ウルトラマンレジェンド Episode.CROSSOVER   作:ハジケハムスター・ポッポ

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お待たせしました。

まず言えることは『TAKE ME HIGHER』をご準備下さい。バリバリ彼が今回の主役です、多分。

そしてちょこっとだけゲスト参戦。既に大分前に出てたんですけどね。真面目枠で。


それでは本編をどうぞ。


来たりし厄災

 ――ほんの少し前のペガサスA――

 

 

「……まずいな」

 

「どうしたんです、勇治さん。……まさか!『実は俺、本当は月影じゃなくて木場って姓なんだ』とバラそうとしてたけどタイミングを逃し――」

 

「誰が馬の怪人だっ!!」

 

 

 アークエンジェルから少し離れた位置で、相変わらずステルス機能を存分に発揮し同行しているその戦艦。これまた勇治のツッコミが冴え渡るブリッジには彼と彼の所有怪獣、そして流が勢揃い……というよりこのメンバーしか乗艦していないが。あとは戦艦(元宇宙船)AIのシエル。

 それはともかく、勇治は神妙な面持ちでレーダーと何やらにらめっこしている。同時にデータベースらしきものも開いており、何かを照らし合わせているようだ。

 

 

「真面目な話、何か緊急事態ですか?」

 

「ああ、割と信じたくないことだ」

 

「……懲りずにバド星人がやらかしたとか」

 

「だったら全然良か……いや良くはないが、俄然マシだった。よりによってその予想は悪い方向に外れている」

 

 

 勇治が調べていたそれを流に見せると、キョトンとした顔のままそれを覗いてみた流は瞬時に真面目な表情になった。

 

 ――怪獣兵器スコーピス――

 

 レジェンドに更新してもらったデータベースに載っていたその情報は、これからの戦いが激しさを増すことを暗示しているのと同時に、映し出されている存在がアークエンジェルへと迫っていることを示していた。

 

 そして、それは現実となり――。

 

 

 

 

 ユニウスセブンでの物資搬入作業中に襲撃してきた二体のスコーピス。ジンを爆散させ、次なる獲物を探し――目についたのは、トール達が乗る小型作業艇。

 

 

「ギシャアアアアア!!」

 

「な……何だよこいつ!?」

 

「巨大な虫……違うっ!化け物!?」

 

「ッ!!やめろおおおおっ!!」

 

 

 友人達が狙われていることに気付いたキラは、即座にビームライフルをスコーピスへと連射する。命中すれど効果は無い……が、どうにか注意を引き付けることは出来たようでスコーピスはストライクへと狙いを変えてきた。

 

 

「くっ……この装備じゃ歯が立たない!アグニなら少しは効くかもしれないけど、このままじゃ……」

 

「ギィィィィッ!!」

 

「うあっ!?」

 

 

 ストライクの倍以上の巨体でありながら、その機動力はエールストライカーを装備したストライクと同等以上……その突進をギリギリで回避したストライクだが、相手は二体。すぐさまデブリを砂に変えた光線がもう一体から放たれるも、どうにか避けることが出来たものの、キラは重大なことに気が付いた。

 

 

「もしあの光線がユニウスセブンの氷や物資に当たったら……!」

 

 

 ――また補給が出来なくなり、今度こそマズいことになる。それだけではなく、あそこには皆で折った千羽鶴を撒いたばかり……それらを無に還させるわけにはいかない。

 

 自分に対抗出来るとは思えないが、何もせずに逃げたりはしたくない――そう思い二体のスコーピスをどうにかここから離そうと、キラは単身未知なる異形に戦いを挑む。

 

 

 

 

 

 一方、アークエンジェル他ウルトラ騎空団にもそれは迅速に伝わっていた。キラが僅かな希望を信じ、即座にメール通信を行っていたからだ。さらにそこに、難を逃れたトール達の報告もあり、事態は急を要すると理解する。

 

 

「巨大な虫の化け物……!?」

 

「そうなんです!何かデブリを砂にする光線を吐いたり、MSの倍以上大きくて!」

 

「キラがストライクで応戦しているけど、あのままじゃ……」

 

 

 そこまで聞いたレジェンドは、悩むことなく即座に指示を出した。

 

 

「俺とダイゴ、ゼットで行く。サーガを始めとした他の面々は引き続き搬入作業だ」

 

「なっ……待ってくださいよ!もし怪獣だったら俺達も――」

 

「数を割けばいいというわけではない。それに、万が一アークエンジェルやこちらの方に別動隊が攻めてきた場合の対処もある」

 

 

 レジェンドの言葉に一誠やタイガ達は反論出来ない。沙耶もいるとはいえ、今の自分達を狙っているのは何も怪獣達だけではないのだ。クルーゼ隊やアズナブル隊がいつまた仕掛けてくるかも予測不可能な為、必要以上に戦力を分散させるのは悪手。

 トール達の情報だけで相手がスコーピスだと判断出来たレジェンドは、普通に考えれば恐ろしい相手ではあるものの単体の戦闘力は然程でもないと考え、十分に対抗しうる戦力を選抜したのである。

 

 

「こうしている間にストライクがやられては目も当てられん。すぐに行動を開始するぞ」

 

「「了解!」」

 

 

 アルトアイゼン・リーゼとZガンダム、Sガンダムはストライクが戦闘している宙域へと急行。一誠らはまだ釈然としないようだが、搬入作業も必要な事であると理解しているので黙って指示に従う。

 

 彼らは後に、レジェンドの判断は間違っていなかったことをその身で実感することになる。

 

 

 

 

 

 宙域に近付くにつれ、スコーピスの鳴き声やブースターを吹かす音が大きくなっていき、時折宇宙に砂が漂っている。スコーピスの腐食光線ポイゾニクトによるものだろう。

 レジェンドはそこに向かう途中、当初最後に回収するはずだったものを再発見し、それを回収するとゼットに渡しアークエンジェルへ向かうよう指示した。

 

 

「へ?これって……救命ポッド!?これまたなんつータイミングでなんつー場所に……」

 

「さあな。本来なら搬入作業が終わった最後に、と思ってたんだが状況が状況だ。後回しには出来ん」

 

「何故に最後?ってまだ大分新しいな。そうすると補給してからでも遅くないし、補給の方を疎かにすると後々トラブルがまた起きそうですしおすし」

 

「そんなところだ。アークエンジェルへ届け次第こっちに戻れ。戻ってくる時にウェイブライダーになればどうにかなるだろ」

 

「了解!落とされんで下さいよ御二方!」

 

「誰に物を言っている。早く行け」

 

「こっちは可能なら僕達だけで片付けるから」

 

 

 要らない心配だったと思いつつ、ゼットはZガンダムで救命ポッドを抱え、衝撃を最小限に抑えるようにしながらアークエンジェルへと帰投する。

 それを見届けたレジェンドとダイゴは各々の乗機のブースターを一気に吹かし、ストライクとスコーピスの戦闘している宙域へと急行した。

 

 

 

 

 

 ストライクの方はスコーピス二体を相手に初見ながらも善戦している。尤も、善戦とは言っても損傷を受けていないだけであり、ダメージ与えているわけでもないのだが。とはいえ怪獣、それも二体同時に相手にして無傷で持ち堪えられているのはキラの操縦センスのおかげだろう。

 

 しかし、そんな状況も長くは続かない。

 

 

「くそっ……残りのエネルギーが……!」

 

 

 そう、相手が相手である以上、フェイズシフト装甲を展開し続けざるを得ない為、バッテリーの問題が出てくるのだ。しかも二体、それも怪獣という巨大な存在で攻撃があまり効いていないということで手数を増やしていたこともあり普段以上に消耗が早かった。

 そして遂に、ビームライフルがガス欠したかのような反応を起こし、機体色がグレーのディアクティブモードになってしまう。

 

 

「ッ!?こんな時に!」

 

 

 こうなってしまうと動くことは出来ても戦力としては殆ど使い物にならない。実弾系武器の一つでもあれば良かったのだが、生憎とイーゲルシュテルンやアーマーシュナイダーではスコーピスに有効打を与えられないのはビームライフルがあまり効かなかったことからも明白。

 迫る二体のスコーピスにキラは「やられる」と本気で恐怖するが、ここで間一髪。

 

 

「キラ君!」

 

 

 Sガンダムのビーム・スマートガンによる高出力ビームが一体のスコーピスの片目を直撃し――。

 

 

「ぶつけるのは得意でな……!」

 

 

 同じくアルトアイゼン・リーゼのリボルビング・バンカーがもう一体のスコーピスの片目に突き刺さり炸裂し、爆発と共にダメージを与えた。

 

 

「ダイゴさん!レジェンドさんも!」

 

「一人で良く頑張ったね、キラ君!もう大丈夫だ!」

 

「奴らの特性を見極め、ユニウスセブンから離した上で耐え抜くとはな。良い判断だ」

 

 

 今アークエンジェルにいるメンバーでも最強と言える二人の増援に漸くキラも表情を綻ばす。アルトアイゼン・リーゼはストライクに接近すると何かを探すようにストライクの様子を確認する。

 

 

「あの、何を……」

 

「ストライカーパックはパワーパックと一体だと言っていたからな。外部からバッテリーチャージを行うためのコネクタの類は無いのかと……あった。ここか」

 

 

 アルトアイゼン・リーゼはエールストライカーの一部を開けると、そこにあったコネクタらしき部分に持ってきた小型のエネルギーカートリッジを接続し、そこから急速にストライクのエネルギーを充電していく。

 完全とはいかないまでも戦闘を行うには問題無いレベルにまで補給出来たストライクのエネルギーゲージを確認し、レジェンドやダイゴから指示を出される前にキラは再度ストライクのフェイズシフト装甲を展開する。

 

 

「やはり良い判断だ。やれるか?」

 

「はい!でもエールストライカーじゃ攻撃力不足みたいで……」

 

「仕方あるまい、元よりMS戦は想定していてもこんなところで怪獣とやり合うとは予想外だろう。……が、こんな事もあろうかとカートリッジタイプの大口径メガビームライフルを用意してある。それを使え」

 

 

 何だかんだ言っても用意周到なレジェンドであった。アルトアイゼン・リーゼの腰部にマウントしておいた大口径メガビームライフルをストライクへと手渡す。カートリッジタイプなので、バッテリー式の動力であるストライクも安心して使用出来る。

 

 

「カートリッジは装填済みの三つに予備の三つ、合計六つ用意してあるが、最大出力で撃った場合は一発につき一つ分丸々消費する。使い所を見誤るなよ」

 

「ありがとうございます!」

 

「前線は俺とダイゴ、RENAで受け持つ。武器の性質上、お前とストライクは俺達の援護に回った方がこちらとしてもやりやすい」

 

 

 RENAについてはダイゴから聞かされていた為、受け入れるのは何ら問題はない。しかし、三人で受け持つと言うがアルトアイゼン・リーゼとSガンダムの二機しかない時点で言い方が気になった。そんなキラだが、考えた直後にダイゴからの通信でその理由が発覚する。

 

 

「キラ君、今から君に僕の本当の姿……僕の正体を見せようと思う」

 

「え……?」

 

「君はRENAのことを話した時、笑って受け入れてくれた。良いことだと、そう言ってくれた」

 

 

 ダイゴがキラにRENAの話をした時、彼は、

 

『確かに不思議かもしれないですけど、僕はそういうのとても良いことだと思います。人工知能とか、ベース人格とか、そんなこと関係無く想い合えるって凄いじゃないですか』

 

 ――笑顔でそう答えた。偽りのない、心からの言葉で。

 そんなキラに、ダイゴはこの世界における未来への光を見た。相手が何だろうと差別せず、どんな立場の者にも優しさを向けられる彼こそ、この混迷していく世界を照らす光になるだろうと。

 だからこそ、自分も隠し事無しでぶつかろう。ダイゴはそう決意し、覚悟を決めた。

 

 

「僕の本当の名前はティガ。銀河遊撃隊筆頭隊員ウルトラマンティガ」

 

「ウルトラマン……ティガ。そういえば、ゼットさんが先輩って」

 

「うん。彼もそこに所属してるんだ」

 

「ついでに言っておく。俺はウルトラマンレジェンド。立場は……まあ、ティガのずっと上だと覚えておけばいい」

 

「ええっ!?」

 

 

 驚くキラだが、レジェンドやサーガ、おまけに沙耶の正体を完全に知ったら腰を抜かすだろう。それに今は然程重要ではない……と思う、多分。

 どちらにせよ、スコーピス二体をどうにかしなければならない為、これ以上長話をしているヒマは無い。

 

 

「あともう一つ……この姿はね、僕が一体化していた人物の姿を僕が借りているだけなんだ」

 

「でも、借り物の姿だって、ダイゴさんの……ティガさんの性格は借り物じゃない。ティガさんも言ってくれたじゃないですか、コーディネイターだからって性格まで遺伝子操作出来ないって」

 

「キラ君……はは、そうだね。一本取られたな……一体は僕が相手をする。だからキラ君はチーフやRENAと一緒に、もう一体の相手を頼みたい」

 

『勿論よ、ダイゴ。よろしくね、キラ君』

 

「はい、任せて下さい!RENAさんも改めてよろしくお願いします!」

 

 

 既にダイゴ――ティガとキラの間には確固たる絆が出来ていた。これならば心配はないと一人頷くレジェンドは、この場の全員がやる気に満ち溢れていることを確認しスコーピスを睨む。

 

 

「全員戦意に関しては問題なさそうだな。ダイゴ、恐らくだがスコーピスは何らかの強化がされている可能性が高い。油断せず一気に攻め立てていけ」

 

「はい!」

 

「RENA、そしてキラ。前衛は俺が務める。キラが後衛、RENAは動き回って必要な方を優先的に援護だ。最初はキラを完全援護にと思ったが、覚悟を決めた今のお前なら俺の背中を任せてもいいだろう」

 

『凄いじゃない、キラ君。チーフって一人で何でもこなすから、背中を任せるなんて殆ど言わないのよ』

 

「それは……あの赤い彗星って人との戦いを見たのでなんか分かる気がします」

 

「だよねぇ」

 

 

 そう言って笑う三人にレジェンドは「全くお前らは」と苦笑する。何というか、ティガとRENA――ダイゴとレナのどちらかの弟がキラだと言われたらこちらも納得しそうな空気を醸し出していた。

 

 

「話は一旦お仕舞いだ。さて、やろうか……!」

 

「「『了解!』」」

 

 

 レジェンドの言葉に三人から返事が帰ってくる。そして、ダイゴはSガンダムのコントロールを全てRENAに任せ、自身は本来の姿へと戻るべくスパークレンスを取り出す。

 今こそ超古代の光が絶望の闇を打ち払う時だ。ダイゴは表情を引き締め、口を開くことなく迫るスコーピスを見据え、スパークレンスを起動させるとSガンダムのコックピットから光が溢れ出し――。

 

 

 

 

 

「チャアァァァァァッ!!」

 

 

 

 

 

 光の中から巨人――ウルトラマンティガがスコーピスの一体へと体当たりを仕掛けながら現れた。

 

 

「あれが、ダイゴさんの本来の姿……」

 

 

 キラはティガの穏やかで、常に傍で見守ってくれているような顔を見つつ、その勇姿から発されるオーラに頼もしさを感じる。同時にやはりダイゴとして接してくれていた雰囲気も消えてはいない。

 その視線に気付いたからかどうかは不明だが、ティガはストライクの方を向くと頷き、対するキラもストライクの頭部を頷かせるように動かす。

 

 

「たとえ強化されていようが、一対一ならばティガがスコーピスごときに遅れを取ることはない。そして――それは布陣が整っている俺達も同様だ」

 

 

 僅かな期間しか過ごしていないというのに、全幅の信頼をおいてくれるレジェンドに、キラは二人の『ウルトラマン』の器の大きさを感じ取る。

 彼らだけではない、ゼットやタイガ、それにタイタスやフーマもそうだった。更に言うなら、沙耶もそうらしい……彼女は姉のような感じだが。

 

 

「「ギシャアァァァァァ!!」」

 

「そう喚かずとも相手をしてやる。俺達に喧嘩を吹っ掛けた代償はお前達の命だがな……!」

 

 

 アルトアイゼン・リーゼとティガが構えた事が合図となって、三機と一人によるスコーピス二体の撃滅戦が開始された。

 

 

 

 

 救命ポッドをアークエンジェルへと持ち帰ったゼットは案の定揉めていた。

 

 

『だからこれ以上は不可能と言っているだろう!物資を補給したと言っても無限ではないんだぞ!』

 

「じゃあヘリオポリスの時と同じように放置しろってのかよ!あーもう!今すぐじゃなくていいから考えといてくれ!早く戻らないと超師匠にティガ先輩、それにキラも危ないんだ!!」

 

『どういうこと?報告にあった虫の化け物とやらと関係があるの?』

 

「えっとだな!うぅ〜……説明ウルトラ面倒くせー!これが証拠映像だ!!」

 

 

 考えるのを止めたゼットはレジェンドのアルトアイゼン・リーゼの現状とリンクさせ、現在の彼らの映像を流すと、そこには銀色の巨人――ティガと共にスコーピスと戦う三機の姿があった。

 

 

「「「「「なっ!?」」」」」

 

「ティガ先輩!?」

 

「あれはスコーピスか!?しかも二体もいるぞ!」

 

「片方がティガ先輩と戦ってて、もう片方はレジェンドとキラと……あれ?何でSガンダム動いてんだ?」

 

「フーマ……貴方、それダイゴさんに聞かれたら怒られるかもしれないわよ。RENAさんが動かしてるんでしょう」

 

 

 リアスの指摘にフーマはヤベッという表情になるが、ダイゴなら軽く注意する程度で済ませてくれるだろう。別に悪く言ったわけではないし、菩薩と呼ばれる優しさで銀河遊撃隊においてコスモスと双璧を成す善人だし。

 ウルトラ騎空団の面々はティガが変身していることに、アークエンジェルの面々はそもそも全部に驚いているが、そこで事態はより悪い方向へと動く。

 

 それは――。

 

 

 

 

 

ギシャアアアアア!!

 

「「「「「!!」」」」」

 

 

 

 

 

 更に二体のスコーピスがアークエンジェルやウルトラ騎空団を狙って飛来したからだ。

 

 

「嘘だろ!?あっちに二体いるじゃねえか!」

 

「イッセー!スコーピスは機動兵器で言うと量産型みたいなものなんだ!」

 

「タチ悪いなんてもんじゃねーぞソレ!?あんなん量産型とか、誰だよ作り出した悪趣味な奴は!!」

 

 

 デブリを砂に変えるというスコーピスの恐ろしさは既に知られているが、ウルトラ騎空団はまだしもアークエンジェルに乗っている者達はスコーピスの巨体に戦慄する。MAはおろかMSより遥かに大きく、それでいて機動力も上回っているという常軌を逸した存在。

 

 

「くそっ!せめて俺らが揃ってアークエンジェルの中にいれば自動操縦操作をしなくてもよかったのに……!」

 

「アークエンジェルを攻撃していないのは良いとして、これじゃ自動操縦に切り替えてる隙がない!」

 

 

 ここで機体が別々であること、そして……変身に手間がかかることが裏目に出た。翳して起動、というお手軽な変身アイテムと違い、最近のウルトラ戦士は何かとプロセスが必要な為、このような事態に陥ると変身するのも一苦労。ましてや今アークエンジェルにいるメンバーで簡単に変身出来るのはサーガのみ……そのサーガは変身に条件付き。

 条件付きなのはレジェンドもだが、あれは別に変身せずとも問題ないので一先ず置いといて。

 

 

「そういや先輩ってニュージェネレーション率いてる割に変身アイテムがシンプルで早くなかったっけ!?いや全員の変身方法分かるわけじゃないけどさ!」

 

「ああ!セブンさん譲りで早い!」

 

「ホント彼か矢的先生、アスカさんのうち誰か一人だけでも同行してもらうべきだったわ!」

 

 

 一誠、タイガ、リアスのお馴染みトリオは愚痴るもそれで事態が好転するわけもなく。そこでレジェンド達の元に行きそびれたゼットは訓練仲間の三日月と共にスコーピスへ応戦を始めた。それを見た沙耶は三人に言う。

 

 

「ウダウダ言ってる暇はないわ。言葉も話も通じない、かつ普通に攻撃してくるなら応戦するしかないでしょう?」

 

「「御尤もです沙耶(サヤ)ベさん!!」」

 

「ぶん殴るわよ」

 

 

 あまり表情を変えない沙耶だが、アルテミスで遭遇したのが変態ばかりだったことに加え、どこぞの一等星な娘に似ていることばかり言われた挙げ句名前までそんな感じで呼ばれりゃキレるのも当然だろう。

 アマリらも漸く準備が整ったのか、スコーピスへと攻撃しようとしたところ、それは現れた。

 

 

 

 

 

ビカアァァァァァッ!!!

 

「「「「「っ!?」」」」」

 

「「ギィッ!?」」

 

 

 

 

 

 眩い黄金の光に身を包んだ、ティガと同じく巨人が突然アークエンジェルやウルトラ騎空団を守るように出現したのだ。

 

 

「な……何なの!?」

 

「あれは……」

 

 

 突如として現れた存在に、異変に気付いて外を見に来た避難民達も口々に「あれは何だ」と指差しながらお互いに尋ね合う。

 だが、一誠やリアス、そしてトライスクワッドやゼットらはその存在を知っていた。何故ならば彼もまた銀河遊撃隊に所属し、レジェンドにとって我が子も同然な『正義』の名を頂くウルトラ戦士。

 

 

「ジャスティス先輩!!」

 

 

 ウルトラマンジャスティス――コスモスと対を成す、コスモスペース出身のウルトラマンだからだ。

 

 

「オオォォォ……!デェアァァッ!!」

 

 

 ジャスティスは光の波動・ライトエフェクターでいとも簡単にスコーピスを二体纏めて撃破する。スコーピスは断末魔の悲鳴さえ上げる間もなく爆散し、見ていた者達にその圧倒的な力と存在感を示した。

 しかし驚くなかれ、ライトエフェクターはジャスティスの最強技ではない。

 

 

「すっげぇ……!」

 

「あれがコスモス先輩に並ぶと言われたベテラン勢の一人、宇宙正義の代行者……ジャスティス先輩の実力!」

 

 

 ジャスティスは静かにタイガ達の方を向き――。

 

 

『気を付けろ、若き勇者達よ』

 

「「「「!」」」」

 

『この世界には数多の悪意が蠢いている。そしてまた、蘇ったサンドロスがこうしてスコーピスを送り込んできた。奴がこの世界で直接挑んでくるかは分からないが、そうなった時は一人で戦おうとするな。お前達には信じ合える仲間がいる。手を取り合い、共に厄災へと立ち向かえ』

 

 

 そう告げると、ジャスティスは再び強い光を発しその姿を消した。

 

 

 

 

 アークエンジェルらのいるデブリ帯から離れた場所で行われているアルトアイゼン・リーゼ、Sガンダム、エールストライクガンダムとティガによる二体のスコーピスとの戦闘は、レジェンドとティガは元よりGUTSのエースパイロットだったレナをベースに構築されたRENA、そして類稀なる操縦センスを持ったキラの能力もあって有利に進んでいる。

 スコーピスも強化されてはいたようだが、百戦錬磨のティガや、神衛隊、ひいては惑星レジェンド最強のパイロットであるアムロ・レイと互角の実力を誇るレジェンドが主軸とあっては太刀打ち出来るわけがなかった。

 

 

 

 

 

「チャアァァッ!!」

 

「ギィィィッ!?」

 

 

 ティガのドロップキックが真上からスコーピスの背中に直撃する。本来こういった機動力の高い相手にはスカイタイプか、カウンターと一撃必殺狙いでパワータイプで対抗するのがかつての定例。

 しかし、修行と研鑽を積み重ねたことで基礎スペックの底上げがされたティガであれば、今やタイプチェンジせずともこの程度の相手を打ち負かすことなど造作もない。

 

 

「ギシャアァァッ!」

 

 

 ドロップキックで吹き飛ばされたスコーピスは態勢を立て直し、再度ティガに向かってくる。

 だが、ティガは先程Sガンダムの射撃で潰された片目とは逆の、もう一つの目にハンドスライサーを放ちスコーピスの視界を完全に潰す。

 

 

「ギシィッ!?」

 

 

 当然、どうにか視えていた目が潰されれば真っ暗になり、更に運悪く尖ったデブリに頭から突っ込み深々とそれが刺さってスコーピスは二重の意味で悶え苦しむ。

 ここでティガは勝負を決めることにした。それと同時に、彼自身も尊敬するウルトラ6兄弟の二番目……即ちウルトラマンから教わったある技を試す絶好の機会だと思いその技を放つ。

 かつてガイアも戦ったケロニア、それとの戦いでウルトラマンが放った技を。

 

 

「ハアァァァ……!」

 

 

 両拳を引きながら腰に当て、丹田に力を込め――。

 

 

「チャアァァァァァッ!!」

 

 

 正拳突きのように右手を突き出すと、右腕からリング状の光線が連なるように放たれる。

 ウルトラアタック光線――ウルトラマンが考案した、ケロニアやアントラーを打ち倒した光線技だ。

 

 

「ギィアァァァァァ!!」

 

 

 ティガの放ったウルトラアタック光線を受けたスコーピスは、身体の内部から焼け付くような痛みを感じつつ、ジャスティスが仕留めた個体らと違い断末魔の叫びを上げて爆散した。

 

 

 

 

 

 もう一方のスコーピスは、自分の半分もない大きさのアルトアイゼン・リーゼの恐るべき加速が生み出す突進力に苦戦。しかも、スキあらばSガンダムとストライクから急所を狙った射撃が撃ち込まれるという、スコーピスにとって予想外の運びになっていた。

 

 

「ギシィッ!?」

 

「大した強化が出来ないのか、そもそも偵察か調査が目的なのか知らんが、俺達を見誤ったようだな」

 

 

 レジェンドがそう言うと、アルトアイゼン・リーゼの両肩の装甲前部が展開される。

 そこに隠されていたのがリボルビング・バンカーと並ぶアルトアイゼン・リーゼの武装『アヴァランチ・クレイモア』。

 

 

「一発一発がチタン合金製の特注品だ……!」

 

 

 レジェンドの言う通り、アヴァランチ・クレイモアは指向性地雷――チタン合金のベアリング弾を前方広域にバラ撒く武装だ。しかも、火薬入りのチタン弾である為、見た目以上に強烈。

 

 

「受け取れ……!」

 

 

 アルトアイゼン・リーゼの双眸が一瞬輝き、クレイモアが容赦無く連射され、その巨体が仇となり全弾漏れなくスコーピスに直撃する。

 

 

「ギィアァァァァァ!?」

 

「まだだ!」

 

 

 苦しむスコーピスに最大加速で突っ込み、その速度で威力を上乗せしたリボルビング・バンカーを土手っ腹にブチ込むレジェンドのアルトアイゼン・リーゼ。さすがにいくら巨体であろうと、急所に凄まじい速さの乗ったバンカーを食らってはスコーピスもタダでは済まない。

 何発か炸裂させたところで、スコーピスはアルトアイゼン・リーゼへとポイゾニクトを撃ち込もうと口を開くが――。

 

 

「読み通りだ……!RENA!キラ!撃ち込め!!」

 

「『了解!』」

 

 

 これで始めてスコーピスはレジェンドの狙いに気付いたが時既に遅し。

 

 

「これでっ!」

 

『終わり!』

 

 

 カートリッジ丸々一つ使用した、最大出力の大口径メガビームライフル、そしてビーム・スマートガンの同時攻撃を口の中へとピンポイントで撃ち込まれ、スコーピスは体内を焼かれつつ身体を貫かれた。それに留まらず、リボルビング・バンカーがカートリッジを炸裂させてトドメの一撃。

 その衝撃で吹っ飛んだスコーピスはそのまま爆散する。

 

 

「やった……!」

 

「奴は多数出てくるが再生能力は無い。ミッションコンプリートだ」

 

『今の、少し特捜チームみたいだったかも』

 

 

 漸く一息つけるとキラも安堵していると、もう一体のスコーピスを片付けてきたティガが飛んでくる。

 三人がスコーピスを仕留めたことを確信して頷くと……。

 

 

「チャッ!」

 

 

 三機を見渡してサムズアップをするティガ。レジェンド、RENA、そしてキラも笑い合い、ティガに対してアルトアイゼン・リーゼ、Sガンダム、ストライクもサムズアップを返す。

 

 Zガンダムや他の機体が迎えに来たのは、それから少し後のことだった。

 

 

 

 

 そして、再度救命ポッドのことになったわけだが、ゼットとは言い合いになっていたナタルもレジェンドの圧倒的威圧には為す術もなく、結局回収することに。

 

 いざ開ける、となった時にレジェンドが待ったをかけた。

 

 

「見つけた責任だ。俺が開ける」

 

「開けるったって、あとはこのボタンを操作するだけですぜ?」

 

「開けること自体がトラップとなっている可能性もある。正規の手段で操作されることが前提で……な」

 

 

 それを聞いて格納庫に集合していた面々が「ええっ!?」と驚きの声を上げる。三日月は銃(しかもバルバトスの無反動砲の人間サイズ版)の準備をしたり、しのぶは日輪刀を抜いたり、タイタスはマッスルポーズをして警戒……最後だけなんか違う気がするが。

 

 

「タイタスいつでも平常運転過ぎねーか?」

 

『まあ、ダ・ガーンいわくマッスル隊長だからな。いや、あれはタイタス自身のリクエストだったか……』

 

 

 一誠の一言に周りが頷くもドライグだけはマッスル隊長呼びはタイタスが言い出したことを思い出す。もはやそれも良い思い出になっている。

 

 

「……で、予想はつくがどう開けるんだ、先輩」

 

「腕力は全てを解決する」

 

「「「「「は?」」」」」

 

「ヘッ!!」

 

 

バキィ!!!

 

 

「「「「「はあ!?」」」」」

 

 

 レジェンドは短く叫ぶと手刀をポッドの開閉部分に突き刺し(この時点で色々おかしい)――。

 

 

「フンッ!!」

 

 

ゴベキャアッ!!!

 

 

 無理矢理に開閉部分を抉じ開けた(というか千切り取った)。なんという脳筋プレイ。

 

 

「「「「「えええええ!?」」」」」

 

「これで万事解決だ」

 

「よし……来い、今日の晩ご飯」

 

「三日月さんも出てくるのが動物か何かだと決めつけてるんだけど!?」

 

「解決してもいないし動物が出てくるとは限らないのよ!?」

 

 

 一誠とリアス……レジェンドが突っ込みをやらないとこの二人にその皺寄せが来てしまうらしい。更に三日月まで加わるから大変だ。

 しかし、中から出てきたのは……。

 

 

『ミトメタクナーイ!』

 

 

ゴッ!!!

 

 

「ぶごっ!!」

 

「「レジェンドさん!?」」

 

 

 ピンクの球体――それがレジェンドの顔面に直撃。周りに被害はなかったが久々に不憫がリボルビング・バンカーよろしく炸裂してしまい、後ろに倒れ込むレジェンドを近くにいたアマリとアズが支える。

 そしてその球体を偶然掴んだゼット。

 

 

「……ハロ?にしちゃ小さいな。アムロ師匠の作ってたハロはもっとこう……抱えるような大きさで」

 

「御苦労様です」

 

 

 透き通るような声が格納庫に響き、救命ポッドの中から一人の少女が出てくる。

 

 その少女こそ、現プラント最高評議会の議長であるシーゲル・クラインの娘――ラクス・クラインであった。

 

 

 

〈続く〉




……本章、ゼットメインじゃなかったっけ?いや元々ティガにも焦点当てる予定だったけど。

死亡キャラ生存担当→ゼット
主要メンバーとの絡み→ティガ

ってなってないかなこれ。それでも今のところ上手く進んでるからいいか。

ジャスティス、何気にティガ達より凄いことやりました(強化スコーピスを一撃で二枚抜き)。なんせ基本形態でコスモスのエクリプスモード並の強さですし。

そしてお待ちかね、ラクスの登場!……ではなく本作の醍醐味(?)、レジェンドの不憫!!
シリアスだったりギャグだったりしたけど、ここのところ特別編を除いて不憫じゃなかったレジェンドにそれが起こりました。ぶっちゃけ自業自得なんですが。

……しかしアレだ、一誠とリアスではレジェンド程のハイテンションツッコミがまだ出来ないと分かりました。


それではまた次回。

二択決定戦! シン一人乗りする最終ゲッターはどちらだ!?

  • 真ゲッタードラゴン(大決戦版)
  • 真・ゲッター1(スパロボα仕様)
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