ウルトラマンレジェンド Episode.CROSSOVER 作:ハジケハムスター・ポッポ
舞台はオーブ、アークエンジェルやペガサスAではないウルトラ騎空団メンバーが主役となるこちらでは様々なキャラが活躍します。
それでは本編をどうぞ。
何処かの部屋で出会ったグランとシン。
彼らの出会いは偶然か、運命か。
☆
――夜のオーブ首都・オロファト――
ウルトラ騎空団は
事件が起きやすいのはオーブ本島であるヤラファス島と、モルゲンレーテ本社がありオーブ在留中のウルトラ騎空団が拠点とするオノゴロ島の二つ。
他の島にも万が一に備え少人数派遣してはいるが、やはり本島と軍事の中心地たるオノゴロ島は最も重要な場所であるため、ウルトラ騎空団もそれを考慮し優先的に人数を割いている。
「やっぱ例の事件を警戒して、あまり町中に人影はねえな。時間的に家屋の明かりは結構点いてるからそれほど暗くないのは助かるけどよ」
「うむ! 古来より火は魔除けとして言い伝えられているからな! 灯火と言うように明かりは安心感を与えてくれる!」
「パム〜」
「怪しい人影を見たらまずは俺に任せな。親父仕込のウルトラ眼光で宇宙人が化けてないか見抜いてやるぜ!」
竜馬・杏寿郎&パム治郎・レイト=ウルトラマンゼロの三人と一匹によるチームはオロファトの町中を歩いていたが、一応呼びかけも効果があったらしく外を出歩いている人の姿は見えない。あっても国防軍の関係者か警察官ぐらいで、敬礼や会釈を返してくれる程度だ。
これに関しては先の会議におけるミナの意見に賛同する声が多かったことに加え、ウルトラ騎空団のアメノミハシラでの活躍、そしてそのウルトラ騎空団のトップであるレジェンドとミナが婚約者同士かつ互いがしっかり信頼しあっているという多くの要素が積み重なって成し遂げられた結果だ。
当のミナはというと、有事の際に備え束・クロエと共にオノゴロ島のモルゲンレーテ本社にて寝泊まりしつつ、M1アストレイの性能向上・安定化の協力とゴールドフレーム天津神の調整に勤しんでいる。
「そういや、事件の方はともかくだ。下手すりゃ『鬼』も出てくるかもしれねえ。そういうことも考えた上でお前ら鬼討組を分けたってことか」
「お館様やサーガ様が不在な今、『鬼』に直接対抗するには俺達の新たな日輪刀か巌勝殿の鬼神刀、そしてパム治郎の援護しかないからな!」
「そのパム治郎は基本的に杏寿郎と一緒に動いてるしよ。出てこないのが一番だけどな、来るなら鬼討組がいる班とぶつかってほしいぜ」
……そう、敵は何も件の事件の犯人だけではない。まだシルバーブルーメも発見報告は無いし、上述の通り『鬼』が現れる可能性も有り得るのだ。
どちらも質が悪い相手ではあるが、攻撃の通用するシルバーブルーメは戦力さえ十分ならまだどうにか出来る。
問題となるのはやはり『鬼』の方で、小型ないし中型までなら鬼討組が一人でも問題無い。だが大型はそうもいかず、鬼討組複数人もしくはどうにかして攻撃を通す手段が必要。
そして現在後者でそれが可能なのはレジェンドとパム治郎、つい最近ここに追加されたサーガの三名……そのうち二名が居ないというのは大きい。更に残るパム治郎はレイトの言うように基本杏寿郎とセットであるため、現状取れる手段がかなり限定されているというわけだ。
「『鬼』に関しちゃここでどうこう言ってもどうにもならねえ。対抗出来ないワケでもねえし、そん時考えるぞ。にしてもレイト、お前は先輩や後輩と一緒に調べ物しなくてよかったのか?」
「まあな。俺はレオと同じく現場を走り回ってるのが性に合ってんだよ。その方が、見つけてすぐブッ飛ばせるだろ?」
「成程、そりゃそうだ」
ニヤリと笑う竜馬とレイト。これではどちらが悪役側か分かったものではない。
そんな時だった――。
「た……助けてくれえ!!」
「「「「!!」」」」
悲鳴が聞こえてきた方向へ急いで駆けつける竜馬達であったが、距離的にそうであろう地点に着いても人っ子一人居やしない。
「やられた……! クソッ、何処にいやがる!?」
「よし、離れすぎないようにしつつ周囲を捜索するぞ! 声を上げたらすぐ姿を晒せるぐらいがいい!」
「パム……?」
「おう! 見つけたらすぐ言えよ!」
竜馬・杏寿郎・レイトが散開して捜索に入る中、パム治郎はパタパタと空を飛びつつ……その場に残っていた奇妙な液体を眺めた。
今日は雨どころか雲一つない晴天、しかも夜は人通りが無い状態で何故こんなものがあるのか?
なんとなく訝しんだパム治郎は杏寿郎にそれを伝えるべく、少し離れたところにいる杏寿郎の元まで飛び肩を引っ張った。
「パム〜パム〜」
「む、どうしたパム治郎?」
「ヘンナ液体、ミツケタ。今日、雨降ッテナイ」
「何? それは……」
「……! パムー!!」
「うおっ!? 今度は何だ!?」
突如パム治郎が思い切り引っ張ったことに驚く杏寿郎だったが、信頼しているパム治郎が悪戯でこういうことをしないと知っている杏寿郎はすぐに冷静になって尋ねると、パム治郎はその手で『それ』を指す。
そこにはパム治郎が見た液体が少しずつ動いて杏寿郎に向かって来ていた。
「これは……!?」
「パムパム! 動イテル! サッキノ場所カラ!」
「何だと!? もしやこれが件の事件の犯人か!」
「うおおおおお!?」
「「!!」」
杏寿郎とパム治郎が聞いたのは竜馬の声。一人と一匹はその液体に触れぬよう、飛び越えて竜馬の声が聞こえた方角へと走る。
「杏寿郎! パム治郎も無事だな!?」
「レイト殿! 貴公にも聞こえたのだな!」
「ああ、あいつがやられるとは思えねえが……嫌な予感がしやがる!」
「こちらはパム治郎が怪しい液体を発見した! 俺も危うく触れるところだったが、パム治郎のおかげでどうにか触れる前に気付けたのだ!」
「パムパム!」
「液体だと……!? ともかくまずは竜馬だ、確かこの先から……!」
角を曲がると、そこには何もなかった。
パム治郎が見たものと、同じ液体以外には。
「「「!!」」」
その液体は妙な音を発しながら杏寿郎達が見たもの同様、少しずつ迫ってくる。
「レイト殿! これだ! 俺達が見たものと同じ……!?」
「パムー!」
「おい、あれじゃねえのか……お前らが見たってのは!?」
パム治郎とレイトが声を上げると、杏寿郎は自身らが走ってきた方向を見るとそちらからも液体がゆっくり迫ってきていた。どうやら液体は複数箇所に存在していたようだ。
「くそ……今はまだ数が少ねえ、一度退却するぞ! このままじゃ全員やられる!」
「やむを得んか! だが解決へは一歩進んだ! この情報を何としても他の仲間達に伝えねば!」
二人はパム治郎を連れ、驚異的な身体機能をフル活用しその場を離脱する。
残された液体は、妙な音を発しつつも彼らの姿が見えなくなると静かに消えていった。
☆
その翌日、竜馬がやられたという衝撃の事実にウルトラ騎空団は震撼する。種類にもよるが、プラズマ怪獣をソロ討伐出来る彼がグランに続きやられたというのはそれ程に大きなショックだったのだ。
「冗談だろ……!?」
「俺達も直接見たわけじゃねえが、少し離れた時にやられたみたいだ。しかも俺と杏寿郎、パム治郎も危うく同じ目に合う寸前だったぜ」
「杏寿郎さん達程の実力者が危機に陥ったとは、やっぱりカミナさんが予想した通り……」
「うむ! 恐らくは戦闘能力で解決出来るものではないかもしれん! 今ミライ殿や矢的殿の協力で似たような過去の事件を洗ってもらっている! 何でもお館様が遭遇したことのある事件かもしれないとのことだ!」
杏寿郎の言葉にその場の全員が納得する。レジェンドはこの場のみならず、他のウルトラ戦士とは事件の遭遇・解決数が別次元で多い。そんな彼は後進の育成にと自身が経験した各種出来事を複数のデータベースにアーカイブとして残していた。
これにより助けられたウルトラ戦士や防衛チームは数知れず、まだ未熟であった頃の沙耶や、怪獣や宇宙人との遭遇も殆どなく対処に四苦八苦していた月王国女王即位時のモルガン達も恩恵に預かっている。
「たとえその場にいなくても、俺達が自らの手でどうにか出来るように事前策を用意しておいてくれる……お館様はさすがだ」
「うん! お館様もしのぶちゃんもいないけど……その分、私達が頑張ろうね! 伊黒さん!」
正体不明の相手は、元の世界の鬼との戦いで慣れている。ある意味あちらも似たようなものだからだ。
そこへ矢的に『聞きたいことがある』と呼び出されたミナがやってきた。立場的に多忙だろうが疲れをまるで見せない彼女に舌を巻くウルトラ騎空団。
ソーナがセラフォルーより「お姉様」と慕うのも無理はない。むしろセラフォルーはもうちょっと頑張りましょう。
「此度の事件について進展があり、それに因んで尋ねたいと言われたから赴いたのだが……かなり事態は深刻らしいな。それで、私に聞きたいのはどういったことだ?」
「ええ。この事件で最初に行方不明となった人物はどういった方なのか、もし可能ならその人物の自宅ないし仕事場に行きたいのですが……」
「情報を渡すだけならさして問題ではない。しかし事態が事態とはいえ仕事場はまだしも自宅は……ふむ……よし、分かった。私の権限で許可、及び案内しよう。私が同行しているとなれば人数に制限はあれど都合はつけられる」
「「「「「おお!?」」」」」
正にデキる女傑、ロンド・ミナ・サハク。己が頼んだことである以上、自らも率先して事件解決に尽力する様はかつての野心家だった頃とは良い意味でまるで違う。
「そうなると、やはりミナ女史を護衛しつつ万が一の事にも対応出来る少数精鋭が必要だ」
「ならばそのうち一人は俺が行こう」
「ジークフリートさん!? いつの間に!?」
「空の世界も少し込み入っていてな。そちらの対処を我夢に任せる代わりに俺がこちらへ来たというわけさ。本来ならこの手の事件は我夢の方が適任なんだが……」
銀河遊撃隊が誇る天才、我夢の相棒ポジションを確立したジークフリートが真っ先に名乗りを上げた。黒龍騎士団の団長も務め、一騎当千の実力を持つ彼なら問題無いだろう。
「あとは僕と……」
「ぼ……僕も行きますぅ!」
「ギャスパー君!?」
「ギャスパーが行くなら必然的に私も行くことになるな」
「バーンも……!」
「僕の神器ならいざという時に時間を止められますから、せめて逃げる時間くらいは稼げます!」
彼なりに何が出来るのか考え、自分から立候補したギャスパー。初めてリクとあった頃から大きな進歩を見せた彼をリクは嬉しそうに見つめている。
「ミナさんを筆頭に専門家の矢的先生、戦闘でズバ抜けた実力を持つジークフリートさん、サポート役に最適なギャスパー君とそれを守るバーンさん……十分とは思うけどあと一押し欲しいところだな」
「なら俺が行くぜ! 俺なら機械関係で何かあってもエヴォリュダー能力でどうにか出来るかもしれない!」
「非常時には私がオペレート出来るしね!」
最後のメンバーは凱。命のサポートも専属で受けられる彼は戦闘力・報連相両方の面で頼りになる。
こうしてウルトラ騎空団はミナの案内によって、選抜メンバーが最初に行方不明となった者の自宅へと向かうことになった。
☆
グランとシンは協力して同じ部屋にいた人々を起こして回り、出来るだけ密集してもらっている。
シンの方は妹・マユや両親もいたことで安堵していた。どうやら家族で食事するために外出していたところをやられたらしい。幸い、身体に何かされてはいないようだった。
「思ったより多いな……どういう目的で集められたんだろう?」
「一つだけ共通しているのは皆『人間』だということだけだ。犬猫一匹すらいやしない」
「貴方は……?」
「俺はオーブ軍のトダカというものだ。君は……恐らくだがウルトラ騎空団の関係者かな?」
「は、はい。グランです」
この状況においても冷静な軍人――トダカの存在はグランにとってありがたかった。これが慌てふためく新米兵であれば、この場はさらに混乱と恐怖が渦巻いていただろう。
逆にトダカも、年若いとはいえ身のこなしや落ち着きから年齢にそぐわぬ修羅場をくぐって来たと分かるグランがいてくれたのは心強い。
そして自分もそうだろうに必至でマユの不安を拭おうとしているシンもだ。
「うぅ……お兄ちゃん……」
「大丈夫だって。ほら、あの軍人さんもいるし、今噂になってる凄腕のウルトラ騎空団の人だっているんだ。マユが泣いてたらあの人達も心配になって、全力が出せないだろ?」
彼の両親も不安を隠せないというのに、大丈夫と笑顔を作る彼の何と健気なことか。
それに比べ、本来ならば凛としなければならない立場にいながら喚き散らす者がいた。
「何なんだここは!? 僕はセイラン家のユウナ・ロマ・セイランだぞ!! こんなことしていいと思ってるのか!!」
そう、ミナをしてバカと断言された男……オーブ宰相家たるセイラン家の嫡男、ユウナ・ロマ・セイランである。
彼の立場的にこういう時こそ人々を落ち着かせて少しでも不安を取り除こうとリーダーシップを発揮すべきであるが、如何せん度胸も能力も不足しており……予想外の事態が起きたらこのパニクり具合。実際トダカも額を押さえて溜息を吐いている。
そもそもユウナは自業自得でここにいるようなものだが。
「おい! お前オーブの軍人だろ! 早く何とかしろ!」
「そうしたいのは山々ですが、何分状況が完全に把握出来ていません。下手に考え無しの行動を取ればそれこそ取り返しのつかないことになるやもしれませんよ」
「うっ……」
「トダカさん、この部屋にトダカさん以外で軍属の方は?」
「三人、だな。この場の人数的な割合を考えると心許ない。せめて後二人……特に戦闘に強い者がいればまた変わったのだが」
そうですか……と残念そうにしながらも策を模索しているグランをどうしてもユウナと比べてしまうトダカ。彼の落ち着きと度胸の少しでも眼前のバカ息子が持っていたならと思わざるを得ない。
「ウルトラ騎空団のメンバーに連絡が付けばいいんですが……機器の調子が悪いのか、それとも阻害されてるのか繋がらなくて。うちの戦闘メンバーの一人でもいてくれれば」
グランがどうしようか悩んでいると、ドサッと何かが落ちる音がして全員がそちらを向くと……。
「う……ここは……?」
「クソ! 俺ともあろうものが姑息な手にやられちまうとはな……だがタネは割れた。次に見かけたら……」
「竜馬さん!」
「っ!? グランか! やっぱり無事だったな!」
オーブにて謎の液体にやられたであろう、オーブの軍人が一人と竜馬が倒れていた。まさかここで同じ騎空団の仲間、それもバリバリの戦闘メンバーに再会出来ると思ってもみなかったグランは自然と笑みが溢れる。
立ち上がり武器を構え直した竜馬はグランに詳しい事情を聞くと、すぐさま戦列に加わってくれた。元より口より先に腕が出るタイプの彼だから当然か。
さらに、オーブの軍人も快く了承。グランと竜馬が先頭に立ち、トダカらオーブ軍人がシン達を守るように囲いつつ移動することになった。
「お……おい! 本当に大丈夫なんだろうな!? 何かあったらタダじゃ……」
「 う る せ え ! !
偉そうに踏ん反り返っておきながら国民の一人も守ろうとしない腰抜け坊主は黙ってろ!!」
「ひいっ!?」
相手がお偉いさんだろうが、自分が納得しなければ敬意なんぞクソも持たない竜馬の怒号にユウナはビビりまくり。グランやシン、果てはトダカらオーブ軍人すらも心の中で竜馬に盛大な拍手を送った。
「さて、まずはどうやってこの部屋から出るかだか……」
「人数が人数ですし、力づくで出るのは決定事項ですけど……正面突破か、それとも適当な壁をぶち抜いて奇襲も兼ねた無理矢理な強行突破かですね」
「おう、分かってるじゃねえか。すっかりウチの騎空団の一部隊を預かるリーダーだな」
グランの物騒な発言に驚くトダカ達であったが、竜馬は見る人によっては凶悪にも見える笑みを浮かべてグランの肩を叩く。
「相手がどんな戦力か分かってりゃ遠慮無く強行突破するんだがな。さすがにこっちは一般人を守りながらの、言うなれば移動防衛戦……守るのは攻めるより難しいと隼人から散々言われてんだ。俺らがおおとり師範ばりのブッ飛びスペックならいざ知らず、そうじゃないのにこの人数を抱えて冒険はあまりお勧め出来ねえ」
「となると、ここは敢えて狭い入口らしき場所から堂々と――!?」
竜馬とグランがそんな話をしていると、突如入口と思しき扉が開く。
そして、そこにいたのは――!?
「ヴォッフォッフォッフォッフォ……」
「ブゴォォォオオオ……」
☆
ミナに先導され、辿り着いたのは一軒の屋敷兼研究所。不在の理由は何となく予想がつく。
しかも比較的整理整頓がされており、いなくなったのはつい最近のようだ。
「ここはミストル・ゴーデンという科学者の屋敷であり研究所だ。ゴーデンが此度の件で最初に行方不明になった人物でな、当初は出奔しただの出張取材に行ってるだの、はたまた単に旅行に出掛けているだけとも噂されたが……ゴーデンは本も出していて、その中の一つに今回の事件とよく似た内容の物があったから少々気になって調べてみたのだ」
「その著書の名は?」
「確か……『C.E.2020年の挑戦』だと思ったが」
「!」
矢的はそのタイトルを聞いて何かに気付く。レジェンドは時折光の国を訪れてはウルトラ戦士が地球にいなかった頃、自身もウルトラマンであり光神でもあることを隠し当時の人々と共に戦っていたことを講義で話してくれた。その当時はまだ『ウルトラ兄弟候補生』であった矢的=80は、そんな人々の勇気と知恵に感動すると同時にそういった不可思議な事件への関心もあったため、マイナスエネルギーの調査も兼ねてかつて地球へとやってきたのだ。
閑話休題。
そんなウルトラ戦士が地球に訪れる前に起きた事件が今回の事件と酷似していた。そしてレジェンドの話では、その時も同じように一冊の本から相手が何者かを特定したという。
「どのような内容だったか、覚えていますか!?」
「矢的殿、何か分かったのか?」
「もしかしたら、チーフがかつて解決した事件と同じ犯人……正確には同じ種族の可能性があります。僕がチーフに聞いた話と今回の事件、似ているところがとても多いんです!」
「2020年の挑戦……っ! 俺も分かったぜ、矢的先生! レジェンド様のところでGGGが働くようになってから、俺も命や長官達とレジェンド様の過去の記録を見させてもらってるんだ。楽しんで見ることもあれば、見たメンバーで色々考察したりすることもあるんだが……」
ジークフリートの質問に答えた矢的と、レジェンド直属の部隊の機動隊長として活躍していた凱は揃って相手が誰なのか予想出来ていた。
「えっと……バーンは何か分かった?」
「いや……しかし、私はその著書のタイトルから怪獣ではなく、何か目的を持った『宇宙人』の方ではないかと考えた。例えば、モネラ星人のような」
「その通りだぜ、バーン。ただし俺達が戦ったモネラ星人とは目的がかなり違うし、手口もかなり狡猾だ」
「……! 凱、やはり君も『彼ら』だと思うんだな?」
「ああ。液体の件といい、この条件全てに当て嵌まるのは『奴ら』だ! もし直接ではないとしても、少なからず間接的には関わっていると見て間違いないはず……っ!? ギャスパー、バーン!!」
「「え?」」
凱が直感的に天井を見ると、驚きの表情と共に声を張り上げた。何かと思いギャスパーと、その肩に乗っていたバーンが上を見ると――。
二人目掛けて、例の液体が落ちてきた。
☆
――かの世界――
「すまんな、急にこちらを全て任せることになってしまって」
『全然! 元からそのつもりだったし、俺達の隊長達を宜しく! 大先輩!』
「そちらも頼むぞ。大隊長と総司令には既に連絡し、代わりの増援を送ってくれると返答もあった。無論、何かあれば駆けつける」
そう言って彼が通信を終えると、後ろから声をかけられた。
「全員、準備が整いました。合図があれば、いつでも出立出来ますわ」
「そうか」
短い返事の後、振り向いた先にいたのは一人の女性。
「君が来たということで息子から聞いていた彼が再起したかと思えば、まさかの変質とはな……」
「はい……あの時のあの方は、まるで別人でした。私のことすら忘れたように……いえ、それどころか最初から知らないような振る舞いで」
俯きながらそう話す女性に、彼は改めて確認する。
「まずはチーフ達の部隊……確かウルトラ騎空団だったか? そこと合流だ。詳しい話はそれからにしよう。そして、これからの旅路は君達、いや……君にとって過酷なものになる。いいんだな?」
「はい。どうか御助力ください、『真紅の武神』様」
「いつの間にそんな二つ名が付いたのやら。そういえば、アイツにも似たようなのがあったか。ともかく、決意のほどは理解した。彼の方も正気に戻ったら鍛えてやるとしよう」
「ど……どうか御容赦を……あの特訓、あの方の家系的に肉体は問題無いかもしれませんが、本当に精神的に終わりかねませんので……」
そんな彼女の言葉に苦笑しつつ、彼は準備した『艦』へ乗り込むようにと彼女を促した。彼女が艦の中に入ると、彼は懐から一つのアイテムを取り出す。
そして――。
「デュワッ!!」
それを両目に被せるように当てると徐々に姿が変わり、彼は真の姿へと戻る。
同時に聞こえてくるエンジン音。当然、艦からだ。
「えっと……全システム、オールグリーン!」
「マキシマオーバードライブ、始動!」
もはや後戻りは出来ない。する気もない。
これから始まるのは、大切なものを取り戻すための果てしなき旅。
「ジャアァアッ!!」
「アートデッセイ号、発進!!」
赤き
〈続く〉
懐かしい人物、種運命にて数少ないまともなオーブ軍人であったトダカさん。まさかの出演となりました。
後編ではグラン側、オーブ側、そして最後に出てきた彼ら……各方面から本格的な事件解決に向けて動きます。
そういや、書き終わって気づいたけどオーブ側メンバーって80先生とギャスパー以外、
○ジークフリート→叢雲劾
○バーン→ジャン・キャリー
○獅子王凱→ムルタ・アズラエル
……と、さり気なく中の人がSEEDに絡んでた。
ちなみにジャン・キャリーはSEEDMSVに出てくる人物で、イザークのデュエルアサルトシュラウドとロングダガーで互角にやり合った実力者です。あとはレッドフレーム用のパワーシリンダー開発したり……結構化け物だなこの人。
それではまた次回。
二択決定戦! シン一人乗りする最終ゲッターはどちらだ!?
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真ゲッタードラゴン(大決戦版)
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真・ゲッター1(スパロボα仕様)