ウルトラマンレジェンド Episode.CROSSOVER   作:ハジケハムスター・ポッポ

259 / 301
お待たせしました。最近気が付くと気絶したようにショートスリーパーで一時間ほど寝てたりするので中々進められませんでした。決まって部屋が暖まってる時だから気が抜けるのか、それだけ身体が疲れてるってことなのか……。

今回は次回に向けての下準備。
……のはずだったんですけどねぇ、そろそろSEED1クール分終わり次の舞台へってことでやらかしましたよ、ええ。ラストに。

それから活動報告にてアンケート結果と次のアンケート内容及びその次に予定してるアンケートを投稿しました。宜しければそちらも一読頂ければと。


それでは本編をどうぞ。


試される覚悟

 地球連合軍第8艦隊――デュエイン・ハルバートンが率いる艦隊の旗艦メネラオスにアークエンジェルは横付けする。そのアークエンジェルに横付けするのがペガサスA。

 

 避難民達は良い意味で盛り上がるが、レジェンド達は即座に行動を開始した。まずはミゲルとラスティをペガサスAへ移送。とりあえずアークエンジェルで使っていた部屋は、無いといいがもしまた厄介になる必要が出てきた時に使えるようそのままに。それからレジェンドとゼット、そしてダイゴを残し他の全員もペガサスAに乗り移る。

 

 彼らが残ったのはせめてもの礼儀。どんな状況であれ、今までアークエンジェルで世話になったのは事実。それに対する礼をすべく、彼ら三人は部屋で待機していた。

 

 

「何か名残惜しいでございますね」

 

「すぐにそんなことを言ってられなくなるぞ。問題は山積みだ。スコーピスの件に始まり、シルバーブルーメ、シャア・アズナブル……この世界に来てから起きた案件だけでも面倒なものばかり。加えてこの世界以前からの事だってある。気持ちを切り替えろ」

 

「は、はい!」

 

 

 レジェンドの言葉にゼットは背筋を伸ばす。ダイゴも何かを考えているのか先程から黙ったまま。

 

 そこへ訪ねてきたのはマリューだ。

 

 

「ああ、良かった……まだ残っていてくれたのね」

 

「ラミアス艦長?」

 

「貴方達に伝えなければいけないことがあって」

 

「な……何でございましょう!?」

 

「そんな身構えないで。別に何かしてもらおうとか、そういうんじゃないの」

 

 

 そう言うやいなや、マリューは三人に向かって頭を下げた。

 

 

「今までこの艦を……私達を守ってくださり、ありがとうございました」

 

「ぅえっ!?」

 

「俺達は降りかかる火の粉を払い、自分達のために戦ったにすぎん。守ったのはついでだ」

 

「チーフ、時々ツンデレになりますよね。本来はクーデレなのに」

 

「ダイゴお前それ誰の影響だ!?」

 

『ふふー、私でーす』

 

「お前かいRENAァァァ!!」

 

 

 人数の大半がいなくなったというのにこの盛り上がり。マリューは微笑ましく思う反面、もう見れないとも思いゼット同様名残惜しくなってしまう。

 だが、彼らはあくまで善意によって共に行動してくれていただけの別組織。特にダイゴはオーブの特務大使でもあり、いつまでも連合の艦に乗せておくわけにもいかない。

 

 

「本当なら、他の人達にも言いたかったんだけどね。相変わらず行動が早くて」

 

「こちらにも事情があるからな。先遣隊を襲った奴は早急に見つけ出して始末する必要がある」

 

「……あの海月とイソギンチャクの合わさったような怪物ね。ということは貴方達も地球へ?」

 

「ああ。元々俺達は騎空団全体でオーブに協力している状態でな、そこを拠点に活動しているわけだ」

 

「だからヘリオポリスにいたのね。オーブとの繋がりがあるのは知っていたけれど」

 

 

 実際にはさらに色々あるのだが、必要以上にべらべら喋ることもない。ともかく今はアメノミハシラにいるヒリュウ改の面々やオーブにいる神衛隊中心のメンバーと合流し、今後のことを相談しつつ現状に対処していくことになるだろう。

 彼らは戦争の恐ろしさなどをリアスらに教えるためコズミック・イラへ来たとはいえ、四六時中戦争と関わり合わせたいわけではないのだ。

 

 

「そっちはどうするんだ?」

 

「それはこれからハルバートン提督と打ち合わせ。十中八九、アラスカへ行くことになるでしょうけど」

 

「じゃあやっぱりここでお別れでございますか」

 

「仕方ないだろう。俺達とは目的地が全く違う」

 

「ええ。だからせめて、団長さん達と別れる前にこれだけはどうしても伝えたかったの。失ったものも多いけれど……守れたもの、得たものもあるわ。本当にありがとう」

 

 

 マリューの言葉に他意はなく、純粋に感謝のみだ。レジェンド達三人もアークエンジェルの艦長が彼女で良かったと本気で思う。怒ったりしたこともあったが、それは巡り巡って彼女が『戦争をする兵器』にならず『人』で在り続けるため必要なものとなる。

 

 

「軍人の本質を忘れるなよ、マリュー・ラミアス。戦は討つためだけにあらず、守るためでもあることを絶えず心に留めておけ」

 

「はい。そちらもご武運を」

 

 

 時にアドバイザー、時にトップエース。二つの立場で生存に貢献し、まるで本当の上官のような雰囲気を纏っていたレジェンド。

 

 

「思えば貴方との初顔合わせが一番衝撃的だったわ。どうかその明るさと優しさを失わないで」

 

「ラミアス艦長も、人情と度胸を忘れずに!ウルトラ頑張って下さい!」

 

 

 しっかり握手を交わすのは、ウルトラ騎空団のエースパイロットとして幾度も窮地を助けてくれたゼット。

 

 

「地球連合全体はともかく、僕は貴女がこの艦の艦長……責任者で良かったと思っています。お元気で、マリュー・ラミアス大尉」

 

「迷惑や失礼なことばかりだったというのに……優しいお言葉、ありがとうございます。マドカ特務大使」

 

 

 キラを始め、不安ばかりだった学生や避難民達のケアを一手に引き受け、艦内の雰囲気を穏やかにしてくれたダイゴ。

 

 彼らとの出会いは、短い間にも関わらずマリューを精神的に成長させた。ここからはそれぞれの戦いだ。

 

 

「何かあればオーブへ。先程も言ったように連合全体とはいかなくとも、アークエンジェルと貴女達であれば便宜を図れるよう、上に進言しておきます」

 

「何ならウルトラ騎空団でも構わんぞ。尤も、ウチの全容見たら腰抜かすかもしれんが」

 

「猫とか犬とかが普通に団員扱いでございますし」

 

「その時はどうか御容赦の程を。って猫や犬も?」

 

「もふもふでありんすよ!」

 

「いいわねぇ……癒されそう」

 

 

 最初はお世辞にも良いとは言えなかったヘリオポリスでの遭遇。そんなものは過去の事と気にせず、四人は時間の許す限り談笑するのだった。

 

 

 

 

 ラクスを別の艦に預け、再びアークエンジェル追撃に戻ったヴェサリウスはガモフ、ツィーグラー、更にはミダラーンと合流し、アークエンジェル及び第8艦隊に対する作戦を練っていた。

 当然、その中核を担うのはクルーゼとベリアル。あくまでシャアを始めとするアズナブル隊は協力者というだけだ。

 

 

「ふぅ……共同作戦なんだから、顔見せて知恵の一つでも披露してほしいんだけどねぇ。ウチととことん相性悪いな、赤い彗星サマは」

 

「だが言い返せば我々の作戦に文句を言わず従うと捉えてもいいということだ。精々役に立ってもらうとしよう」

 

 

 元よりアズナブル隊はいないものと考えている二人は当初の予定通り攻撃を仕掛ける気でいる。アデスからの報告ではツィーグラーはジンが六機、ヴェサリウスはクルーゼとベリアルのエゼキエルにアスランのイージスを含め六機、ガモフは先刻のイザーク負傷によりバスターとブリッツが出られる。

 また、アズナブル隊はシャアのサザビー・リビルドとロベルトのスーパーディアス改が修復中のためラルとノリスのRFグフカスタム二機、そしてアポリーのスーパーディアス改の三機のみ。しかしながらその三機だけで他三隻の戦力と同等以上の戦力だというから正にアズナブル隊驚異のメカニズム。

 

 

「普通に言えば難なく殲滅出来そうなんだけどな。あっちにはまだ連中がいる。おまけに戦艦まで持ち出してきたみたいだぜ?」

 

「しかし、イザーク達の奮戦のおかげで連中にも弱点が見えた。脅威となるのは指揮官機である強襲機、粒子機、そして変形するG型の機体二機、それから獣のような戦い方をする機体だ。あとは食い止める程度なら問題ない。もしくは――」

 

 

 クルーゼがモニターに映したのはゲシュペンスト二機とリバウ――リアス、一誠、タイガの機体。

 

 

「チームでなければさしたる障害ではないものだよ」

 

 

 そう言いながら、クルーゼはほくそ笑んだ。

 

 

 

 

 ――ペガサスA・ブリッジ――

 

 

「――それで流さんが伸びてるんですね」

 

「だって俺、乗れるのバイクと良くて車だよ!?いきなりやれって言われてもマニュアルも無しじゃ無理にも程があるって!!」

 

「いやマニュアル無しの初実戦でやり遂げたアンタも大概なんですが!!」

 

「鬼畜仮面と明日のパンツ、か。何かヒットしそうな映画の名前だね」

 

「「「何言ってんだミカァ!!」」」

 

 

 気心知れたメンツで集まったことにより、ウルトラ騎空団らしい馬鹿騒ぎが発生していた。ルリアやアマリ、アズは久しぶりのリムサイズ怪獣達と触れ合い御満悦。レジェンドに代わりまとめ役として一足先にペガサスAに乗艦したサーガは、勇治や沙耶と今後の方針について話し合っている。

 

 

「ヒリュウ改もこちらの降下に合わせてオーブへ戻るそうだ。ロンド・ミナ・サハクも一緒らしい」

 

「アメノミハシラはどうするの?」

 

「束がセラフォルー他、魔法・魔術関係が得意な者に協力してもらい全方面セキュリティを完成させたから問題ないそうだ」

 

 

 長らく離れていたウルトラ騎空団が再結集するのも近そうだ、とサーガは呟く。堕天司ベリアルの介入、シャア・アズナブルらの存在、鬼の出現。更にスコーピスのやシルバーブルーメの襲来……これらの事態に本格的な対策をしていかなければならない。

 

 しかも、グラン達もまだ空の世界から帰ってきていないし、エリアル・ベースもあちらにあるのだから戦力が十全とは言えないのも辛い。幸いにも今回は神衛隊がヒリュウ改と一緒であるため、必要戦力の最低ラインを大きく上回っているのが唯一の救いだ。

 

 すると、ブリッジにレジェンドから通信が入る。

 

 

『俺らを除く全員は無事移動出来たか。ミゲルとラスティは?』

 

「二人とも俺のダブルオークアンタに乗せて運んだ。今は部屋で寛いでるはずだ」

 

『そのまま乗せていたらラミアス艦長はともかく、地球連合の上層部が身柄を確保しようと手荒な真似をしそうだからな。それで、まあ……何だ。直接的な問題ではないが、ある意味大きな問題が起きてしまったというか』

 

「……?どういうこと、先生」

 

『あの赤いお転婆がいたろ。あれがどうやら軍に志願したらしくてな。おまけに父親まで後押ししたと』

 

「「「「「はあ!?」」」」」

 

 

 リムサイズ怪獣と戯れていた三人は何事かと驚くが、一誠やトライスクワッド、リアスやしのぶ達は声を上げて驚いた。

 箱入り娘というか、甘やかされたというか……ラクスとは違った意味で戦いとは無縁な人生を送るだろうと思われていたフレイ、それにその父親のジョージ・アルスターに何があったのか。

 

 

『だろうな。そういう反応するだろうとは思っていたよ。おまけにそれを心配したのか、それとも触発されたのか知らんが学生達まで軍に志願する形で残るとさ』

 

「「「「「はあああああ!?」」」」」

 

『キラは分からん。あのブリッジクルーとお転婆は残るがキラは別の所にいたようだ。まあ、十中八九残るだろうが……何となくだが一誠やリアスが影響を及ぼしたかもと思えんこともない』

 

 

 自分達と然程年齢の変わらない一誠やリアスが何度もアークエンジェルを守っていたことに何か感じるものでもあったんじゃないか、とレジェンドは推測している。そして、彼らがこれからも戦い続けることを知ったことも、その一因ではないかとも。

 

 

(あのコーディネイター嫌いをそんなすぐに矯正出来るとは思えんが……今日までのこともある。少しくらいは希望があってもおかしくはない……か)

 

 

 それに今のキラは利用しようとしても不可能だろう。ダイゴを始めとした交流によって強靭なメンタルを手に入れた彼の意志はちょっとやそっとで揺るがない。

 

 

『何れにせよ、ここからはあいつらが選んだ道。俺らが口出しするのは無粋というものだ。俺達は予定通り地球に降下し、オーブでヒリュウ改及びクロガネと合流。各種問題の対応に取り掛かる』

 

 

 レジェンドはそう言うと『後の事は追って指示する』と通信を切った。ブリッジは何とも言えない空気になってしまったが、それを勇治が振り払うように告げる。

 

 

「お前ら、出られる奴はすぐ格納庫へ行け」

 

「「「「「え?」」」」」

 

「ザフトが攻めてきたぞ」

 

「そんな大事な事をあっさり言うなよ!?」

 

 

 

 

 第8艦隊を攻め落とさんとするザフトの一隻、ガモフではイザークが先刻の戦いで傷を負ったにも関わらず出撃をしようとしていた。

 

 

『よせイザーク!お前はまだ……』

 

「煩い!さっさと誘導しろ!」

 

『イザーク!』

 

『いいんじゃないか?怪我はしたんだろうが命に関わるモノじゃないんだろ?』

 

『ベリアル参謀!?』

 

 

 通信を入れてきたのはベリアルだ。イザークの状態を一目見ただけで、彼は即座に判断を下す。

 

 

『ここで連中をみすみす逃す方が精神的にも完治の妨げになると思うけどね、俺は』

 

『ですが……』

 

『どうだい、イザーク。君はやれるのか?』

 

「無論です!あの赤いゴーグルは俺が叩き落とします!」

 

 

 怒りと闘志を燃やしながら返答するイザークに、ベリアルは満足そうに頷く。

 

 

『オーケー、俺の権限で出撃許可だ。ついでにそのゴーグルの機体名はゲシュペンストってことも教えとくぜ。青いのもそう言うらしい』

 

「ゲシュペンスト……亡霊か」

 

『それじゃ、出撃だ。無理だけはするなよ』

 

「ハッ!ありがとうございます!」

 

 

 イザークの返事を聞いたベリアルは通信を切り、クルーゼの腹心である彼が許可したのなら仕方ないとガモフのオペレーターも諦めることにした。もはや彼を止めるものは存在しない。

 ヴェサリウスから真っ先に出撃したイージスを見ながら、イザークは量産型ゲシュペンストMk-Ⅱ改に乗ったまだ見ぬパイロット――一誠への憎しみを募らせる。

 

 

(赤いゲシュペンスト……!アサルトシュラウドが貴様に屈辱を晴らす!)

 

 

 

 

 

 ミダラーンでも既にラルとノリス、アポリーが出撃準備に入っていた。

 

 

『正直、この状況では先の作戦を再度実行するのは不可能だ。あくまであちらの戦力把握に留めるだけでいい』

 

「確かにあの強襲機のパイロットは相当な腕です。それに周りの随伴機もかなりの手練が多い」

 

「では、我々の相手は連合ではなくて良いというわけですな?」

 

『ああ。クルーゼ隊にとっても彼らを抑え込めるというのはそれだけで十分な利だろう』

 

 

 元々シャアはアークエンジェルなど二の次、目的はウルトラ騎空団である。いつでも墜とせると高を括っているわけではなく最優先目標との関係上、敵ないし味方として今後も遭遇するだろうし、その時に見極めようと考えているからだ。

 正直なところ、今の連合で脅威なのはアークエンジェルとストライクだけ。それも現段階ではウルトラ騎空団が絡まぬ限りどちらも手強い相手とは言えない。

 

 

(ロベルトが言っていた『ストライクの動きが急に変わった』というのが気になるが、油断や慢心をせねば撃てぬ相手ではあるまい。当面の問題は連中だが……戦艦も保有していたとあれば、あの戦力が全てではないはず。また難易度が跳ね上がったか……)

 

 

 ――不幸なことはやたら当てる、ある意味レジェンドと同類なシャアであった。

 

 そんな彼の心を知ってか知らずか、RFグフカスタム二機とスーパーディアス改がミダラーンより発進する。アークエンジェルではなく、ペガサスAに向けて。

 

 

 

 

 まだアークエンジェルに残っていたレジェンド、ゼット、ダイゴは最後の仕事のつもりでザフトを迎え撃つべくそれぞれの愛機に搭乗し出撃準備に入る。ペガサスAでも同様だが、こちらでは更に二機のヒュッケバイン……Mk-Ⅱと30もスタンバイしていた。つまり、今まで留守番だったしのぶとアズも含めての総力戦。

 

 

「タイミングとしては絶妙だ。大気圏突入時を狙うとは」

 

『やられた方はたまったもんじゃないけどな。それよりいいのか、団長さん達』

 

「散々人のケツ追いかけ回してくれたんだ。地球へ降りる前に行き掛けの駄賃として、バンカーの一発でもブチ込んでやらねば気が済まん」

 

『ひぇ〜おっかねえ!ま、確かにそれぐらいはしないと帳尻が合わないか』

 

『僕はこれから発進するだろう避難民を乗せたシャトルの護衛として協力します。無事にオーブへ彼らを送り届けなければ』

 

『戦艦じゃ小回りの効くMSの相手はキツいでしょう!俺らウルトラ騎空団機動部隊の出番ってわけだ!』

 

 

 アークエンジェルに残った三人はやる気に満ち溢れている。ムウやマリューらにとってこれ程心強い助っ人はいない。聞けばペガサスAに移った面々も総出らしく、何というかザフトを哀れんでしまう。

 

 アルトアイゼン・リーゼの出撃を皮切りに、メビウス・ゼロ、Sガンダム、Zガンダムが次々と発艦していく。その光景を見ていたキラは、軍――アークエンジェルに残るトール達から渡された除隊許可証を握り締めながら己に問う。自分はこのまま戦場から離れていいのかと。

 

 

(ダイゴさんやレジェンドさんはそれでいいって言ってくれるんだろうな……)

 

 

 彼らなら「無理はするな」とか「やりたくないことを流されてやったところでろくな結果は出ない」とか言って、キラの除隊(形式上)を後押しするだろう。

 しかし今の彼には誰に流されるわけでもなく、このまま友人や恩人を放っておいて自分だけここを離れようとは思えなかった。会って間もないというのに、辛い時に心の支えとなってくれたダイゴを始め多くの人々に助けられてきた自分が今出来ること――やりたいことは何なのか。

 

 彼の心は決まっている。アルテミスにおけるダイゴの行動から、除隊許可証を破り捨てることなく「持っておけばいざというとき何かの役に立つかもしれない」と考えて懐に仕舞う。

 

 そして彼がシャトルに乗ると思っている連合の下士官から急かされると、強い決意を持って告げる。

 

 

「僕は乗りません!行ってください!」

 

 

 ストライクのハンガーへと向かう彼の後ろ姿には、かつての気弱な彼はもういなかった。

 

 

 

 

 ――トレギアやルシファーらの本拠地――

 

 久々に帰還したアサキムは、通路で話しているトレギア――霧崎とルシファーを発見し声を掛ける。

 

 

「やあ二人とも、久しぶり」

 

「おや?お帰り、アサキム。成果はどうだい?」

 

「残念ながらね。既に解放されたスフィアシステムのであれば何人かは見つけたが」

 

「不良品を掴まされるよりはマシだと思え」

 

「それはそうだ」

 

 

 フレンドリーな霧崎に対しドライなルシファーであるが、彼なりの慰めや労いだというのはそれなりの付き合いになるから理解出来ていた。

 

 

「二人はこんなところで何をしていたんだ?」

 

「いや、ベリアルから何処かの座標が送られてきてね。盟友が復元した『あるモノ』のテストを兼ねて転移投入を行ったんだよ」

 

「あれを生み出した奴の美的感覚は理解出来んが、使い捨てならば上出来な部類だ。奴が送ってきた座標に何があるかはどうでもいいが、あれの使い勝手を見るには丁度良い」

 

「ほう……」

 

 

 興味深そうに笑うアサキムにルシファーも若干気を良くしたのか、これから一息入れつつそれを見て見るところだと言うとアサキムも同席を決める。

 

 

「ベリアルは仕方ないとして、白龍皇は相変わらずかな?」

 

「ああ。慣れてきたからか外で暴れている方が良いらしい」

 

「奴の本質を考えれば納得だがな」

 

 

 どうやらヴァーリはまた別世界にて応龍皇と共に猛威を振るっているとのこと。戻ってくるのはもう暫く後のようだ。そして、彼らはルシファーの言う『あるモノ』を送り込んだ場所の座標データから割り出した、現地の映像を見る。

 

 その場所とは――

 

 

 

 

『緊急事態!緊急事態!アメノミハシラ全域に異形の化け物が多数出現!尚も増殖中、生存者は直ちに……あ……あ……!ぎゃああああああ!!』

 

 

 ヒリュウ改が在留しているオーブ所有の宇宙ステーション・アメノミハシラ。そこは今、後に遭遇する驚くべき脅威の一端により――地獄と化していた。

 

 

 

〈続く〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「qkde!qkde!g@'fffffffffff!」




Q.最後のアレ、『二番目』いないとダメじゃない?
A.今後の備え+マッド二名が揃えば何とかなる

はーい分かる人は分かってしまうトラウマ生命体がよりによって最悪な場所に送り込まれました。発禁天司が原因ですけどね!

次回かその次で宇宙での戦いは一段落、舞台はいよいよ地上へと移ります。地上での活躍は、一部を一足早くヒントを出しておくと『さやぴー月は出ているか』『ゼットさんとロドニアのラボ』。


それではまた次回。

二択決定戦! シン一人乗りする最終ゲッターはどちらだ!?

  • 真ゲッタードラゴン(大決戦版)
  • 真・ゲッター1(スパロボα仕様)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。