ウルトラマンレジェンド Episode.CROSSOVER   作:ハジケハムスター・ポッポ

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お待たせしました。SEED編1クール目、今回にて締めとなります。

もう一つの山場はお分かりでしょう、ガンダムSEED編はゼットがメインストーリーの中核を担う以上やはりここで見せ場があると。

しかしハマーン様強いなオイ。

それから怪獣総進撃のプロローグ、既に完成してるんですが投稿しようかもう少し時間をおこうか悩み中。次回のアンケートにしようかな……。


それでは本編をどうぞ。


宇宙に降る星〜ゼータの発動

 

「全艦、密集陣形にて迎撃体勢!アークエンジェルは動くな!……!?待て、フラガ大尉!出撃命令は出していないぞ!」

 

『申し訳ありません、閣下。ですが彼らが我々のために戦ってくれる以上、ただ見送るだけでは不義でしょう。何より本来であれば我々のみで対処すべきことを偶然乗り合わせただけとはいえ、今この瞬間まで共に解決せんとしてくれる彼らに甘えてばかりでは連合のメンツにも関わります』

 

「ウルトラ騎空団という者達か……!」

 

『ただ最もなところ、こうしているのは彼らとこれまで一緒にいた『情』によるものなんですがね』

 

 

 戦闘の火蓋が切って落とされた宇宙と地球の間――メネラオスのブリッジで二人の男が言葉を交わす。地球連合きっての智将デュエイン・ハルバートンとアークエンジェル隊所属となったムウ・ラ・フラガ。

 

 ムウが出撃したことに驚くハルバートンであったが、彼の意見は的を得ていたしその後に続く言葉も彼らしいものだった。そこへ更にアークエンジェル――マリューからの通信も入る。

 

 

『無礼を承知の上で申し上げます、閣下。私もフラガ大尉と同意見です』

 

「マリュー・ラミアス!?」

 

『先程、ウルトラ騎空団団長殿より本戦闘における共闘の返事を貰いました。彼らとしても今までのことで腹を据えかねていたようで、特に団長殿はシャア・アズナブルを単独で退けるほどの実力者。手を貸してもらえるならそれに越したことはなく、また指揮官としても非常に有能です』

 

『私もラミアス大尉に同意します、ハルバートン閣下』

 

「コープマン少佐もか!?全く……先の訪問にて出会えなかったのが悔やまれるな、それほどの人物とは。だが、いいだろう。貴公らの判断を信じよう!」

 

「閣下!?」

 

 

 副官のホフマンが驚きの声を上げるが、ハルバートンは笑みを浮かべたまま発言の撤回をする様子はない。

 

 

「危険すぎますぞ!報告通りなら、あれだけの戦力を持っていながら今まで世界のどこでも全く話を聞かなかった一団です!腹にどんな一物を抱えているやも――」

 

「そうかな?確かによく分からん集団かもしれん。だがラミアス大尉の報告では容易く数人で艦の制圧さえこなせる猛者が多く存在するというらしいぞ。私も直接見たわけではないが、避難民達を含めそれを目撃した者が大勢いる。そんな連中がアークエンジェルを狙う気ならとっくに彼らのものになっていると思わんかね」

 

「それは……」

 

 

 そう、ハルバートンの言うとおりレジェンド達にしてみればアークエンジェルを狙うメリットなどない。技術は当然、人員にしてもブリッジクルーはぶっちゃけ無理矢理ほぼ全ての作業を一人でやらされた流の方が有能だったり、ましてやパイロットなど一番顕著に現われている。地上や空の世界にも戦力を有するウルトラ騎空団が今のアークエンジェルを戦力として必要とする理由は皆無だ。

 

 単純に、団長のレジェンドがしたいことに団員が乗っかっただけのこと。したいこととは当然『ザフトのホームグラウンドである宇宙にて、連中の鼻っ柱をへし折ってやる』ことである。

 

 

「我々にやらねばならぬことがあるように、彼らにもそれがあるのだろう。それに、言い換えれば彼らも我々を『何か悪巧みしているやも』と思っていても不思議ではないということだ。違うかね?」

 

 

 ハルバートンの言葉にぐっと口ごもるホフマン。モニターに視線を向け、ハルバートンは戦場の最前線にいる赤い機体――アルトアイゼン・リーゼを見ながら呟く。

 

 

「願わくば、無事この場を切り抜けて対面したいものだな」

 

 

 

 

 予定ではヴェサリウス、ガモフ、ツィーグラー、そしてミダラーンの4隻で攻略に当たるはずだったが更に2隻が急遽参加してくれることになったザフト側。

 

 

「ウェゲナーとパスツールの参加はありがたい。足つき、というよりあの混成部隊を相手にするには数がいくらあっても足りないからな」

 

「おまけにアズナブル隊は最強戦力が出れず、さらにもう一機も出れないときた。これじゃ、あのツノ付き強襲型を仕留めるのは厳しそうだ。一番どうにかしたい相手なんだけどねぇ」

 

「まともに相手をしたくはないが、かといって野放しにすればこちらの戦力を根こそぎ壊滅されられるかもしれん。私達で時間稼ぎをするしかあるまい」

 

「だよなぁ。なあラウさん、俺ら今ザフトで一番働いてると思わないか?」

 

「一番働いてるかは分からんが、一番面倒事を押し付けられている感はあるな」

 

「同感。これが終わったら休暇の一つも貰わないと割に合わないって」

 

 

 軽口をたたく二人だが、エゼキエルを動かす手に曇りはない。連合の艦から発進してきたメビウスを難なく撃墜しながら進むと、彼らは遂に接敵する。

 

 

「お?早速おいでなすったか光神サマ」

 

「随分とグローバルな活動をしているようだな、発禁天司……!だが追いかけ回す相手を見誤っているぞ!」

 

「それは俺も反省すべき点だ。けどま、この場じゃ好都合」

 

「君には一度会ってみたかったところだ。そして出会って早々で申し訳ないがご退場願おうか」

 

「その言葉をそのまま返す……!無事に済むと思うなよ!」

 

 

 エゼキエル二機に対して単独で挑むアルトアイゼン・リーゼ。一見すると不利に見えるそれは、しかしてその実全くの逆。白と黒、二機の『ナイト』を一機の『孤狼』が喉元を噛み砕かんと迫る。

 

 

 

 

 

 ゼットのZガンダムと相まみえるはやはりアポリーのスーパーディアス改。そしてRFグフカスタムと激突するのはサーガのダブルオークアンタと三日月のネオ・バルバトスルプスレクス。六人とも実力者であり、連合や他のザフトの者達から見てもその戦いは正に熾烈という他なかった。

 

 

「チェストォォォォォ!!」

 

「うおっと!?良い踏み込みだ!今のは危なかったな!」

 

「ホントそんな重機動型でよくそこまで動けますねアポリーさん!」

 

「簡単にやられたら立つ瀬がないからな、俺も!」

 

 

 お互い敵同士ながらも憎しみはないゼットとアポリー。ゼットはアポリーを称賛し、アポリーもまたゼットを褒める。二人ともこうして敵でなければ良き先輩後輩として切磋琢磨出来ただろう。

 

 

 

 

 

「ぬぅん!」

 

「この……!」

 

 

 ランバ・ラルのグフカスタムと激しい接近戦を繰り広げているのは三日月のバルバトス。武器であるレンチメイスがその大きさ故に取り回し難いと思われたバルバトスだったが、レクスネイルによるクローでの接近戦は歴戦の猛者たるラルも舌を巻いた。

 

 

「ふっ……やるな、獣のようなガンダムのパイロット。この状態で恐れなどないというのがその爪を通して伝わってくるわ」

 

「あんたもね。バルバトスの戦い方を見たら大抵のやつは接近戦に及び腰になるのに」

 

 

 互いに弾き飛ばすよう離れ、滑空砲と5連装機関砲による射撃戦へと移行するバルバトスとグフカスタム。その根幹にある狙いはどちらも再度接近戦を仕掛けるタイミング。

 

 

「この一瞬一瞬が緊張に満ちた空気、これが(いくさ)というものよ」

 

 

 

 

 

「うおおおお!」

 

「ふんっ!」

 

 

 ダブルオークアンタのGNソードⅤとグフカスタムのヒート・サーベルが激突し火花を散らす。こちらの二機もやはり接近戦での対決だ。出力は依然としてダブルオークアンタが上なのだが、受け止める角度や衝撃の逃し方が絶妙なグフカスタムもまた一歩も譲らない。

 

 

「手強いッ……!」

 

「少しでも気を抜けばたちまちスクラップだろうな、あの剣の切れ味は!」

 

 

 かくいう二人もまた武人として戦いに臨んでいる。ダブルオークアンタはGNソードビットを使わず、グフカスタムもヒート・ロッドやガトリング・シールドを使用していない。正々堂々、一騎打ち。今の彼らの邪魔をすれば、即座に屍を晒すことになるだろう。

 

 

「人の生は何を成したかで決まる。ここで終わってくれるなよ、(つるぎ)のガンダム!」

 

 

 

 

 

 ザフトにとって見慣れぬ機体があった。アズナブル隊の報告にあったライン・ヴァイスリッターでもなければ、確認されている中で一番特異なゼルガードでもない。言うなればG兵器に似ているがどうにも違和感が拭えぬ機体、といったところか。しかもそのうち一機はかなりの腕のパイロットが乗っているらしく、的確に戦力を奪っていく。

 

 

「はい、それじゃあ早いところ戻ってくださいね〜」

 

「うあああああ!?」

 

 

 ――しのぶの機体、ヒュッケバインMk-Ⅱのチャクラムシューターがジンを削るように切り裂き、ギリギリコックピットのパイロットを傷付けないレベルの損傷を与え戦闘不能にする。

 

 ……しかし、この乱戦で戻れと言われても機体を放棄して生身で母艦まで戻るのは不可能ではないかと思う。

 

 

「行けっ!リープ・スラッシャー!」

 

 

 同じくアズのヒュッケバイン30がリープ・スラッシャーでジンを切り裂く。こちらは有線式ではないため距離の取り方などが重要になってくる。だがアズはそれを自在に使いこなし、かつスラッシャー自体もかなり高速で動くので命中率はほぼ100%。

 

 

「ふぅ……こっちは、制圧出来た……!」

 

「お疲れ様です、アズさん。他の人達と合流に動きましょうか」

 

「了解です、しのぶさん」

 

 

 正直、ミツバ艦長と間違えられるかと思いきやちゃんと呼んでくれた。同時に実の妹を間違えかけたカナエはどうかと思うしのぶであった。

 

 

 

 

 

「悪いけど、私は姉様やお母様からよく言われているの。『明確な殺意を持ち襲いかかってくる連中には、それ相応の報いを受けさせなさい』って」

 

「う……うわあぁぁぁ!?」

 

 

 ガンダムXの大型ビームソードがジンの胴体をコックピットごと両断する。レジェンドやサーガらのように覚悟が決まっている沙耶は、彼ら程の技量を持たないためコックピットを外してという芸当がまだ出来ない。それ故に手加減をしないのだ。自身の実力をよく理解しているからこそその戦法を取らない。

 

 

(……さっきから撃墜するとチクチク頭が痛むわね。何かしら、この感覚……)

 

「沙耶さん、大丈夫ですか!?辛いなら帰投したほうが……」

 

「心配しないで、ルリア。多分静電気か何かだと思うから」

 

「静電気?」

 

「ルリア、今はこっちに集中して!沙耶さんがそう言っているのに無理に聞き出す必要も余裕もないから!」

 

「はわっ!?ご、ごめんなさいアマリ!」

 

「ある意味大丈夫じゃなさそうなの私かもです!多分これ戦闘後に帰投したら二日酔い的な頭痛に苛まれそうで!」

 

「サイバスターは……ってメンテナンス中でしたっけ」

 

 

 ガンダムXと共に戦闘中のゼルガード、ライン・ヴァイスリッターがそれぞれフォローし合う形で陣形を組んでおり、女子同士ということもあって会話も弾む。沙耶が何かを感じたが、その理由はもう少し後……地球へ降りてから知ることになる。

 

 

(怪我……とかじゃないわね。あの寝袋で寝過ぎただけかしら)

 

 

 

 

 

 リアス、一誠、そしてタイガはムウと、さらに出撃してきたストライク――キラと共にチームを組んで迎撃していた。

 

 

「本当にいいの!?」

 

「レジェンドさんが渡してくれたメガビームライフルもありますから、ソードやランチャーと同じように一撃必殺の術も問題ありません!」

 

「いや、それはいいんだけどさ。その……俺らが言うのもアレだけど」

 

「そちらも大丈夫です。僕には守りたいものがあるから、だからこうしてここにいるんです。僕が僕らしくあるために」

 

「自分らしく……か」

 

「この状況、普通ならさっさと逃げたいと考えるもんだからな。それを跳ね除けて前線に経ったんだ、除隊許可証まで貰って戦争と関わることなく生きれただろうに……だから期待させてもらうぜ、坊主!」

 

「はい!」

 

 

 本来であればキラとムウ、そしてオカ研メンバーで別々のチームとなっていただろう。もはや彼らは五人で一つのチームと呼べるものになっている。

 

 そんな彼らと相対したのはやはりクルーゼ隊の四機。

 

 

「見つけたぞゲシュペンストォォォ!!」

 

「あれは……デュエル!?装備が……」

 

「ゼットがよく言ってたフルアーマーってやつか!」

 

 

 イザークの駆る、新装備アサルトシュラウドを纏ったデュエルが一誠の量産型ゲシュペンストMk-Ⅱ改・タイプGへと突撃してきた。重装甲ながら機動力も増したデュエルがビームサーベルを抜き、対する量産型Mk-Ⅱ改もHiビームカッターで受け止める。

 

 

「この傷の礼!たっぷり返してやる!!」

 

「ぐっ……!」

 

「イッセー!」

 

「お前の相手は俺だ!サザビーもどきが!」

 

「バスター!やっぱりそう来るのね!」

 

 

 デュエルに続きバスターの来襲で、早くも得意のスリーマンセルから離されてしまうリアス達。フォローに入ろうとするゲシュペンストMk-Ⅱ・タイプSを、ブリッツが妨害する。

 

 

「クルーゼ隊長とベリアル参謀から提案された作戦です。そちらをチーム戦にはさせません!」

 

「やるしかないか……!パワーと装甲はこちらが上、行くぞ!」

 

 

 残るイージスがストライクと激突し、援護に来るジンをメビウス・ゼロが迎え撃つ。

 

 

「キラ……!」

 

「僕は逃げないぞ、アスラン!」

 

「Gを相手にするよりマシだがな、こうも数が多くちゃ煩わしいことこの上ないっての!」

 

 

 各所で激化する戦場。そこにある変化が――それも、最大級のものが巻き起こる。

 

 

 

 

 

 ペガサスA――計器類が極大の次元震を感知する。

 

 

「ちょっ……!?勇治さん!シエル!何これ!?」

 

「分からん!何かが来るぞ!しかもデカイ奴がな!!」

 

『マスター、本艦の攻撃能力を全て防御に回します』

 

「すぐにやれ!無いよりはマシだ!」

 

 

 次元震が大きければ大きいほど、その脅威も比例することを宇宙船で旅してきた勇治はよく知っている。やがてそれを周りも認識した時、全機を凄まじい衝撃眩い光が襲う。

 

 

 ズガァァアアアアア!!

 

「「「「「うわぁあああああ!?」」」」」

 

 

 

 

 

 ――そして、衝撃と光が収まった時――

 

 

 

 

 

「随分と騒々しいな」

 

 

 

 

 

 ――300mに届かんとする程、銀色で巨大なケンタウロス型の機動兵器が存在していた。

 

 

 

 

「アレは何だ!?解析を急がせろ!」

 

「ザフトの新型か!?」

 

「いや、向こうも混乱しているぞ!」

 

 

 地球連合が混乱しているように、ザフトも同じ状態であった。そもそも、この世界には未だ戦艦サイズの機動兵器など存在しないのだ。

 

 だが、それを知る者が唯一人この場には存在している。レジェンド――ではない。

 

 

 

 

 

 ――堕天司ベリアルだ。

 

 

「おいおい……お遊び訪問には過ぎたモンだぜ、それは……()()()()()

 

 

 

 

「……スキエンティアのテストに出てみれば有象無象の集まる場所だとはな」

 

『ヤッホー、お疲れ。どうしたんだい、ファーさん』

 

「ただの性能検証テストだ。これも通過点に過ぎんが、あってもマイナスにはならん」

 

『そりゃそうだけどな。じゃあアレだ、俺が所属してる方だけは撃たないでくれよ?』

 

「知らんな。墜ちたくなければ自力で避ければいい。俺が気を遣う必要が何処にある」

 

 

 秘匿回線で繋いできたベリアルを、その機動兵器――スキエンティアを動かす者……星の民ルシファーはいつもの調子であしらう。

 

 

「次元転移は問題ない。では次に武装威力の検証だ」

 

 

 ルシファーはそう言うと、スキエンティアの両腕にエネルギーを集中させ胸部装甲を展開。レジェンドを始めとした面々は一瞬でヤバいと判断するが、連合やザフトは即座に動くことが出来なかった。

 

 

「死の安息が欲しいだろう。これがお前達にとって救済の光になる。サルース・ルーメン、放射」

 

 

 その言葉と共に――救済とは名ばかりの、破壊の光が放たれた。

 

 

 

 

「「「「「う……うわあああああ!!」」」」」

 

「「「「「あ、あ……あぁぁあ……!!」」」」」

 

 

 

 

 

 連合の第8艦隊の艦とMAが。ザフトのMSが。スキエンティアの放った極大の破壊光にて断末魔の叫びを上げながら次々と爆散していく。

 

 

「嘘……!そんな……」

 

「冗談にも程があるだろ……!」

 

 

 リアスやムウは驚愕と恐怖を一度に味わう。

 

 

「こ……こんな……っ……こんなことって……!!」

 

「あ……ぐぅ……っ……!(さっきとは比べ物にならないくらい頭がっ……!私はどうしたっていうの……!?)」

 

 

 アマリは絶句し、沙耶はさらなる頭痛に襲われる。

 

 

「少なくともこの世界の兵器ではないな……!」

 

 

 この状況においてもレジェンドは焦ることなく冷静であった。

 

 

 

 

 

そしてもう一人、彼と同じく冷静さを失わないものがいる。デュエイン・ハルバートン提督だ。

 

 

「マリュー・ラミアス!地球へ降下しろ!」

 

『閣下!?』

 

「避難民の乗ったシャトルも降下させる!このままでは全滅だ!それだけは断じて許されん!アークエンジェルとストライク、何としてもアラスカまで届けなければならんのだ!」

 

 

 既に第8艦隊は艦隊としての体を成していない。MAどころか艦も先の一撃でほぼ壊滅してしまった。あの巨大兵器がこの場を離れたとして、残るザフトを相手取るには厳しい。ウルトラ騎空団の方も多くが動揺しており、まともに戦えるのは片手で数えて余るくらいだろう。

 

 

「ウルトラ騎空団の者達に通達する!今まで共に戦ってくれたことに心から感謝を述べたい。もう十分だ、あとは我々が引き受ける」

 

『『『『『!?』』』』』

 

「統一性のない機体を始めとする傑出した戦力、それは今目の前にいるような存在と戦うために集まったのだろう。ここは苦渋を飲んで撤退し、来たるべき時に備え戦力を整えるのだ」

 

 

 ハルバートンの言葉は即ち、自分達が囮になってでも時間を稼ぐという意思表明に他ならない。それはたった今、眼前で多くの命を失ったばかりの彼らにとって頷くことが出来ないものだ。

 

 

『待って下さい!相手は巨大ですが、付け入るスキがないわけじゃ……』

 

「モニター越しでも分かるぞ。そんな震えた状態で何が出来る!」

 

『!』

 

「冷静になりたまえ!アレがそんな簡単に倒せるような相手でないことは私とてすぐ分かる。ましてや恐怖を抱いたままでは尚更な」

 

 

 リアスを叱咤しつつ、ハルバートンは続ける。

 

 

「君達はまだこれからなのだ。ここで立ち止まるな、そして折れるな。君達を待つものはこの世界だけではないのだから」

 

『っ……』

 

『ハルバートン閣下……』

 

「閣下!ザフトの生き残ったMSが動き始めました!」

 

「さあ行け!ザフトめ、ここは何があっても通さん!第8艦隊の意地を見せてくれる!!」

 

 

 

 

 

「フン……死に損ないが奮起したか。神も命も、何もかもがくだらん。興醒めな上、元々性能検証しに来ただけだ。俺は引き上げるぞ」

 

『はいよ、ファーさん。ギアさんにもヨロシク。ついでに今度新型を取りに帰るから』

 

「取りに来る前に無様な屍を晒すな、それだけ言っておく」

 

『相変わらずだな……ま、安心したよ。了解だ』

 

 

 簡単な会話後、スキエンティアは再び姿を消す。これ幸いにとザフトは残った者達でメネラオスを始めとした連合の残存戦力に攻撃を仕掛ける。

 

 ――が、直後に彼らの間を凄まじい威力のビームが横切った。

 

 

 

 

 

「くっそー!今度は何だ!?」

 

「もう、これ以上は……!」

 

『……いや、猫の手も借りたいような土壇場で間に合ったようだな』

 

「「「「「え!?」」」」」

 

 

 そのビームの発射元を探るように辿ると、猛スピードで接近する鳥のような機体、そしてその遥か後方から更に二機の機体が向かって来ていた。

 

 

 

 

 

 その機体こそ、クレナイガイが駆るウイングガンダムと先のアメノミハシラでマリーダを救ったライとモニカのガンダムデルタカイとリ・ガズィカスタム。

 

 スキエンティアの行いによって衝撃が抜け切らぬウルトラ騎空団の危機に、間一髪駆け付けることが出来たのだ。

 

 

「ウルトラ騎空団!全機無事だな!?」

 

「オーブ先輩!」

 

「そちらの二機は!?」

 

「レジェンド様、モニカ・クルシェフスキー並びに皇ライ到着しました!只今よりそちらの指揮下に入ります!」

 

「デブリだらけ……父さん、何があったの?」

 

「実は「「「「「父さん!?」」」」」お前ら少し黙っていろ……!仕方ない、話は後だ!これより俺達は大気圏突入を行う!各機はペガサスA、もしくは――アークエンジェルへと帰投せよ!!」

 

 

 その指示にウルトラ騎空団のみならず、マリューらアークエンジェルクルーも驚く。

 

 

「位置的に全機がペガサスAまで戻るのは不可能だ!それにハルバートンとやらの願い、多少なりとも汲んでやらねばならんというのもあるのでな!」

 

 

 それはどういう、と出かけた言葉も全員が飲み込んだ。今はそれどころではない。命がけで自分達を逃がそうとしてくれている第8艦隊の生き残り達の思いを無駄にしてはいけないと、彼らは即座に行動を開始。

 

 同時にメネラオスからシャトルが地上へ向けて発進準備を開始する。避難民を乗せたシャトルを護るべく、Sガンダムが可能な限り近くまで接近・護衛を行う。

 

 そんな状態にも関わらず、ザフトは攻撃を止める気配を見せない。

 

 

「逃がすかぁぁぁ!!」

 

「いい加減にしろよテメェ!!」

 

 

 特にイザークは並々ならぬ執念で一誠の量産型Mk-Ⅱ改を攻め立てている。対する一誠もさすがに先の光景を見せつけられて尚も追いかけてくるデュエルに苛立ちを隠せなかった。

 同じくバスターもリバウを追いかけるが、火力重視のバスターは本来後方より射撃を行い、遠距離で敵機を撃墜することをコンセプトにした機体。よって機動力自体は他の機体に劣る以上、地球へ近付けば近付くほど――

 

 

「マズい、地球の重力に捕まった!駄目だっ……戻れない!」

 

 

 当然、こうなってしまう。

 

 

 

 

 

「アスランとニコルは戻せ!今から追っても何も出来ん!」

 

「エネルギー的にもヤバそうだしな。下手すりゃコッチまで地上に引きずり降ろされるぜ」

 

 

 クルーゼとベリアルも引き際と考え――

 

 

『ラル、パッカード、アポリー。これ以上彼らを追う必要はない、撤退しろ。あの機動兵器に加え、新しく合流してきた機体についても調査しなければならん』

 

「「「ハッ!」」」

 

 

 シャアもまた三人を引き上げさせ、戦争が新たなる局面を迎えることを感じつつ撤退する。

 

 しかし、ガモフだけは最後まで――否、最期まで撤退せずメネラオスへと攻撃しつつ前進していく。

 

 ――特攻だ。

 

 

 

 

 

「ローラシア級!本艦に尚も接近!」

 

「刺し違えるつもりか……!」

 

「アークエンジェルだけではない。ウルトラ騎空団の艦にも傷一つ付かせはせんぞ!シャトルも降下させろ!連中の大半が退いた今がチャンスだ!」

 

 

 ハルバートンの覚悟は当に決まっている。己の意志と願いを後世に託す――彼が望んだレジェンドとの対面は果たせないだろう、しかし彼は『ハルバートンの願いを汲む』と言ってくれた。それで十分だ。

 

 時代を憂いつつ、智将は最後の敵を迎え撃つ。

 

 片や、満身創痍ながらも突き進んでくるガモフ。片や、守るべきもののために仁王立ちするかの如く動かず砲撃を止めぬメネラオス。

 

 

「ハルバートン提督!」

 

「ゼルマン艦長!」

 

 

 それぞれの艦長の名が各々の軍に叫ばれる中、ガモフとメネラオスは双方共に轟沈。最後まで己の艦と共に殉じた彼らへ、軍属の者は涙を堪え敬礼にて見送った。

 

 

「……閣下……」

 

 

 恩師の生き様を焼き付けたマリュー。

 

 

「……逝ってしまったか。実直で、ザフトでも信頼出来る人物がまた一人」

 

 

 シャアもシャリアと共に、ミダラーンのブリッジにて敬礼でガモフを見送る。

 

 

 

 

 

 アークエンジェルは既に大気圏突入を開始し、ストライクとメビウス・ゼロの他、ダブルオークアンタとバルバトス、ヒュッケバイン二機にガンダムX、そしてリバウ、ゲシュペンストMk-Ⅱ・タイプSを収容済み。

 反対にペガサスAはライン・ヴァイスリッターとゼルガード、ウイングガンダムのみだ。

 

 まだ、量産型Mk-Ⅱ改とアルトアイゼン・リーゼ、Zにデルタカイ、リ・ガズィカスタム、そしてシャトルの護衛をしているSガンダムが残っている。

 タイタスとフーマは万が一に備えてアストラル体となり一誠と共にあり、ダ・ガーンも同じく一誠のブレスレット内にペガサスAの方から移動していた。

 

 

「こいつぅぅッ!!」

 

「しつこいにも程があるっつーの!!」

 

 

 地球の重力に引っ張られながらも戦闘を継続している量産型Mk-Ⅱ改とデュエル。レジェンドは全機が帰投してから戻るために殿として、残る4機は変形機構と高出力により最寄りの艦まではどうにか自力移動可能なので、いざという時の保険として各々が自主的に残っていた。特にSガンダムは当初の目的が避難民を乗せたシャトルの護衛。せめてシャトルの安全が確保出来ねば。

 

 

「オラァッ!!」

 

「ぐっ!くっそぉぉぉ!!何度も何度もぉっ!!」

 

 

 ジェット・マグナムを叩き込まれ、吹っ飛ぶデュエルだが尽きぬ執念で再び攻撃を仕掛けようとしたところを、遮るようにメネラオスから発進したシャトルが降下していく。

 

 

「あの戦艦から出たシャトル……ってことは……!」

 

「このっ……!よくも邪魔を!」

 

 

 一誠との戦いに水を差されたと感じたイザークは、激情のままにシャトルを狙いビームライフルを発射する。大気圏での戦闘ということもあり機体が安定しないため命中しなかったが、もし当たってしまったら――

 

 

「ふざけんな!それに乗ってんのはお前らが原因で――」

 

「逃げ出した腰抜け兵がぁぁーッ!!」

 

 

 デュエルの放った何度目かのビームが遂にシャトルを貫く――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――ことは、無かった。

 

 

 

 

 

「あっぶねえ!ウルトラ危なかった!ナイスアクション俺!!」

 

「ゼットさん!ウルトラファインプレーだぜマジでェェェ!!」

 

「貴様ァ……!」

 

 

 間一髪、Zガンダムがビームサーベルにも耐えるシールドで割り込み防ぐことが出来たのだ。一誠だけでなくアークエンジェルに帰投していたキラや、近くまで来ていたダイゴもガッツポーズしてしまうほどの功績。そして、さらにそれが功を奏しシャトルは無事安全圏へと離脱。

 

 

「ティガ先輩!一誠をアークエンジェルへ!そこからじゃペガサスAは遠い!」

 

「分かった!」

 

「すいませんゼットさん!ホントに!マジでありがとうございましたっ!!」

 

「おお!早く行けでございます!」

 

 

 Sガンダムの手を借り、量産型Mk-Ⅱ改はその場を離れアークエンジェルへと帰投する。

 

 

「逃がす……ッ!?」

 

「お前、何してんだよ……!」

 

 

 まだ諦めず二機を追おうとしたイザークだったが、凄まじいプレッシャーを感じてZガンダムの方を向くと、大気どの摩擦熱ではない赤い光を放つZガンダムがあった。

 

 

「撃つ気もなきゃ撃たれる気なんてある訳ない、無抵抗の避難民が乗るシャトルを狙いやがって……!」

 

「何だと……!?避難民!?」

 

「お前みたいな相手を撃つことしか考えない奴ばっかだから、こんな戦争が終わらないんだ!!」

 

 

 ゼットの叫びと共に、Zガンダムの放つ光がより一層激しさを増していく。

 

 

 

 

 

「隊長!この感覚は……!」

 

「ああ……!しかし、これ程までに早く覚醒するとは!」

 

 

 シャアとシャリアはモニターに映るZガンダムと、ゼットが無意識に放っているプレッシャーを離れていながら感じ取っている。

 

 彼らが()()()()()()()()だからというからだろうか。

 

 

 

 

 

「な……何だあれはっ!?」

 

「一発ぐらいお仕置きをブチ込まなきゃ気が済まねえ!」

 

 

 Zガンダムがビームサーベルを抜き――

 

 

「ウルトラ反省しやがれぇぇぇぇぇ!!」

 

 

 思いきり振るうと、それは予想を遥かに超える長大な光の鞭というべき形となり、デュエルに迫る。

 

 

「う……!何で……何で動かない!このっ!何で!う……うわあああああ!?」

 

 

 何故かイザークの操縦を一切受け付けなかったデュエルは、殆ど棒立ちのまま長大なビームサーベルで袈裟斬りに切り裂かれて吹き飛ばされた。

 しかしコックピットまでは損害が及んでおらず、デュエルはバスター同様そのまま地球へと落ちていく。

 

 Zガンダムはアルトアイゼン・リーゼに救助され、デルタカイとリ・ガズィカスタムがMA形態で一時的にそれぞれと接続。四機を受け止めるべく下方へ回り込んだペガサスAへと無事帰投した。

 

 計らずも別れて乗艦し、また望む場所ではないところへと降下することになったウルトラ騎空団とアークエンジェル。新たなる脅威から受けた傷も癒えぬまま、彼らの戦いの舞台は地上へと移る。

 

 

 

〈第10章へ続く〉




ラストでゼットがほとんど持っていってしまった。

いよいよ次章から地上編。砂漠の虎やオーブの姫の登場・再登場、更にセレブロが少しずつ動き始めますが、ウルトラ騎空団の合流やあの超兵器の使用、そしてお待ちかねゼットのメインヒロインのステラも参戦することになっております。

また、本作仕様のキャメロットやバビロニアも控え怪獣総進撃も開始予定なので基本本編が優先更新されるかなと。

次回からしばらくはアークエンジェル側とペガサスA側、二つの視点の話になります。メンバーの関係上、どちらにも大きなイベントがあるのでご期待ください。


それではまた次回。

二択決定戦! シン一人乗りする最終ゲッターはどちらだ!?

  • 真ゲッタードラゴン(大決戦版)
  • 真・ゲッター1(スパロボα仕様)
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