ウルトラマンレジェンド Episode.CROSSOVER   作:ハジケハムスター・ポッポ

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お待たせしました。
どの辺りで区切るか迷いましたが、やっと踏ん切り付きました。
強いて言うなら、もにもにと秩序お姉さん初登場。


それでは本編をどうぞ。


突き付けられた現実〜宣戦布告

 その日、ウルトラ騎空団は緊急事態ということで三艦一艇が集合していた。

 用事があると言って最も合流が遅れたのはヒリュウ改。

 

 合流するや否や、ゼット、そして生徒会の面々はエリアル・ベースの医務室に急行する。

 その他、多くの者が彼らの後に続き、レジェンドだけはただ一人ゆっくりと向かっていた。

 

 

(……恐れていたことが現実になってしまったか。しかも以前に増して最悪な形で)

 

 

 静かに目を伏せながら、レジェンドもまたエリアル・ベースの医務室へと足を運ぶ。

 

 

 

 

「ゼロ師匠!!」

 

 

 肩を上下させつつ、勢いよく医務室に入ってきたゼットの目に映ったのは、首から腰の辺りにかけてまで包帯を巻かれ、人工呼吸器を着けられている痛々しいレイトの姿。

 その近くにはレイト程ではないにしろ、包帯を巻かれている一誠やグランの姿もあった。

 

 ネオマキシマ砲が放たれたとき、トリガー、ゼロ、そしてタイガはギリギリの状態で退避し、エリアル・ベースが滞在していた島に急遽ゼロのテレポートで転移していたのだ。

 その後、限界がきたゼロを始め人間の姿になった三人を、依頼を終えて帰ってくる途中の我夢とジークフリート、パーシヴァルの三人が保護して医務室に運び込まれたというのがことの顛末である。

 

 そんな三人……加えてトライスクワッドも含めた六人以外にも、オカルト研究部やグランサイファーのクルー達が集まっている医務室に到着したゼットらはあまりの惨状に愕然とした。

 レイトはウルトラ族であるため、レジェンドの主治医である卯ノ花主導のもと涼子やしのぶが治療に当たっている。

 本来なら束やクロエもいるのだが、間の悪いことに惑星レジェンドに行っているため不在。

 

 

「命には別状ありませんが、しばらくは絶対安静が必要な怪我です。話によるとウルティメイトイージスを纏っていたそうですが、おかげでこの程度で済んでいると言っていいでしょう」

 

「っ……」

 

 

 タイガがそれを聞いて拳を握り締める。

 自分がダイナと戦うのを躊躇し、攻撃を受け続けてダメージが蓄積、満足に動けなくなったところを狙われ――ゼロに庇われた。

 

 

「……俺が、躊躇わなければ……」

 

「タイガ……」

 

「……タイガだけじゃない。俺もアスカ兄さんが相手だって分かったら……呆然として力が抜けちまった。その結果がこれだ。それだけじゃねえ、あのコアトリクエが変形した奴だって、俺達がバカなことを言い出さなけりゃあそこまで強くはならなかった……!」

 

「イッセー、過ぎたことを後悔しても仕方ないわ。今は――」

 

「分かってます!!分かってるけど……俺は……」

 

 

 まだ、踏ん切りがついていない。

 そんな一誠とタイガを困ったように見つめるリアス達だが、漸くやってきたレジェンドが重大な情報を提示する。

 

 

「……リク以外……いや、ギャスパーもいない、か。それ以外でクリオモス島に行った面子は揃っているな」

 

「レジェンド様……」

 

「まず言っておくことがある。お前達がクリオモス島に向け出発直後、ベリアルから通信があった。休暇も兼ねてこちらに向かっていたダイナが突如消息を絶ったとな」

 

「「「「「!!」」」」」

 

 

 レジェンドから告げられたそれに衝撃が走る。

 それはつまり、クリオモス島で現れたダイナが本物である可能性が更に高まったことを示していた。

 

 

「消息を絶ったって……!?」

 

「そのままの意味だ。詳しい理由は分からん。ハッキリしているのは、お前達が遭遇したダイナが本物にせよ偽物にせよ、討つことも視野に入れねばならんということだ」

 

「『なっ……!?』」

 

「ウルティノイドの方はともかく、ダイナは正しくウルトラマンだ。もし放置して被害が出ようものなら、ウルトラマンの信用そのものに関わってくる以上、無視は出来ん。酷だとは思うが、最悪の事態を想定して然るべきだろう」

 

 

 その場にいる者達が驚愕する中、レジェンドは淡々と述べていく。

 確かに正論ではあるのだが、頭では納得していても心では納得出来ない。

 

 

「待って下さいチーフ!きっと何か理由があるはずです!」

 

「あいつがそういう素振りを見せたのか?」

 

「いえ……それは……」

 

「倒す以外の方法があるならそれに越したことはない。だが、タイガの言葉に耳も貸さず、ゼロがウルティメイトイージスを装着してなお重傷を負うほど本気で撃ってくる奴が、そう簡単に話に応じると思うのか?連中が再度侵攻してくるまでそう時間は残されていない。覚悟を決めろ」

 

 

 ムサシの言葉すら、レジェンドはバッサリと切り捨て厳しく言い放った。

 おそらく被害がここまででなければレジェンドも何らかの策を練っただろうが、こうなってしまった以上見過ごすことは出来ない。

 

 そして、レジェンドによってその場にいた全員――特にオカルト研究部とグランサイファー組にさらなる衝撃が巻き起こる。

 

 

「それから卯ノ花、スペースの方は?」

 

「確保してあります。ちょうど二人分」

 

「そうか、助かる。すぐに運び込む」

 

 

 そう言ってレジェンドが表に出て声をかけると、ゲンに誘導されながら、二人の重傷患者が運び込まれる。

 

 その二人は――

 

 

「「イリナ!!」」

 

「「「「「イオ!!」」」」」

 

 

 一誠やグランと共にいたはずの、イリナとイオ。

 下手をすればレイトより酷いのではと思うような大怪我を負っており、しかも意識不明の状態。

 

 

「島の地下施設内に他の連中共々取り残されていたらしくてな、そのおかげでどうにか命は取り留めたようだ。どうやってパスコードを解除したかは知らんが、イリナの方はXXバズーカと同じものを抱えていたぞ。おそらくはそれでタイガやトリガーを援護しようとしたんだろう」

 

「……そんな……」

 

「これから彼女らの治療に入ります。皆さんは室外へ出て下さい」

 

「すまんな、烈。世話をかける」

 

「お気になさらず。レジェンド様も無理をなさらぬよう。私が彼らに付きっきりだと貴方に何かあった場合、満足に治療出来ませんから」

 

「ああ、肝に銘じておく」

 

 

 レジェンドと卯ノ花は周りの重苦しい空気を気にせず、普段通りに会話し、その後はしのぶから「はいはい皆さん、退出ですよ〜」と一部がグイグイ押し出されながら退出することになった。

 

 そして落ち込むオカルト研究部を始めとした面々を含む全員に、レジェンドはこのあと緊急ミーティングをエリアル・ベースにて行うと告げ、その場を後にする。

 

 残された者達はただただ俯くしかなかった。

 

 

 

 

 エリアル・ベース内のミーティングルーム。

 

 そこには各艦艇の艦長及びそれに準ずる者とレジェンド、サーガ、そして一部の責任者達が勢揃いして着席している。

 

 

「……以上がクリオモス島で起こったことです」

 

 

 矢的が話し、アザゼルも俯いて強く拳を握り締めており、他の者達も険しい表情だ。

 

 

「ゼロの負傷にジードは行方不明、おまけに一誠やトライスクワッド、そんでトリガーが自責の念やら何やらで使い物にならねえときたか……いっぺんにウルトラマンがここまでやられちまうとはな」

 

「しっかしそのモネ公、人の褌で相撲をとるようなマネして偉そうにぬかすたぁ腹立つぜ!おまけにゼロのパチモン、どういう訳か知らねえがアスカの奴まで同伴だ?ちったあテメー自身で喧嘩しに来やがれってんだ!!」

 

 

 冷静なオルガに対し、カミナは相当頭にきてるようで青筋を浮かべながらテーブルをバンと叩く。

 

 

「モネラ星人とゼロもどきはブッ飛ばすとして……問題はアスカ……ダイナだな。洗脳されてるのか自分から従ってんのか分からねえ」

 

「説得も効果なし、おまけにレイトちゃん……というかタイガちゃんに全力光線だからね。正直、後者の線は薄いんじゃない?俺はこのダイナってのに一度もあったことないけど、評判を聞く限り快男児って感じじゃないか」

 

 

 シモンの意見にシエテは普段のおちゃらけさは微塵もなく、落ち着いて映像を見ながら意見を述べた。

 

 

「近々、この空域の騎空団を可能な限り招集して対策会議を開くそうです。場所はアマルティア島……秩序の騎空団の拠点としている島ですね」

 

「あそこか……そうなると脛に傷持ってそうな連中は集まらなさそうだ。第一、俺達と違って他の連中は星晶獣の相手だってそうポンポンとするこたぁねえからな。今回の相手はハッキリ言って規格外が過ぎるぜ」

 

 

 ミツバが見ながら説明した、各騎空団宛に送られてきた手紙には『これは強制ではなく、あくまで協力要請であり、断ってくれても構わない』と締めくくられており、グランの代理として出席しているオイゲンはあの場にいた者の一人としての意見を述べる。

 

 

「出席するしないにしても、依頼は舞い込んでくる。そちらを疎かにするわけにもいかない」

 

「……モネラ星人の件に関しては俺達ヒリュウ改のメンバーと、グランサイファーで対応する」

 

「「「「「!!」」」」」

 

 

 サーガの言葉に続いたレジェンドの一声で、全員の視線が驚きと共にレジェンドへと集まる。

 

 

「ちょっと待てよ旦那ぁ!ここは総力戦って展開だろうがよ!!」

 

「旦那のいるヒリュウ改はともかく、グランサイファーの連中じゃムサシの兄さんやアサヒを除くとこの手の相手と戦う経験が浅すぎるだろ」

 

 

 カミナやオルガはそう言うが、サーガに制された。

 それからレジェンドによる説明が行われる。

 

 

「お前たちの言う通り、総力戦というのが本来ならばベストだろう。だが、俺達ウルトラ騎空団にくる依頼の数や内容は半端ではない。サーガも言っていたが、それを蔑ろには出来んのでな……故に、俺を含めたウルトラマンや機動兵器等、単艦で戦力が充実しているヒリュウ改、及び事件に遭遇したグランサイファー組がこの件に当たり、エリアル・ベースとクロガネには各依頼を捌いてもらう」

 

「エリアル・ベース側は千差万別、この空の世界出身の様々な方々がおり所属人数は現在一番多く、またクロガネは機動兵器の搭載数や優秀なパイロットが多数所属していますから、大規模な依頼でもこなせるだけの戦力があります。加えてサーガ様は別として、レイトさんが負傷しているとはいえ、ミライさん、我夢さん、藤宮さんと、戦闘可能なウルトラマンが三名もいるため対怪獣・宇宙人戦力も充実していますし」

 

 

 レジェンドに続く形でミツバが補足し、あまりに正論でぐうの音もでなくなる団長達。

 戦力外どころか、大きく評価しているからこそ依頼関係を一手に引き受けてほしいという願いであった。

 

 

「ったく相変わらず持ち上げんのが上手いな旦那。とりあえず俺達はいいとしてだ、ウルトラマンの三人は向かわせた方が良くないか?」

 

「それも考えたが、あの陰湿なモネラ星人のことだ。何かしてこないとも限らん。実際、ゼロの乱入も予想していたぐらいだからな」

 

「だろうな。テメーの手を汚さずなんて考えるような連中がやってくるのは大体卑怯な手って相場が決まってるもんだ」

 

「で、有事に備えてってわけか。そうするとそっちにいるのは旦那とサーガ様を除けば……」

 

 

 オルガ、カミナ、シモンも漸く納得し、モネラ星人と戦うウルトラマンを数えると――

 

 レジェンド、ゼット、トライスクワッドの三人(戦闘時は一人)、トリガー、レオ、80、コスモス、そしてグリージョとオリジンの計11名。

 一応、レジェンドとゼットはセット扱い。

 つまり同時に巨大戦闘可能なのは8名。

 

 

「……結構いけんじゃね?」

 

「バグキャラと旦那以外にチートラマンが紛れ込んでるからな」

 

 

 言わずもがな、バグキャラがレオ=ゲンでレジェンド以外のチートラマンがコスモス=ムサシである。

 さらに、ここに凱のガオファイガーやジャグラーのマスターフェニックスなどの機動部隊が加わるので、戦力不足はないだろう。

 

 

「……正直、この空の世界においてあれらに対抗出来る戦力があるのは俺達ぐらいだろう。他の騎空団は招集したとしてもまともな戦力になるかどうかさえ怪しい」

 

「俺達十天衆もこの騎空団に集結しちゃってるからね。戦力が偏りすぎな気がしないでもないけど、下手にバラけて指揮系統がめちゃくちゃになるよりはいいんじゃないかな?今回みたいにさ」

 

 

 レジェンドを後押しするような意見を出すシエテ。

 とりあえず、予定通りヒリュウ改とグランサイファーが今回の件に当たること、及び対策会議に出席することが決定し、その場は解散となる。

 

 

 

 

 翌日、グランサイファーは期日までエリアル・ベースやクロガネと共に行動させ、ヒリュウ改は対策会議に出席するべくアマルティア島に赴いていた。

 本来であればリアスらオカルト研究部もヒリュウ改に所属しているため同乗しているのだが、大半が未だショックから回復していないということで、レジェンドがエリアル・ベースにて休養をとっておけと半ば無理矢理置いてきた。

 

 出迎えてくれたのは、秩序の騎空団・第四騎空挺団の船長代理であるモニカ・ヴァイスヴィント、並びに船長のリーシャ。

 

 

「ご足労ありがとうございます、ウルトラ騎空団の方々ですね?」

 

「ああ。一応団長の立場のレジェンドだ。それからこちらがあの艦の艦長と副長」

 

「ヒリュウ改の艦長、ミツバ・グレイヴァレーです」

 

「同じく副長の八坂じゃ。宜しく頼む」

 

「それで……すまんがどちらが上司だ?俺としてはそちらのツインテールが元上司で補佐役をしてそうな感じがするんだが」

 

 

 初対面のレジェンドにズバリ言い当てられ、驚くモニカとリーシャだが、レジェンドの経験の賜物であることには気付いていない。

 

 

「よく分かったな。貴公の言う通り、私は元船長で今はリーシャが船長だ。そろそろ経験も積ませねばと思っていたところだしな」

 

「まあ、一応知っておこうと思っただけで他意はない。会議前に聞いておきたいが、集まり具合はどうだ?」

 

「……ハッキリ言って、あまり良くはありません。『ウルトラマンが束になっても完封された』――この事がやはり大きく響いてるようです」

 

「予想通りか。とにかく、現状集まった連中でどうにかするしかあるまい。俺達がミスれば次は他の連中だ。いつまでも高みの見物だの逃げ腰だのではいられんだろう」

 

 

 不安などない、と言わんばかりに堂々としているレジェンドを、リーシャは尊敬の眼差しで見つめていた。

 ちなみに彼女は御年21歳。

 世界によってはキャンパスライフを謳歌していてもおかしくない年齢である。

 

 つまり――

 

 

「それでは案内をお願いしますね、お二人とも」

 

 

 ――何かを察したミツバが柔らかく言うと、リーシャは慌てて「こ、こちらへ!」と三人を先導する。

 

 

(まだ初対面じゃ。いきなり芽吹くようなことはないじゃろう?)

 

(分かりませんよ、副長。レジェンド様に限って言うなら、初対面かつ一言でも落としかねませんから)

 

 

 何やらミツバと八坂が密談しているが、レジェンドは別に気にしていない。

 

 

 

 

 

 会議室に案内されると、どうやら一番最初だったらしくまだ誰も居らず、リーシャが「お好きな所にお掛け下さい」と言ったため、レジェンドを挟むようにミツバと八坂が着席。

 レジェンドはそのまま腕を組んで瞑想に入り、ミツバと八坂は出されたお茶を飲みつつ静かに待つ。

 そして、モニカとリーシャは……

 

 

((き……気まずい……))

 

 

 普段のレジェンドならそうはならなかったのだろうが、生憎と事が事だけに本来の性格――クールで寡黙なレジェンドになっているので纏っている空気が違う。

 こんな状態で話し掛ける猛者は彼と親しい人物くらいしかいない。

 おまけにミツバと八坂まで一言も発しないため、モニカにせよリーシャにせよ話し掛けるのを躊躇っていた。

 

 そんな時に他の団員が参加する騎空団の代表を連れてきたことで、やっと会議が始められるとともに重苦しい空気が少しは解消される、と安堵する二人だったが……。

 

 

 

 

 

 いざ会議が始まるとそんな訳がなかった。

 

 多くの騎空団の代表がやたらとレジェンド達に突っかかるのだ。

 やれ何故全員でクリオモス島に行かなかっただの、やれあの場で全力で食い止めておけばどうたらと、自身らは何もしなかったにも関わらずウルトラ騎空団を責め立てる。

 正直、ミツバや八坂も相当頭にきていたし、モニカやリーシャは勿論、一部の騎空団の代表はウルトラ騎空団に責任追及するのはお門違いだと反論するが聞きはしない。

 確かに一誠やタイガ、グラン=トリガーのデータは取られたがあくまでデスフェイサーによる彼らに対する対策が成されただけで、実際はそれ以外への明確な被害はない……というより、一般的にタイガやトリガーの変身者がバレていないのだから、他の騎空団ではなくむしろ彼らが属するウルトラ騎空団自身の方が悩む問題である。

 

 さらには――

 

 

「あの場で自爆特攻でもしておけば良かったのだ!!」

 

 

 これにはさすがにリーシャ達が怒る……前に、最悪なことにレジェンドの限界を超えてしまった。

 

 

「おい」

 

「何だ?今更弁解を――」

 

「お前らは何をしに来たんだ」

 

「何?」

 

「他人に対して罵詈雑言を浴びせるためだけにここに来たのか。だったら会議の邪魔だ。とっとと失せろ」

 

 

 代表達はあまりの言い分に一気に沸騰するが、ミツバと八坂はレジェンドがブチ切れていることを察して黙っている。

 モニカは歴戦の勘というか、レジェンドと共にいる二人が黙っていることに気付いて「これはヤバい」と理解したのかリーシャにも二人に倣って静かにしているよう耳打ちした。

 

 

「貴様……!その態度は何だ!」

 

「何も出来なかった連中の頭が偉そうに!」

 

「俺達が何も出来なかったなら、お前らは何もしようとすらしなかっただろうが」

 

「「「「「ッ!?」」」」」

 

「加えてもう一つ……あのクリオモス島壊滅事件の後、地下施設内の救助活動を行ったのは俺達以外では秩序の騎空団、そして今お前達に反論した騎空団の者達だ。お前らは何をしていた?」

 

「わ……我らにも他に仕事が……」

 

「俺達の忙しなさはお前達も知っているはずだ。仕事云々は通用しない。効率よく分担すればいいだけのこと、現に秩序の騎空団はそうしている。もう一度聞く、お前らは何をしていた?」

 

 

 凄まじい勢いで威圧感が増していくレジェンドに対し、彼らに罵声を浴びせていた代表達はガタガタと震え出す。

 プレッシャーは彼らにのみ叩きつけられており、モニカやリーシャ、本当の意味で勇士と言える騎空団の代表達には全く影響はない。

 

 

「俺達をこき下ろしたいならそれでも構わんが――」

 

 

――相応の覚悟はしておけ――

 

 圧倒的なプレッシャーを前に、その代表達は情けなく気絶した。

 中には白目をむいたり、痙攣したり、果てには失禁している者までいる始末。

 

 

「大口を叩いておきながら小物じゃの」

 

「八坂副長、彼らは何もせずこちらを責めるような臆病者ですよ?レジェンド様の殺気に耐えられるわけありません」

 

(((((殺気どころか消す気満々に感じましたが!!)))))

 

 

 最後の最後でレジェンドのそれを感じ取ったモニカ達は、汗をダラダラ垂らしながら満場一致でそう思った。

 それでも連中と違って気絶した者はいないあたり立派である。

 

 

「……さて、会議妨害する連中が黙ったところで改めて対策会議本番といこうか……ん?」

 

 

 レジェンドがそう言うと、突然会議室が真っ暗になる。

 まだ昼間だし窓もある、天気も快晴なのに――そう思った瞬間、会議室の中心にエルミデ博士がスポットライトと共に現れた。

 

 

「「「「「なっ!?」」」」」

 

「どういうことだ!?警備は厳重にしたおいたはずだぞ!?」

 

「駄目です、モニカさん!外側との連絡が取れません!」

 

「どうやらこの空間だけ閉鎖されたようだな。いざとなれば俺がどうにかする。今は一先ず奴らからのリアクションを待とうじゃないか」

 

「光神様、落ち着いておられますね……」

 

「似たような事態にクソほど遭遇したからな。慣れた」

 

「普通はそれほど遭遇することもなく、なれるような事でもないんですけど……」

 

 

 堂々としているレジェンドに溜息を吐くミツバと八坂。

 

 どんだけ不憫な目に合ってるんだこの人。

 

 二人だけでなく、モニカやリーシャ……他の騎空団の代表達もこの状況で冷静さを全く失わないレジェンドを感心すると共に、こんなことに日常的に遭遇しているということをどうかと思っていた。

 

 それはさておき――

 

 

「お集まりの皆さんに通達させて頂きます。明日の正午、ロアーヌ島より――人類抹殺を開始します」

 

「「「「「!?」」」」」

 

「…………」

 

「貴方達が如何なる抵抗をしようと、無意味であることを実感することになるでしょう。それでも来るというのならお待ちしています」

 

 

 淡々と宣戦布告をしてきたエルミデ博士、もといモネラ星人。

 

 

「それから、この身体はお返しします――」

 

 

 そう言うやいなや、いきなりその場で力尽きるように倒れ込むエルミデ博士。

 リーシャが急いで駆け寄り、エルミデ博士を揺らすもどうやら気絶しているだけらしく、すぐに医務室へと運ばれていく。

 

 

「対策会議などしている場合ではなくなったな。明日の正午、ロアーヌ島……そこがモネラ星人との決戦の地だ。戦う気がある者は準備を整えて現地集合。奴らが言っていたように参加は任意、戦う気の無い者を無理矢理参加させる気はない。そういう連中を戦場に引っ張り出したところで役に立たん。むしろ足手まといだからな」

 

「「「「「…………」」」」」

 

「俺達はこれから準備があるから失礼する。では、明日ロアーヌ島で」

 

 

 そう言い残し、レジェンドはミツバと八坂を伴って退室していく。

 

 残された者達はレジェンドの態度から察する。

 彼は――否、彼らは自分達に何かを期待するようなことはないと態度で示していた。

 普通ならば「団結して乗り切ろう」「改めて会議しよう」といった協調性のある言葉で返すのだろうが、レジェンドら三人はそれをしなかったからだ。

 

 先程のような事が起きればそれも当然だろう。

 

 レジェンド達は『また何か言われるくらいなら自分達だけで十分だ。腑抜け共は来るな』ということをその背中で語っていた。

 

 

「モニカさん、私達は……」

 

「当然向かうしかない……と言いたいところだが、今の私は船長代理だ。最終決定権はリーシャにある」

 

「ええっ!?」

 

 

 驚くリーシャを「何事も経験だぞ」と笑いながら言うモニカだが、笑い事ではない事態にリーシャはアタフタしている。

 

 そして、このモネラ星人の宣戦布告はレジェンドを始めとする騎空団の団長らによって各々の騎空団へと通達され、翌日の正午へ向けて準備が進められることとなった。

 

 ……ちなみに……レジェンドらに対して罵声を浴びせていた騎空団の団長達は、気絶から目覚めるなりそれを伝えられ、案の定「急過ぎて予定が」「メンバーが休暇で」などと言い訳を始めてモニカやリーシャ達から冷めた視線を向けられた上、自分の騎空団にも失態が知れ渡り離脱する者が大勢出たそうな。

 

 

 

 

 エリアル・ベース内に一時的に割り当てられた自室で、ギャスパーは明かりも付けずベッドで蹲っていた。

 

 

「うっ……グスッ……リク兄さん……」

 

 

 自分の手を引っ張ってくれた、敬愛する兄のような人物を目の前で失った彼は以前の状態に逆戻りしてしまっている。

 リアスらはおろか、杏寿郎やしのぶでさえも連れ出すことが不可能なほど、外に出ることを拒んでいた。

 泣きながら彼が見ているのは、最近団内で開催されたバトスピタッグトーナメントで見事リクと共に優勝したときの、二人揃って笑顔の記念写真。

 

 

「リク兄さん……僕、全然大丈夫じゃないです……」

 

 

 そう零し、膝に顔を埋めるギャスパー。

 

 そんな彼の近くに、何処から入ったのか青い光の玉が近づいていた。

 

 

――子供……?こんな子供が本当に『勇気』を持っているのか?――

 

 

 

〈続く〉




なんか重役みたいなのいっぱいいるんですけどーやだー……とかなっていたらレジェンドがキレました。
そしてバグキャラやチートラマン認定されているレオ兄さんにコスモスェ……。

そして今回の最後、あるゲームをプレイされた方ならなんとなく思い出されるのではないでしょうか?
本作に参戦し、そして勇気がキーワードのシリーズといえば……?


それではまた次回。

二択決定戦! シン一人乗りする最終ゲッターはどちらだ!?

  • 真ゲッタードラゴン(大決戦版)
  • 真・ゲッター1(スパロボα仕様)
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