ウルトラマンレジェンド Episode.CROSSOVER 作:ハジケハムスター・ポッポ
今回は比較的短め、嵐の前の静けさ的な回です。
久々に本編側でレジェンドがちょこっと登場します。
それでは本編をどうぞ。
「――ここか」
ペガサスAのクルーが寝静まった真夜中に、レジェンドは一人気になった施設へと赴いていた。
勇治あたりは話すと付いてきそうだったが、食事も忘れて研究に没頭しそうなワーカーホリック気味の彼を連れ出すのは得策でないと思い、誰にも言わず単独行動と相成ったわけだ。
そもそも今回は偵察、あわよくば潜入して内部調査……あまり派手なことをやる気はない。
厳重警備の施設に単身潜入などと考える時点で派手な気がしないでもないが、そこはスルー。
レジェンドは自分の秘宝殿から姿隠しの秘宝を取り出そうと、空間に虹色の波紋を発生させると同時にある気配を感じ取る。
「こんな時間のこんな場所に見回りとは、余程この施設は重要らしいな」
「……確かに、ここは地球連合――いや、その一部にとって重要な施設だ」
「ほう? ではお前はその一部の人間というわけか」
「いや、違う。とりあえず私の話を――」
「そんな不気味な仮面被ってる奴は大抵悪の大首領かラスボスと相場が決まっている!!」
ずばーん!とレジェンドが指を指した場所には何か目の沢山付いたかなり大きめの仮面を被った人間(?)がいた。
……一応この人物、実は漏れなくレジェンドの言ったような立場だったこともあるので、内心『例えがやたら鋭過ぎる』と思っていたりする。
「――今はアポロンゼスト、と名乗っている」
「何の脈絡もなくサラリと話題を変えたな……! しかも明らかに偽名だと言わんばかりの名前だ。ゼストはまだしもアポロンなどと芸名以外で名乗るのはアルテミスの兄であるあのあーぱー野郎だけだろうし」
レジェンドはかつてとある世界にてギリシャ神話におけるアポロンと面会したことがあるが……これまた表現通りあーぱーな人物であり、妹のアルテミスに逆エビ固めされていたらしい。
ついでにそこだとゼウスがポセイドン共々開放的になり、海岸を素っ裸で駆け抜けて自由を謳歌するという珍妙極まりない光景が日常茶飯事だという。
後にそれを聞いたとある神霊は「世界が無数にあろうとまともなポセイドンは一桁いりゃいい方じゃねーか?」と思ったそうな。
閑話休題。
仮面で表情は分からないが、なんとなくショックを受けている感じなのは理解したレジェンド。
とはいえ信用するには情報が足りなさ過ぎるのも事実。
そこで、危険は伴うが彼を連れて当初の目的を果たした後にペガサスAへと連行・帰還することにした。この施設を重要なものと知っているならば、少なからず内部の情報ぐらい掴んでいるだろう。
……ついでに、一足先に素顔を拝ませてもらったところ……。
「いやお前素顔隠す意味なくね? 普通にイケメンだろお前。銀髪になったあの……何だ、黒歌のやってたゲームに出てたギリアス、じゃないミニアム……違う。ギリアム……そうだソイツじゃん」
「……かくいう私は顔が変わるのも何度目かなのだ」
「え、お前何度か顔変わってんの?」
「うむ。今はこう、他人の顔ながら声共々気に入っている」
「だってゾフィーとものっそい似てるもんお前の声」
「!!」
……何かアポロンゼストが嬉しそうにしてたのでよしとする。
☆
――オーブ――
ケムール人とブラコ星人による事件を解決して以来、多くの人々の嘆願によりウルトラ騎空団はオーブ内をほぼ自由に出歩けるようになった。
それに伴い、先日共闘したトダカやシンなど一部の者達もヒリュウ改やクロガネへの出入りも許可されたのである。
アスカ一家……特にシンは、グランを始め竜馬やレイトにも気に入られたとあって積極的に足を運び、自主練に協力してもらったり記録を見せてもらったり、直接冒険譚を聞かせてもらったりと交流を深めている。
「――ってわけでよ、ラカムの奴が奮起してグランサイファーを発進させていよいよティアマトとの決戦!」
「そこで僕はこのスカイタイプのハイパーキーを手に入れたんだ」
「すげぇ……! スケール半端ねぇ……!」
「だろ? けどまだまだここは最初の方だぜ」
レイトとグランによる解説を加え、記録映像を見るシン……と、リィニィイルネルの双子組。
「「ミライお兄ちゃんの活躍はー!?」」
「「メビウスのカッコイイとこ見たいー!」」
「あー待て待て、メビウスの活躍は星晶獣セレストのいる島に着いてからだ」
「「「「続き早くー!」」」」
ハード(ただし、セブン基準だと十段階中三程度、レジェンド基準だと『難易度:優しい』で十段階中まだチュートリアルレベル)な特訓が無い休日に新しく出来た楽しみな時間なので、彼女らはメビウスことミライの活躍が何よりも聞きたいし見たいのだ。
――そして、現在のセブンことダンは何をしているかというと。
「こ……これが噂に聞くセブン式ブートキャンプ……!!」
「死ぬ!! これ死ぬって絶対!!」
「こんなんやってたレイトや一誠はアホなん!?」
「ユエルちゃん、そんなこと言うとる場合やのうて、走らんと……!」
「レジェンドちゃん助けてぇぇぇ! お姉さん、刀が無いとあんなのに抵抗出来ないー!!」
アルベール、ヴェイン、ユエル、ソシエ、そしてナルメア……ウルトラ騎空団でも有名所な実力者達なのだが……。
「逃げるな!! 立ち向かってこい!!」
「「「「「出来るかあああああ!!」」」」」
ダンの乗るフルアーマーガンダム(サンダーボルト)に追い回されていた。
おまけに容赦もへったくれも無い砲撃が絶え間無く放たれ続け、近付くことさえ不可能。
そして何より……ナルメアの発言から分かるように、武器を取り上げられ『素手でかかってこい』。
馬鹿げた難易度にも程がある。
こんなん古今無双流開祖にして空の世界最強の格闘家であるガンダゴウザがどうにか対応出来るかどうかというレベルだ。
ちなみにこのメンバーの直前の参加者であるフェザーやランドル、アリーザなどは完膚無きまで叩きのめされ全治一週間の負傷。
しかもその三人すら武闘家なので、武器有りでの実力者な五人には更にキツイ。
案の定、ブッ飛ばされて先の三人同様医務室のお世話になる事になるのだった……。
「ちょおレイト! あんたの父親マジで何なん!? あんなん特訓なんて言えるわけないやろ!」
「まあ、俺らの時はやけに素早いガンタンクだったし、そこはレベルアップしてたよな」
「そういう問題やないわー!!」
「……お前ら、仮に組み付いてコックピットハッチ抉じ開けたらそれで終わると思ってんのか?」
「「「「「……え?」」」」」
「親父自身も重装備で待ち構えてんだよ、コックピットん中でな」
……その日の夜、医務室のベッドからは唸り声や悲鳴が上がったという。
ウルトラの父いわくウルトラ戦士の訓練に終わりは無いというが……先に訓練の最中、命が終わりそうな気がする。
☆
「――どうだった、ラウさん。一時的に試してみた感想は」
「素晴らしいの一言では済ませられない完成度だ。おかげでなんの憂いもなく『この身体』を使い潰せるよ」
「そいつは何より。ファーさんは何とも思わないだろうから、代わりに俺が喜んどくぜ」
「しかし……こちらは実に良い有意義な結果を得られたというのに、夜にはパトリック・ザラと今後の話し合いとは……水を刺された気分だよ、全く」
クルーゼとベリアルはプラントのとある一室で話し込んでいた。
この後、クルーゼはパトリックとの密談が控えているらしいが、本人は乗り気ではない。
「我らが本気になれば地球など? 思い上がりも甚だしいと思わないか、ベリアル」
「だよなあ。それに、そもそも俺達は地球と限定なんてしてないってのに……おめでたい事で」
「所詮、そこが私達と連中の視野の違いだよ。どれだけ異物に触発され『同じ異物』と成り果てたところで本質は変わらんさ。結局は愚か者でしかないということだ」
「あ、やっぱりラウさんも気付いてたんだな。そりゃあんだけ派手な壊れた方してりゃ丸分かりか。アスランってば可哀想にねぇ。母親は死に、父親はアレだ」
何やら二人はパトリック・ザラについて知っているような口振りであったが、この場にはそれを聞くものは他に無い。
クルーゼを見送り、留守番している間にベリアルはトレギア――霧崎へと連絡を取る。
「ハロー、サキさんお疲れアンド久しぶり。ラウさんご満悦だったぜ、大した反応しないとは思うけどファーさんに宜しく。そっちはどうよ? ……へ? 白龍皇こっちに顔出しすんの? しかもそろそろ? ……せめて最大限の『手加減』をしておくように言っといてくれよ。じゃないと……あの特異点、冗談抜きで死ぬぜ?」
☆
――明けの砂漠・アジト――
そこではマリューやムウ、サイーブに加えてサーガも交えたレセップス突破作戦の打ち合わせが大詰めを迎えていた。
「……ということになったけれど、副団長さんからは何か?」
「リンボとやらの動向は気になるが……警戒をしておくぐらいしか出来ないだろう。タッシルのように問答無用で殺しを行う奴かと思えば、砂漠の虎の指示を忠実に守り必要以上の殺戮はしなかったとも聞いた。奴の行動には一貫性が無い」
「独自の機動兵器を持ってるらしいけど、下手すりゃアイツ……生身で戦いを挑んでくるかもしれないぜ?」
「そうなると対抗出来そうなのは現状俺くらいだが……」
「出来んのかよ!? いや団長さんとこで二番目だったらやれても不思議じゃないか」
正直、ウルトラ騎空団本隊と合流すれば十二分に戦闘可能なメンツが揃っているのだが……無い物ねだりは時間の無駄。
加えてバナディーヤから戻ってきて以降、何やら妙な不安が拭えない。
(出てくる相手次第ではあるが……今の戦力で対応可能だろうか?)
サーガの懸念が現実になるまで、あと僅か。
一方、アークエンジェルの格納庫ではカガリがミリアリアやリアスに見守られながら、スカイグラスパー用のシミュレーターを行っていた。
そこにカズイやトール、ノイマンに加えてダイゴやキラ、しのぶも合流。
「ガッツウイング思い出すなあ……」
「ダイゴ兄様はこれと似たようなのに乗ったことがあるのか?」
「うん、というか元々はMSじゃなくてこっちのが主流だったかな。僕がよく乗ってたガッツウイング1号は大きさが14m、最高速度は大気圏内でマッハ5.5、大気圏外だとマッハ49――」
「いやいやいやちょっと待って下さいよマドカ特務大使!? 明らかにスカイグラスパーより高性能じゃないですか!」
「本来は偵察用だったんだけどね、それ」
ノイマンは「そんなんで偵察用とか、どんだけとんでもない物に乗ってたんだこの人」と顔を引き攣らせている。
そもそも戦闘機で大気圏離脱が出来るとか半端ないのだが、もっとヤバいのは実は科特隊こと科学特捜隊。
主力のジェットビートルは大気圏内活動をメインにしているのに追加装備だけで大気圏離脱が可能。
あの年代で、である。
しかも防御力や気密性も大したもので、下手したらこの世界のMAどころかMSよりも安心出来る。
「……そういやマドカ特務大使の機体って変形合体するんだよな、アレ……」
「そうなのか!?」
「言われてみればそうでしたね。最近はMS形態のままでしたからすっかり忘れてました」
「本来はSガンダム、格納庫でドッキングしてから出撃するんだって。僕は戦場でやるけど、あの機体のドッキングは本来なら戦術とかじゃない『作業』らしいんだ」
「いくら補助があるからって実際に戦場でやるダイゴさんも相当おかしいわよ……」
リアスの言葉にうんうんとしのぶも頷いている。
一方のノイマンはガッツウイングの話を聞いてたからか、逆にあっさり納得出来てしまった。
「じゃあダイゴ兄様も銃は撃ったことあるんだろ?」
「うん、まあね。僕の持ってるのは出るのが玉じゃなくてビームだけど」
「どんだけですか特務大使!?」
「おかげでバラージでは助かりました」
「よく考えたら光線銃って凄い装備よね……」
そうは言うが、科特隊を始めウルトラマンと関わり合いのある防衛チームはそれが標準装備。
空の世界で活動中の我夢など、時空移動マシン『アドベンチャー』なんてものを開発してしまったりするぐらいなのだ。
「やっぱりそうだよなぁ。戦争してるんだから銃ぐらい撃ったことがないと。せめて訓練とかぐらいはさ」
「確かに」
カガリはダイゴの凄さに気を良くしてそう言い、ノイマンもそれに同意する。
そのことに対してミリアリアは銃を撃ったことがあるなんて威張れるものじゃないと思い――。
「でもさ、撃たなくていいならそれに越した事はないんだよ。たとえ戦争しててもね」
「「「「「え?」」」」」
「話し合いで済むならそれでいい。意見が合わなくて何度も討論するのだって全然有り。心の数だけ意見がある――皆が皆全く同じ想いなんて無理なんだから、それをお互いに納得いくまですり合わせていかないと」
その場にいた全員が、ダイゴの言葉に耳を傾けている。
「言葉が通じない、っていう場合でも意思疎通は出来るかもしれない。まあでも……話し合う余地の無い相手とか、話す気すら無い相手はさすがに無理なんじゃないかと思うけどね」
宇宙に出た怪物とかアントラーとか、と苦笑しながら言うダイゴにようやく張り詰めた空気が柔らかくなった。
「そうですよね。撃てば終わるとか、戦争ってそんな簡単なものじゃないんだ。撃たなきゃいけないときだってある……でも、撃たなくていい道だってあるはず」
「ええ。ただ『俺は女性の救世主さ☆』みたいなことをヘラヘラしながら言って実際は悪辣非道な腐れ外道は、ダイゴさんの仰った話し合う余地も必要も無く斬り殺すべき下種ですけど」
「しのぶさん物凄くピンポイントで誰かのこと刺して……あ、間違った。指してません!?」
「だ、誰だそんな女の敵みたいな奴は!?」
「魔闘地獄で悪魔将軍さんに地獄の断頭台受けて首すっ飛んだ変態超人の下劣マンです」
「「「「「怖い単語並びまくりー!?」」」」」
キラを始め、C.E.出身の面々は日本地獄のことを知らないため恐怖している……が、その光景をリアルで目にしてもアレなので間違いではない。
獄卒兎にボコられたマスクドガリレイとか、最高位光神と将軍様のタッグに余興で叩き潰された元幹部堕天使と鬼の首領とかも相当悲惨な目に合わされていたし。
その後、シミュレーターをやってみたダイゴが最高スコアをぶっちぎりで更新してしまい……むくれるカガリのご機嫌取りに苦労したという。
「チーフだと桁がこの倍くらいになるんだけどなぁ」
「「「「「マジで何なのあの人!?」」」」」
(ダイゴ兄様が太刀打ち出来ないって、何者なんだそいつ!?)
……ロンド・ミナ・サハクの婚約者です。
☆
――オーブ・モルゲンレーテ社――
「っくしゅ!」
「あれ、ミナちゃん風邪?」
「いや……栄養には気を付けているし、湯冷めするような格好をしていなければ寝相も悪くない筈だが……」
先日のケムール人との戦いで得られたデータを前に、二人であーでもないこーでもないと改善点を話し合っていた束とミナ。
クロエが出してくれた紅茶を片手に空間投影式のディスプレイを見つつ、揃ってう~んと唸っている。
「基本的な性能面での問題は無い。が、寧ろそれが問題だな」
「だねぇ。一つの完成形として出来上がっちゃってるから、ここからのスペック上昇の難易度が高いんだよ。何年にも渡ってトップクラスであり続けられるだけのスペックをしてるから、安心っちゃ安心なんだけどさ」
「せめて追加装備……待て。確かヘリオポリスで開発していたGAT-Xシリーズに換装機能のある機体があったと思ったが。確かストライク――」
「そういやこっちの量産型ゲシュペンストMk-Ⅱ改もそうだったっけ。あとはしのちゃんが乗る予定のヒュッケバインMk-Ⅲもアーマードモジュールっていう外付けの――」
「「…………」」
「ミナちゃん、やっちゃう?」
「そうだな。二つ……出来れば三つ、まるで仕様が変わるレベルの外付け型の換装装備を用意したい」
何やら目を輝かせて案を出し始めた二人を見ながら、クロエは今ここにいない二人のブレーキ役を思うのだった。
(お父様……一刻も早く戻って来て下さい……)
レジェンドはレジェンドでもうじき大変な事をやる羽目になるのだが……彼女らは勿論、レジェンド自身もまだ素知らぬことである。
穏やかな日――しかし、決戦の足音は刻一刻と迫っているのだった。
〈続く〉
「……いやちょっと待ってくれファーさん。もう一回言ってくんない?」
『言語理解機能が低下でもしたのか。俺に何度も同じことを言わせるな』
「頼むよ、俺の聞き間違いかもしれないからさ」
『……貴様らの言うプラントの一つに、俺達が厳重管理している四凶の超機人の一体『饕餮王』を放つ。地球側にも同じく『窮奇王』をだ』
「……テストだよな?」
『テストだ』
「サキさん……ギアさんも承知で?」
『ああ』
(やっべ……ラウさんにそのプラントだけは近づくなって言っとこ。地球の方は……ご愁傷様っと)
ウルトラ騎空団側が比較的穏やかなのに対して、敵側がとんでもない事をやらかそうとしております。
最後のキーワードである四凶の超機人、特に饕餮王に関しては……動画等で検索して下さい。
如何にヤベーやつなのかすぐに分かります。
こんなん普通に所有してるトレギア達の方がよっぽどヤベー連中ですけどね!?
それではまた次回。
二択決定戦! シン一人乗りする最終ゲッターはどちらだ!?
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真ゲッタードラゴン(大決戦版)
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真・ゲッター1(スパロボα仕様)