ウルトラマンレジェンド Episode.CROSSOVER 作:ハジケハムスター・ポッポ
異常な暑さがトリガーとなって更に職場がドタバタしており、今後も投稿に若干間が開く可能性があるので、最初にお伝えさせて頂きます。
今回、読者の皆様による投稿されたオリキャラが二名、正式に参戦いたします。しかもよりによってハイDキャラのあいつがとんでもないことをしでかしました。
アレンジを加えてありますが、初期投稿案はこちらの活動報告から。
それでは本編をどうぞ。
ヒリュウ改のブリーフィングルーム。
そこに艦長であるミツバと、ウルトラマンオリジンこと前上流、そして何というか……うまぴょいに似たような人物(?)がいた気がする見た目の女性と、仮面にボロボロな黒マントというぶっちゃけ悪の組織の幹部と言われるかもしれない男性が座っている。そんな彼らの視線はある二人に向けられていた。
片やアーシアに治療されているウルトラマンゼット。片やしのぶに肩の傷を消毒され、包帯を巻かれているレジェンド。
何故このような状況なのか、順を追って説明しよう。
☆
事の始まりはユウキやアカネ、紫天一家がウルトラ騎空団に合流した翌日――アーシアを除くオカ研や生徒会のメンバーと騎空団の者達が、近々アウギュステでバカンスをするための用意として街への買い出しなどに出ていた時。
サーガがユウキとアカネに無理矢理引っ張られて行ったことを皮切りに、自分達は珍しく遅起きだったからか殆どのウルトラ戦士もバカンス準備のために街に出てしまったことを知らなかったレジェンドとゼット。
そこへ突然現れた兄弟怪獣のガロンとリットルを迎え撃つべく、これまた明日のパンツを洗濯中という、お前やっぱり火野映司じゃないのか的なことをしていた前宮流と共に変身・巨大化して戦っていたのだが、そこへ円盤で飛来し漁夫の利を狙っていたシャドー星人がガブラを乱入させ、加えて空気を読まないバド星人まで襲来。
三つ巴どころじゃないと考えたあたりで、いきなり見たことのないウルトラウーマンが次元をぶち破って現れたと思ったら、今度は未確認の宇宙船が同じく次元に穴を開けて飛来。しかもそこからエースキラーが出撃し、戦場は大混乱かつ混沌としてきた。
ガロンとリットルはオリジンとゼットの連携で撃破、ガブラは謎のウルトラウーマンに倒され、バド星人に至ってはエースキラーに敵う筈もなくフルボッコ。そこまでは良かったのだが、いきなりの乱入に不穏な空気が漂い始めた時にそれは起こった。
かつてセブンがされたように、謎のウルトラウーマンにすっ飛ばされたガブラの首をシャドー星人が遠隔操作し、そのウルトラウーマンに噛みつかせようとしたところをゼットが庇った結果、肩に深々と噛みつかれてしまったのである。
その後、オリジンがシャドー星人を宇宙船ごと木っ端微塵にしたのだが、ガブラは元々強烈な毒を有する怪獣であり、当然の如くゼットはダウンし、一体化していたレジェンドも同じく倒れてしまったというわけだ。
ではゼットはともかく何故無敵そのものと表現してしまえるレジェンドまで倒れたかというと、それはゼットと一体化していたから。
レジェンド自身がチートラマンの中でも桁外れにブッ飛んだ能力の持ち主なので忘れがちだが、一体化している状態で変身した場合、ゼットの受けたダメージがレジェンドの能力如何に関わらずダイレクトに反映してしまうという欠点があった。なまじゼット自身の回復力や神経の図太さが相当なものであったことと、上記のレジェンドのスペック故に通常はそれ程ダメージがあとを引かず、当のレジェンドも平然としていた為に誰もが……それこそ本人達も忘れてしまっていたのである。
しかも依頼や仕事を山程片付けたばかりに加え、バカンス準備の真っ最中だったというダブルパンチもあってこうしてダウンしてしまった、というのが事の顛末だ。
そういうわけで、ここまで関わってしまったからと事情説明しようと謎のウルトラウーマンが人間の姿に戻り、エースキラーの主が宇宙船から姿を見せるとまたも二人揃って固まる始末。ついでにウルトラウーマンだった女性はレジェンドの姿を見るや懲りずに再三フリーズするという状況になったので、とりあえずヒリュウ改にまとめてブチ込んで宇宙船をワイヤー牽引しつつ、こうして話し合いの場を持ったのであった。
☆
「「…………」」
「超師匠、俺すっごい気不味いんですけど。部屋帰っていいですかね?」
「何言ってんだ。原因の一端、いや発端か?まあどっちでもいい、そのお前が逃げ出してどうする」
「レジェンドさん、それ言ったら俺はただ戦っただけなんですけど。一番場違い感半端ないし。確かに戦闘したけど、俺はその直前パンツ洗ってただけですよ!?」
「何とかなるって。婚約者の写真と明日のパンツさえあれば」
「何とかなるってそっちの意味!?」
(え?そっちってどっちでございますかね。口にしちゃいけない気がするけど)
そうだゼット、君にはまだ早い。
それはさておき、片方――女性の方が漸く口を開いた。ただし、今度は今度でゼットではなくレジェンドに向けて。
「……久しぶり、先生」
「あ?」
「「へ?」」
「「「はい?」」」
「……?」
レジェンドだけじゃなく他の面々、仮面の不審者(仮)さえも訳がわからない。
「先生?俺はウルトラウーマンの弟子を取った覚えはないぞ」
「あれじゃないですか?養成学校でたまにやってた特別講義。俺よく寝てましたけど」
「おうゼット、俺の講義で当たり前のように寝てた自白するとは、勇気ある大暴露だなコルァ」
「ハッ!?すっ……すすすスミマセン超師匠!!いやあの決して悪気があった訳ではなくてですね、むしろ楽しみにしてて寝てなかったから当日眠くなって睡魔にウルトラ敗北したという――」
「テキサスクローバーホールドォォォ!!」
「あ゛ァァァァァッ!!!」
治療したばかりなのに大技を極めるレジェンドと極められるゼット。特にレジェンドなんかは傷口が開く可能性もあるのだが……。
「まあこのまま話させてもらうが、今も言ったように俺にウルトラウーマンの弟子はいない。ついでにゼットの言った講義で知ったならそもそも光の国か、それに連なる惑星の出身の筈だ」
「覚えていないのも無理はないわ。先生は忙しいし、彼処にいたのもほんの数週間。何より私は今よりずっと小さかったもの」
「彼処?数週間で今より小さい……」
んー……とレジェンドはゼットに技を極めたまま悩む。ゼットが苦しみながら「ネバーギブアッ……あ、ダメだムリムリギブギブ!!」などとやっているが、今のレジェンドには聞こえていない。こういう時は――
「あ、あのっ!レジェンド様、そろそろゼットさんが……」
「仕方ないな。アーシアに感謝しつつ今後は気をつけろよ」
レジェンド絡みで困ったらアーシア頼み。解放されたゼットはそのままその場てパタリと力尽きた。
一応しのぶが苦笑しながらも湿布を患部に貼ってやる。
一向に分からないレジェンドだが、その女性が何やら頭に手を当てて――
「……ぴょん」
「「「「「……?」」」」」
見た目的にうまぴょいじゃないのかと思ったが、彼女は普通の耳だし尻尾もない。というかそもそも表現が馬じゃない気がする。
「レジェンド様、何か思い出しました?」
「分からん。ただ可愛いということぐらいしか」
この場にオーフィスがいたなら、今のレジェンドの言葉で自分もやり始めただろうが、生憎と紫天一家やルリアら『ぺたん娘同盟』でバカンス準備にお出かけ中。
しかし毎度のことながら、変なところで気が付くのがこのウルトラマン。
「そういやムーンプリズムデスティニーな魔女っ子が対話するアニメの主人公が兎とか何とか」
「何だその色々混じったようなアニメは……兎?兎……小さい、数週間……あ」
レジェンドがここで漸く思い出したようだ。
「まさかと思うが、お前……沙耶か?」
「正解。短い間だけど、私の今まで生きた時間の中でも凄く濃い日々だったわよ?レジェンド先生」
先程の動作はウサ耳を模したものだったらしい。本人は少しばかり恥ずかしそうにしていたが、可愛かったので良しとする。
「それじゃあ、改めて……私は月神沙耶。月星人で、一応立場上は女王よ」
「「「「「……はい?」」」」」
「まあ、普通はこういう反応だよな。一世界とはいえ月のトップがアグレッシブに彼方此方飛び回ってぴょんだもん」
「それは先生も……ってぴょんは仕方なく……」
お忍びにしても何にしても、やんごとなき身分の方がいきなりドーンと現れたらそりゃ啞然とする――
「でも今さらでしたね、全【エリア】トップがこうですし」
「おいミツバ、どういう意味だソレ」
「おおとり師範も確か王族でしたよね?」
「魔王の妹もいらっしゃいますし、魔王の一人もいますよー」
「ていうかここじゃ身分とかよりも、ここに順応出来るかどうかにかかってるでございます」
「神クラスと関わったり、星晶獣と戦ったりして身分なんて飾りみたいなものだし。団長のレジェンドさんが色んな意味でトップに君臨してるから、落ち着いて考えたら別に気にするほどのことでもないかな」
――わけでもなかった。
ミツバ、アーシア、しのぶ、ゼット、そして流が口々に発した言葉に沙耶はポカンとした後、レジェンドを見たら平然とポッキーを囓っている。流石はブッ飛んだ立場の人物には慣れたものなウルトラ騎空団、驚いたのは一瞬だ。
「……メンタルの強度が異常じゃないかしら」
「ウチは経歴に訳ありな面々が多くてな。そもそも王女が恋人にいる奴とか所属してるし」
言わずもがな、矢的猛ことウルトラマン80である。ちなみにこれを聞かされたアザゼルは「同じ顧問なのに何でこう違うんだ」と嘆いたが、ゼロガンダムから「彼は品行方正、あとは分かるな?」と言われ撃沈した。容赦ない。
「それから……久しぶり、という意味なら貴方もね」
「……そうだな」
「え、何?お前ら知り合いか?俺は知らんぞ、そっちのは」
「先生が知らなくて当然よ。彼は私が女王に即位してから採用された科学者だもの」
レジェンドは「あー」と納得していたが、他の五人は何故それで久しぶりと言われるのか疑問に思う。だがそれは当人達によってすぐ明らかにされた。
「貴方が出奔してだいぶ時が経ったけど、凄い偶然ってあるものね。まさか修行に出た先で先生と貴方の二人にまとめて再会するなんて思わなかったわ」
「そのままそっくり返そう。そちらの御仁とは初対面だが、存在は知っていた」
「あ、そうなの。それでおたくは誰よ」
(((((か……軽いッ……!)))))
あまりに緊張感の無いレジェンドにミツバ達は若干焦っている。というのも沙耶の立場を顧みて、そんな彼女とタメ口で喋っている者も結構な地位にいる……否、いた存在だと思ったからなのだが。
……ここで、レジェンドがあることに気付く。レジェンドを除くと、言われなければ同種の存在でしか分からないだろうことに。
「……おい」
「何だ?」
「お前、レイブラッド星人だろ」
「「「「「ッ!?」」」」」
「正確にはレイブラッド星人へと変貌したレイオニクス、ってところか。相当奴の因子が高かったようだな。加えて戦闘経験も豊富だろう。その二つが揃わなければ肉体の変異は有り得ない。俺は同じような変化をした奴を知っている」
「……流石は宇宙伝説において『燦然と輝く宇宙の神』と称されたウルトラマンレジェンドだな。いとも簡単に見抜くとは」
男性は隠しも言い訳もせず、レジェンドの言うことを肯定するように言った。全員が衝撃を受けるが、とりわけレイオニクスについてこの中でレジェンド以外で知るゼットと、何らか関係があった沙耶はかなり動揺しているようだ。
「超師匠……!レイブラッド星人とレイオニクスってベリアル総司令も因縁のある……」
「ああ、ベリアルは光の国のレイオニクスだ。実際には闇のベリアルの方がな。尤もあいつは怪獣より自分が戦った方が強いし手っ取り早いが」
「そんな……どうして貴方が……もしかして出奔した理由もそこにあるの?」
「無くは無い、というところだ。一番の理由は私の作った物が奪った命に対する贖罪だな。そして、今はあるモノを追っている。アレは放って置くにはタチが悪過ぎる存在だ……特に科学者にとっては」
かなりシリアスな雰囲気になってきたが、ここでとんでもない人物が乱入してくる。一応、その付き人は非常にまともではあるのだが、付き人がまとも=ブレーキをかけられる、というわけではないことを付け加えておく。
「束さんとクーちゃん、久方ぶりに只今ご帰宅ぅ!!」
バァァァァァン!!
「えっと……レジェンド様、束様とクロエ・クロニクル只今戻りました」
(((((何を仰ってるの兎さん!?)))))
「お帰り、束にクロエ」
そう、ゼットの専用機絡みで惑星レジェンドに行っていた束とクロエが、シリアスをブチ壊すが如く堂々としたやってきたのである。主に束が。
「うん!やっぱりここにいたねレジェくん!この束さんのレジェくんセンサーは今日も調子良好!というわけでレジェくん成分補給開始ー!!」
相変わらずのテンションの束に苦笑しつつ、レジェンドは抱きついてきた束に頬ずりされている。アーシアやミツバ、しのぶは面白くなさそうだが、クロエもちゃっかりレジェンドの服の裾を掴んでいた。こっちはまあ、微笑ましい。
「えーっと……」
「……続けていいか?」
「「「「「あ、どうぞどうぞ」」」」」
「ゴホン!」
男性は咳払いすると、漸く自己紹介に移る。
「色々話す前に私も名乗らねば礼を欠くか。月影勇治だ。私の事は別に覚えなくていい。しがない月の科学者の一人に過ぎない上、今は頭に『元』がつくからな」
「月の科学者……だからお二人は面識があったんですね」
「元がつく、ということは今は科学者もしくは月の住民ではないと……あ、出奔したって仰られてましたか」
月に人が住んでいることには誰もツッコまない……というか、かくいう空の世界も島が空に浮いているのが当たり前だし、さして気にするほどでもないらしい。
銀河遊撃隊の移動拠点であるガーディアンベースの方がよっぽどだと思う。
「しがないという部分には語弊があるわ。彼は自分から成果を誇示しなかっただけで、科学者としては歴代の月出身の者の中でも有数の天才よ。先生が別の世界へ行く前に託してくれたあの設計図、暗号を解析して開発出来たのは彼のおかげだもの」
「あれを?やるもんだな。表向きはエネルギー循環装置でしかなかったんだが」
「あんなものを表向きと言い切れるその神経が私には理解出来ない。あれは簡単に思いついて図面に出来るものでもないぞ。それに……あの設計図に隠されていたもの――『機甲神』の開発方法なんて規格外にもほどがある」
機甲神――それはゼロガンダムの同僚であるネオガンダムの故郷、即ち沙耶や勇治とは違う月の王国・セレネスで建造された、スダ・ドアカにおいて現代の機兵を上回る7体の機兵のこと。レジェンドはスペリオルドラゴンやネオガンダムの許可を得て、同じ月である彼女らの故郷にそれを託したのである。ただし六機分だけ。
「一つ気になったが、機甲神のことが先程の贖罪とやらに関係しているのか?」
「いや……そもそも強奪されたのは一機だけだからな。それに奴に操縦資格があるとは思えない。奴は月出身ではなく、ほんの少し滞在していたというだけ。とはいえ、あれを悪用されれば貴方や機甲神を託してくれた者達に申し訳が立たない。それに、私の追っている奴があれを利用しないとも限らん」
「……待て、強奪された?」
「いきなり穏やかじゃなくなりましたね」
レジェンドが疑問に思ったことを聞くと、勇治から出た言葉はとんでもないものだった。『機甲神の一機が強奪された』それだけでも十分過ぎる出来事だが、強奪した者とは別に勇治が追っている者も利用しかねないという。
「詳しい話は省くが、私はその二つを追って偶発的にここに来たというわけだ」
「ふむ、まあ詳細は後々聞くとしてだ。沙耶が修行……ってお前職務どうしてんだ」
「ちゃんと送ってもらってるわ」
「それならいいが……で、勇治だっけか。お前さんは機甲神の奪還と何かの追跡……と」
「そうだ。一応名前を教えておく。機甲神強奪犯の名はリゼヴィム・リヴァン・ルシファー」
「何だと!?」
「「「「「!!」」」」」
いつの間に近くへ来ていたのかアザゼルが驚愕の表情でブリーフィングルームに入り、勇治の肩を掴んで大きく揺さぶる。
「おい!今リゼヴィムって言ったよな!?何でリリンがお前らのところにいやがった!?」
「……いきなり何だ……!?」
「やめろアザゼル。何の用があってここに来たのか知らんが勇治はむしろ被害者だ。手を離せ」
「ッ……悪い。リリンの名を聞いて頭に血が上っちまった」
「……その様子からして、あの男はやはりロクでもない奴だったみたいね。胡散臭いから私は元から信用していなかったけど」
レジェンドの制止によって冷静さを取り戻したアザゼルを見て、沙耶は女王として直感的にリゼヴィムは信用ならないと感じていたようだ。そして、それは事実となった。
「いきなり乱入して済まなかったな。俺は堕天使総督のアザゼル、あんたらの言ったリゼヴィムとは一応知り合いだ。嬉しくないことだけどよ」
「お前がそこまで反応するというと、やはり白龍皇に関係ある奴か。確かヴァーリ・ルシファーとか言ったな、あのパーシヴァルに似た声の奴」
「ああ。リゼヴィム……リリンはヴァーリの実の祖父だ。タチが悪い祖父だぜ、あいつは。とりあえずこの場ではそれで勘弁してくれ」
「構わんさ。普段とは違う反応をするお前を見れば、そいつのやらかしは大体想像がつく。ついでに勇治に聞いておきたい。奪われた機甲神はどれだ?」
「……『月』の機甲神、アルテイヤーだ」
「よりにもよってエルガイヤーと並ぶ機体か……」
沙耶曰くリゼヴィムが『ロクでもない奴』だというのをアザゼルに肯定され、また強奪されたのはネオガンダム達の世界で失われた7体目の機甲神……かつてネオガンダムが搭乗したアルテイヤーということも知らされる。実は、このアルテイヤーがある機甲神を造られる切っ掛けになってしまうため、レジェンドはそれを危惧していた。
「一先ずリゼヴィムとアルテイヤーのことは置いておこう。で、追っている者の方は?」
「セレブロ。他者に寄生し、『文明自滅ゲーム』という最悪の行為を楽しむ外道。発展した自星の科学でその星の文明が自滅するように仕向け、それを笑いながら見ては更に引っ掻き回すような奴だ」
「……へえ?ソイツ腹立つね。捕まえて解剖してやろうかな」
勇治の言葉に、自分の発明を利用された束も反応する。束ならマジでやるから大変だ。視覚的な意味で。
「そういえば他の光神からの報告にそんな名前があったな。そいつ自身の戦闘力はあまり無いみたいなことが書かれていたが……なるほど、寄生生物ならそいつの戦闘力が無かろうが関係ないか」
「何にせよ悪趣味にも程がありますね。それだけのことをして笑って見てる……童磨を思い出します」
かなり真面目な話なのだが、しのぶが額に青筋浮かべつつ笑顔で拳を素振りしているの光景は相変わらずシュールであった。
それぞれの情報の開示も終わり、今後の予定を決めることになったわけだが――
「先生。確認しておくけど、先生達は修行のために彼方此方の異世界を回るのよね?」
「ああ。一応、拠点はこの空の世界にするのと、時折ダイブハンガーや……そうだな、惑星レジェンドにも顔を出すか。そういうことをしたりするが」
「なら都合がいいわ。私も御一緒させてもらおうかしら」
「あ、来るの?俺は別に構わんが」
「「「「「軽くて早っ!?」」」」」
「理由はさておき戦力としては十分だろ。何か俺の知らん間に変身出来るようになってるし」
あっけらかんと言い放つレジェンドに、ミツバは「こういう人でした」と額を押さえるハメになった。確かに彼女の戦闘力は十分魅力的だが、もっとこう……考えるとかしないのかと。
「……まあ、レジェンド様がこう仰られてる以上、私達は拒む気はありません。ただし、ここで生活する上でのルールはちゃんと守って頂きます」
「郷に入っては郷に従え、その点は理解しているわ」
「でしたら問題ありませんね。詳しくは追々説明するとして、そちらの方はどうされます?」
「……私はもう二度と大きな組織には属さないと決めた。だから――」
「超師匠、ウルトラ騎空団って大きな組織というか、大きな組織に属してる連中の寄せ集めプラス気付いたら何か色々集まって適当に出来た集団じゃないですかね」
「ゼット……お前、時々身も蓋もないこと言うよな」
勇治が何やら重い話をしようとしたところ、ゼットが遮るように意見を述べた。言っていることは事実なのだが、もう少しオブラートに包めと……いや、ゼットには無理かもしれない。
忘れがちだが、ウルトラ騎空団が出来た原因の大半はレジェンドを筆頭にゼット、我夢、藤宮、そしてリクである。
「まーそんなわけで、ウルトラ騎空団は組織というかご近所さんというか移動住宅街というか、そんな感じなのでございますよ」
「表現が独特過ぎるだろ。いや強ち間違いでもない、か……?」
「それに機甲神ってのをパクって逃げる奴とか次元を超える寄生生物とか、どうやっても一人じゃ限界があって無理っぽいし、仮に見つけてもまともにやり合えるか疑問が残るし。だったらここは人海戦術でいくのがベストでござるでしょう!」
「おー、何かゼッくん今日はまともな意見出してるねぇ」
「そうでなくてもうちは戦力的にも充実してるし、技術的にもブッ飛んでるから、ソイツらの興味をひく可能性だってあるんじゃないかと」
「ゼットさん、凄いです!」
「普段の武闘派から一転して理知的に……ゼットさん、何か悪い物食べました?」
「しのぶちゃん酷くね!?」
束やアーシアには褒められるが、しのぶからは頭の冴えっぷりから逆に心配されてしまうゼット。レイトがここにいたら恐らくはしのぶと同意見になるだろう。
「何故そこまで私を……私達を気に掛ける?お前とレジェンドの肩の傷は女王を守って出来たもの、そして機甲神強奪は私達の危機管理能力の甘さが引き起こした結果だ。恨まれはすれど、安々と受け入れられるようなものではないと思うが……」
「恨むだけで万事解決するなら世の中イージー天国でございますよ」
「!」
「ゼットさんの言う通りだよ。俺もハッキリ言ってここにいるのは俺自身のためだし、ここにいる人達はそれくらいじゃ恨みつらみを言ったりしないって。例外はいるかもしれないけどさ」
ゼット、そして今まで静観していたほぼ巻き込まれただけの流が告げる。
「大体巻き込まれるなどと言ったら、俺は実際
「ウルトラすいません。けど最近だと俺も超師匠の不憫に巻き込まれがちなんですが」
「そっちはすまん。というか不憫は俺だってなりたくてなってる訳じゃない」
思い返してみれば、プラズマスパーク・ブレスを忘れたおかげでレジェンドはゼットと一体化したことで、一緒に空の底へ落ちかけるわ、一定の距離以上離れられないわと何かに付けて問題はあったが、最近ではそれとは関係なくセット扱いされている程になっている。この二人のやり取りは半ばレジェンド一家、引いてはウルトラ騎空団の名物だ。
「それにうちは面倒事の一つや二つ抱えてるのなんざ当たり前でな。今後も増えそうな気がするし、申し訳ないと思うなら参加して手を貸せ。別に宇宙警備隊や銀河遊撃隊に入隊しろとか言ってるわけじゃないんだ。あまり重く考えるな」
「私も自分の心に正直になりました。だから勇治さんもそうしていいと思います」
レジェンドやアーシアも、ゼットや流に続いて勇治に諭す。彼のバックグラウンドがどれ程のものかはまだ聞いていないが、規模が規模だけに一人で抱え込む範疇を超えているのは確かである。
「……」
『マスター、彼らの申し出をありがたく受けるべきと判断します』
「「「「「どちら様!?」」」」」
『マスターの持つブレスレットから通信で失礼します。私はマスターの宇宙船に搭載されたAIのシエルです。以後よろしくお願いいたします』
「は……はぁ……」
ミツバは本気で溜め息をついた。これ、また拗れたりするんじゃないかと思い、早く休みたい反面適当なことを言えばエライことになる可能性も考え、気が重くなっていたのだが――
『マスターはいい加減クーデレを治すべきだと、常々進言していますが一向に改善されません』
「おい!!何を言っている、シエル!!」
『本当は嬉しいのに、その性格のせいで素直に礼を言えず、礼を言えぬなら離れるしかないと堂々巡りになっていることを私は理解していますので』
「あー、そういう奴なのか。仮面も嬉しさを隠すためかコレ……シスみたく仮面取ったら恥ずかしがったりテンパったりするのかな」
「ちなみに勇治には隠れファンが多かったわ」
「レジェンドも女王も変なことを言うな!」
「変なこととは心外ね。少なくとも私の侍女の一人が貴方のファンクラブ会員ナンバー315なのは事実よ」
「自分じゃなくて他人の情報暴露すんなよ、月の女王さん……」
ギャーギャーと騒いで賑やかになっていくブリーフィングルーム。結局勇治及びシエルもウルトラ騎空団の所属となることに、なし崩し的に決定した。
そんな二人に、ある意味最初の試練が待ち受けていた……正確には勇治の方に。それはレイオニクス――怪獣使いの宿命というべきか、エレキングを所有していたからと言うべきか……。
「とりあえず、俺のカプセル怪獣の技術を普段のネオバトルナイザーに応用出来ないのか試したところ……こうなりました」
「何やってんだアンタは!?」
勇治のエレキングがリムエレキングとなってしまい、カナエに掻っ攫われて行ったのだ。
「可愛いー!!ハクちゃんやフウちゃん、モスちゃんと合わせてお部屋で愛でよーっと!!」
「おい待て私のエレキングを返せっ!!」
「伊黒君にそっくりな声の人、この子しばらくお借りします!!」
「貸すわけないだろう!!だから止まれ!!そして返せ!!」
ドタドタと走り去っていく二人を見た面々はこう思った……『多分彼が機甲神強奪に責任を感じている暇は無いんじゃないか』と。ウルトラ騎空団にいる限り、その通りになりそうである。
そして――
「あ、うさぴょい。ゆーくんどうなった?」
「うさぴょい……?よく分からないけど『店長』って呼ばれてる人がもの凄い笑顔で引きずっていったわ。何でも支店長候補とか」
あろうことか、軽く作って出した料理がジャグラーに目をつけられる理由となり、『蛇倉苑』支店長候補として別の技術まで叩き込まれるハメにもなっていた。
更に余談だが、うさぴょいこと沙耶の方は束、セラフォルー、ガブリエルに捕獲されコスプレをさせられることになる。セラフォルーとガブリエルだけならどうにかなっただろうが、伝説九極天の一人である束には抵抗出来なかったらしい。
「さあうさぴょい!今日から束さんをトレーナーと呼ぶがよいっ!」
「……何なの、ここ……」
彼女がそう思うのも当然である。
月神沙耶と月影勇治、そして勇治の使役する怪獣やシエル――彼らがウルトラ騎空団、もといレジェンド一家の雰囲気に染まるまで、そう時間はかからないだろう。
〈続く〉
――おまけ――
レジェンド達が話し合いをしていた頃、ある三人組の手によってエルステ帝国の機動部隊がまたも壊滅に追いやられていた。その三人とは……。
「ようド素人丸出しのお坊ちゃん。大して強くなってもいないのに、懲りずにやってくるとは諦めが悪いのか単なる馬鹿なのかどっちだろうなぁ?」
ジャグラー&マスターフェニックス。
「その機動兵器のパイロット!命乞いをしてそのマシンから降りろ!」
巌勝(御大将モード)&ターンX。
「あのさあ……俺、今凄く機嫌が悪いんだ。完全にあんたのせいなんだけど。ていうか何であんた生きてんの?」
三日月&ネオ・バルバトスルプスレクス。
「くそぉぉぉ!覚えていろ、ウルトラ騎空団!」
『月』に因んだ三人とその愛機によって、イオク・クジャン率いる部隊は性懲りも無く敗走していった。
何故この三人が一緒なのか?それは料理長、料理人、荷物運び役で買い出しに出たうちの一組だからである。三人とも機動兵器を扱える上に生身でも強いため、クジャン隊は運が悪かったとしか言えない。誰に当たっても同じかもしれないが。
ウルトラマン、ウルトラウーマン、レイオニクスと現在御投稿頂いたオリキャラは綺麗にバラけており、次回ちょっと顔見せ登場する御投稿キャラもそれらとは別で、役割が分けられていい感じになりました。
そして素性からまさかのSDガンダム外伝から、機甲神伝説とクロスし、よりによって堕天司側にいるヴァーリと関わりのあるアイツがやらかしました。影機甲神&闇機甲神登場フラグ立っちゃったよ……。
次回はほのぼのとギャグでいけるか?次回、もしくはその次で幕間終わり、いよいよコズミック・イラへと旅立ちます。グラサイがナースデッセイになる日も近い。
それではまた次回。
二択決定戦! シン一人乗りする最終ゲッターはどちらだ!?
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真ゲッタードラゴン(大決戦版)
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真・ゲッター1(スパロボα仕様)