ウルトラマンレジェンド Episode.CROSSOVER 作:ハジケハムスター・ポッポ
導入部の次はちゃんと下地を作っとこう、ということでSEED編原作開始は次回からです。
これに関係して、活動報告にヘリオポリス同行メンバーアンケートの結果を書いておきましたので、よろしければ御覧下さい。
それでは本編をどうぞ。
次元の扉をくぐり抜け、ヒリュウ改とクロガネはその世界の宇宙に姿を現した。エリアル・ベースは空の世界に残り、グランサイファーは惑星レジェンドに送られているためこの二隻だけなのだ。
「ここが、コズミック・イラ……?」
「ダイゴ、どうだ?」
「間違いありません。な、RENA」
『ええ。ダイゴの言う通りです、チーフ』
簡単に言ったが、Ex-Sガンダムのマン・マシーン・インターフェースを務める彼女は到着後すぐさま世界座標の特定を行ったのだろう。ベースとなった彼女同様、とても優秀だ。
「うおおおお!?スゲー!地球が!地球が見えるぜ!地球は青かった!ブルーウォータァァァ!!」
「イッセー!?」
「ブルーウォーターってそれじゃ『ふしぎの海のリアス』になっちまうぞ」
「何故その作品を知っているんだフーマ」
『そういうマッスル隊長も知っているようだな』
何かテンションがおかしくなった一誠にタイガ達がツッコミを入れるが、フーマはタイタスに、そしてタイタスはダ・ガーンにツッコミを入れられた。もはやタイタス=マッスル隊長はダ・ガーンの中で決定事項らしい。
ついでに本来その作品は『リアス』の部分に別の名前が入る。
「束さんはねー、スペースコロニーのこうして宇宙が見える場所で結婚式したいな〜。レジェくん考えといてね?」
小首を傾げる束は可愛いが、それに便乗してセラフォルーやガブリエル、何故かロスヴァイセまでやり始めたので途中で収集がつかなくなる前に話題を切り上げた。
「では一先ず進路はオーブ連合首長国を目指せばいいのか?」
「はい。既にRENAがこの世界の大まかな地理を各艦各機にインプットしてくれたそうなので、検索も可能になってるはずです」
「ホントに優秀だなオイ」
自分のパートナーを褒められて嬉しそうなダイゴを見つつ、レジェンド一行は進路をオーブへと向け、この世界の地球に降下するのだった。
☆
オーブ連合首長国――南太平洋ソロモン諸島に存在する島嶼国であり、地球上においてナチュラルとコーディネイターが共存する数少ない国家である。ウズミ・ナラ・アスハによって中立宣言が出されて以降は急速に中立国として連合とZAFT(以後はザフトと記載)の争いには介入しないよう努めてきた。
その理由の一つに彼がダイゴと出会い、【エリア】の存在と【エリア】全域レベルで起きている異変にこのC.E.の全てが一致団結して当たるべきだと考えたからだ。とはいえ、中立国という立場上双方に使者を送れどまともな交渉になるはずもなく、どちらも二言目には「協力してほしければまずはオーブが連合orザフトに協力すべき」と言われるだけ。
確かにこちらの話は荒唐無稽かもしれないが、眼前の相手を必要以上に敵視しすぎではないかとウズミは溜息を吐く。
「それに……まさかダイゴ殿より頂戴したアストレイが新たな火種の切っ掛けになってしまうかもしれぬとは……これは彼に責められても仕方あるまい」
ダイゴが置いていったアストレイレッドフレーム……それに目をつけたサハク家がその機体を元にGAT-Xナンバー、及びASTRAYシリーズを独断開発に踏み切ってしまった。尤も、国防用MS――そして対地球外侵略者用MSの必要性を感じて黙認した自分も同罪。ウズミはそう考えていた。
そんな彼のもとに、正確にはオーブにある信号が届く。それは彼と親交を結んだダイゴがオーブから旅立つ際に、彼からウズミへと渡された識別コードであった。
ダイゴが事前に色々と動いてくれていたおかげで、本来ならば怪しまれて然るべきなヒリュウ改とクロガネは難無くオーブへ入国出来た。無論、そこから滞在手続などをする必要はあるが、そっちはレジェンドやダイゴ、ミツバやオルガら責任者及び艦長に任せ、それが終わるまでリアスや一誠達は待機。
「どんな話をしてるんだろ……」
「冥界とは勝手が違うから悩むわね」
「ダイゴさんは『これからこの世界で活動することに関しては、マイナスになる事はない』って仰ってましたけど……」
やはり心配というか、不安が残る。そんな彼らの心の内とは裏腹に、ウズミと対談中のレジェンド達は――
「まさか初対面の挨拶も程々にいきなり頭を下げられるとは思わなかったんだが」
「それは僕もですよチーフ……ウズミさん、どうか頭を上げて下さい。大体の予想は僕も着いてます」
応接室で顔を合わすなり、オーブの首長――今や元がつくが――であるウズミ・ナラ・アスハに謝罪を受けたレジェンド一行は突然の出来事に混乱していたが、ダイゴは何となく察していたようで怒りなどはないようだ。ダイゴの性格的な部分もあるのだろうが。
聞けば懸念していたサハク家が、案の定アストレイレッドフレームを元にMSの開発を独断専行したらしく、自身もそれを黙認してしまったと。そこはまだいい。問題は連合のMS開発にモルゲンレーテ社を協力させたということだ。当のモルゲンレーテ社はサハク家との繋がりが強く、この事は避けられぬ運命だったのかもしれない。
「サハク家が懸念材料とは聞いていたが……そういうことか。で、俺はその家と何をどう交渉しろと?アストレイを託した意味を話して協力を取り付けたいんだろうが、難しいぞ」
「やれるだけやってみて下さい。失敗してもその時はその時、仕方ありませんから」
「ダイゴ、お前俺に平気で無茶振りさせるようになってきたな……」
「ドンマイ、旦那」
「さすがにいきなり銃を向けて撃たれはしないでしょうから……撃たれても銃弾掴んで投げ返しそうですけど」
「オルガはいいとしてミツバは少しぐらい俺の心配をしろよ」
嘆息するレジェンドを見て、ウズミは殊更申し訳なく思うが、交渉は件のサハク家とだけするのではない。
「してダイゴ殿、それからレジェンド殿……でよろしいか?」
「ああ」
「オーブとして、そしてダイゴ殿との縁がある者として受け入れは出来たが、如何せんオーブはその理念故にただそのまま客人として長期間滞在を許可するには、そなたらの組織の規模が大きい」
「これでも大分限定してるんだがな。まあ、仕方ない」
「よって我々が互いに譲歩し合った交換条件を提示し、それを飲んでくれるのならばという形にしたいのだが……如何だろうか?」
既にサハク家との交渉をレジェンドが引き受けるハメになっている以上、オーブに残る必要があるのだから交換条件を飲む飲まないと聞かれたところで前者しか選択肢がない気がするのだが……ウズミの人となりを知るダイゴから然程厳しいものは出ないだろう、と言われてまずは相手の条件を提示してもらうことにした。
○あくまで滞在という名目であり、居住権を求めることはしない。(レジェンド達は住む場所に困ってたりしないので別に問題ない)
○立場上はオーブと契約を結んだ『何でも屋な組織』というものになる。仕事毎に報酬も支払うとのこと。(ウルトラ騎空団自体がそういうものなのでこれも問題無し。報酬が出るなら万々歳)
○オーブ国内の宿や施設、食事を無償で提供することは出来ないが、代金を支払って一般人や観光客と同じように利用する事は可能。(そもそもレジェンド達はヒリュウ改やクロガネで寝泊まりする気だった上、割と気軽に空の世界や惑星レジェンドなどに帰れるので懸念することでもない。また、娯楽も下手したらレジェンド側の方が豊富な可能性まである)
他にも細かな決め事はあるが、直訳すれば『オーブに牙を向くようなことさえしなければ割と自由。依頼を受ければ収入も得られる』ということである。かなり太っ腹な条件であり、断る理由もないのですぐさま承諾。
実際問題、この世界での貨幣をどう入手するかがウルトラ騎空団では悩みの種(ただしショッピングとかそっちの目的で)だったので、渡りに船とは正にこの事。
「思いのほか、すんなり決まっちまったな。てっきり話が進むに連れて険悪なムードになるもんかと思ったが……」
「俺は憂鬱だぞ。そのサハク家やらとの会談をいつの間にかこの後すぐにさせられるよう決まってたんだからな。手回し良過ぎだろ、全く」
「ところでウズミさん、カガリの姿が見えませんし、やって来る気配もないのですが……何かありましたか?」
「すまぬ、ダイゴ殿。そなたもその身で実感しているだろうが、そなたに懐いていたあれは今回の出来事に憤慨しておってな。しかも何処で手に入れたのか、我がオーブのコロニーであるヘリオポリスで連合がMS開発を進めているという情報を聞いて確かめに行くと飛び出して行ってしまった。じゃじゃ馬娘もいいところだ」
ふう、と溜め息を吐くウズミと、その光景があっさり思い浮かんでしまい苦笑するダイゴ。近くで聞いていた三人のうちレジェンドはサハク家との交渉をどうするかでそれどころではなく、オルガとミツバはじゃじゃ馬娘という部分で『ああ、娘がいるのか』と思ったぐらいだ。
その後、ウズミから彼らに最初の依頼として『ヘリオポリスへ赴き、情報の真偽を確かめてほしい。ついでに、可能であれば娘のカガリも連れ帰ってくれると助かる』と言われ、とりあえず了承。とにかく全てはレジェンドのサハク家との交渉、及びその合否を待ってからということになり、その場はお開きとなった。
そして――
☆
「レジェンド様、物凄く憔悴してない?」
その日の夜、サハク家と交渉を終えたレジェンド(とゼット)は帰って来るなり真っ白に燃え尽きた。やはり交渉は失敗か、と思われたが……あのウズミとの会談からそれほど間をおかず始められたレジェンドとサハク家の交渉は数時間にも及ぶものとなったものの、見事成功したという。
「いやマジかよ旦那!?」
「さすがお館様!相手がどういった人物かも分からぬ上、ある意味相手の土俵という状況だったにも関わらず成し遂げるとは!よもやよもやだ!!」
「…………」
「それにしては浮かない顔をしてらっしゃいますね。ゼットさん、レジェンド様に何があったんですか?」
「……それはでございますね」
徐ろにゼットが口を開いた。普段明るい彼がこんな雰囲気を醸し出すとは余程の事なのだろう、そう思って全員が気を引き締める……が、確かに余程の事なのだがそれは別の方面にという前置きがつく。
「実は超師匠……
サハク家の女傑、ロンド・ミナ・サハク女史と婚約することになったのでございます」
――沈黙――
「『えええええ!?』」
当然、こんな反応にもなろう。訳を説明すると、ロンド・ミナ・サハク自身も当初は全くその気は無く、交渉開始時もそれは同様であった。弟のギナ共々、彼女の目的は世界を支配することだったのだが、開発の元にしたアストレイレッドフレームが彼の下で開発されたものであること、そしてアウェーという状況……それこそ命を奪われるか、良くて人質にされる可能性があるというのに堂々としており(開き直ったとも言う)、そして自分の意志を曲げないレジェンドに興味が湧いたそうだ。
「最初は定期的に顔を出すという約束程度だったんですけど……どうもミナ女史は自身の立場や能力を加味して、生涯独身覚悟で結婚相手に妥協したくなかったそうで。んで、そこに超師匠という媚びぬ引かぬ省みぬ的な相手が流星の如く現れて結局あれよあれよとこういう事態になってしまったのでございますよ。しかもこれが協力の条件ということで、もはや退路も塞がれ受けるしかなかったワケで」
「つまりあれか、レジェンドのビシッとした態度が変な方向に上手く働いちまったと」
「ですです、ゼロ師匠」
そりゃどうしようもねーわ、とレイトは頭をガシガシ掻きながら諦めた。レジェンドの妙な所に惹かれたなら文句の一つも代弁してやろうと思ったが、まともな所を見てそうなったならなるべくしてなったとしか考えられない。だが、それに納得しないのは別の面々である。
「だっ……駄目ですぅぅぅ!!」
「ぷんすこー!」
アーシアは勿論、普段抑揚のない声のオーフィスですら怒り気味。さらにアズやアマリ、ルリアなんかはまだ可愛い方で、ナルメアやユイシスは得物に手をかけている始末。このままではサハク家が存亡の危機に陥るどころか、多方面に色々と不都合が起きかねないと感じた卯ノ花はある策に出た。
「落ち着いて下さい皆さん。皆さんはレジェンド様の御婚約は認められないと?」
「だ……だってレジェンド、あんまり嬉しそうじゃありません!」
「まあコイツの性格から予想すると、自分に好意を向けてくれている相手が多数いるから一人を選ぶと不公平になるとか他の奴に申し訳が立たないとか考えてるんだろうさ。他にも色々あるだろうが大半はそこだろ」
ルリアが応え、C.C.がバッサリとレジェンドの思考を言い切った。ピンポイント直撃。ここまで言うと、卯ノ花の弟子であり同じような手段で引き込まれた朱乃は気が付いた。
「別にレジェンド様に全員貰って頂けばいいだけの事ですよ。ほら、この通りの条件を満たす者であれば惑星レジェンドにおいて一夫多妻婚が認められるということを、レジェンド様自らが記されています。見てもらえばお分かりになるかと思いますが、レジェンド様はこの条件に文句無しで当て嵌まっていますし」
※幕間『オカルト研究部の新たなる出発』参照
これを見てレジェンドに懸想している女性陣の目の色が変わった。それこそ肉食獣、というかそれすら裸足で逃げ出すレベルに。正直こんな時に言わんでもいいだろうと思わずにはいられないが、今はこうでもしなければコズミック・イラに来て早々にマイナスな意味で有名になってしまう。
そんなわけで、世界平和(色んな意味で)とレジェンドの平穏は天秤にかけるまでもなく、世界平和のためレジェンドには人柱ならぬ光神柱になってもらうことにした。ハーレムと言えば聞こえは良いが、レジェンドの場合人数が人数だけに洒落にならず、おまけにその人数に比例して彼が受ける不憫も爆上がりするという悲惨なことになるので喜べという方が無理な話だ。
なお、後日ロンド・ミナ・サハクにそれを伝えたところ笑いながら承諾、寧ろ歓迎された。さすが大物。
「オイ俺の知らんところで話が大きくなってるんだけど。つーかヘリオポリスに行くメンバーの選定はどうなったんだよ」
あまりに衝撃的過ぎて、ツッコむ気も無くしつつあるレジェンドの口から出た『ヘリオポリス』の単語にダイゴ、オルガ、ミツバはハッとなった。忘れてたんかい。
なお、レジェンドの事に関しては『誰でも結婚出来るチャンスがあるので、アプローチを頑張ってレジェンドのハートを射止めましょう』ということに落ち着いたらしい。確かに何でもかんでも本人の意志を無視してというのは拙い(キレたら【エリア】が終わりかねないという意味でも)ので、それで良かったのだ。多分。
☆
かくして、ヘリオポリスへと向かう選抜メンバーは決まったのだが……そこでこれから先、縁が続いていく新たな出会いがあり――膠着状態だった戦局が再び動き出す場面に遭遇するなど、誰もが予想していなかった。
〈続く〉
詳しく検索していませんが、まさかミナ女史が主人公のヒロイン(の一人)になる作品はそうそうあるまい!と思ったけどレジェンドとしてはた展開的にまったもんじゃないな。
そろそろヒロイン達とも進展させなきゃな〜とテコ入れした結果、いきなりぶっ飛び過ぎてしまった。
とりあえず次回から原作突入ということで、メンバーが一時的に少なくなります。ヘリオポリス同行メンバーは機動兵器持ちに限定され、機体も所謂前期搭乗機ということに。
それではまた次回。
二択決定戦! シン一人乗りする最終ゲッターはどちらだ!?
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真ゲッタードラゴン(大決戦版)
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真・ゲッター1(スパロボα仕様)