ウルトラマンレジェンド Episode.CROSSOVER   作:ハジケハムスター・ポッポ

282 / 301
お待たせしました。
何か毎月誰かしら辞めていくので最近めっさ仕事しんどくなってます。
更新は不定期ですけど、楽しんでくださっている皆様のためにエタらないように頑張ります。

今回は小休止というか、次回から正式に始まるレジェンドルートの導入も兼ねて短めです。それでも9000文字近いんですが……。


それでは本編をどうぞ。


それぞれの思惑

 ――犠牲を払いつつも、砂漠の虎アンドリュー・バルトフェルド率いるザフトとの戦いはアークエンジェルや明けの砂漠、ウルトラ騎空団に軍配が上がった。

 

 だが、その結末から勝利の祝杯などという空気ではない。

 

 明けの砂漠の拠点の作戦会議場ではサイーブとマリュー、ムウにナタル、そしてサーガが集まっている。

 

 

「念願の砂漠の虎打倒は成し遂げられた……が、あんまり気持ちの良い終わり方じゃねえな」

 

「ええ……あの応龍皇という機体……いえ、そもそもあれを機体と呼んでいいのかすら疑問が残るけど」

 

「あんなん、とてもじゃないが勝負にならないぜ。下手すりゃ一撃で基地どころか国が吹っ飛びそうな化け物相手にどうしろってんだよ」

 

 

 応龍皇が見せた力の一端、それは彼らにこの上ない絶望を叩きつけた。

 別れたペガサスAと合流出来ればレジェンドあたりが対抗出来なくもないだろうが、アークエンジェル側だけでは到底太刀打ち出来る相手ではない。

 せめてダブルオークアンタフルセイバーであればどうにかなったかもしれないが、GNソードⅣはバージョンアップも兼ねてメンテナンス中のためウルトラ騎空団本隊の方に置いてきてしまった。

 

 

「あの機体のパイロットはどうやらウルトラ騎空団所属の兵藤一誠らと面識があるようだが」

 

「……バジルール中尉、まさか貴女……!」

 

「ラミアス艦長、場合によっては彼らに艦を降りてもらうことを選択肢に入れるべきです」

 

「おいおい、そりゃあんまり過ぎだろ。ここまで助けてもらっておいて、自分達が狙われないように彼らを叩き出せって? そんなことしたところで狙われなくなる保証もないし、逆に戦力ダウンしたってことであちらさんの標的になるかもしれないぜ?」

 

「しかし!」

 

「しかも砂漠の虎がいなくなったがあの青い巨星は健在、それに手解きされて格段に腕を上げたデュエルとバスターもいる……そんなのを俺と坊主だけでどうにかしろって言う気か? 冗談きついぜ」

 

 

 おちゃらけているが真面目なムウの意見にナタルは言葉を詰まらせる。

 単純計算しても押さえられていずれか二機、それに下手すればダイゴも下りてしまう可能性もある……こっちはウルトラ騎空団所属でもあるためほぼ確実だろうが。

 元々おいそれと戦闘に参加出来る立場ではないから、一誠達が強制退艦させられればダイゴもそちらについて行くかもしれない。

 

 

「少なくとも奴が当分仕掛けてくることはない」

 

「その根拠は?」

 

「奴自身が言っていただろう、顔見せだと。そして奴もまた修行の最中だとも。加えて言うとアンドリュー・バルトフェルドを撃ったのは虐殺や見せしめではなく、奴の流儀に反するからというのが正しい。バルトフェルド自身が発言したことを違える行為をしたことが奴は許せなかった」

 

「あの龍の化け物の如何はともかく、砂漠の虎の発言って……」

 

「『戦うしかなかろう、どちらかが滅びるまで』だそうだ。キラ・ヤマトから聞いた」

 

 

 ヴァーリは『どちらかが滅びるまで』をバルトフェルド自身が滅びを覚悟の上で言ったと思い、結果として敵に手心を加えられ命拾いした……と、そこまでは良かったのだ。

 ――だが、そこから先……もしバルトフェルドが屈辱を感じるなり、リベンジを誓うなりしたならヴァーリは逆にバルトフェルドを助けたかもしれない。

 だが現実は自らの言葉など無かったかのように瞬く間に敵と笑い合う――ヴァーリがバルトフェルドを撃ったのは自己の発言を簡単に曲げた、つまり言葉に込めた覚悟の『浅さ』に怒ったのである。

 

 

「奴にもそれなりの矜持はあるんだろう。あれだけの力と機体、ともすればあの場にいたもの全てを壊滅させることだって出来たはずだ。だが奴は一誠やタイガとの満足のいく戦いを望み、バルトフェルド以外へは威嚇攻撃さえしていない」

 

「なるほどねぇ。ま、奴さんの考えてることなんざ分からんがね、仕掛けてこないってんならこの機に乗じるしかないだろ。ザフトがジブラルタルから援軍を寄越すにしても時間も手間も掛かるし、レセップスと砂漠の虎を失ったとくりゃあ、それ自体流れるかもしれないしな」

 

「ええ。艦の修理と補給が終わり次第、すぐに私達は出ます。いつまた追手が来るか分からない以上、こちらとしてもここに滞在するわけにはいかないわ。バジルール中尉、あれの狙いがウルトラ騎空団の方々と同時に、ザフトの狙いは私達なのよ。むしろ私達が彼らにかけている迷惑の方が大きい……ここで彼らを見捨てるようなことをすれば、それこそ軍としても問題になる。現段階において、彼らの意思以外で退艦させるのは許可出来ないわ」

 

「……了解しました。ですが……」

 

「こちらとしても理解している。アークエンジェルにとって俺達が明らかな足枷となるなら強制退艦させても構わない」

 

 

 サーガが淀みなく言い切ると、さしものナタルも黙らざるを得なかった。

 ムウなど「団長さんも副団長さんも覚悟決まりすぎだろ」と苦笑しており、マリューも同様。

 

 

 

 

 

「キラ君、落ち着いたかい?」

 

「すみません、御迷惑をお掛けしました」

 

「仕方ないよ。僕らも彼と会っていたから、尚更ね」

 

 

 ――ウルトラ騎空団に割り当てられた部屋、そこで少しの間キラは暫し声を殺して泣いた。

 

 

「……戦闘でもし命を奪うことになっても、何とかして乗り越える気持ちでいました。でも……それはあんな一方的なものを受け止めるためじゃないッ……!」

 

 

 自分なりの覚悟を決めていたキラだったが、ヴァーリが行ったそれは彼のしていた覚悟の範疇の外側。

 『知人を目の前で他者によって殺される』……しかも何をする間もなく、だ。

 

 

「っ……それより、しのぶさんは大丈夫なんですか? あの機体のパイロットから何かの影響を受けていたみたいですけど」

 

「今は平気ですよ。ただ……あの日に会った彼とは文字通り別次元に強くなっていると見て間違いないでしょう。ヴァーリ・ルシファーは」

 

「……ヴァーリ・ルシファー?」

 

 

 その名前に反応したのは沙耶。

 しかも眉を顰めていたからか、一誠やリアスも何故かと気になった。

 

 

「沙耶さん、ヴァーリを知ってるんですか?」

 

「いいえ、知らないわ。ただルシファーの姓に心当たりがあったから。月王国で開発していた機体を強奪していった重罪人と一緒ということで、ね」

 

「何ですって?」

 

「その重罪人の名は『リゼヴィム・リヴァン・ルシファー』……よりによって先生から託された超高性能機兵『機甲神』の一体、月を司る機甲神『アルテイヤー』を完成と同時に強奪した月王国史上でもトップクラスの罪人よ。おまけに悪魔だったからその名に反応しちゃったの」

 

「「「「「悪魔でルシファー!?」」」」」

 

 

 まさかヴァーリの血縁ではないか、というのが一同の頭をよぎるが……それよりもそのリゼヴィムのやらかしの方がとんでもない。

 月王国がレジェンドから託されたものを強奪するという、神どころか最高位光神を恐れぬ所業……別の意味で肝が座っている。褒められたことではないが。

 

 

「それ、レジェンド様に知られたら大変なことになりません? 主に月王国の評価とか」

 

「ぶっちゃけお母様は報告されたとき、真っ青になって盛大にぶっ倒れたわ」

 

 

 それから気が付いたモルガンは泣きながらレジェンドに次元間通信で謝罪。

 別に彼は彼女を怒ることも糾弾することもせず、リゼヴィムのことを聞いた後に慰めつつ他の機甲神のことを尋ねた。

 幸いにも他の機甲神は無事、エルガイヤーに至ってはその後の通信でGOサインが出てから開発開始したため、全く被害がなかったことがせめてもの救いである。

 

 ……正直、レジェンドよりネオガンダムの方がリゼヴィムへの怒りを募らせてそうだが。

 

 

「ヴァーリとそのリゼヴィムが血縁かどうかはアザゼルを脅……尋ねてみるとして」

 

「いや部長、今脅すとか言いかけませんでした? 別にいいんですけど」

 

「「「『『いやいいのかソレ!?』』」」」

 

 

 一誠が付け加えた一言に対するトライスクワッド及びドライグとダ・ガーン、さらにはランダーズの声を揃えたツッコミをスルーしつつリアスは続ける。

 

 

「あれだけヴァーリが格段に成長していたとあれば、今の私達では天地がひっくり返っても太刀打ち出来ない。これからはより修行を積み重ねつつ、別方面でもパワーアップしなければいけないわ」

 

「一番明確なのは機体だよな……」

 

「ああ、部長やタイガはまだしも俺のは高性能っていっても量産型のアップグレードだし」

 

「レジェンドさんが言ってたネオ・グランゾンは?」

 

「「「「「それむしろ頼り過ぎちゃ駄目なやつ」」」」」

 

 

 アズはしょぼんとするが、あれ一機で大半の事情は何とかなってしまうためレジェンドも極力使わないようにしている。

 束のアストラナガンも同じく……マジンガーZERO? 元からヤベーのにレジェンドと相性が良過ぎてネオ・グランゾンさえ圧倒的に凌駕するものを簡単に使っていいものか。

 

 ……割と好きに自律行動してるけど。

 

 何にせよ、この問題に関しては現状では解決不可能。

 アークエンジェルに厄介になってる上に戦力が分散しているため、時間も機材も技術者も何もかもが足りない。

 そもそもの話、仮に高性能機を手に入れても扱いこなせなければ宝の持ち腐れ。

 相性によっては元の機体の方が良い場合もある。

 

 

「ともかく今は目の前の問題からどうにかしていくしかないわね」

 

 

 沙耶に締められ、全員が頷く中……。

 

 

「あ、話終わった?」

 

「「「「「三日月さんマイペースすぎ!!」」」」」

 

 

 三日月は一人ピザトーストを食っていた。

 

 

 

 

 

 ――ついでにその頃。

 

 

 

 

 

「だから私を連れて行けと言っている! あんた達よりは情勢に詳しいし、補給の問題やら何やらあった時には力になってやれるしな」

 

 

 カガリ(とキサカ)がマリュー達に訴えている。

 本来ならここでダイゴが援護射撃の一つでもしてあげればいいのだろうが、彼が口出しすることによってカガリの素性がバレるかもしれないとキサカに止められていた。

 

 ……が、結局カガリお得意の強引さでアークエンジェルへの乗艦が決定。

 

 

(さすがにウズミ様のようにとはいかないし、性格的なこともある。だがせめて、少しはダイゴの穏便さがあればと思わずにいられないな……)

 

 

 荷物を持ってアークエンジェルへ入っていくカガリを見ながらため息を吐くキサカに、マリューやサーガは内心同情するのだった。

 

 

「……彼女の部屋はどうするのかね」

 

「あっ」

 

 

 最近空気だったが戦術アドバイザーとして引き続き乗艦していたコープマン少佐改め中佐の一言で、マリューはまた頭を抱えるハメに。

 

 

 

 様々な出来事を乗り越え、それぞれ新たな思いを胸に――アークエンジェルは次の旅路へと進む。

 

 

 

 

 ――少女は夢を見た。

 

 訓練と称し、同年代の――同じ場所で育った仲間を傷つけなければならない施設。

 

 『逃げればコロラトゥーラがやってきて、コロラトゥーラにされる。成績が悪かったらコロラトゥーラがやってきて、コロラトゥーラにされる』

 

 そう教えられ、そうならないために言われたことをやってきた。

 

 そんな彼女の夢に現れたのは、ヒトではないヒト。

 

 しかし、彼女が見た何よりも輝いていて。

 

 そして『彼』はこう言った――。

 

 

「ご唱和ください、我の名を!」

 

 

 ――けれど、その名を聞く前に目が覚めた。

 

 間もなく少女は知る。

 

 地獄から救い出してくれる彼の名を。

 

 自分達の新たな居場所を。

 

 ――彼女にとって運命の人となる存在を。

 

 

 

 

 ――ペガサスA――

 

 

「コロラトゥーラ? それは音楽用語だろ」

 

「普通ならばな。だがあの施設においては別の意味を持つ……いや、別の存在を意味すると言った方が正しい」

 

 

 結局あれから程無くしてペガサスAへ戻ったレジェンドが連れてきたアポロンゼストにより、件の連合の研究施設に関する彼が入手した情報をいくつか開示してもらった。

 

 その中の一つが先の『コロラトゥーラ』。

 

 ガイが言ったように本来は音楽用語の一つだが、アポロンゼストの話では存在そのものであるらしい。

 

 

「あの施設は余程外に漏らしたくないことが行われているからか、あの施設にとって不利益になることをしないよう厳しい監視がされている。その中枢となるのが先程伝えたコロラトゥーラだ」

 

「うーん……その情報から推測するとかなりの手練れとか?」

 

「人間ではなくオートマタの類だ。私も遠目で見ただけなので何とも言えんが、不気味な感じと同時に妙な噂も聞いた」

 

「「「「「妙な噂?」」」」」

 

「ああ。コロラトゥーラはどうやら監視以外に、何らかの訓練におけるターゲット役にもされているらしい。私の調べたところによると監視役とターゲット役のコロラトゥーラの数は各二十体」

 

「結構な数だな」

 

 

 レジェンドや勇治、ライは落ち着いて聞いているが、そこでゼットが気になったことを口に出す。

 

 

「でもそれを合計しても四十体、超師匠とか俺ら全員で戦えば全然勝てそうな数でございましょう? 隠密行動しながらとかならともかく」

 

「……だよな」

 

「アルテミスでの股間ブレイク見てたらなぁ……」

 

「レジェンド様、何をなさったんですか!?」

 

 

 ミゲルとラスティも同意し、モニカはレジェンド(というかほぼ全員)のやらかしにツッコミを入れるが彼はどこ吹く風。

 それはそれとして、アポロンゼストはゼットの疑問に答える。

 

 

「私も最初はそう思った。だが監視役はともかくターゲット役の方が一日で十数体破壊された時であろうと、時間にして三十六時間以内に元の二十体に()()()()()。頻繁に外部から補給物資が搬入されていないにも関わらず、だ」

 

「……妙に早いな。そのコロラトゥーラはC.E.というか連合では主流なのか?」

 

「主流どころかここ以外では見ることはおろか聞くことさえない。そもそも仮に主流だとして、この御時世でオートマタをただの一施設にこれほど配置する余裕など普通はない。あるとすれば余程重要な施設か、膨大な資金を動かせるスポンサーがいるかといったところだろう」

 

「……きな臭くなってきた。コロラトゥーラが何なのかもそうだが、そもそもそれがどうしてあんな限られた施設でそんなに運用されているのか、そしてあの施設は何のための施設なのか……疑問だらけで怪しいにも程があるぜ」

 

 

 ガイが表情を引き締める。

 

 

「そこで今一度、あの施設に潜入捜査を試みたい」

 

「なんか刑事さんみたいです!」

 

「ルリア、そんなにはしゃがないの」

 

 

 アポロンゼストの案にルリアが元気よく返し、アマリがそれを諌めた。

 ルリアのおかげでほんの少し、緊迫した空気が和らいだところでアポロンゼストは作戦の詳細を説明する。

 

 

「今回は少数精鋭、それもある程度分散して単独行動が可能な者が望ましいのだが……」

 

「まず俺は確定だな。隠密行動においても認識阻害から姿隠しまで、それに最適の秘宝が俺の秘宝殿に山程ある。ついでに戦闘になろうとどうにでも出来るし」

 

「となるとアストラル体になれるし、超師匠と一体化してる俺もでありますな」

 

「俺も行きますよ、レジェンドさん。何せ俺は基本単独行動で任務についてますし。あ、出来れば隠密道具は貸して頂けたらと」

 

 

 やいのやいの言ったが、結局アポロンゼストを含めて上記の三人が潜入捜査のメンバーに決定。

 候補としては勇治と流も入っていたのだが、勇治は頭脳労働担当としてペガサスAに在留し送られてくる情報を随時整理する役目を負い、流は勇治が動けないためAIのシエルと共にペガサスAの運用を任されている。

 残念がったルリアやラスティだが……ルリアは何かあれば割と大声を出しそうだし、ラスティはヘリオポリスにて潜入作戦で失敗したことからアマリとミゲルに止められた。

 

 なおロスヴァイセは戦闘メンバーとして、ライとモニカは機動兵器操縦のプロフェッショナルとして何かあれば即座に出れるように待機。

 

 

「……ていうかラスティ、割と自由に行動出来るから忘れがちだけどな。俺もお前も捕虜扱いなの忘れるなよ」

 

「……そういやそうだっけ」

 

「もうミゲルもラスティもウルトラ騎空団所属でよくないでござらんすか? 俺は大歓迎だぜ!」

 

「前向きに考えてるよ。今回のこれが終わる頃には答えが出せそうなんだ。俺もラスティもな」

 

 

 今更……というより環境故にミゲルの言う通り捕虜であることを忘れがちになるラスティだが、ぶっちゃけ二人の態度からレジェンド達はもう殆ど同僚扱い。

 彼らが正式にウルトラ騎空団の一員となるのはそう遠くないだろう。

 

 かくして、連合の研究施設への潜入は翌日の深夜に実行することが決定。

 

 そこで彼らは、その施設の異常性を知る事になる。

 

 

 

 

 ――オーブ・ウルトラ騎空団艦艇停泊港――

 

 ヒリュウ改と一緒に停泊している神衛隊三番隊・鉄華の母艦クロガネ。

 

 

「そいつは本当か、隼人!?」

 

『ああ。ゴーデスの話はこちらにも伝わってきたし、今のお前の状況も大体理解している。だが真ドラゴンは元より、真ゲッターも束博士が予想以上にピーキーにしてたんで、俺と弁慶もその調整に付きっきりだ。そっちに合流するのは当分先になるが……』

 

「心配すんな。さすがにお前達と同等ってのは無理だが、こっちには見どころのある奴がわんさかいる。この間もまだ中坊なりたてぐらいだろうに、家族を守るためバケモンに啖呵きった根性のある坊主と共闘してよ」

 

『フ……早乙女博士がいたら真っ先に連れてきそうだな』

 

「違いねえ」

 

 

 その通信室で次元間通信をしているのは竜馬と、惑星レジェンドにいる同じゲッターチームの神隼人。

 

 

『なら俺達レベルとは言わないが、お前の操縦に耐えられるレベルなら問題ないはずだ』

 

「何人か目星はつけてある。あとはあいつらが首を縦に振ればいいんだが」

 

『こればっかりはそいつらの判断次第だ。無理矢理乗せて合体事故で死んだなんて洒落にならん』

 

「分かってる。それで、その新型ゲッターの名前は?」

 

『プラズマ駆動エンジン……いや、グルンガストシリーズと同じプラズマリアクターとゲッター炉心の二つを動力源とする新機軸のゲッター……ネオゲッターロボだ』

 

 

 インベーダーに対する新たな『ゲッター』が、竜馬と彼が選んだパイロットに託される。

 

 

 

 

 ――プラントの最高評議会……否、全プラントとそこに住まうコーディネイターは戦慄していた。

 

 何故なら……。

 

 

 

 

 

『だ……誰か援軍を……は、早い! うわあああああ!!』

 

 

 

 

 

 ――突如として全プラントのモニターが占拠され、あるプラントの様子が映し出されたからだ。

 それだけならまだいい、それならばまだどうにかすることが出来た。

 

 しかし事態は予想を遥かに超え、あまりにも悍ましい光景が映し出されている。

 

 

 

 

 

 ――人の顔、本当に人の顔のように表情が変わり、獣のような動きをする不気味な怪物……機動兵器というより半生体兵器と言うべきものがそのプラントを縦横無尽に駆け回り。

 

 MSごとパイロットを捕食している姿がまざまざと映っていたのだ。

 

 

 

 

 

 ――それこそ、ルシファーがプラントへと放った四凶の超機人が一体・饕餮王。

 プラントという広いとはいえ閉鎖的空間、よりによってそこへ四凶で最も貪欲で常に飢えている饕餮王を放たれればどうなるか……結果がこれである。

 

 饕餮王はMSとそのパイロットのみならず、目に付くものを手当たり次第食い散らかしており……映像では食いカスであろう子供の腕や動物の身体の一部等も散乱していて、まさに地獄絵図。

 

 そして饕餮王が新たなMSとパイロットを捕食中に動きを止め……映像の中で、影にで表情を隠しつつ赤い双眸を光らせ映像を見ている者達を見返した。

 

 

「「「「「!?」」」」」

 

 

 そして相変わらずの猛スピードでその場を離脱し、再び悲鳴が上がる食事を再開する。

 

 ――映像はそこで途切れ、プラントの彼方此方では混乱が起き、最高評議会は恐怖に陥りつつも議論を交わす。

 

 

「な……何なのだ、アレは……」

 

「バラルよりの刺客、でしょうな」

 

「パトリック、知っているのか!?」

 

「知人より聞いた話の上、彼らも噂話程度と思っていたようで詳しくは知りませんがね。バラルとは古来より地球を守っていた存在らしいのですが……大方我らコーディネイターが宇宙で進化を遂げたことに危機感を持って先制攻撃してきたのでしょうな」

 

「地球から……つまりナチュラルの……!?」

 

「そう考えるのが妥当でしょう」

 

 

 パトリックがそう答えると議論は一層紛糾し、それを見たパトリックは人知れずほくそ笑むのだった。

 シーゲル・クラインが視線のみを向けていたことに気付かずに。

 

 

 

 

 

『何処の連中かは分からんがやはり仕掛けてきたぞ、コーウェン殿にスティンガー殿』

 

「そうだなパトリック君。この世界にバラルが存在しているとは思えんし、他所のバラルが送り込んだとも考えられない。誰かが別に作り上げた可能性が高いな」

 

「同胞のいるプラントは狙われてないよね、パトリック君?」

 

『勿論だ。我々は多くの同胞とより高みへとさらなる進化をせねばならないのだから』

 

「いよいよ我々も表立って動かなければならないようだ。これから忙しくなるぞ、パトリック君、スティンガー君」

 

「う、うんコーウェン君。全ては進化のために!」

 

「「『そう、進化! 進化! 進化!!』」」

 

 

 

 

 ――件の連合の研究施設――

 

 

「唄え、唄え、我が天使……」

 

 

 そのモノの傍には、コロラトゥーラとは違うオートマタが。

 

 ……だが、それだけではない。

 

 この研究施設にはC.E.の――コーディネイターに纏わる重大なことが隠されていた。

 

 いよいよレジェンド達は、この世界における秘匿された事実を目の当たりにするだろう。

 

 

 

 

 

 

C.E.71 狂乱封鎖奈落ロドニア

永劫に消えぬ罪

 

 

 

 

 

 

 ――知らぬままこそ、幸福なり。

 

 

 

〈続く〉




コープマン、忘れてませんでしたか?
ちなみに作者も忘れてましたウルトラすいません。

コロラトゥーラ、悪性隔絶魔境新宿をプレイしたことがある方々ならば分かるでしょう。
あのトラウマレベルのことがトラウマ施設で行われているという事態になっております。
プレイしていなくてもおそらく次話で判明するので無理に予習せずとも大丈夫。

そして……遂に本作オリジナル設定のネオゲッターロボに流竜馬が搭乗決定!
長らくブラックゲッターに一人乗りだった彼ですが、独自設定のネオゲッター1のパイロットとして活躍します。
ネオゲッターロボに竜馬が乗る、ゲッターロボファンの方なら一度は考えたことがあるのでは?

いよいよ次回から本作オリジナルルート、ロドニア編に突入します。
ところでシンの御相手?
ルナマリア以外にもほら、一人仲良くなりそうなのがいるじゃないですか。
特別編に出てて、シンや彼の師匠と同じく刀というか剣を使ってる赤い子が。


それではまた次回。

二択決定戦! シン一人乗りする最終ゲッターはどちらだ!?

  • 真ゲッタードラゴン(大決戦版)
  • 真・ゲッター1(スパロボα仕様)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。