ウルトラマンレジェンド Episode.CROSSOVER   作:ハジケハムスター・ポッポ

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お待たせしました。登場人物の関係上、またも文字数が結構なことに……多分SEED編は毎回こんな感じになるかも。
今回は次話への足掛けが殆どです。


それでは本編をどうぞ。


逃避航行のアークエンジェル、追う者と追われる者
サイレントラン


 ヘリオポリスの崩壊――それを一誠達はアークエンジェルの中から目の当たりにして言葉を失った。長い時間を掛けて作られ、大勢の人々が生きていた場所……それがほんの僅かな時間で廃墟と化すという事態に身体が震える。

 

 

「な……んだよこれ……」

 

「いくら新型が脅威だからってここまでするの……!?」

 

「これが、戦争……」

 

 

 呆然とする一誠らであったが、この場において頼りになるレジェンドとサーガはまだ戻っていない。しのぶも「規模が大きすぎて自分ではフォローしきれない」と考えつつ、サーガと沙耶が救出した(拾った)赤服のザフト兵の治療と看護を行う。ロスヴァイセとアズも少なからずショックを受けているようだ。

 

 

(鬼と戦っていた頃はこういった被害より人的被害の方が多かったのだけれど……)

 

 

 コロニー一つ……それ即ち都市一つか、下手すれば国一つが無くなったようなものだ。しのぶはザフト兵の治療をしつつも鬼殺隊の柱として生きていた時と違う規模の、人と人との争いが起こすものに向き合わねばならないと改めて実感する。

 

 レジェンドが戻ってきたのはそれから少ししてからの事だった。

 

 

 

 

 その頃、アマリとルリア、沙耶にサーガ、そしてキラは完全に崩壊してしまったヘリオポリスを見て愕然としていた。特にキラはほんの数時間前まで戦争とは無縁だったこともあり、一番強い衝撃を受けている。

 

 

「そんなっ……ヘリオポリスが……!」

 

「気を強く持て、キラ・ヤマト。ショックを受けるなとは言わないが、ここで呆けていても事態は好転しない。俺達がやらなければならないことを考えるんだ」

 

「ッ……は、はい……」

 

「今起きたことを飲み込めない気持ちは理解出来るわ。だから貴方は無理せず、自分の心に従いなさい」

 

 

 声色は変わらないものの、沙耶が気遣ってくれていると分かり少しだけ落ち着けたキラは、レーダーにあるものを捉えた。ダブルオークアンタ、ガンダムX、ゼルガードがいてくれることで冷静になれたのか、キラの指は迷いなくコンソールを操作し映像を拡大すると救命ボートであることが判明。

 

 

「これって……!推進装置が壊れてるのか?」

 

「どうした?」

 

「えっと、ヘリオポリスの救命ボートが一機漂流しているんです。多分推進装置が故障か何かで機能していないんじゃないかと……」

 

「はわっ!?それじゃ、ここに取り残されてるってことですか!?」

 

「まだザフトも離れたか定かじゃないのに放って置いたらどうなるかわからないわ……!」

 

 

 キラはアマリやルリアが自身と同じ考えであることに胸を撫で下ろす。サーガも同じだが、彼らは立場が立場なため安易に救助したくても出来ないことを忘れていない。故に、沙耶が代弁する。

 

 

「……問題は救助したとして、あの艦の面々が受け入れるかどうかね。艦長はまだしも、副長の方はガチガチの軍人タイプ……貴方がストライクに乗ることにも難色を示してたくらいだから難癖をつけて拒否しそうだわ」

 

「でも、だからといってこのままには――」

 

「いざとなったら『彼ら』を頼りましょう。シークレット・ポートから出てまだそう経ってないだろうし、それほど遠くには行ってないはずよ」

 

 

 沙耶の言う彼らとは勇治と流(とダ・ガーンやエースキラー達)のいるペガサスA。無論、連合所属のアークエンジェルに似ているためマリュー達からは何かと聞かれるだろうが、そのときはその時だ。

 自分の意見が採用されたことに若干喜びの笑顔を浮かべつつ、ストライクを始めとする四機は救命ボートの救助に乗り出した。

 

 

 

 

 

 宇宙に放り出されたミゲルのジンをウェイブライダーで追っていたゼットは、もはやデブリと化したヘリオポリスの残骸が漂う宇宙で漸く目的のジンを見つけ出す。

 自分がウルトラマンの状態で実体化したままであることなど知ったことかと、急いで外に出てジンのコックピットハッチを開くと幸いにもミゲルはまだ生存していた。しかし、爆発と放り出された時の衝撃で壊れたであろう内部の破片の一つが脇腹に刺さっており、そこから流血している状態。

 このままでは危険だと判断したゼットは応急処置として破片を手早く抜き、苦手ながらもリカバリーオーラを当てる。

 

 

「しっかりしろ、ミゲル!」

 

「お……お前、ウルトラマンゼットか……?」

 

「ああそうだ!すぐに医者のとこに連れて行ってやるからな!頑張れよ!」

 

「こんな御時世だから何が起きても驚かないつもりだったが……ぱっと見でナチュラルやコーディネイターではない奴など初めてだ」

 

「お前達にとって俺らウルトラマンは宇宙人だろうしな!喋って力むと傷口開くから休んでろ!俺回復系の技ヘタクソなんだ!」

 

 

 ゼットはミゲルに肩を貸しつつ再びコックピットに戻り、万が一にとしのぶが持たせてくれていた救急セットでもう一度応急処置を済ませてシートの後方へ座らせ、あまり速度を出さず衝撃を少なくするためウェイブライダーをZガンダムに変形。デブリを退かしつつアークエンジェルへと帰還する。

 

 

 

 

 

 一方、先程救命ボートを抱えてアークエンジェルへと先に帰還したダブルオークアンタ、ガンダムX、ゼルガード、そしてストライクだが……案の定救命ボートの処遇で揉めていた。

 

 

『だから何度も言っているだろう!本艦にそんな余裕はない!』

 

「でも、推進装置が壊れてるんです!」

 

『じきに軍の救命艇が来る!』

 

「それは確実なものなのかしら?」

 

『何?』

 

「ここまで崩壊しきった状態のコロニーを、果たして今の連合が救助活動しにくるかということよ。仮に来るとして、そもそもヘリオポリス崩壊の報が軍に通達されるまで一体どのくらいかかるのかしら?フラガ大尉とやらの話では彼が乗ってきた艦は撃沈、ヘリオポリス宙域全土で残っている連合の士官達は全員アークエンジェルに乗艦済み……そんな状況で連合の他の隊へどうやって情報を伝えるというの?」

 

 

 相変わらずズバズバものを言う沙耶である。しかし、実際彼女の言う通りだ。それに通達されたとして、このヘリオポリスの状態を見たら早々に捜索や調査を切り上げて撤収しないとも限らない。アークエンジェルや、ストライクを始めとするG兵器は連合でもトップシークレット扱いのため知っている者が僅かであり、それを知らぬ者が捜索・調査部隊として派遣された場合、単に『中立国のコロニーがプラント側の理不尽な攻撃で破壊された』としか思わない可能性がある。

 つまり、救命ボートを見落としてしまうかもしれないというわけだ。

 

 

「……まあいいわ。確かに民間人をおいそれと軍艦に乗せるわけにはいかないわよね」

 

 

 沙耶のこの言葉に通信していたナタルは「漸く分かったか」と言わんばかりの溜息を吐く……が、マリューとムウは沙耶がどんな人物なのか多少なりとも理解していたようで、少し考えると「しまった」的な表情になる。

 

 

「じゃあ『連合は中立国オーブに属するコロニー、ヘリオポリスで兵器開発を行い、ザフトと戦闘してヘリオポリス崩壊の原因を作り、あまつさえそこで暮らしていた者達の乗っている故障した救命ボートを見殺しにした』と正直に話させてもらうわ。幸い証人に事欠かないし、何よりその艦にはオーブの特務大使もいる。それが世の中に大々的に公表されたら連合プラス貴女達の印象は最悪になるわね」

 

 

 月神沙耶、鬼である。ナタルは金魚のように口をパクパクさせているし、マリュー・ラミアス以下アークエンジェルのクルーは真っ青だ。ちなみに格納庫にいたはずのレジェンドはこの沙耶の通信を盗み聞き(というか単なる地獄耳)しつつ三日月らとUNOに興じていた。

 

 

 

 

 

「レジェンド様、沙耶さんって朱乃みたいなS?」

 

「そうでもないとは思うが、あいつ色々知識あるから理論攻めしてくるんだよな。変なことしなければ攻撃しないから、どちらかというと逆襲してくるタイプだ。結婚して嫁イビリされようものなら相手は悲惨な末路にしかならんだろう」

 

「レジェンド、それは冗談に聞こえないぞ」

 

「あの姉ちゃん肝座りすぎじゃね?」

 

 

 この状況でUNO出来るタイタスやフーマも肝座ってると思うのだが。そして例えがアレというか……何にせよ、これで駄目なら救命ボートはペガサスAに収容すればいい。

 そうしていると続けてゼットからも通信が。

 

 

『こちらウルトラマンゼット!要救助者一名を収容中!至急治療の必要があるので搬入許可を!』

 

「……一名?」

 

「あれじゃないかな、俺がボコボコにしたザクっぽいのに乗ってた人とか」

 

「いやいやまさかそんな――」

 

『名前はミゲル・アイマン!ザフト所属の兵士!』

 

「うっわーお……」

 

「多分当たりかな。もしかしたらそれの知り合いかも」

 

「三日月さん、怪我人をそれ呼ばわりしてはいけません!」

 

「あ、ロスヴァイセさん復活したんだ」

 

 

 レジェンド達は「これまた一悶着あるな」と思うも、何とかなるだろと再びUNOをやり始めた。どんだけ好きなんだ。ついでに三日月からあまり気に留められていなかったロスヴァイセはさめざめと泣き出した。しっかりとレジェンドに抱きつきながら。

 

 

「ロスヴァイセさん離れましょうね〜」

 

「他の人が見たら嫉妬しちゃうかも……私もそうだから」

 

 

 落ち着いているしのぶとアズだったが、ロスヴァイセをレジェンドから引き剥がす腕力は尋常ではなかった。特にしのぶはその腕力で何故鬼が斬れなかったのかと疑問になるくらいに。

 

 

 

 

 

『なっ……!?ふざけるな!ザフトの兵を収容するのは許可出来ない!』

 

「ふざけてんのはどっちだ!別にコイツは危険人物でも何でもない!何より怪我人にザフトも連合も関係あるかってんだよ!」

 

『民間人ならともかくザフトはプラントの軍、つまり軍人だ!安易に収容すれば何かあった際に情報漏洩の危険もある!』

 

「だったら俺が監視役をする!なら文句無いだろ!」

 

『そういう問題ではない!』

 

 

 やはりというか言い合いになるゼットとナタルだが、二人とも気付いていないのだろうか。ゼットは別に構わないだろうが、言い合いになればなるほど沙耶が交渉する上で有利な材料を得て、反対に連合側の旗色が悪くなることに。

 

 

「……怪我人、それも重傷者を救助者諸共見殺しにする、も追加ね」

 

『『『!!』』』

 

「え、沙耶ちゃん俺殺されんの?超師匠に?」

 

「先生なら殴りかからない限りそんなことしないし大丈夫よ。しかし困ったわね、ここまで融通が利かないなんて。仕方ないわ、私達は別行動しましょう。ストライクも含めて、ね?」

 

「あ、はい」

 

 

 キラまで沙耶の発案にあまり悩まず返事をした。トール達はどうするのかと思われるだろうが、実は出撃直前にコックピットへダイゴ(を経由したRENA)から「君の友人達は任せて」とメッセージが送られてきている上、しかも彼らまで了承済み。ついでに今残っているレジェンド達は自力で脱出出来るだけの実力もある……と、キラが無理してアークエンジェルまで戻る必要もないのだ。

 とはいえストライクのことが問題になることも想定済みである。

 

 

『ちょっと待て!ストライクは――』

 

「貴方達地球連合軍か開発したものかもしれないけど、ヘリオポリスにおけるザフトとの戦闘は、この機体やその戦艦をあそこで開発していた連合側が発端であり、かつ戦闘の結果ヘリオポリスが崩壊したことによる賠償金代わりとして、このままオーブに引き渡します。乗っているのも避難民だし文句はないわね?」

 

『『『なっ……』』』

 

 

 賠償金代わりにしては少な過ぎる気もするけど、と沙耶は付け足し、マリュー、ムウ、ナタルの顔はもはや真っ青通り越して土気色。元々月の女王であり政治や交渉事はお手の物だった沙耶に死角はなかった。本来ならば今の沙耶自身は言っているような権限は無いのだが、オーブの特務大使たるダイゴがウルトラ騎空団所属であり、そのウルトラ騎空団の団長がレジェンド。そして二人がそれぞれオーブ五大氏族の令状を持っていることが重なって今回のようなことが言えたのである。一応、有事に備えてレジェンドとある程度打ち合わせはしておいたが、殆ど彼女のアドリブだ。

 

 なおキラとしては救命ボートを救助出来て友人達のことも問題無く、そして自分も良い方に転ぶため沙耶の判断を批難する気などサラサラ無い。彼が沙耶を見る目は既に『マジでデキる上司or姉』レベル。

 ちなみにこれはダイゴの多目的ブレスレットでトール達にも伝わっており、ミリアリアなど「沙耶お姉様」などと呼び出す始末。何故にレジェンドと直接的に関わり合いのある人物は何かと人誑しなのか。サーガに始まる光神やウルトラマン然り。

 

 

『……仕方ないわ。双方許可します。ザフト兵に関しては先の条件を守って頂戴』

 

「マジでございますか!?モチのロンであります!」

 

「あら?嫌嫌やらなくても構わないわよ。こっちには伝手があるし」

 

『こちらの態度はお詫びします。しかし、ストライクはヘリオポリスで戦死した者達のためにも、必ず本隊に届けなければならないのです』

 

『艦長!?』

 

『バジルール少尉、こんなところで時間を食うわけにもいかないわ。この艦と交戦したのがクルーゼ隊ならまだこの宙域にいるはず。今言ったばかりだけど、私達は残されたストライクとアークエンジェルを何としても本隊に届けなければならないのよ』

 

 

 マリューの言葉にナタルは反論出来ない。同じくブリッジにいたムウや他のクルーも同様だ。沙耶の方も今回は納得したらしく、一先ず問題は収束した。

 

 

 

 

 一仕事終えて帰ってきたゼット達が見た光景は、王様ゲームしているレジェンド達。しかもフーマが言った番号プラス命令が『正面から抱きつくこと』だったため、その番号だったアズがレジェンドに抱きついている状態……つまり、アマリとルリアの目撃はレジェンドにとって修羅場。

 

 

「あー!アズさんズルいです!」

 

「え、あ……これは、その……」

 

「レジェンドさん、ちょっと燃えようか」

 

「アマリちゃん落ち着こう。似たような状況になって『お兄ちゃん、ちょっと頭を冷やそうか』なんて言われたことあるけどそれより明らかに物騒だからね。あっちは収束砲ぶっ放してきたけど」

 

「いやそっちのが物騒です超師匠」

 

 

 膨れるルリアとあたふたするアズはいい、しかしアマリは三日月すら青褪めるほど怖かった。一誠やタイガは抱き合って部屋の隅で震えているし、しのぶは笑顔で拳の素振り、ロスヴァイセは対抗策を模索中。リアスが一誠とタイガを慰め、元凶のフーマは狸寝入りでタイタスはと言うと一人筋トレ。

 

 

「相変わらず先輩の周りは賑やかだな」

 

「……女性ばかりなのはどうかと思うけど」

 

 

 ちょっぴりジェラシーしてる、アヤベさんのそっくりさんな沙耶。だが彼女はまだ分別のある方だったりする。とある世界の母港、レジェンドが指揮官を務めるそこではヤベーやつだらけだし。

 

 

「それはそれとしてそいつがミゲル・アイマンか」

 

「っとそうだった!超師匠、しのぶちゃん!コイツの治療お願いしてもよかですか!?」

 

「構いませんよ。応急処置は……してありますね」

 

「赤いのの隣に寝かせるか。いや〜あってよかった圧縮空間技術」

 

 

 そう言って二人はサーガと沙耶が助けた赤いパイロットスーツの少年の隣にミゲルを寝かせ、レジェンドが処置したあとにしのぶが後処理を行うことで一先ずは治療完了。これを聞いてゼットも漸く肩の荷が下りた。

 

 

「ダイゴはまだあっちか」

 

「みたいだね」

 

 

 あっち、とはキラ達がいる避難民居住区。助けた救命ボートの中に彼の友人の婚約者であるフレイ・アルスターがいたということだが、キラはテキパキと行動・案内してダイゴとの会話に入ったらしい。

 

 

「こりゃグランと取り合いになるかな、あいつ。お兄さん役は大変だ」

 

「先輩は父親役だからな」

 

「娘が嫁に行くとき大変になるね」

 

「やかましーわバカ息子ども」

 

 

 ちょっと前の修羅場空気はどこへやら、彼らの部屋は穏やかな空気と笑いに包まれた。

 

 ちなみにこの後、ムウがキラにストライクの整備云々言いに来たらしいが、一緒にいたダイゴが「じゃあ貴方も工具持ちましょうか。キラ君、君の方は僕も手伝うよ」とムウにずっしり重い工具箱を無理矢理持たせ、ダイゴとキラはにこやかに話しながら格納庫まで必要な分を二人で分けて持っていったそうな。

 

 

「俺、この艦に乗ってから貧乏クジ引きまくってる気がするんだけどなぁ……」

 

 

 この程度、貧乏クジ引きの先輩であるレジェンドには到底及ばぬことを彼はまだ知らない。

 

 

 

 

 一方、ヴェサリウスでは――

 

 

「ではあのストライクと呼ばれる新型、それに君の友人が乗っている可能性があると?」

 

「はい……確証はありませんが」

 

「そうは言うけどな、生憎と既にうちには損失が出てるんだ。特にラスティ・マッケンジーとミゲル・アイマンのMIA、これらにあの新造艦が関わってるとなったらとてもじゃないがそんなこと気にしてる余裕はないぜ」

 

「それはっ……」

 

 

 クルーゼによって前回の出撃の件を問い質されていたアスラン。ベリアルが現状を説明するとさすがにアスランも黙るしかない。暫し考えるような素振りを見せるクルーゼだが、小さく頷くとアスランに向き直る。

 

 

「仮に君の言う通り友人がストライクに乗っていたとして、どうするつもりだ?」

 

「あいつを……キラを説得します。あいつはコーディネイターなんだ、きっと優秀なのを連合に利用されているだけなんです!」

 

「まあ、今回の連合のやり口を考えたら無くもないよなぁ」

 

 

 ベリアルも顎に手を当ててアスランの言い分に理解を示す。それを聞き、クルーゼはアスランへと指示を出した。

 

 

「よし、ではストライクの件は君に任せるとしよう。私としても友人同士戦わせるのは忍びない」

 

「隊長……!」

 

「ラウさんが言うなら俺は反対しないが……もし、キミの言葉でもその友人とやらが首を縦に振らなかったりしたときはどうするんだい?」

 

「その時は……私が撃ちます」

 

 

 強く握り拳を作りながら、絞り出すようにアスランは決意を口にした。それを見たベリアルは満足気に笑みを浮かべる。

 

 

「オーケー、アスラン。どうやらキミの覚悟は本物のようだ。疑って悪かった。そのお詫びといっちゃ何だが、次の出撃は俺が露払いを務めよう」

 

「なっ!?ベリアル参謀自ら!?」

 

「ラウさんも一度出撃したわけだし、俺もシャホールの調子を見ておきたいんでね。な〜に、退き際ぐらい弁えてるよ」

 

 

 軽く言うベリアルだが、シミュレーター上ではアスラン以下クルーゼ隊の面々にはクルーゼを除き全勝していることから、その実力は折り紙付き。

 

 

「さてと……ラウさん、アスラン。仕掛けるなら早い方がいいぜ。あの部隊もじきにこっちに到着する。そうなったら説得前にストライク、落とされちまうかもしれないからな」

 

「あの部隊……まさか!」

 

「やはりその二つ名の通り早いな。ヘリオポリス崩壊から然程時間が経っていないのにもう察知したとは。ならば……そうだな。このヴェサリウスとガモフで挟み撃ちにしよう。あちらに搭載した残り三機も投入する。連中はおそらくアルテミスへと進路を向けるだろう。あそこの防御は酷く厄介だ……その前に叩く」

 

 

 相手が相手だけに出し惜しみは出来ない、そう考えたクルーゼは今出来る布陣を即座に組み上げる。隊長と参謀から激励を受けたアスランは敬礼をした後に退室し、格納庫へと向かう。

 

 

「しかし説得ねえ……あんまし期待出来ないな。ラウさんはどう思う?」

 

「私も同じ意見だよ、ベリアル。しかし君が出撃すると自分から言うとは」

 

「何となく感じてね。あの機体が出てきたなら、あの世界の特異点も出てくるんじゃないかってさ。どれくらい成長したか少し遊んでやろうと思ったんだよ。それから連中、策を突破するとしたらこのヴェサリウスの方を狙ってくるんじゃないかな。前門の虎、後門の狼なら迷わず突っ込んで来ると思うぜ。例として言うなら……あのメビウス・ゼロとやらで艦底から奇襲とかな」

 

「ほう……さすが『狡知』と呼ばれるだけあって鋭い読みだ」

 

「お褒めに預かり光栄。で、どうする?」

 

「ふむ……そのままアルテミスへ行かせ、内輪もめしてるうちに漁夫の利を狙っても良いが……少々ムウにも絶望を味わってほしくてね。あの部隊にも噛んでもらうとしよう」

 

 

 破滅を望む二人は隊長室で静かにほくそ笑んだ。

 

 

 

 

 アークエンジェルのブリッジではマリュー、ムウ、ナタルの三人が今後の進路について話し合っていた。

 

 

「さて、これからのことなんだけど……目的は第八艦隊との合流とはいえ、このまま無事に済むとは思えないわ」

 

「艦長、私はアルテミスへの寄港を提案します」

 

「ユーラシアの軍事要塞、『傘』のアルテミスか……しかし受け入れてくれるかね?この艦もストライクも、連合じゃトップシークレット扱いだろ。ザフトの艦と間違えられて後ろからズドン!とかはゴメンだぜ」

 

「ですが、ここから本艦の進路上で補給可能な場所はそこしかありません」

 

 

 一枚岩ではないのは承知の上だが、連合は個人の派閥以上に件のユーラシア連邦や大西洋連邦など組織内であまり融和でない場合が多い。国の連合という形式上仕方ないことかもしれないとはいえ、これはプラント側より問題だ。

 

 そんな時、ブリッジに入るわけにはいかないと思っているのか、ブリッジへの扉の向こう側からレジェンドが声をかけた。

 

 

「おーい、ちょっといいかー?」

 

「え?」

 

「ああ、団長さんか。別にいいんじゃないの?ブリッジに入れてもさ」

 

「フラガ大尉!部外者をブリッジに入れるのは――」

 

「そうは言うけどな、既に彼のところの団員が二度も助けてくれてるんだ。部外者ってのは筋違いだろ。それにこれは俺の勘だが……あの団長さん、相当修羅場をくぐってるぜ。団員と和気藹々しちゃいるが、常に周りを見てる。ああいうタイプの意見は割と貴重だと思うぞ、俺は」

 

 

 いつもの口調ではあるが、説得力のある言葉でナタルを諌めるムウとそれに黙るナタル。それを不本意とはいえ納得と見たのか、マリューはレジェンドにブリッジへ入ってもらうことにし、大まかな進路を告げた。

 

 

「――というわけで、私達は一先ずアルテミスへ向かおうと考えてるの」

 

「んで、ここで一つ歴戦の猛者の風格があるウルトラ騎空団団長さんの意見を聞きたくてね」

 

「アルテミス、か。位置的には戦略的価値が殆ど無い。故に狙われ難く補給にはもってこいか。となると問題は今追ってきてるというクルーゼ隊という連中だな」

 

 

 やっぱりそっちに目が行くか、とムウは呼んで正解だったと軽く息を吐きつつ頬を緩める。

 

 

「ちょっと前に参謀だかが新たに配属されたらしくてな。こいつが曲者で敵対した部隊は毎々やられてるって話だ」

 

「そのクルーゼとやらも結構な指揮官のようだがな。その参謀の名前か何かは聞いたことがあるか?姿は見たことがなくともそこまでの戦果を上げてるなら名前の一つぐらいは広まってるものだと思うが」

 

「まあな。姿とファミリーネームは不明だが、名前だけは分かってる。ベリアルとかいう奴だ」

 

「……何だと?」

 

 

 レジェンドが違う反応を見せたことに三人は驚く。これは何かある、と多少突っ込んでマリューが聞いてみることにした。

 

 

「その名前に心当たりが?」

 

「ああ、人名なら三つある。一つは家名だがまずザフトにいることはありえん、すぐさま除外だ。二つ目は俺の弟子がその名だが、あいつは別の場所で総司令をやっている。これも除外」

 

 

 一つ目の家名……即ち一誠やリアス達の世界において冥界の上級悪魔の一門。一応、異世界転移・転生的なことがあればそうなる可能性はあるが、この世界情勢で悪魔が一人生きていけるかと言われれば否だ。

 二つ目は当然、銀河遊撃隊総司令官のベリアル。基本的にガーディアンベースにいるので、それがこの世界にない以上こちらに来ていないのはすぐに分かる。

 総司令が弟子ってこの人何なの?と三人は本気で冷や汗を流し始めたが、ナタルが尋ねた。

 

 

「では、最後の三つ目は何だ?」

 

「考えたくないが、これが一番当たっているかもしれん。俺達ウルトラ騎空団と明確に敵対している奴の名もベリアルだ。しかも一番タチが悪い」

 

 

 レジェンドは腕組みしながら目を伏せた。一番タチが悪い、と言うからには余程因縁があるようだが、そこには触れずムウが聞く。

 

 

「そんな奴がクルーゼと組んだってのか」

 

「恐らくな。あの歩く十八禁は何をしでかすか分かったもんじゃない。ロクでもないというのはブレんのだが」

 

「あ……歩く十八禁……?」

 

「戦闘中に『俺と姦淫しないか?』とか『達する達する』とか言う奴だぞ、あいつ」

 

 

 マリューとナタルが一瞬で真っ赤になったのは言うまでもない。ムウはちょっと話してみたいとか思ったが、それを察した二人に若干蔑みの視線を向けられお手上げポーズ。

 

 

「何にせよ、そいつが敵にいるとしたら厄介だ。あいつは無駄に口が上手く頭も回る。クルーゼって奴の能力も鑑みて、相手の戦力は数値以上と考えたほうがいいだろう。バカ正直に進むのは勿論、ちょっとした奇襲でもすぐバレる。奴自身が奇襲や不意打ちを好き好んでやるからな」

 

「そんな……」

 

「一つ尋ねるが、この艦は高速艦に分類されるのか?」

 

「ええ……しかし、相手にも高速艦のナスカ級がいるわ」

 

「速度的にはどっこいどっこいか。武装の威力はこっちのが上だとは思うが、戦艦であることと形状的に360度対応出来るわけではない……ベストはデコイを放ちつつデブリ帯を最大船速で突っ切ることだが、これには操舵士の技量が相当なものでなければならんし、おまけにそこを攻撃された場合に捌けるだけの戦力も必要だ。しかも最大船速で航行するこの艦に追随しつつそれが出来るだけの機体でな」

 

 

 ぶっちゃけ、後者はどうにでもなる。サーガのダブルオークアンタやロスヴァイセのライン・ヴァイスリッターなど対応可能な機体は事欠かない。ロスヴァイセはデブリ帯であの機動力を制御することに少しばかり不安があるのだが。

 

 

「無難な方法はやはり可能な限り見つからないよう、デコイに引き付けつつ静かにやり過ごしながら安全圏まで抜けた後、一気に速度を上げてアルテミスに急行、これしかない。正直相手が相手だけにバレるのは時間の問題だろうが、迎撃準備の時間ぐらいは稼げるだろ」

 

「やはり攻撃されるのを前提として考える必要があるのね……」

 

「クルーゼならそうするだろうさ。とはいえ良い意見が聞けたぜ、団長さん。無粋というか図々しいのは承知の上だが、ここまで言ってくれるってことは戦力としてアテにしてもいいのかい?」

 

「うちのダイゴがキラをやたらと気にかけてる以上、複数の意味であいつの上司である俺がそれをほっぽり出すわけにもいかんだろう。あいつの出撃如何は指示出来んが、他のメンバーなら多少の融通は利かせられる。時と場合によっては俺も出るからな」

 

 

 この言葉でマリューやムウは大分気が楽になった。ナタルはまだ納得していない感じだが、艦長であるマリューが決めたことなら仕方ないと了承。予定通りユーラシア連邦の軍事要塞・アルテミスへとアークエンジェルは進路を向ける。

 

 デコイを出した後、特装砲と呼ばれる陽電子破城砲・ローエングリンをデブリ帯へ発射し、あたかも進路上のデブリを破壊し突き進むかのように見せかける。それによってデコイの方へとザフトを誘き寄せ、そのスキにある程度距離を稼ぐ……これが当面の戦力で考えた作戦だ。

 ウルトラ騎空団に頼り切りでは、いざというときに満足に戦えないなどと情けないことになるかもしれない、故にまず自分達で出来ることをやろうとマリュー達は決意したのである。

 

 

「さてと、アルテミスまでのサイレントランニング……何事もなく無事に済めばいいけどな」

 

(……例のクルーゼとやらやベリアルとは違う別のプレッシャーらしきものが接近している。似たような感覚を何処かで……)

 

 

 ムウの言葉を聞き流しつつ、レジェンドは迫りくる『何か』を感じ取っていた。同時に彼程ではないが、ウルトラ騎空団のうち数名もそれを察知する。

 

 特にゼットにとってはよく知るモノだった。

 

 

 

 

「高熱源反応確認!この位置は……デブリ帯です!」

 

「どう見る?ベリアル」

 

「確実にデコイも交えた囮だね。よく考えられてるし俺やラウさんじゃなきゃ通用したかもな」

 

「やはりな……予定の変更はない。『足つき』をヴェサリウスとガモフで挟撃する。MS各機は出撃用意!」

 

 

 やはりクルーゼとベリアルには看破されていた。クルーゼの指示により、キラの説得に燃えるアスランのイージスを始めとしたMSが発進準備を開始し、同じ頃ガモフでも奪取されたデュエル、バスター、ブリッツが発進準備に入る。

 

 

「作戦時間はそう長くは取れん。既にザフト最精鋭部隊がこちらに向かってきているのでな。あちらが間に合えば我々はお役御免になるやもしれん、諸君らの健闘に期待する」

 

「最精鋭部隊……あの!?」

 

「ちょっとばかし騒ぎすぎたみたいでね、異名も変えた方がいいんじゃないかと思うほどの迅速さだよ」

 

 

 ざわめくヴェサリウスクルー……否、クルーゼ隊の面々。彼らがこれ程までに驚く部隊とは何なのか。

 

 驚きを隠せぬまま、遂にヴェサリウスとガモフからMSが発進する。

 

 

 

 

 だが、アークエンジェルにもレジェンドという百戦錬磨の団長がいる。元々目が良い彼は遥か前方に構え、MSを発進させていくヴェサリウスがハッキリ視えていた。

 

 

「案の定バレたか。予想よりも早かったがこれも想定内だ。艦長、機動部隊発進後に正面突破を仕掛けるぞ。モタモタしていると前後から集中砲火を浴びることになる。多少のリスクは覚悟して突っ切った方がいい」

 

「それしかなさそうね……大尉のゼロは?」

 

「ハンガーからどうにか出られるようになったと報告を受けています」

 

「あとはうちのメンバーか……」

 

 

 少し考えた後、レジェンドは出撃メンバーを決め居住区にいるサーガ達に通信を繋げる。

 

 

「サーガ、全員揃ってるか?」

 

『先輩、先程キラが呼ばれて行ったみたいだが……』

 

「また一戦交えるぞ。今から出撃メンバーを言うからそいつらを格納庫へ向かわせろ。相手が相手だけに今回は俺の出撃も視野に入れる」

 

『……!分かった、それで今回の出撃は誰を?』

 

「一誠、リアス、タイガ。それからゼットを三人のフォローに。サーガもいつでも出れるようにしておけ。そして、最後にロスヴァイセもだ」

 

 

 ゼットからは「了解!」と元気な声が聞こえてきたが、他の四人はビクッとしたようだ。とはいえ、ロスヴァイセは一瞬だったらしくそれからすぐ「わ、分かりました!」という返事が返ってくる。

 

 やはり問題はオカルト研究部の三人。

 

 

「今更何を緊張してるのか分からんが、C.E.(ここ)には遊びに来たわけじゃない。はぐれ悪魔や怪獣、宇宙人なら命を奪っても良い、人間は駄目などという偏った考えは今すぐ捨てろ。俺は言ったはずだ、命は等しく命だとな」

 

 

 マリュー達ははぐれ悪魔や怪獣という単語に?マークを飛ばすが、レジェンドはそれもいずれバレるというか話さねばならないだろうと気にするのをやめている。

 それに彼が一誠やリアス、タイガに厳しい言葉をぶつけるのは将来の彼らの立場を考えてのこと。特にリアスはグレモリー家の当主になる以上、命に優劣をつけるような真似をすれば、それこそマジンガーZEROによって粛清された悪魔達の二の舞になるかもしれない。

 

 

『……分かったわ。逃げてばかりじゃ、私達は何も出来ない』

 

『俺も行きます!まだ、気持ちに整理ついてないけど……』

 

『俺だってついてないさ。けど、俺達は先に進まなきゃいけないんだ』

 

 

 三人はそう言うと居住区から出て格納庫へ向かい、その遠ざかっていく足音をレジェンドは通信機器から聞いていた。時を同じくして、ブリッジにキラの友人達が連合の制服を来て入ってくる。

 

 

「あ、団長さん!」

 

「ん?お前達、何でここに来たんだ」

 

「志願したんです。キラばっかり戦わせて、俺達は何が出来るんだろうって考えたら、これしかなくて」

 

「……戦艦は艦の性能のみならず、ブリッジクルーや整備班など艦内人員の充実具合で戦力が決まると言ってもいい。このアークエンジェルは慢性的な人員不足のようだし、やる気があるならそれに越したことはない。俺も今はアドバイザー的な立ち位置だからここにいるが、本来は全く違うからな……彼らの勇気、大切にしろよ。ラミアス艦長」

 

「ええ。無理矢理同行させておいて、更にこんなことをさせるのも何だけど……ありがとう」

 

 

 第一印象は良いものではなかったが、彼女の本質に触れたトール達はマリューからの礼に少しばかり頬を緩ませた。だがこのままでいてはいけないとナタルから指示を飛ばされ、急いで彼らは言われた席に着く。

 彼らもまた、一誠達同様に本当の意味で戦争に関わっていくのだった。

 

 

 

 

 

 例によって一誠達が各々の機動兵器を出すことと、タイガの姿を見たマードック達がビビったのは当然だが、今回はリアスの機体を見て目を見開いた。

 リバウはその形状、というより頭部のモノアイがザフトの機体に似ているため一瞬ザフトのものかと思ってしまったのだ。しかし、サイズが違うためそうではないとすぐに認識を改める。

 程なくしてキラとムウも到着、キラは気にしなかったがムウの方はやはりリバウに反応した。

 

 

「うおっと!?……悪い、てっきりザフトのあいつかと思っちまった」

 

「あいつ?」

 

「ザフトの今のトップエースだよ。俺も直接やりあったことはないが、とんでもない凄腕って話だ。さ、雑談はここまでにして出撃準備するぞ。ゼットだっけか、お前さんは問題ないだろうが、キラやそっちの……いや何かゼットみたいのがいるけど……三人は生き残る事だけ考えろ」

 

「了解!」

 

「「「「はい!」」」」

 

「よし!連中に見せてやろうじゃないの、俺達が黙ってやられるわけがないってな!」

 

 

 初見ではデリカシーがないとか軽そうとか思ったものの、いざというときは頼りになる兄貴分……ムウの評価が一誠達の中で上がった瞬間である。

 奇襲は読まれているかもしれない……しかし、やってみなければわからないこともある、とレジェンドはムウともう一人に作戦を告げていた。そのために、彼は真っ先に出撃し先行する必要があるので、いち早く愛機のコックピットに座る。

 他の者も各々の機体のコックピットで出撃の時を待つ――と、ブリッジから通信が入ってきた。

 

 

『ヤッホー、キラ!』

 

「ミリィ!?」

 

『これからは私がMSやMAの管制官を務めます。よろしくね♪』

 

『よろしくお願いします、だろ』

 

 

 上官となるクルーから訂正され、怒られちゃったと軽く舌を出すミリアリアにキラも笑みが溢れる。程よく緊張も解れたところで、早速彼女は一仕事だ。

 

 

『それでは……進路クリア!メビウス発進、どうぞ!』

 

「ムウ・ラ・フラガ、出る!戻ってくるまで墜ちるなよ!」

 

 

 修復を終えたメビウス・ゼロが虚空へと飛び立っていく。続いてカタパルトに乗せられたのはウェイブライダー。ミゲル救助後、デブリをどかした後に再度変形し帰還したため、まだMS形態に戻っていなかったのだが……ゼットにしてみればどちらでも問題ない。

 

 

「よっしゃ!頼んますよ、ミリアリアちゃん!あ、この形態の時はウェイブライダーでよろしく!」

 

『ふふっ、宇宙人っていうよりお隣さんみたい。では、進路クリア!ウェイブライダー発進、どうぞ!』

 

「ウルトラマンゼット!ウェイブライダー、行くぜ!」

 

 

 ビームライフルだけでなく、ハイパー・メガ・ランチャーも装備した状態で、ウェイブライダーは発艦する。その後はいよいよリアスのリバウ。ゼットとタイガを除き全員がパイロットスーツに着替えており、リアスは『袖付き』のノーマルスーツ……敬愛するマリーダと同じタイプの色違い。

 

 

「ふう……いよいよね」

 

『あの、大丈夫ですか?』

 

「心配してくれてありがとう。私も貴女達と同じで初めてだから、必要以上に気を張り詰めちゃってたみたい。管制、頼むわよ」

 

『はい!進路クリア!リバウ発進、どうぞ!』

 

「リアス・グレモリー!リバウ、出るわよ!」

 

 

 カタパルトによって射出され、彼女のイメージと合った機体色のリバウが宇宙に飛び出した。彼女のあとを追うのは一誠の量産型ゲシュペンストMk-Ⅱ改と、タイガのゲシュペンストMk-Ⅱ・タイプS。今回は連携のため、一誠は敢えて汎用性重視のタイプNを選択。なお、一誠のパイロットスーツはスパロボOGにおける鬼教官らが着ているものと同じだがやはりというか、色が赤を基調としたものになっている。

 

 

「俺達も遂に実戦か……」

 

「ここまで来たらやるしかないぜ、タイガ。タイタスとフーマは留守番……って、ゼットさんと同じである程度までしか俺達は離れられないから、必然的に組んで戦闘になるんだよな。この戦艦からも離れられないし、深追いは無しだ」

 

「何だかんだ言って結構落ち着いてるな、イッセー」

 

「んなことねーよ、マジで心臓バクバクだって」

 

『二人共、ちょっといいですか?』

 

「「ん?何?」」

 

『えーっと……どっちもゲシュペンストって機体みたいですけど、量産型とかタイプワイルドとか色々あって、なんて呼べばいいかなって』

 

「ああ、別にどっちもゲシュペンストで構わね……いやちょい待ち!タイプワイルド!?」

 

「いや違うから!タイプNとタイプS!タイプワイルドはレジェンドとかの方だと思う!何でか分からないけど!」

 

 

 彼らだけでなく、何故かミリアリアの脳内にもレジェンドが見覚えのある電気ネズミと草原を走っている映像が流れ出し、ミリアリアに至っては「皆もポケモンゲットで、だいじょーぶ!」などという声まで聞こえてくる始末。ミリアリアはぶんぶんと頭を振り、気を取り直して管制を行う。

 

 

『でっ……では!進路クリア!ゲシュペンスト各機、発進どうぞっ!』

 

「っと!兵藤一誠!ゲシュペンスト、出るぜ!」

 

「同じくウルトラマンタイガ!ゲシュペンスト、出るぞ!」

 

 

 赤と青、二機のゲシュペンストがリバウを追って宇宙へと飛び出す。残るはキラが乗るストライク……高機動戦闘用のエールストライカーパックを装備したエールストライクガンダム。

 

 

『キラ、無理しないでね』

 

「うん。ありがとう、ミリィ」

 

『それでは……進路クリア!ストライク発進、どうぞ!』

 

 

 キラは改めて、ディスプレイに映った単語の頭文字をとったものであり、自身を後押ししてくれたゼットや沙耶が乗る機体と同じ名を口にする。本当の意味で彼らと並べるように――決意を込めて。

 

 

「キラ・ヤマト!ガンダム、行きます!」

 

 

 

〈続く〉




沙耶ちゃん強し。彼女、ガンダムXの他にソレイユとか乗っても違和感無いなコレ。
というかキラ、勇治や流はともかくペガサスAにはちっこいエースキラー、アリゲラ、エレキングがいるんだが大丈夫なのだろうか。

ゼット、無事ミゲルを救助!ついでにラスティも助かった!……代わりにレジェンドが例によって修羅場になったけど。

後半は割とシリアスだったのに、それを一時的にブッ壊したのはまさかのミリアリア。スーパーマサラ人とその相棒よりヤバさの次元が違うレジェンドとそのパートナーポケモンのピカチュウ。タイプワイルドどころかオーマとかそういうレベル……あれ?今のメインガンダムだよね?

ムウと共にレジェンドから作戦を伝えられたのは誰か?クルーゼ達も警戒する部隊とは?(別にその部隊、全員人格が崩壊してるとかじゃないのでご安心下さい)


それではまた次回。

二択決定戦! シン一人乗りする最終ゲッターはどちらだ!?

  • 真ゲッタードラゴン(大決戦版)
  • 真・ゲッター1(スパロボα仕様)
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