ウルトラマンレジェンド Episode.CROSSOVER 作:ハジケハムスター・ポッポ
これにてオリジナル回が一段落なのですが、ぶっちゃけます。
今回の話、色々とんでもないことになりました。
書きたいことは書いたので、詳しくは本編をお読み下さい。
それでは本編をどうぞ。
ロドニアのラボ――あまりに凄惨な実験と教育をしていたその施設は、レジェンド率いるウルトラ騎空団のメンバーとギャラクシーレスキューフォースからの増援三名により完全に壊滅。
負傷者(施設側のみ)はいるがバーサーカー……というかそもそもサーヴァントのため、それをカウントしなければ死者はおらずドロイドも生命体ではないので結果として人的被害は施設にて作戦以前に亡くなった子供達や職員だけになる。
研究データは子供達の身体機能に関する事柄も細かく記されていたのでアポロンゼストが複製してスワンに譲渡した。
残るは問題は確保した職員、並びに救出した子供達や善良な世話係の職員の今後の扱い。
研究方面に従事していた職員は反省の色が見えないので、全員漏れなく地獄送り。
迎えに来たシロがルリアやアマリ、ステラにモフられていたぐらいで受け渡しは難なく……と思ったが、その中の三人をレジェンドが冷たい目で見たと思えば「コイツらだけは月王国に送りたい。先代女王に連絡を頼む」と言ってきた。
レジェンド様がそんな顔するなんて余程のことと言って、シロの方は問題無く了承。
そして最も重要な子供達と世話職員だが……。
「俺、デカマスターみたいになりたい!」
「うん?」
「僕も! 僕達を助けてくれたデカマスターみたいに同じような目にあってる人を助けたい!」
「お……おぉ?」
なんと子供達は圧倒的強さとカッコよさを兼ね備え、正義を貫き悪を斬るスペリオルデカマスター=ドギーに思いっきり憧れてしまったらしい。
恩人でもある彼がヒーローであるというダブルパンチは子供達の心に強く刻み込まれたようだ。
唯一ステラのみがゼットにしがみついたまま、少し心配そうにしている。
「どうやらこの子らの目標になってしまったようだな、ドギー。確かギャラクシーレスキューフォースは俺が出資して、本部が多数の施設を持つ独自のコロニーになったはずだ。その中に寮付きの訓練所みたいなのはなかったか?」
「一応、何らかの理由で保護した者達が今後生きていくには困らないよう、様々な職業に対応した訓練が可能な施設はありますが……」
「せっかくやる気なんだ、お前の前職である宇宙警察の訓練をしてやったらどうだ? やるやらない、やってみて続ける続けないは当人の意思次第だが、希望の芽を摘むこともないだろう。それに、だ。お前が鍛えたらこいつらは化けるかもしれんぞ。アイツらみたいにな」
レジェンドのその言葉が決め手となり、ドギーは子供達をGRFで保護し一般教養の再学習、及び希望者には宇宙警察の訓練メニューを受講させることを決意した。
職員に関しては、レジェンドらが救出した世話役の職員をそのまま雇用することで解決。
そもそも本部コロニーはまだまだ人員不足な上、子供達の懐き具合から精神的にもその方が良いという判断からである。
ついでに施設をブチ壊す際、レジェンドが生活用品を強制接収しながらだったのでそちらの調達に関しては問題なかった。
元警察官なのでドギーは軽く頭を痛めたものの、スワンは苦笑程度……束がいつもアレなので慣れたらしい。
とはいえ、持ち主といっていい子供達がそこにいるのでそのまま収納したブレスレットごと渡せばそれで終わり。
そういうことならと結局はドギーも納得してこの件はようやく解決……のはずだったが。
「ゼットは、一緒に行かないの……?」
「え? ああ、俺は銀河遊撃隊兼ウルトラ騎空団所属だからドギーボスとは働き場所が違うんだ」
「…………やだ」
「「「「「はい?」」」」」
「やだ! ゼットも一緒じゃなきゃやだ!」
ステラが泣きながらゼットにしがみついて離れようとしないのだ。
当然ゼットは混乱し、さしものドギーもこの場合はどうしたものかと悩んでいる。
ミゲルやラスティは元々軍人なのでお手上げ。
他の者もこうしようかああしようかと悩む中……唯一人、レジェンドだけは愉悦モードだった。
「うー、あうー……う、超師匠――」
「今こそ決断の時だ! ウルトラ騎空団を離れ銀河遊撃隊としてギャラクシーレスキューフォースに出向するか、諦めてステラを一緒に連れて行くか!」
「「「「「めっちゃ楽しそうだなこの人!?」」」」」
「これ以上泣かせたくないんで一緒に連れて行くでございます。どのみち今超師匠と分離したらピコンピコンでアウトですし」
「「「「「決断はえーよ!!」」」」」
おバカのゼットにそんなこと委ねたところで無意味だった。
彼は自分の気持ちに馬鹿正直なのである、バカだけに。
「なんかすっげーディスられた感がありますが」
「お前ってよく考えてるのか何も考えてないのか分からなくなる時あるよな……」
「へ?」
ミゲルがそう言うとレジェンドとガイがうんうんと頷く。
直感型とでもいうのか、ゼットはそれで好転したりするから一概にダメだと言えないのがどうにも。
しかし、そうなると今度はスティングやアウル達と別れなければならないのだが、心配は要らなかった。
「ま、そのハチャメチャ兄さんのとこなら大丈夫だよな」
「そっちのにはステラも懐いてるし」
「スティング、アウル……皆も頑張ってね」
「もしかしたら次会った時には俺達もボスみたく変身出来るようになってるかもな!」
「お互い、再会を楽しみにしようぜ」
「うん!」
今生の別れではないと理解しているからか、未来に期待を膨らませて笑顔での別れ。
ドギーも「なら今まで以上に努力しなければならんぞ」と言いつつも声色は優しく、スワンやリブットも笑っている。
後に彼らは本当にGRF所属のレスキューデカレンジャーとして大活躍するようになるのだが、それはまだまだ先の話。
束の間の会話を楽しみ、迎えに来たスワンお手製の新型母艦『ギャラクシーレスキューフォートレス』に乗り、彼らはC.E.の地球を去っていった。
いつの日か、今度は笑顔での再会を夢見て。
☆
しばしの余韻に浸った後、アポロンゼストが真剣な表情であることを告げる。
「すまない。このまま気持ち良くこの場を出立したいとは思うのだが、最後に一仕事同行を頼みたい」
「……? まだ何かあるのかよ?」
「お前がそう言ってくるということは、見つけたのか」
ラスティの疑問は尤もだが、レジェンドはすぐに察したようで逆にアポロンゼストに合否を尋ねると彼は真剣な表情のまま首肯した。
「あの大規模作戦で暴れてくれたおかげで運良く、な。逆に言えばあれだけ暴れても封鎖された入口が見つかっただけでビクともしていない、という異常なまでの厳重さなわけだが」
「マジか。手加減していたとはいえ、変身したドギーの必殺技だぞ? っと、直撃しなけりゃまあそんな場合もあるわな。それで、その入口とやらは……」
「案内する。ただし、何があるか分からないからキャプテンや総合クルーの流はペガサスAに残ってくれ。団長の話によれば瞬間移動が可能らしいので、いざという時は頼らせてもらおう」
「ま、仕方ないか。とりあえず機動兵器は全部ブレスレットに格納しておけ。一々ペガサスAまで戻ってまた出てくるのも手間だ」
「ホント、技術レベルおかしいってこれ……」
ラスティのぼやきはレジェンド等一部を除き、ほぼ全員が同意である。
「……ここだ」
「成程、開けるための取っ手も無し。この上に施設が建てられたってことは余程のものが隠されてると考えてよさそうだ。ちょっとやそっとじゃ開けられんだろうが――」
レジェンドは手刀で地面にあった『入口』を封鎖している扉を貫き、力任せにブチ開けた……というか、扉を引き千切りつつ宇宙の彼方までぶん投げた。
相変わらず無茶な開け方をする御仁である。
「あれですね、ラクス嬢の乗ってた脱出ポッドを開けたのと同じ開け方ですね超師匠」
「言われてみれば……」
「扉はお星様になっちゃいましたけど」
ゼットのおかげでアマリやルリアはその時のことを思い出す。
あの時は開けた直後にラクスのハロ――ピンクちゃんがレジェンドの顔面に直撃したが、今回はそういうのがないようで安心……出来るのだろうか。
「……階段だな」
「お決まりのパターンだね、父さん」
「よし、俺が先頭を行く。最悪何が起きても俺なら対処出来るだ」
「何が起きても対処出来るって公言して大丈夫なのか?」
「当たり前だろう。俺だからな」
ミゲルの疑問に対し『俺だから』と自信満々の返答をするレジェンドに、ロスヴァイセやルリア、アマリらは即行で彼のすぐ後ろを確保。
こういう状況において、レジェンドのその決め台詞の一つが出た時の安心感は半端ない。
「ゼット、ステラちゃんも引っ付いてるからお前は真ん中で進め。殿は俺が務める」
「了解であります、オーブ先輩!」
「私もガイと共に殿を務めよう。有事の際の退却時は団長が殿になるのだから、何も起こらなければいいのだが」
ゼットとステラ以外にライやモニカ、ミゲルにラスティも中堅位置で、ガイとアポロンゼストは最後尾になる。
既にガイはオーブカリバーを長剣形態に変え、警戒を開始していた。
そうして地下へと足を踏み入れたレジェンド達だが、今のところ灯りが無いくらいで、レジェンドが発生させた小さな光球で道を照らしつつ特に分岐も無い一本道を進む。
「何が起こるか分からんが、俺の目で見ても特に異常は見当たらな……ん?」
「ど……どうしたんですか?」
「いや、この先にまた扉があるんだが……その先が視えん。ちょっと集中すれば見透かせるだろうが、どのみち行くことには変わらんからな。レジェンドプロテクトとオーロラルパワーの出力を少し上げておくか」
「それだけで対処出来ちゃうんですね……」
「俺だからな。よし行くぞ」
驚きなのか呆れなのか微妙なところだが、アマリの言葉にも例の台詞で返し突き進むレジェンド。
念の為、少しだけロスヴァイセ達を離して扉を開けると――。
「「「「「…………は…………?」」」」」
全員が間抜けな声を上げるが、それもそのはず。
その先に広がっていたのは宇宙だったからだ。
「いやいやいやいやいや! おかしいだろ!?」
「地下に行ったはずが俺達はいつの間にかワープゲートで宇宙へと昇ってい……いや降りたよな。何だこれ?」
混乱するラスティとミゲル。
彼らだけでなく、ゼットやガイのような宇宙を舞台に活動していたウルトラ戦士すら意味が分からないといった表情で眼前の宇宙を見ているが、レジェンドだけは冷静に状況を整理している。
(確かに宇宙だが、妙だ。これが宇宙ならそれこそヘリオポリスの時のように吸い出されてもおかしくないが、その兆候は全く無い。ましてや宇宙は基本真空状態で、俺らはともかく例外を除き生身の人間が何の装備も無く無事でいられるわけも無い……だとすれば)
ある推測と共にレジェンドはその宇宙へと歩を進める。
そして――。
「……歩けるな」
「「「「「えっ!?」」」」」
「それだけじゃない。ふむ……そうか、大体このあたりからここまでか。そうであるなら……やはりな」
驚くゼット達を尻目にレジェンドはその宇宙を少し歩き回り、何かを探るように手を翳し、一人頷いて前方を見つめた。
「いいか、よく聞け。これは宇宙だが、ここは宇宙じゃない」
「あの……どういうことですか?」
「分かりやすく言うなら……そうだな、近いもので例えるならトンネルだ」
「トンネル……じゃあこの宇宙はペイント――」
「成程……先の言葉と合わせて考えると、視えない壁か何かを境に我々のいる『トンネル』内部、それから今見えている宇宙が外部に当たるということか」
アポロンゼストの推測に正解だ、と答えるレジェンド。
反対にペイントだと思ったラスティや、いまいち理解出来なかった他の者は驚愕する。
ただ二人……ペガサスAで遠隔観測している勇治と、頭脳明晰なライに関してはアポロンゼストに先に言われたのを驚いているだけなのだが。
「じゃあレジェンドさんがさっき手を翳していたのは……」
「翳してたんじゃなくてどのあたりに『境』があるかを確認してたってことか」
「そういうことだ。理屈も分かったことだし、安易にここで暴れるなよ。何が起こるか分からんぞ」
そう言ってレジェンドはある方向を指差す。
先程見ていた方向で、そこには少し遠くに光が見えた。
「おそらくあそこが終着点……ある意味、ここ以上に何が起きるか分からん場所だ。光のおかげで何があるかさっぱりでな、今まで同様に俺が先頭を行く。何かあればすぐに引き返せ」
「さて……鬼が出るか蛇が出るか、そんなものよりヤバいものが出てくるか」
「個人的には何もないのが一番なんだけどさ。こんなことが起きる場所で何もないのはあり得ない、か」
レジェンドの指示にミゲルは呟き、ラスティは溜息と共に歩を進める。
ステラやルリア、アマリは不安からかレジェンドやゼットから離れようとしない……ロスヴァイセやモニカはある程度自分で対処出来るからなのか、少しだけ余裕はあるようだが。
やがて一行は光のもとへと辿り着き、その向こう側へとさらに足を踏み入れる。
そこで目にしたものは――。
「……手術室?」
「さっきの宇宙から一転して無機質で殺風景な光景になったな」
「「…………」」
他の者が肩透かしをくらっている中、レジェンドとアポロンゼストは険しい表情をして部屋の中央にある手術台に足を進め、その上にあった『何か』を見た。
「団長、何か分かるか?」
「なんとなく、だがな。少なくとも『こう』なっていて良かったかもしれん。しかし……」
何故『こんなもの』がここに――そう思ったレジェンドは、ただ一つそこにあったパソコンが偶然にもまだ生きていたことに気付き、急ぎ電源を入れ内部データを閲覧する。
入れ替わるようにゼット達は手術台の上のそれを見るが、誰一人としてそれの正体が分かる者はいない。
そして、レジェンドはデータを閲覧しながらこの場所が何なのかを告げた。
「……ジョージ・グレン」
「「!」」
「それって、最初のコーディネイターの……」
「ああ。どうやらここは、ソイツの誕生に深く関わった場所らしい」
その場の全員が驚くも、データを閲覧中のレジェンドは険しい表情のままディスプレイから目を離さない。
「ソイツを生み出した科学者グループは出自不明だったそうだな。まあ『そんなもの』を研究素材としてる時点で碌でもないことをやってたんじゃないかとは思うが」
「そんなものって……これが?」
「『我々ヒトにはまだまだ可能性がある。それを最大限に引き出すことが出来れば我らの行く道は果てしなく広がるだろう』……そんな考えの下にジョージ・グレンは生み出された。だが考えてみろ。如何に遺伝子操作しようとも限界は存在する。そう、果てしなくとはいうが途中で必ず壁にぶち当たるんだ」
「ってことは、コーディネイター全体が壁にぶち当たるってことでいいのか?」
「その一つが出生率の低下だろう。人為的に遺伝子弄くってればそういうマイナス要素だって出てくるさ」
そしてレジェンドはパソコンを操作し閲覧を進めつつ、より深く『ナチュラルとコーディネイター』について切り込んでいく。
「そこはともかく、グループは倫理観はアレだが科学者としては優秀だったんだろうな。しっかり成長限界には気が付いた。このままではダメだ、どうしようこうしようああしよう……そんな時に『それ』が偶然現れた。しかも連中に都合が良い状態で」
「もしかして……」
「連中は『それ』を持ち帰り、研究していく中で『それ』の中に今の研究を一気に進めるモノがあったことに気付いた。そして連中は一か八か『それ』の性質を取り入れるべく、その遺伝子を抽出し産まれる前のジョージ・グレンへと注入。奇跡的にそれは成功し、成長と共にジョージ・グレンはぶち当たるであろう壁を超えた――」
レジェンドは一呼吸置いて――。
「即ち、『進化』したんだ」
――そう告げた。
「進化……!?」
「コーディネイターが進化した種だというのはあながち間違いではない。間違いではないが、正しいとも言えん。コーディネイター全体ではなく『コーディネイターであるジョージ・グレン』だけが当時進化した人類だったからな。それにナチュラルによる人為的遺伝子操作がこと始まりの上、そもそも『こんなもの』に頼る時点でもはや『ヒト』の枠組みから外れるようなものだ」
「……まさか、父さん……これは……!」
「ライも流石に気付いたか。お前も彼奴等とは親しいし、よく耳にしただろう」
「なあ、つまりどういうことだよ!? 何か二人で盛り上がってないで俺達にも分かるように説明してくれって!」
ラスティの訴えはその場にいる者達の総意でもある。
そこでレジェンドは、データ閲覧を終えたことで重大な事実を口にした。
「ジョージ・グレンの誕生に使われたのは『それ』……ゲッター線を内包したインベーダーの遺伝子だ!!」
――おそらく、ゲッターチームがいれば驚愕・憤怒せざるを得ない事実が彼らに告げられた。
インベーダーが何かを知らぬ者達が多いとはいえ、レジェンドやライの様子から少なくとも良いものではないということぐらい想像はつく。
つまりジョージ・グレンとは『ヒトの手で生まれた人型の人工インベーダー』とも言える存在だったのだ。
「インベーダーはゲッター線を糧とする。ゲッター線は放射線の一種ではあるが、その本質は生命の進化を促そうとする意志を持っていることにある。幸いにもジョージ・グレンはインベーダー化せずに無事進化を果たしたようだが、結局暗殺されたようだしな」
「あ……え……いやでも進化するなら悪いことじゃ――」
「進化すると言うことは他種族を淘汰し続けることでもある。既に出生率の低下という欠点が明確になっているコーディネイターが、例えばナチュラルを全て滅ぼしたりしたらどうなる? 進化しても都合良く出生率が高まるとは限らんぞ」
……つまり、コーディネイターの進化の行き着く先は自滅。
そうでなくとも進化の過程でコーディネイターは全く別の種族・存在に成り果てる可能性が高い。
「とはいえ、今のC.E.じゃナチュラルが進化しても同じ結末だろうがな。ナチュラルとコーディネイターで手を取り合っていこうとする意思を持つ者があまりに少なすぎる。それに――!?」
突如、その場に光が溢れた。
☆
光が収まったとき、何故かそこにはペガサスAにいるはずの勇治や流もいて。
自身らは地上が見渡せる遥か天空に存在していることに気付く。
「何だここは!? 何が起きたんだ!?」
「これは……大地が何かに汚染されているのか?」
「そんなことより……ルリア?」
「あ……あ……」
流や勇治も驚いている中、アマリがルリアを見れば彼女は『何か』を指差しながら真っ青な顔をしている。
唯一レジェンドのみが先程までと同じ険しい表情を崩さず、ルリアの指差す方向を向いていた。
尋常ではない彼女の怯え具合に、皆が意を決してそちらを向く。
――あの花の魔術師とは違う……『資格を持ちし者』達か。
「「「「「!!!!」」」」」
それは、あまりにも巨大で。
それは、あまりにも異質で。
それは、あまりにも強大で。
――あまりにも悍ましい姿……否、頭。
「な……! 何だよ、これ……!?」
「これは、ゲッターロボ……!?」
「は!? ロボ!? 生物じゃ……」
「久しいな、ゲッター
「「「「「は!?」」」」」
表情は変えないが、どうやら知己であるらしいレジェンドの喋り方に誰もが驚きを隠せなかった。
どうやらそれは向こうも最初は同じだったようで……。
――何故貴方様が。そう思いましたがインベーダーが絡むとあればそれも起きましょう。
「ああ。ここは『まだ』どうにかなりそうだが、どうにもならなそうなら言え。お前は『意志の移動』でどうにかなるが、『世界』はそのままではどうにもならん」
――その時は貴方様と、貴方様に生み出された『真なる原初にして終焉の魔神』にお頼み申し上げます。
「了解した」
その顔――ゲッター聖ドラゴンと呼ばれたそれと、レジェンドが一通り会話を終えると、今度はハッとなった勇治達が矢継ぎ早に質問しようとする……が、ゲッター聖ドラゴンは彼らをプレッシャーのみで封殺。
――資格持つ者達よ、もう来るな。ここはお前達の来る世界ではない!!
「「「「「う……!」」」」」
――もし私とお前達が出会うとすれば、それは遥か未来。帰れ、帰らぬか!!
「待ってくれ! インベーダーがどうとか!」
「少しでいい! 聞きたいことが――」
☆
――気が付けば、彼らは地下室への入口があった場所に立っていた。
無論、勇治と流はペガサスAにいる。
……しかし、あの地下室への入口は最初から何も無かったかのように消えていた。
あの光景は何だったのか?
今までのことは全部夢だったのか?
レジェンドに問い詰めようとしたが、彼から渡されたのは地下室のパソコンから吸い出しておいたデータが入ったUSBメモリ。
さり気ないにも程がある抜け目の無さだったが、これで夢ではなかったことが証明された。
あのゲッター聖ドラゴンとは?
あの荒廃した世界は?
それはあの時あの場所にいた者しか抱かない疑問。
果たしてその疑問が解決するかは定かではないが、今回判明した重要なことはそれではない。
地下室にあったのは風化寸前な『インベーダーの肉片』であり、研究グループが持ち帰ったのは抵抗する力も無いほど瀕死だった『インベーダー』。
その遺伝子を受け継ぎ生まれたのが『ジョージ・グレン』。
――即ちナチュラルの手によって生み出されたコーディネイターは、インベーダーが密接な関係にある……ということだった。
〈続く〉
「バーヴァン・シー、我が夫が送ってくれた大罪人共の様子は?」
「もう死屍累々よ、お母様。まあ私が散々拷問して、バーゲストに叩きのめされて、メリュジーヌにズタズタにされて、ウッドワスにあちこち引き裂かれたのにしぶとく生き残ってるのは少しだけ見直したけど。だって死んだらお母様の分がなくなっちゃうからね」
「そこは申し訳程度に防御力を上げる魔術をかけてやったアルトリアの功績ですね。よろしい、仕上げは私がやりましょう。あの優しい子が、食事さえ『知らない』というまでに酷使した奴らに慈悲など不要。私は……否、私達は決して奴らを許さぬ」
そう言って冬の女王の礼装を纏った月王国先代女王は、魔槍を携え長女同伴のもと『大罪人』達が罰せられている部屋へと歩き出した。
「ところでお母様、お母様がクソ虫って呼んでるあいつは参加させなくてよかったの?」
「アレは奴らを永久に眠らせてしまい、奴らへ痛みを与えても反応しなくなる危険があった。そうなれば本末転倒、罰の意味が無い」
「うん、それはナシよね」
地球降下後、つまり本章最初の話で■の多数あった最後の部分を覚えていらっしゃるでしょうか?
その答えがこれです。
正直どうやら自分も当てられたらしく、当初の予定していた話より詳しく理由が浮かんできて自然と文章にしてしまいました。
レジェンドが月王国に送った連中がどういった連中なのかは今回のラストと本編を読んで頂いていればご理解頂けるかと。
ここからオーブでの合流までやっと一直線で行けそうだ……そしていよいよ『どうして空は蒼いのか』編に突入!
シン・アスカが闇堕ちしたまま成長したと言っても過言ではなかったあのキャラが遂に登場!
それではまた次回。
二択決定戦! シン一人乗りする最終ゲッターはどちらだ!?
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真ゲッタードラゴン(大決戦版)
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真・ゲッター1(スパロボα仕様)