ウルトラマンレジェンド Episode.CROSSOVER   作:ハジケハムスター・ポッポ

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お待たせしました。
いよいよ本章も佳境、決戦開始です。
チキンハート・ドラゴンもたまには頑張ります。


それでは本編をどうぞ。


ウルトラ騎空団VSモネラ軍団

 ロアーヌ島では、予告時刻まであと僅かということで既に準備を済ませたウルトラ騎空団が臨戦態勢で待機していた。

 合体ロボを見るのが初めてだっただろうモニカやリーシャらなど、ガオファイガーのファイナルフュージョンで腰を抜かしたりとちょっとしたトラブルはあったが、概ね予定通りである。

 

 

「……モニカさん、ああいうのがウルトラ騎空団では当たり前だそうです」

 

「一体どんな修羅場をくぐり抜けてきたんだ彼らは……」

 

 

 EI-01だのZマスターだのソール11遊星主だの、GGGだけでも相手にした連中の規模がとんでもないし、つい最近ゴーデスという最悪の悪魔とやり合ったばかりなのだが、こんなことを聞かせようものなら彼女らは卒倒するだろう。

 

 そんな彼女らを尻目に、レジェンドはウルトラ騎空団専用の秘匿回線を使って参加しているメンバー全員に通達する。

 

 

「さて、もうじき奴らの指定した時刻だが……俺の予想が正しければ奴らは地中からデスフェイサーのガトリングで奇襲をかけてくる可能性が高い。今回に限ってはそうと言い切れんが、空中だけでなく足元にも気を配れ」

 

「超師匠、それ経験からの判断でございますか?」

 

「まあな。おかげで以前はTPCの地上部隊は一撃目でほぼ全滅、出鼻をくじかれたからかガッツイーグル各機も撃墜される結果になった。同じ轍は踏まん……と言いたいが、奴らの戦力を考えるとまだ何か仕掛けてくる気がしてな。抜かるなよ、ゼット」

 

「了解!」

 

 

 そしてヒリュウ改よりロアーヌ島全域にミツバからメッセージが流された。

 

 

『間もなく指定時刻です。各戦闘員はそのまま臨戦態勢を維持、補給・救護等支援人員は速やかに後方へ退避して下さい』

 

 

 残り数分――そして指定時刻となり、それを知らせる鐘がロアーヌ島に響き渡る。

 鳥達が羽ばたき、空へと飛び立つもロアーヌ島には何ら変化がない。

 

 

「……来ませんね、モニカさん」

 

「もしや、あのメッセージは陽動で実はこちらではないのではないか?」

 

 

 そんな会話している二人だが、ヒリュウ改のブリッジではミツバ、八坂の他に総括オペレーターとして命を筆頭に、サブにナイン、更に臨時クルーとしてグレイフィアやガブリエルもいるため異常はすぐに感知出来た。

 

 

「ロアーヌ島地中より高エネルギー反応!」

 

「レジェンド様の読み通り……!初撃が来ます!陸戦部隊は予測された射線上より退避――」

 

「いえ、上空からも熱源反応多数……!来ます!」

 

「『!?』」

 

 

 ナインからさらなる情報が齎され――

 

 地中からは空に向かって連続して光弾が、上空からは手当たり次第に光弾が放たれる。

 スカイ・ガーディアン・エージェンシーが配置した防衛兵器が瞬く間に壊滅し、コンクリートの大地を突き破りながらデスフェイサーが地上へと姿を現す。

 さらに上空から無数の円盤群が飛来し、続けてあるものが大量に降下してくる。

 

 

「あれは……!」

 

「駒王町に現れたロボットですわ!それじゃあモネラ星人は……」

 

「いや……飛行型がいない。奴らがあの連中と繋がっているなら、この世界であれがいないのは不自然だ。大方奴らも拾って解析して量産してるんだろうさ」

 

 

 カナエや朱乃がアサキムらとモネラ星人の繋がりを予想するが、C.C.がそれを否定する。

 確かにその通りだが、続けてギャラクトロンまで出て来たことにC.C.は舌打ちした。

 

 

「また面倒な奴を……!」

 

「待て!まだ何か出て来るぞ!」

 

 

 凱が言ったように、様々な形状の円盤群から何かが光と共に降下してくる。

 むしろ落とされた、という表現が正しい。

 それらはゆっくりと立ち上がり、ゆらゆらと揺れながらまるでゾンビのように歩きながら進軍してきた。

 

 その姿はモネラ星人が完全に人型になったかのような外見をしており、その動きも合わさって非常に不気味な事この上ない。

 

 名付けるなら『モネラクリーチャー』。

 

 そんな化け物が大勢侵攻してきたのだ。

 あまりに異形かつ大量に攻めてきたとあって、モニカやリーシャすら小さい悲鳴を上げてしまう。

 

 

「何だあの魔物は!?」

 

「ゾンビみたいね……ゾンビではなさそうだけれど」

 

「とりあえず、元人間ではない鬼だと思いましょ。あれ?そう考えたら割といけそうな気がしてきたわ。煉獄君もしのぶも巌勝さんもいないし、いつもより気張るとしましょうか」

 

 

 カナエの言う通り、巌勝や杏寿郎は神衛隊所属でもあるため現在はクロガネに、しのぶは卯ノ花の手伝いのためにエリアル・ベースにいる。

 つまりここにいる鬼討組はカナエ、小芭内、そして蜜璃の三人だけだ。

 あくまで鬼討組は、なので他のメンバーも当然いるからそこは問題無い。

 

 

「どれ、どのくらい頑丈なのか確かめておこうかの」

 

 

 軽い調子で言った夜一は、次の瞬間遠く離れていたモネラクリーチャーの一体を思いきり蹴り飛ばす。

 防御してなかったからか元々なのかはハッキリしないが、モネラクリーチャーは面白いくらい錐揉み回転しながら吹っ飛んでグシャリ、と潰れた。

 

 

「ふーむ……動きだけでなく耐久力や防御も然程良くないのう。こ奴らは文字通り使い捨ての駒みたいなものじゃな。数は厄介じゃが戦力自体はそう警戒するほどでもなさそうじゃ」

 

 

 一体蹴り飛ばして再び戻ってきた夜一はそう言い、「お主らもとっとと構えんか」と手をヒラヒラさせる。

 伊達や酔狂で『瞬神夜一』と呼ばれていたわけではないということをまざまざと見せつけた彼女に、ウルトラ騎空団以外は唖然としていた。

 

 

「お見事です、夜一姉様」

 

「うむ。まあアレじゃな、最初が肝心という……む?」

 

 

 夜一が何かを察して空を見上げると、小さな光が弾けてロアーヌ島全域へと広がる。

 

 

「んー?何アレ、レジェンド様何か準備してたっけ?あんなやつ」

 

「いや、そんな話は聞いていない。此度の戦いにおける重要事項は、先刻の打ち合わせで全て説明されているはずだ。だとすれば――」

 

「……まさか今のも連中の策略ってわけ?」

 

「考えたくはないがな」

 

 

 乱菊とハリベルはそんな会話をしていたが、まさにその通りであった。

 しかもそれは、この場において最悪とも呼べる事態を引き起こす。

 

 

 

 

 

 ムサシとアサヒは普段同様、ラカムらと共にグランサイファーにいた。

 何かあった時に、他の騎空団など人目につかず変身可能な上、地上の様子を逐一確認出来るからである。

 

 

「何か地上、怪しい変態がたくさん蠢いてます!」

 

「いやアサヒちゃん、怪しい変態って……」

 

 

 苦笑しながらムサシも地上を見ると、あちこちでモネラクリーチャーが進撃し始めていた。

 

 

(チーフや黒歌さん達もそろそろ戦闘に突入するはず。念の為にいつでもコスモスになれるよう……!?)

 

 

バチッ!!

 

 

「いっ……!!」

 

「ムサシさん!?」

 

 

 コスモプラックを取り出し、いつでも変身出来るようスタンバイしておこうとした途端、コスモプラックから凄まじい電流が流れ、ムサシは思わずコスモプラックを手放し床に落としてしまった。

 

 

「何だ今の……っ……!?」

 

 

 床に落ちたコスモプラックを拾うと何ともないが、変身の意思を示すとまたもや凄まじい電流が流れ出す。

 

 

「ぐあっ!!」

 

「ムサシ殿、さっきからどうしたんだ!?」

 

 

 心配したカタリナがやってくるが、近くで見ていたアサヒは「まさか」とルーブジャイロを取り出し、クリスタルを装填してレバーを引き回転させようとするも、ムサシと同じくレバーを引く寸前で凄まじい電流に襲われる。

 

 

「きゃっ!?」

 

「アサヒさん、大丈夫!?」

 

「ロゼッタさん……はい、何とか。でも……!」

 

 

 電流を受けた衝撃でルーブジャイロを手放しながら後ろに倒れ込んだところをロゼッタに受け止められ、アサヒは異常事態であることを確信する。

 

 それが起こったのはムサシとアサヒだけではなかった。

 

 

 

 

 

「80、どうだ!?」

 

「駄目です……!無理に変身しようとすれば流れてくる電流が一気に強まってしまう!」

 

「仮に変身出来たとしてもかなり消耗した状態になるか……!仕方ない、俺達はあのゾンビみたいな連中をどうにかするぞ!ロボット兵器はチーフ達に任せるしかない……!」

 

 

 ウルトラ兄弟に数えられる実力者のゲンと矢的も。

 

 

 

 

 

「流さん、一体何が!?」

 

「くっそ……!マジックギアレンズにメモリーキーを装填するまでは出来ても、いざ変身しようとすると妨害するように電流が流れ出すんだ!こんな機能付いてないはずなのに!」

 

「もしかして……さっきの光が原因じゃ……!?」

 

 

 レジェンドとはまた違った形で特殊なウルトラマンである流も。

 

 そして――

 

 

 

 

 

「あだだだだだ!痛っ!痛いってこれ!!あ゛ぁぁぁ!!」

 

「ゼット!今はゼットライザーになる意思を捨てろ!どうやら奴らは『ウルトラ戦士(俺達)』への対策を万全にしていたらしいな……!先程爆ぜた光はアンチディファレーターによるものだ。ロアーヌ島全体にそれが拡散された!!」

 

「っつぅ〜……アンチディファレーターってことは……!」

 

「ああ……!光神かつ極めて特殊な部類である俺はともかく、あの光が爆ぜた時にロアーヌ島にいた他のウルトラ戦士は変身が一時的に出来なくなっているはずだ。おそらくは今回の戦闘が終わるまで効果は続く……!お前はウルトラマンの姿のままだったから、ゼットライザーになろうとしなければ平然としていられるだろうが、実質ウルトラフュージョンとそれに伴う巨大化が封じられた……どうやら当初の予定通りこのままやり合うしかなさそうだ」

 

 

 レジェンドとゼットまで。

 正確にはレジェンドだけは現状でも変身可能なのだが、強制分離すればゼットの命が失われるのはほぼ確定的であるため、その選択肢は除外。

 

 

(フィールドのように形成されているわけではない。つまりあのアンチディファレーターの影響はあの時すでにこの島にいた者達に限定されているということか。ならば、外部から救援として来たならば変身は可能……)

 

 

 その時レジェンドが思い浮かべたのは先刻、エリアル・ベースへと向かった若き勇士達。

 

 

(やはり、勝利の鍵はあいつらか)

 

 

 一誠やトライスクワッド、そしてグラン――トリガー。

 この状況をひっくり返すには彼らの力がいる。

 無論、レジェンドが本気になってしまえばどうとでもなってしまうが、それでは彼らやこの世界に生きるもの達のためにならない。

 文字通り、ウルトラマン達でも覆せないような事態になった時……その時こそ自分が真に力を行使する時だとレジェンドは常々思っている。

 

 そう考えていると、遂に彼が現れた。

 

 ――ウルトラマンダイナだ。

 

 

「ダ……ダイナ先輩……!!」

 

「いよいよダイナも来たか……!ウルティノイドとやらはまだのようだが……」

 

 

 そこでレジェンドとゼットは何か違和感を感じる。

 

 

「超師匠、何がとはハッキリ言えないんですけど……ダイナ先輩変じゃないですかね?」

 

「お前も感じたか、ゼット。俺もどうも気になるというか……ちっ、こんな状況でもなければゆっくり思考出来たんだがな」

 

 

 軽く舌打ちしつつ、レジェンドはゼットにソウルゲインへと通信を繋げさせた。

 

 

「黒歌、予定通りダイナの相手を頼む。行動不能にさせるのが最優先だが……いざという時の判断はお前に一任する」

 

『りょーかいにゃ。でも、白音がお引越しの時にお世話になったアスカ相手に、いざという時なんてやらかさないわよ』

 

「……そうか。無事終わったら二人きりでの晩酌ぐらいは付き合おう」

 

『ホント!?断然やる気出てきたにゃ!あ、性的な事はちゃんと結ばれてからにするから、そこは安心してくれていいにゃ』

 

 

 声を弾ませる黒歌に少しだけ気が楽になり、レジェンドは今もガトリング砲を撃ちまくっているデスフェイサーをモニター越しに睨みつけ、操縦桿を握る。

 

 

「仕掛けるぞ。準備はいいか、ゼット」

 

「押忍!サイトロン・コントロールもバッチリでございますよ!」

 

「よし……モネラ星人、生憎と俺達がウルトラマンとしてしか戦えんなどと思っているなら、その考えが浅はかだということをその身で味わわせてやる……!」

 

 

 玉座機グランティードと電脳魔神デスフェイサー――二つの鋼の巨体が今、ロアーヌ島で激突する。

 

 

 

 

 

「さてさて、レジェンドの話だと青い姿だと超能力がヤバいらしいし、その姿になる前に無力化させてもらうにゃ」

 

「シュアッ!!」

 

 

 ソウルゲインは握り拳で、ダイナは逆に両手を開いて構えを取る。

 一瞬の静寂の後、同時に飛び出した二体は相手に近づくとそれぞれの右腕を振るい、双方の顔面に一撃を叩き込みあった。

 

 

「ぅっぐ……!乙女の顔に、何すんのよー!!」

 

「デアッ!!」

 

 

 フィードバックされる痛みで涙目になりつつ、黒歌のソウルゲインとダイナの拳は再び交差する。

 

 

 

 

 シェルター施設の中では、外の様子――ウルトラ騎空団とモネラ星人率いる軍勢の戦いがリアルタイムで映し出されていた。

 

 ガオファイガーのブロウクンファントムやビッグボルフォッグのムラサメソードがレギオノイドを打ち砕き、円盤群をロードドラグーンとサイバスターが軸となり撃墜していく。

 

 その光景を見たロアーヌ島在住の人々はウルトラ騎空団に希望を見出し、反対にスカイ・ガーディアン・エージェンシーの重役は苦虫を噛み潰したような顔をしていた。

 

 ――本来ならばこの視線を受けるのは自分達だったはずなのに――

 

 空の世界の守護者として、コアトリクエを運用し大々的に活動するはずであった。

 だが、事もあろうにコアトリクエは侵略の駒にされ、守護者としての立ち位置は図らずもウルトラ騎空団が担っているようなもの。

 

 デスフェイサーと戦っているグランティード、あれがあれば自分達が――そう考えている重役だが、彼は気付くのだろうか。

 たとえグランティードや、それを超える力を持った機体を手に入れたとしても、今の彼らではウルトラ騎空団の足元にも及ばぬということを。

 

 

 

 

 

(ふん、案の定レジェンドの乗るグランティードを忌々しく見ているな。空の世界の守護者などと名ばかりの自己顕示欲の塊のような奴らでは、如何なる力を持ったところで結果は変わらん)

 

 

 マジンガーZEROは冷たい視線を重役に向けている。

 アーシアはハラハラしているが、オーフィスはアーシアの膝の上にうつ伏せに寝転んでいた。

 どうやら退屈らしい。

 

 

「うーうー」

 

「オーフィスちゃん、今日は我慢しましょうね」

 

「むー」

 

 

 頬を膨らませてむくれるオーフィスをちょっと微笑ましく思いつつ、再びモニターに顔を向ける。

 予想外に良い動きをするアズのヒュッケバイン30や、ヒリュウ改の防衛担当であるアマリとルリアのゼルガード、それにナインのサポートもあり3機の中では最も戦果を挙げている千歳のヴァングレイも見逃せない。

 

 そして一番注目を浴びているのはジャグラーのマスターフェニックスと、サギリ・九重のコンビが乗るベルゼルートの息の合ったコンビネーションだ。

 円盤群どころかレギオノイドを立て続けに撃破していく様は見事の一言に尽きる。

 

 地上では……なんと今までビビりまくっていたティアマットが大暴れ。

 見た目が風の王国の王女だからか槍を作り出して振り回し吹き飛ばしていく姿にオーフィスもポカンとしてしまった。

 

 

「……あんなのティアマットじゃない」

 

「オーフィスちゃん、そんなこと言っちゃめっ!ですよ」

 

『普段のチキン具合を知っている身としては納得の反応なのだがな』

 

 

 更にもう一人、スカーサハも大奮闘。

 問題は奮起してる理由が「割と最初の頃からいるのに最近出番が少ない」からという思いっきりメタいことなのだが、この際それはいいとしよう。

 

 ドラゴン三娘のうち二人が活躍していることでまたもオーフィスはむくれる。

 

 

「我も混ざりたい。オーフィスびーむ撃ちたい」

 

『確実に巻き添え食らう奴が出るだろう』

 

 

 その後の乱菊や夜一(こっちはまだマシか)、ハリベルなど、どこがとは言わないが揺れる人物が映し出されたときは、オーフィスが本気でモニターにオーフィスびーむを撃ちそうになった。

 アーシアが止めたけど。

 

 

 

 

 ヒュッケバイン30のバランスの取れた性能を活かし、ガオファイガーとビッグボルフォッグの支援に回っていたアズだったが、ふと違和感を感じて各計器類を確認する。

 

 

「レジェンドさんやゼットさん、黒歌さんが戦ってる相手が健在なのはともかく、結構倒してるはずなのにあまり熱源反応が減少してないのはなんでだろう……」

 

 

 調べていくうちに、アズはある規則性に気付く。

 モネラクリーチャーは倒された傍から円盤群より補充される、それはまだいい。

 問題は別の所にあった。

 

 

「ッ!!ミツバ艦長!それにアマリさんにルリアさん、飛行可能な機体に乗ってる人達、聞こえますか!?」

 

『アズ?どうしたの?』

 

「ミツバ艦長、レジェンドさんの機体……グランティードの周辺に敵戦力が集中してませんか!?」

 

『え……!?』

 

『はわわ……!えっと、えっと……何処を見れば……』

 

 

 レジェンドの名が出た瞬間、アマリが驚き、ルリアがテンパってしまう。

 そこにサイバスターに乗っているロスヴァイセから切羽詰まった声で全機に通信が送られた。

 

 

『皆さん!グランティードに……レジェンド様とゼットさんに攻撃が集中してます!!』

 

「『!!』」

 

 

 

 

 

 モネラ星人の狙い――それはウルトラ騎空団の戦力的・精神的支柱であるレジェンドを真っ先に排除することにあった。

 本来であればクリオモス島でレジェンドをカプセルに入らせる予定であったが、それが読まれていたのか入ったのは一誠やタイガ、グランという比較的若いウルトラマン。

 ここで計画に狂いが生じたモネラ星人はデスフェイサーのみならずウルティノイドゼロ、そして切り札のダイナを一気に投入することでウルトラ騎空団に揺さぶりをかけた。

 

 結果、レジェンドは既に覚悟を決めていたからか当人にダメージは殆ど入らなかったが、銀河遊撃隊最強戦力の一人であるゼロ、そしてベリアルの息子であるジードを戦闘不能、及び次元に放流することが出来たのは嬉しい誤算。

 

 そしてこのロアーヌ島での戦い、幸いにもウルトラ騎空団が総集結することがなく、戦力不十分な状態で迎えたのもモネラ星人にとって吉と出た。

 予め用意していたアンチディファレーターと、モネラクリーチャーやレギオノイドなどを惜しみなく投入すれば戦力は必然的に分断される。

 最初から総戦力を投入するのではなく、あたかも互角、あるいは相手が押しているように見せかけて、そのスキにレジェンドの乗る機体を鹵獲ないし破壊してしまえば、ウルトラ騎空団の指揮系統が瓦解し軍配はモネラ星人側に上がる――はずだった。

 

 だが、モネラ星人は失念していた。

 

 レジェンドはパイロットとしてもずば抜けており、さらに元々スタンドアローンでの戦闘を得意とするタイプだということを。

 加えて、偶然アズがモネラ星人の策に気付いたことでウルトラ騎空団――というかレジェンドガチ恋勢――が彼とゼットの救援に乗り出したのも予想外。

 

 レジェンドと彼女らを合流させない為に、モネラ軍団によるグランティードへの攻撃は更に激しさを増す。

 

 

 

 

 

「超師匠!右に3機、左に2機!加えて後方にも2機のレギオノイドを確認!距離も間隔もバラバラでまとめて対処するのは厳し……更に増えたああ!!」

 

「最初から俺が狙いだったとはな。道理でデスフェイサーに容易に近付けんわけだ。あれの戦闘部類は中距離攻撃型、近距離戦に持ち込めば勝機はある……!」

 

「ダイナ先輩やギャラクトロンは黒歌ちゃんやC.C.ちゃんが食い止めてます!こうなったら虎穴に入らずんば何とやら、強行突破するが吉で御座候!!」

 

「お前も言うようになったな。その通りだ……!ダメージ覚悟で正面突破、デスフェイサーに至近距離でオルゴナイト・バスターをブチ込む!!」

 

 

 オルゴナイト・バスター――グランティードの武装・必殺技の一つであり、簡単に言えば『胸ドリル』。

 シモンやカミナが推しまくりそうなモノだが、至近距離でしか有効でないのが欠点。

 だが、破壊力は抜群……しかも至近距離での防御方法の無いデスフェイサーは、食らってしまえばひとたまりもない。

 

 

「超師匠、クラッシュ・ソーサー準備良し!」

 

「道を開けろ、木偶人形共……!」

 

 

 脚部から射出されたパーツを組み合わせ、ヒュッケバイン30のリープ・スラッシャーに似た手裏剣のようなものを投げ、デスフェイサーの周囲にいたレギオノイドを撃破し、グランティードはデスフェイサーへと急接近。

 

 

「踏み込みの速度なら負けん!」

 

 

 有言実行、デスフェイサーのガトリング砲を数発受けつつも速度を落とさず……むしろ加速し、遂にグランティードはデスフェイサーに組み付き、大地を抉り砕きながらそのパワーで持ち上げた。

 あまりに思い切った戦法と、逆境をものともしない戦いぶりに蜜璃など「お館様凄い凄い」と小芭内の手を握って喜んだほど。

 

 

「まだだ!」

 

「オルゴナイト形成完了!回転開始ぃぃぃ!!」

 

 

 グランティードの胸部の宝石部分にドリル状のオルゴナイトが形成され、高速回転を始める。

 デスフェイサーは脱出を試みるもグランティードの出力が予想以上に高く、もがく事しか出来ない。

 

 

「ネオマキシマ砲ごとその図体に風穴を開けてやる!オルゴナイト・バス……」

 

 

ドガァァァァァン!!

 

 

「ぐうっ!?」

 

「おぅわっ!?」

 

 

 いよいよ仕留められるかと思った瞬間、横から重い一撃が直撃し、グランティードはデスフェイサーを離してしまい、しかも形成されたオルゴナイトまで砕けた。

 轟音を響かせながら倒れ込むグランティード。

 

 

『レジェンド様!ゼットさん!』

 

「問題無い……!今の攻撃は何処から……」

 

 

 そしてレジェンドが見たものは倒れた状態で顔と手をこちらに向けていたダイナ。

 

 

『レジェンド!ゼット!ごめんにゃ!白虎咬でダイナを吹っ飛ばしたんだけど、まさかそんなことするなんて……』

 

 

 どうやらデスフェイサーの近くに吹き飛ばしたダイナが、デスフェイサーを援護したらしい。

 この件に関しては黒歌に責任は無いに等しい、殆ど偶然だった。

 

 

「仕切り直しか……だがここからどれだけ巻き返せるか分からんな」

 

「オルゴン・エクストラクターは問題無いですけど、エネルギーを結構使ってしまってるでございます。大技はやれてもあと一発分ぐらいしか……ん?」

 

「何だゼット、ここまでやられたら多少の機体不調程度では驚かんぞ」

 

「いや、何か急に電圧計が相当な数値を観測して――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 雲一つない快晴のロアーヌ島に、突如としてそれは落ちた。

 

 

 

 

 

「エレクトロンブレード!!」

 

 

ズバオォォォォン!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 とてつもなく巨大な雷が一直線に何発も落ち、多くのレギオノイドが爆散する。

 

 

「何、今のは!?」

 

「朱乃、何か召喚した!?」

 

「してないわ!でも、何て凄まじい雷光……!」

 

 

 雷の巫女という二つ名を持つ朱乃さえ驚愕し――

 

 

「今の一撃、俺に匹敵し得る実力者だな」

 

 

 真雷龍剣(ネオサンダーソード)を有するゼロガンダムをして実力者と言わせる腕前。

 

 

 レギオノイド達が爆発で発生した煙の向こう側――そこに正体があった。

 

 

 

 

 

 巨大な一つの影とその方に乗っていた一人の人物、そして巨大な影の足元からモネラクリーチャーを打ち倒しながら現れた複数の影。

 

 

「まさかこれ程とは……凄まじいな。赤龍帝からの贈り物(ブーステッド・ギア・ギフト)、だったか?」

 

「いや素の威力がおかしいアルベールさんも大概なんですけど」

 

「ビリビリ兄ちゃんスゲーな……怪獣サイズのロボットをまとめてブチ壊しやがった」

 

「いい感じに筋肉がついているからな!筋肉は全てを解決する!」

 

「お、そうなのか!じゃあ俺やランちゃんはどうだ!?」

 

「……筋肉がつくことで書類仕事が楽にならないかな」

 

「ランスロットさん、どうしたんですかぁ!?」

 

「なるほど、人間にとって書類仕事というのはかなり困難な相手のようだな、ダ・ガーン」

 

「いや違うぞ、バーン。書類仕事自体はそれほどでもない。その書類の内容が問題なのだ」

 

「何か分かる気がする。僕も書類仕事手伝ったけど、最初は頭パンクしそうになったし……ジータは早々にほっぽり出したけど」

 

 

 決戦の場に不釣り合いな、賑やかな声。

 誰よりも待ち望んでいたリアスは嬉し涙を流し、ジータはやっと来たかと苦笑しつつ肩をすくめた。

 そして、それはレジェンドも同じ。

 

 

「レジェンドちゃーん!!お姉さん達が助っ人に来たよー!!」

 

 

 ぶんぶんと手を振り笑顔を見せる女性――ナルメアの姿を確認し、残るメンバーもまた笑顔で剣やハルバードなどを掲げ、彼らへと合図を送った。

 

 エリアル・ベースを立った一誠やグラン達がレジェンド達の絶体絶命の危機を前に、遂にロアーヌ島へと到着したのである。

 

 

 

〈続く〉




最後のレギオノイドぶっ壊しは、赤龍帝からの贈り物で倍加されまくったアルベールのエレクトロンブレードです。
簡単に言うとFFのサンダガを強化して剣で放ったようなものと考えて頂ければ。
ちなみにダ・ガーンは合体済みです。


それではまた次回。

二択決定戦! シン一人乗りする最終ゲッターはどちらだ!?

  • 真ゲッタードラゴン(大決戦版)
  • 真・ゲッター1(スパロボα仕様)
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