ウルトラマンレジェンド Episode.CROSSOVER   作:ハジケハムスター・ポッポ

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お待たせしました。いよいよ本格的に地上編、即ちSEED第2クール編です。

主題歌は第二期OP『moment』かXの前期OP『DREAMS』を本作の登場人物とその搭乗機で妄想しつつお楽しみ下さい。『色彩』『逆光』そして『躍動』は本編で彼らが出るまで取っておきましょう。


それでは本編をどうぞ。


それぞれの想い

 地球へと降下したアークエンジェルとペガサスA。しかし、直前の戦闘が原因で双方とも降下地点がズレ、かつ離れ離れになってしまった。

 

 それはいい。元々所属が違うのだからどのみち何れは別れることになるのだから。問題はウルトラ騎空団のメンバーが仕方なしとはいえ何名かがアークエンジェル側に再度乗艦することになったこと、そして互いの降下地点が面倒事に巻き込まれる確率の高い場所だったことだ。

 

 

 

 

 ――ペガサスA――

 

 トルコの内海、マルマラ海……北の黒海、南のエーゲ海とそれぞれボスポラス海峡、ダーダネルス海峡を通じて繋がっているそこの港。その一つの近辺にペガサスAはステルス機能を使い停泊していた。

 

 というのも周囲の状況把握に加え、先の戦いにおいてゼットがZガンダムで起こした不可思議な現象の反動か体調を崩してしまったため、休息を取るためにそうせざるを得なかったのだ。

 

 

「すいません皆さん……俺が不甲斐ないばっかしに……」

 

「気にするな。それにお前は不甲斐なくなんかない。避難民が乗ってたってシャトルを守り抜いたんだからな」

 

「オーブ先輩……」

 

「俺なんて駆け付けたタイミングが遅いし、撃てたのも一発だけだ。それも精々脅しにしかならなかったし」

 

 

 今、ラムネを飲みながらゼットにスポーツドリンクを渡しつつ看病しているのは先刻合流したガイ。彼はそう言うが、実はライやモニカが真っ直ぐこちら側に合流出来たのは彼のおかげなので、こちらの戦力アップにおいても十分貢献したと言える。

 

 

「とりあえず……全員無事なんで良しとしようか。正確には全員、じゃないが」

 

「……第8艦隊の皆さん……」

 

 

 最後まで、自分達を守って散ったメネラオス――ハルバートン。そして地球連合宇宙軍第8艦隊。最後に聞いたハルバートンの言葉は確かにゼット達の心に届いていた。彼らに託されたものを背負い、自分達は進まなければならない。

 

 

「俺、もっと頑張ります」

 

「ああ。俺も後輩に負けてられないからな」

 

「……あ!後輩だけど、MSの操縦ならオーブ先輩の先輩ですよ!俺!」

 

「言い方がいまいち分かりにくいぞ、それ。まあいいか、ただ寝てるだけだと暇だろう。そうだな……ヒストリーモードだっけか?ゼットがそれで体験したことでも話してくれよ」

 

「あ、それ俺達も混ぜてくれよ!」

 

「「!」」

 

 

 ゼットとガイがその声に驚き振り向くとミゲルとラスティが扉から顔を覗かせた。この二人もウルトラ騎空団預かりということでペガサスAに移っていたのだが、色々あって今まで割り振られた部屋に籠もりっぱなしだったのだ。

 

 

「よっ!そっちの人は初めましてだけど」

 

「皆、外に出掛けたり休んだりしてて俺達も暇でな。一応捕虜扱いなわけだし、許可なく艦外行動とかは拙いだろうと思ったら面白そうな話が聞こえてさ」

 

 

 捕虜扱いとは言ったものの、彼らも驚く程制限のハードルは低かった。反抗・逃走等の意志さえ見せなければ基本艦内では自由行動。外出も許可が下りれば問題無く行える。既にウルトラ騎空団の空気に心地良さを感じていた二人が対立行動をするはずもなく、彼らの性格もありこうして一クルー同然に話しかけてくるのだ。

 

 

「そっちのシミュレーター、マジでその時代その戦場にいるかのような状況を再現出来て、しかも会話まで出来るんだろ?今度俺達にもやらせてくれよ」

 

「ちょっと前に見てみたがジンやシグーに似た機体とか色々あって興味深いな。個人的に『ガンダムキュリオス』ってのが気になるが」

 

「おぉ、それは変形機構持ちのウイングに乗ってる俺も興味あるぞ。さ、動けないんだから観念しな。ゼット『先輩』?」

 

「うへぇ……そういやオーブ先輩ってからかいもプロ級だったっけ。仕方ねえ、腹を括るぜ!」

 

 

 待ってましたと三人で顔を見合わせて笑うガイ達。その後、和気藹々と話を聞きながら彼らは賑やかな休暇を過ごすのだった。

 

 

 

 

 

 レジェンドはルリアとアマリ、ロスヴァイセを連れて近くの街に物資補給に出ていた。綺麗所三人を連れているレジェンドに嫉妬の視線が絶え間なく注がれるも、大抵は纏う雰囲気に撃沈。それでも諦めない者はレジェンドの尋常ならざる殺気をピンポイント直撃させられ、恐怖で涙を流し泡を拭きながら失神。そいつらの股が湿ってたような気もするが至極どうでもいい。

 

 

「わあ〜!オーブもそうでしたけど、空の世界とはやっぱり違うんですね!あ、あれ美味しそうです!」

 

「ルリア!一人で進んじゃ駄目だってば!」

 

「レジェンド様!あちらで特売やってるみたいです!購入に一家族何個とか制限ある場合もありますし早急に向かいましょう!」

 

「……保護者か俺は。こう騒がしくては補給の片手間に調査の一つも行えん」

 

 

 ルリアとアマリの反応は、まあ当然だろう。何せ二人ともレジェンドらに連れ出される前は幽閉状態にあったのだから。ルリアの世話をアマリが焼いてるのもいつも通りの光景だ。

 ロスヴァイセも元々百均巡りが趣味で、長年薄給だったことで染み付いた貧乏性はそう簡単に抜けないことを証明する形になってしまった。身に合わない贅沢をして破滅とかしてしまわないから良いのかもしれないが。

 

 

(しかし……あの出来事の後だ、空元気なのかもしれん。それとも既に受け入れて進もうとしているのか……どちらにせよ、気落ちしているよりはマシだな)

 

 

 先の戦いで謎の機動兵器による虐殺とも言える蹂躙。彼女らの目の前でそれが行われた。ヴァルキリーだったロスヴァイセはともかく、まだ戦闘自体そう多く経験しているとは言えないルリアとアマリには相当堪えたのだろう。レジェンドがゼットやライ、モニカと帰投した際に泣きながら抱き着かれた。戻ってくるか不安だったという。

 

 

(それにしても、ライとモニカの話ではインベーダーがアメノミハシラを襲っていたというが……戦力的に言うなら余程強力なインベーダーでもない限り撃退出来る戦力が残っていたはず。にも関わらず、ヒリュウ改はアメノミハシラを脱出した……しかも束まで出撃しただと?どう考えてもアメノミハシラ内部で何かあったと考えるのが妥当だ。これに関しては合流してから聞かねばならんか)

 

 

 立場上、頭痛の種とは常時付き合っていなければならないようなレジェンドだが、嘆く時間などない。

 

 

「何にせよ、まずは当初の目的を済ませるか。一応休暇の体を取っているわけだし、その後のことは追々考えていくとしよう。どの道目指すのはオーブなわけだが……懸念すべきはアークエンジェル側にいる沙耶の体調だな。降下直前サーガにメッセージを入れてあるが、俺の予想が正しければ……」

 

 

 そう思ったレジェンドだが、ふとペガサスAで感知した、ある施設のことが頭を過る。またも思考の世界に入り込もうとした時に、ルリア達に呼ばれ意識を戻されると一先ず施設のことは置いておき彼女らの方へと歩を進める。それに沙耶の方はしのぶもいるし、もしかすればこちらより安心かもしれない。

 

 レジェンドの気にしたその施設がコズミック・イラにおいて重大な意味を持つものだと彼らが知るのは、もう少しだけ後のこと――。

 

 

 

 

 

 ペガサスAのブリッジでは残る流とライ、モニカに艦長の勇治がブリーフィングを行っていた。本来ならレジェンドが同席すべきだろうが、先の三人のことも考えると彼を同行させた方が色々都合が良いのである。

 

 ……トラブルに巻き込まれた結果、町中で「汝の名は、バハムート!」されたりするのは勘弁してほしいし。

 

 

「「特機用トレーニングプログラム?」」

 

「ああ。話に聞くインベーダーや大型の怪獣などに対抗するとなると、MSのサイズではかなりの火力が必要になる。まあ、ウルトラ騎空団にはそれを生身で出すような色々おかしい面子だらけだが……」

 

 

 団長であるレジェンドや、副団長のサーガなどその典型だ。他にも分かりやすい部類なら普段はレジェンドにくっついている無限の龍神オーフィス、神衛隊なら巌勝や狛治、空の世界出身のサラーサやガンダゴウザなど。

 ここに別行動中の九極天、即ち東方不敗らを加えると更に増える。

 

 

「ともかく、そうなると色々と考えなければならないことが多くなるため、それも視野に入れるにしてもまず一番手をつけやすい『単純に高い火力を持ちやすい機体』……つまりスーパーロボットの開発を進めることにしたわけだ。開発に関してはレジェンドに一任している。私はもっぱらMSサイズが主流なんでな」

 

「確かに、父さんはスーパー系だよね……色々と」

 

「ライ、あの方を単純にスーパー系の括りに入れるのは違う気がするわ。機動性重視の高性能MS相手に手加減した上で変態機動を行うマジンガーZEROは果たしてスーパー系と言えるのかしら?」

 

「じゃああれだ、鬼畜チート系」

 

「いやだから真面目な話してるのは分かるけど俺にペガサスAの操舵通信火器管制その他ブリッジ関係全部任せるとかやめてほしいんだけど!?今は停泊してるから楽でいいにしても、シエルどうしたのシエル!超高性能AI!!」

 

 

 流の必死な叫びにハッとなる三人。別に忘れていた訳じゃないぞ。……多分。もしそうなら逆襲でメダルの代わりに魂粉砕してきそうだけど。彼の元の職業的に。

 

 

「少しばかり気になることがあってな。そちらの解析にまわしている」

 

「しょうもないことだったら今この場で変身して内側から巨大化しつつペガサスAブッ壊すんで」

 

「「やめてください流さん!?」」

 

 

 もう彼も結構キていたらしい。さすがにここで誤魔化したら確実に流はキレると確信した勇治は冷や汗を垂らしつつ正直に答えた。

 

 

「降下時にこの近くで妙な建築物を見掛けたんだ。何というか……()()()()()()()直感というべきかな。その建築物……何らかの施設だとは思うが、そのまま野放しにしてはいけない気がしたんだ」

 

「施設?あれじゃないですか?ここってほら、場所的に水産業とか盛んそうですし。それ絡みとか」

 

「だとしたら鮮度などを考えてもっと近くに建設するだろう。その手の施設にしては建設位置が遠過ぎる」

 

 

 その施設は港の近くではあるが、海の近くではないのだ。であるならば何の施設なのか。別にスルーしてもよかったが、彼の勘が告げた。もっとよく調べるべきだと。いまいち腑に落ちない流であったが、とりあえず休める時に休んでおこうとブリッジを出て部屋に向かう。

 

 勇治の勘は正しかったのか。それはもうじき明らかになる。

 

 

 

 

 ――アークエンジェル――

 

 当初の予定と違い北アフリカの砂漠地帯に降下した彼らもまた、状況把握などの各種事情を兼ねた休息を余儀なくされていた。

 

 というのもまだ殆どマークされていないペガサスAに対しアークエンジェルはザフトにとって明確なターゲットであり、ザフトの勢力圏内に降下したことで迂闊な行動はとれない。

 加えてあちらのゼットと同じように沙耶が体調不良で倒れたことも関係している。幸いというべきか医者であるしのぶがこちらにいたことでアークエンジェル所属の軍医に頼ることなく、ウルトラ騎空団に割り当てられた部屋で診ることが出来た。

 

 

「……外傷的なところはありませんね。やはり精神的な負担が原因かと」

 

「そうか……命に別条はない、ということでいいのか?」

 

「そうですね。とりあえず、ではありますが」

 

 

 とりあえず、か……とサーガは溜め息を吐く。沙耶に限って「実は覚悟が決まっていなかった」ということはないだろう。精神的なと聞いて心当たりが無いわけではない。ゼットがあの時Zガンダムで見せた現象……ある意味あれと似たような状態なのかもしれない。

 

 しかしこればかりは同種ないし似たような能力を持たなければ何とも言えないのだ。イノベイターであった刹那・F・セイエイを人間態のベースにしたサーガだから少しはそういった方面に知識はあっても、見た限り沙耶はイノベイター側というよりニュータイプ側だろう。

 だとしたら今のウルトラ騎空団で言うなら元強化人間・現ニュータイプのマリーダ、おそらく先の戦闘で明確にニュータイプとして覚醒を果たしたゼット、素養自体はあるが未覚醒のリアスぐらいしか同類はいない。一番良いのは神衛隊最強とも名高いアムロに見てもらうことだろうが……。

 

 ちなみにレジェンドは除外。あれは逆に超が付くほど万能過ぎて、下手したら解決にとんでもなく無茶な方法を取りかねない。

 

 

「あの、沙耶さんは大丈夫なんですか?」

 

「ああ。ここに来て疲れが一気に出たんだろう。アルテミスのアレも結構なものだったからな」

 

「確か……沙耶お姉様の叩きのめした相手が悉く変態だったあの基地ですね」

 

 

 沙耶の見舞いにはキラやミリアリアらも訪れている。というより、学生達にとってウルトラ騎空団との触れ合いはもはや息抜きの一つだ。何名かとは別れてしまったが、それでもダイゴなどがいてくれるのはありがたかった。

 

 

「それはそれとして、この辺ザフトの勢力圏内なんだろ?あんましのんびりし過ぎても良くないんじゃねーか?」

 

 

 フーマが言ったことは事実。一時ペガサスAに乗艦していたのでダ・ガーンらを同行させられたのは幸いだが、彼らは孤立無援の状態で敵陣真っ只中に放り込まれた(飛び込んだとも言う)わけなのだし、気を抜き過ぎると寝首をかかれかねない。

 ましてやここは砂漠。通常の地形とは様々な面で違うのだ。

 

 

「キラはともかく、お前達はシミュレーターでの砂漠戦闘経験は?」

 

「俺はあんまり……」

 

「私も……」

 

「俺もです、サーガ。一応、市街地戦なら重点的にやったんですが……」

 

 

 他にもタイタスやフーマも当然少ないという。三日月は然程問題なく、ダイゴ自身はいいとして機体が大きさ……重量的な問題と主武装がビーム兵器なのもあって砂漠ではあまり力になれなそうだとのこと。

 寝ている沙耶は……生身ならいざ知らず、機体に乗ってだとおそらくはないだろう。アズも未経験だった。

 

 と、ここで意外にもしのぶの経験値が高かった。

 

 

「ほら、シミュレーターで使ってたボクサーはホバー走行も可能だったので、特殊な地形での戦闘を結構試してたんですよ」

 

「ボクサーって……」

 

「しのぶ先生って、実はアグレッシブ……?」

 

「しのぶ、カナエに関節技決めてたりしたよな」

 

「フーマさんも逝ってみます?」

 

「すいません謝るんで笑顔のまま指バキバキ鳴らさないでください」

 

 

 サイやトール、カズイもビビっているが、相変わらずミリアリアは目を輝かせ「今の時代、女も強くないといけないわよね!」と力説している。強いとは物理的になのか精神的になのか悩む光景なのだが。

 

 

「なあ、やっぱり砂漠とかで戦闘になったときに注意することとかあるのか?俺達生身でなら割とそういうの得意なんだけどさ……」

 

「そうですね……空を常時飛んでいられるような機体ならまだしも、大地に足をつけるような機体だと接地圧が重要かも。あとは摩擦とか……あ、一番確実なのはOSを砂地用に書き換えることです」

 

「ゲシュペンスト、モロに受けんじゃん影響……」

 

「というかイッセー、プログラムの書き換えとか出来るのか?」

 

 

 キラのアドバイスを聞くが、一誠にせよタイガにせよ機動兵器のOS書き換えはまだ勉強していない。一応サーガやダイゴは可能なのだが、二人とも乗っている機体が特別な上、Sガンダムの方はRENAが自動でやってくれるため生憎と力になれない。

 

 

「……あれ?そういえばバルバトスは?」

 

「ん?俺のバルバトスは新しく束博士が一から作ってくれた全領域対応型だから、そういうのは必要なくて経験さえあればどうにかなるんだ」

 

「そうなのか!?凄いな、あのMS」

 

「ある意味パイロット依存、って言われたらそれまでだけど」

 

「それでも余計な手間がかからないMSってハンパじゃないよな」

 

 

 これからの事、それ以外の事も含めて、彼らは多くの犠牲の上に成り立つ今の生を噛みしめつつ、穏やかな一時を過ごす。

 

 

 

 

 

「マニュアルは昨夜見たけど、中々楽しそうな機体だねぇ。ま、ウルトラ騎空団の皆様方の機体の方が乗ってみたいとは思うけどな」

 

「そうはいいますけどね、大尉……いや少佐。こっちにいるメンバー、特務大使や副団長さんの機体はまずパイロット認証でアウト。バルバトスって機体は特殊なシステムに対応してなきゃアウト。でもってあのヒュッケバインとかいう二機も性能をフルで発揮させるには特定のパイロットが必要みたいで、乗れても精々あのゲシュペンストってのが関の山ですぜ」

 

「次点であの豊満な嬢ちゃんが乗ってる赤い彗星専用機みたいなのってとこか。ん?今倒れてる娘の機体は?」

 

「それが、どうやら操縦自体は誰でも出来そうなんですが、相変わらずブラックボックスがある上にどうやら操縦桿が別途必要みたいで、それが無いと起動さえ出来ないみたいなんですよ」

 

 

 格納庫ではムウとマードックが機体の整備をしながらウルトラ騎空団の機体について談笑していた。戦時特例ということでムウは大尉から少佐に、マードックは軍曹から曹長に昇進。給料が上がるのはいいが、この状況で何時使うんだとはムウの弁。因みにマリューやナタルらもそれぞれ昇進している他、キラは少尉、他の学生は二等兵となっている。

 

 

「操縦桿が必要だぁ?随分手の込んだセキュリティ積んでんだな、この……ガンダムX?って奴は」

 

「それだけの機密を持ってんでしょうな。下手に突いて藪蛇は勘弁してくださいよ、少佐」

 

「大丈夫、分かってるよ。下手に触っていきなり自爆、ドカーン!なんて起きたりしたら俺だって嫌だしさ」

 

 

 

 

 ――陛下、どうやらこの子はレジェンド様の圧倒的な力を目の当たりにした者達の手によって造られた人工生命体、その唯一の成功例のようです――

 

 ――そうでしたか……他には?――

 

 ――いえ、この子だけでした。それ故、かなり苛烈な実験をこの子一人に……――

 

 ――……我が騎士達に命じます。この施設、徹底的に破壊して証拠も全て応酬し、関係者は全て粛清します。このような汚点、我が夫が託してくれた私の、私達の新たな国に不要。一切合切、容赦無く蹂躙なさい――

 

 ――はっ!――

 

 ――……おねえさん、だれ……――

 

 ――もう大丈夫です。何も心配ありませんよ。貴女の名は?――

 

 ――『製造ナンバー38』そう呼ばれてた――

 

 ――……命とさえ認識されていなかったなどと……我が夫が聞けばここは即座に消し飛ばされていたでしょう。今日から貴女も私の娘です。名前は……そうですね――

 

 

 それは、忘れ得ぬ遠い記憶――。

 

 

 

 

 砂漠の一角――そこにアークエンジェルを双眼鏡で見る一団がいた。

 

 

「図面でしか見たことはないが……間違いないだろう。あれはヘリオポリスで建造された地球軍の新型強襲機動特装艦、アークエンジェルだ!」

 

 

 金髪の少女が仲間にそう伝えると、他の仲間から無線による通信が入る。

 

 

「どうした?」

 

『虎がレセップスを出た。バクゥ5機を連れてその船に向かっているぞ!それだけじゃない、ホバータイプに換装させたドートレスも6機!』

 

「なっ……!?」

 

「賭けになるな。あの艦がやられるか、それとも……『砂漠の怪物』が嗅ぎ付けてくるか」

 

 

 バンダナを巻いた髭面の男性がそう告げると、周囲の者達は顔を強張らせる。

 

 今、地球に降りたアークエンジェルに『虎』と……そして『怪物』と呼ばれる存在の牙が迫りつつあった。

 

 今宵は雲一つない空と、そこに浮かぶ立派な満月が見える――。

 

 

 

〈続く〉




新たな展開はやはりアークエンジェル側から。

ファンの方なら『北アフリカ』ということである町のことが思い浮かぶはず。そう、本作ではあの場所へ『奴』が向かっています。
おまけにドートレス軍団、そして満月……。

この時点ではアークエンジェルが修羅場ですが、レジェンド側も下手したらそれ以上の修羅場が待っているわけで。

……ザフトというか主にイザークとディアッカがハードモードな気がしてきた。


それではまた次回。

二択決定戦! シン一人乗りする最終ゲッターはどちらだ!?

  • 真ゲッタードラゴン(大決戦版)
  • 真・ゲッター1(スパロボα仕様)
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