ウルトラマンレジェンド Episode.CROSSOVER   作:ハジケハムスター・ポッポ

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お待たせしました。本章もいよいよ佳境。
一時はモチベーションが低下していましたが、皆様の温かいお言葉や応援のおかげでまた気力が戻ってきました。本当にありがとうございます!
何かと面倒な作者と本作ですが、どうか今後もよろしくお願いいたします。


それでは本編をどうぞ。


二つの赤い爆発力

 待ち望んでいた救援。

 

 信じていた想い人、兄妹、仲間達。

 

 その期待に潰されぬ強い心を取り戻し、彼らは再び戦いへと舞い戻った。

 

 

「遅れた分取り戻すぜ!っつーかこんだけデカいのいんのにウルトラマン一人もいない、いやアスカ兄さんいるけどともかくおかしくねーか!?」

 

「何か変身封じられてるとか……ほら、前に皆でやったゲームだとスキル封印みたいなのあったじゃないだろ?」

 

「だが甘いな。私達にはこの鍛え上げた筋肉がある!変身出来ずとも私達が戦えないということではない!」

 

「そういや忘れてたけど、旦那って俺やタイガと違って変身状態だったじゃねーか」

 

『あれだろ。ウルトラマンタイタスとウルトラマンタイタス・ウルトラマッスルは違う的なやつ』

 

「え!?タイタスさんも僕みたいにタイプチェンジ出来たんですか!?」

 

 

 ウルトラマンと直接関連している5人と1体はモネラクリーチャーをブッ飛ばしながらいつもの調子で会話している。

 そんな彼らを微笑ましく見ながらもモネラクリーチャーを倒す速度を落とさないランスロットとヴェイン。

 騎士団所属でもある、アルベールを含めた三人の任務はまずギャスパーとバーンをオカルト研究部の元へ送り届けることだ。

 ナルメアは一足先にレジェンドの元へと無数のモネラクリーチャーを斬り捨てながら爆進中、愛は強し。

 

 

「ダ・ガーン、俺達はギャスパーを送らなければならない。後は大丈夫か?」

 

「勿論だ。一誠やタイガ達と共にこちらは引き受ける。彼らを頼んだぞ」

 

 

 ダ・ガーンXが片膝をつきつつ、右手にアルベールを乗せて地上に下ろす。

 すぐさまモネラクリーチャーに襲われるがそこは雷迅卿と呼ばれた男、あっさり瞬殺してしまう。

 

 

「その程度では俺の早さに一生ついてこれないな」

 

「いやあの人マジでどうなってんの?悪魔じゃないのに木場並か、下手すりゃそれ以上に早くね?」

 

「落ち着けイッセー、ガンダゴウザを思い出すんだ」

 

「悪い、タイガ……そっちもおかしいわ。倍加した俺の一撃をそのまま拳で正面からカウンターして気絶させるとか、この世界魔境なんだけど」

 

「……それもそうか。あとは……東方不敗って人」

 

「ああ、うん……つーかレジェンド様直属の人って例外なく希望を絶望に変えてくるよな、敵対したらだけど」

 

 

 改めて自分達が井の中の蛙であることを実感する一誠とタイガ。

 ただ、レジェンドを中心に化け物が集まっていると思えなくもない二人は、若干今後どんな連中がやってくるのか楽しみにしていたりする。

 

 それはそれとして、四人と一体(バーン)と別れたが状況としてはあまり良くないようだ。

 

 

「ダイナ兄さんの相手をしてるのは……ソウルゲイン、黒歌か。てっきりレジェンドが相手するのかと思ったけど、元・戦艦の方とやり合ってるし」

 

「うちの隊長もどきがいねーな。そこも用心しないとだろ、代わりにギャラクトロンいるけどガリバーにボコられてるから別にいいか」

 

 

 フーマの言うように、ギャラクトロンはC.C.のコンパチガリバーに圧倒されており、撃破されるのも時間の問題だ。

 そもそも駒王町での戦いも性能的には十分対処可能だったので、不利だったのは邪魔が入っていたから。

 今回は空と陸で援護を受けており一対一の状況になっているため、特機であるガリバーの強みが活かせている。

 

 

「だが、ソウルゲインはともかくレジェンドが乗っている機体は少しばかり厳しそうだ。意外ではあるが」

 

『大方一番厄介だと思われて総リンチされてたんだろ。むしろまだやれそうなことに驚くぞ』

 

 

 ぶっちゃけ、ダイナの横槍が無ければデスフェイサーは今頃鉄屑となっていた可能性が高い程、レジェンド(とゼット)は奮戦していたのだ。

 

 

「しかし、どちらにせよ救援は必須だろう。何よりそれが私達が駆けつけた理由なのだから」

 

「うん。僕達が……本当の意味で前に進むために!」

 

 

 今も尚、デスフェイサーと多数のレギオノイドに囲まれながらもレギオノイドを片っ端から粉砕しているグランティードを見て、ダ・ガーンはそう言い、グランもGUTSスパークレンスを取り出しハイパーキーを起動する。

 

 

『Ultraman-Trigger Power-Type!』

 

 

 基本のマルチタイプではなく、バルツ公国における事件を解決した際に目覚めた『力』。

 それをグランは迷わずGUTSスパークレンスへとセットした。

 

 

『Boot-up!Deracium!』

 

 

 グランが戦うべき存在――グランティードを右手のデスシザースで突き飛ばし、それに備え付けのテスシザーレイでグランサイファーをも狙わんとするデスフェイサーへと視線を向け、彼は叫ぶ。

 

 

「勝利を掴む、剛力の光!!ウルトラマン……トリガーッ!!」

 

 

 

 

 

 一方、一誠やドライグはトライスクワッドからあることを聞き、ダイナを注視していた。

 

 

「そういや師匠や矢的先生も……!」

 

『レジェンドはどうなんだ?』

 

「「「あの人に必要だと思うか?」」」

 

「『うん、要らないな』」

 

 

 全員で何かに納得し、頷き合うと一誠はタイガスパークを出現させ、待機状態にする。

 

 

『カモン!』

 

「二人とも、いいのか?俺ばっかり……」

 

「しっかりケリつけたいんだろ?ま、礼なら今度の飯リクエスト権、俺のが優先でいいぜ」

 

「では私は筋トレに付き合ってもらおう。何はともあれ、私やフーマが解決してしまうとお前が立ち上がった意味が無いからな」

 

「……わかった、ありがとう!」

 

「やっぱりタイガでいいんだな!?」

 

「ああ!待たせたな、行こう!イッセー!」

 

「うっしゃあああ!」

 

 

 タイタスとフーマに背中を押され、決意を固めたタイガの力強い返事に、一誠もまた気合を入れる。

 

 

「光の勇者!タイガ!」

 

『はあああっ!ふんっ!!』

 

「バディィィ!ゴォォォォォッ!!」

 

『ウルトラマンタイガ!』

 

 

 

 

 

 一つの光は、デスシザーレイでグランサイファーを狙っていたデスフェイサーを下から持ち上げながら、その姿を現す。

 

 

「ジュゥアッ!!」

 

 

 ウルトラマントリガー・パワータイプ――赤き身体の超古代の巨人は、持ち上げたデスフェイサーを大きく投げ飛ばし――

 

 

『Circle-Arms!』

 

 

 サークルアームズを呼び出し、形態をパワータイプに最も適した『パワークロー』へと変形させ、構え直す。

 

 

 

 

 

 もう一つの光は、ソウルゲインを吹き飛ばし追撃を仕掛けようとするダイナに、上空から一撃を叩き込んだ。

 その、左手に顕現させた『赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)』で。

 

 

「デェアッ!!」

 

「グワッ!?」

 

 

 予想外の攻撃をもらったダイナはトリガーに投げ飛ばされたデスフェイサー同様、大きく吹っ飛んだ。

 しっかり着地したタイガは、自身の中にいる一誠やタイタス、フーマにドライグと共に、ダイナの腕を見た。

 

 そして――

 

 

 

 

 

「『お前は……ダイナ(アスカ)兄さんじゃない!!』」

 

 

 

 

 

 怒りに燃える声で、一誠とタイガは叫んだ。

 

 

 

 

 リアス達はタイガがしっかり戦おうとしていることに安心した次の瞬間に愕然とする。

 「ダイナじゃない」――彼らの口から出た言葉は衝撃的だったが、タイガの声色から彼――彼らの怒りが感じられた。

 それはそうだろう、もしそうだとすれば本物のダイナが空の世界で生き辛くなり、何より自分達が敬愛する人物を侮辱されたのと同義なのだから。

 

 

「タイガさん、今アスカさんじゃないって……」

 

「でもタイプチェンジとかいう能力も使っていましたわ。見せかけだけでなく、実際に能力も変化していたようですし……」

 

「だとすると一体何処でそう判断したんだろう?」

 

 

 小猫や朱乃、裕斗はタイガの叫びに対し、徐々に減っているモネラクリーチャーを倒しつつ疑問に思う。

 そこで、現場班でレジェンドと付き合いの長いスカーサハとC.C.があることを思い出す。

 

 

「……そういえば、レジェンドは別であったが……ウルトラ族というのは、少なくとも地球において巨人の身体では活動時間に限界があったのではないか?」

 

「ああ、確かに言っていたな。我夢と藤宮……ガイアとアグルのような例外はいるようだが。それを補う為にレジェンドが『プラズマスパーク・ブレス』とかいう――」

 

「ああっ!!」

 

 

 二人がそこまで言うと、カナエもまた何かに気付いたらしい。

 

 

「カナエ!?いきなりどうしたのよ?」

 

「皆!あのダイナの腕を見て!念の為に両方!!」

 

「両方の腕……?何も無いけど……」

 

「そう!何も無いのよ!!」

 

 

 リアス達はカナエが何を力説してるのか分からなかったが、ここでスカーサハとC.C.の会話の内容が合わさる事で彼女らは漸く答えに辿り着いた。

 

 

「まさか……!?」

 

「お主らも分かったようだな。元々ブレスレットなどを腕に着けている者達はそれと一体化させているようだが、そうでない者は腕に各々異なったデザインのプラズマスパーク・ブレスを着けているのが現在のウルトラ戦士達の常識らしい」

 

「でなければ長時間の戦闘や任務でエネルギー不足という、いつ見舞われるやもしれない不測の事態に対処出来んからな。現にあのダイナ、そこそこの時間戦闘している上、割とダメージを受けているだろうがカラータイマーは点滅も鳴りもしていない。殆ど見た目だけの飾りだろうよ」

 

 

 スカーサハとC.C.が告げたように、言われてみれば妙な話であった。

 もしプラズマスパーク・ブレスが無かったとしても、カラータイマーが点滅し鳴り響いていれば違ったのかもしれないが。

 ダイナが敵として現れ、かつタイプチェンジで能力も相応に変化するという衝撃が強過ぎてそこまで気が回らなかったが、落ち着いて見ると確かに相違がある。

 

 

「……強制的に外された、という線は無いの?」

 

「いや、それは無い」

 

「おおとり師範!矢的先生も……」

 

「あのプラズマスパーク・ブレスはそれも考慮されていて、当人の意思無く取り外しは不可能なんだ。だからモネラ星人がダイナからそれを奪うことは出来ない。解析に関してもチーフとヒカリが厳重なセキュリティを開発して搭載してるから、最低でも束博士並の頭脳と高速解析技術、そしてそれが可能なスペックの機器があって漸く可能なレベルになる」

 

「……難易度高過ぎますね、それ」

 

 

 合流したゲンと矢的から齎された情報で、プラズマスパーク・ブレスが奪われた可能性も消えた。

 

 もはやこれ以上考えるのは不要だろう。

 

 理由や方法はどうあれ、今眼前にいるダイナはダイナであれど『アスカ・シン』ではない。

 彼らにとって本物のダイナはイコールアスカなのだから。

 

 

「イッセー君も怒ってるね、アレは。僕も父さんやガイさん……オーブがそんなことされたら冷静でいられないし」

 

「レジェンド様の偽物をあんな風に出してきたとしたら、私を含めて大量に堪忍袋の緒が切れる方が出てきますわね」

 

 

 裕斗や朱乃も自身の推しを例に挙げ、今の一誠やタイガの怒りがどれ程のものか分かりやすく告げた。

 

 グランティードとソウルゲインはギャラクトロンを粉砕したコンパチガリバーやガオファイガーらに救援され、他の機体と共にトリガーとタイガの邪魔をさせぬよう敵の残存兵力を殲滅にかかる。

 

 トリガーとデスフェイサー、そしてタイガとダイナ。

 クリオモス島での戦い――そのリベンジマッチがいよいよ幕を開けた。

 あと一体……ウルティノイドゼロは未だ現れず。

 

 

 

 

 トリガーは起き上がったデスフェイサーに対し、小手先の戦術や捻った戦法など使わず真っ向勝負を仕掛ける。

 下手に頭を使っても読まれて対処される――それならばとグランが考えたのは、考えるのをやめてひたすらぶつかっていくことだった。

 

 

「ジュワッ!!」

 

 

 相手の得意な距離を一気に突破し、パワークローで相手の左腕を、左手で右腕を掴み、組み合いへと持ち込む。

 だが、相手もただではやられない。

 デスフェイサーはその状態から一歩、また一歩とトリガーを後ろへと後退させるほどの馬力を発揮する。

 

 しかし、そこにトリガーは活路を見出す。

 

 この状態であれば取れる戦法は限られるため、トリガーは自身とデスフェイサーの間を潜らせるように足を持ち上げ、踵落としの要領でデスフェイサーの左腕の関節部へと足を振り下ろし、二の腕より下の部分を『蹴り千切った』。

 

 

「デェェアァッ!!」

 

 

 勢いに乗ったトリガーは自由になった右手とパワークローで、デスフェイサー残る左腕の二の腕を掴んで固定すると、同じようにそこから下を力任せにもぎ取る。

 両腕を奪われてよろめくデスフェイサーに、もぎ取った右腕を後ろへと投げ捨てトリガーは正面から強烈なキックを叩き込んで吹っ飛ばす。

 

 その光景を現場で見ているジータを始めとしたグランサイファーの面々、さらに映像で見ていたシェルター施設内の人々も大いに沸き立つ。

 

 無論、活躍はトリガーだけではない。

 

 

 

 

 

 怒りに燃えるタイガの猛攻。

 それはかつて父・タロウがウルトラ兄弟を破ったタイラントへ挑んだ時を彷彿とさせる凄まじさであった。

 

 

「ウオオオオ!!」

 

「ジュワッ!?」

 

 

 連続パンチでダイナの体勢を崩し、前屈みになったところを脇に抱え――

 

 

「デヤアアアアア!!」

 

「グアッ!!」

 

 

 レジェンドが得意とするプロレス技のブレーンバスターを炸裂させた。

 さらに、ダウンしたダイナの両脚を掴んでジャイアントスイングで投げ飛ばし、起き上がろうとしたところに赤龍帝の籠手を顕現させた左腕で強烈な一撃を見舞う。

 

 それは正しくクリオモス島では混乱とショックで戦えなかったことを払拭せんばかりの攻めっぷり。

 

 

「お前がモネラ星人側についている理由は知らない……けど!どんな理由だろうと、ダイナ兄さんを陥れ、侮辱するような行動をとったことは許せない!!」

 

『望む望まない関係なく、その姿を貰ったならちゃんとそれ相応の振る舞いをしやがれ!!』

 

『案の定キレまくりだな二人とも……』

 

『当然だろうな。私もジョーニアスに偽物がいたという事を聞いた時は通常の三倍ぐらい筋肉が怒りで膨れた覚えがある』

 

『その三倍ってどんだけ巨大化したんだお前』

 

 

 フーマとタイタス、ドライグは普段通りだが一誠とタイガは烈火の如き怒りをそのままダイナに叩き込んでいた。

 日頃ゲンと死にものぐるいの模擬戦を重ね、キン肉マンやテリーマンともタッグトレーニングをしたおかげで、体力に関して半端ない上がり方をした二人はこれだけ苛烈な攻撃をして尚、有り余るスタミナを有している。

 

 

「ダイナ兄さんだけじゃない……!」

 

『不甲斐ない俺らを命がけで庇ってくれた先輩や、俺らが真面目にやってれば今もいてくれたはずのリクさんの分!!』

 

「『全部まとめてブチ込んでやる!!!』」

 

『Boost!Boost!Boost!Boost!』

 

「『ウォラァァァァァ!!!』」

 

 

ドゴォォォォォン!!

 

 

 倍加されたタイガの一撃をモロに受けたダイナは、ビルをいくつもなぎ倒しながら吹っ飛んでいく。

 まだ倒れていないようだが、ダメージは相当なものだろう。

 

 そしていよいよ、彼らの戦いは決着に向かう。

 

 

 

 

 既に武装を搭載した両手を失い、パッと見は丸腰となったデスフェイサー。

 しかし、最後にして最大の武器がまだ残されている。

 トリガー――グランにトラウマとなるイメージを刷り込んだネオマキシマ砲。

 それがまだ胸部に残されていたデスフェイサーは、市街地であろうと躊躇なく開放し、チャージを開始する。

 

 

「まずい!あんなものをこんな所で射たれたら……!」

 

「シェルターだって下手すりゃ意味を成さないぜ!」

 

 

 カタリナとラカムが焦り、他の者達も不安を隠せない状態だ。

 モネラ星人が連れてきた円盤群やモネラクリーチャー、レギオノイドなども残り僅かだが、デスフェイサーの邪魔はさせないとばかりに最後の足掻きを見せており、グランティードを始めとする機動部隊は足止めをくらっている。

 グランサイファーの砲撃ではどうにもならず、ヒリュウ改の場合は艦首超重力衝撃砲ならば対抗可能だが、やはり場所が場所だけに使用すればロアーヌ島に被害が出るだろう。

 

 やはり、トリガーに全てを託すしかない。

 

 

「け……けどよぅ、グランは大丈夫なのかぁ?」

 

「ビィ、そんなに心配?」

 

「だってよぅ……一度それにエラい目に合わされたんだぜ?そう簡単に……」

 

「いざとなったら私より突っ走るあのグランが、転ばされてタダで起きると思う?それこそ、転ばせたら足掴んでスタート地点まで戻すくらいしなきゃ」

 

「ジータ、表現が物騒すぎだろ!?でも……そうだよな!アイツが二度もそんな事になるワケねぇ!」

 

 

 トリガーを、グランを信じることに決めたビィに笑顔で頷きつつ、ジータはトリガーを見守る。

 

 ――そして、時は来た。

 

 チャージが完了する寸前にトリガーが動いたのだ。

 

 

(僕は――)

 

 

 パワークローを投げ捨て、力強く拳を握り。

 

 

(僕は――!)

 

 

 遂にチャージを完了させたネオマキシマ砲が今放たれ――

 

 

(僕は、もう逃げない!!)

 

 

「デヤアッ!!!」

 

 

 ――爆発した。

 

 

 

 

 

 トリガーや一誠、タイガの行動パターンを記録していた、カプセルが。

 トリガーの繰り出した右腕が、ネオマキシマ砲ごと――デスフェイサーの身体を貫いて。

 

 その光景に一瞬誰もが言葉を失い、いち早く我に返ったフェリが呟いた。

 

 

「逃げず……真っ正面から飛び込んだ……!」

 

 

 

 

 

 前回とまるで違い、未だ無傷のタイガと満身創痍のダイナ……二人の勝負の決着はやはり光線技でつけられる。

 

 両腕をそれぞれ右手を斜め上、左手を斜め下に伸ばしエネルギーを集中するダイナ。

 

 対するタイガはエリアル・ベースを出る時にゼアスから託されたものを使うことにする。

 それは当然――ウルトラタイガアクセサリー。

 

 

「イッセー!ゼアス先輩から受け取ったアレを使う時だ!」

 

『よっしゃあ!!』

 

 

 一誠が念じることによってそれは左手に装着され、それをかつてフーマがスラン星人を倒したときのようにタイガスパークにかざし、リードする。

 

 

『ゼアスレット!コネクトオン!』

 

 

 赤き不屈の闘士、ウルトラマンゼアスの幻影が一瞬現れタイガに重なる。

 このゼアスレットはある条件を満たした時使用可能になる特殊なものであり、その条件とは即ち『恐怖を乗り越えること』。

 自分達が頑張っても出来なければ仲間を頼ればいい、そして逆に仲間に出来ないことは自分達が手を差し伸べればいい――何も自分達だけで抱え込むことはないのだと、不安や恐怖は一人で超える必要はないと理解した彼らは、ゼアスレットを使う資格を得た。

 

 ちなみに、ゼアス=勝人という良き好敵手を見たゲンが強く頷いたのは言うまでもない。

 

 タイガはゼアスの得意技であるスペシュッシュラ光線の前動作のように、大切なものを抱えるような動きからストリウムブラスターの構えをとり――

 

 

「シュアッ!!」

 

「シュワッ!!」

 

 

 いつもと違い、技名を叫ばずにストリウムブラスターを発射した。

 同じくダイナもソルジェント光線を発射し、互いの光線は市街地で激突、激しく火花を散らす。

 しかしダイナの方が素の威力が高かったのか徐々にストリウムブラスターを押し始める……が、タイガは焦る様子は無い。

 

 そして、その瞬間誰もが驚く事が起こる。

 

 

「……ッ!シュアッ!!」

 

 

 なんと、タイガの口が開いたのだ。

 リアスとジータなど、同じようにガコーンと顎が外れるほど驚きようであったが、これはゼアスレットを使用したオマケ効果のようなもの。

 その真の効果は別にある。

 

 タイガはストリウムブラスターの構えから瞬時に腕を✕字型に組み直すと、ストリウムブラスターとは比べ物にならないエネルギーが放射される。

 それはさながら、タロウのネオストリウム光線。

 

 

「クロストリウム!!ブラスタァァァァァ!!」

 

 

 ゼアスのクロスペシュッシュラ光線と同じように、✕字に組んだ腕全体から放たれるその威力たるや、ストリウムブラスターの十倍という凄まじい威力。

 

 

(ゼアス先輩は……こんな大技を戦いの土壇場で編み出したのか!!)

 

 

 改めてタイガはゼアスを心から尊敬した。

 同時にこのアクセサリーを託してくれた彼に心から感謝し、気力を振り絞る。

 努力によって数々の苦手を克服した偉大なる先輩と、力強く自分達を引っ張ってくれた兄貴分……二人から受け継いだ力を胸に。

 

 クロストリウムブラスターとソルジェント光線のぶつかり合いは瞬く間にクロストリウムブラスターが押し切り、ソルジェント光線を打ち破るとそのままダイナに直撃、大きく吹き飛ばした。

 

 

「ウアッ……」

 

 

 倒れたダイナは宙に手を伸ばすが、やがて力無くその手を地に下ろすと、その目から光が失われる。

 そのカラータイマーはついぞ、点滅することはなく光ったまま……C.C.の言ったように飾りだったのかもしれない。

 

 

 

 

 

 トドメと言わんばかりに、トリガーは機能停止したデスフェイサーを両肩に乗せるように抱え上げ、その場で回転し勢いをつけて一気に空高く投げ飛ばす。

 ある程度の高さに到達すると、デスフェイサーは大爆発し木っ端微塵になった。

 ダイナもまた、徐々に光となって消えていく。

 ただし、アスカの姿になるわけではなく、純粋にただ消えていくだけ。

 

 ダイナが完全に消え去った後、シェルター施設内……そして円盤群やモネラクリーチャー、レギオノイドやギャラクトロンも殲滅し終わったロアーヌ島市街地でも大歓声が巻き起こる。

 

 ウルトラマン、そしてウルトラ騎空団は勝ったのだ。

 圧倒的不利な状況でも諦めずに戦い、またリベンジに挑んだ二人も見事それを果たした。

 

 

 

 

 

「一時はどうなるかと思ったね〜」

 

「お兄様が集中砲火を受けていると聞いた時は血の気が……!?お兄様は!?」

 

「落ち着くんだヴィーラ、彼が乗っているグランティードならソウルゲインに肩を貸されているものの健在だ」

 

「あっちもそうだが……やっぱりトリガーは無敵の巨人でグランサイファー組のリーダーだな!」

 

 

 ヴィーラがちょっと暴走気味だったが、ラカムの言葉に自然と笑みが零れるグランサイファー乗員一同。

 

 

 

 

 

「ねえ、ナイン。話に聞いてたウルティノイドゼロ……とかいうの、最後まで出て来なかったわね」

 

「はい。それにモネラ星人が乗ってる宇宙船も出て来ませんでした」

 

 

 千歳とナインがそんな話をしていると、凱から通信が入ってくる。

 

 

「俺達がここまでやるとは考えてなかったとかで、いざという時のために切り札として残しているのかもしれない。一度潜伏して機を窺うということも考えられる」

 

「何にせよ、相手の次の一手には十分注意しておきましょう」

 

 

 ミツバの言葉に誰もが頷き、一先ず当面の危機は去ったのだと漸く安堵する。

 

 そんな中、レジェンドだけはレーダーを注視しつつ周囲に警戒していた。

 

 

「超師匠、何か問題ありました?」

 

「今は無い……が、まだ終わってはいない」

 

「え?」

 

 

 

 

 

「……ダイナ兄さん」

 

『さっきのがアスカ兄さんじゃないとしたら、一体何処に行っちまったんだ……?』

 

『分からんな。ともかく、今日のところは休むとしよう』

 

『しっかしプラズマスパーク・ブレスかぁ……当たり前のように感じてたけど、そもそもこれの発明ってつい最近だったんだよな。盲点だったぜ』

 

『というかあのゼロもどきも何処にいるんだ?』

 

 

 そんなやりとりを一頻りやった後、トリガーとタイガは共に飛び立った。

 次の戦いに備えて体調を万全の調子に整える為に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 だが、それは叶わなかった。

 

 タイガとトリガーがある程度島から離れた時、太い蔓のようなものがそれぞれの身体に巻きつけられたのだ。

 

 

「ウッ!グゥゥッ!」

 

「クソッ!解けないっ!」

 

 

 人々の悲鳴がシェルター施設や市街地で聞こえる中、その蔓の正体であるモネラシードが姿を現す。

 

 それも、一隻ではなく……アスファルトを突き破りながら、何隻も。

 十隻は優に超えるだろうモネラシードが現れ、次々と二人のウルトラマンに蔓を巻きつけ拘束していく。

 

 

 

 

 

「……そうか。そういうことか……今になって全てに合点がいった……!」

 

 

 レジェンドが何かに気付いた……否、気付いていたが確信に変わったというべきか。

 皆が『何が』とか『どういうこと』と口々に聞いてくるのでレジェンドは分かりやすく述べる。

 

 

「よく考えてみろ。一個人ならともかく、何故この空の世界でロアーヌ島やクリオモス島が島レベルでここまで発展していると思う?ヒントはスカイ・ガーディアン・エージェンシーだ」

 

「スカイ……?う〜ん……」

 

「ロアーヌ島とクリオモス島、それからスカイ・ガーディアン・エージェンシー……島2つと防衛組織の共通点……」

 

「……モネラ星人?」

 

 

 ルリアとアマリが悩んでいると、アズが言った単語に全員がああ!と納得した表情になる。

 それに合わせてレジェンドが答え合わせとばかりに続けた。

 

 

「そう、モネラ星人だ。このロアーヌ島と、クリオモス島及びそこを拠点としていたスカイ・ガーディアン・エージェンシーが発展しているのはモネラ星人の技術によるものだ。奴らはコアトリクエという戦艦に予めデスフェイサーへと可変させるプログラムを仕込んでいたように、傀儡にしていたエルミデ博士を通じてクリオモス島に自動防衛システムを開発・配備しておきながら自分達が対処しやすいレベルに設定しておく。この時点で既にクリオモス島におけるモネラ星人の第二の侵略作戦は達成されたも同然だ」

 

 

 第一の侵略作戦は勿論、ゲランダによる力押し。

 この時、ゲランダをコアトリクエがネオマキシマ砲で消滅させたことが、あのクリオモス島に招待する理由――つまり第二の作戦によって、増長したスカイ・ガーディアン・エージェンシーを利用し、集まった騎空団、特にウルトラ騎空団を殲滅する手筈だったが、ここでもまだ満足のいく結果に終わらず。

 

 そして満を持して行うことにしたのが、第三にして最大の作戦……このロアーヌ島。

 

 

「奴らは第一、第二の作戦を始める以前から人知れず空の世界へと飛来・潜伏し侵略の準備を密かに進めていた。最初からウルトラマンが妨害してくることを前提として、アンチディファレーターを事前に仕掛けられたのも、それが発動まで俺ですら気付かなかったのも、このロアーヌ島そのものが奴らに都合が良いよう作り変えられた、言わばアウェーもしくは腹の中というべきものだったからだ」

 

 

 故に、あれだけのモネラシード、そして内部にいるであろう大量のモネラ星人が今この瞬間まで発見・探知されずに潜伏出来ていたのだろう。

 恐ろしいまでに用意周到な連中だ。

 

 先程からヴァングレイやベルゼルートがモネラシードを攻撃しているが、強固なバリアに阻まれダメージが通らない。

 

 そして――タイガとトリガーを捕獲したまま、モネラシード内部のモネラ星人達は、溶けるようにモネラシードと融合していく。

 さらにモネラシード同士も溶け合うよう融合し、その姿をモネラ星人でもモネラシードでもない、全く別の何かに変える。

 かつてレジェンド達が戦ったクイーンモネラではない――腹部の檻こそ共通しているがそのクイーンモネラより何倍も巨大で、上半身はモネラ星人やゲランダと同様の外骨格を纏った女性的なフォルムになり、長い両手と爪を持ち、その背後から見える分だけでも夥しい数の触手が蠢く異形の化け物。

 

 

「Ahhhhh――」

 

 超進化植物異形体・モネラマザー。

 

 その外見同様、まるで女性のような高い声を響かせ、悪意を束ねる『母』がロアーヌ島に根を張りながら降誕した。

 

 

 

〈続く〉




覚えてらっしゃる方はいるのだろうか……一誠とタイガがキン肉マンとテリーマンに修行つけてもらったこと。
ゴーデス決戦編で一文だけ書かれただけだし。

遂に現れたラスボス、本作だけあってクイーンモネラではありません。
いやだって変身封じたにしてもクイーンモネラが相手だと割と簡単に倒せてしまう面子がちらほら……。
第一部ラスボスのゴーデスが強過ぎた気もしますが。


それではまた次回。

二択決定戦! シン一人乗りする最終ゲッターはどちらだ!?

  • 真ゲッタードラゴン(大決戦版)
  • 真・ゲッター1(スパロボα仕様)
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