ウルトラマンレジェンド Episode.CROSSOVER 作:ハジケハムスター・ポッポ
今回のサブタイトル、最初はSEED第二話と同じにしようと思いましたが、ぶっちゃけGUNDAM呼びシーンが無いし、ガンダム・フレームの方も呼ばれないのでこうなりました。
なお、ネオ・バルバトスの外見は肩とバックパックがバルバトス(第六形態)になってテイルブレードが無くなったバルバトスルプスレクスって感じです。当然レクスネイルによる攻撃も出来ます。
それでは本編をどうぞ。
それから、活動報告にてちょっとしたアイデア募集をしてますので、宜しければご協力頂けると助かります。
サーガ達が工場内で行動している頃、遂行班と散策班は一足早く合流していた。特に三機のMS――デュエル、バスター、ブリッツと呼ばれる機体がザフト側に奪われる場面に遭遇し、一誠やタイガは叫ぶ。
「あいつら……あれだけのためにこんな強盗紛いのマネすんのかよ!」
「レジェンド!俺達に追跡戦闘の許可を!」
「駄目だ」
「「どうして!?」」
「今ここでブレスレットから機体を出してみろ。ただでさえ連中がMSを持ち出してまであの三機を奪いに来てるんだ。今の状況で俺達も機体を出そうものなら余計混乱を招く上、連中の仲間扱いされ最悪捕らえられて情報を引き出すために拷問だの自白剤投与だのをされたりするかもしれん」
拷問のくだりでうっと顔を顰める一誠とタイガ。この世界、一般的にはまだコーディネイターしかMSを十分に使えていないのだ。十分に、なのでナチュラルでも使えなくはないが、動かすことすら四苦八苦しているのが現状である。もし大々的に機体を出して操縦しようものなら良くも悪くも色々な意味で目立ってしまう。
尤も既に住民の大半は避難しているだろうが……。
そこに爆発する工場から二機のMSが飛び出した。片やセブンのアイスラッガーのようなトサカが特徴的な機体、GAT-X303 イージス。片やダブルオーに似た形状のアンテナや顔の機体、GAT-X105 ストライク。
当然この二機を見た一誠やリアスらは驚くが、レジェンドとしのぶは予想通りといった表情だ。
「あれ……!先輩が乗ってるダブルオーってのに似てねぇか!?」
「まあ、顔はな。見た感じあれが素体、ハードポイントによって戦い方を変える機体か」
「そこまで分かるの!?」
「確かに先程の三機や今現れたもう片方と違い、そのままでは少々心許ないですね」
しかし、彼らはその後すぐに起こった光景に目を疑う。ストライクの方が覚束ない足取りで歩いたかと思えば躓くように倒れ込んだ。
『な……何やってるんだ?あれ……』
『さては準備運動を怠ったな?』
『いや違うだろ……』
ツッコミを入れるフーマだが、ある意味タイタスの指摘は間違っていない。何せOSがまだ未完成なのだから。先の三機も奪取したパイロット達がそれぞれ扱いやすいようにOSを書き換え、再設定したからまともに動くことが出来たのである。
(さっきのはキラ……いや、あいつがあんな所にいるはずがない。他人の空似だろう……だが)
奪取したイージスのコックピットで、実行部隊の一人であるアスラン・ザラはかつて別れた友人であるキラ・ヤマトを思い出す。工場で同僚のラスティ・マッケンジーが撃たれ、連合の士官をその仇として撃たんとナイフを構え近づいた時、まさかの再会を果たすことになってしまう。
……が、その連合の士官に銃を向けられその場を離れるしかなく、ラスティの亡骸を回収することも出来ぬままイージスに乗り込んであの場を脱出せざるを得なかった。そこへ同じく同僚のミゲル・アイマンがジンに搭乗したまま通信を繋げる。
「無事だったか、アスラン。ラスティはどうした?」
「ラスティは失敗だ。あの機体には連合の士官が乗っている」
「……そうか。ならあの機体、俺が捕獲する。お前は先に戻って――」
「待て、ミゲル!まだ別の場所に反応がある!」
「何っ!?」
ドオォォォォォン!!
爆音と煙が上がった方を見れば、そこには金色の大型アンテナを頂き、一部フレーム剥き出しのボディに緑の双眸を輝かせた機体……神衛隊に知らぬ者なしと言われたMS、ネオ・ガンダム・バルバトスが獲物を狙う獣が如くジンとイージスへとその視線を向けていた。
「まだ新型を隠していたのか!?」
「いや……それにしては妙だ。連合どころかザフトの機体とも明らかに違う。頭部は連合の試作機と似ているが、ああもフレームが剥き出しなど――」
そこまで言いかけて、アスランは背筋が一瞬で寒くなる程の悪寒を感じ、無意識に操縦桿を握りイージスを動かした。直後、バルバトスがクローでイージスが立っていた場所を抉る。
「アスラン!!」
「だ……大丈夫だ!(何だ今の速度は……!?)」
眼前の機体から発せられる、今まで感じたことのないプレッシャーにアスランは冷や汗をかき、急いでイージスを始めとした五機の試作機に搭載された『フェイズシフト装甲』を起動させる。これにより、イージスはその機体色をグレーから赤に変え、見ている者達を驚かせた。
「アスラン、何だそれは!?」
「こいつらはフェイズシフトという特殊な装甲を持つんだ。一度展開すればジンの武装のような実弾攻撃では掠り傷一つ付けられない」
そうは言ったものの、アスランは目の前のバルバトスがフェイズシフト装甲の有無だけでどうにか出来るとは思えなかった。異常な速度で攻撃してきたこともそうだが、この機体……たとえ物理攻撃が通じなかったとして諦めるだろうか?
(やはりあれは連合の機体じゃない。だとしたらオーブの……?)
同じく戦場にいるストライクのコックピットで、突如現れたバルバトスに連合の士官であるマリュー・ラミアスは、避難させる意味で強引にコックピットに同乗させたキラ・ヤマト共々混乱していた。
「何なの、あの機体……!?攻撃した以上、ザフトのものではないし……連合でもあんな機体を作っているという報告もない。何よりあの動きは一朝一夕でやれるようなものじゃないわ……!」
そう零していたら、いきなり通信が入ってくる。どうやったのかは不明だが、三日月がバルバトスからストライクへと無理矢理通信を繋げたのだ。
『ねえ、その機体に乗ってる人』
「なっ……!?子供!?」
「君は……!さっきの!」
『あ、何か金髪の子に押され気味だった人。何でそれに乗ってんの?』
別にいいけど、と三日月に言われて少しばかりキラは凹んだ。マリューとしては言いたいことや聞きたいことがあったが、それは三日月の台詞で潰される。
『あのさ、邪魔だからあんまり動かないでよ』
「「なっ……!?」」
『ザクみたいなやつも色が変わったやつも、俺とバルバトスでやるから。そんな動きじゃ足手まといだし』
顔色一つ変えずバッサリ言い放った三日月に絶句する二人だが、先の動きを見ると言い返すことが出来なかった。ふと気になったキラがストライクのOSを無理矢理見てみると、明らかに合っていない。
「無茶苦茶だ……!これだけの機体をこんなOSで動かそうなんて!」
「まだ調整中だったのよ……仕方ないでしょう!」
「どいて下さい!」
「え?」
「早く!」
有無を言わさぬ迫力を放つキラに気圧され、マリューは自分が後ろに回ってキラを操縦席に座らせる。するとキラは凄まじい速度でストライクのOSを書き換えていく。あまりの速さにマリューはまたも驚くが、同時に凄まじい振動が伝わってきた。
「うわっ!?な……何が……!?」
「……ッ!?」
キラとマリューの目に映るのは、辛うじて撤退するイージスと……片手片足、そして頭部すらも無理矢理もぎ取られ、地に倒れるジンの姿。まるで肉食獣のようなバルバトスを見た二人は戦慄する。
「本当に何なの、あの機体は……まるで鉄の体に血が通ったかのような戦い方をして……」
「これを、彼が……」
どうやらジンのパイロットは脱出したようだが、確実にトラウマになったのではないかと思われる惨状の中、バルバトスは勝利の咆哮を上げるような動作をするのだった。
なお、これを見たあとでマリューは緊張が切れたのか気を失ったことを付け加えておく。
☆
「……で、あっちを三日月に任せてお前達はソレを拾ってきたと」
「その表現はどうかと思うが間違ってはいない」
あれからストライクを停止させ、キラがマリューを抱えて降りると彼の学友らしき人物達が駆け寄ってきたので、一先ずあちらは任せて三日月はサーガや沙耶も合流していた場所(すぐ近く)に自身も急行。お疲れ様です、としのぶから渡されたおにぎりと飲み物を礼を言ってすぐに頬張り始めた。
「そうだ、サーガ様。あれに工場みたいな所で会った、将来結婚相手の尻に敷かれそうな人が乗ってたよ」
「ああ、あの少年か」
「サーガ、俺の表現がどうだか言ってるがお前の部下も結構アレだし、これで理解出来るお前もお前だぞ」
「……否定出来ない」
その説明で分からなかった一誠やリアス達が「どんな人?」と聞いてきたので三日月が指をさすと、一誠は大声で叫ぶ。
「あああああ!!部長の胸にダイブした奴!!」
「オイ何か今日揃いも揃って表現の仕方が雑なんだけど。というかお前はほぼ毎日同じベッドで寝てるだろーが」
『そういう超師匠は最近紫天一家も加わって、一緒に寝るためのローテーションが更に複雑になったとあちこちから聞いてますけど』
「それはもはや諦めたがな、ロスヴァイセの時はハクとフウが付いてくるから決まってカナエも乱入してくるんだよ……」
「姉がすみません。いや本当に」
しのぶが頭を下げるも、相変わらず怒っている時に右拳で素振りをするのは体勢的にかなりシュール。とりあえず、アメノミハシラにいるカナエが悪寒を感じて身震いしていることは、ここにいる誰も知らない。
そんなほのぼのとした雰囲気の中、少し離れた場所――キラ達がいるであろう場所から銃声が聞こえた。
「な……何だあ!?」
『あっちから聞こえたぞ!』
「ふう……こちらも怪我人の治療してる最中だというのに、穏やかじゃありませんね」
『大方あの機体を見たから軍事機密がどーたらこーたらってやつじゃありません?超師匠』
「……お前ちゃんとそういうこと考えられるのに、宇宙警備隊の訓練校で筆記の成績悪かったの何でだよ」
何故かMS絡みだとやけに冴えまくるゼットに溜息を吐きながら、レジェンド一行はそちらに向かうことにする。
☆
その頃、『黄昏の魔弾』と呼ばれる腕利きのパイロットのミゲルがジンを失う、それも一方的な戦いでという結果を聞いたクルーゼは予定通り自らが動くことを決めた。それに、少し前に撃沈した連合の艦からムウ・ラ・フラガが駆るメビウス・ゼロが発艦し、ジンを撃墜していることも考慮している。
「さすがに普通の兵では奴の相手は務まるまい。私が出よう。ついでと言っては何だが、ヘリオポリス内に残っている機体の様子も見てくるとしようか。後は頼むよ、ベリアル」
「オーケー、ラウさん。ま、ラウさんの技量とエゼキエルの性能が合わされば余程の化け物でも出ない限り問題無いだろ。強いて言うなら……どうもあの部隊がウチのやってることに勘付いてこっちに来るらしい。捕獲するにせよ、破壊するにせよ、はたまた撤退するにせよ早く動いた方がよさそうだ」
「フッ……まるでハイエナだな。尤も、彼はコロニーに手を出したことを責めるために来るのだろうが」
「ホントこっちを監視でもしてんじゃないかってぐらい嗅ぎ付けてくるからな。ストーカーは良くないと思うぜ、俺は」
レジェンド一行がいたら「お前のどの口が言うか」と不快感を露わにして文句を言うだろう台詞を口にするベリアルだが、クルーゼは「同意するよ」と口元に笑みを浮かべつつブリッジを後にする。
「さーて……案の定イレギュラーが起きて一名作戦成功成らず……こりゃ『特異点』が絡んでるかもしれないな」
特異点、という言葉に首を傾げるアデスだが、突っ込んで聞いてものらりくらりと躱すだろうとそれ以上追求することはしなかった。
「ったく!ザフトとドンパチやるハメになるわ、乗ってきた艦は落とされるわ!今日は厄日か!?」
そう言いながらもムウのメビウス・ゼロは有線式誘導兵器・ガンバレルを巧みに使い、ジンを撃墜していく。ジンを全て撃墜し終わったかと思いきや、突如何かが迫ってくる感覚に見舞われる。
「この感じ……!ラウ・ル・クルーゼか!」
「やはり一般兵にお前の相手は荷が重すぎたようだな、ムウ・ラ・フラガ!」
やはり、と思ったムウであったが現れた機体に目を見開く。シグーではなく、重厚な鎧を纏ったようなフォルム、そしてMSより一回り大きな白い機体。
「貴様!何だその機体は!?」
「知人から頂いたものだよ。この機体の初の実戦テストに付き合ってもらおうか」
クルーゼの駆る機動兵器エゼキエル・ラヴァンは左腕からレーザー・ブレードを発生させ、メビウス・ゼロにある程度の距離まで接近するとブレるように瞬間移動し、ガンバレルの一つを斬り裂く。
「何っ!?」
「フフ……素晴らしい。この大きさでありながら実に機敏な動きが出来る」
「だが大きいって自覚してるなら的になることも予想出来てるんだろうな!」
残り三基のガンバレルとメビウス・ゼロ本体に取り付けられたリニアガンの一斉射撃でエゼキエル・ラヴァンを狙うも、エゼキエル・ラヴァンは回避しようとしないどころか動くことすらしない。それを怪訝に思ったムウであったが、次の瞬間その理由が判明する。なんとエゼキエル・ラヴァンに当たる直前、時空が歪むような現象と共に一斉射撃が全て無効化されたのだ。
「今何かしたのかね、ムウ・ラ・フラガ」
「この野郎……!そんな反則的な機体!持ち出してくるんじゃねえ!」
無効化されたのは防御フィールドであるグラビティ・テリトリー――通称G・テリトリーと呼ばれるものに阻まれた事が原因だ。このG・テリトリーの突破方法は至極簡単、力押しするだけでいいのだが……フィールドの強度が機体本体の強度を参照するもので、エゼキエル・ラヴァン自体の防御力が高いためG・テリトリーもそれに連動して無効化能力が高くなっている。
即ちメビウス・ゼロの攻撃力ではどう足掻いても突破が不可能なほど強固なのだ。更に、G・テリトリーを突破してもエゼキエル・ラヴァン自体の装甲を抜くことが出来ねば意味がない。
つまり、この時点でムウは詰んでいた。
「ちっ!こうなったら猫の手でも何でも借りるしかない!せめて一機だけでも残っていてくれよ、新型!」
「ヘリオポリスへと逃げ込む気か。中立国のコロニー内部を戦場に選ぶとは、やはり貴様も連合の一員だな」
皮肉を込めた言葉を口にしながら、クルーゼはヘリオポリス内へ逃走したメビウス・ゼロを追跡するため、エゼキエル・ラヴァンをヘリオポリスの中へと向かわせる。
☆
ヘリオポリス内ではマリューが学生達へ銃を突きつけていた。ゼットの言う通り、ストライクを目撃したことによって機密保持のために同行してもらう、ということなのだがやはりキラ達は納得出来ない。反論するもすぐに返されてしまう。
「無茶でも何でも、戦争をしているんです。中立だから巻き込まれないとか、まさか本気で――」
「はーいそこまで。一般人を守るはずの軍人が一般人脅してどうするんだ」
「「「「「!?」」」」」
突然マリューの隣に現れたレジェンドがヒョイと拳銃を取り上げ、クルクルと回転させながら軽く説教をかます。いきなり現れたこともそうだが、女性かつ手負いとはいえ軍人からあっさり銃を取り上げたことに驚きを隠せない。
「貴方は……!?ッそれより返しなさい!」
「やなこった」
ふん、と鼻を鳴らして口笛を吹き出すレジェンドにマリューも苛ついたのか、肩を怪我してるからということで立ち位置的にレジェンドの弁慶の泣き所を蹴るが――尋常じゃない硬さだったおかげでダメージが自分に丸々返ってきただけである。
「ッ〜〜〜!!」
「やべー、この子見てて面白いんだけど」
『超師匠、何か今日性格悪くないですか?』
正直、涙目で右足を押さえるマリューを学生どころか到着したサーガ達も哀れんだ。
「先生に生身で喧嘩しかけるなんてバカの極みね」
「「「「「沙耶(さん)辛辣ぅ!!」」」」」
……沙耶だけは冷めた目で見ていたが。伊達に幼少期にレジェンドから鍛えられたわけではない。今の彼女は少なくとも、どこぞの世界の細胞を集めて造られた人造人間と真っ向から殴り合い出来るスペックを生身で有している。
「それはそれとして、相手が中立国だろうと軍人だって言うならまだ話は分かるがな。軍兵の養成学校生どころか、明らかに普通の学生相手に銃振り回して言うこと聞かせようなんざ真っ当な軍人のやることではない」
「それは、私にも分かっているわ……!でも今は状況が――」
その瞬間、レジェンドは誰もが予想しなかった行動に出た。取り上げた拳銃をマリューに向け、頬すれすれに撃ったのだ。まさかの行動に彼をよく知るサーガさえ絶句したが、周りの反応など知ったことかと、レジェンドは無表情になり言葉を紡ぐ。
「お前は我がウルトラ騎空団の重要機密である機体を目撃した。従って然る場所に連行し、判断を仰ぐため以後の行動は共にしてもらう。お前に反論する権利はない」
「!?いきな……」
再び発砲。学生達からは悲鳴が上がり、マリューは顔色が悪くなっていく。本来なら声を荒らげて文句を言うだろう一誠やリアス、タイガも普段とあまりに違うレジェンドの雰囲気に呑まれ、若干体を震わせている。
「反論する権利はないと言った。状況がどうであれ、お前が重要機密を目撃したのは事実。選択肢は二つ、言う通りにするか、ここで自決するかだ。俺はどちらでも構わん」
「…………」
青褪めたまま、何も言えないマリュー。彼女どころか殆どの者がレジェンドの威圧感の前に口を開く事すら出来なかった……のだが。
「……と、さっきのお前の言葉はこんな感じで圧迫面接もかくやというような脅迫だったんだぞ。こんなもん未成年の一般学生がいきなり言われて反論出来ると思ってんですかコノヤロー」
「「「「「はい?」」」」」
またも突然雰囲気が変わったレジェンドに間抜けな声を出す一同。どうやらマリューがやったことを本人にやってみただけらしい。
「あ……え……でも、機密……」
「うちじゃ別にバルバトスは機密でも何でもない。バレたところで簡単にやられるわけはないし、逆に返り討ちにして相手の持つ機密情報を絞り出してくれるわ。なあ、三日月?」
「あ、うん。昨日食べた晩御飯とか」
「「「「「それ機密情報ッ!?」」」」」
「何言ってんだ他所の家庭事情を聞き出すなんざ立派な機密情報だろーがァァァ!!」
力説するレジェンドに毒気を抜かれ、全員が安堵の吐息を漏らす。しかし、レジェンドにしてみれば喧嘩両成敗にする気なので、これで終わりではない。
「それからお前ら」
「「「「「は、はい!!」」」」」
「興味があるのは結構だがな、一応コレが軍事機密にあたるのは間違いないんだ。好奇心に負けてあまりベタベタするもんじゃない。それこそさっき言われたように戦争をしているのだから、そういう行動はお前達自身で戦争に首を突っ込んでいくようなものなんだぞ。それを肝に銘じて行動には気をつけろ」
「「「「「すみませんでした……」」」」」
キラも含め、学生達は気を落として反省の言葉を口にした。これで少しはマシになるか、と軽く息を吐きレジェンドはマリューの方に向き直る。
「とはいえ、行動は共にせざるを得ないだろうな。見たところもうシェルターの類は残っていない。少なくとも安全な所に預けられるまでは彼女に同行した方が得策だ」
「で……でも」
「くたばりたくば好きにしろ。生き延びたくば共に行け。それだけだ」
レジェンドの言葉は非情に聞こえるが、確かにその通りなのだ。身を護る術の無い彼らでは、再度戦闘に巻き込まれれば今度こそ命の安全は保証出来ない。レジェンドの表情からそれを察した学生達は、仕方ないながらもマリューに協力する事を決めるのだった。
☆
ヘリオポリス内部へと続く艦艇用通路で、メビウス・ゼロとエゼキエル・ラヴァンの戦闘は続いていた。戦闘というより狩るものと狩られるものに近く、たった今最後のガンバレルもエゼキエル・ラヴァンに破壊され、メビウス・ゼロの残る武装はリニアガンのみ。
「ちいっ!いよいよマズいな、こりゃ!」
「この辺で消えてくれるとありがたいんだがね、ムウ」
圧倒的な攻撃力と防御力を併せ持ち、機動性も十分に備えたエゼキエル・ラヴァンの前にムウは焦りを見せるが、反対にクルーゼは余裕の表情である。
そんな正反対の二機と二人は、徐々にヘリオポリス内部――レジェンド達がいる場所へと近付いていく。
☆
一方、レジェンド達は奇跡的にストライクの装備が無事であったことが確認出来たため、キラとその学友……トール、ミリアリア、カズイ、そしてサイに手伝ってもらいつつ、トレーラーを動かしたりして装備を搬出していた。なお、マリューはしのぶが治療中。本当に彼女を同行させてよかったと思うのはレジェンド他選抜メンバー全員だ。
「あれでいいんですよね?」
「ええ、ありがとう」
「しっかしよく無事だったよな。あれだけ別の場所で整備してたんですか?」
「ストライクは他の機体と違って装備の殆どが外付けなのよ。パワーパックの問題もあるから別の区画で調整していたのだけれど……今回はそれが功を奏したわ」
「俺のゲシュペンストと似てるな、あのストライクっての」
一誠がそう呟くと、技術畑だったからかマリューが興味を示すがキラの声で意識を戻される。
「どれですー!?パワーパックって!」
「武器とパワーパックは一体になってるの!そのまま装備して!」
「……だ、そうだ」
「分かりましたけど……そんな所にいて大丈夫なんですか?」
「少しでも掴まる所があるなら問題無い」
レジェンドはストライクのコックピット周辺に掴まり、キラの操縦の様子を間近で見ている。チラッと確認したが、本気モードの自分や束ほどではないにしろキーボード操作がかなり早い。
(天才……というよりコーディネイターか、この子は。それも相当優秀な部類だな)
一目でキラがコーディネイターだと見抜いたレジェンドだったが、別段色目を使ったりはしない。そもそも、これがまだ彼の全力でないにしろ簡単にねじ伏せられるようなスペックの持ち主など、ウルトラ騎空団を始め様々な場所にわんさかいる。彼と似たようなステータスの割り振りで言うなら束が最たる例だ。
「あの……」
「ん?」
「もしかして、気付いてますか?僕がその……コーディネイターだって」
「まあな。それがどうかしたか?」
「どうかしたって……」
「お前がコーディネイターだからなんだ。生憎とそんなことで目くじらを立てるヒマなんぞ俺には無いのでな。大体ナチュラルだのコーディネイターだので争うこと自体、俺には馬鹿馬鹿しくて理解出来ん。する気も無いが」
この世界ではどれだけレジェンドと同じような人物がいるかは不明だが、少なくとも惑星レジェンドの関係者やウルトラ騎空団、そしてウルトラ戦士達は彼と同じ考えだろう。
「……ん?」
「何かあったんですか?」
「ああ……キラと言ったか。早く換装した方がいい。一悶着ありそうだ」
「え?」
レジェンドの言うことを理解出来ず首を傾げたキラだったが、直後にヘリオポリス内部へと遂にメビウス・ゼロとエゼキエル・ラヴァンが突入してきた。
「なっ……あれは!?」
「片方はダイゴが言っていた機体か。もう片方は初めて見るが……ストライクでは少々分が悪いかもしれん」
エゼキエル・ラヴァンのレーザー・ブレードがメビウス・ゼロの最後の武装であるリニアガンの砲身を切断し、もはやメビウス・ゼロは丸腰状態。どうにか回避は出来ているが、撃墜は時間の問題だ。
「もはや打つ手が無くなったようだな。潔く散ったらどうだ?」
「うるせえ!無様だろうと何だろうとそうやすやすと死んでたまるか!」
そう啖呵を切るも、はっきり言って自身だけでは打つ手が無いという点ではクルーゼに同意せざるを得ない。そんな彼の目に入ってきたのはランチャーストライカーを装備したストライク、そして――
「堕ちろよっ……!」
「む!?」
「おぅわっ!?」
凄まじい跳躍で地上から両機の間に割り込むバルバトス。VAEユニットはオーバーホール&機能追加するために束に預けており、代わりに装備したレンチメイスを両手で持ち振り下ろすバルバトスと、その一撃を両腕で受け止め落下するエゼキエル・ラヴァン。途中で弾き飛ばすように腕を払ったエゼキエル・ラヴァンにより、両機は少し間合いを離して大地に着地した。
「やっぱり挟んで削るんだった。硬いな、こいつ」
「なるほど、ミゲルの報告にあった異質なMSか。連合の試作機に似てなくもないが、明らかに別物だな」
睨み合う二機は少し間をおいた後、再度激突する。エゼキエル・ラヴァンのガイスト・ブローをバルバトスは平然と受け止め、お返しとばかりにレンチメイスを片手で振るうがこちらも片腕で防御された。至近距離で放たれたフォトン・バルカンを恐るべき反応速度で回避し、バルバトスがバックパックにマウントしていた滑空砲を構えて撃つもやはりG・テリトリーに阻まれる。
「近付いた時に感じた違和感ってそれか。直接潰そう」
「やれやれ……随分と物騒なことを言う」
そんな一進一退の攻防を繰り広げる二機を上空から見下ろしつつ、ムウは独りごちる。
「俺が見た資料じゃあんな機体はなかった……戦闘力もそうだがマジで何なんだありゃ……!?」
☆
「あの白くてデカい奴、パイロットの方も中々だな。機体の能力を理解しつつ的確な行動をしている。恐らく指揮官機か」
「じゃあそんな落ち着いてる場合じゃないでしょう!?ちょっと離れるかコックピットに入ってシートの後ろに――」
「やめとけ。その装備じゃ三日月の邪魔になるだけだ。それにその長身砲、もし外したりすればこのヘリオポリスに風穴が開くぞ。ざっと出力を計算してみたがそれぐらい出る」
「なっ!?」
「別の装備、何かあるか?高機動戦重視とか接近戦重視のやつ」
「えっと……確かブースターとか剣のやつとかがあったような……」
「なんだソレ別物か?高機動プラス接近戦とかならベストだったんだが」
レジェンドとキラがそんな話をしていると、再三バルバトスとエゼキエル・ラヴァンがぶつかろうとした次の瞬間、爆音と共に巨大な煙が横から舞い上がる。
「ッ……今度は何が……!?」
「んー?何だあれ、ホワイトベースっぽいの出てきたんだけど。どっちかっていうとアルビオンか?」
「だから何でそんなに落ち着いてるんですかっ!?」
「くぐってきた修羅場と地獄の違いだ」
そういう会話をしている二人――いや、その場にいる者達が目にしたのは、大天使の名を冠した白い巨大戦艦。強襲機動特装艦アークエンジェルが、岩壁を主砲でブチ破りながらその威容を全員の前に現した。
〈続く〉
三日月さん&ネオ・バルバトス大暴れ。
そりゃこの頃のキラやアスランに比べたら、原作以上に戦闘も修羅場も経験しまくってる上に機体パイロット両方能力マシマシな彼らのが強いですよねコレ。
ついでに原作以上にボコられるムウと圧倒的なクルーゼ、後者は全力でないとはいえ三日月&バルバトスとガチでやり合えるレベル。キラとストライク置いてけぼり……。
ラスティはとりあえず救助完了!問題はミゲルをどうやって救出する……?
それではまた次回。
二択決定戦! シン一人乗りする最終ゲッターはどちらだ!?
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真ゲッタードラゴン(大決戦版)
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真・ゲッター1(スパロボα仕様)