだし、早めにお願いします」

 

「ええ、すぐに終わります。

 

 

 

 

 

 ト  リ  ガ  ー  、 

 

 

 

 

 

 タ  イ  ガ

 

 

 

 

 

「『「……え?」』」

 

 

 エルミデ博士は今何と言った?

 

 今アストラル体のため、特定の人物以外に見えるはずのないタイガだけならまだ分かる。

 問題は、トリガーの名を言ったことだ。

 まだグランがトリガーだというのはウルトラ騎空団、ついでにカルミラぐらいにしか知られていないはず。

 意味深に小さく笑いながら、カプセル型の装置を起動させると、少しずつ装置の内部が光に満たされていく。

 

 

「ちょっ……!待っ!?」

 

『何だこれ!開かないっ!くそ!!』

 

「今何てっ……!?」

 

「『「うわあああ!!」』」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 グラン――トリガーは暗い闇の中、初めてトリガーとして戦ったときを思い出していた。

 コスモスの力を借りて、ゴルバーを倒しカルミラを退けたあの時を。

 

 

(そうだ、この日から僕はレジェンドさんやムサシさんと同じくウルトラマンになったんだ)

 

 

 それから色々な事があった。

 初めての変身では流のおかげで無事変身出来たが締まらなかったり、暴走したティアマトを鎮めたり、霧に包まれた島でもセレスト相手に先輩のゼロ、加えてアサヒが変身したグリージョから援護されながら戦った。

 そして……怪獣と戦うことも増えてきた。

 

 ゲランダとの戦いも、トドメをさせなかったのは怪獣との戦いの経験が少なかったからだろう。

 あの時、ゲランダをコアトリクエが倒した瞬間が思い出される。

 

 

(そうだ、コアトリクエだって同じじゃないか。経験が少ないから、僕達の経験を必要としてる)

 

 

 向かってくるコアトリクエを見つめるトリガー(グラン)

 何故か、ゲランダを消滅させたネオマキシマ砲がチャージされ始め、トリガーも自然とゼペリオン光線の構えを取る。

 

 

(僕はまだまだスタートラインから走り出したばかりなんだ……!こんなところじゃ終われない!)

 

 

 そしてネオマキシマ砲とゼペリオン光線が同時に発射され、激突するも瞬く間にゼペリオン光線は押し返され、そのままトリガーを飲み込み――

 

 

『うあああああ!!』

 

 

 跡形も無く消滅させた。

 

 

 

 

 

 そして、一誠とタイガは――

 

 

 

 

 

「そんな……!どうして貴方が!!」

 

『嘘だろ……?何かの間違いだろ!?』

 

 

 ある人物と相対していた。

 その人物は容赦無く構え、タイガ(一誠)に向け――

 

 

「『うわああああ!!』」

 

 

 光を、撃ち込んだ。

 

 

 

〈続く〉




何度かプロット練り直して、ようやく個人的に納得のいく内容になったので、あとはそれをどう運ぶか……。
後半いくつか案があるんですが、どれにしようか迷ってる最中です。

あと、特別編でのんびり&ギャグな、グラブル絡みのやつ書いてます。
アレです、ぼっち騎空団には難易度が高い……古戦場でもドレッドバラージュでもなく、最近追加されたコンテンツのやつ。
これは近々投稿出来るかと。


それではまた次回。

二択決定戦! シン一人乗りする最終ゲッターはどちらだ!?

  • 真ゲッタードラゴン(大決戦版)
  • 真・ゲッター1(スパロボα仕様)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。