ウルトラマンレジェンド Episode.CROSSOVER   作:ハジケハムスター・ポッポ

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お待たせしました。そしてグッバイモラシム隊!!

そんな話であります今回。
まあ、原作でもモラシム隊の出番は二話分でしたし。

本作の登場作品とサブタイトルから想像出来てしまう方がいらっしゃるのでは?


それでは本編をどうぞ。


地球が生みし『破壊神』

 アークエンジェルではマリューがムウから潜水母艦が潜んでいると意見があり、それの撃沈も見据えて行動することを提案されている頃……。

 

 

「……」

 

「沙耶さん? どうされました?」

 

「いえ、今更だけどリンボはどうしたのかと考えていたのよ。てっきり私達を追ってくるものかと思ったのだけれど……」

 

「そういや、あの時からまるで姿を見せねえよな」

 

『あの者との戦いならば私達も出よう。間違いなく危険だ。少なくとも連合とザフトの枠には収まっていないように見える』

 

『殺しにまるで躊躇いがねぇ。戦闘狂とは違う、何だ……得体が知れないってのが正しいような』

 

 

 ダ・ガーンとビッグランダーがそう言うと、沙耶がそれに頷く。

 

 

「唯一ハッキリしてるのはサーヴァントということだけ。誰がマスターかは分からないわ。お母様や先生なら推測出来るのかもしれない」

 

「あ……そういえばリンボのマスターについて、沙耶さんは思い当たる節とか無い?」

 

「そうね……月王国(ルナ・ブリテン)絡みならリゼヴィムの件以降、お母様や妖精騎士の皆、ウッドワスも目を光らせてるからそちらの線は薄いでしょうね。もしあるとすれば……お母様がかつて治めていた妖精國の方かも」

 

『ふむ、その妖精國というのは?』

 

「正式には妖精國ブリテン。もう滅びてしまってないけれど、キャメロットを首都として氏族……いわゆる妖精の中の種族ね。その長が治める町がいくつかあり、一応人間と妖精が共存していたのよ」

 

 

 例としてはロンディニウムやエディンバラ、ソールズベリーなどだ。

 ところが沙耶が言った『一応』人間と妖精が共存していた、という部分がどうにも腑に落ちない。

 

 

「あの……一応、ってどういう意味なんですか?」

 

「妖精國において人間はほぼ奴隷に近かったからよ」

 

「「「「「!」」」」」

 

「ついでに言うとその原因は『はじまりのろくにん』と呼ばれる妖精で、あまり詳しくは言えないけど連中の所為であそこで生まれた人間は寿命が極端に短くて、確か……約30年程度だったかしら」

 

「なんだよ、それ……!」

 

「加えてお母様を育ててくれた『雨の氏族』。ぶっちゃけお母様いわく、ただ一つ氏族全体が良い妖精達だったのだけれど……他の氏族が徒党を組んで根絶やしにしたのよ。お母様が『楽園の妖精』で、それを匿い育てたという理由でね」

 

 

 あまりにも壮絶な話であった。

 そして氏族滅亡の危機にあってなお、雨の氏族はモルガン……トネリコを逃がす事に全力を注ぎ――結果、滅びたもののトネリコは無事逃げ遂せたのだ。

 それからも色々あり、レジェンドと会った頃のモルガンが冷徹な冬の女王だったのも納得というもの。

 

 そんなレジェンドが妖精國の頃から何かと気にかけてやり、妖精國滅亡後も色々と世話を焼いた結果……モルガンは最上級のレジェンドガチ恋勢になったのである。

 

 ――閑話休題。

 

 

「皆が憤るのは分かるけど、今はリンボのマスターについて考えましょう。先程言ったように、お母様と因縁があるとしたら雨の氏族以外の氏族。それもお母様が治めていた頃、妖精國の終焉が起きた頃に氏族長だった者が有力ね」

 

『氏族長……例えるとランダーズの俺みたいなポジションの奴だな!』

 

「そう。まず牙の氏族長のウッドワス。彼は今もお母様の従者だし、忠臣と言われるぐらいだからまずあり得ない。次に鏡の氏族長エインセル、こちらも当時既に亡くなっていたので除外。それから王の氏族長ノクナレア、彼女はしっかり作戦を立てて『自分も』仕掛けてくるタイプだったらしいわ。あと……先生のことがとてもお気に入りで、彼女は女王の座を手に入れたら先生を婿に迎える気だったとか」

 

「マジで落としまくりだろあの人」

 

「だった……?」

 

「……毒殺、されたの。彼女自身は自ら軍を率いてお母様や妖精騎士達に真っ向から挑んできた。けど、それに便乗した連中のクーデターでお母様達は絶体絶命だったのだけれど、そこで先生が突然お母様達を連れて離脱……半ば逃避行じみたことをしたそうよ」

 

 

 女子勢は何やら羨ましがっているが、当時はかなり切羽詰まった状況であった。

 

 

「それからしばらくしてノクナレアの戴冠式の最中に、彼女は毒の入った飲み物を飲んでそのまま……」

 

『なんと……』

 

「卑劣極まりない! 私がその場にいたらこの拳を一発叩き込んでやったものを!」

 

「いや旦那のソレ普通の奴なら死ぬからな!?」

 

 

 妖精だから普通じゃない、は禁句。

 まあ実際、普通ではなかったのだが……。

 

 

「ってことは、その三人以外の氏族長の可能性か……」

 

「他の氏族長はどんな人物……妖精だったの?」

 

「確か……翅の氏族長はムリアン。でも彼女はどちらかと言うと牙の氏族を憎んでいたと聞いたから、お母様との因縁というには薄い気がするわね」

 

「理由は……いや、今はいいか。では残るは?」

 

「あとの氏族は二つ。片方は土の氏族長スプリガン、実は妖精ではなく整形と延命処置していた、妖精國外部から来た人間だったらしいの」

 

「まあ、そこでの人間の扱いを聞いたらそうすんのも頷けるっつーか……」

 

「ちなみに先程説明したクーデターの主犯格よ」

 

「いきなり今回の容疑者じみてきましたね」

 

 

 モルガン達の転機ともなったクーデター、その主犯格ともなれば因縁は十分。

 

 

「もう片方は?」

 

「風の氏族長オーロラ。美しい外見と穏やかな言葉遣いに立ち振舞、妖精騎士ランスロットも本来彼女の騎士だったそうよ」

 

「じゃあランスロットを取られたから……」

 

「違うわ。詳細は省くけど、ランスロットが妖精騎士になったのはオーロラに因んではいるけど自分の意志だったって」

 

「へー……じゃあやっぱり、やるとしたらそのスプリガンって奴かな」

 

「…………」

 

 

 三日月がなんの気無しに言った一言で沙耶以外が納得したように頷いている。

 ただ、一応ムリアンと件のスプリガンも死亡している(特に前者に至ってはオベロン自身が手に掛けたと自白した)し、オーロラに関しても理由は深く聞かなかったがランスロットが介錯したという。

 

 ……だが。

 

 

(……先生とお母様が言ってたのよね。外見と中身が真逆って)

 

 

 

 

 ――北の海・上空――

 

 バルトフェルド隊から離れたリンボは、ガンダムヴァサーゴを駆り海の上で何かをしていた。

 位置的に連合の勢力圏の気もするが、かの人物の隠行はどうやら人の身ならず最新機器も騙せるらしい。

 

 

「ふむ、情報によれば大体この辺り。とはいえ多才な拙僧といえど深海までは見透かせませぬ。そういうわけで範囲を少々広めに設定しておくとしましょう。あとは即時離脱可能なように準備もしておかねば。あれは封印解除と同時に攻撃されかねません故」

 

 

 リンボはヴァサーゴのコックピットから外へと紙形を飛ばし、今度はヴァサーゴの操縦し機体の両手で印を結ぶ。

 

 

「急急如律令!」

 

 

 その一声で海面が怪しく発光し、徐々に波紋が広がっていく。

 

 

「さすが拙僧、難なく終えてしまいました。さて、あとはどうなるかはアレ次第。まあ核兵器やらNジャマーやらでこの世界の地球環境は悪くなる一方。言うなればアレも抑止力の一つと言えましょう。ただし、あくまで星を脅かすものを『破壊』するという点で人理にとっても天敵でありましょうが。ははははは!!」

 

 

 そう言いながらリンボの駆るヴァサーゴはその場を離脱。

 

 海中にて目覚めた『それ』はすぐさま行動を開始する……リンボの言葉通り、星を脅かすものを破壊するために。

 

 

 

 

 その頃、カーペンタリア基地ではイザークやディアッカが地上に降りてきたクルーゼやベリアルにアークエンジェルの追撃を懇願しており、ランバ・ラルもまた彼らに同調していた。

 そこにアスランやニコル、そしてノリスも到着する。

 

 

「彼らは既に様々な環境での戦闘を学び終えた。ゲリラ戦とは砂漠や森林で真価を発揮するのではない。その時、その場の状況を最大限に活かし、利用する事にある!」

 

「……どうするね、ラウさん。スピットブレイクも迫ってるし、可否どちらにせよ俺らは動けないぜ」

 

「ふむ……そこまで言うなら君達だけでやってみるかね?」

 

「はい!」

 

「微力ながら私も手を貸そう。元より隊長からは足つきを追うように指示されている」

 

 

 クルーゼの発案に意気揚々と返事をするイザークに、ラルも彼の肩を叩きつつ助力を告げる。

 その後、アスランが指揮を任されてイザークやディアッカが噛みつくかと思われたが……。

 

 

「ふざけた指示であれば現場の状況を判断してこちら独自で動くぞ。エネルギーや弾薬は限られてるんだからな」

 

「特に俺の機体なんて砲戦仕様だから尚更ね。ベターじゃなくてベストな指示を出せよ」

 

「えっ……」

 

「何だその腑抜けた面は。当たり前の事を言っただけでその調子じゃ、先が思いやられる」

 

 

 まさか食って掛かってきたり、嫌味の一つも言われると思っていたアスラン(とニコル)は、よもや正論を言われるなど考えていなかった。

 これにはクルーゼやベリアルも感心し、ノリスはラルと『化けましたな』『いやいや、まだまだこれから』と笑い合っている。

 結果的に敗北したとはいえ、彼らは三人でアークエンジェルと明けの砂漠への奇襲を成功させているのだ。

 そのことが慢心ではなく程良い自信へと繋がっているのだろう。

 

 

「彼らの戦闘記録は知っているだろう。貴公らもうかうかしていられんぞ。時間的都合で私は貴公らに訓練をつけてやれなかったが、やはり地上での戦闘はその場の空気を肌で感じねばならんというものだ」

 

「それは……はい」

 

「よし。アスランは母艦の手配を。ラル殿、隊長と艦長から我々のグフ用に新型のフライトユニットを受領し、持ち運んでいる。彼らが準備をしている間にこちらも取り付けを済ませよう」

 

「ラル教官とパッカード教官のグフ用のフライトユニット……!?」

 

「グゥル無しであの機体が飛行出来るのか!?」

 

 

 これにはイザークとディアッカも驚きと興奮を隠せない。

 グゥルを除けば、ザフトにおいて空中戦はディンの専売特許……それをただでさえ強いRFグフカスタムが可能となるならば心強いことこの上ないと言える。

 

 

「承知した。確かカタログスペックではある程度まで武装を装備出来るらしいが、我々のグフは元々武装を全て携帯可能。どちらかといえば友軍機が使う装備を運ぶための機能なように思える」

 

「その読みは正しいぞ、ラル殿。正に今回のような友軍機が元々ビーム兵器は標準装備しているものの実弾系に不安が残る場合など、他の部隊との運用を前提とした機能と聞いている。少数精鋭のゲリラ戦では連携が物をいう、というわけだ」

 

 

 双方共にかつて所属したジオン軍において武人であったベテランパイロット。

 即座に視野を広げ議論しつつ作業に向かう姿はザラ隊の四人にとって大きな背中であった。

 

 

「……ハッ! 呆けてはいられん! ディアッカ、ニコル! すぐに俺達も準備にかかるぞ! 手間取っては教官達の顔に泥を塗ることになる!」

 

「オーケー!」

 

「は、はい!」

 

「アスラン! 隊長なら隊長らしくキビキビ動け!」

 

「あ、ああ!」

 

 

 認めていないのではなく、発破をかけるあたりがイザークも成長しているという証だろう。

 

 

「……ラウさん、案外マジでやっちゃうかもよ?」

 

「そうなったらなったで構わんさ。だが……幾度か相まみえた君としては、どう思う?」

 

「キツイね。連中の本隊はさらにヤバい戦力が集まってるし、俺とラウさん二人がかりでも勝てなかった光神サマなんて本来の機体がアタオカ過ぎる。おまけにブッ飛んだ怪獣まで使役してるときた。彼らには悪いが、荷が重いかな」

 

「ほう、それはそれは……」

 

 

 

 

 ――アークエンジェル――

 

 予想通りと言うべきか、モラシム隊が雪辱を果たしにやってきた。

 一応新戦力として隊長のモラシムがゾノを駆って攻撃してきたものの……。

 

 

「ば……馬鹿な! このゾノをもってしても太刀打ち出来んというのか!?」

 

「ぶっちゃけシミュレーターでやったグラブロのがよっぽど強かったよ」

 

「装甲が厚くて接近戦に強いってスーパーロボットみたいなものだろ!」

 

 

 三日月の言い分は納得出来るし、タイガにしてみてもシミュレーターで地上とはいえ遥かに格上とやり合ったりしたのだからあっさり対抗出来てしまった。

 

 さらにアークエンジェルはバレルロールするわ、ダブルオークアンタはGNソードビットとGNソードⅤを合体させてGNバスターソード/GNバスターライフルを使いだすわ、量産型Mk-Ⅱ改は別形態に換装して全く前回と戦い方違うわでモラシム隊は大慌て。

 

 このような結果であるため最初はスカイグラスパーの二号機で出撃しようとしていたカガリも、余裕が出来て様子を見に来たダイゴとキサカによって諌められ渋々了承。

 二人は安堵の息を吐いて頷きあった。

 

 最終的にゾノはネオ・バルバトスのレンチメイスで捕獲された後、振り回されながらチェーンソーで装甲を削られて損傷と水圧のダブルパンチで爆散しモラシムは戦死。

 母艦のクストーも上記のダブルオークアンタのGNバスターライフルの直撃を受け轟沈、モラシム隊はバルトフェルド隊と違って呆気なく壊滅しアークエンジェルは難なく進んでいく。

 

 

「いやぁ、しかし……大丈夫かねぇ?」

 

「何がです、フラガ少佐?」

 

「ぶっちゃけ俺達、ウルトラ騎空団に頼り切ってるからさ。その彼らだっていつまでもいてくれるわけじゃないし、彼ら自身がそれを理解してるからあまり艦内を歩き回ったりしないだろ? もし彼らが抜けて、ザフトが彼ら込みの戦力を想定して追ってきたら……今のままの俺達じゃ確実にやられるぜ」

 

「それは……正式に彼らと契約を結ぶというのは?」

 

「今のところはこっちに協力してくれてるけど、向こうの団長さんがどうするかねぇ。少なくとも団長達がいた時はあくまで正当防衛が通る場合が殆どだったし、奴さん……ナチュラルとコーディネイターの戦争どころじゃないって感じだったからな」

 

 

 ナタルの案をムウは一蹴するが、実のところ彼の言っていることが正しい。

 何にせよ、ウルトラ騎空団に頼り切るのではなく自分達で切り抜ける手段を考えねばならない。

 差し当たって一番現実的なのは戦力の増強だろうが、現状では物資・時間共に厳し過ぎる。

 

 何より彼らは気付いていないが、それは徐々に迫ってきていた。

 

 ラルとノリス、アスラン達ザフトレッド四人で構成されたアークエンジェル追撃隊。

 

 そして何よりリンボが目覚めさせた、恐るべき存在が。

 

 だが、希望もある。

 

 レジェンド達を乗せたペガサスA、そして――。

 

 

 

 

 

『……おい、オーフィス』

 

「どうしたの?」

 

『ちっとばかし因縁があるヤツがこの世界にもいたらしい。顔出してくるからオレ様を元のサイズで出せ』

 

「ん、分かった。いってらっしゃい」

 

『おう』

 

 

 本来の姿になった怪獣王が、仮の主の振る手に尻尾を振って返し、そして――。

 

 

「キューッ!」

 

「なぁにモスちゃん、そんなてしてししなくてもお話聞くから。もしかしてお出掛け?」

 

「キュッ!」

 

「私達も一緒の方がいい?」

 

「クワー…………キュウッ」

 

「そっか。じゃあ気を付けてね、無茶はしないこと。私との約束」

 

「キュ!」

 

 

 母の役目――『守護』を受け継いだ息子も同じくして元のサイズに戻り、先立って海を行く怪獣王を追い飛び立つ。

 

 

 

 

 

 近く、それは激突する。

 

 平和の国……オーブ近海にて、想像を絶する激戦が繰り広げられようとしていた。

 

 

 

〈続く〉




妖精國の妖精の大半にはタイタスのワイズマンフィストをぶち込んでもいいと思う。

リ ン ボ !
マジで余計なことしかしねぇコイツ。

敢えてもう一度言おう!
モラシム隊グッバイと!
でもね、戦力差的にね、原作との差がね……。

『やっぱここはオレ様だよな。怪獣王動きます』

『やっと本格的に出番が来た! 守護神動きます』


それではまた次回。

二択決定戦! シン一人乗りする最終ゲッターはどちらだ!?

  • 真ゲッタードラゴン(大決戦版)
  • 真・ゲッター1(スパロボα仕様)
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